JP5046596B2 - ガソリン組成物の製造方法 - Google Patents

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本発明は、自動車用燃料としてのガソリンに関し、特に重質油の有効利用の観点から、重質油を軽質オレフィンが高収率で得られる条件で流動接触分解した場合に、同時に得られるガソリン留分を配合したガソリン組成物の製造方法に関する。
通常の流動接触分解(FCC)は石油系炭化水素を触媒と接触させて分解し、主生成物としてガソリン留分と少量のLPGと分解軽油等を得、さらに触媒上に堆積したコークを空気で燃焼除去して触媒を循環再使用するものである。しかしながら、最近では流動接触分解装置を化学原料としての軽質オレフィン製造装置として利用する動きがある。例えば、り、重質油を高温・短滞留時間で接触流動分解して、軽質オレフィンを高収率で得る方法が提案されている(例えば、特許文献1〜3参照。)。
このような流動接触分解装置の利用法は、石油精製と石油化学工業が高度に結びついた製油所において経済的なメリットがあり、特に化学原料としての「軽質オレフィン」と、通常の流動接触分解の主成分である「ガソリン留分」とを合わせた得率を最大とすることで、重質油の高度利用が図れる。
このため、重質油留分得率が低く、ガソリンと軽質オレフィン収率が高い改良された重質油の流動接触分解法が検討されている(例えば、特許文献1参照。)。
一方、近年ガソリン自動車の電子制御化、低排出ガスレベル化、低燃費化が進み、このような最先端のガソリン自動車の性能を十分に引き出すためには、使用するガソリンを特定の品質に保つ必要がある。したがって、重質油をガソリンと軽質オレフィンが高収率で得られる流動接触分解法で処理することにより得られるガソリン留分を用いた最先端ガソリン自動車に適合するガソリンの開発が求められている。
特開平10−46160号公報 特許第3724932号公報 特開2002−241765号公報
本発明の目的は、重質油の高度利用の観点から、軽質オレフィンが高収率で得られる流動接触分解法で重質油を処理した場合に得られるガソリン留分を配合して、低排出ガスレベルのガソリン自動車の性能を十分に引き出すガソリン組成物の製造方法を提供することにある。
本発明者らは軽質オレフィンを製造する重質油の流動接触分解法について検討すると共に、その際に得られたガソリン留分を配合したガソリン組成物の品質が、最先端のガソリン車の性能に及ぼす影響について検討を重ねた結果、ガソリン組成物の性状を特定の範囲とすることで、最先端ガソリン車の性能を十分に引き出すことができることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、反応帯域、分離帯域、ストリッピング帯域および再生帯域を有する流動接触分解装置を用いて、反応帯域出口温度570〜700℃、触媒/油比10〜100重量/重量、反応帯域での炭化水素の滞留時間が0.01〜3.0秒の条件で、超安定Y型ゼオライトを2〜60重量%含有する触媒を用いて重質油を接触分解することにより得られる留出温度範囲が25℃〜200℃の範囲内の留分を含有することを特徴とするリサーチ法オクタン価が89.0以上、モータ法オクタン価が78.0以上、硫黄分が10質量ppm以下、15℃における密度が0.700〜0.770g/cm、10%留出温度が70℃以下、50%留出温度が75〜105℃、90%留出温度が180℃以下、リード蒸気圧が44〜93kPa、芳香族分が45容量%以下、オレフィン分が35容量%以下、ベンゼン含有量が1.0容量%以下、銅板腐食が1以下、酸化安定度が480分以上のガソリン組成物の製造方法に関する。
また本発明は、炭素数5のオレフィン分の含有量が25容量%以下、炭素数6のオレフィン分の含有量が20容量%以下であることを特徴とする前記のガソリン組成物の製造方法に関する。
また本発明は、接触分解により得られる留出温度範囲が25℃〜200℃の範囲内の留分の含有量が、ガソリン組成物全量基準で10容量%以上であることを特徴とする前記のガソリン組成物の製造方法に関する。
本発明のガソリン組成物は、重質油の高度利用の観点から、重質油を軽質オレフィンとガソリンが高収率で得られる流動接触分解法で処理した際に得られるガソリン留分を含有すると共に、低排出ガスレベルの高性能ガソリン自動車の性能を十分に引き出すことができる。
以下、本発明について詳述する。
本発明で使用する流動接触分解反応装置は、反応帯域(反応器)、分離帯域(分離器)、ストリッピング帯域、および再生帯域(再生塔)を有する装置である。
本発明でいう流動接触分解とは、原料油としての重質油を、流動状態に保持されている触媒と特定運転条件下で連続的に接触させ、重質油を軽質な炭化水素に分解することである。通常の流動接触分解では反応帯域として、触媒粒子と原料油が共に管中を上昇するいわゆるライザ−反応帯域が採用されるが、本発明においては触媒/油比が通常の流動接触分解方法に比べて極端に大きいため、触媒粒子と原料油が共に管中を降下するダウンフロー形式反応帯域を採用して逆混合を避けるということも可能である。
本発明でいう反応帯域出口温度とは、流動床型反応器の出口温度のことであり、分解生成物が急冷あるいは触媒と分離される前の温度である。
反応帯域出口温度は530〜700℃であり、好ましくは550〜650℃、より好ましくは570〜650℃、さらに好ましくは580〜630℃、最も好ましくは590〜620℃である。530℃より低い温度では高い収率で軽質オレフィンを得ることができないため重質油の有効利用が図れず、700℃より高い温度では熱分解が顕著になりドライガス発生量が多くなるため好ましくない。
本発明でいう触媒/油比とは、触媒循環量(ton/h)と原料油供給速度(ton/h)の比である。本発明において触媒/油比は10〜100重量/重量であり、好ましくは10〜40重量/重量であり、より好ましくは10〜35重量/重量、さらに好ましくは15〜35重量/重量、最も好ましくは20〜30重量/重量である。本発明では短い滞留時間で接触分解反応を行うため、触媒/油比が前記範囲より小さい場合、接触分解反応が十分起こらず好ましくない。また触媒/油比が前記範囲より大きい場合、触媒循環量が大きく、再生帯域の温度が低くなり炭素質の燃焼が十分に起こらないか、または触媒再生に必要な触媒滞留時間が長くなりすぎ好ましくない。
本発明でいう反応帯域での炭化水素の滞留時間とは、触媒と原料油が接触してから分離帯域において触媒と分解生成物が分離されるまでの時間あるいは分離帯域の手前で急冷される場合は急冷されるまでの時間を示す。本発明において滞留時間は0.01〜3.0秒、好ましくは0.05〜1.0秒、より好ましくは0.1〜1.0秒、さらに好ましくは0.1〜0.8秒、さらにより好ましくは0.2〜0.7秒、最も好ましくは0.2〜0.6秒の範囲が選択される。滞留時間が前記範囲未満の場合は反応が十分進行する前に原料が反応帯域を出てしまうため好ましくない。滞留時間が前記範囲を超えるときは、分解反応に引き続いて起きる水素移行反応、過分解により、軽質オレフィンが軽質パラフィン等に転化する割合が増加するため好ましくない。
本発明で用いる原料油は主として重質油である。重質油としては、例えば直留軽油(LGO)、減圧軽油(VGO)、常圧残油、減圧残油、熱分解軽油、およびこれらを水素化精製した重質油等が例示できる。これらの重質油を単独で用いてもよいし、これら重質油の混合物あるいはこれら重質油に一部軽質油を混合したものも用いることができる。
本発明で用いる流動接触分解反応装置の操作条件のうち、上記以外については特に限定されないが、反応圧力1〜3kg/cmG(98〜294kPaゲージ圧)で好ましく運転される。
流動接触分解反応に使用する触媒は特に限定されないが、通常、石油類の流動接触分解反応に用いられる触媒粒子が使用できる。特に活性成分としての超安定Y型ゼオライトとその支持母体であるマトリックスを含む触媒が好ましく用いられる。マトリックスとしては、カオリン、モンモリロナイト、ハロイサイト、ベントナイト等の粘土類、アルミナ、シリカ、ボリア、クロミア、マグネシア、ジルコニア、チタニア、シリカ・アルミナ等の無機多孔性酸化物、およびこれらの混合物が挙げられる。触媒中の超安定Y型ゼオライト含有量は2〜60重量%、好ましくは15〜45重量%である。
前記超安定Y型ゼオライトに加えて、Y型ゼオライトよりも細孔径の小さい結晶性アルミノシリケートゼオライトあるいはシリコアルミノフォスフェート(SAPO)を含む触媒も好ましく用いることができる。このようなゼオライトあるいはSAPOとして、ZSM−5、SAPO−5、SAPO−11、SAPO−34等が例示できる。これらのゼオライトあるいはSAPOは、超安定Y型ゼオライトを含む触媒粒子中に含まれていてもよいし、別粒子に含まれていてもよい。
触媒粒子のかさ密度は0.5〜1.0g/ml、平均粒径は50〜90μm、表面積は50〜350m/g、細孔容積は0.05〜0.5ml/gの範囲であるのが好ましい。
本発明においては、流動接触分解装置における軽質オレフィンとガソリン留分を合わせた収率が50質量%以上であることが好ましく、60質量%以上であることがより好ましく、70質量%以上であることがさらに好ましい。また、ガソリン留分の収率は30質量%以上であることが好ましい。
本発明のガソリン組成物は、上記の流動接触分解により得られる留出温度範囲が25℃〜200℃の範囲内の留分を含有することを特徴とする。
