JP2005054102A - ガソリン - Google Patents

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Koji Oyama
宏次 尾山
Hajime Shibata
元 柴田
Masanori Hirose
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Abstract

【課題】 環境および燃費の改善を図るために、従来のガソリン以上に排気ガス中のPMやすすを燃料面から抑制すると共に、エンジン出力を向上させ、ドライバビリティを改善することができるガソリンを提供する
【解決方法】 エタノールを1〜5容量%含有し、リード蒸気圧が65kPa未満、炭素数7以下の炭化水素(芳香族系炭化水素は除く)の含有量が42容量%以上90容量%以下、炭素数4の炭化水素の含有量が4容量%以下であり、且つ下記式(1)を満たすことを特徴とするガソリン。
0.6×C5ナフテン分+0.8×C6ナフテン分+芳香族分
−21×EtOH≦17 (1)
[式(1)中、C5ナフテン分とは炭素数5のナフテン系炭化水素の含有量(容量%)、C6ナフテン分とは炭素数6のナフテン系炭化水素の含有量(容量%)、芳香族分とは芳香族系炭化水素の含有量(容量%)、及びEtOHとはエタノールの含有量(容量%)を示す。]
【選択図】 なし

Description

本発明は、自動車用燃料として有用なエタノール配合ガソリンに関する。
近年の環境問題への意識の高まりから、排出ガス中の一酸化炭素を削減するために、含酸素化合物をガソリンに配合することが注目され、メチル−t−ブチルエーテル(MTBE)を配合したガソリンが脚光を浴びてきた(例えば、特許文献1参照。)。
しかしながら、MTBEによる水質汚染などの問題から、MTBE以外の含酸素化合物のガソリンへの配合を検討する必要が生じてきている。中でも、エタノールが地球温暖化抑制の面から注目を集めている。
特開平3−93894号公報
現在市販されているガソリンエンジンは燃料を吸気ポートで噴射し、十分な予混合気を形成させてからシリンダ内部に送り込まれ点火プラグにより着火するタイプのエンジンと、吸気行程中に直接シリンダ内に燃料を噴射して点火プラグで着火させる2種類のタイプがある。前者のエンジンはポート噴射式ガソリンエンジン、後者のエンジンは筒内直接噴射式ガソリンエンジンと呼ばれている。
従来のガソリンで筒内直接噴射式ガソリンエンジンを運転すると、粒子状物質(PM)やすすが排出されることが確認されている。これは燃料が噴射されてから空気と混合し着火するまでの時間が短いために、燃料が十分に霧化していない状態で火炎伝播により強制着火がなされるため、燃料が十分な空気と出会えずに重合してすすやPMとなって排出されるためである。しかしながら、これらのすすやPMの排出はできるだけ抑制することが環境対策上重要である。
筒内直接噴射式ガソリンエンジンでは、成層燃焼運転領域(当量比0.8以下)と均質燃焼運転領域(当量比1.0以上)の2つの運転領域を負荷や回転数に応じて切り替えて運転が行われている。成層燃焼中は空燃比の薄い状態(当量比0.8以下)で運転が行われるため、得られる比エンジン出力は小さい。このためエンジンを加速させるような場合には成層運転条件では十分な加速を得ることができず、当量比1.0以上の均質燃焼運転に切り替わるが、これにより成層燃焼領域で有利であった低NOx特性(窒素酸化物排出特性)並びに燃費が著しく悪化する。このため成層燃焼運転領域で少しでも出力を向上させることが燃費改善に有効である。
環境および燃費の改善を図るために、従来のガソリン以上に排気ガス中のPMやすすを燃料面からさらに抑制すること、エンジン出力を向上させること、ドライバビリティを改善すること等が求められている。
本発明者らは、前記課題について鋭意研究を重ねた結果、所定の性状を有するエタノール配合ガソリンを用いた場合に、排気ガス中に排出されるPMやすすを低減することができ、かつエンジン出力を向上し、ドライバビリティを改善することを見出し、本発明を完成するに至ったものである。
