JP4926425B2 - Etbe含有ガソリン組成物及びその製造方法 - Google Patents

Etbe含有ガソリン組成物及びその製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、ETBE(エチルターシャリブチルエーテル)を含有するガソリン組成物に関し、特には、高オクタン価、低蒸気圧であり、水分離性能、水曇り防止性能及び防錆性能に優れたガソリン組成物と、その製造方法に関する。
含酸素化合物の一つであるETBEは高いオクタン価を有し、またエタノールに比べると、低添加量でも共沸現象による蒸気圧増加を起こすことがなく、また水混入時にガソリンからの相分離を起こすことがないこと等から、ハンドリングが比較的容易であり、CO2削減を背景に2010年にはガソリンに導入することが決定されている。これまでにETBEをガソリンに混合する製造法や混合したガソリンは数多く報告されている。
特開2005−029762号公報 特開2004−292511号公報 特開2004−285204号公報
しかし、ETBEを混合したガソリンにおいては、ETBE基材に含まれる不純物などにより、水曇り防止性能や防錆性能が十分でない場合がある。本発明は、このような問題を解決するものであり、高オクタン価、低蒸気圧、低沸点であると同時に、水分離性能、水曇り防止性能及び防錆性能に優れたガソリン組成物とその製造方法を提供するものである。
本発明によるETBE含有ガソリン組成物は、ETBE(エチルターシャリブチルエーテル)を含有し、ETBE含有量が1〜20容量%であり、炭素数9の芳香族炭化水素含有量(容量%)が、炭素数7の芳香族炭化水素含有量(容量%)の1.11倍以上である。全硫黄分が10質量ppm以下であり、炭素数2以上のアルコールと炭素数2以上のETBE以外のエーテルの合計含有量(容量%)がETBE含有量(容量%)の0.003倍以下で、オクタン価が93〜110であること、また、防錆剤が添加されていることが好ましい。
本発明によるETBE含有ガソリン組成物の製造方法は、炭化水素基材とETBE基材を配合して上述のETBE含有ガソリン組成物を製造するものである。ETBE基材は、全硫黄分が5質量ppm以下、リード蒸気圧が40kPa以下、ベンゼン分が0.5容量%以下、MTBE(メチルターシャリブチルエーテル)含有量が0.3容量%以下、水分500質量ppm以下であり、かつ、ETBE含有量が98容量%以上であること、さらには、炭素数2以上のアルコール含有量が0.3容量%以下、酸素を含まない炭素数4以下の炭化水素化合物含有量が0.06容量%以下、酸素を含まない炭素数8以上の炭化水素化合物含有量が2.5容量%以下、オレフィン分が0.4容量%以下、トルエン分が0.4容量%以下であることが好ましい。
本発明によるガソリン組成物は、炭素数9の芳香族炭化水素含有量と炭素数7の芳香族炭化水素含有量の比率を所定の範囲にすることにより、ETBEを添加した際にも十分な水分離性能、水曇り防止性能及び防錆性能を有することができる。
〔ETBE基材〕
本発明の製造方法に用いるETBE基材は、目標品質に合致したETBE基材を国内外から受入れするか、国内外で目標品質に合わせて製造したものである。このETBE基材は通常1〜20容量%配合される。
また、ETBE原料に使用するエタノールは、二酸化炭素増加を防止する観点から生産余剰となった玉蜀黍、砂糖黍、又は廃材から生産されるバイオエタノールが好ましい。また、ETBE原料に使用するイソブテンは、炭素数3以下及び炭素数5以上の炭化水素含有量が少ない方が、ETBE生産時に生成する副生成物が少なくなり好ましい。
