JP2000144157A - 筒内直接噴射式ガソリンエンジン用ガソリン組成物 - Google Patents

筒内直接噴射式ガソリンエンジン用ガソリン組成物

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JP2000144157A
JP2000144157A JP10342308A JP34230898A JP2000144157A JP 2000144157 A JP2000144157 A JP 2000144157A JP 10342308 A JP10342308 A JP 10342308A JP 34230898 A JP34230898 A JP 34230898A JP 2000144157 A JP2000144157 A JP 2000144157A
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gasoline
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carbon atoms
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Katsuhiko Haji
勝彦 土師
Masaki Nagao
正基 長尾
Atsushi Akimoto
淳 秋本
Masahiro Yoshida
正寛 吉田
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Eneos Corp
Original Assignee
Nippon Mitsubishi Oil Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 筒内直接噴射式ガソリンエンジンの燃焼室内
の清浄性に優れたガソリン組成物の提供。 【構成】 ポリブテニルアミン系化合物を含有する筒内
直接噴射式ガソリンエンジン用ガソリン組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、筒内直接噴射式ガ
ソリンエンジン用ガソリン組成物に関し、特に筒内直接
噴射式ガソリンエンジンの燃焼室内の清浄性に優れたガ
ソリン組成物に関する。
【0002】
【従来技術】省資源及び地球温暖化抑制の観点から世界
的に化石燃料の使用を減らすことが求められており、ガ
ソリン自動車に対しては燃費の向上が最大の課題となっ
ている。一方、都市部ではNOxなどの汚染物質が環境
基準を達成していない地域もあり、ガソリン自動車に対
してもさらなる汚染物質の低減が求められている。この
ような要求に対しガソリン自動車で燃費の向上及び排出
ガス中環境汚染物質の低減を同時に行うためには、筒内
直接噴射式ガソリンエンジンが最も有力であると考えら
れている。
【0003】従来のガソリンエンジンは吸気ポート内に
ガソリンを噴射することで、ガソリンと空気の均一予混
合気を形成していた。一方筒内直接噴射式ガソリンエン
ジンはディーゼルエンジンのように燃焼室内に直接ガソ
リンを噴射する。これにより点火プラグ近傍は濃い混合
気であるが燃焼室全体では超希薄となる成層混合気の形
成を可能としている。このような成層混合気を形成する
ことで超希薄状態での燃焼(成層燃焼)を可能とし、デ
ィーゼルエンジンレベルまで燃費を向上することが可能
となる。また燃焼室内に直接ガソリンを噴射するため、
従来のエンジンで起きたようなガソリンの蒸発遅れがな
くなり、より精度の高い燃料噴射量制御を可能とする。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、筒内直接噴射
式ガソリンエンジンでは燃焼室内にガソリンを噴射する
ため、従来のガソリンエンジンとは異なる新たな問題が
発生する可能性がある。その一つに燃焼室内、特にキャ
ビティ内に堆積するデポジットがある。筒内直接噴射式
ガソリンエンジンに特徴的な成層燃焼では、ピストンの
上昇中にピストンのキャビティ内に燃料を噴霧し、跳ね
返った燃料が点火プラグ近傍に濃い混合気を形成し燃焼
する。この際、ピストンのキャビティ内にデポジットが
堆積すると、噴霧された燃料の一部がデポジットに吸着
し、点火プラグ近傍の燃料が少なくなったり、到達時間
が遅れたりするため、空気/燃料比が乱れ、これに原因
して運転性に影響を及ぼしたり、排出ガスが悪化した
り、スモークが発生したりする。
【0005】本発明は、このような状況を鑑み、筒内直
接噴射式ガソリンエンジンにおける燃焼室内、特にキャ
ビティ内の清浄性に優れたガソリン組成物を提供するこ
とを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を解決するため鋭意研究を重ねた結果、ポリブテニルア
ミン系化合物が、筒内直接噴射式ガソリンエンジンにお
ける燃焼室内、特にキャビティ内の清浄性に優れている
ことを見出した。
【0007】すなわち、本発明に係る燃料油組成物は、
ポリブテニルアミン系化合物を含有するものである。
【0008】
【発明の実施の形態】以下、本発明の内容をさらに詳細
に説明する。
【0009】本発明のポリブテニルアミン系化合物は、
n−ブテン、2−ブテンおよびイソブテンの中から選ば
れた少なくとも1種を重合させたポリブテン化合物の末
端をアミンで修飾した化合物である。
【0010】本発明のポリブテニルアミン系化合物を構
成する重合部分としては、n−ブテン、2−ブテンおよ
びイソブテンの中から選ばれた1種のみを用いた単独重
合体でもよく、2種以上を用いた共重合体であっても良
