JP4629958B2 - ガソリン - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術的分野】
本発明は、自動車用燃料として有用なエチルターシャリーブチルエーテル(ETBE)配合ガソリンに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来からガソリン中に重質な芳香族分が多く含まれると吸気バルブデポジット(IVD)の生成量は増加傾向を示し、自動車の排出ガス中の有害物質増加や、運転性悪化の原因となることが知られている(例えば、非特許文献1〜3参照。
)。
【0003】
【非特許文献1】
マーチン(Martin),「エス・エー・イー・ペーパー(SAE Paper)」,(米国),ソーサイアティー・オブ・オートモーティブ・エンジニアズ(Society of Automotive Engineers),1992年,922217
【非特許文献2】
ブンティング(Bunting),「エス・エー・イー・ペーパー(SAE Paper)」,(米国),ソーサイアティー・オブ・オートモーティブ・エンジニアズ(Society of Automotive Engineers),1991年,912378
【非特許文献3】
グラハム(Graham),「エス・エー・イー・ペーパー(SAE Paper)」,(米国),ソーサイアティー・オブ・オートモーティブ・エンジニアズ(Society of Automotive Engineers),1992年,922220
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
通常、ガソリンには重質な接触分解ガソリンや改質ガソリンなどが基材として使用されているが、これらの基材にはIVD生成量増加の原因となる重質な芳香族分が多く含まれており環境負荷の低減のためには、これらの重質な基材の配合量を削減することは有効な手段と考えられる。しかし、これらの基材は一般的にオクタン価が高いため、オクタン価維持の観点から、その使用量を削減することは容易ではない。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、前記課題について鋭意研究を重ねた結果、特定量のエチルターシャリーブチルエーテル(ETBE)を配合したガソリンにおいて、ある特定の性状を満足するように調整した場合に、IVDの生成量増加を抑制できることを見いだし、本発明を完成するに至ったものである。
すなわち、本発明は、ガソリン全量基準でエチルターシャリーブチルエーテルを1〜30容量%含有し、留出温度150℃における留出量が90容量%以上、留出温度180℃における留出量が97容量%以上、蒸留初留点が23℃〜37℃、30容量%留出温度が55〜68.5℃、50容量%留出温度が88〜100℃、蒸留終点が190℃以下、芳香族分が35容量%以下、炭素数9以上の芳香族分が10容量%以下、オレフィン分が7.6〜15容量%、および硫黄分が10質量ppm以下であることを特徴とするリサーチ法オクタン価89.0以上のガソリンに関する。
本発明のガソリンには、清浄分散剤が25〜1000mg/L含有していることが好ましい。
【0006】
【発明の実施の形態】
以下、本発明について詳述する。
本発明のガソリンは、エチルターシャリーブチルエーテル(ETBE)を1〜30容量%含有することが必要である。ETBEの含有割合は排出ガス中の窒素酸化物(NOx)増加を抑制する観点から30容量%以下が必要であり、25容量%以下であることが好ましく、20容量%以下であることがより好ましい。また、排出ガス中の一酸化炭素(CO)の低減およびガソリン基材の重質留分との置き替えによる加速性向上の観点から、1容量%以上が必要であり、3容量%以上が好ましく、5容量%以上が最も好ましい。
【0007】
ETBEの製造法は特に限定されるものではなく、公知の製造法から得られるすべてのETBEが使用可能である。製造法としては、例えば、エタノールとターシャリーブチルアルコールを原料とした脱水反応、あるいはエタノールとイソブテンを原料とした付加反応でETBEを合成することが一般的である。ETBEの原料のエタノールについては、特に限定されるものではないが、地球温暖化抑制の観点から、再生利用可能なバイオマス由来のエタノール、例えば、とうもろこし、さとうきび、ビート、小麦などの農産物、または木質資源や木質系廃棄物などのリグノセルロースを利用したバイオマスから製造したエタノールを原料として用いることが好ましい。
