JP2007023164A - Etbe含有ガソリン組成物及びその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 高オクタン価、低蒸気圧、かつ低沸点であり、水分離性能、水曇り防止性能及び防錆性能に優れたガソリン組成物を提供する。
【解決手段】 ETBE含有ガソリン組成物は、エタノールとETBE(エチルターシャリブチルエーテル)を含有し、ETBE含有量が1.0〜20.0容量%であり、エタノール含有量がETBE含有量の0.01〜0.45倍であり、好ましくは、全硫黄分が10質量ppm以下であり、炭素数4以上のアルコールの含有量が0.01容量%以下であり、オクタン価が93〜110である。
【選択図】 なし

Description

本発明は、ETBE(エチルターシャリブチルエーテル)を含有するガソリン組成物に関し、特には、高オクタン価、低蒸気圧であり、水分離性能、水曇り防止性能及び防錆性能に優れたガソリン組成物と、その製造方法に関する。
含酸素化合物の一つであるETBEは高いオクタン価を有し、またエタノールに比べると、低添加量でも共沸現象による蒸気圧増加を起こすことがなく、また水混入時にガソリンからの相分離を起こすことがないこと等から、ハンドリングが比較的容易であり、CO2削減を背景に2010年にはガソリンに導入することが決定されている。これまでにETBEをガソリンに混合する製造法や混合したガソリンは数多く報告されている。
特開2005−029762号公報 特開2004−292511号公報 特開2004−285204号公報
しかしながら、これらのいずれも、ETBE基材の品質に着目しこれを取捨選択し、あるいはまたガソリン混合時に望ましい目標品質を設定してETBE基材を造り込むといった課題に着眼したものは見当たらない。
ガソリンに混合するETBE基材は主に欧米から輸入されることが推定されるが、その品質は生産箇所において、ETBE基材を高純度に分離精製する方法により、大きくばらつく。このため、海外から輸入したETBE基材を無作為にガソリンに混合すると、ETBE混合ガソリンは国内の要求品質を十分満足したものにならない。
本発明は、このような問題を解決するものであり、高オクタン価、低蒸気圧、低沸点、水分離性能、水曇り防止性能及び防錆性能に優れたガソリン組成物を得ることが出来る。
ガソリンに混合するETBE基材の望ましい目標品質を設定し、受入品の取捨選択、あるいはまたその目標品質に合致するようにETBE基材を製造することにより、高オクタン価、低蒸気圧、低沸点、水分離性能、水曇り防止性能及び防錆性能に優れたガソリン組成物を得る。なお、防錆性能を改良する為には防錆性添加剤を添加することが有効であるが、本手段を用いることにより、防錆添加剤を添加しなくても防錆性能を改良することが出来る。
本発明によるETBE含有ガソリン組成物は、エタノールとETBE(エチルターシャリブチルエーテル)を含有し、ETBE含有量が1.0〜20.0容量%であり、エタノール含有量がETBE含有量の0.01〜0.45倍であり、好ましくは、全硫黄分が10質量ppm以下であり、炭素数4以上のアルコールの含有量が0.01容量%以下であり、オクタン価が93〜110である。
本発明によるETBE含有ガソリン組成物の製造方法は、炭化水素基材とETBE基材を配合するものであり、予めエタノールを配合したETBE基材を用いることが好ましい。
好ましいETBE基材は、全硫黄分が2.0質量ppm以下、リード蒸気圧が40kPa以下、エタノール含有量が0.1〜20容量%、ベンゼン分が0.5容量%以下、MTBE(メチルターシャリブチルエーテル)含有量が1容量%以下、水分500質量ppm以下であり、かつ、ETBE含有量が80容量%以上であり、さらには、炭素数4以上のアルコール含有量が0.3容量%以下、酸素を含まない炭素数4以下の炭化水素化合物含有量が0.06容量%以下、酸素を含まない炭素数8以上の炭化水素化合物含有量が2.5容量%以下、オレフィン分が0.4容量%以下、トルエン分が0.4容量%以下であることが好ましい。
本発明によるガソリン組成物は、エタノールとETBEを所定の範囲で含有するものであり、高オクタン価、低蒸気圧、低沸点とすることができ、水分離性能、水曇り防止性能及び防錆性能に優れたガソリン組成物を得ることが出来る。
〔ETBE基材〕