すなわち、本発明は、エタノールを1〜5容量%含有し、リード蒸気圧が65kPa未満、炭素数7以下の炭化水素(芳香族系炭化水素は除く)の含有量が42容量%以上90容量%以下、炭素数4の炭化水素の含有量が4容量%以下であり、且つ下記式(1)を満たすことを特徴とするガソリンに関する。
0.6×C5ナフテン分+0.8×C6ナフテン分+芳香族分
−21×EtOH≦17 (1)
[式(1)中、C5ナフテン分とは炭素数5のナフテン系炭化水素の含有量(容量%)、C6ナフテン分とは炭素数6のナフテン系炭化水素の含有量(容量%)、芳香族分とは芳香族系炭化水素の含有量(容量%)、及びEtOHとはエタノールの含有量(容量%)を示す。]
本発明のガソリンは、15℃における密度が0.650g/cm3以上0.800g/cm3未満、硫黄分含有量が30質量ppm以下であることが好ましい。
以下、本発明について詳述する。
本発明のガソリンは、エタノールを1〜5容量%含有することが必要である。エタノールの含有割合が5容量%を越えるとエンジン側での空燃比制御が難しくなって過渡応答時のエンジン制御に影響を及ぼす可能性があるため好ましくない。一方、排出ガス中のPMやすすを低減する観点から1容量%以上が必要であり、2容量%以上が好ましい。
エタノールの製造法は特に限定されるものではなく、公知の製造法から得られるすべてのエタノールが使用可能である。製造法としては、例えば、エチレンを原料として工業的に合成する方法や酵母の働きにより糖から製造する発酵法などが挙げられる。これらの中でも、製造時の二酸化炭素排出量など環境への影響を考慮すると、とうもろこし、さとうきびやその他の農産物、または木質資源や木質系廃棄物を利用したバイオマスからエタノールを製造することが試みられている。
本発明のガソリンの37.8℃におけるリード蒸気圧(RVP)は、65kPa未満であることが必要であり、63kPa以下であることが好ましい。RVPが65kPa以上の場合は、特に夏期において燃料噴射管内のベーパーロックなどによる運転性の不具合が起きるため好ましくない。
なおここでいう37.8℃におけるリード蒸気圧とは、JIS K 2258「原油及び燃料油蒸気圧試験方法(リード法)」により測定されるリード蒸気圧(RVP)のことをいう。
本発明のガソリンにおいては、炭素数7以下の炭化水素(芳香族系炭化水素は除く)の含有量が42容量%以上、90容量%以下であることが必要である。エンジン出力を向上させる観点から、炭素数7以下の炭化水素(芳香族系炭化水素は除く)の含有量は44容量%以上であることが好ましい。一方、高沸点留分のオクタン価維持と燃焼速度を早くする観点から、90容量%以下が必要であり、80容量%以下が好ましい。なお、ここでいう炭素数7以下の炭化水素には、当然のことながらエタノールは含まれないものである。
炭素数7以下の炭化水素(芳香族系炭化水素は除く)の含有量は、石油学会規格JPI−5S−52−99「ガソリン−全組成分析法−キャピラリーカラムクロマトグラフ法に準拠して測定されるガソリン中の該当する炭化水素化合物の含有量(容量%)の合計を意味する。
本発明のガソリンの炭素数4の炭化水素の含有量は4容量%以下であることが必要である。炭素数4の炭化水素の含有量が4容量%を越えると、車両のドライバビリティが悪化するので好ましくない。
なお、ここでいう炭素数4の炭化水素の含有量は、石油学会規格JPI−5S−52−99「ガソリン−全組成分析法−キャピラリーカラムクロマトグラフ法に準拠して測定されるガソリン中の炭素数4の炭化水素化合物の含有量(容量%)を意味する。
本発明のガソリンは下記式(1)を満たすことが必要である。式(1)はガソリンエンジンから排出されるPM排出量と燃料組成の関係から本発明者らが見出した指標であり、式(1)の左辺が17以下であるとPM排出量を削減することができる。従って、PM排出量を削減するためには式(1)の左辺が17以下であることが必要であり、10以下であることが好ましい。
0.6×C5ナフテン分+0.8×C6ナフテン分+芳香族分
−21×EtOH≦17 (1)
