JP2002309274A - ガソリン組成物 - Google Patents

ガソリン組成物

Info

Publication number
JP2002309274A
JP2002309274A JP2001113125A JP2001113125A JP2002309274A JP 2002309274 A JP2002309274 A JP 2002309274A JP 2001113125 A JP2001113125 A JP 2001113125A JP 2001113125 A JP2001113125 A JP 2001113125A JP 2002309274 A JP2002309274 A JP 2002309274A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
gasoline
volume
content
compound
temperature
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2001113125A
Other languages
English (en)
Other versions
JP4090702B2 (ja
Inventor
Tadatoshi Sone
忠豪 曽根
Kenichi Okamoto
憲一 岡本
Kenichiro Saito
健一郎 齋藤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Eneos Corp
Original Assignee
Nippon Oil Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nippon Oil Corp filed Critical Nippon Oil Corp
Priority to JP2001113125A priority Critical patent/JP4090702B2/ja
Publication of JP2002309274A publication Critical patent/JP2002309274A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4090702B2 publication Critical patent/JP4090702B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Abstract

(57)【要約】 【課題】 高い潤滑性を示す化合物の添加による潤滑効
果を最大限に引き出すように該化合物と特定の性状のガ
ソリン又はガソリン組成物とをマッチングさせることで
高い燃費および出力特性を実現したガソリン組成物を提
供する。 【解決手段】 20mg/L添加した場合のガソリンH
FRR試験における摩耗痕径が、無添加の試験用ガソリ
ンの場合に比べ10%以上の改善率を示す化合物を含有
し、かつ(1)リサーチオクタン価(RON)が95以
上、(2)モーターオクタン価(MON)が83以上、
(3)蒸気圧(37.8℃)が44〜65kPa、そし
て(4)硫黄分が10ppm以下であることを特徴とす
るガソリン組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術的分野】本発明は、ガソリン組成物
に関し、詳しくは、特定の性状のガソリンに高い潤滑性
能を有する化合物を含有させることにより、従来の性能
に加え、更に燃費および出力特性が改良されたガソリン
組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】省資源及び地球温暖化抑制の観点から世
界的に化石燃料の使用を減らすことが求められており、
ガソリン自動車に対しては燃費の向上が最大の課題とな
っている。従来、車両および燃料の改善により車両燃費
の改善が鋭意試みられ、一部が実用化されている。車両
による燃費の改善策としては、例えば、筒内直接噴射式
ガソリンエンジンの採用、ハイブリッド機構の採用及び
車両の軽量化等による事例が数多く報告されている。ま
た燃料による燃費の改善策としては、例えば、ポリエー
テルアミン、ポリブテニルアミンに代表されるエンジン
清浄剤を含有した燃料を使用することによってエンジン
内に堆積したデポジットを除去し、ひいては、車両燃費
を向上させた例などが知られている。
【0003】近年、新たなタイプの添加剤をガソリンに
含有させることにより、車両燃費を向上させる方法が提
案されている。例えば、特開平11−310783号公
報には、アミン化合物およびカルボン酸の多価アルコー
ルとのエステルを同時に燃料に含有させた燃料組成物お
よび摩擦の低減、燃費の向上方法が開示されている。E
P0869163A1の明細書には、アミン化合物を含
有した燃料による、エンジンフリクション低減方法およ
び燃費の改善方法が開示されている。第7回燃料及び潤
滑油アジア会議会報「PROCEEDINGS OF THE 7th ANNUAL
FUELS & LUBES ASIA CONFERENCE 」には、ガソリン摩
擦調整剤「gasoline friction modifier」を使用するこ
とによって燃費が4%以上向上することがトーマスイー
・ハイデン「Thomas E. Hayden 」により報告されてい
る。本来、自動車用の燃料の性状としては、排出ガスの
浄化特性、燃費特性、及び運転性能を高度にバランスさ
せ得るものであることが望まれる。特に新たなタイプの
添加剤を添加し、燃費および運転性能(特に出力特性)
を向上させるためには、他の性能を高度に維持させなが
ら、該添加剤による燃費および出力特性向上効果を十分
に引き出すように添加剤にあわせたガソリン性状の設計
が求められる。しかし、上記のような添加剤と従来のガ
ソリン又はガソリン組成物との組み合わせにおいては、
マッチングが十分とはいえず、従って充分な燃費および
出力特性向上効果が得られていない。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、従来
の性能に加え、高い燃費および出力特性をもつガソリン
組成物を提供することである。特に本発明の目的は、高
い潤滑性示す添加剤化合物の添加効果を最大限に引き出
すように該化合物と特定の性状のガソリン又はガソリン
組成物とをマッチングさせることで高い燃費および出力
特性を実現したガソリン組成物を提供することである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、20mg/L