本発明の製造方法に用いるETBE基材は、目標品質に合致したETBE基材を国内外から受入れするか、国内外で目標品質に合わせて製造したものである。このETBE基材は通常0〜20容量%ガソリンに混合される。
また、ETBE基材に混合するエタノールは二酸化炭素増加を防止する観点から生産余剰となった玉蜀黍、砂糖黍、又は廃材から生産されるバイオエタノールが好ましく、ETBE基材生産時に0〜20容量%混合するか、又はガソリン生産時にETBE基材とは別に、ETBE基材に含まれるエタノール含有量や、ETBE基材のガソリン混合量に応じて適宜添加することが出来る。通常、ガソリンへのエタノール添加量は0〜10容量%である。
このガソリンに用いる含酸素化合物(ETBE基材)は、全硫黄分が2.0質量ppm以下、排気ガスの触媒被毒防止から、好ましくは1.0質量ppm以下、リード蒸気圧が40.0kPa以下、ガソリンの蒸気圧低減効果から好ましくは37.0kPa以下、さらに好ましくは35.0kPa以下、特に好ましくは33.0kPa以下である。
また、エタノール含有量が0.10〜20.0容量%、オクタン価向上効果、防錆性効果、水曇り防止効果から好ましくは0.50容量%以上、さらに好ましくは1.00容量%以上、特に好ましくは2.50容量%以上、ガソリンの蒸気圧低減効果及び水分離性悪化から好ましくは15.0容量%以下、さらに好ましくは10.00容量%以下特に好ましくは5.00容量%以下である。
また、C4(炭素数4)以上アルコール含有量が0〜5.00容量%、オクタン価向上効果や水曇り防止から好ましくは0.10容量%以上、さらに好ましくは0.20容量%以上、特に好ましくは0.50容量%以上、水分離性悪化から好ましくは4.00容量%以下、さらに好ましくは3.00容量%以下である。(エタノール含有量,容量%+C4以上アルコール,容量%)が0.50〜10.00容量%、オクタン価向上効果、防錆性効果、水曇り防止効果から好ましくは0.50容量%以上、さらに好ましくは1.00容量%以上、特に好ましくは2.50容量%以上、ガソリンの蒸気圧低減効果から好ましくは6.00容量%以下、さらに好ましくは5.00容量以下である。
また、酸素を含まない炭素数4以下の炭化水素化合物含有量が1.00容量%以下、ガソリンの蒸気圧低減から好ましくは0.50容量%以下、さらに好ましくは0.10容量%以下である。また、酸素を含まない炭素数8以上の炭化水素化合物含有量が1.00容量%以下、沸点低減効果から好ましくは0.50容量%以下、さらに好ましくは0.10容量%以下である。オレフィン分が0.50容量%以下、酸化安定性から好ましくは0.10容量%以下である。
ベンゼン分が0.50容量%以下、排気ガス品質悪化防止から好ましくは0.20容量%以下、さらに好ましくは0.10容量%以下、トルエン分が0〜5.00容量%、オクタン価向上効果、水曇り防止及び防錆性維持から好ましくは0.50容量%以上、さらに好ましくは1.00容量%以上である。また、沸点低減から好ましくは4.00容量%以下、さらに好ましくは3.00容量%以下である。MTBE含有量が1.00容量%以下、水混入による水層への分離による水質悪化防止から好ましくは0.50容量%以下、さらに好ましくは0.20容量%以下である。また、水分は500質量ppm以下、水曇り防止から好ましくは400質量ppm以下、さらに好ましくは350質量ppm以下である。
〔炭化水素基材〕
直留ナフサ留分を脱硫処理して得た脱硫直留ナフサ留分を、水素加圧下、固体酸触媒を用いて骨格異性化した異性化ガソリン0〜20容量%、イソペンタン0〜20容量%、トルエン0〜40容量%、流動接触分解ガソリン0〜80容量%、及びこれを蒸留分離して得た100℃以下沸点の軽質ガソリン0〜50容量%、アルキレートガソリン0〜30容量%、アスファルトを熱分解したガソリン、あるいはまたナフサを熱分解したガソリン0〜20容量%、接触改質ガソリン0〜30容量%、あるいはまたこれを炭素数7〜10に蒸留分離した芳香族リッチなガソリン基材0〜50容量%をガソリンに用いる。
〔配合〕