[式(1)中、C5ナフテン分とは炭素数5のナフテン系炭化水素の含有量(容量%)、C6ナフテン分とは炭素数6のナフテン系炭化水素の含有量(容量%)、芳香族分とは芳香族系炭化水素の含有量(容量%)、及びEtOHとはエタノールの含有量(容量%)を示す。]
なお、ここでいう炭素数5のナフテン系炭化水素、炭素数6のナフテン系炭化水素及び芳香族系炭化水素の含有量は石油学会規格JPI−5S−52−99「ガソリン−全組成分析法−キャピラリーカラムクロマトグラフ法に準拠して測定されるガソリン中の該当する炭化水素化合物の含有量(容量%)またはそれら合計含有量を意味する。
本発明のガソリンの15℃における密度は、特に限定されるものではないが、0.650g/cm3以上、0.800g/cm3未満であることが好ましい。ベースガソリンの密度が0.650g/cm3に満たない場合は液体燃料としての取り扱いが難しくなり、また燃費が悪化するので好ましくない。かかる理由から、下限は0.650g/cm3以上が好ましく、0.68g/cm3以上がより好ましい。一方、密度が0.800g/cm3以上の場合には、燃料の蒸発特性が、加速性、ドライバビリティの悪化につながるため好ましくない。かかる理由から、上限は0.800g/cm3未満が好ましく、0.780g/cm3以下がより好ましい。
ここでいう密度とは、JIS K 2249「原油及び石油製品の密度試験方法並びに密度・質量・容量換算表」により測定される密度を意味する。
本発明のガソリンは、硫黄分含有量が30質量ppm以下であることが好ましく、より好ましくは10質量ppm以下である。硫黄分含有量が30質量ppmを越える場合、排出ガス処理触媒の性能に悪影響を及ぼし、排出ガス中のNOx、CO、HCの濃度が高くなる可能性があり、またベンゼンの排出量も増加する可能性がある。
ここでいう硫黄分含有量とは、JIS K 2541「原油及び石油製品−硫黄分試験方法」により測定される硫黄含有量を意味する。
本発明のガソリンにおける蒸留性状は、特に限定されるものではないが、下記の通りであることが好ましい。ここでいう蒸留性状とは、JIS K 2254「石油製品−蒸留試験方法」によって測定される蒸留性状を意味する。
蒸留初留点(IBP) :20〜37℃
10容量%留出温度(T10):35〜70℃
30容量%留出温度(T30):50〜77℃
50容量%留出温度(T50):75〜105℃
70容量%留出温度(T70):95〜135℃
90容量%留出温度(T90):115〜175℃
蒸留終点(EP) :135〜215℃
蒸留初留点の下限値は20℃であることが好ましく、さらに好ましくは23℃である。20℃に満たない場合は排出ガス中の炭化水素が増加する可能性がある。一方、上限値は37℃であることが好ましく、さらに好ましくは35℃である。37℃を超える場合には、低温運転性に不具合が生じる可能性がある。
T10の下限値は35℃であることが好ましく、さらに好ましくは40℃である。35℃に満たない場合は排出ガス中の炭化水素が増加する可能性があり、また、ベーパーロックにより高温運転性の不具合を生じる可能性がある。一方、T10の上限値は70℃であることが好ましく、さらに好ましくは60℃である。70℃を超える場合には、低温始動性に不具合を生じる可能性がある。
T30の下限値は50℃であることが好ましく、さらに好ましくは60℃である。50℃に満たない場合は燃費が悪化する可能性がある。一方、T30の上限値は77℃であることが好ましく、より好ましくは75℃、さらに好ましくは70℃である。77℃を超える場合には、中低温運転性に不具合を生じる可能性がある。
T50の下限値は75℃であることが好ましい。75℃に満たない場合は燃費が悪化する可能性がある。一方、T50の上限値は105℃であることが好ましく、さらに好ましくは100℃である。105℃を超える場合には、排出ガス中の炭化水素が増加する可能性がある。
T70の下限値は95℃であることが好ましい。95℃に満たない場合は、燃費が悪化する可能性がある。一方、T70の上限値は135℃であることが好ましく、さらに好ましくは130℃である。135℃を越える場合は冷機時の中低温運転性に不具合が発生する可能性があり、また、排出ガス中の炭化水素の増加、吸気バルブデポジットの増加、燃焼室デポジットが増加する可能性がある。
