JP2004285204A - ガソリン - Google Patents
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Abstract
【解決方法】ガソリン全量基準でエチルターシャリーブチルエーテルを1〜30容量%含有し、50容量%留出温度が100℃以下、70容量%留出温度が125℃以下、90容量%留出温度が165℃以下、蒸留終点が190℃以下、および硫黄分含有量が10質量ppm以下であることを特徴とするリサーチ法オクタン価89.0以上のガソリン。
【選択図】 なし
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、自動車用燃料として有用なエチルターシャリーブチルエーテル(ETBE)配合ガソリンに関する。
【0002】
【従来の技術】
近年の環境問題への意識の高まりから自動車排出ガスを低減することが求められてきており、燃料性状と自動車排出ガスの関係についての検討がなされている。その結果、重質な燃料や硫黄分の高い燃料が排出ガスに悪影響を及ぼすことなどが知られている(例えば、非特許文献1、非特許文献2参照。)。
【0003】
【非特許文献1】
亀岡ら,「自動車技術会学術講演会前刷集」,自動車技術会,1998年,No.88−98,9838985,
【非特許文献2】
ガソリン車ワーキンググループJCAP成果報告(2)ガソリン車における自動車技術及び燃料性状が排出ガスに与える影響,「JCAP成果発表会資料集(東京国際フォーラム)」,石油産業活性化センター推進室,平成10年9月30日
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
通常、ガソリンには重質な接触分解ガソリンや改質ガソリンなどが基材として使用されているが、これらの基材は排出ガスに悪影響を与える重質留分が多く含まれており、また、接触分解ガソリンには排出ガス浄化触媒に悪影響を与える硫黄分が多く含まれている。従って、環境負荷の低減のためには、これらの重質な基材の配合量を削減することは有効な手段と考えられる。しかし、これらの重質な基材は一般的にオクタン価が高いため、オクタン価維持の観点から、重質な基材の使用量を削減することは容易ではない。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、前記課題について鋭意研究を重ねた結果、特定量のエチルターシャリーブチルエーテル(ETBE)を配合したガソリンにおいて、ある特定の性状を満足するように調整した場合に、排出ガス中の一酸化炭素(CO)、窒素酸化物(NOx)を削減し、かつ加速性に優れる無鉛で高性能のガソリンを得られることを見出し、本発明を完成するに至ったものである。
すなわち、本発明は、ガソリン全量基準でエチルターシャリーブチルエーテルを1〜30容量%含有し、50容量%留出温度が100℃以下、70容量%留出温度が125℃以下、90容量%留出温度が165℃以下、蒸留終点が190℃以下、および硫黄分含有量が10質量ppm以下であることを特徴とするリサーチ法オクタン価89.0以上のガソリンに関する。
【0006】
【発明の実施の形態】
以下、本発明について詳述する。
本発明のガソリンは、エチルターシャリーブチルエーテル(ETBE)を1〜30容量%含有することが必要である。ETBEの含有割合は排出ガス中のNOx増加を抑制する観点から30容量%以下が必要であり、25容量%以下であることが好ましく、20容量%以下であることがより好ましい。また、排出ガス中のCOの低減およびガソリン基材の重質留分との置き替えによる加速性向上の観点から、1容量%以上が必要であり、3容量%以上が好ましく、5容量%以上が最も好ましい。
【0007】
ETBEの製造法は特に限定されるものではなく、公知の製造法から得られるすべてのETBEが使用可能である。製造法としては、例えば、エタノールとターシャリーブチルアルコールを原料とした脱水反応、あるいはエタノールとイソブテンを原料とした付加反応でETBEを合成することが一般的である。ETBEの原料のエタノールについては、特に限定されるものではないが、地球温暖化抑制の観点から、再生利用可能なバイオマス由来のエタノール、例えば、とうもろこし、さとうきび、ビート、小麦などの農産物、または木質資源や木質系廃棄物などのリグノセルロースを利用したバイオマスから製造したエタノールを原料として用いることが好ましい。