ガソリン全体におけるETBE混合量は0〜20容量%、オクタン価向上効果から好ましくは5容量%以上、さらに好ましくは7容量%以上、特に好ましくは10容量%以上である。また、燃費から20容量%以下、防錆性、水分離性から好ましくは17容量%以下、さらに好ましくは15容量%以下である。ETBE基材にエタノールを混合する場合、その混合量は0〜20容量%で、ガソリン全体におけるエタノールとETBEの含有量(容量%)の比率が0.01〜0.45であり、好ましくは0.02〜0.40、さらに好ましくは0.03〜0.35、特には0.04〜0.30である。
接触分解ガソリン基材の配合量は、レギュラーガソリンにおいては接触分解ガソリンを0〜80容量%、ガソリン生産量維持から好ましくは20容量%以上、さらに好ましくは40容量%以上である。またプレミアムガソリンにおいては、この接触分解ガソリンを蒸留分離した軽質接触分解ガソリンを0〜50容量%、好ましくは20〜47容量%、より好ましくは30〜45容量%である。また、レギュラーガソリン及びプレミアムガソリンともに、他ガソリン基材として、異性化ガソリン0〜20容量%、より好ましくは2〜15容量%、イソペンタン0〜20容量%、好ましくは2〜15容量%、トルエン0〜40容量%、好ましくは10〜38容量%、より好ましくは20〜37容量%、アルキレートガソリン0〜30容量%、好ましくは5〜28容量%、より好ましくは10〜25容量%である。また、アスファルトを熱分解したガソリン、あるいはまたナフサを熱分解したガソリン0〜20容量%、好ましくは1〜15容量%である。また、接触改質ガソリン0〜30容量%、好ましくは0〜20容量%、接触改質ガソリンを蒸留分離した炭素数7〜10の芳香族リッチな基材0〜50容量%、好ましくは0〜40容量%である。
なお、この他のガソリン基材としては特に限定されないが、直留ナフサを脱硫処理した脱硫ナフサ基材、及びメチルt−ブチルエーテル(MTBE)、エチルs−ブチルエーテル(ESBE)、t−アミルエチルエーテル(TAEE)、メタノール等の含酸素ガソリン基材等、公知のガソリン基材を用いることができる。他のガソリン基材は、硫黄分が10質量ppm以下であることが好ましく、特には5質量ppm以下であることが好ましい。
〔他の添加物〕
さらに、本発明のガソリンには、当業界で公知の燃料油添加剤の1種又は2種以上を必要に応じて配合することができる。これらの配合量は適宜選べるが、通常は添加剤の合計配合量を0.1質量%以下に維持することが好ましい。本発明のガソリンで使用可能な燃料油添加剤を例示すれば、フェノール系、アミン系などの酸化防止剤、シッフ型化合物、チオアミド型化合物などの金属不活性化剤、有機リン系化合物などの表面着火防止剤、コハク酸イミド、ポリアルキルアミン、ポリエーテルアミンなどの清浄分散剤、多価アルコール又はそのエーテルなどの氷結防止剤、有機酸のアルカリ金属塩又はアルカリ土類金属塩、高級アルコールの硫酸エステルなどの助燃剤、アニオン系界面活性剤、カチオン系界面活性剤、両性界面活性剤などの帯電防止剤、アゾ染料などの着色剤を挙げることができる。
特に、ETBE基材が酸化安定性に劣る場合、ガソリンへの混合量により酸化防止剤を適宜添加することが有効であり、欧州においては50質量ppm以上添加されている場合がある。また、ETBE基材にポリイソブチルアミンやポリエーテルアミン等の清浄剤を、ETBE基材のガソリン混合比率とガソリンの未洗実在ガム許容量に合わせて、0〜2000mg/Lの範囲で適宜添加することも有効である。さらにETBE基材の防錆性を改善するために防錆剤を添加することも有効である。
〔本発明のガソリン〕
本発明品は、エタノールを0.10〜20.0容量%、ETBEを1.0〜20.0容量%、エタノールとETBE含有量(容量%)の比率が0.01〜0.45であるガソリン組成物である。
また、含酸素化合物の全硫黄分が2.0質量ppm以下、リード蒸気圧が40.0kPa以下、エタノール含有量が0.10〜20.0容量%、C4以上アルコール含有量が0〜5.0容量%、(エタノール含有量,容量%+C4以上アルコール含有量,容量%)が0.1〜10.0容量%、酸素を含まない炭素数4以下の炭化水素化合物含有量が1.0容量%以下、酸素を含まない炭素数8以上の炭化水素化合物含有量が1.0容量%以下、オレフィン分が0.5容量%以下、ベンゼン分が0.5容量%以下、トルエン分が0〜5.0容量%、MTBE含有量が1.0容量%以下、水分が500質量ppm以下、エチルターシャリブチルエーテルの純度80.0%以上であることを特徴とする。