添加した場合のガソリンHFRR試験における摩耗痕径
が、無添加の試験用ガソリン(JIS K 2202に
規定される1号ガソリン)の場合に比べて10%以上の
改善率を示す化合物を含有し、かつ(1)リサーチオク
タン価(RON)が95以上、(2)モーターオクタン
価(MON)が83以上、(3)蒸気圧(37.8℃)
が44〜65kPa、そして(4)硫黄分が10ppm
以下であることを特徴とするガソリン組成物にある。
【0006】
【発明の実施の形態】本発明のガソリン組成物は、ガソ
リン(あるいはガソリン組成物)とガソリンHFRR試
験で所定の高潤滑性能を示す化合物とからなるものであ
る。本発明で用いる高潤滑性を示す化合物は、ガソリン
HFRR試験において該化合物を20mg/L添加した
場合における摩耗痕径が、試験用ガソリン単独の場合に
比べ10%以上、好ましくは15%以上、更に好ましく
は20%以上の改善率を示すものである(以下、単に潤
滑性向上剤と称する場合もある)。ガソリンHFRR試
験における摩耗痕径の改善率が10%未満の場合、充分
な燃費および出力特性向上効果を得ることができない。
ここでガソリンHFRR試験の摩耗痕径とは、下記の条
件でHFRR試験を行い、試験後の試験球に付いた円状
の傷の振動方向の直径と振動方向に垂直な方向の直径を
測定した平均摩耗痕直径(WSD:μm)を意味する。
【0007】ガソリンHFRR試験は、基本的にJPI
−5S−50−97の規定に従って行われる試験であっ
て、HFRR試験に用いたガソリンの性状、測定器具及
び測定条件は下記の通りである。 (1)ガソリンの性状(JIS K 2202に規定さ
れる1号ガソリン) リサーチオクタン価(RON):96.0以上 密度(15℃):0.783g/cm3以下 蒸留性状: 10容量%留出温度(T10):70℃以下 50容量%留出温度(T50):75〜110℃ 90容量%留出温度(T90):180℃以下 蒸留終点:220℃以下 残油量:2.0容量%以下 銅板腐食(50℃、3h):1以下 硫黄分:0.01質量%以下 蒸気圧(37.8℃):44〜78kPa 酸化安定度:240分以上 ベンゼン含有量:1容量%以下 MTBE含有量:7容量%以下 色:オレンジ 未洗ガム:20mg/100mL以下
【0008】(2)測定器具 (試験球) 材質:ANSI52100 硬度:645HV30 表面粗さ:0.1μmRa以下 直径:6.25 mm
【0009】(試験板) 材質:ANSI52100 硬度:180HV30 表面粗さ:0.1μmRa以下
【0010】(3)測定条件 荷重:2N 試験温度:20℃ ストローク:1.0mm 振動数:50Hz 時間:30分 試験室温度:15℃ 試験室湿度:60%
【0011】上記ガソリンHFRR試験における摩耗痕
径が、10%以上の改善率を示す化合物としては、具体
的には、高級アルコール;ヒドロキシル基を1〜4個有
する炭素数1〜30のアルコール化合物;高級カルボン
酸;高級モノカルボン酸とグリコールまたは3価アルコ
ールとの反応物であるヒドロキシル基含有エステル;高
級ポリカルボン酸と多価アルコールとのエステル;>N
R(Rは炭素原子数5〜40の炭化水素基である)基を
含む組成を示し、1以上の置換基を有する少なくとも1個
の窒素化合物とを組み合わせた多価アルコールのエステ
ル;高級カルボン酸とアルコールアミンとのアミド化合
物等があげられる。これらは、単独であるいは混合物と
して用いることができる。これらのうちでは、炭素数1
0〜25の高級モノカルボン酸とグリコールまたは3価
アルコールとの反応物であるヒドロキシル基含有エステ
ル及び/又は炭素数5〜25の高級カルボン酸とアルコ
ールアミンとのアミド化合物が好ましく、炭素数10〜
25の高級モノカルボン酸とグリセリンエステル及び/
又は炭素数5〜25の高級モノカルボン酸とジエタノー
ルアミンとのアミド化合物が最も好ましい。
【0012】上記潤滑性向上剤の添加量は特に制限はな
いが、十分な燃費および出力改善効果を発揮させる、一
方、それ以上添加しても効果の向上が期待できないなど
の点からガソリン組成物1L中に10〜300mgの含
有量となるように添加することが好ましい。更に好まし
くはその含有量は、30mg以上、250mg以下であ
る。
【0013】本発明のガソリン組成物は、上記潤滑性向
上剤をベースとなるガソリン(又はガソリン組成物)に
添加して調製される。用いるベースとなるガソリン(又
はガソリン組成物)の性状に付いては、最終的に得られ
る本発明のガソリン組成物の性状が、上記潤滑性向上剤
の添加により殆ど影響を受けないために、ベースガソリ
ン(又はガソリン組成物)の性状は、そのまま本発明の
ガソリン組成物の性状に反映される。従って、ベースガ
ソリン(又はガソリン組成物)の性状は、基本的に本発
明のガソリン組成物の性状と同等な性状を示す。
【0014】ガソリン(又ガソリン組成物)は、調製後
のガソリン組成物が、本発明で規定する性状を有するよ
うに一種又は二種以上のガソリン基材を混合し、所望に
より必要な添加剤を添加することで調製することができ
る。ガソリン基材は、従来公知の任意の方法で製造する
ことができる。ガソリン基材としては、例えば、原油を
常圧蒸留して得られる軽質ナフサ;接触分解法、水素化
分解法などで得られる分解ガソリン;接触改質法で得ら
れる改質ガソリン;オレフィンの重合によって得られる
重合ガソリン;イソブタンなどの炭化水素に低級オレフ
ィンを付加(アルキル化)することによって得られるア
ルキレート;軽質ナフサを異性化装置でイソパラフィン
に転化して得られる異性化ガソリン;脱n−パラフィン
油;ブタン;芳香族炭化水素化合物;プロピレンを二量
化し、続いてこれを水素化して得られるパラフィン留分
などが挙げられる。
【0015】典型的なガソリンの配合例を以下に記載す
る。但し、各ガソリン基材の個々の配合量は、最終的に
得られるガソリンが、本発明のガソリン組成物としての
規定を満足するように調整される。 (1)改質ガソリン:0〜70容量% (2)改質ガソリンの軽質留分(沸点範囲:25〜12
0℃程度):0〜35容量% (3)改質ガソリンの重質留分(沸点範囲:110℃〜
200℃程度):0〜45容量% (4)分解ガソリン:0〜50容量% (5)分解ガソリンの軽質留分(沸点範囲:25〜90
℃程度):0〜45容量% (6)アルキレート:0〜40容量% (7)プロピレンを二量化し、続いてこれを水素化して
得られるパラフィン留分:0〜30容量% (8)異性化ガソリン:0〜30容量% (9)MTBE :0〜15容量% (10)軽質ナフサ:0〜10容量% (11)ブタン :0〜10容量%