T90の下限値は115℃であることが好ましく、さらに好ましくは120℃である。115℃に満たない場合は、燃費が悪化する可能性がある。一方、T90の上限値は175℃であることが好ましく、170℃以下がより好ましく、165℃以下がさらに好ましい。175℃を超える場合は、冷機時の低温及び常温運転性の悪化、エンジンオイルのガソリンによる希釈の増加、炭化水素排出ガスの増加、エンジンオイルの劣化及びスラッジの発生等が起こる可能性があり好ましくない。
蒸留終点の下限値は135℃以上であることが好ましい。また、上限値は215℃以下が好ましく、より好ましくは200℃以下、さらに好ましくは195℃以下である。蒸留終点が215℃を超えると、吸気弁デポジットや燃焼室デポジットの増加や点火プラグのくすぶりが発生する可能性があり好ましくない。
本発明のガソリンのリサーチ法オクタン価はノッキングを防止し、運転性向上の点から、89.0以上であることが好ましく、より好ましくは90.0以上である。さらに、プレミアムガソリン仕様車に本発明のガソリンを使用する場合は、該自動車の性能を最大限引き出すために、好ましくは96.0以上であり、より好ましくは98.0以上であり、最も好ましくは100.0以上である。また、高速における耐ノッキング性能の悪化を防止する観点から、モーター法オクタン価は80以上が好ましい。
なお、ここでいうリサーチ法オクタン価およびモーター法オクタン価とは、JIS K 2280「オクタン価及びセタン価試験方法」により測定されるリサーチ法オクタン価およびモーター法オクタン価を意味する。
本発明のガソリン中のオレフィン分は、特に限定されるものではないが、30容量%以下であることが好ましく、25容量%以下であることがより好ましい。オレフィン分が30容量%を超えると、ガソリンの酸化安定性を悪化させ吸気バルブデポジットを増加させる可能性がある。ここでいうオレフィン分とは、石油学会規格JPI−5S−52−99「ガソリン−全組成分析法−キャピラリーカラムクロマトグラフ法に準拠して測定されるガソリン中のオレフィン分含有量(容量%)を意味する。
本発明のガソリンの酸化安定度は、特に限定されるものではないが、480分以上であることが好ましく、1440分以上であることがより好ましい。酸化安定度が480分に満たない場合は、貯蔵中にガムが生成する可能性がある。ここでいう酸化安定度とは、JIS K 2287「ガソリン酸化安定度試験方法(誘導期間法)」によって測定した値を意味する。
本発明のガソリンの未洗実在ガム量は、特に限定されるものではないが、18mg/100mL以下であることが好ましい。また洗浄実在ガム量は、3mg/100mL以下であることが好ましく、1mg/100mL以下であることがより好ましい。未洗実在ガム量および洗浄実在ガム量が上記の値を超えた場合は、燃料導入系統において析出物が生成したり、吸入バルブが膠着する心配がある。ここでいう未洗実在ガム量および洗浄実在ガム量とは、JIS K 2261「石油製品−自動車ガソリン及び航空燃料油−実在ガム試験方法−噴射蒸発法」により測定した値を意味する。
本発明のガソリンは、銅板腐食(50℃、3h)が1であるのが好ましく、1aであるのがより好ましい。銅板腐食が1を越える場合は、燃料系統の導管が腐食する可能性がある。ここでいう銅板腐食とは、JIS K 2513「石油製品−銅板腐食試験方法」(試験温度50℃、試験時間3時間)に準拠して測定した値を意味する。
本発明のガソリンは、清浄分散剤を含有していることが好ましい。清浄分散剤としては、コハク酸イミド、ポリアルキルアミン、ポリエーテルアミンなどのガソリン清浄分散剤として公知の化合物を用いることができる。これらの中でも空気中300℃で熱分解を行った場合にその残分が無いものが望ましい。好ましくはポリイソブテニルアミン及び/またはポリエーテルアミンを使用するのが良い。清浄分散剤の添加により吸気バルブデポジットを防止し、燃焼室デポジットを低減させることができる。清浄分散剤の含有量はガソリン全量基準で25〜1000mg/Lであることが好ましく、吸気バルブデポジットを防止し、燃焼室デポジットをより低減させる点から、50〜500mg/Lがさらに好ましく、100〜300mg/Lが最も好ましい。