【0008】
本発明のガソリンは、50容量%留出温度(T50)が100℃以下、70容量%留出温度(T70)が125℃以下、90容量%留出温度(T90)が165℃以下、蒸留終点(EP)が190℃以下であることが必要である。
T50の上限は加速性の向上、排出ガス中の炭化水素(HC)の増加を抑制する観点から、100℃以下であることが必要であり、95℃以下が好ましい。また、下限は燃費悪化防止の観点から76℃以上であることが好ましく、77℃以上であることがより好ましい。
T70の上限はエンジン冷機時の自動車の中低温運転性における不具合の防止、排出ガス中の炭化水素の増加、吸気バルブデポジット(IVD)の増加、燃焼室デポジット(CCD)の増加抑制の観点から、125℃以下が必要であり、115℃以下であることが好ましい。また、下限は燃費悪化防止の観点から95℃以上であることが好ましい。
T90の上限は冷機時の中低温運転性における不具合の防止、排出ガス中の炭化水素の増加、エンジンオイルのガソリンによる希釈の増加、IVDの増加、CCDの増加抑制およびエンジンオイルの劣化、スラッジの発生防止の観点から、165℃以下であることが必要であり、150℃以下であることが好ましい。また、下限は燃費悪化防止の観点から115℃以上であることが好ましい。
EPはIVD、CCDの増加の抑制およびプラグくすぶりの防止の観点から、190℃以下であることが必要であり、180℃以下であることが好ましい。
なお、ここでいうT50、T70、T90、EPとは、JIS K 2254「石油製品−蒸留試験方法」によって測定される蒸留性状を意味する。
【0009】
本発明のガソリンにおけるその他の蒸留性状は下記の通りであることが好ましい。ここでいう蒸留性状とは、JIS K 2254「石油製品−蒸留試験方法」によって測定される蒸留性状を意味する。
蒸留初留点(IBP) :20〜37℃
10容量%留出温度(T10):35〜70℃
30容量%留出温度(T30):55〜77℃
蒸留初留点の下限値は20℃であることが好ましく、更に好ましくは23℃である。20℃に満たない場合は排出ガス中の炭化水素が増加する可能性がある。一方、上限値は37℃であることが好ましく、更に好ましくは35℃である。37℃を超える場合には、低温運転性に不具合が生じる可能性がある。
T10の下限値は35℃であることが好ましく、更に好ましくは40℃である。35℃に満たない場合は排出ガス中の炭化水素が増加する可能性があり、また、ベーパーロックにより高温運転性の不具合を生じる可能性がある。一方、T10の上限値は70℃であることが好ましく、更に好ましくは60℃である。70℃を超える場合には、低温始動性に不具合を生じる可能性がある。
T30の下限値は55℃であることが好ましく、更に好ましくは60℃である。55℃に満たない場合は燃費が悪化する可能性がある。一方、T30の上限値は77℃であることが好ましく、更に好ましくは75℃、更に好ましくは70℃である。77℃を超える場合には、中低温運転性に不具合を生じる可能性がある。
【0010】
本発明のガソリンは、硫黄分含有量がガソリン全量基準で10質量ppm以下であることが必要であり、好ましくは8質量ppm以下である。硫黄分含有量が10質量ppmを越える場合、排出ガス処理触媒の性能に悪影響を及ぼし、排出ガス中のNOx、CO、HCの濃度が高くなる可能性があり、またベンゼンの排出量も増加する可能性がある。ここでいう硫黄分含有量とは、JIS K 2541「原油及び石油製品−硫黄分試験方法」により測定される硫黄含有量を意味する。
【0011】
本発明のガソリンのリサーチ法オクタン価(RON)は89.0以上が必要である。好ましくは90.0以上である。RONが89.0に満たない場合には耐ノッキング性が悪くなり運転性の面から好ましくない。一方、RONはレギュラーガソリン仕様車に好適な点から96.0未満が好ましい。
なお、ここでいうリサーチ法オクタン価とは、JIS K 2280「オクタン価及びセタン価試験方法」により測定されるリサーチ法オクタン価を意味する。
【0012】