すなわち、配合されるガソリン留分の温度範囲は25℃〜200℃の全般にわたるものでも良く、その一部、例えば30〜150℃の留分であっても良く、また25℃〜200℃の範囲内の任意の留分を任意の割合で混合したものであっても良い。
本発明のガソリン組成物は、前記の重質油の流動接触分解により得られる留出温度範囲が25℃〜200℃の範囲内の留分をガソリン基材に配合することにより得られる。
本発明のガソリン組成物に用いるガソリン基材は、従来公知の任意の方法で製造される公知のガソリン基材を用いることができる。例えば、原油を常圧蒸留して得られる軽質ナフサ、重質ナフサ、重質ナフサを脱硫処理して得られる脱硫重質ナフサ、本発明で必要な方法以外の条件で処理した接触分解法で得られる接触分解ガソリン(沸点範囲により分けられるホールレンジ接触分解ガソリン(沸点範囲:25〜220℃)、軽質接触分解ガソリン(沸点範囲:20〜120℃)、重質接触分解ガソリン(沸点範囲:70〜200℃)を含む)、水素化分解法で得られる水素化分解ガソリン、接触改質法で得られる改質ガソリン(沸点範囲により分けられるホールレンジ改質ガソリン(沸点範囲:30〜200℃)、軽質改質ガソリン(沸点範囲:20〜100℃)、中質改質ガソリン(沸点範囲:60〜180℃)、重質改質ガソリン(沸点範囲:140〜275℃)、各改質ガソリンの2種類以上の混合物も含む)、改質ガソリンより芳香族分を抽出した残分であるラフィネート、オレフィン分の重合によって得られる重合ガソリン、イソブタンなどの炭化水素に低級オレフィンを付加(アルキル化)することによって得られるアルキレート、軽質ナフサを異性化装置でイソパラフィンに転化して得られる異性化ガソリン、脱ノルマルパラフィン油、ブタン、芳香族炭化水素化合物、プロピレンを二量化し、続いてこれを水素化して得られるパラフィン留分、天然ガス等を一酸化炭素と水素に分解した後にF−T(Fischer−Tropsch)合成で得られるGTL(Gas to Liquids)の軽質留分等の基材を1種又は2種以上を混合することにより製造されるガソリン基材を挙げることができる。
本発明のガソリン組成物のリサーチ法オクタン価(RON)はノッキングを防止し、運転性を向上させる観点から、89.0以上であることが必要であり、好ましくは94.0以上であり、特にプレミアムガソリン仕様車に本発明のガソリン組成物を使用する場合は、該自動車の性能を最大限引き出すために、さらに好ましくは97.0以上であり、最も好ましくは98.0以上である。また、高速における耐ノッキング性能の悪化を防止する観点から、モータ法オクタン価(MON)は78.0以上であることが必要であり、80.0以上がより好ましく、85.0以上がさらに好ましい。
ここでいうリサーチ法オクタン価(RON)およびモータ法オクタン価(MON)とは、JIS K 2280「オクタン価及びセタン価試験方法」により測定されるリサーチ法オクタン価およびモータ法オクタン価を意味する。
本発明のガソリン組成物の硫黄分は10質量ppm以下であることが必要であり、好ましくは8質量ppm以下、より好ましくは5質量ppm以下である。硫黄分が10質量ppmを越える場合、排出ガス処理触媒の性能に悪影響を及ぼし、排出ガス中のNOx、CO、HCの濃度が高くなるおそれがあり、またベンゼンの排出量も増加するおそれがあり好ましくない。
ここでいう硫黄分とは、JIS K 2541「原油及び石油製品−硫黄分試験方法」により測定される値(質量ppm)を意味する。
本発明のガソリン組成物の15℃における密度は、0.700〜0.770g/cmであることが必要である。15℃における密度が前記範囲に満たない場合は燃費が悪化するおそれがあり、一方、前記範囲を超える場合は加速性の悪化やプラグのくすぶりを生じるおそれがある。かかる理由から、15℃における密度は0.720g/cm以上が好ましく、0.725g/cm以上がより好ましく、0.730g/cm以上がさらに好ましく、0.735g/cm以上が特に好ましい。また0.765g/cm以下が好ましく、0.760g/cm以下がより好ましい。
ここでいう15℃における密度とは、JIS K 2249「原油及び石油製品の密度試験方法並びに密度・質量・容量換算表」により測定される値(g/cm)を意味する。
本発明のガソリン組成物の10容量%留出温度(T10)は、70℃以下であることが必要であり、好ましくは60℃以下である。T10が70℃を超える場合には、低温始動性が低下するおそれがある。一方、T10は、好ましくは35℃以上、より好ましくは40℃以上である。T10が35℃に満たない場合は排出ガス中の炭化水素が増加するおそれがあり、また、ベーパーロックにより高温運転性が低下するおそれがある。
本発明のガソリン組成物の50容量%留出温度(T50)は、燃費の悪化を防止する観点から、75℃以上であることが必要であり、80℃以上が好ましい。一方、常温運転性の悪化を防止する観点から、105℃以下であることが必要であり、好ましくは100℃以下、より好ましくは95℃以下である。
本発明のガソリン組成物の90容量%留出温度(T90)は、冷機時の低温及び常温運転性の悪化、エンジンオイルのガソリンによる希釈の増加、炭化水素排出ガスの増加、エンジンオイルの劣化及びスラッジの発生等の現象を防止できる観点から、180℃以下であることが必要であり、好ましくは170℃以下、より好ましくは165℃以下である。
本発明のガソリン組成物の他の蒸留性状は、特に限定されるものではないが、下記の通りであることが好ましい。
蒸留初留点(IBP):20〜37℃
30容量%留出温度(T30):50〜77℃
70容量%留出温度(T70):135℃以下
蒸留終点(EP):215℃以下
IBPは、好ましくは20℃以上、より好ましくは23℃以上である。IBPが20℃に満たない場合は排出ガス中の炭化水素が増加するおそれがある。一方、IBPは、好ましくは37℃以下、より好ましくは35℃以下である。IBPが37℃を超える場合には、低温運転性が低下するおそれがある。
T30は、好ましくは50℃以上、より好ましくは55℃以上である。T30が50℃に満たない場合は燃費が低下するおそれがある。一方、T30は、好ましくは77℃以下、より好ましくは75℃以下、さらに好ましくは72℃以下である。T30が77℃を超える場合には、中低温運転性が低下するおそれがある。
T70は、好ましくは135℃以下、より好ましくは130℃以下である。T70が135℃を超える場合は冷機時の中低温運転性が低下するおそれがあり、また、排出ガス中の炭化水素の増加、吸気バルブデポジットの増加、燃焼室デポジットが増加するおそれがある。
EPは、好ましくは215℃以下、より好ましくは200℃以下、さらに好ましくは195℃以下である。EPが215℃を超えると、吸気弁デポジットや燃焼室デポジットが増加するおそれがあり、また、点火プラグのくすぶりが発生するおそれがある。
ここでいうIBP、T10、T30、T50、T70、T90、EPとは、JIS K2254「石油製品−蒸留試験方法−常圧法」により測定される値(℃)を意味する。
本発明のガソリン組成物のリード蒸気圧(RVP)は、44kPa以上93kPa以下であることが必要である。また、本発明のガソリンは使用される季節や地域によって調整することが好ましい。具体的には、暖かい季節・地域向けには、44〜72kPaが好ましく、44〜65kPaがより好ましく、50〜65kPaがさらに好ましく、55〜65kPaが最も好ましい。一方、寒い季節・地域向けには、60〜93kPaが好ましく、65〜93kPaがより好ましく、70〜93kPaがさらに好ましく、70〜88kPaが最も好ましい。RVPが高いと、ベーパーロックなどによる運転性の不具合が生じる可能性があり、RVPが低いと冷機状態の始動性が悪化する可能性がある。
ここでいうリード蒸気圧(RVP)とは、JIS K 2258「原油及び燃料油蒸気圧試験方法(リード法)」により測定される37.8℃におけるリード蒸気圧の値(kPa)を指す。
本発明のガソリン組成物中の芳香族分は45容量%以下であることが必要であり、好ましくは20〜45容量%であり、より好ましくは25容量%以上、42容量%以下、さらに好ましくは40容量%以下である。芳香族分が45容量%を越えると、吸気弁デポジット、燃焼室デポジットが増加するおそれがあり、また、点火プラグのくすぶりが発生するおそれがある。また、排出ガス中のベンゼン濃度が増加するおそれがある。一方、芳香族分が20容量%を下回る場合には燃費が悪化するおそれがある。
本発明のガソリン組成物中のオレフィン分は35容量%以下であることが必要であり、30容量%以下であることが好ましく、25容量%以下であることがより好ましい。オレフィン分が35容量%を超えると、ガソリンの酸化安定性を悪化させ、吸気バルブデポジットを増加させるおそれがある。
ここでいう芳香族分、オレフィン分とは、JIS K 2536「石油製品-成分試験方法−蛍光指示薬吸着法」により測定されるガソリン中の芳香族分含有量(容量%)、オレフィン分含有量(容量%)を意味する。
本発明のガソリン組成物中のベンゼン含有量は1.0容量%以下であることが必要であり、0.8容量%以下であることが好ましく、0.6容量%以下であることがさらに好ましく、0.5容量%以下であることが特に好ましい。ベンゼン含有量が1.0容量%を越えると排出ガス中のベンゼン濃度が高くなるおそれがある。
ここでいうベンゼン含有量は、JIS K 2536「石油製品-成分試験方法−ガスクロによる芳香族試験方法」により測定されるベンゼン含有量(容量%)を意味する。
本発明のガソリン組成物は、銅板腐食(50℃、3h)が1以下であることが必要であり、1aであるのが好ましい。銅板腐食が1を越える場合は、燃料系統の導管が腐食するおそれがある。
ここでいう銅板腐食とは、JIS K 2513「石油製品−銅板腐食試験方法」(試験温度50℃、試験時間3時間)に準拠して測定した値を意味する。
本発明のガソリン組成物の酸化安定度は、480分以上であることが必要であり、600分以上であることが好ましく、720分以上であることがより好ましく、960分以上であることがさらに好ましく、1440分以上であることが最も好ましい。酸化安定度が480分に満たない場合は、貯蔵中にガムが生成するおそれがある。
ここでいう酸化安定度とは、JIS K 2287「ガソリン酸化安定度試験方法(誘導期間法)」によって測定した値(分)を意味する。
本発明のガソリン組成物中の炭素数5のオレフィン分の含有量は25容量%以下であることが好ましく、より好ましくは20容量%以下、さらに好ましくは15容量%以下である。炭素数5のオレフィン分の含有量が25容量%を超える場合は、ガソリンの酸化安定性を悪化させるおそれがあり、また高速における耐ノッキング性能を悪化させる懸念があるため好ましくない。また、本発明のガソリン組成物中の炭素数5のオレフィン分の含有量は、軽質留分のRONを向上させるとの観点から、3容量%以上であることが好ましく、5容量%以上がより好ましい。
本発明のガソリン組成物中の炭素数6のオレフィン分の含有量は20容量%以下であることが好ましく、より好ましくは15容量%以下、さらに好ましくは10容量%以下である。炭素数6のオレフィン分の含有量が20容量%を超える場合は、ガソリンの酸化安定性を悪化させるおそれがあり、また高速における耐ノッキング性能を悪化させる懸念があるため好ましくない。また、本発明のガソリン組成物中の炭素数6のオレフィン分の含有量は、軽質留分のRONを向上させるとの観点から、3容量%以上であることが好ましい。
本発明のガソリン組成物における、流動接触分解により得られる留出温度範囲が25℃〜200℃の範囲内の留分の含有量は、重質油の高度利用の観点から、ガソリン全量に対して10容量%以上が好ましく、12容量%以上がより好ましく、15容量%以上がさらに好ましく、20容量%以上が特に好ましい。また、上限は特に限定されるものではないが、80容量%以下が好ましく、75容量%以下がより好ましく、70容量%以下がさらに好ましい。ガソリン全量に対する25℃〜200℃の範囲内の留分の含有割合が80容量%を超える場合は、酸化安定性を悪化させる懸念等があるため好ましくない。
本発明のガソリン組成物は、含酸素化合物を含有することが出来る。含酸素化合物の含有量は、ガソリン組成物全量基準で、酸素原子換算で3.8質量%以下が好ましく、2.7質量%以下がより好ましく、2.0質量%以下がさらに好ましく、1.5質量%以下がさらにより好ましく、1.3質量%以下が最も好ましい。含酸素化合物の含有量が3.8質量%を越える場合は、排出ガス中のNOxが増加するおそれがある。
含酸素化合物としては、例えば、炭素数2〜4のアルコール類、炭素数4〜8のエーテル類などが挙げられる。具体的には、エタノール、メチル−tert−ブチルエーテル(MTBE)、エチル−tert−ブチルエーテル(ETBE)、tert−アミルメチルエーテル(TAME)、tert−アミルエチルエーテルなどを挙げることができる。なかでもエタノール、MTBE、ETBEが好ましい。前記含酸素化合物の製造方法は特に限定されるものではなく、既存の種々の方法で製造することができるが、製造時の二酸化炭素排出量など環境への影響を考慮すると、含酸素化合物はバイオマス由来の原料より製造されることが好ましい。具体的には、サトウキビ、小麦、ビート、トウモロコシ等のデンプン主体の糖質成分、または間伐材、ウッドチップ、建築廃材等の木質系原料、食品工場系廃棄物、農業系廃棄物(稲わら、もみがら、小麦わら、パルプ等)などの繊維質系のヘミセミロース、セミロース主体成分を酵母で発酵させることによりエタノール(バイオマス由来のエタノール)を製造する(アルコール発酵法)方法が挙げられる。また、前記バイオマス由来のエタノールと製油所の流動接触分解装置(FCC)等やエチレンプラントにおける水蒸気分解装置(スチームクラッカー)等から発生する混合ブチレンから分離して得られるイソブチレンとを反応させてETBEを製造する方法を挙げることができる。以上のように、含酸素化合物としては、製造時の二酸化炭素排出量など環境への影響の観点から、バイオマス由来のエタノール、バイオマス由来のエタノールを原料として製造したETBEを使用することが好ましく、ガソリンとの相溶性の点で問題の少ないETBEの使用が特に好ましい。なお、メタノールは排出ガス中のアルデヒド濃度が高くなるおそれがあり、腐食性もあるので、JIS K 2536「石油製品−成分試験方法」の規定により試験したときに検出されない(0.5容量%以下)ことが好ましい。
本発明のガソリン組成物の未洗実在ガム量は、特に限定されるものではないが、20mg/100mL以下であることが好ましく、18mg/100mL以下がより好ましい。また洗浄実在ガム量は、3mg/100mL以下であることが好ましく、1mg/100mL以下であることがより好ましい。未洗実在ガム量および洗浄実在ガム量が上記の値を超えた場合は、燃料導入系統において析出物が生成したり、吸入バルブが膠着するおそれがある。
ここでいう未洗実在ガム量および洗浄実在ガム量とは、JIS K 2261「石油製品−自動車ガソリン及び航空燃料油−実在ガム試験方法−噴射蒸発法」により測定した値(mg/100mL)を意味する。
本発明のガソリン組成物中の灯油混入量は4容量%以下であることが望ましい。灯油混入量が4容量%を越えると、エンジンの始動性が悪化する可能性がある。
ここで、灯油混入量とはガソリン組成物全量基準で炭素数13及び14のノルマルパラフィン炭化水素の含有量で判定し、JIS K 2536「石油製品−成分試験方法」の規定によって得られる灯油の換算値が4容量%以下であることを意味する。
本発明のガソリン組成物の鉛分は排出ガス浄化システムを保護する観点から、検出されないことが好ましく、四エチル鉛等のアルキル鉛化合物を実質的に含有しないことが好ましい。たとえ極微量の鉛化合物を含有する場合であっても、その含有量はJIS K 2255「ガソリン中の鉛分試験方法」の適用区分下限値以下(0.001g/L以下)である。
本発明のガソリン組成物中のマンガンの含有量は、2質量ppm以下であることが好ましく、1質量ppm以下がより好ましい。本発明のガソリン組成物中の鉄の含有量は2質量ppm以下であることが好ましく、1質量ppm以下がより好ましい。本発明のガソリン組成物中のナトリウムの含有量は2質量ppm以下であることが好ましく、1質量ppm以下がより好ましい。本発明のガソリン組成物中のカリウムの含有量は2質量ppm以下であることが好ましく、1質量ppm以下がより好ましい。本発明のガソリン組成物中のリンの含有量は2質量ppm以下であることが好ましく、1質量ppm以下がより好ましく、0.2質量ppm以下がさらに好ましい。マンガン、鉄、ナトリウム、カリウム、リンの含有量が上述の値を超えると、排出ガス浄化触媒上への蓄積量の増加、触媒担体の劣化、空燃比センサの劣化等により排出ガス浄化システムの効率を低下させる恐れがある。
ここでいうマンガン、鉄、ナトリウムの含有量は「燃焼灰化−誘導結合プラズマ発光法」、カリウムの含有量は「燃焼灰化−原子吸光法」、リンの含有量はASTM D3231”Standard Test Method for Phosphorus in Gasoline”により測定される値である。
なお、「燃焼灰化−誘導結合プラズマ発光法」、「燃焼灰化−原子吸光法」の測定法は以下のとおりである。
(1)試料20gを白金皿に採取する。
(2)成分元素の揮散を抑えるために粉末硫黄0.4gを加え、サンドバス上で150℃で時間おき、揮発分を除く。
(3)残留分を燃焼させる。
(4)500℃の電気炉で2〜3時間灰化する。
(5)2〜3mLの濃硫酸で溶解し、20mLに定容する。
(6)マンガン、鉄、ナトリウムの含有量は誘導結合プラズマ発光分光分析計(島津製作所社製、ICPS−8000)、リンの含有量は原子吸光光度計(日立製作所社製、Z6100)を用いて分析する。
本発明のガソリン組成物は、貯蔵安定性のために、酸化防止剤及び金属不活性化剤を含有していることが好ましい。具体的には、酸化防止剤としては、N,N’−ジイソプロピル−p−フェニレンジアミンやN,N’−ジイソブチル−p−フェニレンジアミン等のフェニレンジアミン系、及び2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノールに代表されるヒンダードフェノール類等のアルキルフェノール系等の酸化防止剤として公知の化合物を用いることができ、金属不活性化剤としては、N,N’−ジサリチリデン−1,2−ジアミノプロパンのようなアミンカルボニル縮合化合物等の金属不活性化剤として公知の化合物を用いることができる。
酸化防止剤や金属不活性化剤の添加量には特に制限はないが、本発明に必要な酸化安定度が得られる値とし、他の添加剤を含めた添加後のガソリン組成物の未洗実在ガム量が前述の好ましい値となるようにするのが良い。具体的には、酸化防止剤は5〜100mg/lが好ましく、10〜50mg/lがより好ましい。また、金属不活性化剤は、0.5〜10mg/lが好ましく、1〜5mg/lがより好ましい。
本発明のガソリン組成物は、吸気バルブ等のデポジットの堆積防止のために、清浄分散剤を含有することができる。清浄分散剤としては、コハク酸イミド、ポリアルキルアミン、ポリエーテルアミンなどのガソリン清浄分散剤として公知の化合物を用いることができる。これらの中でも空気中300℃で熱分解を行った場合にその残分が無いものが望ましい。より好ましくはポリイソブテニルアミン及び/またはポリエーテルアミンを使用するのが良い。
清浄分散剤を添加する場合の添加量は、本発明のガソリン組成物1リットル当たり、25〜1000mgであることが好ましく、吸気バルブデポジットを防止し、燃焼室デポジットをより低減させる点から、50〜500mgがさらに好ましく、100〜300mgが最も好ましい。なお、清浄分散剤は、清浄性に寄与する有効成分が適当な溶剤で希釈されていることがあるが、こうした場合、上記の添加量は、有効成分としての添加量を意味している。
本発明のガソリン組成物は、潤滑性を向上させるため、摩擦調整剤を含有することができる。主な摩擦調整剤としては、例えば、アルコール;ヒドロキシル基を1〜4個有する炭素数1〜30のアルコール化合物;カルボン酸;モノカルボン酸と、グリコール又は3価アルコールとの反応物であるヒドロキシル基含有エステル;ポリカルボン酸と多価アルコールとのエステル;>NR(Rは炭素原子数5〜40の炭化水素基である)を含む組成を示し、1以上の置換基を有する少なくとも1個の窒素化合物とを組み合わせた多価アルコールのエステル;カルボン酸とアルコールアミンとのアミド化合物等が挙げられる。これらは、単独又は混合物として用いることができる。これらのうちでは、炭素数10〜25のモノカルボン酸と、グリコール又は3価アルコールとの反応物であるヒドロキシル基含有エステル及び/又は炭素数5〜25のカルボン酸とアルコールアミンとのアミド化合物がより好ましく、炭素数10〜25のモノカルボン酸とグリセリンエステル及び/又は炭素数5〜25のモノカルボン酸とジエタノールアミンとのアミド化合物がさらに好ましい。
摩擦調整剤の添加量は特に制限はないが、他の添加剤と合わせて添加後のガソリン組成物の未洗実在ガム量が前述の好ましい範囲を満たすように添加するのが良い。また、十分な燃費及び出力改善効果を発揮させ、一方、それ以上添加しても効果の向上が期待できない等の観点から、本発明のガソリン組成物1リットル当たり、好ましくは10〜300mg、より好ましくは30〜250mgの含有割合となるように添加するのが良い。
なお、摩擦調整剤と称して市販されている商品は、耐摩耗性に寄与する有効成分が適当な溶剤で希釈されていることがあるため、こうした市販品を本発明のガソリン組成物に添加する場合にあたっては、上記の添加量は、有効成分としての添加量を意味している。
本発明のガソリン組成物に添加することができるその他の燃料油添加剤としては、有機リン系化合物などの表面着火防止剤、多価アルコールあるいはそのエーテルなどの氷結防止剤、有機酸のアルカリ金属塩またはアルカリ土類金属塩、高級アルコール硫酸エステルなどの助燃剤、アニオン系界面活性剤、カチオン系界面活性剤、両性界面活性剤などの帯電防止剤、アゾ染料などの着色剤、有機カルボン酸あるいはそれらの誘導体類、アルケニルコハク酸エステル等の防錆剤、ソルビタンエステル類等の水抜き剤、キリザニン、クマリンなどの識別剤、天然精油合成香料などの着臭剤等が挙げられる。
これらの添加剤は、1種または2種以上を添加することができ、その合計添加量はガソリン組成物全量基準で0.1質量%以下とすることが好ましい。
以下に実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例によって制限されるものではない。
(実施例1〜5)
反応帯域、分離帯域、ストリッピング帯域および再生帯域を有する流動接触分解装置を用いて、表1に示す条件で重質油を接触分解することにより、留出温度範囲が25℃〜200℃の範囲内の軽質接触分解ガソリン、重質接触分解ガソリンおよび接触分解ガソリンを得た。
これらの軽質接触分解ガソリン、重質接触分解ガソリンおよび接触分解ガソリンを用い、アルキレートガソリン、軽質改質ガソリン、軽中質改質ガソリン、中重質改質ガソリン、重質改質ガソリン、ETBE、ブタン、およびラフィネートと混合し、表2に示すガソリン組成物を得た。
(性状測定)
実施例のガソリンの性状は以下の方法により測定した。
リサーチ法オクタン価(RON)およびモーター法オクタン価(MON)は、JIS K 2280「オクタン価及びセタン価試験方法」により測定されるリサーチ法オクタン価およびモーター法オクタン価による値である。
密度(@15℃)は、JIS K 2249「原油及び石油製品の密度試験方法並びに密度・質量・容量換算表」により測定した。
蒸留性状(IBP、T10、T30、T50、T70、T90、EP)は、全てJIS K 2254「石油製品−蒸留試験方法−常圧法」により測定した。
リード蒸気圧(@37.8℃)は、JIS K 2258「原油及び燃料油蒸気圧試験方法(リード法)」により測定した。
芳香族分及びオレフィン分は、JIS K 2536「石油製品-成分試験方法−蛍光指示薬吸着法」により測定した。
硫黄分は、JIS K 2541「原油及び石油製品−硫黄分試験方法」により測定した。
ベンゼンは、JIS K 2536「石油製品-成分試験方法−ガスクロによる芳香族試験方法」により測定した。
銅板腐食は、JIS K 2513「石油製品−銅板腐食試験方法」(試験温度50℃、試験時間3時間)に準拠して測定した。
酸化安定度は、JIS K 2287「ガソリン酸化安定度試験方法(誘導期法)」によって測定した。 炭素数5のオレフィン分および炭素数6のオレフィン分は、石油学会規格JPI−5S−52−99「ガソリン−全組成分析法−キャピラリーカラムクロマトグラフ法」に準拠して測定した。
(試験)
実施例1〜5のガソリンについて、低排出ガスレベルの最先端ガソリン車である以下の試験車両を用いて、加速試験、排出ガス試験、燃費試験を実施した。
試験車両諸元
:エンジン 直列4気筒、排気量2499cc、噴射方式(筒内直接噴射式)
:オートマチックトランスミッション
:後輪駆動
:プレミアムガソリン仕様
(加速性試験)
環境温度25℃、環境湿度50%に保持したシャーシダイナモメータ上で、上記の試験車両を使用し、加速性試験を実施した。試験は試験車両を十分に暖機走行させた後、Dレンジ(ODはオン)で50km/hから110km/hまでの全開加速を10回行い、60km/hから100km/hに達するまでの所要時間を測定し、最初の3回を除いた7回の所要時間の平均値を加速時間と定義した。
(排出ガス試験)
排出ガス試験は、上記諸元の試験車両を用いて、国土交通省によるガソリン自動車10・15モード排出ガス試験および11モード排出ガス試験の測定の技術基準に従って、排出ガス中に含まれる一酸化炭素(CO)、全炭化水素(THC)および窒素酸化物(NOx)の計測し、得られた10・15モードと11モードの各成分の値を、以下の式によりに計算して、各成分の排出量とした。
11モードの値×0.12+10・15モードの値×0.88
(燃費試験)
燃費試験は、上記の試験車両を用いて、国土交通省によるガソリン自動車10・15モード燃費試験の測定の技術基準に従って実施した。
試験結果を表2に示す。実施例1〜5のガソリンはいずれも良好な加速性を示した。また、排出ガス中のCO、THC、NOxはいずれも極めて低いレベルであり、燃費も良好な値が得られた。以上から、実施例1〜5のガソリンはいずれも低排出ガスレベルの最先端ガソリン自動車の性能を十分に引き出すことができることが分かる。

Claims (3)

  1. 反応帯域、分離帯域、ストリッピング帯域および再生帯域を有する流動接触分解装置を用いて、反応帯域出口温度570〜700℃、触媒/油比10〜100重量/重量、反応帯域での炭化水素の滞留時間が0.01〜3.0秒の条件で、超安定Y型ゼオライトを2〜60重量%含有する触媒を用いて重質油を接触分解することにより得られる留出温度範囲が25℃〜200℃の範囲内の留分を含有することを特徴とするリサーチ法オクタン価が89.0以上、モータ法オクタン価が78.0以上、硫黄分が10質量ppm以下、15℃における密度が0.700〜0.770g/cm、10%留出温度が70℃以下、50%留出温度が75〜105℃、90%留出温度が180℃以下、リード蒸気圧が44〜93kPa、芳香族分が45容量%以下、オレフィン分が35容量%以下、ベンゼン含有量が1.0容量%以下、銅板腐食が1以下、酸化安定度が480分以上のガソリン組成物の製造方法
  2. 炭素数5のオレフィン分の含有量が25容量%以下、炭素数6のオレフィン分の含有量が20容量%以下であることを特徴とする請求項1に記載のガソリン組成物の製造方法
  3. 接触分解により得られる留出温度範囲が25℃〜200℃の範囲内の留分の含有量が、ガソリン組成物全量基準で10容量%以上であることを特徴とする請求項1または2に記載のガソリン組成物の製造方法
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