本発明のガソリンは、エタノールと、一種又は二種以上のガソリン基材とを配合し、所望により前記の清浄分散剤やその他の添加剤を添加することで調製することができる。
本発明のガソリンに用いるガソリン基材は、従来公知の任意の方法で製造することができる。具体的には、原油を常圧蒸留して得られる軽質ナフサ、接触分解法で得られる接触分解ガソリン、水素化分解法で得られる水素化分解ガソリン、接触改質法で得られる改質ガソリン、改質ガソリンより芳香族分を抽出した残分であるラフィネート、オレフィン分の重合によって得られる重合ガソリン、イソブタンなどの炭化水素に低級オレフィンを付加(アルキル化)することによって得られるアルキレート、軽質ナフサを異性化装置でイソパラフィンに転化して得られる異性化ガソリン、脱ノルマルパラフィン油、ブタン、芳香族炭化水素化合物、プロピレンを二量化し、続いてこれを水素化して得られるパラフィン留分、天然ガス等を一酸化炭素と水素に分解した後にF−T(Fischer−Tropsch)合成で得られるGTL(Gas to Liquids)の軽質留分等の基材を1種又は2種以上を混合することで製造することができる。
典型的なガソリンの配合例を以下に記載する。ただし、各ガソリン基材の個々の配合量は、最終的に得られるガソリンが本発明のガソリンとしての規定を満足するように調製される。
(1)改質ガソリン:0〜70容量%
(2)改質ガソリンの軽質留分(沸点範囲:25〜120℃程度):0〜35容量%
(3)改質ガソリンの重質留分(沸点範囲:110℃〜200℃程度):0〜45容量%
(4)分解ガソリン:0〜50容量%
(5)分解ガソリンの軽質留分(沸点範囲:25〜90℃程度):0〜45容量%
(6)アルキレート:0〜40容量%
(7)異性化ガソリン:0〜30容量%
(8)軽質ナフサ:0〜10容量%
(9)ブタン:0〜10容量%
本発明のガソリンに添加することができるその他の燃料油添加剤としては、具体的には、N,N’−ジイソプロピル−p−フェニレンジアミン、N,N’−ジイソブチル−p−フェニレンジアミン、2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノール、ヒンダードフェノール類等の酸化防止剤、N,N’−ジサリチリデン−1,2−ジアミノプロパンのようなアミンカルボニル縮合化合物等の金属不活性化剤、有機リン系化合物などの表面着火防止剤、多価アルコールあるいはそのエーテルなどの氷結防止剤、有機酸のアルカリ金属塩またはアルカリ土類金属塩、高級アルコール硫酸エステルなどの助燃剤、アニオン系界面活性剤、カチオン系界面活性剤、両性界面活性剤などの帯電防止剤、アゾ染料などの着色剤、有機カルボン酸あるいはそれらの誘導体類、アルケニルコハク酸エステル等の防錆剤、ソルビタンエステル類等の水抜き剤、キリザニン、クマリンなどの識別剤、天然精油合成香料などの着臭剤、高級カルボン酸モノグリセリドや高級カルボン酸のアミド化合物の混合物などの摩擦調整剤等が挙げられる。
これらの添加剤は、1種または2種以上を添加することができ、その合計添加量はガソリン全量基準で0.1質量%以下とすることが好ましい。
本発明のガソリンは、排出ガス中のPMやすすを低減し、かつエンジン出力を向上し、ドライバビリティを改善することができる。
以下に実施例により本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらによって何ら限定されるものではない。
[実施例1〜6および比較例1〜3]
エタノール、分解ガソリン、改質ガソリン、軽質ナフサ、アルキレートなどの基材を用いて、実施例1〜6のガソリンを調製した。一方、比較例1〜3は市販のレギュラーガソリンを使用した。これらのガソリンの性状を表1に示す。
(性状測定)