このガソリンに用いるETBE基材は、全硫黄分が5質量ppm以下、排気ガスの触媒被毒防止から、好ましくは2質量ppm以下、さらに好ましくは1質量ppm以下、リード蒸気圧が40kPa以下、ガソリンの蒸気圧低減効果から好ましくは37kPa以下、さらに好ましくは35kPa以下、特に好ましくは33kPa以下である。
また、炭素数2以上のアルコール含有量を0.3容量%以下とすることが好ましく、オクタン価向上効果、水曇り防止及び防錆性効果からは0.1〜0.3容量%とすること、良好な水分離性を得るためには0.2〜0.3容量%とすることが好ましい。
また、酸素を含まない炭素数4以下の炭化水素化合物含有量が1容量%以下、ガソリンの蒸気圧低減から好ましくは0.5容量%以下、さらには0.1容量%以下が好ましい。また、酸素を含まない炭素数8以上の炭化水素化合物含有量が1容量%以下、沸点低減効果から好ましくは0.5容量%以下、さらには0.1容量%以下が好ましい。オレフィン分が0.5容量%以下、酸化安定性から0.1容量%以下が好ましい。
ベンゼン分が0.5容量%以下、排気ガス品質の悪化防止の観点から0.2容量%以下、さらには0.1容量%以下が好ましい。トルエン分が5容量%以下、オクタン価向上効果、水曇り防止及び防錆性維持のためには0.5容量%以上、さらに1容量%以上が好ましい。また、沸点低減からは4容量%以下、さらには3容量%以下が好ましい。MTBE(メチルターシャリブチルエーテル)含有量が0.3容量%以下、水混入による水層への分離による水質悪化防止からは0.2容量%以下、さらには0.1容量%以下が好ましい。また、水分は500質量ppm以下、水曇り防止からは400質量ppm以下、さらには350質量ppm以下が好ましい。
〔配合〕
ガソリン全体におけるETBE混合量は1〜20容量%、オクタン価向上効果から好ましくは5容量%以上、さらに好ましくは7容量%以上、特に好ましくは10容量%以上である。また、燃費から20容量%以下、防錆性、水分離性から好ましくは17容量%以下、さらに好ましくは15容量%以下である。
炭化水素基材としては、接触分解ガソリン基材と改質ガソリン基材を用いることが好ましい。さらに、アルキレート基材が好ましく用いられる。他のガソリン基材としては、(A)原油を常圧蒸留した直留ナフサ、(B)直留ナフサを脱硫処理した脱硫ナフサ、(C)軽質ナフサを接触処理し、異性化してオクタン価を高めたアイソメレート(異性化ガソリン)、(D)原油や各種の2次精製装置から回収されるLPG留分や軽質ナフサなどを精密蒸留して得られるブタン、イソペンタンなどが挙げられる。
接触分解ガソリン基材の製造工程は、接触分解装置、原料油、運転条件を特に限定するものでなく、公知の任意の製造工程を採用できる。接触分解装置は、無定形シリカアルミナ、ゼオライトなどの触媒を使用して、軽油から減圧軽油までの石油留分の他、重油間接脱硫装置から得られる間脱軽油、重油直接脱硫装置から得られる直脱重油、常圧残さ油などを接触分解して高オクタン価ガソリン基材を得る装置である。例えば石油学会編「新石油精製プロセス」に記載のあるUOP接触分解法、フレキシクラッキング法、ウルトラ・オルソフロー法、テキサコ流動接触分解法などの流動接触分解法、RCC法、HOC法などの残油流動接触分解法などがある。接触分解ガソリンは硫黄分を低減するために、接触分解装置にかける原料油の硫黄分を可能な限り低減しておくか、接触分解ガソリンそのものを脱硫することが好ましい。接触分解ガソリンを脱硫するには、オクタン価の減少を極力抑制しながら脱硫するのが好ましい。その脱硫方法としてExxonMobil社のSCANfiningプロセス、Axens社のPrime-G+プロセス、UOP社のISALプロセスなどがある。(21st JPI Petroleum Refining Conference "Recent Progress in Petroleum Process Technology" 2002)