【0016】ガソリン(又はガソリン組成物)を製造す
るにあたって、ベンゼンの含有量を低減させる場合、そ
の低減方法は任意であるが、特にベンゼンは改質ガソリ
ン中に多く含まれていることから、改質ガソリンの配合
割合を少なくする方法、あるいは改質ガソリン中のベン
ゼン濃度を低下させる処理を行った後にガソリン基材と
して用いる方法を利用することが好ましい。ベンゼン濃
度を低下させる処理としては下記の方法を挙げることが
できる。 (1)改質ガソリンを蒸留してベンゼン留分を除去する (2)改質ガソリン中のベンゼンをスルホラン等の溶剤
を用いて抽出する (3)改質ガソリン中のベンゼンを他の化合物に転化す
る (A)ベンゼンを水素化しシクロヘキサン、メチルシク
ロペンタン等に転化する (B)ベンゼンおよび炭素数9以上の芳香族炭化水素化
合物とを反応させ、トルエン、キシレン、エチルベンゼ
ン等に転化する (C)ベンゼンを低級オレフィン(エチレン、プロピレ
ン等)または低級アルコール(メタノール、エタノール
等)を用いてアルキル化する (4)接触改質装置の原料として、炭素数6の炭化水素
化合物を蒸留して除去した脱硫重質ナフサを用いる (5)接触改質装置の運転条件を変更する
【0017】上記ガソリン(又ガソリン組成物)に添加
することができる清浄分散剤としては、コハク酸イミ
ド、ポリアルキルアミン、ポリエーテルアミンなどのガ
ソリン清浄分散剤として公知の化合物を挙げることがで
きる。特に、用いる清浄分散剤としては空気中300℃
で熱分解を行った場合にその残分が無いものであること
が望ましい。これらの添加剤の添加によりIVDを防止
し、CCDを低減させることができる。清浄分散剤の添
加量はガソリン全量基準で通常1質量%以下、好ましく
は0.1質量%以下である。
【0018】以上のようにして調製される本発明のガソ
リン組成物は、燃費および出力特性向上という本発明の
効果が十分に発揮されるために下記(1)〜(4)の性
状を同時に満足することが必要である。 (1) リサーチオクタン価(RON)が95以上 (2) モーターオクタン価(MON)が83以上 (3) 蒸気圧(37.8℃)が44〜65kPa (4) 硫黄分が10ppm以下 また、本発明の効果をさらに向上させるために上記
(1)〜(4)の性状はそれぞれ(1)99.5以上、
(2)86以上、(3)50〜60kPa、(4)8p
pm以下であることが好ましい。
【0019】本発明のガソリン組成物のリサーチ法オク
タン価(RON)は95以上、好ましくは、98以上で
あり、さらに好ましくは99.5以上である。RONが
95に満たない場合には耐ノッキング性が悪くなり好ま
しくない。また、モーター法オクタン価(MON)は8
3以上、好ましくは、86以上である。MONが83に
満たない場合には高速走行中の耐ノッキング性が悪くな
り好ましくない。ここで、リサーチ法オクタン価および
モ−タ−法オクタン価とは、それぞれJISK 228
0「オクタン価及びセタン価試験方法」により測定され
るリサーチ法オクタン価およびモ−タ−法オクタン価を
意味する。
【0020】本発明のガソリン組成物の蒸気圧(37.
8℃)は、その上限が65kPa、好ましくは60kP
aである。蒸気圧が65kPaより大きくなると、ベー
パーロックによる高温運転性の不具合や、エバポエミッ
ションの量が増加する等の不都合が生じる可能性があ
る。またその下限は44kPa、好ましくは50kPa
である。蒸気圧が44kPaより小さくなると、冷機状
態での始動性に不具合が生じる可能性がある。ここで蒸
気圧とは、JIS K 2258「原油及び燃料油蒸気圧
試験方法(リ−ド法)」により測定される蒸気圧(リー
ド蒸気圧(RVP))を意味する。
【0021】本発明のガソリン組成物は、その硫黄分が
組成物全量基準で10ppm以下、好ましくは8ppm
以下である。硫黄分が10ppmを越える場合、排出ガ
ス処理触媒の性能に悪影響を及ぼし、排出ガス中のNO
x、CO、HCの濃度が高くなる可能性があり、またベ
ンゼンの排出量も増加する可能性がある。ここで、硫黄
分とは、JIS K 2541「原油及び石油製品−硫黄
分試験方法」により測定される硫黄含有量を意味する。
【0022】本発明のガソリン組成物は、(5)その密
度、(6)蒸留性状、及び(7)その組成が下記の通り
であることが好ましい。 (5)本発明のガソリン組成物の密度は、0.71〜
0.77g/cm3であることが好ましい。密度の下限
値は0.71g/cm3、好ましくは0.735g/c
3である。0.71g/cm3に満たない場合は燃費が
悪化する可能性がある。一方、密度の上限値は0.77
g/cm3、好ましくは0.76 g/cm 3である。
0.77g/cm3を超える場合は加速性の悪化やプラ
グのくすぶりを生じる可能性がある。ここで、密度と
は、JIS K 2249「原油及び石油製品の密度試験
方法並びに密度・質量・容量換算表」により測定される
密度を意味する。
【0023】(6)本発明のガソリン組成物の蒸留性状
は下記の通りであることが好ましい。ここで蒸留性状と
は、JIS K 2254「石油製品−蒸留試験方法」に
よって測定される蒸留性状を意味する。 蒸留初留点 :20〜37℃ 10容量%留出温度(T10):35〜70℃ 30容量%留出温度(T30):55〜77℃ 50容量%留出温度(T50):75〜105℃ 70容量%留出温度(T70):100〜130℃ 90容量%留出温度(T90):115〜180℃ 蒸留終点 :150〜220℃
【0024】蒸留初留点の下限値は20℃であることが
好ましく、更に好ましくは23℃である。20℃に満た
ない場合は排出ガス中の炭化水素が増加する可能性があ
る。一方、上限値は37℃であることが好ましく、更に
好ましくは35℃である。37℃を超える場合には、低
温運転性に不具合が生じる可能性がある。T10の下限値
は35℃であることが好ましく、更に好ましくは40℃
である。35℃に満たない場合は排出ガス中の炭化水素
が増加する可能性があり、また、ベーパーロックにより
高温運転性の不具合を生じる可能性がある。一方、T10
の上限値は70℃であることが好ましく、更に好ましく
は60℃である。70℃を超える場合には、低温始動性
に不具合を生じる可能性がある。T30の下限値は55℃
であることが好ましく、更に好ましくは60℃である。
55℃に満たない場合は燃費が悪化する可能性がある。
一方、T30の上限値は77℃であることが好ましく、更
に好ましくは75℃、更に好ましくは70℃である。7
7℃を超える場合には、中低温運転性に不具合を生じる
可能性がある。T50の下限値は75℃であることが好ま