本実施例および比較例におけるエタノール配合ガソリンの性状は以下の方法により測定した。
蒸気圧は、JIS K 2258「原油及び燃料油蒸気圧試験方法(リード法)」により測定されるリード蒸気圧(RVP)を指す。
C7以下の炭化水素(芳香族系炭化水素を除く)、C4の炭化水素、C5のナフテン分、C6のナフテン分、芳香族分の含有量は、石油学会規格JPI−5S−52−99「ガソリン−全組成分析法−キャピラリーカラムクロマトグラフ法に準拠して測定されるガソリン中の各々の成分の含有量(容量%)あるいは含有量の合計を指す。
蒸留性状は、全てJIS K 2254「石油製品−蒸留試験方法」によって測定される値である。
硫黄分含有量は、JIS K 2541「硫黄分試験方法」により測定されるガソリン全量基準の硫黄分の質量含有量を指す。
密度は、JIS K 2249「原油及び石油製品の密度試験方法並びに密度・質量・容量換算表」により測定される密度を指す。
(試験方法)
(1)エンジン諸元
エンジン種類:筒内直接噴射式火花点火ガソリンエンジン
気筒数:直列4気筒
排気量:1600cc
燃料噴射圧力:6MPa
(2)エンジン試験
エンジンベンチにて上述のエンジンと交流動力計(DYNAS145、SCHENCK社製)を継ぎ、エンジン回転数:2000rpm、ハーフスロットル開度で固定し、空気と燃料の当量比1.0で運転した場合のエンジン出力とPM排出量の計測を行う。
(a)エンジン出力:動力計から得られる軸トルクと回転数より算出する。
(b)PM排出量:PMの計測には直径9インチのフルダイリューショントンネルを用い、12倍に希釈したサンプリングガスをポリテトラフルオロエチレンでコーティングしたガラス繊維フィルター(東京ダイレック社製)で1時間捕集し、PM排出量を計測する。
2000rpm−ハーフスロットルの試験条件は時速45kmの定常走行に相当するため、PM排出量(mg/h)を1km走行した場合の排出量(mg/km)に換算して評価する。
(3)過渡応答レスポンス試験
エンジン回転数2000rpm、トルク85Nmの状態から、スロットル開度を全開にし、エンジン回転数が4000rpmに達するまでの時間を計測する。4000rpmに達するまでに要する時間をレベル1〜5の5段階で評価する。過渡応答レスポンスレベル1の燃料は応答性が非常に良いことを表し、レベルが大きくなるに従い燃料の応答性が悪くなることを表す。
(4)エンジン始動時間
エンジンを−15℃の状態で48時間放置することで十分に冷却させた後、スタータを始動させてから第1気筒が初爆(スタータを始動した後、初めて気筒内の予混合気が着火すること)するまでに要する時間を計測する。この時間が長いほどエンジンの始動性が悪いことを表す。
試験結果を表2に示す。表2の試験結果から、本発明のガソリン(実施例1〜6)を用いた場合は、比較例1〜3の燃料と比べて、エンジン出力を高く、PM排出量を低く、過渡応答性を良好に、エンジン始動時間を短くすることができることがわかる。
Figure 2005054102
Figure 2005054102

Claims (2)

  1. エタノールを1〜5容量%含有し、リード蒸気圧が65kPa未満、炭素数7以下の炭化水素(芳香族系炭化水素は除く)の含有量が42容量%以上90容量%以下、炭素数4の炭化水素の含有量が4容量%以下であり、且つ下記式(1)を満たすことを特徴とするガソリン。
    0.6×C5ナフテン分+0.8×C6ナフテン分+芳香族分
    −21×EtOH≦17 (1)
    [式(1)中、C5ナフテン分とは炭素数5のナフテン系炭化水素の含有量(容量%)、C6ナフテン分とは炭素数6のナフテン系炭化水素の含有量(容量%)、芳香族分とは芳香族系炭化水素の含有量(容量%)、及びEtOHとはエタノールの含有量(容量%)を示す。]
  2. 15℃における密度が0.650g/cm3以上0.800g/cm3未満、硫黄分含有量が30質量ppm以下であることを特徴とする請求項1記載のガソリン。


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