接触分解ガソリン基材の好ましい配合量は、レギュラーガソリンにおいては接触分解ガソリン基材を80容量%以下、ガソリン生産量維持から好ましくは20容量%以上、さらに好ましくは40容量%以上である。またプレミアムガソリンにおいては、この接触分解ガソリンを蒸留分離した軽質接触分解ガソリンを50容量%以下、特には20〜47容量%、さらには30〜45容量%配合することが好ましい。この軽質接触分解ガソリンの好ましい性状は、50%留出温度が45〜85℃、特には40〜60℃であり、90%留出温度が60〜140℃、特には50〜120℃である。
これらの接触分解ガソリン基材はオレフィンを多く含むため、ガソリンへの混合量が増加すると酸化安定性が悪化するが、その一方でガソリンの極性を高めることにより、水曇り性が向上することになる。これらの接触分解ガソリン基材は、ガソリン組成物のオレフィン分が好ましくは10容量%以上、より好ましくは12容量%以上、特に好ましくは15容量%以上となるように配合する。
炭素数9の芳香族炭化水素含有量を高めるためには、炭素数9の芳香族炭化水素が富化された基材を配合することが好ましい。このような基材としては、いわゆる重質改質ガソリンが用いられる。重質改質ガソリンは、接触改質ガソリン基材の比較的重質な、炭素数9の炭化水素を主成分とする留分であり、10%留出温度が150℃以上、好ましくは155〜170℃である留分である。この留分は、アロマ分を90質量%以上、特には95質量%以上含み、90%留出温度が165〜175℃であることが好ましい。このような重質改質ガソリンを5〜25容量%、特には10〜20容量%配合することが好ましい。
炭素数7の芳香族炭化水素、すなわちトルエンを主成分とする基材は、典型的には、改質ガソリンを分留することにより得ることができる。このようなトルエンを80容量%以上含む基材を、40容量%以下、好ましくは0.5〜38容量%、特には1.0〜20容量%、さらには2.0〜20容量%配合することが好ましい。
また、レギュラーガソリン及びプレミアムガソリンともに、他ガソリン基材として、脱硫ナフサを20容量%以下、特には15容量%以下、また、アルキレートを1〜30容量%、特には3〜28容量%、さらには10〜25容量%配合することが好ましい。
なお、この他のガソリン基材としては特に限定されないが、トルエン、キシレン等の芳香族基材及びメチルt−ブチルエーテル(MTBE)、エチルs−ブチルエーテル(ESBE)、t−アミルエチルエーテル(TAEE)、メタノール、エタノール等の含酸素ガソリン基材等、公知のガソリン基材を用いることができる。他のガソリン基材は、硫黄分が10質量ppm以下であることが好ましく、特には5質量ppm以下であることが好ましい。
〔他の添加物〕
さらに、本発明のガソリンには、当業界で公知の燃料油添加剤の1種又は2種以上を必要に応じて配合することができる。これらの配合量は適宜選べるが、通常は添加剤の合計配合量を0.1質量%以下に維持することが好ましい。本発明のガソリンで使用可能な燃料油添加剤を例示すれば、フェノール系、アミン系などの酸化防止剤、シッフ型化合物、チオアミド型化合物などの金属不活性化剤、有機リン系化合物などの表面着火防止剤、コハク酸イミド、ポリアルキルアミン、ポリエーテルアミンなどの清浄分散剤、多価アルコール又はそのエーテルなどの氷結防止剤、有機酸のアルカリ金属塩又はアルカリ土類金属塩、高級アルコールの硫酸エステルなどの助燃剤、アニオン系界面活性剤、カチオン系界面活性剤、両性界面活性剤などの帯電防止剤、アゾ染料などの着色剤を挙げることができる。