【0008】
本発明のガソリンは、留出温度150℃における留出量(E150)が90容量%以上、留出温度180℃における留出量(E180)が97容量%以上、蒸留終点(EP)が190℃以下であることが必要である。
E150は、吸気バルブへのデポジット前駆体の付着防止の観点から、92容量%以上が好ましく、94容量%以上が更に好ましい。E150が90容量%未満のときは、ガソリンが重質化し、吸気バルブへのデポジットが増加する原因となり好ましくない。
E180は、吸気バルブへのデポジット前駆体の付着防止の観点から、98容量%以上が好ましく、99容量%以上がさらに好ましい。E180が97容量%未満のときは、ガソリンが重質化し、吸気バルブへのデポジットが増加する原因となり好ましくない。
EPの上限値は、185℃以下であることが好ましく、更に好ましくは180℃以下である。EPが190℃を越える場合は吸気バルブデポジットが増加する可能性がある。
なお、ここでいうE150、E180およびEPは、JIS K 2254「石油製品−蒸留試験方法」に準拠した方法により測定される留出量、温度を意味する。
【0009】
本発明のガソリンにおけるその他の蒸留性状は下記の通りであることが好ましい。ここでいう蒸留性状とは、JIS K 2254「石油製品−蒸留試験方法」によって測定される蒸留性状を意味する。
蒸留初留点(IBP) :20〜37℃
10容量%留出温度(T10):35〜70℃
30容量%留出温度(T30):55〜77℃
50容量%留出温度(T50):76〜100℃
70容量%留出温度(T70):95〜125℃
90容量%留出温度(T90):115〜150℃
【0010】
蒸留初留点の下限値は20℃であることが好ましく、更に好ましくは23℃である。20℃に満たない場合は排出ガス中の炭化水素が増加する可能性がある。一方、上限値は37℃であることが好ましく、更に好ましくは35℃である。37℃を超える場合には、低温運転性に不具合が生じる可能性がある。
T10の下限値は35℃であることが好ましく、更に好ましくは40℃である。35℃に満たない場合は排出ガス中の炭化水素が増加する可能性があり、また、ベーパーロックにより高温運転性の不具合を生じる可能性がある。一方、T10の上限値は70℃であることが好ましく、更に好ましくは60℃である。70℃を超える場合には、低温始動性に不具合を生じる可能性がある。
【0011】
T30の下限値は55℃であることが好ましく、更に好ましくは60℃である。55℃に満たない場合は燃費が悪化する可能性がある。一方、T30の上限値は77℃であることが好ましく、更に好ましくは75℃、更に好ましくは70℃である。77℃を超える場合には、中低温運転性に不具合を生じる可能性がある。
T50の下限値は76℃であることが好ましく、更に好ましくは77℃である。76℃に満たない場合は燃費が悪化する可能性がある。一方、T50の上限値は100℃であることが好ましく、更に好ましくは95℃である。100℃を超える場合には、排出ガス中の炭化水素が増加する可能性がある。
【0012】
T70の下限値は95℃であることが好ましい。95℃に満たない場合は、燃費が悪化する可能性がある。一方、T70の上限値は125℃であることが好ましく、更に好ましくは115℃である。125℃を越える場合は冷機時の中低温運転性に不具合が発生する可能性があり、また、排出ガス中の炭化水素の増加、吸気バルブデポジットの増加、燃焼室デポジットが増加する可能性がある。
T90は150℃以下であることが好ましく、更に好ましくは145℃以下である。150℃を越える場合は、冷機時の低温及び常温運転性の悪化、ガソリンによるエンジンオイルの希釈の増加、排出ガス中の炭化水素の増加、エンジンオイルの劣化及びスラッジの発生の増加につながる恐れがある。
【0013】
本発明のガソリン中の芳香族分は、40容量%以下であることが必要である。好ましくは35容量%以下である。芳香族分が40容量%を超えると、燃焼室デポジットが増加する可能性があり、また、点火プラグのくすぶりが発生する可能性がある。あるいはまた、排出ガス中のベンゼン濃度が増加する可能性がある。一方、燃費悪化防止の点から、10容量%以上が好ましく、12容量%以上がより好ましい。ここでいう芳香族分とは、石油学会規格JPI−5S−52−99「ガソリン−全組成分析法−キャピラリーカラムクロマトグラフ法に準拠して測定されるガソリン組成物中の芳香族分含有量(容量%)を意味する。
【0014】