本発明のガソリンの15℃における密度は、0.71〜0.77g/cm3であることが好ましい。ガソリンの密度が0.71g/cm3に満たない場合は燃費が悪化する可能性があり、一方、0.77g/cm3を超える場合は加速性の悪化やプラグのくすぶりを生じる可能性がある。ここでいう密度とは、JIS K 2249「原油及び石油製品の密度試験方法並びに密度・質量・容量換算表」により測定される密度を意味する。
【0013】
本発明のガソリンのリード蒸気圧(RVP)はガソリンが使用される季節や地域によって調整する必要があるが、低温始動性やベーパーロックなどによる運転性の不具合防止の点から、一般に夏期(5月〜9月)には好ましくは44〜65kPa、より好ましくは50〜65kPa、最も好ましくは55〜65kPaに調整することが望ましい。一方、冬期(10月〜4月)では、65〜93kPa、好ましくは70〜93kPa、最も好ましくは70〜90kPaに調整することが望ましい。
【0014】
本発明のガソリン中の芳香族分は、40容量%以下であることが好ましく、35容量%以下であることがより好ましい。芳香族分が40容量%を超えると、吸気バルブデポジットや燃焼室デポジットが増加したり、点火プラグのくすぶりが発生したりする可能性がある。あるいはまた、排出ガス中のベンゼン濃度が増加する可能性がある。ここでいう芳香族分とは、石油学会規格JPI−5S−52−99「ガソリン−全組成分析法−キャピラリーカラムクロマトグラフ法」に準拠して測定されるガソリン組成物中の芳香族分含有量(容量%)を意味する。
【0015】
本発明のガソリン中のオレフィン分は、30容量%以下であることが好ましく、25容量%以下であることがより好ましい。オレフィン分が30容量%を超えると、ガソリンの酸化安定性を悪化させ吸気バルブデポジットを増加させる可能性がある。ここでいうオレフィン分とは、石油学会規格JPI−5S−52−99「ガソリン−全組成分析法−キャピラリーカラムクロマトグラフ法」に準拠して測定されるガソリン組成物中のオレフィン分含有量(容量%)を意味する。
【0016】
本発明のガソリンの酸化安定度は、480分以上であることが好ましく、1440分以上であることがより好ましい。酸化安定度が480分に満たない場合は、貯蔵中にガムが生成する可能性がある。ここでいう酸化安定度とは、JIS K 2287「ガソリン酸化安定度試験方法(誘導期間法)」によって測定した値を意味する。
【0017】
本発明のガソリンの未洗実在ガム量は、18mg/100mL以下であることが好ましい。また洗浄実在ガム量は、3mg/100mL以下であることが好ましく、1mg/100mL以下であることがより好ましい。未洗実在ガム量および洗浄実在ガム量が上記の値を超えた場合は、燃料導入系統において析出物が生成したり、吸入バルブが膠着する心配がある。ここでいう未洗実在ガム量および洗浄実在ガム量とは、JIS K 2261「石油製品−自動車ガソリン及び航空燃料油−実在ガム試験方法−噴射蒸発法」により測定した値を意味する。
【0018】
本発明のガソリンは、銅板腐食(50℃、3h)が1であるのが好ましく、1aであるのがより好ましい。銅板腐食が1を越える場合は、燃料系統の導管が腐食する可能性がある。ここでいう銅板腐食とは、JIS K 2513「石油製品−銅板腐食試験方法」(試験温度50℃、試験時間3時間)に準拠して測定した値を意味する。
【0019】
本発明のガソリンは、灯油混入量が0〜4容量%であることが望ましい。ここでいう灯油混入量とは、JIS K 2536「石油製品−成分試験方法」により測定される灯油分を意味する。
【0020】
本発明のガソリンは清浄分散剤を含有していることが好ましい。清浄分散剤としては、コハク酸イミド、ポリアルキルアミン、ポリエーテルアミンなどのガソリン清浄分散剤として公知の化合物を用いることができる。これらの中でも空気中300℃で熱分解を行った場合にその残分が無いものが望ましい。好ましくはポリイソブテニルアミン及び/またはポリエーテルアミンを使用するのが良い。清浄分散剤の添加により吸気バルブデポジットを防止し、燃焼室デポジットを低減させることができる。清浄分散剤の含有量はガソリン全量基準で25〜1000mg/Lであることが好ましく、吸気バルブデポジットを防止し、燃焼室デポジットをより低減させる点から、50〜500mg/Lが更に好ましく、100〜300mg/Lが最も好ましい。