特に、ETBE基材が酸化安定性に劣る場合、ガソリンへの混合量により酸化防止剤を適宜添加することが有効であり、欧州においては50質量ppm以上添加されている場合がある。また、ETBE基材にポリイソブチルアミンやポリエーテルアミン等の清浄剤を、ETBE基材のガソリン混合比率とガソリンの未洗実在ガム許容量に合わせて、0〜2000mg/Lの範囲で適宜添加することも有効である。さらにETBE基材の防錆性を改善するために防錆剤や金属不活性剤を添加することも有効である。
防錆剤としては、無機系としてクロム酸塩、タングステン酸ナトリウム、モリブデン酸ナトリウム、バナジン酸塩、亜硝酸塩、安息香酸塩、けい酸塩、ほう酸塩、りん酸塩、有機系としてアミン、ピリジン、第4ピリジン塩基塩等の窒素含有化合物、2−メルカプトイミダゾール、プロパルギルアルコール等の硫黄含有化合物、ヘキシン−1−オール-3,プロパルギルエステル等のアセチレン化合物等を用いることができ、特には、カルボン酸エステル脂肪酸アミン、アルケニル琥珀酸エステルリン酸塩、アルキルフェノールのフォスファイトエステルが好ましく用いられる。防錆剤の添加量は、通常1mg/l〜50mg/lであるが、1mg/l〜10mg/lが好ましい。また、金属不活性剤はジェット燃料で通常使用されるNN’-ジサリシィリジン(NN’-disalicylidene)、1,2‐プロパンジアミンを1〜2mg/L用いることができる。
なお、これらの防錆性剤や金属不活性剤は単独で用いることが出来るが、通常はポリイソブテンアミンやポリエーテルアミン等の清浄剤とパッケージ化して商品販売されており、これを使用してガソリンに添加する場合は、添加剤添加ガソリンの未洗浄実在ガム(JIS K2261)が20mg/100ml以下を満足する様に、通常は清浄剤とのパッケージ添加剤を50〜300mg/l添加する。
〔ガソリン組成物〕
本発明によるガソリン組成物は、ETBE含有量が1〜20容量%であり、炭素数9の芳香族分(容量%)が炭素数7の芳香族分(容量%)の1.11倍以上であり、好ましくは、全硫黄分が10質量ppm以下であり、炭素数2以上のアルコールと炭素数2以上のETBE以外のエーテルの合計含有量(容量%)がETBE含有量(容量%)の0.003倍以下で、オクタン価が93〜110である。
炭素数9の芳香族炭化水素は、炭素数7の芳香族炭化水素と比べて防錆性が優れており、炭素数9の芳香族炭化水素含有量(容量%)は、炭素数7の芳香族炭化水素含有量(容量%)の1.11倍以上、好ましくは1.5倍以上、特に好ましくは2倍以上であり、また揮発性から好ましくは10倍以下である。炭素数9の芳香族炭化水素含有量は、好ましくは1〜30容量%であり、さらに好ましくは2〜20容量%である。また、炭素数7の芳香族炭化水素含有量は、好ましくは0.5〜30容量%であり、さらに好ましくは1〜25容量%、特には2〜20容量%である。

芳香族分は、オクタン価を向上させる効果があるが、芳香族分が多いと排ガス性状を悪化させたり、プラグの燻りや揮発性悪化を引き起こし、冷機時運転性が悪化し易くなる。また、芳香族分が少ないと発熱量低下による燃費悪化を引き起こすことがあるので、好ましくは5〜35容量%であり、さらに好ましくは10〜30容量%である。また、ベンゼン分は品質確保法から1%以下であるが、排ガス性状の悪化防止から、0.5%以下が好ましく、さらには0.4%以下が好ましい。
オレフィン分は、増加すると酸化安定性が悪化するが、その一方でガソリンの極性を高めることにより、水曇り性が向上することになる。このため、水曇り性向上のためには、10容量%以上、特には12容量%以上、さらには15容量%以上とすることが好ましい。一方、酸化安定性の維持のためには、35容量%以下、特には30容量%以下、さらには25容量%以下とすることが好ましい。