しく、更に好ましくは80℃である。75℃に満たない
場合は燃費が悪化する可能性がある。一方、T50の上限
値は105℃であることが好ましく、更に好ましくは1
00℃、更に好ましくは95℃である。105℃を超え
る場合には、排出ガス中の炭化水素が増加する可能性が
ある。
【0025】T70の下限値は100℃であることが好ま
しい。100℃に満たない場合は、燃費が悪化する可能
性がある。一方、T70の上限値は130℃であることが
好ましく、更に好ましくは128℃である。130℃を
越える場合は冷機時の中低温運転性に不具合が発生する
可能性があり、また、排出ガス中の炭化水素の増加、吸
気弁デポジットの増加、燃焼室デポジットが増加する可
能性がある。T90の下限値は115℃であることが好ま
しく、更に好ましくは120℃である。115℃に満た
ない場合は、燃費が悪化する可能性がある。一方、T90
の上限値は、冷機時の低温および常温運転性の悪化、エ
ンジンオイルのガソリンによる希釈の増加、炭化水素排
出ガスの増加、エンジンオイルの劣化およびスラッジの
発生を防止することができるなどの点から、180℃で
あることが好ましく、更に好ましくは170℃、更に好
ましくは160℃である。蒸留終点の下限値は150℃
であることが好ましい。一方、蒸留終点の上限値は、2
20℃であることが好ましく、更に好ましくは200
℃、更に好ましくは195℃、最も好ましくは190℃
である。終点が220℃を越える場合は吸気弁デポジッ
ト、燃焼室デポジットが増加する可能性があり、また、
点火プラグのくすぶりが発生する可能性がある。
【0026】(7)本発明のガソリン組成物中の芳香族
分は、20〜45容量%であることが好ましい。芳香族
分は、更に好ましくは25容量%以上、42容量%以下
である。芳香族分が45容量%を越えると、吸気弁デポ
ジット、燃焼室デポジットが増加する可能性があり、ま
た、点火プラグのくすぶりが発生する可能性がある。ま
た、排出ガス中のベンゼン濃度が増加する可能性があ
る。一方、芳香族分が20容量%を下回る場合には燃費
が悪化する可能性がある。
【0027】ガソリン組成物中のオレフィン分が0〜3
0容量%であることが好ましい。オレフィン分は、更に
好ましくは5容量%以上、25容量%以下である。オレ
フィン分が30容量%越えるとガソリンの酸化安定性が
悪化する可能性があり、また、排出ガス中のNOxが増
加する可能性がある。芳香族分およびオレフィン分と
は、JIS K 2536「石油製品−炭化水素タイプ試
験方法」の蛍光指示薬吸着法により測定されるガソリン
組成物中のそれぞれの含有量を意味する。
【0028】ガソリン組成物中のベンゼンの含有量は、
1容量%以下であることが好ましい。ベンゼン含有量が
1容量%を越えると排出ガス中のベンゼン濃度が高くな
る可能性がある。ここでベンゼン含有量とは、JIS
K 2536「 石油製品−炭化水素タイプ試験方法」の
ガスクロマトグラフ法で定量して得られるガソリン組成
物中の含有量を意味する。
【0029】(8)本発明のガソリン組成物は、含酸素化
合物を含有していてもよい。含酸素化合物としては、例
えば、炭素数2〜4のアルコール類、炭素数4〜8のエ
ーテル類などが含まれる。具体的な含酸素化合物として
は、例えば、エタノール、メチル−tert−ブチルエーテ
ル(MTBE)、エチル−tert−ブチルエーテル、tert
−アミルメチルエーテル(TAME)、tert−アミルエ
チルエーテルなどを挙げることができる。なかでもMT
BE、TAMEが好ましく、最も好ましくはMTBEで
ある。なお、メタノールは排出ガス中のアルデヒド濃度
が高くなる可能性があり、腐食性もあるので好ましくな
い。またこれらの化合物は本来原料中に含まれているも
ので1種又2種以上のガソリン基材を混合して目的の性
状のガソリンを調製する工程でその含有量が決まる。含
酸素化合物の含有量(原料の由来の含有量及び/又添加
剤として加えた場合の含有量)は酸素元素換算でその上
限が2.7質量%であることが好ましく、更に好ましく
は2.0質量%、更に好ましくは1.5質量%である。
2.7質量%を越える場合は、排出ガス中のNOxが増
加する可能性がある。
【0030】本発明のガソリン組成物中の各成分の含有
量は何ら制限はないが、各成分の含有量は以下のような
範囲にあることが望ましい。 1)V(Tol):0〜30容量% 2)V(C8A):0〜20容量% 3)V(C9A):0〜15容量 4)V(C10+A):0〜5容量% 5)V(PA)=0又は V(PA)≠0の時V(MA)/V(PA)=1以上 6)V(C4):0〜10容量% 7)V(C5):10〜35容量% 8)V(C6):10〜30容量% 9)V(C7+p):10〜50容量%
【0031】上記V(Tol)およびV(C8A)は、
それぞれガソリン全量基準のトルエン含有量および炭素
数8の芳香族炭化水素化合物含有量を示し、本発明では
排出ガスのオゾン生成能を低く抑えるために、V(To
l)が好ましくは0〜30容量%、更に好ましくは0〜
20容量%、V(C8A)が好ましくは0〜20容量
%、更に好ましくは0〜15容量%にある。なお、炭素
数8の芳香族炭化水素化合物には、エチルベンゼン、キ
シレン(全ての置換異性体を含む)等が含まれる。上記
V(C9A)は、ガソリン全量基準の炭素数9の芳香族
炭化水素化合物の含有量を示し、本発明では排出ガスの
オゾン生成能を低く抑えるために、その値は好ましくは
0〜15容量%、更に好ましくは0〜10容量%であ
る。炭素数9の芳香族炭化水素には、n−プロピルベン
ゼン、イソプロピルベンゼン(クメン)、エチルメチル
ベンゼン(全ての置換異性体を含む)、トリメチルベン
ゼン(全ての置換異性体を含む)等が包含される。上記
V(C10+A)は、ガソリン全量基準の炭素数10以
上の芳香族炭化水素化合物の含有量を示し、本発明では
排出ガスのオゾン生成能を低く抑えるために、その量が
好ましくは0〜5容量%、更に好ましくは0〜3容量
%、更に好ましくは0容量%である。炭素数10以上の
芳香族炭化水素化合物には、ジエチルベンゼン(全ての
置換異性体を含む)、ジメチルエチルベンゼン(全ての
置換異性体を含む)、テトラメチルベンゼン(全ての置
換異性体を含む)、n−ブチルメチルベンゼン(全ての
置換異性体を含む)等が包含される。
【0032】上記V(MA)およびV(PA)は、それ
ぞれガソリン全量を基準としたモノアルキル置換芳香族
炭化水素化合物の含有量(容量%)および2つ以上のア
ルキル基で置換された芳香族炭化水素化合物の含有量
(容量%)を示し、本発明にあってはV(PA)が0で