本発明のガソリンは、炭素数9以上の芳香族分が10容量%以下であることが必要である。炭素数9以上の芳香族分は、吸気バルブデポジットの増加を抑制する点から8容量%以下がより好ましく、6容量%以下が更に好ましい。
なお、ここでいう炭素数9以上の芳香族分とは、石油学会規格JPI−5S−52−99「ガソリン−全組成分析法−キャピラリーカラムクロマトグラフ法に準拠して測定されるガソリン組成物中の炭素数9以上の芳香族分含有量(容量%)を意味する。
【0015】
本発明のガソリン中のオレフィン分は、15容量%以下であることが必要である。オレフィン分が15容量%を超えると、ガソリンの酸化安定性を悪化させ吸気バルブデポジットを増加させる可能性がある。ここでいうオレフィン分とは、JPI−5S−52−99「ガソリン−全組成分析法−キャピラリーカラムクロマトグラフ法に準拠して測定されるガソリン組成物中のオレフィン分含有量(容量%)を意味する。
【0016】
本発明のガソリン中の硫黄分は、ガソリン全量基準で10質量ppm以下であることが必要であり、好ましくは8質量ppm以下である。硫黄分が10質量ppmを越える場合、排出ガス処理触媒の性能に悪影響を及ぼし、排出ガス中のNOx、CO、HCの濃度が高くなる可能性があり、またベンゼンの排出量も増加する可能性がある。ここでいう硫黄分とは、JIS K 2541「原油及び石油製品−硫黄分試験方法」により測定される硫黄含有量を意味する。
【0017】
本発明のガソリンのリサーチ法オクタン価(RON)はノッキングを防止し、運転性向上の点から、89.0以上必要であり、好ましくは90.0以上である。
なお、ここでいうリサーチ法オクタン価とは、JIS K 2280「オクタン価及びセタン価試験方法」により測定されるリサーチ法オクタン価を意味する。
【0018】
本発明のガソリンは清浄分散剤を含有していることが好ましい。清浄分散剤としては、コハク酸イミド、ポリアルキルアミン、ポリエーテルアミンなどのガソリン清浄分散剤として公知の化合物を用いることができる。これらの中でも空気中300℃で熱分解を行った場合にその残分が無いものが望ましい。好ましくはポリイソブテニルアミン及び/またはポリエーテルアミンを使用するのが良い。清浄分散剤の添加により吸気バルブデポジットを防止し、燃焼室デポジットを低減させることができる。清浄分散剤の含有量はガソリン全量基準で25〜1000mg/Lであることが好ましく、吸気バルブデポジットを防止し、燃焼室デポジットをより低減させる点から、50〜500mg/Lが更に好ましく、100〜300mg/Lが最も好ましい。
【0019】
本発明のガソリンの密度は、0.71〜0.77g/cm3であることが好ましい。より好ましくは0.720g/cm3以上であり、また0.76 g/cm3以下である。ガソリンの密度が0.71g/cm3に満たない場合は燃費が悪化する可能性があり、一方、0.77g/cm3を超える場合は加速性の悪化やプラグのくすぶりを生じる可能性がある。ここでいう密度とは、JIS K 2249「原油及び石油製品の密度試験方法並びに密度・質量・容量換算表」により測定される密度を意味する。
【0020】
本発明のガソリンのリード蒸気圧(RVP)はガソリンが使用される季節や地域によって調整する必要があるが、低温始動性やベーパーロックなどによる運転性の不具合防止の点から、一般に夏期(5月〜9月)には好ましくは45〜65kPa、より好ましくは50〜65kPa、最も好ましくは55〜65kPaに調整することが望ましい。一方、冬期(10月〜4月)では、65〜93kPa、好ましくは70〜93kPa、最も好ましくは70〜90kPaに調整することが望ましい。本発明のガソリンのリード蒸気圧(RVP)は45〜93kPaが好ましい。
【0021】
本発明のガソリンの酸化安定度は、480分以上であることが好ましく、1440分以上であることがより好ましい。酸化安定度が480分に満たない場合は、貯蔵中にガムが生成する可能性がある。ここでいう酸化安定度とは、JIS K 2287「ガソリン酸化安定度試験方法(誘導期間法)」によって測定した値を意味する。
【0022】
本発明のガソリンの未洗実在ガム量は、18mg/100mL以下であることが好ましい。また洗浄実在ガム量は、3mg/100mL以下であることが好ましく、1mg/100mL以下であることがより好ましい。未洗実在ガム量および洗浄実在ガム量が上記の値を超えた場合は、燃料導入系統において析出物が生成したり、吸入バルブが膠着する心配がある。ここでいう未洗実在ガム量および洗浄実在ガム量とは、JIS K 2261「石油製品−自動車ガソリン及び航空燃料油−実在ガム試験方法−噴射蒸発法」により測定した値を意味する。