本発明のガソリンの硫黄分は、10質量ppm以下、好ましくは5質量ppm以下、特に好ましくは1質量ppm以下である。ガソリン中の硫黄分は、排気ガス中で酸化硫黄化合物となり、窒素酸化物除去触媒を被毒する。そのために、窒素酸化物触媒の活性を回復すべく還元雰囲気を形成するために燃料が使用され、燃費悪化の原因となっている。従って、ガソリン中の硫黄分が少ないほど燃費は向上する。
このETBE基材を混合したガソリンの蒸気圧は、蒸発ガス低減より好ましくは65kPa以下、さらに好ましくは60kPa以下、特に好ましくは58kPa以下である。また、レギュラーガソリンにおいてオクタン価は93〜97、燃費向上効果から好ましくは94以上、さらに好ましくは95以上である。また、アロマ増加による排気ガス品質悪化、蒸留性状が重質化することによる冷機時運転性悪化から好ましくは96以下である。あるいはまた、プレミアムガソリンにおいてオクタン価は98〜110、燃費向上効果から好ましくは99以上、さらに好ましくは100以上である。また、アロマ増加による排気ガス品質悪化、蒸留性状が重質化することによる冷機時運転性悪化から好ましくは105以下、特に好ましくは104以下である。
好ましい50%留出温度は、冷機時運転性や排ガス性状から100℃以下、さらに好ましくは98℃以下、特に好ましくは96℃以下である。通常、50%留出温度は、70℃以上である。
以下に、実施例により具体的に説明するが、本発明はこれらの例により何ら制限されるものではない。
〔ETBE基材の調製〕
米国シェブロン化学製ETBE基材を原料にして精密蒸留分離(分離条件:理論段数15、塔頂温度73℃、圧力745〜750mmHg、還流比5)を行い、軽質分を30容量%、重質分を10容量%カットし精密蒸留ETBEを得た。収率は60容量%であった。
上述の高純度ETBE基材及び防錆性が付与されているBASF社AP114Kを100mg/L添加した清浄剤添加高純度ETBE、米国シェブロン化学製ETBE基材の残留組成をGC−MSで測定した結果、諸特性を表1にまとめる。
Figure 0004926425
〔ガソリン組成物の調製〕 表2に示すようにガソリン基材を用意し、表3の上部に示す混合割合(容量%)でブレンドして実施例、比較例となるガソリン組成物を調製した。なお、用いたガソリン基材は、次のように調製された。また、用いた防錆剤は、清浄剤とのパッケージ品として販売されているBASF社製のAP114Kを用い、その添加量を100mg/Lとした。
DS−LG:
脱硫直留軽質ナフサであり、中東系原油のナフサ留分を水素化脱硫後、その軽質分を蒸留分離することにより得た。
ALKG:
アルキレートガソリンであり、ブチレンを主成分とする留分とイソブタンを主成分とする留分を硫酸触媒あるいはまた固体燐酸触媒により反応させて、イソパラフィン分の高い炭化水素を得た。
FCCG:
流動接触分解ガソリンであり、脱硫軽油および脱硫重油を固体触媒により流動床式反応装置を用いて分解した後、オレフィン水添を抑制しながら選択的水素化脱硫を行い、スイートニングして、オレフィン分が高く硫黄分が低い炭化水素を得た。
FC−LG:
FCCGの100℃以下留分を蒸留分離することにより、軽質でオクタン価が高い留分を得た。
AC7:
軽質改質ガソリンである。前記脱硫直留軽質ナフサ(DS−LG)を得る際に、脱硫後、重質留分(脱硫重質ナフサ)が蒸留分離される。この脱硫重質ナフサを固体触媒により移動床式反応装置を用いて改質反応させることにより、芳香族分の高い炭化水素、すなわち改質ガソリンを得た。これを蒸留分離することにより炭素数7の芳香族炭化水素(トルエン)を95容量%含有する留分(AC7)を得た。