あるか、またはV(PA)が0でない場合は、前者の含
有量と後者の含有量の比、V(MA)/V(PA)が好
ましくは1以上、更に好ましくは1.5以上、更に好ま
しくは2以上である。なお、上記V(Bz)、V(To
l)、V(C8A)、V(C9A)、V(C10+
A)、V(C9+)、V(MA)およびV(PA)は、
いずれもJISK 2536「石油製品−炭化水素タイ
プ試験方法」のガスクロマトグラフ法で定量して得られ
る値である。上記V(C4)は、ガソリン全量を基準と
した炭素数4の炭化水素化合物の含有量を示し、本発明
においては、エバポエミッションの量をより低く抑えら
れる点から、V(C4)が好ましくは0〜10容量%、
更に好ましくは0〜5容量%、更に好ましくは0〜3容
量%である。炭素数4の炭化水素化合物としては、n−
ブタン、2−メチルブタン(イソブタン)、1−ブテ
ン、2−ブテン、2−メチルプロペン等がある。
【0033】上記V(C5)は、ガソリン全量を基準と
した炭素数5の脂肪族炭化水素化合物の含有量を示し、
本発明ではその下限値が好ましくは10容量%、更に好
ましくは15容量%、一方、上限値が好ましくは35容
量%、更に好ましくは30容量%である。炭素数5の脂
肪族炭化水素化合物の含有量を10容量%以上にするこ
とで、常温運転性により優れたガソリンが得られる。ま
た、これを35容量%以下にすることで高温運転性によ
り優れたガソリンが得られる。そして、インジェクタ内
でのガソリンのコーキング防止の観点から、炭素数5の
脂肪族炭化水素化合物の中の不飽和炭化水素化合物の含
有量(V(C5o))(容量%)が0であるか、あるい
は炭素数5の脂肪族炭化水素化合物の中の飽和炭化水素
化合物の含有量(V(C5p))(容量%)とV(C5
o)との比、すなわち、V(C5p)/V(C5o)が
通常1以上、好ましくは1.5以上、より好ましくは2
以上、最も好ましくは3以上である。炭素数5の飽和脂
肪族炭化水素化合物には、n−ペンタン、2−メチルブ
タン(イソペンタン)、2,2−ジメチルプロパン(ネ
オペンタン)等が包含され、同じく不飽和脂肪族炭化水
素化合物には、1−ペンテン、2−ペンテン、2−メチ
ル−1−ブテン、2−メチル−2−ブテン、3−メチル
−1−ブテン等が包含される。
【0034】上記V(C6)は、ガソリン全量を基準と
した炭素数6の脂肪族炭化水素化合物の含有量を示し、
本発明ではその下限値が好ましくは10容量%、更に好
ましくは15容量%、一方、上限値が好ましくは30容
量%、更に好ましくは25容量%である。炭素数6の脂
肪族炭化水素化合物の含有量を10容量%以上にするこ
とで、常温運転性により優れたガソリンが得られる。ま
た、これを30容量%以下にすることで高温運転性によ
り優れたガソリンが得られる。そして、インジェクタ内
でのガソリンのコーキング防止の観点から、炭素数6の
脂肪族炭化水素化合物の中の飽和炭化水素化合物の含有
量(V(C6o))(容量%)が0であるか、或るいは
炭素数6の脂肪族炭化水素化合物の中の飽和炭化水素化
合物の含有量(V(C6p))(容量%)とV(C6
o)との比、すなわち、V(C6p)/V(C6o)は
通常2以上、好ましくは3以上、より好ましくは5以
上、最も好ましくは10以上である。炭素数6の飽和脂
肪族炭化水素化合物としては、例えば、n−ヘキサン、
2−メチルペンタン、3−メチルペンタン、2,2−ジ
メチルブタン、2,3−ジメチルブタン等を挙げること
ができる。同じく不飽和脂肪族炭化水素化合物として
は、例えば、1−ヘキセン、2−ヘキセン、3−ヘキセ
ン、2−メチル−1−ペンテン、3−メチル−1−ペン
テン、4−メチル−1−ペンテン、2−メチル−2−ペ
ンテン、3−メチル−2−ペンテン、4−メチル−2−
ペンテン、2,3−ジメチル−1−ブテン、3,3−ジ
メチル−1−ブテン、2,3−ジメチル−2−ブテン等
を挙げることができる。
【0035】上記V(C7+p)は、ガソリン全量を基
準とした炭素数7以上の飽和脂肪族炭化水素化合物の含
有量を示し、本発明ではその下限値が好ましくは10容
量%、更に好ましくは20容量%、一方、上限値が好ま
しくは50容量%、更に好ましくは45容量%である。
炭素数7以上の飽和脂肪族炭化水素化合物の含有量を1
0容量%以上にすることで、常温運転性により優れたガ
ソリンが得られ、これを50容量%以下にすることで高
温運転性により優れたガソリンが得られる。炭素数7以
上の飽和脂肪族炭化水素化合物としては、例えば、n−
ヘプタン、2−メチルヘキサン、3−メチルヘキサン、
2,2−ジメチルペンタン、2,3−ジメチルペンタ
ン、2,4−ジメチルペンタン、3,3−ジメチルペン
タン、3−エチルペンタン、2,2,3−トリメチルブ
タン等を挙げることができる。なお、上記V(C4)、
V(C5)、V(C5p)、V(C5o)、V(C
6)、V(C6 p)、V(C6o)およびV(C7+
p)は、以下に示すガスクロマトグラフィー法により定
量される値である。すなわち、カラムにはメチルシリコ
ンのキャピラリーカラム、キャリアガスにはヘリウムま
たは窒素を、検出器には水素イオン化検出器(FID)
を用い、カラム長25〜50m、キャリアガス流量0.
5〜1.5ml/分、分割比1:50〜1:250、注
入口温度150〜250℃、初期カラム温度−10〜1
0℃、終期カラム温度150〜250℃、検出器温15
0〜250℃の条件で測定した値である。
【0036】本発明のガソリン組成物は、JIS K
2261「石油製品−自動車ガソリン及び航空燃料油−
実在ガム試験方法−噴射蒸発法」により測定した未洗実
在ガム量は好ましくは20mg/100mL以下であ
り、洗浄実在ガム量は好ましくは3mg/100mL以
下、更に好ましくは1mg/100mL以下である。未
洗実在ガム量および洗浄実在ガム量が上記の値を超えた
場合は、燃料導入系統において析出物が生成したり、吸
入弁が膠着する心配がある。本発明のガソリン組成物
の、JIS K 2279「原油及び石油製品−発熱量
試験方法及び計算による推定方法」により測定した総発
熱量は、好ましくは40000J/g以上、更に好まし
くは45000J/g以上である。本発明のガソリン組
成物の、JIS K 2287「ガソリン酸化安定度試
験方法(誘導期間法)」によって測定した酸化安定度
は、好ましくは480分以上、更に好ましくは1440
分以上である。酸化安定度が480分に満たない場合
は、貯蔵中にガムが生成する可能性がある。本発明のガ
ソリン組成物は、銅板腐食(50℃、3h)が好ましく
は1、更に好ましくは1aである。銅板腐食が1を越え
る場合は、燃料系統の導管が腐食する可能性がある。こ