【0023】
本発明のガソリンは、銅板腐食(50℃、3h)が1であるのが好ましく、1aであるのがより好ましい。銅板腐食が1を越える場合は、燃料系統の導管が腐食する可能性がある。ここでいう銅板腐食とは、JIS K 2513「石油製品−銅板腐食試験方法」(試験温度50℃、試験時間3時間)に準拠して測定した値を意味する。
【0024】
本発明のガソリンは、灯油混入量が0〜4容量%であることが望ましい。ここでいう灯油混入量とは、JIS K 2536「石油製品−成分試験方法」により測定される灯油分を意味する。
【0025】
本発明のガソリンは、本発明で規定する性状を具備するようにETBEと、一種又は二種以上のガソリン基材とを配合し、所望により前述の清浄分散剤やその他の添加剤を添加することで調製することができる。
ガソリン基材は、従来公知の任意の方法で製造することができる。本発明のガソリンは、具体的には例えば、原油蒸留装置、ナフサ改質装置、アルキレーション装置等から得られるプロパンを中心とした直留系プロパン留分、ブタンを中心とした直留系ブタン留分、それらを脱硫した直留系脱硫プロパン留分、直留系脱硫ブタン留分、接触分解装置等から得られるプロパン・プロピレンを中心とした分解系プロパン留分、ブタン・ブテンを中心とした分解系ブタン留分、原油を常圧蒸留して得られるナフサ留分(フルレンジナフサ)、ナフサの軽質留分(軽質ナフサ)、ナフサの重質留分(重質ナフサ)、フルレンジナフサを脱硫した脱硫フルレンジナフサ、軽質ナフサを脱硫した脱硫軽質ナフサ、重質ナフサを脱硫した脱硫重質ナフサ、軽質ナフサを異性化装置でイソパラフィンに転化して得られる異性化ガソリン、イソブタン等の炭化水素に低級オレフィンを付加(アルキル化)することによって得られるアルキレート、接触改質法で得られる改質ガソリン、改質ガソリンより芳香族分を抽出した残分であるラフィネート、改質ガソリンの軽質留分(軽質改質ガソリン)、改質ガソリンの中重質留分(中重質改質ガソリン)、改質ガソリンの重質留分(重質改質ガソリン)、接触分解法で得られる接触分解ガソリン(フルレンジ分解ガソリン)、接触分解ガソリンの軽質留分(軽質分解ガソリン)、接触分解ガソリンの重質留分(重質分解ガソリン)、水素化分解法で得られる水素化分解ガソリン、及び天然ガス等を一酸化炭素と水素に分解した後にF−T(Fischer−Tropsch)合成で得られるGTL(Gas to Liquids)の軽質留分等の基材を1種又は2種以上を混合することで製造することができる。
本発明のガソリンの調製には、軽質ナフサ、重質ナフサ、軽質改質ガソリン、中重質改質ガソリン、フルレンジ分解ガソリン、軽質分解ガソリン、重質分解ガソリンなどが特に好ましく用いられる。
【0026】
本発明のガソリンに添加することができるその他の燃料油添加剤としては、具体的には、N,N’−ジイソプロピル−p−フェニレンジアミン、N,N’−ジイソブチル−p−フェニレンジアミン、2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノール、ヒンダードフェノール類等の酸化防止剤;N,N’−ジサリチリデン−1,2−ジアミノプロパンのようなアミンカルボニル縮合化合物等の金属不活性化剤;有機リン系化合物などの表面着火防止剤;多価アルコールあるいはそのエーテルなどの氷結防止剤;有機酸のアルカリ金属塩またはアルカリ土類金属塩;高級アルコール硫酸エステルなどの助燃剤;アニオン系界面活性剤;カチオン系界面活性剤;両性界面活性剤などの帯電防止剤;アゾ染料などの着色剤;有機カルボン酸あるいはそれらの誘導体類;アルケニルコハク酸エステル等の防錆剤;ソルビタンエステル類等の水抜き剤;キリザニン、クマリンなどの識別剤;天然精油合成香料などの着臭剤等が挙げられる。
これらの添加剤は、1種または2種以上を添加することができ、その合計添加量はガソリン全量基準で0.1質量%以下とすることが好ましい。
【0027】
本発明のガソリンには必要に応じてETBE以外の含酸素化合物を適宜配合しても良い。ETBE以外の含酸素化合物としては、例えば、炭素数2〜4のアルコール類、炭素数4〜8のエーテル類などが含まれる。具体的な含酸素化合物としては、例えば、エタノール、メチル−tert-ブチルエーテル(MTBE)、tert-アミルメチルエーテル(TAME)、tert-アミルエチルエーテルなどを挙げることができる。なお、メタノールは排出ガス中のアルデヒド濃度が高くなる可能性があり、腐食性もあるので好ましくない。