【0021】
本発明のガソリンは、本発明で規定する性状を具備するようにETBEと、一種又は二種以上のガソリン基材とを配合し、所望により前記の清浄分散剤やその他の添加剤を添加することで調製することができる。
ガソリン基材は、従来公知の任意の方法で製造することができる。本発明の燃料は、具体的には例えば、原油蒸留装置、ナフサ改質装置、アルキレーション装置等から得られるプロパンを中心とした直留系プロパン留分、ブタンを中心とした直留系ブタン留分、それらを脱硫した直留系脱硫プロパン留分、直留系脱硫ブタン留分、接触分解装置等から得られるプロパン・プロピレンを中心とした分解系プロパン留分、ブタン・ブテンを中心とした分解系ブタン留分、原油を常圧蒸留して得られるナフサ留分(フルレンジナフサ)、ナフサの軽質留分(軽質ナフサ)、ナフサの重質留分(重質ナフサ)、フルレンジナフサを脱硫した脱硫フルレンジナフサ、軽質ナフサを脱硫した脱硫軽質ナフサ、重質ナフサを脱硫した脱硫重質ナフサ、軽質ナフサを異性化装置でイソパラフィンに転化して得られる異性化ガソリン、イソブタン等の炭化水素に低級オレフィンを付加(アルキル化)することによって得られるアルキレート、接触改質法で得られる改質ガソリン、改質ガソリンより芳香族分を抽出した残分であるラフィネート、改質ガソリンの軽質留分(軽質改質ガソリン)、改質ガソリンの中重質留分(中重質改質ガソリン)、改質ガソリンの重質留分(重質改質ガソリン)、接触分解法で得られる接触分解ガソリン(フルレンジ分解ガソリン)、接触分解ガソリンの軽質留分(軽質分解ガソリン)、接触分解ガソリンの重質留分(重質分解ガソリン)、水素化分解法で得られる水素化分解ガソリン、及び天然ガス等を一酸化炭素と水素に分解した後にF−T(Fischer−Tropsch)合成で得られるGTL(Gas to Liquids)の軽質留分等の基材を1種又は2種以上を混合することで製造することができる。
本発明の燃料の調製には、軽質ナフサ、重質ナフサ、軽質改質ガソリン、中重質改質ガソリン、フルレンジ分解ガソリン、軽質分解ガソリン、重質分解ガソリンなどの基材が好ましく用いられる。
【0022】
本発明のガソリンに添加することができるその他の燃料油添加剤としては、具体的には、N,N’−ジイソプロピル−p−フェニレンジアミン、N,N’−ジイソブチル−p−フェニレンジアミン、2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノール、ヒンダードフェノール類等の酸化防止剤;N,N’−ジサリチリデン−1,2−ジアミノプロパンのようなアミンカルボニル縮合化合物等の金属不活性化剤;有機リン系化合物などの表面着火防止剤;多価アルコールあるいはそのエーテルなどの氷結防止剤;有機酸のアルカリ金属塩またはアルカリ土類金属塩;高級アルコール硫酸エステルなどの助燃剤;アニオン系界面活性剤;カチオン系界面活性剤;両性界面活性剤などの帯電防止剤;アゾ染料などの着色剤;有機カルボン酸あるいはそれらの誘導体類;アルケニルコハク酸エステル等の防錆剤;ソルビタンエステル類等の水抜き剤;キリザニン、クマリンなどの識別剤;天然精油合成香料などの着臭剤等が挙げられる。
これらの添加剤は、1種または2種以上を添加することができ、その合計添加量はガソリン全量基準で0.1質量%以下とすることが好ましい。
【0023】
本発明のガソリンには必要に応じてETBE以外の含酸素化合物を適宜配合しても良い。ETBE以外の含酸素化合物としては、例えば、炭素数2〜4のアルコール類、炭素数4〜8のエーテル類などが含まれる。具体的な含酸素化合物としては、例えば、エタノール、メチル−tert−ブチルエーテル(MTBE)、tert−アミルメチルエーテル(TAME)、tert−アミルエチルエーテルなどを挙げることができる。なお、メタノールは排出ガス中のアルデヒド濃度が高くなる可能性があり、腐食性もあるので好ましくない。
ETBEを含む含酸素化合物の含有量(原料の由来の含有量及び/又添加剤として加えた場合の含有量)は酸素元素換算でその上限が5.0質量%であることが好ましく、より好ましくは3.0質量%、更に好ましくは2.0質量%である。5.0質量%を越える場合は、排出ガス中のNOxが増加する可能性がある。
【0024】
【発明の効果】