本発明のガソリンの硫黄分は、10.0質量ppm以下、好ましくは5.0質量ppm以下、特に好ましくは1質量ppm以下である。ガソリン中の硫黄分は、排気ガス中で酸化硫黄化合物となり、窒素酸化物除去触媒を被毒する。そのために、窒素酸化物触媒の活性を回復するために還元雰囲気を形成するために燃料が使用され、燃費悪化の原因となっている。従って、ガソリン中の硫黄分が少ないほど燃費は向上する。
このETBE基材を混合したガソリンの蒸気圧は、蒸発ガス低減より好ましくは65kPa以下、さらに好ましくは60kPa以下、特に好ましくは58kPa以下である。また、レギュラーガソリンにおいてオクタン価は93〜97、燃費向上効果から好ましくは94以上、さらに好ましくは95以上である。また、アロマ増加による排気ガス品質悪化、蒸留性状が重質化することによる冷機時運転性悪化から好ましくは96以下である。あるいはまた、プレミアムガソリンにおいてオクタン価は98〜110、燃費向上効果から好ましくは99以上、さらに好ましくは100以上である。また、アロマ増加による排気ガス品質悪化、蒸留性状が重質化することによる冷機時運転性悪化から好ましくは105以下、特に好ましくは104以下である。
以下に、実施例により具体的に説明するが、本発明はこれらの例により何ら制限されるものではない。
〔ETBE基材の調製〕
ETBE試薬(95%純度品:和光薬品製)を原料にして精密蒸留分離(分離条件:理論段数50、塔頂温度73℃、圧力745〜750mmHg、還流比5)を行い、精密蒸留ETBEを得た。その後、精密蒸留ETBEからエタノールを分離するために内径4Åのモレキュラシーブ吸着剤を用いて、精密蒸留ETBE100mlに対して、20gの吸着剤を蓋付きメスシリンダー(200ml)に入れ、5分間振とう機にて攪拌し、吸着剤を分離して高純度ETBE基材を得た。
高純度ETBE基材に、4重量%のブラジル産エタノール(無水:水分5793ppm、不純物として1,1−ジエトキシエタン:1900mg/L、1−プロパノール:270mg/L、イソブチルアルコール:120mg/L、シクロヘキサン:40mg/Lを含む)を混合し、エタノール混合ETBE基材を得た。
上述の高純度ETBE基材、エタノール混合ETBE基材及び米国シェブロン化学製ETBE基材の残留組成をGC−MSで測定した結果、諸特性を表1にまとめる。
Figure 2007023164
〔ガソリン組成物の調製〕 表2に示すようにガソリン基材を用意し、表3の上部に示す混合割合(容量%)でブレンドして実施例、比較例となるガソリン組成物を調製した。なお、用いたガソリン基材は、次のように調製された。
IC5:
イソペンタンを多く含む炭素数5が主体の留分であり、脱硫ナフサ留分を蒸留分離することにより、あるいはまた接触改質ガソリンを蒸留分離することにより、純度95%以上の炭素数5の成分を得た。
DS−LG:
脱硫直留軽質ナフサであり、中東系原油のナフサ留分を水素化脱硫後、その軽質分を蒸留分離することにより得た。
ALKG:
アルキレートガソリンであり、ブチレンを主成分とする留分とイソブタンを主成分とする留分を硫酸触媒あるいはまた固体酸燐酸触媒により反応させて、イソパラフィン分の高い炭化水素を得た。
FC―LG:
脱硫軽油および脱硫重油を固体触媒により流動床式反応装置を用いて分解することによりオレフィン分の高い炭化水素、すなわち流動接触分解ガソリンを得、その後、そのガソリンの100℃以下留分を蒸留分離することにより、軽質でオクタン価が高い留分を得た。
AC7:
軽質改質ガソリンである。前記脱硫直留軽質ナフサ(DS−LG)を得る際に、脱硫後、重質留分(脱硫重質ナフサ)が蒸留分離される。この脱硫重質ナフサを固体触媒により移動床式反応装置を用いて改質反応させることにより、芳香族分の高い炭化水素、すなわち改質ガソリンを得た。これを蒸留分離することにより炭素数7の芳香族炭化水素(トルエン)を95%以上含有する留分(AC7)を得た。
AC9:
重質改質ガソリンであり、前記のよう調製された改質ガソリンの蒸留分離において、炭素数11以上の炭化水素が5%以下、炭素数9及び10の炭化水素が90%以上含有される留分(AC9)を得た。
Figure 2007023164
Figure 2007023164
表2及び表3に示すガソリン基材及び実施例、比較例のガソリン組成物の性状は、次の方法により測定した。
蒸留性状:JIS K 2254「石油製品−蒸留試験法」
蒸気圧(RVP):JIS K 2258「原油及び燃料油−蒸気圧試験方法−リード法」
オクタン価(RON):JIS K 2280「石油製品−燃料油−オクタン価及びセタン価試験方法並びにセタン指数算出方法」のリサーチ法オクタン価試験方法
全硫黄分:JIS K 2541「原油及び石油製品−硫黄分試験方法」の微量電量滴定式酸化法に準拠して、小数点以下2桁まで求めた。
各種硫黄化合物分:ガスクロSCD分析で各種硫黄化合物の重量比率を求め、全硫黄分を乗じることで小数点以下2桁まで算出した。
密度:JIS K 2249「原油及び石油製品−密度試験方法」
炭素数4及び炭素数5の組成成分:JIS K 2536「石油製品−成分試験方法」のガスクロマトグラフィー法
水分:カールフィッシャー法により測定した。
ETBE含有量及び不純物含有量:GC−MSにより測定した。測定条件は次の通り
GC装置:Agilent社製 5973N型 四重極質量分析計
カラム:Agilent社製 HP-5MS 0.25mm i.d.*30m, df=0.25μm
カラムオーブン温度:40℃で10分保持、10℃/分で昇温し、300℃で15分保持
注入口温度:290℃、インターフェイス温度:290℃
注入方法:スプリット(50:1)注入量:0.1μl
カラム流量:0.7ml/分(ヘリウム)
〔防錆性試験〕 防錆性試験は次の2つの方法により、測定した。
防錆性試験1.ガラス容器中に、試料300mLと精製水30mLを導入し混合溶液とし、鋼製丸棒試験片を浸漬させ、混合溶液を40℃、24時間、1000rpmで撹拌後、試験片の腐食度合いを評価した。試験に用いた鋼製丸棒試験片は、JIS K2510に定められるJIS G3108のSGD 3M 13φ×68mmの炭素鋼鋼材である。腐食度合いを評価する基準を表4に示す。
Figure 2007023164
防錆性試験2.ガラス容器に、試料300mLと精製水30mLを導入し混合溶液とし、この混合溶液中に各種金属試験片(鋳鉄、銅、黄銅、亜鉛、アルミニウムの計5種類)をそれぞれ浸漬させ、混合溶液を40℃、24時間、1000rpmで撹拌後、試験片の腐食度合いを評価した。
〔水曇り試験〕 水曇り試験として、試料の相分離温度を次の様にして求めた。
相分離温度:室温下で100ml有栓三角フラスコに50mlの試料を採取し、さらにマイクロシリンジで蒸留水を1000μl混入した後に、振とうして水を完全に溶解させる。これを空気浴の低温型恒温槽内に静置した後、一定速度で冷却し、試料温度が1℃降下する毎に試料の状態を目視で観察する。試料に初めて白濁状態が観察されたときの試料温度を測定し、これを相分離温度とする。

Claims (6)

  1. エタノールとETBE(エチルターシャリブチルエーテル)を含有し、ETBE含有量が1.0〜20.0容量%であり、エタノール含有量がETBE含有量の0.01〜0.45倍であるETBE含有ガソリン組成物。
  2. 全硫黄分が10質量ppm以下であり、炭素数4以上のアルコールの含有量が0.01容量%以下であり、オクタン価が93〜110である請求項1記載のETBE含有ガソリン組成物。
  3. 請求項1記載のガソリン組成物の製造方法であって、炭化水素基材とETBE基材を配合するETBE含有ガソリン組成物の製造方法。
  4. 全硫黄分が2.0質量ppm以下、リード蒸気圧が40kPa以下、エタノール含有量が0.1〜20容量%、ベンゼン分が0.5容量%以下、MTBE(メチルターシャリブチルエーテル)含有量が1容量%以下、水分500質量ppm以下であり、かつ、ETBE含有量が80容量%以上であるETBE基材を用いる請求項3記載のETBE含有ガソリン組成物の製造方法。
  5. 炭素数4以上のアルコール含有量が0.3容量%以下、酸素を含まない炭素数4以下の炭化水素化合物含有量が0.06容量%以下、酸素を含まない炭素数8以上の炭化水素化合物含有量が2.5容量%以下、オレフィン分が0.4容量%以下、トルエン分が0.4容量%以下であるETBE基材を用いる請求項4記載のETBE含有ガソリン組成物の製造方法。
  6. 予めエタノールを配合したETBE基材を用いる請求項3記載のETBE含有ガソリン組成物の製造方法。
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