ETBEを含む含酸素化合物の含有量(原料の由来の含有量及び/又添加剤として加えた場合の含有量)は酸素元素換算でその上限が5.0質量%であることが好ましく、より好ましくは3.0質量%、更に好ましくは2.0質量%である。5.0質量%を越える場合は、排出ガス中のNOxが増加する可能性がある。
【0028】
【発明の効果】
本発明のガソリンは、排出ガス中の有害物質の増加や運転性の悪化の原因となるIVDの生成量を抑制することが出来る。
【0029】
【実施例】
以下に実施例により本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらによって何ら限定されるものではない。
【0030】
[実施例1〜7および比較例1、2]
軽質ナフサ、重質ナフサ、軽質改質ガソリン、中重質改質ガソリン、フルレンジ分解ガソリン、軽質分解ガソリン、重質分解ガソリン、アルキレートおよびETBEなどの基材を用いて、実施例1〜7および比較例2のガソリンを調製した。また、比較例1として市販のレギュラーガソリンを用いた。各ガソリン基材の性状を表1に示す。また、実施例に用いた各ガソリンの性状を表2に示す。これらのガソリンについて、吸気バルブデポジット試験を実施した。その結果を表2に併記した。
【0031】
(a)性状測定
ガソリン基材および調整ガソリンの性状は以下の方法により測定した。
蒸留性状は、全てJIS K 2254「石油製品−蒸留試験方法」によって測定される値である。
硫黄分含有量は、JIS K 2541「硫黄分試験方法」により測定されるガソリン組成物全量基準の硫黄分の質量含有量を指す。
密度は、JIS K 2249「原油及び石油製品の密度試験方法並びに密度・質量・容量換算表」により測定される密度を指す。
リサーチ法オクタン価は、JIS K 2280「オクタン価及びセタン価試験方法」により測定されるリサーチ法オクタン価(RON)を指す。
蒸気圧は、JIS K 2258「原油及び燃料油蒸気圧試験方法(リード法)」により測定されるリード蒸気圧(RVP)を指す。
オレフィン分、芳香族分および炭素数9以上の芳香族分含有量は、JPI−5S−52−99「ガソリン−全組成分析法−キャピラリーカラムクロマトグラフ法に準拠して測定されるガソリン組成物中の各々の成分の含有量(容量%)を指す。
酸化安定度は、JIS K 2287「ガソリン酸化安定度試験方法(誘導期間法)」により測定される値を指す。
未洗実在ガム量は、JIS K 2261「石油製品−自動車ガソリン及び航空燃料油−実在ガム試験方法−噴射蒸発法」により測定される未洗実在ガム量を指す。
銅板腐食は、JIS K 2513「石油製品−銅板腐食試験方法」(試験温度50℃、試験時間3時間)に準拠して測定される値を指す。
灯油混入量は、JIS K 2536「石油製品−成分試験方法」により測定される値を指す。
【0032】
(b)吸気バルブデポジット試験
試験車両として下記緒元の国産乗用車を使用し、表3に示す試験モードサイクル(1時間/サイクル)で200時間運転し、運転終了後の各吸気バルブのポジット生成量を測定し、その平均値を算出した。
(試験車両)
エンジン:直列4気筒
排気量:2.0L
燃料噴射方式:ポート燃料噴射式
【0033】
【表1】
Figure 0004629958
【0034】
【表2】
Figure 0004629958
【0035】
【表3】
Figure 0004629958
【0036】
表2に示す通り、本発明のガソリンは、排出ガス中の有害物質の増加や運転性の悪化の原因となるIVDの生成量を抑制がなされていることが分かる。

Claims (2)

  1. ガソリン全量基準でエチルターシャリーブチルエーテルを1〜30容量%含有し、留出温度150℃における留出量が90容量%以上、留出温度180℃における留出量が97容量%以上、蒸留初留点が23℃〜37℃、30容量%留出温度が55〜68.5℃、50容量%留出温度が88〜100℃、蒸留終点が190℃以下、芳香族分が35容量%以下、炭素数9以上の芳香族分が10容量%以下、オレフィン分が7.6〜15容量%、および硫黄分が10質量ppm以下であることを特徴とするリサーチ法オクタン価89.0以上のガソリン。
  2. 清浄分散剤を25〜1000mg/L含有することを特徴とする請求項1に記載のガソリン
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