こで、銅板腐食とは、JIS K 2513「石油製品
−銅板腐食試験方法」(試験温度50℃、試験時間3時
間)に準拠して測定されるものである。
【0037】本発明のガソリン組成物は、灯油混入量が
0〜4容量%であることが望ましい。ここで、灯油混入
量とはガソリン全量基準での炭素数13〜14の炭化水
素含有量(容量%)を表し、この量は以下に示すガスク
ロマトグラフィー法により定量して得られるものであ
る。すなわち、カラムにはメチルシリコンのキャピラリ
ーカラム、キャリアガスにはヘリウムまたは窒素を、検
出器には水素イオン化検出器(FID)を用い、カラム
長25〜50m、キャリアガス流量0.5〜1.5ml
/分、分割比1:50〜1:250、注入口温度150
〜250℃、初期カラム温度−10〜10℃、終期カラ
ム温度150〜250℃、検出器温150〜250℃の
条件で測定した値である。
【0038】本発明のガソリン組成物には、必要に応じ
て、その他の公知の燃料油添加剤を添加することができ
る。この様な添加剤としては、具体的には例えば、N,
N’−ジイソプロピル−p−フェニレンジアミン、N,
N’−ジイソブチル−p−フェニレンジアミン、及び
2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノール、ヒン
ダードフェノール類等の酸化防止剤;N,N’−ジサリ
チリデン−1,2−ジアミノプロパンのようなアミンカ
ルボニル縮合化合物等の金属不活性化剤;有機リン系化
合物などの表面着火防止剤;多価アルコールおよびその
エーテルなどの氷結防止剤;有機酸のアルカリ金属塩ま
たはアルカリ土類金属塩;高級アルコール硫酸エステル
などの助燃剤;アニオン系界面活性剤;カチオン系界面
活性剤;両性界面活性剤などの帯電防止剤;アゾ染料な
どの着色剤;有機カルボン酸及びそれらの誘導体類;ア
ルケニルコハク酸エステル等の防錆剤;ソルビタンエス
テル類等の水抜き剤;キリザニン、クマリンなどの識別
剤;天然精油合成香料などの着臭剤等が挙げられる。こ
れらの添加剤は、1種または2種以上を添加することが
でき、その合計添加量はガソリン全量基準で0.1質量
%以下とすることが好ましい。本発明のガソリン組成物
は、四エチル鉛等のアルキル鉛化合物を実質的に含有し
ないガソリンであり、たとえ極微量の鉛化合物を含有す
る場合であっても、その含有量はJIS K 2255
「ガソリン中の鉛分試験方法」の適用区分下限値以下で
ある。
【0039】
【実施例】以下に実施例及び比較例を記載する。
【0040】(実施例1〜14及び比較例1〜16)表
1に示すガソリン又はガソリン組成物(A〜E)及び表
2に示す添加剤(a〜h)を用いて表3及び表4に示す
本発明のガソリン組成物(実施例1〜14)及び比較用
のガソリン組成物(比較例1〜16)をそれぞれ調製し
た。
【0041】
【表1】
【0042】(ガソリンHFRR試験)HFRR試験用
ガソリンに添加剤を20mg/L添加し、JPI−5S
−50−97の規定に従ってガソリンHFRR試験を行
った。そして添加剤を含有したガソリンの試験用ガソリ
ン(無添加の試験用ガソリン:WSD=756μm)に
対する摩擦痕径(WSD:μm)の改善率(%)を算出
した。その結果を表2に示す。なお、試験用ガソリンの
性状、測定器具及び測定条件は前述の通りである。
【0043】
【表2】
【0044】(ガソリン組成物の燃費による評価)上記
で調製したガソリン組成物を燃費による評価を行った。
評価方法は下記の通りである。 試験雰囲気条件:35℃ 60%RH 供試車両:1.4L、L4、エンジン 搭載車両 試験方法:運輸省「長距離走行実施要領等について(自
車第691号)」で規定された「長距離走行(その2)実施要
領の3.2シャーシダイナモ上の走行方法」における参考モ
ード(通称11ラップ試験) 燃費計測法:ガソリン組成物をタンクに満たし、その満
タン状態からガス欠で停止するまでの走行距離、および
燃料タンク中のガソリン残量を測定した。そして基準の
ガソリンの走行距離(ガソリンCを用いた場合の走行距
離)に対する上記走行距離を算出し、その向上率により
評価した。評価結果を表3に示す。
【0045】
【表3】
【0046】上記表3に示す結果から、ガソリンA又は
B(共に本発明用)とガソリンHFRR試験において摩
擦痕径の改善率が10%以上の化合物(本発明用:a〜
e)を用いることで燃費特性の高いガソリン組成物を得
られることがわかる。一方、得られたガソリン組成物に
おいて、ガソリンA又はBと、摩擦痕径の改善率が10
%に満たない化合物(比較用:f〜h)を組み合わせた
場合、ガソリンC、E(比較用)と、摩擦痕径の改善率
が10%以上の化合物(本発明用:a〜c)とを組み合
わせた場合、燃費特性が充分に改善されたガソリン組成
物を得ることができない。なお、排出ガスの浄化特性は
良好であった。
【0047】(ガソリン組成物の出力特性による評価)
上記で調製したガソリン組成物の出力特性による評価を
行った。評価方法は下記の通りである。 試験雰囲気条件:25℃ 60%RH 供試車両:2.0L、L4、エンジン 搭載 FR車両 試験方法:シャーシダイナモ上におけるアクセル全開加
速試験 30km/h走行状態でアクセル全開加速を行い、12
0km/hまで加速を実施し、その中の40km/hから
100km/hまでの加速所用時間を計測し、その向上
率により評価した。評価結果を表4に示す。
【0048】
【表4】
【0049】上記表4に示す結果から、ガソリンA又は
B(共に本発明用)とガソリンHFRR試験において摩
擦痕径の改善率が10%以上の化合物(本発明用;a、
d、e)とを用いることで出力特性(加速性)の高いガソ
リン組成物を得られることがわかる。一方、得られたガ
ソリン組成物において、ガソリンBと、摩擦痕径の改善
率が10%に満たない比較用化合物fとを組み合わせた
場合や、ガソリンC又はD(比較用)と、摩擦痕径の改
善率が10%以上の化合物(本発明用;a、d)とを組み
合わせた場合には、出力特性(加速性)が充分に改善さ
れたガソリン組成物を得ることができない。
【0050】
【発明の効果】本発明のガソリン組成物は、特定の性状
のガソリン又はガソリン組成物と、規定以上の潤滑性を
示す特定の化合物との両者によりマッチングよく調製さ
れているので高燃費および高出力特性を示す。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 齋藤 健一郎 神奈川県横浜市中区千鳥町8番地 日石三 菱株式会社中央技術研究所内 Fターム(参考) 4H013 CD01 CD05 CE03

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 20mg/L添加した場合のガソリンH
    FRR試験における摩耗痕径が、無添加の試験用ガソリ
    ンの場合に比べて10%以上の改善率を示す化合物を含
    有し、かつ(1)リサーチオクタン価(RON)が95
    以上、(2)モーターオクタン価(MON)が83以
    上、(3)蒸気圧(37.8℃)が44〜65kPa、
    そして(4)硫黄分が10ppm以下であることを特徴
    とするガソリン組成物。
  2. 【請求項2】 上記10%以上の改善率を示す化合物
    の含有量が、10〜300mg/Lであることを特徴と
    する請求項1に記載のガソリン組成物。
  3. 【請求項3】 ガソリン組成物が、下記の性状を有する
    ことを特徴とする請求項1又は2に記載のガソリン組成
    物。 (5)密度(15℃):0.71〜0.77g/cm3 (6)蒸留性状:蒸留初留点20〜37℃ 10%留出温度(T10)35〜70℃ 30%留出温度(T30)55〜77℃ 50%留出温度(T50)75〜105℃ 70%留出温度(T70)100〜130℃ 90%留出温度(T90)115〜180℃ 蒸留終点150〜220℃ (7)組成:芳香族分20〜45容量% オレフィン分0〜30容量% ベンゼン含有量1容量%以下 (8)含酸素化合物の含有量が酸素元素換算で0〜2.
    7質量%
JP2001113125A 2001-04-11 2001-04-11 ガソリン組成物 Expired - Fee Related JP4090702B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001113125A JP4090702B2 (ja) 2001-04-11 2001-04-11 ガソリン組成物