い。共重合体としては、ランダム共重合体であっても、
交互重合体であっても、ブロック共重合体であっても良
い。
【0011】本発明においては、n−ブテン、2−ブテ
ンおよびイソブテンの何れもが使用可能であるが、より
清浄性に優れることから、イソブテンを用いることが好
ましい。
【0012】なお、本発明でいうポリブテニルアミン系
化合物の重合部分は、n−ブテン、2−ブテン、イソブ
テンを原料としこれを重合させて得られるものである
が、その性能を損なわない範囲において、n−ブテン、
2−ブテンおよびイソブテン以外のオレフィン、例えば
エチレンやプロピレン等が原料中に含まれていても良
い。
【0013】また、ポリブテニルアミン系化合物を構成
するアミン部分の窒素原子には、水素原子の他、炭化水
素基、アルカノール基等の含酸素基、アミノアルキル基
等の含窒素基などが結合していてもよい。
【0014】本発明のポリブテニルアミン系化合物は、
具体的には例えば、下記一般式(1)で表される化合物
が挙げられる。
【0015】
【化1】 (上記式(1)において、Aは、n−ブチル基、sec
−ブチル基またはtert−ブチル基を示し、R1
2、R3およびR4は、水素原子、メチル基またはエチ
ル基を示し、かつR1、R2、R3およびR4の合計炭素数
が2であり、Bは下記式(2)〜(7)の何れかで表さ
れる基を示し、R5およびR6はそれぞれ別個に水素原
子、炭素数1〜10の炭化水素基、炭素数1〜8のアル
カノール基または下記一般式(8)で表される基を示
し、mは1〜100の整数を示す。)
【化2】
【化3】
【化4】
【化5】
【化6】
【化7】
【化8】 (上記一般式(8)において、R7は炭素数1〜4のア
ルキレン基を示し、R8は水素または炭素数1〜4のア
ルキル基を示し、R9は水素または炭素数1〜10の炭
化水素基を、nは1〜5の整数を示す。)
【0016】上記一般式(1)において、Aはn−ブチ
ル基、sec−ブチル基またはtert−ブチル基を示
すが、より清浄性に優れることからtert−ブチル基
であることが好ましい。
【0017】また、R1、R2、R3およびR4は、水素原
子、メチル基またはエチル基を示す。そして、この
1、R2、R3およびR4の合計炭素数は2である。
【0018】本発明においては、より清浄性に優れるこ
とからR1およびR3が水素原子であり、かつR2および
4がメチル基である場合、またはR1およびR3がメチ
ル基であり、かつR2およびR4が水素原子である場合が
好ましい。
【0019】なお、下記式(9)で表される基は、下記
式(10)で表される基を構成単位とする、一般式
(1)で表されるポリブテニルアミン系化合物の重合骨
格を示すものである。
【0020】
【化9】
【化10】 (上記式(9)および(10)におけるR1、R2
3、R4およびmは、一般式(1)におけるR1、R2
3、R4およびmと同一の基、整数を示す。)
【0021】上記式(1)および(9)において、上記
式(10)で表されるm個の基は同一分子中で同じでも
異なっていてもよい。つまり、上記式(1)で表される
化合物および上記式(9)で表される基は、単独重合体
であっても、共重合体であっても良い。共重合体として
は、ランダム共重合体であっても、交互重合体であって
も、ブロック共重合体であっても良い。
【0022】Bは上記式(2)〜(7)の何れかで表さ
れる基を示すが、より清浄性に優れることから式(2)
または式(6)で表される基であることが好ましく、式
(6)で表される基であることがより好ましい。
【0023】また、R5およびR6はそれぞれ別個に水素
原子、炭素数1〜10の炭化水素基、炭素数1〜8のア
ルカノール基または上記一般式(8)で表される基を示
す。
【0024】ここでいう炭素数1〜10の炭化水素基と
しては、炭素数1〜10の直鎖状または分枝状のアルキ
ル基、炭素数2〜10の直鎖状または分枝状のアルケニ
ル基、炭素数5〜10のシクロアルキル基またはアルキ
ルシクロアルキル基、炭素数6〜10のアリール基また
はアルキルアリール基、炭素数7〜10のアリールアル
キル基が挙げられる。
【0025】炭素数1〜10のアルキル基としては、具
体的には例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル
基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、s
ec−ブチル基、tert−ブチル基、直鎖または分枝
ペンチル基、直鎖または分枝ヘキシル基、直鎖または分
枝ヘプチル基、直鎖または分枝オクチル基、直鎖または
分枝ノニル基、直鎖または分枝デシル基などが挙げられ
る。
【0026】炭素数2〜10のアルケニル基としては、
具体的には例えば、エテニル基、n−プロペニル基、イ
ソプロペニル基、n−ブテニル基、イソブテニル基、s
ec−ブテニル基、tert−ブテニル基、直鎖または
分枝ペンテニル基、直鎖または分枝ヘキセニル基、直鎖
または分枝ヘプテニル基、直鎖または分枝オクテニル
基、直鎖または分枝ノネニル基、直鎖または分枝デセニ
ル基などが挙げられる。
【0027】炭素数5〜10のシクロアルキル基または
アルキルシクロアルキル基としては、具体的には例え
ば、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプ
チル基、メチルシクロペンチル基、ジメチルシクロペン
チル基(すべての置換異性体を含む)、エチルシクロペ
ンチル基(すべての置換異性体を含む)、直鎖または分
枝プロピルシクロペンチル基(すべての置換異性体を含
む)、エチルメチルシクロペンチル基(すべての置換異
性体を含む)、トリメチルシクロペンチル基(すべての
置換異性体を含む)、ジエチルシクロペンチル基(すべ
ての置換異性体を含む)、エチルジメチルシクロペンチ
ル基(すべての置換異性体を含む)、直鎖または分枝プ
ロピルメチルシクロペンチル基(すべての置換異性体を
含む)、直鎖または分枝プロピルエチルシクロペンチル
基(すべての置換異性体を含む)、メチルシクロヘキシ
ル基(すべての置換異性体を含む)、ジメチルシクロヘ
キシル基(すべての置換異性体を含む)、エチルシクロ
ヘキシル基(すべての置換異性体を含む)、直鎖または
分枝プロピルシクロヘキシル基(すべての置換異性体を
含む)、エチルメチルシクロヘキシル基(すべての置換
異性体を含む)、トリメチルシクロヘキシル基(すべて
の置換異性体を含む)、ジエチルシクロヘキシル基(す
べての置換異性体を含む)、エチルジメチルシクロヘキ
シル基(すべての置換異性体を含む)、直鎖または分枝
プロピルメチルシクロヘキシル基(すべての置換異性体
を含む)、メチルシクロヘプチル基(すべての置換異性
体を含む)、ジメチルシクロヘプチル基(すべての置換
異性体を含む)、エチルシクロヘプチル基(すべての置
換異性体を含む)、直鎖または分枝プロピルシクロヘプ
チル基(すべての置換異性体を含む)、エチルメチルシ
クロヘプチル基(すべての置換異性体を含む)、トリメ
チルシクロヘプチル基(すべての置換異性体を含む)な
どが挙げられる。
【0028】炭素数6〜10のアリール基またはアルキ
ルアリール基としては、フェニル基、トリル基(すべて
の置換異性体を含む)、キシリル基(すべての置換異性
体を含む)、エチルフェニル基(すべての置換異性体を
含む)、直鎖または分枝プロピルフェニル基(すべての
置換異性体を含む)、エチルメチルフェニル基(すべて
の置換異性体を含む)、トリメチルフェニル基(すべて
の置換異性体を含む)、直鎖または分枝ブチルフェニル
基 (すべての置換異性体を含む)、直鎖または分枝プ
ロピルメチルフェニル基(すべての置換異性体を含
む)、ジエチルフェニル基(すべての置換異性体を含
む)、エチルジメチルフェニル基(すべての置換異性体
を含む)、テトラメチルフェニル基(すべての置換異性
体を含む)などが挙げられる。
【0029】炭素数7〜10のアルキルアリール基とし
ては、具体的には例えば、ベンジル基、メチルベンジル
基(すべての置換異性体を含む)、ジメチルベンジル基
(すべての置換異性体を含む)、フェネチル基、メチル
フェネチル基(すべての置換異性体を含む)、ジメチル
フェネチル基(すべての置換異性体を含む)などが挙げ
られる。
【0030】また、炭素数1〜10のアルカノール基と
しては、具体的には例えば、ヒドロキシメチル基、ヒド
ロキシエチル基、直鎖または分枝ヒドロキシプロピル
基、直鎖または分枝ヒドロキシブチル基、直鎖または分
枝ヒドロキシペンチル基、直鎖または分枝ヒドロキシヘ
キシル基、直鎖または分枝ヒドロキシヘプチル基、直鎖
または分枝ヒドロキシオクチル基、直鎖または分枝ヒド
ロキシノニル基、直鎖または分枝ヒドロキシデシル基等
が挙げられる。
【0031】また、R5およびR6は、上記一般式(8)
で表される基であってもよい。一般式(8)において、
7は炭素数1〜4のアルキレン基を示すが、このよう
なアルキレン基としては、具体的には例えば、メチレン
基、エチレン基、プロピレン基(1−メチルエチレン
基、2−メチルエチレン基)、トリメチレン基、ブチレ
ン基(1−エチルエチレン基、2−エチルエチレン
基)、1,2−ジメチルエチレン基、2,2−ジメチル
エチレン基、1−メチルトリメチレン基、2−メチルト
リメチレン基、3−メチルトリメチレン基、テトラメチ
レン基などが挙げられる。さらにR7としては、より清
浄性に優れることから、炭素数1〜3のアルキレン基、
具体的にはメチレン基、エチレン基、プロピレン基(1
−メチルエチレン基、2−メチルエチレン基)またはト
リメチレン基が最も好ましい。
【0032】一般式(8)におけるR8は、水素、炭素
数1〜4のアルキル基を示す。炭素数1〜4のアルキル
基としては、具体的には例えば、メチル基、エチル基、
n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソ
ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基など
が挙げられる。これらの中でもR8としては、より清浄
性に優れることから水素原子または炭素数1〜3のアル
キル基が好ましく、水素原子、メチル基またはエチル基
であることがより好ましく、水素原子であることが最も
好ましい。
【0033】一般式(8)におけるR9は、水素または
炭素数1〜10の炭化水素基を示している。ここでいう
炭素数1〜10の炭化水素基としては、R1について先
に説明したものが挙げられる。
【0034】これらの中でもR9としては、より清浄性
に優れることから水素原子または炭素数1〜3のアルキ
ル基が好ましく、水素原子、メチル基またはエチル基で
あることがより好ましく、水素原子であることが最も好
ましい。
【0035】一般式(8)におけるnは1〜5である
が、より清浄性に優れることから、好ましくは1〜3、
より好ましくは1〜2の整数、最も好ましくは1であ
る。
【0036】また、一般式(8)で表される基に含まれ
るところの下記の一般式(11)で表される基は、下記
の一般式(12)で表される構成単位を1〜5個、好ま
しくは1〜3個、より好ましくは1〜2個、最も好まし
くは1個有している。
【0037】
【化11】
【化12】 (一般式(11)および(12)におけるR7、R8お
よびnは、一般式(8)におけるR7、R8およびnと
同一の基、整数を示す。)
【0038】従って、一般式(11)で表される基は、
一般式(12)で表される構成単位が以下のように結合
にして得られた基を表す。
【0039】一般式(12)で表される1種の構成単
位を結合させたもの 一般式(12)に含まれる2種以上の異なる構成単位
を、ランダムに結合させたもの、交互に結合させたもの
またはブロック結合させたもの
【0040】R5およびR6としては、より清浄性に優れ
ることから、上記した中でも水素原子または一般式
(8)で表される基であることが好ましい。
【0041】また、一般式(1)におけるmは1〜10
0の整数を示す。mはガソリン中への分散性保持、清浄
性保持の点から、1以上であることが必要であり、5以
上が好ましく、10以上がより好ましい。また、粘度上
昇によるバルブスティックや熱分解性悪化による燃焼室
デポジットへの影響の点から、100以下であることが
必要であり、50以下が好ましく、40以下がより好ま
しい。
【0042】本発明のポリブテニルアミン系化合物とし
ては、一般式(1)で表される1種のみの化合物を単独
で用いてもよく、構造の異なる2種以上の化合物の混合
物を用いてもよい。
【0043】また、本発明のポリブテニルアミン系化合
物の数平均分子量については何ら制限はないが、ガソリ
ン中への分散性保持、清浄性保持の点から、200以上
であることが好ましく、400以上であることがより好
ましく、700以上であることがさらにより好ましい。
また、粘度上昇によるバルブスティックや熱分解性悪化
による燃焼室デポジットへの影響の点から、6000以
下であることが好ましく、3000以下であることがよ
り好ましく、2400以下であることがさらにより好ま
しい。
【0044】本発明のガソリン組成物における、ポリブ
テニルアミン系化合物の含有量については何ら制限はな
いが、通常はガソリン組成物全量基準で、0.001〜
10質量%となるように選ばれる。筒内直接噴射式ガソ
リンエンジンにおける燃焼室内、特にキャビティ内の清
浄性を向上させるためには、含有量の下限値が0.00
1質量%、好ましくは0.003質量%、より好ましく
は0.005質量%、さらにより好ましくは0.01質
量%、最も好ましくは0.015質量%であることが望
ましい。また、燃料油の諸性能に悪影響を及ぼさない、
それ以上添加しても効果の向上が期待できないなどの点
から、含有量の上限値が10質量%、好ましくは5質量
%、より好ましくは4質量%、最も好ましくは3質量%
であることが望ましい。
【0045】本発明のガソリン組成物は、ベースガソリ
ンにポリブテニルアミン系化合物、必要に応じてその他
のガソリン添加剤を配合して得られるものである。
【0046】上記ベースガソリンは、任意の方法で製造
することができる。この際用いられるガソリン基材とし
ては、具体的には例えば、任意の性状を有する、原油を
常圧蒸留して得られる軽質ナフサ;接触分解法、水素化
分解法などで得られる分解ガソリン;接触改質法で得ら
れる改質ガソリン;オレフィンの重合によって得られる
重合ガソリン;イソブタンなどの炭化水素に低級オレフ
ィンを付加(アルキル化)することによって得られるア
ルキレート;軽質ナフサを異性化装置でイソパラフィン
に転化して得られる異性化ガソリン;脱n−パラフィン
油;ブタン;芳香族炭化水素化合物;プロピレンを二量
化し、続いてこれを水素化して得られるパラフィン留分
などが挙げられる。
【0047】典型的な配合例を示すと、無鉛ガソリン
は、例えば (1)改質ガソリン:0〜70容量% (2)改質ガソリンの軽質留分(沸点範囲:25〜12
0℃程度):0〜35容量% (3)改質ガソリンの重質留分(沸点範囲:110℃〜
200℃程度):0〜45容量% (4)分解ガソリン:0〜50容量% (5)分解ガソリンの軽質留分(沸点範囲:25〜90
℃程度):0〜45容量% (6)分解ガソリンの重質留分(沸点範囲:90〜20
0℃程度):0〜40容量% (7)アルキレート:0〜40容量% (8)プロピレンを二量化し、続いてこれを水素化して
得られるパラフィン留分:0〜30容量% (9)異性化ガソリン:0〜30容量% (10)MTBE:0〜15容量% (11)軽質ナフサ:0〜20容量% (12)ブタン:0〜10容量% を調合することによって得ることができる。
【0048】また、ベースガソリンを製造するにあたっ
ては、ベンゼンの含有量を低減させる必要がある場合が
ある。その際のベンゼンの低減方法は任意であるが、特
にベンゼンは改質ガソリン中に多く含まれていることか
ら、改質ガソリンの配合割合を少なくすること、および (1)改質ガソリンを蒸留してベンゼン留分を除去する (2)改質ガソリン中のベンゼンをスルホラン等の溶剤
を用いて抽出する (3)改質ガソリン中のベンゼンを他の化合物に転化す
る (A)ベンゼンを水素化しシクロヘキサン、メチルシク
ロペンタン等に転化する (B)ベンゼンおよび炭素数9以上の芳香族炭化水素化
合物とを反応させ、トルエン、キシレン、エチルベンゼ
ン等に転化する (C)ベンゼンを低級オレフィン(エチレン、プロピレ
ン等)または低級アルコール(メタノール、エタノール
等)を用いてアルキル化する (4)接触改質装置の原料として、炭素数6の炭化水素
化合物を蒸留して除去した脱硫重質ナフサを用いる (5)接触改質装置の運転条件を変更する などの方法によって、改質ガソリン中のベンゼン濃度を
低下させる処理を行い、これをガソリン基材として用い
ることなどが、好適なものとして挙げられる。
【0049】また、その他のガソリン添加剤としては、
具体的には例えばポリエーテルアミン系化合物などの一
般式(1)で表される含窒素化合物以外の清浄分散剤;
フェノール系、アミン系などの酸化防止剤;シッフ型化
合物やチオアミド型化合物などの金属不活性化剤;有機
リン系化合物などの表面着火防止剤;多価アルコールお
よびそのエーテルなどの氷結防止剤;有機酸のアルカリ
金属塩またはアルカリ土類金属塩、高級アルコール硫酸
エステルなどの助燃剤;アニオン系界面活性剤、カチオ
ン系界面活性剤、両性界面活性剤などの帯電防止剤;ア
ゾ染料などの着色剤;アルケニルコハク酸エステルなど
のさび止め剤;キリザニン、クマリンなどの識別剤;天
然精油合成香料などの着臭剤等が挙げられる。これらの
添加剤は、1種または2種以上を添加することができ、
その合計添加量はガソリン組成物全量基準で0.1質量
%以下とすることが好ましい。
【0050】また、本発明のガソリン組成物の性状、組
成については、特に規定されるものではない。しかしな
がら、通常、JIS K 2254「石油製品−蒸留試
験方法」によって測定される蒸留性状が、下記を満たす
ことが望ましい。
【0051】 10容量%留出温度(T10):35〜55℃ 30容量%留出温度(T30):55〜75℃ 50容量%留出温度(T50):75〜100℃ 70容量%留出温度(T70):100〜130℃ 90容量%留出温度(T90):110〜160℃ 蒸留終点 :130〜210℃
【0052】T10の下限値は35℃、好ましくは40℃
であることが望ましい。35℃に満たない場合はインジ
ェクタ内でガソリンコーキングを生じる可能性がある。
一方、T10の上限値は55℃、好ましくは50℃、より
好ましくは48℃であることが望ましい。55℃を超え
る場合には、低温始動性に不具合を生じる可能性があ
る。
【0053】T30の下限値は55℃、好ましくは60℃
であることが望ましい。55℃に満たない場合は高温運
転性に不具合を生じたりインジェクタ内でガソリンのコ
ーキングを生じたりする可能性がある。一方、T30の上
限値は75℃、好ましくは70℃、より好ましくは68
℃であることが望ましい。75℃を超える場合には、低
温運転性に不具合を生じる可能性がある。
【0054】T50の下限値は75℃、好ましくは80℃
であることが望ましい。75℃に満たない場合は高温運
転性に不具合を生じる可能性がある。一方、T50の上限
値は100℃、好ましくは95℃、より好ましくは93
℃であることが望ましい。100℃を超える場合には、
低温および常温運転性に不具合を生じる可能性がある。
【0055】T70の下限値は100℃であることが望ま
しい。一方、T70の上限値は130℃、好ましくは12
5℃、より好ましくは123℃、最も好ましくは120
℃であることが望ましい。130℃を越える場合は低温
および常温運転性に不具合を生じる可能性がある。
【0056】T90の下限値は110℃、好ましくは12
0℃であることが望ましい。一方、T90の上限値は、低
温および常温運転性の点から、またエンジンオイルのガ
ソリンによる希釈を低減させ、排出ガスの増加、エンジ
ンオイルの劣化およびスラッジの発生を防止することが
できるなどの点から、160℃、好ましくは150℃、
より好ましくは140℃であることが望ましい。
【0057】蒸留終点の下限値は130℃であることが
望ましい。一方、蒸留終点の上限値は、210℃、好ま
しくは200℃、より好ましくは195℃、最も好まし
くは190℃であることが望ましい。終点が210℃を
越える場合は常温運転性に不具合を生じる可能性があ
る。
【0058】また、本発明のガソリン組成物の蒸気圧に
はなんら制限はないが、インジェクタ内でのガソリンコ
ーキングの不具合が生じず、またエバポエミッションの
量が抑えられることから、蒸気圧が70kPa以下、好
ましくは65kPa以下、より好ましくは60kPa以
下、最も好ましくは55kPa以下であることが望まし
い。ここで言う蒸気圧とは、JIS K 2258「原
油及び燃料油蒸気圧試験方法(リ−ド法)」により測定
される蒸気圧(リード蒸気圧(RVP)を意味する。
【0059】本発明のガソリン組成物の密度(15℃)
にはなんら制限はないが、0.73〜0.77g/cm
3であることが望ましい。密度の下限値は0.73g/
cm3、好ましくは0.735g/cm3であり、0.7
3g/cm3に満たない場合は燃費が悪化する可能性が
ある。一方、密度の上限値は0.77g/cm3、好ま
しく は0.76 g/cm3であり、0.77g/cm3
を超える場合は加速性の悪化 やプラグのくすぶりを生
じる可能性がある。
【0060】ここで、密度とは、JIS K 2249
「原油及び石油製品の密度試験方法並びに密度・質量・
容量換算表」により測定される密度を意味する。
【0061】本発明のガソリン組成物は、四エチル鉛な
どのアルキル鉛化合物を実質的に含有しないガソリンで
あり、たとえ極微量の鉛化合物を含有する場合でも、そ
の含有量はJIS K 2255「ガソリン中の鉛分試
験方法」の適用区分下限値以下である。
【0062】本発明のガソリン組成物において、オクタ
ン価についてはなんら制限はないが、よりアンチノッキ
ング性を高めるため、リサーチ法オクタン価(RON)
が89以上、好ましくは90以上、より好ましくは9
0.5以上、最も好ましくは91以上であることが望ま
しい。また、より高速走行中のアンチノック性を高める
ために、モーター法オクタン価(MON)が80以上、
好ましくは80.5以上、最も好ましくは81以上であ
ることが望ましい。
【0063】ここで、リサーチ法オクタン価およびモ−
タ−法オクタン価とは、それぞれ、JIS K 228
0「オクタン価及びセタン価試験方法」により測定され
るリサーチ法オクタン価およびモ−タ−法オクタン価を
意味する。
【0064】本発明のガソリン組成物の飽和分、オレフ
ィン分および芳香族分の各含有量にはなんら制限はない
が、 飽和分(V(P)) :50〜100容量% オレフィン分(V(O)):0〜15容量% 芳香族分(V(Ar)) :0〜35容量% であることが望ましい。
【0065】V(P)は、インジェクタ内でのガソリン
のコーキング防止、およびプラグのくすぶりを低減させ
る、排出ガスのオゾン生成能を低く抑える、排出ガス中
のベンゼン濃度を低減させる、すすを発生させないなど
の観点から、50〜100容量%、好ましくは60〜1
00容量%、より好ましくは70〜100容量%である
ことが望ましい。
【0066】また、V(O)は、インジェクタ内でのガ
ソリンのコーキング防止の観点から、0〜15容量%、
好ましくは0〜10容量%、より好ましくは0〜7容量
%、最も好ましくは0〜5容量%であることが望まし
い。
【0067】さらに、V(Ar)は、プラグのくすぶり
を低減させる、排出ガスのオゾン生成能を低く抑える、
排出ガス中のベンゼン濃度を低減させる、すすを発生さ
せないなどの観点から、0〜35容量%、好ましくは0
〜30容量%、より好ましくは0〜25容量%、最も好
ましくは0〜20容量%であることが望ましい。
【0068】上記のV(P)、V(O)およびV(A
r)は、全てJIS K 2536「石油製品−炭化水
素タイプ試験方法」の蛍光指示薬吸着法により測定され
る値である。
【0069】また、本発明のガソリン組成物の各成分の
含有量にはなんら制限はないが、以下のような条件を満
たすことが望ましい。
【0070】(1)V(Bz):0〜1容量% (2)V(Tol):0〜30容量% (3)V(C8A):0〜20容量% (4)V(C9A):0〜5容量% (5)V(C10+A):0〜3容量% (6)V(PA)=0 または V(PA)≠0の際にV(MA)/V(PA):1以上 (7)V(C4):0〜10容量% (8)V(C5):10〜35容量% (9)V(C6):10〜30容量% (10)V(C7+p):10〜50容量% (11)V(C9+):0〜10容量%
【0071】上記のV(Bz)は、ガソリン組成物全量
基準のベンゼン含有量を示し、その値が0〜1容量%、
好ましくは0〜0.5容量%であることが望ましい。ベ
ンゼンの含有量を0〜1容量%とすることによって、排
出ガス中のベンゼン濃度を低く抑えることができる。
【0072】上記のV(Tol)およびV(C8A)は、
それぞれガソリン組成物全量基準のトルエン含有量およ
び炭素数8の芳香族炭化水素化合物含有量を示し、V
(Tol)が0〜30容量%、好ましくは0〜20容量
%、V(C8A)が0〜20容量%、好ましくは0〜15
容量%にあることが望ましい。なお、炭素数8の芳香族
炭化水素化合物には、エチルベンゼン、キシレン(全て
の置換異性体を含む)等が含まれる。
【0073】上記のV(C9A)は、ガソリン組成物全量
基準の炭素数9の芳香族炭化水素化合物含有量を示し、
排出ガスのオゾン生成能を低く抑えるために、その値は
0〜5容量%、好ましくは0〜3容量%に抑えられるこ
とが望ましい。炭素数9の芳香族炭化水素には、n−プ
ロピルベンゼン、イソプロピルベンゼン(クメン)、エ
チルメチルベンゼン(全ての置換異性体を含む)、トリ
メチルベンゼン(全ての置換異性体を含む)等が包含さ
れる。
【0074】上記のV(C10+A)は、ガソリン組成物全
量基準の炭素数10以上の芳香族炭化水素化合物含有量
を示し排出ガスのオゾン生成能を低く抑えるために、そ
の量が0〜3容量%、好ましくは0〜1容量%、より好
ましくは0容量%に抑えられることが望ましい。炭素数
10以上の芳香族炭化水素化合物には、ジエチルベンゼ
ン(全ての置換異性体を含む)、ジメチルエチルベンゼ
ン(全ての置換異性体を含む)、テトラメチルベンゼン
(全ての置換異性体を含む)、n−ブチルメチルベンゼ
ン(全ての置換異性体を含む)等が包含される。
【0075】上記のV(MA)およびV(PA)は、そ
れぞれガソリン組成物全量を基準としたモノアルキル置
換芳香族炭化水素化合物含有量(容量%)および2つ以
上のアルキル基で置換された芳香族炭化水素化合物含有
量(容量%)を示すが、本発明にあってはV(PA)が
0であるか、またはV(PA)が0でない場合は、前者
の含有量と後者の含有量の比、V(MA)/V(PA)
が1以上、好ましくは1.5以上、より好ましくは2以
上に維持されることが望ましい。
【0076】なお、上記したV(Bz)、V(To
l)、V(C8A)、V(C9A)、V (C10+A)、V
(MA)およびV(PA)は、いずれもJIS K 2
536「石油製品−炭化水素タイプ試験方法」のガスク
ロマトグラフ法で定量して得られる値である。
【0077】上記のV(C4)は、ガソリン組成物全量
を基準とした炭素数4の炭化水素化合物含有量を示す。
エバポエミッションの量をより低く抑えられる点から、
V(C4)が0〜10容量%、好ましくは0〜5容量
%、より好ましくは0〜3容量%であることが望まし
い。炭素数4の炭化水素化合物としては、n−ブタン、
2−メチルブタン(イソブタン)、1−ブテン、2−ブ
テン、2−メチルプロペン等がある。
【0078】上記のV(C5)は、ガソリン組成物全量
を基準とした炭素数5の脂肪族炭化水素化合物含有量を
示し、その下限値が10容量%、好ましくは15容量
%、上限値が35容量%、好ましくは30容量%の範囲
にあることが望ましい。炭素数5の脂肪族炭化水素化合
物の含有量を10容量%以上にすることで、常温運転性
により優れたガソリン組成物が得られる。また、これを
35容量%以下にすることで高温運転性により優れたガ
ソリン組成物が得られる。そして、インジェクタ内での
ガソリンのコーキング防止の観点から、炭素数5の脂肪
族炭化水素化合物の中の不飽和炭化水素化合物の含有量
(V(C5o))(容量%)が0であるか、あるいは炭素
数5の脂肪族炭化水素化合物の中の飽和炭化水素化合物
の含有量(V(C5p))(容量%)とV(C5o)との
比、すなわち、V(C5p)/V(C5o)が1以上、好ま
しくは1.5以上、より好ましくは2以上、最も好まし
くは3以上であることがさらに望ましい。炭素数5の飽
和脂肪族炭化水素化合物には、n−ペンタン、2−メチ
ルブタン(イソペンタン)、2,2−ジメチルプロパン
(ネオペンタン)等が包含され、同じく不飽和脂肪族炭
化水素化合物には、1−ペンテン、2−ペンテン、2−
メチル−1−ブテン、2−メチル−2−ブテン、3−メ
チル−1−ブテン等が包含される。
【0079】上記のV(C6)は、ガソリン組成物全量
を基準とした炭素数6の脂肪族炭化水素化合物の含有量
を示し、その下限値が10容量%、好ましくは15容量
%、上限値が30容量%、好ましくは25容量%の範囲
にあることが望ましい。炭素数6の脂肪族炭化水素化合
物の含有量を10容量%以上にすることで、常温運転性
により優れたガソリン組成物が得られる。また、これを
30容量%以下にすることで高温運転性により優れたガ
ソリン組成物が得られる。そして、インジェクタ内での
ガソリンのコーキング防止の観点から、炭素数6の脂肪
族炭化水素化合物の中の飽和炭化水素化合物の含有量
(V(C6o))(容量%)が0であるか、或るいは炭素
数6の脂肪族炭化水素化合物の中の飽和炭化水素化合物
の含有量(V(C6p))(容量%)とV(C6o)との
比、すなわち、V(C6p)/V (C6o)は2以上、好
ましくは3以上、より好ましくは5以上、最も好ましく
は10以上であることがさらに望ましい。炭素数6の飽
和脂肪族炭化水素化合物としては、n−ヘキサン、2−
メチルペンタン、3−メチルペンタン、2,2−ジメチ
ルブタン、2,3−ジメチルブタン等があり、同じく不
飽和脂肪族炭化水素化合物としては、1−ヘキセン、2
−ヘキセン、3−ヘキセン、2−メチル−1−ペンテ
ン、3−メチル−1−ペンテン、4−メチル−1−ペン
テン、2−メチル−2−ペンテン、3−メチル−2−ペ
ンテン、4−メチル−2−ペンテン、2,3−ジメチル
−1−ブテン、3,3−ジメチル−1−ブテン、2,3
−ジメチル−2−ブテン等がある。
【0080】上記のV(C7+p)は、ガソリン組成物全
量を基準とした炭素数7以上の飽和脂肪族炭化水素化合
物の含有量を示し、その下限値が10容量%、好ましく
は20容量%、上限値が50容量%、好ましくは45容
量%の範囲にあることが望ましい。炭素数7以上の飽和
脂肪族炭化水素化合物の含有量を10容量%以上にする
ことで、常温運転性により優れたガソリン組成物が得ら
れ、これを50容量%以下にすることで高温運転性によ
り優れたガソリン組成物が得られる。炭素数7以上の飽
和脂肪族炭化水素化合物としては、n−ヘプタン、2−
メチルヘキサン、3−メチルヘキサン、2,2−ジメチ
ルペンタン、2,3−ジメチルペンタン、2,4−ジメ
チルペンタン、3,3−ジメチルペンタン、3−エチル
ペンタン、2,2,3−トリメチルブタン等ある。
【0081】上記V(C9+)は、ガソリン組成物全量を
基準とした炭素数9以上の炭化水素化合物の含有量を示
し、低温および常温運転性の点から、またエンジンオイ
ルのガソリン希釈を低減させ、排出ガスの増加、エンジ
ンオイルの劣化およびスラッジ発生を防止できることな
どから、この値が0〜10容量%、好ましくは0〜5容
量%、より好ましくは0容量%であることが望ましい。
【0082】なお、上記したV(C4)、V(C5)、V
(C5p)、V(C5o)、V(C6)、V(C6p)、V
(C6o)、V(C7+p)およびV(C9+)は、以下に示
すガスクロマトグラフィー法により定量される値であ
る。すなわち、カラムにはメチルシリコンのキャピラリ
ーカラム、キャリアガスにはヘリウムまたは窒素を、検
出器には水素イオン化検出器(FID)を用い、カラム
長25〜50m、キャリアガス流量0.5〜1.5ml
/min、分割比1:50〜1:250、注入口温度1
50〜250℃、初期カラム温度−10〜10℃、終期
カラム温度150〜250℃、検出器温150〜250
℃の条件で測定した値である。
【0083】本発明のガソリン組成物において、含酸素
化合物の含有量はなんら制限はないが、ガソリン組成物
全量基準で酸素元素換算で0〜2.7質量%、好ましく
は0〜2.0質量%であることが望ましい。2.7質量
%を越える場合は、ガソリン組成物の燃費が悪化し、ま
た排出ガス中のNOxが増加する可能性がある。
【0084】ここで含酸素化合物とは、炭素数2〜4の
アルコール類、炭素数4〜8のエーテル類などを指す。
本発明に係るガソリン組成物に配合可能な含酸素化合物
としては、エタノール、メチルターシャリーブチルエー
テル(MTBE)、エチルターシャリーブチルエーテ
ル、ターシャリーアミルメチルエーテル(TAME)、
ターシャリーアミルエチルエーテルなどがあり、なかで
もMTBE、TAMEが好ましく、最も好ましくはMT
BEである。なお、メタノールは排出ガス中のアルデヒ
ド濃度が高くなる可能性があり、腐食性もあるので好ま
しくない。
【0085】本発明のガソリン組成物は、硫黄分含有量
になんら制限はないが、ガソリン組成物全量基準で、5
0ppm以下、好ましくは30ppm以下、より好まし
くは20ppm以下、最も好ましくは10ppm以下で
あることが望ましい。硫黄分含有量が50ppmを越え
る場合、排出ガス処理触媒の性能に悪影響を及ぼし、排
出ガス中のNOx、CO、HCの濃度が高くなる可能性
があり、またベンゼンの排出量も増加する可能性があ
る。
【0086】ここで、硫黄分とは、JIS K 254
1「原油及び石油製品−硫黄分試験方法」により測定さ
れる硫黄分を意味している。
【0087】本発明のガソリン組成物は、JIS K
2261「石油製品−自動車ガソリン及び航空燃料油−
実在ガム試験方法−噴射蒸発法」により測定した未洗実
在ガムが、20mg/100ml以下であって、洗浄実
在ガムが3mg/100ml以下、好ましくは1mg/
100ml以下であることが望ましい。未洗実在ガムお
よび洗浄実在ガムが上記の値を超えた場合は、燃料導入
系統において析出物が生成したり、吸入弁が膠着する心
配がある。
【0088】本発明のガソリン組成物の、JIS K
2279「原油及び石油製品−発熱量試験方法及び計算
による推定方法」により測定した総発熱量は、4000
0J/g以上、好ましくは45000J/g以上である
ことが望ましい。
【0089】本発明のガソリン組成物の、JIS K
2287「ガソリン酸化安定度試験方法(誘導期間
法)」によって測定した酸化安定度は、480分以上、
好ましくは1440分以上であることが望ましい。酸化
安定度が480分に満たない場合は、貯蔵中にガムが生
成する可能性がある。
【0090】本発明のガソリン組成物は、銅板腐食(5
0℃、3h)が1、好ましくは1aであることが望まし
い。銅板腐食が1を越える場合は、燃料系統の導管が腐
食する可能性がある。ここで、銅板腐食とは、JIS
K 2513「石油製品−銅板腐食試験方法」(試験温
度50℃、試験時間3時間)に準拠して測定されるもの
である。
【0091】さらに、本発明のガソリン組成物は、灯油
混入量が0〜4容量%であることが望ましい。ここで、
灯油混入量とはガソリン組成物全量基準での炭素数13
〜14の炭化水素含有量(容量%)を表し、この量は以
下に示すガスクロマトグラフィー法により定量して得ら
れるものである。すなわち、カラムにはメチルシリコン
のキャピラリーカラム、キャリアガスにはヘリウムまた
は窒素を、検出器には水素イオン化検出器(FID)を
用い、カラム長25〜50m、キャリアガス流量0.5
〜1.5ml/min、分割比1:50〜1:250、
注入口温度150〜250℃、初期カラム温度−10〜
10℃、終期カラム温度150〜250℃、検出器温1
50〜250℃の条件で測定した値である。
【0092】
【実施例】以下に本発明の実施例を説明するが、これら
実施例は本発明を限定するものではない。
【0093】まず、実施例・比較例で用いるベースガソ
リンを、接触改質ガソリン60容量部、接触分解ガソリ
ン30容量部、アルキレート10容量部を混合して調製
した。得られたベースガソリンの性状を下記に示す。
【0094】<基材ガソリン性状> リード蒸気圧:0.65kgf/cm2 比重 :0.727 沸点範囲 :30〜190℃ オクタン価 :98.1
【0095】この基材ガソリンに、下記のポリブテニル
アミン系化合物を表1に示す量配合し、本発明に係るガ
ソリン組成物を調製した。また、ポリブテニルアミン系
化合物を配合しないベースガソリンを比較例として用い
た。
【0096】化合物1:下記式で表される数平均分子量
1050の化合物
【化13】 化合物2:下記式で表される数平均分子量1050の化
合物
【化14】 化合物3:下記式で表される数平均分子量1050の化
合物
【化15】
【0097】これらの各ガソリン組成物に対して以下に
示すエンジン評価試験を行った。その結果を表1に示し
た。
【0098】<エンジン評価試験>排気量1.8Lの筒
内直接噴射式ガソリンエンジンを装備した乗用車を使用
し、10.15モードを400時間繰り返した後、10
・15モードに準拠して排出ガスを採取し、THC(T
otal HydroCarbon)排出量を測定し
た。さらに40km/h定速走行を行い、Bosch式
スモークメーターで5倍量採取してスモーク量を測定
し、その後エンジンを分解して燃焼室内デポジットの量
を測定し、基材ガソリンのみを用いた場合のTHC量、
スモーク量および燃焼室内デポジット量との差を求め
た。
【0099】
【表1】
【0100】表1のエンジン評価試験結果から明らかな
ように、本発明に係る実施例1〜3のガソリン組成物
は、筒内直接噴射方式ガソリンエンジンにおいて、いず
れも燃焼室内デポジットを低減することができる。特に
成層燃焼時に燃料が直接当たるキャビティ内のデポジッ
ト量の低減率が大きく、デポジットへの燃料の吸着等が
原因で起こる制御の乱れによると考えられるTHC量や
スモーク量の増加を抑制することができる。
フロントページの続き (72)発明者 秋本 淳 神奈川県横浜市中区千鳥町8番地 日本石 油株式会社中央技術研究所内 (72)発明者 吉田 正寛 神奈川県横浜市中区千鳥町8番地 日本石 油株式会社中央技術研究所内

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポリブテニルアミン系化合物を含有する
    筒内直接噴射式ガソリンエンジン用ガソリン組成物。
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