AC9:
重質改質ガソリンであり、前記のよう調製された改質ガソリンの蒸留分離において、炭素数11以上の炭化水素が5容量%以下、炭素数9及び10の炭化水素が90容量%以上含有される留分(AC9)を得た。炭素数9の芳香族炭化水素の含有量は、90容量%である。
Figure 0004926425

Figure 0004926425
Figure 0004926425
表2、表3及び表4に示すガソリン基材及び実施例、比較例のガソリン組成物の性状は、次の方法により測定した。
蒸留性状:JIS K 2254「石油製品−蒸留試験法」
蒸気圧(RVP):JIS K 2258「原油及び燃料油−蒸気圧試験方法−リード法」
オクタン価(RON):JIS K 2280「石油製品−燃料油−オクタン価及びセタン価試験方法並びにセタン指数算出方法」のリサーチ法オクタン価試験方法
全硫黄分:JIS K 2541「原油及び石油製品−硫黄分試験方法」の紫外蛍光法(ASTM D 5453(紫外蛍光法))に準拠して、小数点以下1桁まで求めた。
密度:JIS K 2249「原油及び石油製品−密度試験方法」
水分:カールフィッシャー法により測定した。
オレフィン分:JIS K 2536「石油製品−成分試験方法」のガスクロマトグラフィー法
カラム槽条件:
材質:メチルシリコーン初期温度5℃、保持時間10分、昇温速度2℃/分、最終温度140℃ガス条件:流速2ml/分、スプリット比50:1、メークアップ量50ml/分、試料注入量:0.5μL
芳香族分:JIS K 2536「石油製品−成分試験方法」のガスクロマトグラフィー法(同上)
炭素数7、9の芳香族分(芳香族炭化水素含有量):JIS K 2536「石油製品−成分試験方法」のガスクロマトグラフィー法(同上)
ETBE含有量及び炭素数2以上のアルコール、エーテルなどの不純物含有量:GC−MS、GC−FIDにより測定した。測定条件は次の通り
(GC−MS測定条件)
GC装置:Agilent社製 5973N型 四重極質量分析計
カラム:Agilent社製 HP-5MS 0.25mm i.d.*30m, df=0.25μm
カラムオーブン温度:40℃で10分保持、10℃/分で昇温し、300℃で15分保持
注入口温度:290℃、インターフェイス温度:290℃
注入方法:スプリット(50:1)注入量:0.1μl
カラム流量:0.7ml/分(ヘリウム)
(GC−FID測定条件)
GC装置:Hewlett Packard社製 6890型 FID検出器付GC
カラム:Spelco社製 PTE-5 0.25mm i.d.*30m, df=0.25μm
カラムオーブン温度:40℃で10分保持、10℃/分で昇温し、300℃で15分保持
注入口温度:290℃、インターフェイス温度:300℃
注入方法:スプリット(50:1)注入量:0.5μl
カラム流量:0.7ml/分(ヘリウム)
FID検出器:水素40ml、空気450ml、メークアップヘリウム及びキャリアー45ml
〔防錆性試験〕 防錆性試験は次の2つの方法により、測定した。
防錆性試験1.ガラス容器中に、試料300mLと精製水30mLを導入し混合溶液とし、鋼製丸棒試験片を浸漬させ、混合溶液を40℃、24時間、1000rpmで撹拌後、試験片の腐食度合いを評価した。試験に用いた鋼製丸棒試験片は、JIS K2510に定められるJIS G3108のSGD 3M 13φ×68mmの炭素鋼鋼材である。腐食度合いを評価する基準を表4に示す。
Figure 0004926425
防錆性試験2.ガラス容器に、試料300mLと精製水30mLを導入し混合溶液とし、この混合溶液中に各種金属試験片(鋳鉄、銅、黄銅、亜鉛、アルミニウムの計5種類)をそれぞれ浸漬させ、混合溶液を40℃、24時間、1000rpmで撹拌後、試験片の腐食度合いを評価した。
〔水曇り試験〕 水曇り試験として、試料の相分離温度を次の様にして求めた。
相分離温度:室温下で100ml有栓三角フラスコに50mlの試料を採取し、さらにマイクロシリンジで蒸留水を1000μl混入した後に、振とうして水を完全に溶解させる。但し、水が完全に溶解しない場合は、室温で1日静置し底部に堆積した遊離水を除去した。これを空気浴の低温型恒温槽内に静置した後、一定速度で冷却し、試料温度が1℃降下する毎に試料の状態を目視で観察する。試料に初めて白濁状態が観察されたときの試料温度を測定し、これを相分離温度とする。
水分離性である界面状態、分離状態、水層容積変化は、JIS K2276の項目6に準拠し、次のようにして求めた.室温で試料80ml、水20mlを所定のガラス容器中に入れ、2分間上下に振り混ぜ5分間静置させ、水層の容量変化を読み取り、その直後の試料層と水層の界面状態、分離状態を次の基準(表6、表7)と照合させ評価した。

Figure 0004926425
Figure 0004926425
表1から高純度ETBE基材は、原料の米国シェブロン化学性ETBEに比較して、酸素を含まない炭素数4以下の炭化水素化合物含有量が減少し、蒸気圧が低減し、また酸素を含まない炭素数8以上の炭化水素化合物含有量が減少し、蒸留性状の終点が低下していることがわかる。また、この高純度ETBEに防錆剤を含有する清浄剤を添加することで、防錆性が改善している。
表3、4から、比較例1に対し実施例1、また比較例2に対し実施例2では、両者とも炭素数9の芳香族分が炭素数7の芳香族分の0.5倍以上であることから、防錆性試験(特に鋼板)が良好になっている。また、実施例2に対し実施例3では、炭素数7の芳香族分が減少し、ETBE含有量が増加し、相分離温度が低下し、水曇り防止性能が改善されている。また、実施例3に対し実施例4では防錆剤を含有する清浄剤を添加したETBEを用いることにより防錆性試験1、2ともに改善している。

Claims (6)

  1. ETBE(エチルターシャリブチルエーテル)含有量が1〜20容量%であり、炭素数9の芳香族炭化水素含有量(容量%)が、炭素数7の芳香族炭化水素含有量(容量%)の1.11倍以上であるETBE含有ガソリン組成物。
  2. 全硫黄分が10質量ppm以下であり、炭素数2以上のアルコールと炭素数2以上のETBE以外のエーテルの合計含有量(容量%)がETBE含有量(容量%)の0.003倍以下で、オクタン価が93〜110である請求項1記載のETBE含有ガソリン組成物。
  3. 防錆剤が添加されている請求項1又は2記載のETBE含有ガソリン組成物。
  4. 請求項1〜3のいずれかに記載のガソリン組成物の製造方法であって、炭化水素基材とETBE基材を配合するETBE含有ガソリン組成物の製造方法。
  5. 全硫黄分が5質量ppm以下、リード蒸気圧が40kPa以下、ベンゼン分が0.5容量%以下、MTBE(メチルターシャリブチルエーテル)含有量が0.3容量%以下、水分500質量ppm以下であり、かつ、ETBE含有量が98容量%以上であるETBE基材を用いる請求項4記載のETBE含有ガソリン組成物の製造方法。
  6. 炭素数2以上のアルコール含有量が0.3容量%以下、酸素を含まない炭素数4以下の炭化水素化合物含有量が0.06容量%以下、酸素を含まない炭素数8以上の炭化水素化合物含有量が2.5容量%以下、オレフィン分が0.4容量%以下、トルエン分が0.4容量%以下であるETBE基材を用いる請求項5記載のETBE含有ガソリン組成物の製造方法。
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