本発明のガソリンは、軽質化による加速性の向上、ETBE配合による排出ガス中のCOの低減、硫黄分削減による排出ガス中のNOxの低減を達成することが出来る。
【0025】
【実施例】
以下に実施例により本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらによって何ら限定されるものではない。
【0026】
[実施例1〜3および比較例1、2]
軽質ナフサ、重質ナフサ、軽質改質ガソリン、中重質改質ガソリン、フルレンジ分解ガソリン、軽質分解ガソリン、重質分解ガソリンおよびETBEなどの基材を用いて、実施例1〜3および比較例2のガソリンを調製した。また、比較例1として市販のレギュラーガソリンを用いた。各ガソリン基材の性状を表1に示す。また、実施例および比較例に用いた各燃料の性状を表2に示す。これらの燃料について、加速性能評価、排出ガス測定を実施した。その結果を表2に併記した。
【0027】
(性状測定)
ガソリン基材および調整ガソリンの性状は以下の方法により測定した。
蒸留性状は、全てJIS K 2254「石油製品−蒸留試験方法」によって測定される値である。
硫黄分含有量は、JIS K 2541「硫黄分試験方法」により測定されるガソリン組成物全量基準の硫黄分の質量含有量を指す。
密度は、JIS K 2249「原油及び石油製品の密度試験方法並びに密度・質量・容量換算表」により測定される密度を指す。
リサーチ法オクタン価は、JIS K 2280「オクタン価及びセタン価試験方法」により測定されるリサーチ法オクタン価(RON)を指す。
蒸気圧は、JIS K 2258「原油及び燃料油蒸気圧試験方法(リード法)」により測定されるリード蒸気圧(RVP)を指す。
オレフィン分、芳香族分含有量は、石油学会規格JPI−5S−52−99「ガソリン−全組成分析法−キャピラリーカラムクロマトグラフ法に準拠して測定されるガソリン組成物中の各々の成分の含有量(容量%)を指す。
酸化安定度は、JIS K 2287「ガソリン酸化安定度試験方法(誘導期間法)」により測定される値を指す。
未洗実在ガム量は、JIS K 2261「石油製品−自動車ガソリン及び航空燃料油−実在ガム試験方法−噴射蒸発法」により測定される未洗実在ガム量を指す。
銅板腐食は、JIS K 2513「石油製品−銅板腐食試験方法」(試験温度50℃、試験時間3時間)に準拠して測定される値を指す。
灯油混入量は、ガソリン全量基準での炭素数13〜14の炭化水素含有量(容量%)を表し、JIS K 2536「石油製品−成分試験方法」により測定される値を指す。
【0028】
(加速性能評価)
環境温度25℃、環境湿度50%に保持したシャーシダイナモメータ上で、下記諸元の試験車両を用いて加速性能評価を実施した。試験は試験車両を十分に暖機走行させた後、Dレンジ(ODはON)で50km/hから110km/hまでの全開加速を10回行い、60km/hから100km/hに達するまでの所要時間を測定し、最初の3回を除いた7回の所要時間の平均値を加速時間として比較した。
[試験車両]
エンジン:直列4気筒(レギュラーガソリン仕様)
排気量:1498cc
燃料噴射方式:マルチポイント式
ミッション:オートマチックトランスミッション
排出浄化システム:三元触媒、空燃比フィードバック制御
【0029】
(排出ガス測定)
国土交通省によるガソリン自動車10・15モード排出ガス測定の技術基準に従って、上記の試験車両を用いて排出ガス中に含まれるCOおよびNOxの排出量の計測を行った。
【0030】
【表1】
【0031】
【表2】
【0032】
表2に示す通り、本発明のガソリンは、接触分解ガソリンや改質ガソリンなどの重質留分を低減するとともに、加速時間の向上、排出ガス(CO、NOx)の削減がなされていることが分かる。
Claims (1)
- ガソリン全量基準でエチルターシャリーブチルエーテルを1〜30容量%含有し、50容量%留出温度が100℃以下、70容量%留出温度が125℃以下、90容量%留出温度が165℃以下、蒸留終点が190℃以下、および硫黄分含有量が10質量ppm以下であることを特徴とするリサーチ法オクタン価89.0以上のガソリン。
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