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001113125A JP4090702B2 (ja) 2001-04-11 2001-04-11 ガソリン組成物

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2002309274A true JP2002309274A (ja) 2002-10-23
JP4090702B2 JP4090702B2 (ja) 2008-05-28

Family

ID=18964405

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2001113125A Expired - Fee Related JP4090702B2 (ja) 2001-04-11 2001-04-11 ガソリン組成物

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4090702B2 (ja)

Cited By (12)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002309275A (ja) * 2001-04-13 2002-10-23 Nippon Oil Corp ガソリンエンジンシステム
JP2004292511A (ja) * 2003-03-25 2004-10-21 Nippon Oil Corp ガソリン
JP2004292510A (ja) * 2003-03-25 2004-10-21 Nippon Oil Corp ガソリン
JP2006152243A (ja) * 2004-10-26 2006-06-15 Japan Energy Corp 環境対応型ガソリン組成物及びその製造方法
JP2007002236A (ja) * 2005-05-27 2007-01-11 Idemitsu Kosan Co Ltd ガソリン組成物
JP2010132734A (ja) * 2008-12-02 2010-06-17 Idemitsu Kosan Co Ltd ガソリン組成物
JP2010144030A (ja) * 2008-12-18 2010-07-01 Idemitsu Kosan Co Ltd ガソリン組成物
JP2010144029A (ja) * 2008-12-18 2010-07-01 Idemitsu Kosan Co Ltd ガソリン組成物
JP2010150427A (ja) * 2008-12-25 2010-07-08 Idemitsu Kosan Co Ltd ガソリン組成物
JP2010150426A (ja) * 2008-12-25 2010-07-08 Idemitsu Kosan Co Ltd ガソリン組成物
JP2010150428A (ja) * 2008-12-25 2010-07-08 Idemitsu Kosan Co Ltd ガソリン組成物
JP2017128734A (ja) * 2017-03-06 2017-07-27 東燃ゼネラル石油株式会社 燃料油

Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH09111260A (ja) * 1995-10-16 1997-04-28 Nippon Oil Co Ltd 無鉛ガソリン
JPH10102073A (ja) * 1996-10-01 1998-04-21 Nippon Oil Co Ltd 筒内直接噴射式ガソリンエンジン用無鉛ガソリン

Patent Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH09111260A (ja) * 1995-10-16 1997-04-28 Nippon Oil Co Ltd 無鉛ガソリン
JPH10102073A (ja) * 1996-10-01 1998-04-21 Nippon Oil Co Ltd 筒内直接噴射式ガソリンエンジン用無鉛ガソリン

Non-Patent Citations (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Title
自動車技術会学術講演会前刷集, vol. No.115-01, JPN6007011063, October 2001 (2001-10-01), pages 17 - 22, ISSN: 0000936170 *

Cited By (14)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002309275A (ja) * 2001-04-13 2002-10-23 Nippon Oil Corp ガソリンエンジンシステム
JP4629959B2 (ja) * 2003-03-25 2011-02-09 Jx日鉱日石エネルギー株式会社 ガソリン
JP2004292511A (ja) * 2003-03-25 2004-10-21 Nippon Oil Corp ガソリン
JP2004292510A (ja) * 2003-03-25 2004-10-21 Nippon Oil Corp ガソリン
JP4629958B2 (ja) * 2003-03-25 2011-02-09 Jx日鉱日石エネルギー株式会社 ガソリン
JP2006152243A (ja) * 2004-10-26 2006-06-15 Japan Energy Corp 環境対応型ガソリン組成物及びその製造方法
JP2007002236A (ja) * 2005-05-27 2007-01-11 Idemitsu Kosan Co Ltd ガソリン組成物
JP2010132734A (ja) * 2008-12-02 2010-06-17 Idemitsu Kosan Co Ltd ガソリン組成物
JP2010144030A (ja) * 2008-12-18 2010-07-01 Idemitsu Kosan Co Ltd ガソリン組成物
JP2010144029A (ja) * 2008-12-18 2010-07-01 Idemitsu Kosan Co Ltd ガソリン組成物
JP2010150426A (ja) * 2008-12-25 2010-07-08 Idemitsu Kosan Co Ltd ガソリン組成物
JP2010150428A (ja) * 2008-12-25 2010-07-08 Idemitsu Kosan Co Ltd ガソリン組成物
JP2010150427A (ja) * 2008-12-25 2010-07-08 Idemitsu Kosan Co Ltd ガソリン組成物
JP2017128734A (ja) * 2017-03-06 2017-07-27 東燃ゼネラル石油株式会社 燃料油

Also Published As

Publication number Publication date
JP4090702B2 (ja) 2008-05-28

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3782139B2 (ja) 無鉛ガソリン
JP3600331B2 (ja) 無鉛ガソリン
JP3600330B2 (ja) 無鉛ガソリン
JP2004244532A (ja) ガソリン
JP2005054102A (ja) ガソリン
JP2010150428A (ja) ガソリン組成物
JP2002309274A (ja) ガソリン組成物
JP4034372B2 (ja) 筒内直接噴射式ガソリンエンジン用無鉛ガソリン
JP2004292511A (ja) ガソリン
JP2004285204A (ja) ガソリン
JP2004285205A (ja) ガソリン
BR112018073131B1 (pt) Uso de um agente antissedimentação de cera
JP5285221B2 (ja) 無鉛ガソリン組成物
JP2005060572A (ja) ガソリン
JP4880866B2 (ja) ガソリン
JP5285222B2 (ja) 無鉛ガソリン組成物
JP4416413B2 (ja) ガソリン
JP5383618B2 (ja) 過給エンジン用燃料組成物
JP4778270B2 (ja) ガソリンの製造方法
JP5328585B2 (ja) ガソリン組成物
JPH10316980A (ja) 無鉛ガソリン組成物
JP4416412B2 (ja) ガソリン
JP4330828B2 (ja) 燃料油添加剤および燃料油組成物
JP4746868B2 (ja) ガソリン
JP2005054103A (ja) ガソリン

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20050527

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20071122

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20071211

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20080128

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20080226

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20080227

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110307

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110307

Year of fee payment: 3

S531 Written request for registration of change of domicile

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531

S533 Written request for registration of change of name

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313533

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110307

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120307

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120307

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130307

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130307

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140307

Year of fee payment: 6

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

S531 Written request for registration of change of domicile

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531

S533 Written request for registration of change of name

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313533

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees