JP4330828B2 - 燃料油添加剤および燃料油組成物 - Google Patents
燃料油添加剤および燃料油組成物 Download PDFInfo
- Publication number
- JP4330828B2 JP4330828B2 JP2001284890A JP2001284890A JP4330828B2 JP 4330828 B2 JP4330828 B2 JP 4330828B2 JP 2001284890 A JP2001284890 A JP 2001284890A JP 2001284890 A JP2001284890 A JP 2001284890A JP 4330828 B2 JP4330828 B2 JP 4330828B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- group
- gasoline
- volume
- composition
- content
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Fee Related
Links
Classifications
-
- C—CHEMISTRY; METALLURGY
- C10—PETROLEUM, GAS OR COKE INDUSTRIES; TECHNICAL GASES CONTAINING CARBON MONOXIDE; FUELS; LUBRICANTS; PEAT
- C10L—FUELS NOT OTHERWISE PROVIDED FOR; NATURAL GAS; SYNTHETIC NATURAL GAS OBTAINED BY PROCESSES NOT COVERED BY SUBCLASSES C10G, C10K; LIQUEFIED PETROLEUM GAS; ADDING MATERIALS TO FUELS OR FIRES TO REDUCE SMOKE OR UNDESIRABLE DEPOSITS OR TO FACILITATE SOOT REMOVAL; FIRELIGHTERS
- C10L10/00—Use of additives to fuels or fires for particular purposes
- C10L10/18—Use of additives to fuels or fires for particular purposes use of detergents or dispersants for purposes not provided for in groups C10L10/02 - C10L10/16
-
- C—CHEMISTRY; METALLURGY
- C10—PETROLEUM, GAS OR COKE INDUSTRIES; TECHNICAL GASES CONTAINING CARBON MONOXIDE; FUELS; LUBRICANTS; PEAT
- C10L—FUELS NOT OTHERWISE PROVIDED FOR; NATURAL GAS; SYNTHETIC NATURAL GAS OBTAINED BY PROCESSES NOT COVERED BY SUBCLASSES C10G, C10K; LIQUEFIED PETROLEUM GAS; ADDING MATERIALS TO FUELS OR FIRES TO REDUCE SMOKE OR UNDESIRABLE DEPOSITS OR TO FACILITATE SOOT REMOVAL; FIRELIGHTERS
- C10L1/00—Liquid carbonaceous fuels
- C10L1/10—Liquid carbonaceous fuels containing additives
- C10L1/14—Organic compounds
- C10L1/22—Organic compounds containing nitrogen
- C10L1/222—Organic compounds containing nitrogen containing at least one carbon-to-nitrogen single bond
- C10L1/2222—(cyclo)aliphatic amines; polyamines (no macromolecular substituent 30C); quaternair ammonium compounds; carbamates
- C10L1/2225—(cyclo)aliphatic amines; polyamines (no macromolecular substituent 30C); quaternair ammonium compounds; carbamates hydroxy containing
-
- C—CHEMISTRY; METALLURGY
- C10—PETROLEUM, GAS OR COKE INDUSTRIES; TECHNICAL GASES CONTAINING CARBON MONOXIDE; FUELS; LUBRICANTS; PEAT
- C10L—FUELS NOT OTHERWISE PROVIDED FOR; NATURAL GAS; SYNTHETIC NATURAL GAS OBTAINED BY PROCESSES NOT COVERED BY SUBCLASSES C10G, C10K; LIQUEFIED PETROLEUM GAS; ADDING MATERIALS TO FUELS OR FIRES TO REDUCE SMOKE OR UNDESIRABLE DEPOSITS OR TO FACILITATE SOOT REMOVAL; FIRELIGHTERS
- C10L1/00—Liquid carbonaceous fuels
- C10L1/10—Liquid carbonaceous fuels containing additives
- C10L1/14—Organic compounds
- C10L1/22—Organic compounds containing nitrogen
- C10L1/234—Macromolecular compounds
- C10L1/238—Macromolecular compounds obtained otherwise than by reactions involving only carbon-to-carbon unsaturated bonds
-
- C—CHEMISTRY; METALLURGY
- C10—PETROLEUM, GAS OR COKE INDUSTRIES; TECHNICAL GASES CONTAINING CARBON MONOXIDE; FUELS; LUBRICANTS; PEAT
- C10L—FUELS NOT OTHERWISE PROVIDED FOR; NATURAL GAS; SYNTHETIC NATURAL GAS OBTAINED BY PROCESSES NOT COVERED BY SUBCLASSES C10G, C10K; LIQUEFIED PETROLEUM GAS; ADDING MATERIALS TO FUELS OR FIRES TO REDUCE SMOKE OR UNDESIRABLE DEPOSITS OR TO FACILITATE SOOT REMOVAL; FIRELIGHTERS
- C10L10/00—Use of additives to fuels or fires for particular purposes
-
- C—CHEMISTRY; METALLURGY
- C10—PETROLEUM, GAS OR COKE INDUSTRIES; TECHNICAL GASES CONTAINING CARBON MONOXIDE; FUELS; LUBRICANTS; PEAT
- C10L—FUELS NOT OTHERWISE PROVIDED FOR; NATURAL GAS; SYNTHETIC NATURAL GAS OBTAINED BY PROCESSES NOT COVERED BY SUBCLASSES C10G, C10K; LIQUEFIED PETROLEUM GAS; ADDING MATERIALS TO FUELS OR FIRES TO REDUCE SMOKE OR UNDESIRABLE DEPOSITS OR TO FACILITATE SOOT REMOVAL; FIRELIGHTERS
- C10L10/00—Use of additives to fuels or fires for particular purposes
- C10L10/02—Use of additives to fuels or fires for particular purposes for reducing smoke development
Landscapes
- Chemical & Material Sciences (AREA)
- Oil, Petroleum & Natural Gas (AREA)
- Engineering & Computer Science (AREA)
- Organic Chemistry (AREA)
- Combustion & Propulsion (AREA)
- Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
- General Chemical & Material Sciences (AREA)
- Solid Fuels And Fuel-Associated Substances (AREA)
- Liquid Carbonaceous Fuels (AREA)
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は燃料油添加剤及び該添加剤を含有してなる燃料油組成物に関し、詳しくは燃料油に対する溶解性に優れ、筒内直接噴射式ガソリンエンジンの燃焼室内の清浄性、及びディーゼルエンジンのノズルの清浄性に優れた燃料油添加剤及び該添加剤を含有してなる燃料油組成物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
内燃エンジンの燃料系統や燃焼室内にスラッジやデポジット等の沈積物を生じると、エンジンの機能が低下したり、排気ガス中の一酸化炭素濃度や未燃炭化水素濃度が上昇する等の不都合が起こる。このため、気化器又は電子制御式噴射装置、吸気弁等のデポジットの除去や付着防止を主な目的として、ガソリン等の内燃機関用燃料油には、ポリエーテルアミン系やポリアミン系等のガソリン清浄剤で代表される燃料油添加剤が添加される場合が多い。
この種の燃料油添加剤の中では、米国特許第4,247,301号や米国特許第4,160,648号等に開示されたポリエーテル系ガソリン清浄剤が、吸気弁のデポジットの除去や付着防止に優れた性能を発揮して来た。
【0003】
昨今においては自動車の燃費を向上させることに加えて、自動車排気ガスが及ぼす人体及び環境への悪影響を払拭することに関心が集まっている。しかし、ポリエーテルアミン系やポリアミン系等を代表例とする従来のガソリン清浄剤は、吸気弁のデポジットの除去や付着防止には優れた性能を発揮する一方で、燃焼室内のデポジットは増加させる傾向にあり、総合的に排出ガスを改善するには至っておらず、ガソリンエンジンの吸気系及び燃焼室内の清浄性に一段と優れ、特にエンジンの冷機時等の過酷な条件下においても、優れた清浄効果を発揮する燃料油添加剤の開発が待ち望まれている。
【0004】
また、ディーゼルエンジンにおいては、噴射ノズル等にデポジットが堆積することで、燃料流量が変化したり、遅れが生じることで、運転性や排気ガスが悪化することが指摘されており、ガソリンエンジン同様優れた清浄効果を発揮する燃料油添加剤の開発が待ち望まれている。
このような要望にこたえる清浄剤として、特願平11−276808号に開示されたポリエーテルアミン系ガソリン清浄剤を挙げることができる。
【0005】
また、省資源及び地球温暖化抑制の観点から世界的に化石燃料の使用を減らすことが求められており、ガソリン自動車に対しては燃費の向上が最大の課題となっている。一方、都市部ではNOxなどの汚染物質が環境基準を達成していない地域もあり、ガソリン自動車に対してもさらなる汚染物質の低減が求められている。このような要求に対し、ガソリン自動車においては、燃費の向上及び排出ガス中の環境汚染物質の低減を同時に行うためには、筒内直接噴射式ガソリンエンジンが最も有力であると考えられている。
【0006】
従来のガソリンエンジンは、吸気ポート内にガソリンを噴射することで、ガソリンと空気の均一予混合気を形成させている。一方、筒内直接噴射式ガソリンエンジンは、ディーゼルエンジンのように燃焼室内に直接ガソリンを噴射する。これにより、点火プラグ近傍は濃い混合気であるが、燃焼室全体では超希薄となる成層混合気の形成を可能としている。このような成層混合気を形成することで超希薄状態での燃焼(成層燃焼)を可能とし、ディーゼルエンジンレベルまで燃費を向上することが可能となる。また燃焼室内に直接ガソリンを噴射するため、従来のエンジンで起きたようなガソリンの蒸発遅れがなくなり、より精度の高い燃料噴射量制御が可能となる。
【0007】
しかし、筒内直接噴射式ガソリンエンジンでは燃焼室内にガソリンを噴射するため、従来のガソリンエンジンとは異なる新たな問題が発生する可能性がある。その一つに燃焼室内、特にキャビティ内に堆積するデポジットがある。筒内直接噴射式ガソリンエンジンに特徴的な成層燃焼では、ピストンの上昇中にピストンのキャビティ内に燃料を噴霧し、跳ね返った燃料が点火プラグ近傍に濃い混合気を形成し燃焼する。この際、ピストンのキャビティ内にデポジットが堆積すると、噴霧された燃料の一部がデポジットに吸着し、点火プラグ近傍の燃料が少なくなったり、到達時間が遅れたりするため、空気/燃料比が乱れ、これに原因して運転性に影響を及ぼしたり、排出ガスが悪化したり、スモークが発生したりする。
このような要望にこたえる清浄剤として、特願2000−109861号に開示されたポリエーテルアミン系ガソリン清浄剤を挙げることができる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、先に挙げた清浄剤は、吸気ポート噴射ガソリンエンジンの吸気弁デポジットに対しては十分な清浄効果を発揮するが、燃焼室内のデポジットに対しては、一定の効果はあるもののその清浄面積が十分に大きいとはいえず、先述の問題を十分解決するまでには至っていない。
本発明は、このような実情に鑑みなされたものであり、その目的は、従来のガソリン清浄剤を凌駕する性能、特に燃焼室内清浄性、さらにいえば筒内直接噴射式ガソリンエンジンにおける燃焼室内、特にキャビティ内の清浄性を備え、さらにディーゼルエンジンの噴射ノズル清浄性にも優れ、しかもそれ自身はスラッジ化することのない新規な燃料油添加剤を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記課題を解決するため鋭意研究を重ねた結果、特定の構造を有する含窒素化合物が、ガソリンエンジンにおける燃焼室内、特に筒内直接噴射式ガソリンエンジンのキャビティ内の清浄性およびディーゼルエンジンの噴射ノズル清浄性に優れていることを見出し、本発明を完成したものである。すなわち、本発明は下記の一般式(1)で表される含窒素化合物からなる筒内直接噴射式ガソリンエンジン及びディーゼルエンジン用燃料油添加剤に関する。
HO−(AO)a−R−NH2 (1)
(一般式(1)において、Aは炭素数2〜18のアルキレン基を示し、aは1〜18の整数であり、Rは炭素数1〜6のアルキレン基を示す。)
また、本発明は前記一般式(1)で表される含窒素化合物を含有してなる筒内直接噴射式ガソリンエンジン及びディーゼルエンジン用燃料油組成物に関する。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の内容をさらに詳細に説明する。
本発明の燃料油添加剤は、一般式(1)で表される含窒素化合物からなる。
一般式(1)において、Rは炭素数1〜6のアルキレン基を示し、例えば、メチレン基、エチレン基、プロピレン基(1−メチルエチレン基、2−メチルエチレン基)、トリメチレン基、ブチレン基(1−エチルエチレン基、2−エチルエチレン基)、1,2−ジメチルエチレン基、2,2−ジメチルエチレン基、1−メチルトリメチレン基、2−メチルトリメチレン基、3−メチルトリメチレン基、テトラメチレン基、ペンチレン基(1−ブチルエチレン基、2−ブチルエチレン基)、1−エチル−1−メチルエチレン基、1−エチル−2−メチルエチレン基、1,1,2−トリメチルエチレン基、1,2,2−トリメチルエチレン基、1−エチルトリメチレン基、2−エチルトリメチレン基、3−エチルトリメチレン基、1,1−ジメチルトリメチレン基、1,2−ジメチルトリメチレン基、1,3−ジメチルトリメチレン基、2,3−ジメチルトリメチレン基、3,3−ジメチルトリメチレン基、1−メチルテトラメチレン基、2−メチルテトラメチレン基、3−メチルテトラメチレン基、4−メチルテトラメチレン基、ペンタメチレン基、ヘキシレン基(1−ブチルエチレン基、2−ブチルエチレン基)、1−メチル−1−プロピルエチレン基、1−メチル−2−プロピルエチレン基、2−メチル−2−プロピルエチレン基、1,1−ジエチルエチレン基、1,2−ジエチルエチレン基、2,2−ジエチルエチレン基、1−エチル−1,2−ジメチルエチレン基、1−エチル−2,2−ジメチルエチレン基、2−エチル−1,1−ジメチルエチレン基、2−エチル−1,2−ジメチルエチレン基、1,1,2,2−テトラメチルエチレン基、1−プロピルトリメチレン基、2−プロピルトリメチレン基、3−プロピルトリメチレン基、1−エチル−1−メチルトリメチレン基、1−エチル−2−メチルトリメチレン基、1−エチル−3−メチルトリメチレン基、2−エチル−1−メチルトリメチレン基、2−エチル−2−メチルトリメチレン基、2−エチル−3−メチルトリメチレン基、3−エチル−1−メチルトリメチレン基、3−エチル−2−メチルトリメチレン基、3−エチル−3−メチルトリメチレン基、1,1,2−トリメチルトリメチレン基、1,1,3−トリメチルトリメチレン基、1,2,2−トリメチルトリメチレン基、1,2,3−トリメチルトリメチレン基、1,3,3−トリメチルトリメチレン基、2,2,3−トリメチルトリメチレン基、2,3,3−トリメチルトリメチレン基、1−エチルテトラメチレン基、2−エチルテトラメチレン基、3−エチルテトラメチレン基、4−エチルテトラメチレン基、1,1−ジメチルテトラメチレン基、1,2−ジメチルテトラメチレン基、1,3−ジメチルテトラメチレン基、1,4−ジメチルテトラメチレン基、2,2−ジメチルテトラメチレン基、2,3−ジメチルテトラメチレン基、2,4−ジメチルテトラメチレン基、3,3−ジメチルテトラメチレン基、3,4−ジメチルテトラメチレン基、4,4−ジメチルテトラメチレン基、1−メチルペンタメチレン基、2−メチルペンタメチレン基、3−メチルペンタメチレン基、4−メチルペンタメチレン基、5−メチルペンタメチレン基、ヘキサメチレン基などが挙げられる。
【0011】
Rとしては、これらの中でも炭素数1〜4のアルキレン基が好ましく、具体的には、メチレン基、エチレン基、プロピレン基(1−メチルエチレン基、2−メチルエチレン基)、トリメチレン基、ブチレン基(1−エチルエチレン基、2−エチルエチレン基)、1,2−ジメチルエチレン基、2,2−ジメチルエチレン基、1−メチルトリメチレン基、2−メチルトリメチレン基、3−メチルトリメチレン基、テトラメチレン基などが好ましい。さらにRとしては、エチレン基、プロピレン基(1−メチルエチレン基、2−メチルエチレン基)、ブチレン基(1−エチルエチレン基、2−エチルエチレン基)、1,2−ジメチルエチレン基、2,2−ジメチルエチレン基などの炭素数2〜4のアルキレン基が特に好ましく、エチレン基が最も好ましい。
【0012】
一般式(1)におけるAは、炭素数2〜18のアルキレン基を示し、炭素数2〜6のアルキレン基が好ましく、炭素数2〜4のアルキレン基が特に好ましい。炭素数2〜4のアルキレン基としては、具体的には例えば、エチレン基、プロピレン基(1−メチルエチレン基、2−メチルエチレン基)、ブチレン基(1−エチルエチレン基、2−エチルエチレン基)、1,2−ジメチルエチレン基、1,1−ジメチルエチレン基、2,2−ジメチルエチレン基が挙げられるが、これらの中でもエチレン基、プロピレン基、ブチレン基がより好ましく、プロピレン基、ブチレン基が最も好ましい。
なお、一般式(1)における複数のAは、同一分子中で同じでも異なっていても良い。
【0013】
一般式(1)における(AO)aは、アルキレンオキサイド由来の重合骨格を示す。この際に使用されるアルキレンオキサイドとしては、例えば、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、1,2−ブチレンオキサイド、2,3−ブチレンオキサイド、イソブチレンオキサイド等が挙げられる。これらの中でもエチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、1,2−ブチレンオキサイドがより好ましく、プロピレンオキサイド、1,2−ブチレンオキサイドが最も好ましい。これらのアルキレンオキサイドは、単一でも、混合物でもよい。すなわち、アルキレンオキサイドの単独重合体でも、共重合体(ランダム共重合体、ブロック共重合体)でもよい。
【0014】
アルキレンオキサイド由来の重合骨格としては、例えば、以下のものが好ましいものとして挙げられる(EOはエチレンオキサイド、POはプロピレンオキサイド、BOは1,2−ブチレンオキサイドをそれぞれ表す)。なお、全ての共重合体はランダム共重合体およびブロック共重合体を含んでいる。
・EO単独重合体
・PO単独重合体
・BO単独重合体
・EO−PO共重合体
・EO−BO共重合体
・PO−BO共重合体
・EO−PO−BO共重合体
【0015】
これらの中でも、以下のものがより好ましい。
・PO単独重合体
・BO単独重合体
・EO−PO共重合体(POの割合が60mol%以上)
・EO−BO共重合体(BOの割合が40mol%以上)
・PO−BO共重合体
・EO−PO−BO共重合体(EOの割合が60mol%以下)
【0016】
さらにこれらの中でも、以下のものが最も好ましい。
・PO単独重合体
・BO単独重合体
・PO−BO共重合体
【0017】
一般式(1)におけるaは1〜18の整数を表し、好ましくは2〜15、より好ましくは3〜10、最も好ましくは4〜6の整数である。
【0018】
本発明の燃料油添加剤としては、一般式(1)で表される含窒素化合物において、Rが炭素数1〜4のアルキレン基であり、Aが炭素数2〜6のアルキレン基であり、aが2〜15であるようなポリエーテルアミンが好ましい。
【0019】
本発明の燃料油添加剤としてさらに好ましいのは、一般式(1)で表される含窒素化合物において、Rが炭素数1〜4の直鎖状もしくは分枝状のアルキレン基であり、Aが炭素数2〜4のアルキレン基であり、aが3〜10であるようなポリエーテルアミンである。
【0020】
本発明の燃料油添加剤として最も好ましいのは、一般式(1)で表される含窒素化合物において、Rがエチレン基であり、Aがプロピレン基またはブチレン基(1−エチルエチレン基、2−エチルエチレン基等)であり、aが4〜6であるようなポリエーテルアミンである。
【0021】
本発明における一般式(1)で表される含窒素化合物は、任意の方法で製造することができる。この含窒素化合物を製造する方法の例を挙げると、以下のような(A)ケチミン化工程、(B)重合工程および(C)加水分解工程を経て合成する方法を例示できる。
【0022】
(A)ケチミン化工程
分子中にアミノ基とアルカノール基を併せ持つアルカノールアミンを出発物質として、これとケトンとを加熱、脱水反応することによりケチミン化合物を得る。
アルカノールアミン化合物としては、モノメタノールアミン、モノエタノールアミン、モノ−n−プロパノールアミン、モノイソプロパノールアミン、モノ(直鎖または分枝)ブタノールアミン(水酸基の位置は任意である)、モノ(直鎖または分枝)ペンタノールアミン(水酸基の位置は任意である)、モノ(直鎖または分枝)ヘキサノールアミン(水酸基の位置は任意である)等のアルカノールアミンが挙げられる。
【0023】
またケトンとしては、通常下記一般式(2)で表されるものが用いられる。
R1−CO−R2 (2)
(一般式(2)において、R1およびR2は、それぞれ別個に炭素数1〜10、好ましくは1〜5の直鎖状または分岐状のアルキル基を表す。)
また、上記一般式(2)で表される化合物の中でも、分岐状のアルキル基を有する立体障害の大きいケトンが好ましく、イソブチルメチルケトン、イソブチルエチルケトン、ジイソブチルケトン等が好適に用いられる。
【0024】
アルカノールアミンとケトンと反応させると、下記一般式(3)で表されるケチミン化合物を得ることができる。
【0025】
【化1】
(上記式(3)において、Rは一般式(1)におけるRと同一の基を示し、R1およびR2は一般式(2)におけるR1およびR2と同一の基を示す。)
【0026】
アルカノールアミンと一般式(2)のケトンとの反応割合は、モル比で1:1〜1:10として反応させることが好ましい。
またケチミン化工程における反応温度は任意であるが、通常は40〜180℃であるのが好ましく、80〜150℃であるのがより好ましい。
【0027】
(B)重合工程
前記(A)のケチミン化工程で得られた一般式(3)で表されるケチミン化合物に、 例えば、水酸化カリウム、水酸化ナトリウムなどの塩基を触媒として、一般式(4)で表されるエポキシ化合物を反応させて得られる生成物(金属アルコキシドの形となっている)を、無機酸や固体酸で処理することにより一般式(5)で表されるポリオキシアルキレングリコール誘導体を得る。
【0028】
【化2】
(一般式(4)において、R3、R4、R5およびR6は、それぞれ別個に水素または炭素数1〜16のアルキル基、好ましくは水素、メチル基、またはエチル基を表す。)
【0029】
【化3】
(上記一般式(5)におけるa、A、Rは、一般式(1)におけるa、A、Rと同一であり、R1、R2は、一般式(2)におけるR1、R2と同一である。)
【0030】
一般式(4)で表されるエポキシ化合物のうち好ましい化合物を例示すると、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、イソブチレンオキシド、1,2−ブチレンオキシド、2,3−ブチレンオキシド、トリメチルエチレンオキシド、テトラメチルエチレンオキシドなどが挙げられ、プロピレンオキシド、1,2−ブチレンオキシドが最も好ましい。
【0031】
一般式(3)で表されるケチミン化合物と一般式(4)で表されるエポキシ化合物とを反応させる場合のモル比は任意に選ぶことができるが、通常は、ケチミン化合物1モルに対して、エポキシ化合物を1〜20モル反応させるのが好ましい。
またこのときの反応温度も任意であるが、通常は、60〜180℃であるのが好ましく、80〜150℃であるのがより好ましい。
【0032】
(C)加水分解工程
前記(B)の重合工程で得られた一般式(5)で表されるポリオキシアルキレングリコール誘導体を過剰の水の存在下で加熱処理することにより、一般式(1)で表される本発明の含窒素化合物を得ることができる。
加水分解工程での加水分解反応温度も任意であるが、通常、40〜150℃であるのが好ましく、50〜100℃であるのがより好ましい。
【0033】
本発明の添加剤は一般式(1)で表される含窒素化合物からなり、燃料油の添加剤として使用される。特に、ガソリン及び軽油の添加剤として非常に有用な化合物であり、ベースガソリン及び必要に応じてその他のガソリン添加剤と混合して得られるガソリン組成物に、またベース軽油及び必要に応じてその他の軽油添加剤と混合して得られる軽油組成物に添加して用いられる。
すなわち、ベースガソリンおよび一般式(1)で表される含窒素化合物らなる本発明の添加剤、さらに必要に応じて添加されるその他のガソリン添加剤とを混合することにより本発明の燃料油組成物であるガソリン組成物が得られる。また、同様に、ベース軽油および一般式(1)で表される含窒素化合物からなる本発明の添加剤、さらに必要に応じて添加されるその他の軽油添加剤とを混合することにより本発明の燃料油組成物である軽油組成物が得られる。
【0034】
また、本発明の添加剤は、筒内直接噴射式ガソリンエンジン用ガソリン添加剤及び筒内直接噴射式ディーゼルエンジン用軽油添加剤としても非常に有用な化合物であり、本発明の添加剤を配合して筒内直接噴射式ガソリンエンジン用ガソリン組成物、筒内直接噴射式ディーゼルエンジン用軽油組成物としても用いられる。
【0035】
燃料油組成物中における一般式(1)で表される含窒素化合物の含有量については、特に限定されるものではないが、燃料油組成物全量基準で、0.001〜10質量%であることが好ましい。
本発明の燃料油添加剤の含有量の下限値は、ガソリンエンジンにおける吸気系及び燃焼室内の清浄性、ディーゼルエンジンにおけるノズル清浄性さらには筒内直接噴射式ガソリンエンジンにおける燃焼室内、特にキャビティ内の清浄性を向上させるためには、0.001質量%であることが好ましく、より好ましくは0.003質量%以上、さらに好ましくは0.005質量%以上、さらに好ましくは0.01質量%以上、最も好ましくは0.015質量%以上であることが望ましい。
一方、含有量の上限値は、ガソリンや軽油の諸性能に悪影響を及ぼさない、それ以上添加しても効果の向上が期待できない等の点から、10質量%であることが好ましく、より好ましくは5質量%以下、さらに好ましくは4質量%以下、最も好ましくは3質量%以下であることが望ましい。
【0036】
本発明の燃料油組成物の一つであるガソリン組成物においては、ベースガソリンに本発明の燃料油添加剤および必要に応じてその他のガソリン添加剤を配合するが、ベースガソリンはガソリン基材を適宜調合することにより製造することができる。この際用いられるガソリン基材としては、原油を常圧蒸留して得られる軽質ナフサ;接触分解法、水素化分解法などで得られる分解ガソリン;接触改質法で得られる改質ガソリン;オレフィンの重合によって得られる重合ガソリン;イソブタンなどの炭化水素に低級オレフィンを付加(アルキル化)することによって得られるアルキレート;軽質ナフサを異性化装置でイソパラフィンに転化して得られる異性化ガソリン;脱n−パラフィン油;ブタン;芳香族炭化水素化合物;プロピレンを二量化し、続いてこれを水素化して得られるパラフィン留分などが挙げられる。
【0037】
例えば、以下の(1)〜(12)のガソリン基材を適宜調合することによりベースガソリン得ることができる。
(1)改質ガソリン:0〜70容量%
(2)改質ガソリンの軽質留分(沸点範囲:25〜120℃程度):0〜35容量%
(3)改質ガソリンの重質留分(沸点範囲:110℃〜200℃程度): 0〜45容量%
(4)分解ガソリン:0〜50容量%
(5)分解ガソリンの軽質留分(沸点範囲:25〜90℃程度):0〜45容量%
(6)分解ガソリンの重質留分(沸点範囲:90〜200℃程度):0〜40容量%
(7)アルキレート:0〜40容量%
(8)プロピレンを二量化し、続いてこれを水素化して得られるパラフィン留分:0〜30容量%
(9)異性化ガソリン:0〜30容量%
(10)MTBE:0〜15容量%
(11)軽質ナフサ:0〜20容量%
(12)ブタン:0〜10容量%
【0038】
また、ベースガソリンを製造するにあたっては、ベンゼンの含有量を低減させる必要がある場合がある。その際のベンゼンの低減方法は任意であるが、特にベンゼンは改質ガソリン中に多く含まれていることから、改質ガソリンの配合割合を少なくすること、および
(1)改質ガソリンを蒸留してベンゼン留分を除去する
(2)改質ガソリン中のベンゼンをスルホラン等の溶剤を用いて抽出する
(3)改質ガソリン中のベンゼンを他の化合物に転化する
▲1▼ベンゼンを水素化し、シクロヘキサン、メチルシクロペンタン等に転化する
▲2▼ベンゼンと炭素数9以上の芳香族炭化水素化合物とを反応させ、トルエン、キシレン、エチルベンゼン等に転化する
▲3▼ベンゼンを低級オレフィン(エチレン、プロピレン等)または低級アルコール(メタノール、エタノール等)を用いてアルキル化する
(4)接触改質装置の原料として、炭素数6の炭化水素化合物を蒸留して除去した脱硫重質ナフサを用いる
(5)接触改質装置の運転条件を変更する
などの方法によって、改質ガソリン中のベンゼン濃度を低下させる処理を行い、これをガソリン基材として用いることなどが、好適なものとして挙げられる。
【0039】
また、その他のガソリン添加剤としては、例えば、コハク酸イミド、ポリアルキルアミンなどの一般式(1)で表される含窒素化合物以外の清浄分散剤;フェノール系、アミン系などの酸化防止剤;シッフ型化合物やチオアミド型化合物などの金属不活性化剤;有機リン系化合物などの表面着火防止剤;多価アルコール又はそのエーテルなどの氷結防止剤;有機酸のアルカリ金属塩またはアルカリ土類金属塩、高級アルコール硫酸エステルなどの助燃剤;アニオン系界面活性剤、カチオン系界面活性剤、両性界面活性剤などの帯電防止剤;アゾ染料などの着色剤;アルケニルコハク酸エステルなどのさび止め剤;キリザニン、クマリンなどの識別剤;天然精油合成香料などの着臭剤等が挙げられる。これらの添加剤は、1種または2種以上を添加することができ、その合計添加量はガソリン組成物全量基準で0.1質量%以下とすることが好ましい。
【0040】
また、ベースガソリン、一般式(1)で表される含窒素化合物および必要に応じて配合されるその他のガソリン添加剤からなるガソリン組成物の性状、組成については、特に規定されるものではない。しかしながら、通常、JIS K 2254「石油製品−蒸留試験方法」によって測定される蒸留性状が、下記を満たすことが望ましい。
蒸留初留点 :20〜45℃
10容量%留出温度(T10):35〜55℃
30容量%留出温度(T30):55〜75℃
50容量%留出温度(T50):75〜100℃
70容量%留出温度(T70):100〜130℃
90容量%留出温度(T90):110〜160℃
蒸留終点 :130〜210℃
【0041】
初留点の下限値は好ましくは20℃、より好ましくは25℃である。20℃に満たない場合には高温条件下で始動性が悪化する可能性がある。一方、初留点の上限値は好ましくは45℃、より好ましくは40℃、さらにより好ましくは35℃である。45℃を超える場合には低温始動性に不具合を生じる可能性がある。T10の下限値は好ましくは35℃、より好ましくは40℃である。35℃に満たない場合には高温条件下で始動性が悪化する可能性がある。一方、T10の上限値は好ましくは55℃、より好ましくは50℃、さらにより好ましくは48℃である。55℃を超える場合には低温始動性に不具合を生じる可能性がある。
【0042】
T30の下限値は好ましくは55℃、より好ましくは60℃である。55℃に満たない場合には高温運転性に不具合を生じたりインジェクタ内でガソリンのコーキングを生じたりする可能性がある。一方、T30の上限値は好ましくは75℃、より好ましくは70℃、さらにより好ましくは68℃である。75℃を超える場合には低温運転性に不具合を生じる可能性がある。
T50の下限値は好ましくは75℃、より好ましくは80℃である。75℃に満たない場合には高温運転性に不具合を生じる可能性がある。一方、T50の上限値は好ましくは100℃、より好ましくは95℃、更により好ましくは93℃である。100℃を超える場合には低温及び常温運転性に不具合を生じる可能性がある。
【0043】
T70の下限値は100℃であることが好ましい。一方、T70の上限値は好ましくは130℃、より好ましくは125℃、更により好ましくは123℃、最も好ましくは120℃である。130℃を越える場合には低温及び常温運転性に不具合を生じる可能性がある。
T90の下限値は好ましくは110℃、より好ましくは120℃である。110℃に満たない場合は燃費が低下する可能性がある。一方、T90の上限値は、低温及び常温運転性の悪化、排出ガスの増加、エンジンオイルの劣化およびスラッジの発生を抑制することができるなどの点から、好ましくは160℃、より好ましくは150℃、更により好ましくは140℃である。
蒸留終点の下限値は130℃であることが好ましい。一方、蒸留終点の上限値は、好ましくは210℃、より好ましくは200℃、更により好ましくは195℃、最も好ましくは190℃である。終点が210℃を越える場合には常温運転性に不具合を生じる可能性がある。
【0044】
また、上記ガソリン組成物の蒸気圧には特に制限はないが、インジェクタ内でのガソリンコーキングの不具合が生じることがなく、またエバポエミッションの量が抑えられることから、蒸気圧は70kPa以下が好ましく、より好ましくは65kPa以下、さらにより好ましくは60kPa以下、最も好ましくは55kPa以下である。ここで蒸気圧とは、JIS K 2258「原油及び燃料油蒸気圧試験方法(リ−ド法)」により測定される蒸気圧(リード蒸気圧(RVP)を意味する。
【0045】
上記ガソリン組成物の密度(15℃)には特に制限はないが、0.73〜0.77g/cm3であることが望ましい。密度の下限値は燃費の点からより好ましくは0.735g/cm3である。一方、密度の上限値は加速性及びプラグのくすぶりの観点からより好ましくは0.76g/cm3である。ここで密度とは、JIS K 2249「原油及び石油製品の密度試験方法並びに密度・質量・容量換算表」により測定される密度を意味する。
【0046】
上記ガソリン組成物は、四エチル鉛等のアルキル鉛化合物を実質的に含有しないガソリンであり、たとえ極微量の鉛化合物を含有する場合であっても、その含有量はJIS K 2255「ガソリン中の鉛分試験方法」の適用区分下限値以下である。
【0047】
上記ガソリン組成物のオクタン価には特に制限はないが、よりアンチノッキング性を高めるため、リサーチ法オクタン価(RON)は89以上であることが好ましく、より好ましくは90以上、さらにより好ましくは90.5以上、最も好ましくは91以上である。また、より高速走行中のアンチノック性を高めるために、モーター法オクタン価(MON)は80以上であることが好ましく、より好ましくは80.5以上、最も好ましくは81以上である。ここでリサーチ法オクタン価及びモーター法オクタン価とは、それぞれ、JIS K 2280「オクタン価及びセタン価試験方法」により測定されるリサーチ法オクタン価及びモーター法オクタン価をそれぞれ意味する。
【0048】
上記ガソリン組成物において、飽和分、オレフィン分及び芳香族分の各含有量については特に制限はないが、下記の割合であることが望ましい。
飽和分(V(P)) :50〜100容量%
オレフィン分(V(O)):0〜15容量%
芳香族分(V(Ar)) :0〜35容量%
【0049】
V(P)は、インジェクタ内でのガソリンのコーキング防止、及びプラグのくすぶりを低減させる、排出ガスのオゾン生成能を低く抑える、排出ガス中のベンゼン濃度を低減させる、すすを発生させない等の観点から、その値は、より好ましくは60〜100容量%、さらにより好ましくは70〜100容量%であり、最も好ましくは75〜100質量%である。
V(O)は、インジェクタ内でのガソリンのコーキング防止の観点からより好ましくは0〜10容量%、さらにより好ましくは0〜7容量%、最も好ましくは0〜5容量%である。
【0050】
V(Ar)は、プラグのくすぶりを低減させる、排出ガスのオゾン生成能を低く抑える、排出ガス中のベンゼン濃度を低減させる、すすを発生させない等の観点からより好ましくは0〜30容量%、さらにより好ましくは0〜25容量%、最も好ましくは0〜20容量%である。
上記のV(P)、V(O)及びV(Ar)は、全てJIS K 2536「石油製品−炭化水素タイプ試験方法」の蛍光指示薬吸着法により測定される値である。
【0051】
また、上記ガソリン組成物の各成分の含有量には特に制限はないが、以下のような条件を満たすことが望ましい。
(1) V(Bz):0〜1容量%
(2) V(Tol):0〜30容量%
(3) V(C8A):0〜20容量%
(4) V(C9A):0〜5容量%
(5) V(C10+A):0〜3容量%
(6) V(PA)=0
又は
V(PA)≠0の際にV(MA)/V(PA):1以上
(7) V(C4):0〜10容量%
(8) V(C5):10〜35容量%
(9) V(C6):10〜30容量%
(10)V(C7+p):10〜50容量%
(11)V(C9+):0〜10容量%
【0052】
上記のV(Bz)は、ガソリン組成物全量基準のベンゼン含有量を示し、上記の範囲とすることで、排出ガス中のベンゼン濃度を低く抑えることができる。その値は、好ましくは、0〜1容量%であり、より好ましくは0〜0.5容量%である。
上記のV(Tol)及びV(C8A)は、それぞれガソリン組成物全量基準 のトルエン含有量及び炭素数8の芳香族炭化水素化合物含有量を示し、V(Tol)の値は、好ましくは0〜30容量%であり、より好ましくは0〜20容量%、V(C8A)の値は、好ましくは0〜20容量%であり、より好ましくは0〜15容量%である。なお、炭素数8の芳香族炭化水素化合物としては、エチルベンゼン及びキシレン(全ての置換異性体を含む)等が挙げられる。
【0053】
上記のV(C9A)は、ガソリン組成物全量基準の炭素数9の芳香族炭化水素化合物含有量を示し、排出ガスのオゾン生成能を低く抑えるために、その値は、好ましくは0〜5容量%であり、より好ましくは0〜3容量%である。炭素数9の芳香族炭化水素としては、例えば、n−プロピルベンゼン、イソプロピルベンゼン(クメン)、エチルメチルベンゼン(全ての置換異性体を含む)及びトリメチルベンゼン(全ての置換異性体を含む)等が挙げられる。
【0054】
上記のV(C10+A)は、ガソリン組成物全量基準の炭素数10以上の芳香族炭化水素化合物含有量を示し、排出ガスのオゾン生成能を低く抑えるために、その量が好ましくは0〜3容量%であり、より好ましくは0〜1容量%、最も好ましくは0容量%である。炭素数10以上の芳香族炭化水素化合物としては、例えば、ジエチルベンゼン(全ての置換異性体を含む)、ジメチルエチルベンゼン(全ての置換異性体を含む)、テトラメチルベンゼン(全ての置換異性体を含む)及びn−ブチルメチルベンゼン(全ての置換異性体を含む)等が挙げられる。
【0055】
上記のV(MA)及びV(PA)は、それぞれガソリン組成物全量を基準としたモノアルキル置換芳香族炭化水素化合物含有量(容量%)及び2つ以上のアルキル基で置換された芳香族炭化水素化合物含有量(容量%)を示すが、V(PA)が0であるか、又はV(PA)が0でない場合は、V(MA)/V(PA)の値は1以上であり、好ましくは1.5以上、より好ましくは2以上である。
なお、上記したV(Bz)、V(Tol)、V(C8A)、V(C9A)、V(C10+A)、V(MA)及びV(PA)は、いずれもJIS K 2536 「石油製品−炭化水素タイプ試験方法」のガスクロマトグラフ法で定量して得られる値である。
【0056】
上記のV(C4)は、ガソリン組成物全量を基準とした炭素数4の炭化水素化合物含有量を示す。エバポエミッションの量をより低く抑えられる点から、V(C4)の値は好ましくは0〜10容量%であり、より好ましくは0〜5容量%、更により好ましくは0〜3容量%である。
炭素数4の炭化水素化合物としては、例えば、n−ブタン、2−メチルプロパン(イソブタン)、1−ブテン、2−ブテン及び2−メチルプロペン等が挙げられる。
【0057】
上記のV(C5)は、ガソリン全量を基準とした炭素数5の脂肪族炭化水素化合物含有量を示し、その下限値は好ましくは10容量%、より好ましくは15容量%であり、上限値は好ましくは35容量%、より好ましくは30容量%である。炭素数5の脂肪族炭化水素化合物の含有量を10容量%以上にすることで、常温運転性により優れたガソリン組成物が得られる。また、これを35容量%以下にすることで高温運転性により優れたガソリン組成物が得られる。そして、インジェクタ内でのガソリンのコーキング防止の観点から、炭素数5の脂肪族炭化水素化合物の中の不飽和炭化水素化合物の含有量(V(C5o))(容量%)は0であるか、あるいは炭素数5の脂肪族炭化水素化合物の中の飽和炭化水素化合物の含有量(V(C5p))(容量%)とV(C5o)との比、すなわち、V(C5p)/V(C5o)の値は好ましくは1以上、より好ましくは1.5以上、さらに好ましくは2以上、最も好ましくは3以上である。
炭素数5の飽和脂肪族炭化水素化合物としては、例えば、n−ペンタン、2−メチルブタン(イソペンタン)、2,2−ジメチルプロパン(ネオペンタン)等が挙げられ、同じく不飽和脂肪族炭化水素化合物としては、1−ペンテン、2−ペンテン、2−メチル−1−ブテン、2−メチル−2−ブテン及び3−メチル−1−ブテン等が挙げられる。
【0058】
上記のV(C6)は、ガソリン組成物全量を基準とした炭素数6の脂肪族炭化水素化合物の含有量を示し、その下限値は好ましくは10容量%、より好ましくは15容量%であり、上限値は好ましくは30容量%、より好ましくは25容量%である。炭素数6の脂肪族炭化水素化合物の含有量を10容量%以上にすることで、常温運転性により優れたガソリン組成物が得られる。また、これを30容量%以下にすることで高温運転性により優れたガソリン組成物が得られる。そして、インジェクタ内でのガソリンのコーキング防止の観点から、炭素数6の脂肪族炭化水素化合物の中の飽和炭化水素化合物の含有量(V(C6o))(容量%)が0であるか、或るいは炭素数6の脂肪族炭化水素化合物の中の飽和炭化水素化合物の含有量(V(C6p))(容量%)とV(C6o)との比、すなわち、V(C6p)/V(C6o)の値は好ましくは2以上、より好ましくは3以上、さらに好ましくは5以上、最も好ましくは10以上である。
【0059】
炭素数6の飽和脂肪族炭化水素化合物としては、例えば、n−ヘキサン、2−メチルペンタン、3−メチルペンタン、2,2−ジメチルブタン、2,3−ジメチルブタン等が挙げられ、同じく不飽和脂肪族炭化水素化合物としては、例えば、1−ヘキセン、2−ヘキセン、3−ヘキセン、2−メチル−1−ペンテン、3−メチル−1−ペンテン、4−メチル−1−ペンテン、2−メチル−2−ペンテン、3−メチル−2−ペンテン、4−メチル−2−ペンテン、2,3−ジメチル−1−ブテン、3,3−ジメチル−1−ブテン及び2,3−ジメチル−2−ブテン等が挙げられる。
【0060】
上記のV(C7+p)は、ガソリン組成物全量を基準とした炭素数7以上の飽和脂肪族炭化水素化合物の含有量を示し、その下限値は好ましくは10容量%であり、より好ましくは20容量%である。上限値は好ましくは50容量%であり、より好ましくは45容量%である。炭素数7以上の飽和脂肪族炭化水素化合物の含有量を10容量%以上にすることで、常温運転性により優れたガソリン組成物が得られ、これを50容量%以下にすることで高温運転性により優れたガソリン組成物が得られる。
炭素数7以上の飽和脂肪族炭化水素化合物としては、例えば、n−ヘプタン、2−メチルヘキサン、3−メチルヘキサン、2,2−ジメチルペンタン、2,3−ジメチルペンタン、2,4−ジメチルペンタン、3,3−ジメチルペンタン、3−エチルペンタン及び2,2,3−トリメチルブタン等が挙げられる。
【0061】
上記V(C9+)は、ガソリン組成物全量を基準とした炭素数9以上の炭化水素化合物の含有量を示し、低温及び常温運転性の点から、またエンジンオイルのガソリン希釈を低減させ、排出ガスの増加、エンジンオイルの劣化及びスラッジ発生を防止できること等から、この値が好ましくは0〜10容量%であり、より好ましくは0〜5容量%であり、さらに好ましくは0容量%である。
【0062】
なお、上記したV(C4)、V(C5)、V(C5p)、V(C5o)、V(C6)、V(C6p)、V(C6o)、V(C7+p)及びV(C9+)は、以下に示すガスクロマトグラフィー法により定量される値を意味する。すなわち、カラムにはメチルシリコンのキャピラリーカラム、キャリアガスにはヘリウム又は窒素を、検出器には水素イオン化検出器(FID)を用い、カラム長25〜50m、キャリアガス流量0.5〜1.5mL/分、分割比1:50〜1:250、注入口温度150〜250℃、初期カラム温度−10〜10℃、終期カラム温度150〜250℃、及び検出器温度150〜250℃の条件で測定した値である。
【0063】
上記ガソリン組成物において含酸素化合物の含有量は特に制限はないが、ガソリン組成物全量基準で酸素元素換算で好ましくは0〜2.7質量%、より好ましくは0〜2.0質量%である。含有量が2.7質量%を越える場合は、ガソリン組成物の燃費が悪化し、また排出ガス中のNOxが増加する可能性がある。
ここで含酸素化合物とは、炭素数2〜4のアルコール類、炭素数4〜8のエーテル類等を意味する。本発明に係るガソリン組成物に配合可能な含酸素化合物としては、例えば、エタノール、メチルターシャリーブチルエーテル(MTBE)、エチルターシャリーブチルエーテル、ターシャリーアミルメチルエーテル(TAME)及びターシャリーアミルエチルエーテル等が挙げられ、これらの中でもMTBE及びTAMEが好ましく、最も好ましくはMTBEである。なお、メタノールは排出ガス中のアルデヒド濃度が高くなる可能性があり、腐食性もあるので好ましくない。
【0064】
上記ガソリン組成物において硫黄分含有量は特に制限はないが、ガソリン組成物全量基準で、好ましく50ppm以下、より好ましくは30ppm以下、さらに好ましくは20ppm以下、最も好ましくは10ppm以下である。硫黄分含有量が50ppmを越える場合、排出ガス処理触媒の性能に悪影響を及ぼし、排出ガス中のNOx、CO、HCの濃度が高くなる可能性があり、またベンゼンの排出量も増加する可能性がある。ここで硫黄分とは、JIS K 2541「原油及び石油製品−硫黄分試験方法」により測定される硫黄分を意味する。
【0065】
上記ガソリン組成物は、JIS K 2261「石油製品−自動車ガソリン及び航空燃料油−実在ガム試験方法−噴射蒸発法」により測定した未洗実在ガムの含有量が、一般に20mg/100mL以下であって、洗浄実在ガムの含有量が一般に3mg/100mL以下であり、好ましくは1mg/100mL以下である。未洗実在ガム及び洗浄実在ガムが上記の値を超えた場合は、燃料導入系統において析出物が生成したり、吸入弁が膠着する心配がある。
上記ガソリン組成物の、JIS K 2279「原油及び石油製品−発熱量試験方法及び計算による推定方法」により測定した総発熱量は、一般に40000J/g以上、好ましくは45000J/g以上である。
【0066】
上記ガソリン組成物の、JIS K 2287「ガソリン酸化安定度試験方法(誘導期間法)」によって測定した酸化安定度は、一般に480分以上、好ましくは1440分以上である。酸化安定度が480分に満たない場合は、貯蔵中にガムが生成する可能性がある。
上記ガソリン組成物は、銅板腐食(50℃、3h)が一般に1、好ましくは1aである。銅板腐食が1を越える場合は、燃料系統の導管が腐食する可能性がある。ここで銅板腐食とは、JIS K 2513「石油製品−銅板腐食試験方法」(試験温度50℃、試験時間3時間)に準拠して測定されるものである。
【0067】
さらに、上記ガソリン組成物は、灯油混入量は4容量%以下であることが望ましい。ここで、灯油混入量とはガソリン組成物全量基準での炭素数13〜14の炭化水素含有量(容量%)を表し、この量は以下に示すガスクロマトグラフィー法により定量して得られるものである。すなわち、カラムにはメチルシリコンのキャピラリーカラム、キャリアガスにはヘリウム又は窒素を、検出器には水素イオン化検出器(FID)を用い、カラム長25〜50m、キャリアガス流量0.5〜1.5mL/分、分割比1:50〜1:250、注入口温度150〜250℃、初期カラム温度−10〜10℃、終期カラム温度150〜250℃、検出器温度150〜250℃の条件で測定した値である。
【0068】
本発明の燃料油組成物である軽油組成物においては、ベース軽油に本発明の燃料油添加剤および必要に応じて軽油添加剤を配合するが、ベース軽油は軽油基材を適宜調合することにより製造することができる。この際用いられる軽油基材としては、原油の常圧蒸留装置から得られる直留軽油;常圧蒸留装置から得られる直留重質油や残査油を減圧蒸留装置にかけて得られる減圧軽油;減圧蒸留装置から得られる減圧軽油を水素化精製して得られる水素化精製軽油;直留軽油を通常の水素化精製より苛酷な条件で一段階又は多段階で水素化脱硫して得られる水素化脱硫軽油;脱硫又は未脱硫の減圧軽油、減圧重質軽油あるいは脱硫重油を接触分解して得られる接触分解軽油;原油の常圧蒸留により得られる直留灯油;直留灯油を水素化精製して得られる水素化精製灯油;原油の常圧蒸留によって得られる軽油留分を分解して得られる分解灯油等が挙げられる。
【0069】
また、その他の軽油添加剤としては、まず潤滑性向上剤、セタン価向上剤等が挙げられる。
潤滑性向上剤としては、例えば、カルボン酸系、エステル系、アルコール系及びフェノール系の各潤滑性向上剤の1種又は2種以上が任意に使用可能である。この中でも、カルボン酸系、エステル系の潤滑性向上剤が好ましい。
カルボン酸系の潤滑性向上剤としては、例えば、リノ−ル酸、オレイン酸、サリチル酸、パルミチン酸、ミリスチン酸、ヘキサデセン酸及び上記カルボン酸の2種以上の混合物等が挙げられる。
エステル系の潤滑性向上剤としては、グリセリンのカルボン酸エステル等が挙げられる。カルボン酸エステルを構成するカルボン酸は、1種であっても2種以上であってもよく、その具体例としては、リノ−ル酸、オレイン酸、サリチル酸、パルミチン酸、ミリスチン酸、ヘキサデセン酸等が挙げられる。
【0070】
潤滑性向上剤の含有量には特別な制限はない。しかし、潤滑性向上剤の効能を引き出すためには、具体的には、分配型噴射ポンプを搭載したディーゼルエンジンにおいて、運転中のポンプの駆動トルク増を抑制し、ポンプの摩耗を低減させるためには、潤滑性向上剤の配合量は、組成物全量基準で35質量ppm以上であることが好ましく、50質量ppm以上であることがより好ましい。そして、配合量の上限値はそれ以上加えても添加量に見合う効果が得られないことから、150質量ppm以下であることが好ましく、100質量ppm以下であることがより好ましい。
なお、潤滑性向上剤と称して市販されている商品は、それぞれ潤滑性向上に寄与する有効成分が適当な溶剤で希釈された状態で入手されるのが通例である。こうした市販品を本発明の軽油組成物に配合した場合にあっては、潤滑性向上剤に関して上述した配合量は、有効成分としての配合量を意味する。
【0071】
セタン価向上剤には、当業界でセタン価向上剤として知られる各種の化合物を任意に使用することができ、例えば、硝酸エステルや有機過酸化物等が使用可能である。しかし、本発明のセタン価向上剤としては、硝酸エステルを用いることが好ましい。硝酸エステルには、2−クロロエチルナイトレート、2−エトキシエチルナイトレート、イソプロピルナイトレート、ブチルナイトレート、第一アミルナイトレート、第二アミルナイトレート、イソアミルナイトレート、第一ヘキシルナイトレート、第二ヘキシルナイトレート、n−ヘプチルナイトレート、n−オクチルナイトレート、2−エチルヘキシルナイトレート、シクロヘキシルナイトレート、エチレングリコールジナイトレート等の種々のナイトレート等が包含される。これらの中でも、炭素数6〜8のアルキルナイトレートが好ましい。また、セタン価向上剤としては1種の単一の化合物を用いても良く、2種以上の化合物を組み合わせて用いても良い。
【0072】
軽油組成物中におけるセタン価向上剤の含有量は、ディーゼルエンジン排出ガスのNOx濃度、PM濃度、アルデヒド濃度等をより低減させることができることから、組成物全量基準で500質量ppm以上であることが好ましく、600質量ppm以上であることがより好ましく、700質量ppm以上であることがさらに好ましく、800質量ppm以上であることが特に好ましく、900質量ppm以上であることが最も好ましい。
セタン価向上剤の含有量の上限値は特には限定されないが、一般的には軽油組成物全量基準で1400質量ppm以下であることが好ましく、1250質量ppm以下であることがより好ましく、1100質量ppm以下であることがさらに好ましく、1000質量ppm以下であることが最も好ましい。
【0073】
なお、セタン価向上剤と称して市販されている商品は、セタン価向上に寄与する有効成分、つまり、セタン価向上剤を適当な溶剤で希釈した状態で入手されるのが通例である。こうした市販品を使用して本発明の軽油組成物を調製する場合には、上記セタン価向上剤の含有量は軽油組成物中の前記有効成分の含有量を表す。
【0074】
また、上記含窒素化合物以外のその他の清浄剤を併用して用いることも可能である。
ここでいうその他の清浄剤としては、例えば、イミド系化合物;ポリブテニルコハク酸無水物とエチレンポリアミン類とから合成されるポリブテニルコハク酸イミド等のアルケニルコハク酸イミド;ペンタエリスリトール等の多価アルコールとポリブテニルコハク酸無水物から合成されるポリブテニルコハク酸エステル等のコハク酸エステル;ジアルキルアミノエチルメタクリレート、ポリエチレングリコールメタクリレート、ビニルピロリドン等とアルキルメタクリレートとのコポリマー等の共重合系ポリマー、カルボン酸とアミンの反応生成物等の無灰清浄剤等が挙げられる。これらの中でも、アルケニルコハク酸イミド及びカルボン酸とアミンとの反応生成物の使用が好ましい。
【0075】
アルケニルコハク酸イミドを使用する例としては、数平均分子量1000〜3000程度のアルケニルコハク酸イミドを単独使用する場合と、数平均分子量700〜2000程度のアルケニルコハク酸イミドと数平均分子量10000〜20000程度のアルケニルコハク酸イミドを混合使用する場合等がある。
【0076】
カルボン酸とアミンとの反応生成物を構成するカルボン酸は1種であっても2種以上であってもよく、その具体例としては、炭素数12〜24の脂肪酸及び炭素数7〜24の芳香族カルボン酸等が挙げられる。炭素数12〜24の脂肪酸としては、リノール酸、オレイン酸、パルミチン酸、ミリスチン酸等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。また、炭素数7〜24の芳香族カルボン酸としては、安息香酸、サリチル酸等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。また、カルボン酸とアミンとの反応生成物を構成するアミンは、1種であっても2種以上であっても良い。ここで用いられるアミンとしては、オレイルアミンが代表的であるが、これに限定される訳ではなく、各種アミンが使用可能である。
【0077】
その他の清浄剤の配合量にも特別な制限はない。しかし、その他の清浄剤を併用して配合した効果、具体的には、燃料噴射ノズルの閉塞抑制効果を引き出すためには、その他の清浄剤の配合量を組成物全量基準で30質量ppm以上とすることが好ましく、60質量ppm以上とすることがより好ましく、80質量ppm以上とすることがさらに好ましい。30質量ppmに満たない量を添加しても効果が現れない可能性がある。一方、配合量が多すぎても、それに見合う効果が期待できず、逆にディーゼルエンジン排出ガス中のNOx、PM、アルデヒド等を増加させる恐れがあることから、その他の清浄剤の配合量は300質量ppm以下であることが好ましく、180質量ppm以下であることがより好ましい。
【0078】
なお、先のセタン価向上剤の場合と同様、清浄剤と称して市販されている商品は、それぞれ清浄に寄与する有効成分が適当な溶剤で希釈された状態で入手されるのが通例である。こうした市販品を本発明の軽油組成物に配合した場合にあっては、その他の清浄剤に関して上述した配合量は、有効成分としての配合量を意味する。
【0079】
さらに、上記軽油組成物には、他の性能をさらに高める目的でその他の公知の添加剤を単独で、又は数種類組み合わせて添加することもできる。これらの添加剤としては、例えば、エチレン−酢酸ビニル共重合体、アルケニルコハク酸アミド等の低温流動性向上剤;フェノール系、アミン系等の酸化防止剤;サリチリデン誘導体等の金属不活性化剤;ポリグリコールエーテル等の氷結防止剤;脂肪族アミン、アルケニルコハク酸エステル等の腐食防止剤;アニオン系、カチオン系、両性系界面活性剤等の帯電防止剤;アゾ染料等の着色剤;シリコン系等の消泡剤等が挙げられる。
これらその他の添加剤の添加量は特に限定されず任意に決めることができるが、添加剤個々の添加量は、軽油組成物全量基準でそれぞれ0.5質量%以下が好ましく、より好ましくは0.2質量%以下である。
【0080】
また、ベース軽油、一般式(1)で表される含窒素化合物からなる本発明の添加剤及び必要に応じて配合されるその他の軽油添加剤からなる軽油組成物の性状、組成については、特に規定されるものではない。しかしながら、蒸留性状について下記の性状を満たしていることが望ましい。
初留点 :135〜200℃
10容量%留出温度(T10):155〜230℃
30容量%留出温度(T30):175〜260℃
50容量%留出温度(T50):190〜300℃
70容量%留出温度(T70):220〜330℃
90容量%留出温度(T90):290〜350℃
95容量%留出温度(T95):310〜360℃
蒸留終点 :330〜370℃
【0081】
軽油組成物の初留点が低すぎる場合には、一部の軽質留分が気化して噴霧範囲が広がりすぎ、未燃分として排ガスに同伴される炭化水素量が増加する恐れがあることから、初留点は一般に135℃以上、好ましくは140℃以上、より好ましくは145℃以上であることが望ましい。一方、初留点が高すぎる場合は、低温始動性及び低温運転性に不具合を生じる可能性があるため、初留点の上限は200℃であることが望ましい。
T10は155℃以上、好ましくは165℃以上であることが望ましい。T10が155℃よりも低すぎる場合は、初留点が低すぎる場合と同様な理由から排ガスに同伴される炭化水素量が増大するおそれがある。一方、T10は230℃以下であることが望ましい。230℃よりも高すぎると、低温始動性及び低温運転性に不具合を生じるおそれがある。
【0082】
T30は175℃以上、好ましくは180℃以上、より好ましくは185℃以上であることが望ましい。T30が175℃よりも低い場合は、上に述べたと同じ理由から、排ガスに同伴される炭化水素量の増大が懸念される。一方、T30は260℃以下であることが望ましい。260℃よりも高すぎる場合は、低温始動性及び低温運転性に不具合を生じる可能性がある。
T50は、燃費及びエンジン出力の面から、190℃以上、好ましくは195℃以上、より好ましくは200℃以上であることが望ましい。そして、排出ガス中の粒子状物質(PM)濃度を増加させないためにT50は300℃以下であることが望ましい。
【0083】
T70もT50と同様、燃費とエンジン出力を左右する。燃費をより向上させ、エンジンの出力をより高めるために、T70は一般に220℃以上、好ましくは225℃以上、より好ましくは230℃以上であることが望ましい。そして、低温運転性の点から及び排出ガス中のPM濃度を増加させないためには、T70は一般に330℃以下であることが望ましい。
T90は290℃以上、好ましくは300℃以上であることが望ましい。そして、低温運転性の点から及び排出ガス中のPM濃度を増加させないために350℃以下が望ましい。
【0084】
T95は310℃以上であることが望ましいが、低温運転性の点から及び排出ガス中のPM濃度を増加させないためには、T95は通常360℃以下が望ましい。
蒸留終点は330℃以上が望ましい。しかし、低温運転性の点から及び排出ガス中のPM濃度を増加させないためには、蒸留終点は通常370℃以下であることが望ましい。
ここでいう蒸留性状(初留点、T10、T30、T50、T70、T90、T95、蒸留終点)は、全てJIS K 2254「石油製品−蒸留試験方法」によって測定される値を意味する。
【0085】
また、軽油組成物の硫黄分についても特に制限はないが、排出ガスの後処理装置の耐久性やエンジン内部の腐食を抑える点から、硫黄分0.05質量%以下であることが好ましく、0.035質量%以下がより好ましく、0.02質量%以下がさらに好ましく、0.01質量%以下であることが特に好ましく、0.005質量%以下であることが最も好ましい。
本発明において、硫黄分とはJIS K 2541「硫黄分試験方法」により測定される硫黄分の含有量を意味する。
【0086】
軽油組成物のセタン指数、セタン価には特に制限はない。しかし、排出ガス中のNOx、PM、アルデヒドの各濃度をより低減させることが出来ることから、セタン指数は45以上であることが好ましく、48以上であることがより好ましく、50以上であることが最も好ましい。セタン価は45以上であることが好ましく、48以上であることがより好ましく50以上であることが最も好ましい。ここでセタン指数とは、JIS K 2280「石油製品−燃料油−オクタン価及びセタン価試験方法並びにセタン指数算出方法」の「8.4変数方程式を用いたセタン指数の算出方法」によって算出した価を意味する。また、セタン価とは、JIS K 2280「石油製品−燃料油−オクタン価及びセタン価試験方法並びにセタン指数算出方法」の「7.セタン価試験方法」に準拠して測定されるセタン価を意味する。
【0087】
軽油組成物の動粘度には特に制限はない。しかし、燃料噴射時期の制御及びエンジンに付設された分配型燃料噴射ポンプの潤滑性の点から、30℃における動粘度は1.7mm2/s以上であることが好ましく、1.9mm2/s以上であることがより好ましく、2.0mm2/s以上であることがさらに好ましい。また、排出ガス中のPM濃度を増加させないためにも、また低温での始動性に及ぼす影響を小さくさせるためにも、6.0mm2/s以下であることが好ましく、5.0mm2/s以下であることがより好ましく、4.5mm2/s以下であることがさらに好ましい。
ここで動粘度とはJIS K 2283「原油及び石油製品−動粘度試験方法及び粘度指数算出方法」により測定される動粘度を指す。
【0088】
軽油組成物の15℃における密度については特に制限はない。しかし、燃料消費率及び加速性をより向上させることができることから、その値は800kg/m3以上であることが好ましい。一方、15℃における密度の上限値は、排出ガス中のPM濃度をより低下させることができるから、860kg/m3以下であることが好ましく、850kg/m3以下であることがより好ましい。
ここで密度とはJIS K 2249「原油及び石油製品の密度試験方法並びに密度・質量・容量換算表」により測定される密度を意味する。
【0089】
上記軽油組成物において、飽和分、オレフィン分及び芳香族分の各含有量について特に制限はないが、下記を満たすことが望ましい。
飽和分含有量 :60〜95容量%
オレフィン分含有量:5容量%以下
芳香族分含有量 : 5〜40容量%
【0090】
飽和分含有量の下限値は、排出ガス中のNOx及びPMの各濃度を低下させるうえで、一般的には60容量%以上が好ましく、より好ましくは70容量%以上であり、さらに好ましくは75容量%であることが望ましい。一方、低温始動性及び低温運転性を良好に維持するうえで、飽和分含有量の上限値は、95容量%以下であることが好ましく、より好ましくは90容量%以下であり、さらにより好ましくは80容量%以下であることが望ましい。
オレフィン分含有量は、当該組成物の安定性の観点から、一般的には5容量%以下が好ましく、より好ましくは3容量%以下、さらにより好ましくは1容量%以下であることが望ましい。
【0091】
芳香族分含有量は、燃料消費率及びエンジン出力に関係するので、一般的には5容量%以上、好ましくは10容量%以上、より好ましくは20容量%以上、更に好ましくは25容量%以上であることが最も望ましい。一方、芳香族分含有量は、排出ガスに含まれるNOx及びPMの各濃度に関係することから、一般的には40容量%以下、好ましくは35容量%以下、最も好ましくは30容量%以下であることが望ましい。
ここでいう飽和分含有量、オレフィン分含有量及び芳香族分含有量は、JISK 2536に規定する「石油製品−成分試験方法」の蛍光指示薬吸着法に準拠して測定される飽和分、オレフィン分及び芳香族分の容量百分率(容量%)を意味する。
【0092】
上記軽油組成物においては、その流動点(PP)について特に制限はない。しかし、低温始動性ないしは低温運転性の観点から0℃以下であることが好ましく、より好ましくは−5℃以下、最も好ましくは−10℃以下である。一方、燃料噴射ポンプにおける潤滑性を考慮すると−20℃以上が好ましく、−15℃以上がより好ましく、−10℃以上がさらに好ましく、−5℃以上が特に好ましく、0℃以上であることが最も好ましい。
ここでPPとは、JIS K 2269「原油及び石油製品の流動点並びに石油製品曇り点試験方法」により測定される流動点を意味する。
【0093】
上記軽油組成物においては、その目詰まり点(CFPP)については特に制限はない。しかし、一般的には0℃以下であることが好ましく、−5℃以下であることがより好ましく、−10℃以下であることがさらに好ましく、−20℃以下であることが最も好ましい。一方、燃料噴射ポンプにおける潤滑性を考慮すると−15℃以上が好ましく、−10℃以上がより好ましく、−5℃以上がさらに好ましく、0℃以上であることが最も好ましい。
ここでCFPPとはJIS K 2288「軽油−目詰まり点試験方法」により測定される目詰まり点を意味する。
【0094】
【実施例】
以下に実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
【0095】
(合成例1)
温度計、攪拌機、還流冷却器および窒素導入口を備えた耐圧反応容器にモノエタノールアミン61g(1.0モル)、メチルイソブチルケトン110g(1.1モル)およびトルエン100mlを仕込み、反応容器内を窒素で置換した後、120℃で5時間加熱してケチミン化反応を行った。次いで、未反応のケトンを減圧除去した後室温まで冷却し、これに付加触媒として水酸化カリウム14gを加え、窒素ガス置換した後100℃まで加熱し、1,2−ブチレンオキサイド432g(6.0モル)を加え、5時間反応させた。そして、反応溶液を固体酸により中和、濾過し、付加触媒を除去した。その後、水100gを加えて、95℃で3時間加水分解反応を行った。続いて過剰の水、トルエンおよびケトンを除去することにより、目的とする含窒素化合物475gを得た。
この含窒素化合物は数平均分子量が約493の油状の液体であり、薄い黄色を呈していた。13C−NMR分析の結果、この含窒素化合物は式(6)で示される平均構造を有する重合体であった。
【0096】
【化4】
【0097】
(合成例2)
合成例1において1,2−ブチレンオキサイド432g(6.0モル)の代わりにプロピレンオキサイド580g(10.0モル)を用いた以外は、合成例1と同様の装置および方法により目的とする含窒素化合物595gを得た。
この含窒素化合物は数平均分子量が約640の油状の液体であり、薄い黄色を呈していた。13C−NMR分析の結果、この含窒素化合物は式(7)で示される平均構造を有する重合体であった。
【0098】
【化5】
【0099】
(合成例3)
合成例1において1,2−ブチレンオキサイド432g(6.0モル)の代わりにプロピレンオキサイド290g(5.0モル)および1,2−ブチレンオキサイド360g(5.0モル)を用いた以外は、合成例1と同様の装置および方法により目的とする含窒素化合物670gを得た。
この含窒素化合物は数平均分子量が約710の油状の液体であり、薄い黄色を呈していた。13C−NMR分析の結果、この含窒素化合物は式(8)で示される平均構造を有する共重合体であった。
【0100】
【化6】
【0101】
(合成例4)
合成例1において1,2−ブチレンオキサイドを1296g(18.0モル)用いた以外は、合成例1と同様の装置および方法により目的とする含窒素化合物1320gを得た。
この含窒素化合物は数平均分子量が約1360の油状の液体であり、薄い黄色を呈していた。13C−NMR分析の結果、この含窒素化合物は式(9)で示される平均構造を有する重合体であった。
【0102】
【化7】
【0103】
(比較合成例1)
合成例1において1,2−ブチレンオキサイドを1800g(25.0モル)用いた以外は、合成例1と同様の装置および方法により目的とする含窒素化合物1815gを得た。
この含窒素化合物は数平均分子量が約1860の油状の液体であり、薄い黄色を呈していた。13C−NMR分析の結果、この含窒素化合物は式(10)で示される平均構造を有する重合体であった。
【0104】
【化8】
【0105】
[ベースガソリンの調製]
接触改質ガソリン60容量部、接触分解ガソリン30容量部、およびアルキレート10容量部を混合して以下の性状を有するベースガソリン(内燃機関用ガソリン)を調製した。
調製したベースガソリンの性状は以下のとおりであった。
リード蒸気圧:62.7kPa
比 重:0.729
沸点範囲 :30〜190℃
オクタン価 :98.3
【0106】
実施例1〜4および比較例1〜3
このベースガソリンと合成例1〜4で得られた含窒素化合物を用い、表1の各例(実施例1〜4)に示すような配合により、ガソリン組成物を調製した。
また、このベースガソリンと比較合成例1で得られた含窒素化合物および市販ガソリン清浄剤OGA480(オロナイト社製)を用い、表1の各例(比較例1〜2)に示すような配合により、比較用のガソリン組成物を調製した。
これらの各ガソリン組成物(実施例1〜4および比較例1〜2)に対して以下に示すエンジン評価試験を行った。その結果を表1に示した。
また、表1にベースガソリン(比較例3)のベース値を併記した。
【0107】
[エンジン評価試験]
排気量1.8Lの筒内直接噴射式ガソリンエンジンを装備した乗用車を使用し、清浄剤未添加のベースガソリンで10.15モードを400時間繰り返した後、点火プラグを取り外しファイバースコープにより燃焼室内を観察し、ピストントップ(キャビティ内外)全体にデポジットが堆積していることを確認した。
再び点火プラグを取り付け、10.15モードに準拠して排出ガスを採取し、THC(Total HydroCarbon)排出量を測定した。さらに40km/h定速走行を行い、Bosch式スモークメーターで5倍量採取してスモーク量を測定した(ベース値)。
その後、実施例1〜4および比較例1〜2のガソリン組成物を用いて10.15モードを30時間繰り返した後、10.15モードに準拠して排出ガスを採取し、THC(Total HydroCarbon)排出量を測定した。さらに40km/h定速走行を行い、Bosch式スモークメーターで5倍量採取してスモーク量を測定した。
その後、エンジンを分解してピストントップキャビティ内の清浄面積を測定した。
【0108】
【表1】
【0109】
表1のエンジン評価試験結果から明らかなように、本発明に係る実施例1〜4のガソリン組成物は、筒内直接噴射方式ガソリンエンジンにおいて、成層燃焼時に燃料が直接当たるキャビティ内のデポジットの清浄能力が大きく、デポジットへの燃料の吸着等が原因で起こる制御の乱れによると考えられるTHC量やスモーク量の増加を大幅に抑制することができる。
【0110】
実施例5〜8及び比較例4〜6
表2に示すような性状のベース軽油に、合成例1〜4で得られた本発明の含窒素化合物を、ベース軽油:含窒素化合物が99.99質量%:0.01質量%の割合で配合して、軽油組成物を調製した。
これらの調製した各軽油組成物(実施例5〜8)に対して以下に示すエンジンのノズル清浄性試験を行った。その結果を表3に示した。
なお、比較のため、ベース軽油と比較合成例1で得られた含窒素化合物および市販ガソリン清浄剤OGA480(オロナイト社製)を用い、ベース軽油:含窒素化合物が99.99質量%:0.01質量%の割合で配合して、比較軽油組成物を調製した(比較例4〜5)。また、含窒素化合物を添加しないベース軽油だけの場合を比較例6とした。
これらの各軽油組成物についても同様のノズル清浄性試験を行った。その結果を表3に併記した。
【0111】
[ノズル清浄性試験]
排気量2Lの4気筒エンジンを使用し、回転1840rpm、トルク36.4Nmの条件において48時間連続運転を行い、試験後のノズルの残存流量割合を測定した。ノズルの残存流量割合とは試験前の新品ノズルの流量に対して試験後のノズル流量の割合を示したものである。
なお、ノズル流量は針弁リフト0.1mm時で測定した。本試験において、ノズル残存流量割合の値が大きい程、清浄性に優れることを表す。
表3のノズル清浄性試験結果からも明らかなとおり、本発明に係る実施例5〜8の軽油組成物は、いずれも噴射ノズル内に堆積したデポジットの清浄性に極めて優れた効果を発揮するものである。
【0112】
【表2】
【0113】
【表3】
【0114】
【発明の効果】
以上のように、本発明の燃料油添加剤はガソリンエンジンの燃焼室内の清浄性、ディーゼルエンジンのノズルの清浄性に優れた効果を有し、特に筒内直接噴射方式ガソリンエンジンにおけるキャビティ内のデポジットの清浄能力が大きく、デポジットへの燃料の吸着等が原因で起こる制御の乱れに基づくTHC量やスモーク量の増加を大幅に抑制することができる。
Claims (2)
- 下記の一般式(1)で表される含窒素化合物からなる筒内直接噴射式ガソリンエンジン及びディーゼルエンジン用燃料油添加剤。
HO−(AO)a−R−NH2 (1)
(一般式(1)において、Aは炭素数2〜18のアルキレン基を示し、aは1〜18の整数であり、Rは炭素数1〜6のアルキレン基を示す。) - 請求項1に記載の一般式(1)で表される含窒素化合物を含有してなる筒内直接噴射式ガソリンエンジン及びディーゼルエンジン用燃料油組成物。
Priority Applications (2)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001284890A JP4330828B2 (ja) | 2001-09-19 | 2001-09-19 | 燃料油添加剤および燃料油組成物 |
PCT/JP2002/009121 WO2003027211A1 (fr) | 2001-09-19 | 2002-09-06 | Additif pour carburants |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001284890A JP4330828B2 (ja) | 2001-09-19 | 2001-09-19 | 燃料油添加剤および燃料油組成物 |
Publications (3)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2003096479A JP2003096479A (ja) | 2003-04-03 |
JP2003096479A5 JP2003096479A5 (ja) | 2006-06-29 |
JP4330828B2 true JP4330828B2 (ja) | 2009-09-16 |
Family
ID=19108134
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2001284890A Expired - Fee Related JP4330828B2 (ja) | 2001-09-19 | 2001-09-19 | 燃料油添加剤および燃料油組成物 |
Country Status (2)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP4330828B2 (ja) |
WO (1) | WO2003027211A1 (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN106906011A (zh) * | 2017-03-13 | 2017-06-30 | 杜彪 | 一种汽油直喷发动机动力清净复合剂 |
Families Citing this family (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP5163909B2 (ja) * | 2009-11-18 | 2013-03-13 | 信越化学工業株式会社 | 消泡剤用オイルコンパウンドの製造方法及び消泡剤組成物 |
RU2019135830A (ru) | 2017-04-11 | 2021-05-11 | Басф Се | Алкоксилированные амины в качестве присадок к топливу |
Family Cites Families (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH11343490A (ja) * | 1998-04-01 | 1999-12-14 | Sanyo Chem Ind Ltd | 燃料油添加剤および燃料油組成物 |
EP1122295A4 (en) * | 1998-10-06 | 2002-02-06 | Nippon Mitsubishi Oil Corp | PETROL ADDITIVE FOR A DIRECT INJECTION PETROL ENGINE |
-
2001
- 2001-09-19 JP JP2001284890A patent/JP4330828B2/ja not_active Expired - Fee Related
-
2002
- 2002-09-06 WO PCT/JP2002/009121 patent/WO2003027211A1/ja active Application Filing
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN106906011A (zh) * | 2017-03-13 | 2017-06-30 | 杜彪 | 一种汽油直喷发动机动力清净复合剂 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2003096479A (ja) | 2003-04-03 |
WO2003027211A1 (fr) | 2003-04-03 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP4646345B2 (ja) | 燃料油添加剤及び該添加剤を含有してなる燃料油組成物 | |
US20010020345A1 (en) | Gasoline additive for direct injection gasoline engine | |
JP4034372B2 (ja) | 筒内直接噴射式ガソリンエンジン用無鉛ガソリン | |
JP4090702B2 (ja) | ガソリン組成物 | |
JP5019802B2 (ja) | 予混合圧縮自己着火式エンジン用燃料 | |
JP3841905B2 (ja) | 無鉛ガソリン組成物 | |
JP4330828B2 (ja) | 燃料油添加剤および燃料油組成物 | |
JP4109043B2 (ja) | 予混合圧縮自己着火式エンジン用燃料 | |
JP5778451B2 (ja) | ガソリン組成物の吸気系デポジットの生成抑制性能の判定方法 | |
JP4537642B2 (ja) | 燃料油添加剤及び燃料油組成物 | |
JP4458405B2 (ja) | 予混合圧縮自己着火式エンジン用燃料 | |
JP2015108158A (ja) | ガソリン組成物 | |
WO2003053854A1 (fr) | Additif pour fioul, et compositions de fioul | |
JP4815178B2 (ja) | 予混合圧縮自己着火式エンジン用燃料 | |
EP4214297B1 (en) | Aryloxy alkylamines as fuel additives for reducing injector fouling in direct injection spark ignition gasoline engines | |
JP4109048B2 (ja) | 予混合圧縮自己着火式エンジン用燃料 | |
JP2002356683A (ja) | ガソリンエンジン用燃料組成物 | |
CN100432196C (zh) | 汽油组合物 | |
JP2000144157A (ja) | 筒内直接噴射式ガソリンエンジン用ガソリン組成物 | |
US20220056359A1 (en) | Improvements relating to fuel economy | |
JP4109047B2 (ja) | 予混合圧縮自己着火式エンジン用燃料 | |
JP4648525B2 (ja) | 燃料油組成物 | |
JP2015180758A (ja) | ガソリン組成物 | |
JP2015108159A (ja) | ガソリン組成物 | |
JP4109051B2 (ja) | 予混合圧縮自己着火式エンジン用燃料 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20060517 |
|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20060517 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20090317 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20090515 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20090616 |
|
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20090617 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120626 Year of fee payment: 3 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120626 Year of fee payment: 3 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130626 Year of fee payment: 4 |
|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |