JP3781270B2 - 半導体集積回路装置 - Google Patents
半導体集積回路装置 Download PDFInfo
- Publication number
- JP3781270B2 JP3781270B2 JP2000619033A JP2000619033A JP3781270B2 JP 3781270 B2 JP3781270 B2 JP 3781270B2 JP 2000619033 A JP2000619033 A JP 2000619033A JP 2000619033 A JP2000619033 A JP 2000619033A JP 3781270 B2 JP3781270 B2 JP 3781270B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- voltage
- data line
- write
- read
- mosfet
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Fee Related
Links
Images
Classifications
-
- G—PHYSICS
- G11—INFORMATION STORAGE
- G11C—STATIC STORES
- G11C11/00—Digital stores characterised by the use of particular electric or magnetic storage elements; Storage elements therefor
- G11C11/21—Digital stores characterised by the use of particular electric or magnetic storage elements; Storage elements therefor using electric elements
- G11C11/34—Digital stores characterised by the use of particular electric or magnetic storage elements; Storage elements therefor using electric elements using semiconductor devices
-
- G—PHYSICS
- G11—INFORMATION STORAGE
- G11C—STATIC STORES
- G11C11/00—Digital stores characterised by the use of particular electric or magnetic storage elements; Storage elements therefor
- G11C11/21—Digital stores characterised by the use of particular electric or magnetic storage elements; Storage elements therefor using electric elements
- G11C11/34—Digital stores characterised by the use of particular electric or magnetic storage elements; Storage elements therefor using electric elements using semiconductor devices
- G11C11/40—Digital stores characterised by the use of particular electric or magnetic storage elements; Storage elements therefor using electric elements using semiconductor devices using transistors
- G11C11/401—Digital stores characterised by the use of particular electric or magnetic storage elements; Storage elements therefor using electric elements using semiconductor devices using transistors forming cells needing refreshing or charge regeneration, i.e. dynamic cells
- G11C11/403—Digital stores characterised by the use of particular electric or magnetic storage elements; Storage elements therefor using electric elements using semiconductor devices using transistors forming cells needing refreshing or charge regeneration, i.e. dynamic cells with charge regeneration common to a multiplicity of memory cells, i.e. external refresh
- G11C11/405—Digital stores characterised by the use of particular electric or magnetic storage elements; Storage elements therefor using electric elements using semiconductor devices using transistors forming cells needing refreshing or charge regeneration, i.e. dynamic cells with charge regeneration common to a multiplicity of memory cells, i.e. external refresh with three charge-transfer gates, e.g. MOS transistors, per cell
-
- G—PHYSICS
- G11—INFORMATION STORAGE
- G11C—STATIC STORES
- G11C11/00—Digital stores characterised by the use of particular electric or magnetic storage elements; Storage elements therefor
- G11C11/21—Digital stores characterised by the use of particular electric or magnetic storage elements; Storage elements therefor using electric elements
- G11C11/34—Digital stores characterised by the use of particular electric or magnetic storage elements; Storage elements therefor using electric elements using semiconductor devices
- G11C11/40—Digital stores characterised by the use of particular electric or magnetic storage elements; Storage elements therefor using electric elements using semiconductor devices using transistors
- G11C11/401—Digital stores characterised by the use of particular electric or magnetic storage elements; Storage elements therefor using electric elements using semiconductor devices using transistors forming cells needing refreshing or charge regeneration, i.e. dynamic cells
- G11C11/4063—Auxiliary circuits, e.g. for addressing, decoding, driving, writing, sensing or timing
- G11C11/407—Auxiliary circuits, e.g. for addressing, decoding, driving, writing, sensing or timing for memory cells of the field-effect type
- G11C11/4076—Timing circuits
-
- G—PHYSICS
- G11—INFORMATION STORAGE
- G11C—STATIC STORES
- G11C2207/00—Indexing scheme relating to arrangements for writing information into, or reading information out from, a digital store
- G11C2207/22—Control and timing of internal memory operations
- G11C2207/2281—Timing of a read operation
-
- G—PHYSICS
- G11—INFORMATION STORAGE
- G11C—STATIC STORES
- G11C2207/00—Indexing scheme relating to arrangements for writing information into, or reading information out from, a digital store
- G11C2207/22—Control and timing of internal memory operations
- G11C2207/229—Timing of a write operation
Landscapes
- Engineering & Computer Science (AREA)
- Microelectronics & Electronic Packaging (AREA)
- Computer Hardware Design (AREA)
- Dram (AREA)
Description
技術分野
この発明は、半導体集積回路装置に関し、高信頼、大容量半導体メモリ回路を備えたものに利用して有効な技術に関するものである。
背景技術
半導体メモリには大別してRAM(ランダムアクセスメモリ)とROM(リードオンメモリ)がある。なかでも計算機の主記憶として最も大量に使われるのはダイナミックRAM(DRAM)である。記憶を蓄えるメモリセルは、一つの蓄積静電容量(キャパシタ)とそれに電荷を蓄え読み出すトランジスタから構成される。このメモリはRAMとして最小の構成要素で実現されるため、大規模化に適している。従って相対的に安価で大量に生産されてきた。
しかし、DRAMの問題点は動作が不安定になり易いことである。最も大きな不安定要因はメモリセル自体に増幅作用がなく、したがってメモリセルからの読み出し信号電圧が小さく、メモリセルの動作が各種の雑音の影響を受け易いことである。さらにはメモリセル内に存在するpn接合(リーク)電流によってキャパシタに蓄えられた情報電荷は消失してしまう。そこで消失する前にメモリセルを周期的にリフレッシュ(再生書きこみ)動作をさせて記憶情報を保持させる。この周期はリフレッシュ時間と称し、現状では100ms程度であるが、記憶容量が増大するにつれてますま長くする必要がある。すなわちリーク電流を抑える必要があるが、これは素子の微細化とともにますます困難になってきている。
これを解決するメモリは、ROM特にフラッシュメモリである。フラッシュメモリはよく知られているように、DRAMセルと同等以上に小形で、メモリセル内に利得があるので本質的に信号電圧は大きく、したがって動作は安定である。また絶縁膜で囲まれた蓄積ノードに記憶電荷を蓄えるので、DRAMのようにpn接合電流はなくリフレッシュ動作は不要である。しかし、蓄積ノードに微弱なトンネル電流を流して電荷を蓄えるので書きこみ時間が極端に長い。また、書き込みを繰り返すと絶縁膜に強制的に電流を流すことになり、徐々に絶縁膜が劣化し最終的には絶縁膜は導電膜となって記憶を保持できなくなる。
したがって、製品では10万回に書き込みを制御することが一般的である。つまりフラッシュメモリをRAMとして用いることはできない。このようにDRAMとフラッシュメモリはともに大容量メモリではあるが、それぞれ長所と短所があり、それぞれの特徴を活かして使い分けなければならない。
情報電圧をゲートに蓄える蓄積MOSFETと、上記ゲートに情報電圧を書き込む書き込み用MOSFETを備えた、いわゆる3トランジスタセルが、例えば1994年11月5日、培風館発行「超LSIメモリ」伊藤 清男著、頁12〜頁15によって公知である。このような3トランジスタセルは、セル自身に増幅機能があるのでデータ線に現れる読み出し信号電圧は大きく、すべて非破壊読み出しであるという特徴があるが、読み出し動作や書き込み動作を行う周辺回路の回路が複雑であり、使い勝手が悪いという問題等によって実用化されていない。
したがって、この発明は、回路の簡素化と使い勝手を良くしたメモリ回路を備えた半導体集積回路装置を提供することを目的としてしている。この発明は、高速性と不揮発性との2つを兼ね備えたメモリ回路を備えた半導体集積回路装置を提供することを他の目的としている。この発明は、この発明の前記ならびにそのほかの目的と新規な特徴は、本明細書の記述および添付図面から明らかになるであろう。
発明の開示
本願において開示される発明のうち代表的なものの概要を簡単に説明すれば、下記の通りである。すなわち、情報電圧をそのゲートに保持する蓄積MOSFET及び書き込み用トランジスタを含むメモリセルを用い、書き込み情報電圧が伝えられる書き込み用データ線及び上記メモリセルの蓄積MOSFETのオン又はオフ状態に対応した読み出し信号が伝えられる読み出し用データ線に直交するようワード線を配置して、上記メモリセルの書き込み用トランジスタの制御端子を接続するるとともに、その選択信号に対応して上記メモリセルからの上記読み出し信号を対応する読み出し用データ線に出力させるようメモリセルアレイを構成し、データ線選択回路により上記複数の読み出し用データ線の中の一を選択して第1と第2の共通データ線のいずれかに接続させ、上記読み出し用データ線を、非選択期間において第1電位にプリチャージし、第1選択期間において上記ワード線を読み出し用に選択して上記メモリセルのオン状態の蓄積MOSFETにより第2電位にディスチャージし、上記第1と第2の共通データ線は、上記非選択期間において上記第1電圧と第2電圧のほぼ中間の第3電位にプリチャージし、上記第1の選択期間において上記データ線選択回路により選択された読み出し用データ線との電荷分散に対応した一方の共通データ線に現れる読み出し信号が上記他方の共通データ線のプリチャージ電圧を参照電圧として増幅し、必要に応じて書き込みデータ線に書き込み信号を伝えた後の第2選択期間においてワード線を高電圧にして書き込みトランジスタをオン状態にしてメモリセルに書き込み又は再書き込みする。
本願において開示される発明のうち他の代表的なものの概要を簡単に説明すれば、下記の通りである。すなわち、情報電圧をそのゲートに保持する蓄積MOSFET及び書き込み用トランジスタを含むメモリセルを用い、書き込み信号が伝えられる書き込み用データ線及び上記メモリセルの蓄積MOSFETのオン又はオフ状態に対応した読み出し信号が伝えられる読み出し用データ線に直交するようワード線を配置して、上記メモリセルの書き込み用トランジスタの制御端子を接続するとともに、その選択信号に対応して上記メモリセルからの上記読み出し信号を対応する読み出し用データ線に出力させるようメモリセルアレイを構成し、上記読み出しデータ線と上記書き込みデータ線との間に設けられたCMOSラッチ構成のセンスアンプを設け、上記読み出しデータ線を第1の期間において第1電位にプリチャージし、上記書き込みデータ線を上記第1期間において上記第1電圧より小さな第2電圧にプリチャージし、第2の期間において上記ワード線を選択して上記メモリセルのオン状態の蓄積MOSFETにより読み出しデータ線を第3電位にディスチャージし、上記読み出しデータ線が上記メモリセルの情報電圧に対応した第1電圧か第3電圧にされた後に上記センスアンプを動作状態にしてセンスアンプの動作電圧に対応したハイレベルとロウレベルに増幅し、データ線選択回路により上記読み出しデータ線とそれに対応した書き込みデータ線からなる複数対の中の一対を選択し第1と第2の共通データ線と接続させる。
発明を実施するための最良の形態
この発明をより詳細に説述するために、添付の図面に従ってこれを説明する。
第1図には、この発明に係る半導体集積回路装置に構成されるメモリ回路の一実施例の要部回路図が示されている。同図の各素子及び回路ブロックは、公知の半導体集積回路の製造技術によって、それが搭載される単結晶シリコンのような1個の半導体基板(LSI)上において形成される。
この実施例では、データ線が読み出し用データ線RDと書き込み用データ線とに分離され、特に制限されないが、同図において縦方向に平行して延長される。同図においては、上記読み出し用データ線RDと書き込み用データ線WDとが一対とされて1ないしmからなる複数対が設けられ、そのうちの2対のデータ線対RD1,WD1〜RDm,WDmが代表として例示的に示されている。
1つのメモリアレイMA1においては、上記複数対のデータ線RD1,WD1〜RDm,WDm等と直交するよう、同図では横方向に1ないしnからなる複数のワード線WL11〜WL1nが延長される。上記1ないしnからなる複数のワード線のうち、2本のワード線WL11とWL1nが代表として例示的に示されている。特に制限されないが、上記データ線方向には1ないしkからなる複数個のメモリアレイMA1〜MAkが設けられ、各メモリアレイMAにおいて、それぞれメモリアレイMA1と同様に1なしいnからなる複数のワード線がそれぞれに設けられる。
上記メモリアレイMA1を代表としてメモリアレイの構成を説明する。上記ワード線WL11とデータ線RD1,WD1の交点に設けられるメモリセルMC11は、そのゲートに情報電圧を保持して、かかる情報電圧により、ワード線WL11が選択された時にオン状態又はオフ状態にされる蓄積MOSFETQRと、上記書き込み用データ線WDに伝えられた書き込み信号を上記MOSFETQRのゲートに伝える書き込み用MOSFETQWと、上記MOSFETQRのゲートとワード線WL11との間に設けられ、ワード線が非選択とされたときには上記記憶電圧に無関係に蓄積MOSFETQRをオフ状態にさせるためのキャパシタCとから構成される。
上記書き込み用MOSFETQWのゲートは、上記ワード線WL11に接続される。上記蓄積MOSFETQRのソース−ドレイン経路は、上記読み出し用データ線RD1と回路の接地電位VSS(0V)に接続される。
上記読み出し用データ線RD1と書き込み用データ線WD1には、プリチャージ信号PRによりスイッチ制御されるプリチャージMOSFETQPR及びQPWが設けられ、プリチャージ期間において上記データ線RD1,WD1は電源電圧VDDにプリチャージされる。
上記読み出し用データ線RD1と書き込み用データ線WD1との間には、読み出しデータ線RD1の信号を書き込みデータ線WD1に伝える書き込み制御回路WC1が設けられる。この実施例では、特に制限されないが、上記書き込み制御回路WC1は、ワード線WLと平行して延長される制御線WCL1によってスイッチ制御されるMOSFETQT1により構成される。
上記一対のデータ線RD1,WD1に隣接して設けられる同様なデータ線RD2,WD2にも上記同様なメモリセル、プリチャージ回路、書き込み制御回路が設けられる。
上記読み出しデータ線RD1ないしRDmは、データ線選択回路を構成するスイッチMOSFETQY11〜QY1mを介して、一対からなる相補の共通データ線/IO(1)とIO(1)のいずれかに接続される。特に制限されないが、上記メモリアレイMA1に設けられる読み出しデータ線RD1ないしRDmは偶数本から構成され、例えば奇数番目の読み出しデータ線RD1、RD3・・・は上記共通データ線IO(1)に接続され、偶数番目の読み出しデータ線RD2、RD4・・・RDmは、上記共通データ線/IO(1)に接続される。
この結果、上記一対の相補の共通データ線IO(1)と/IO(1)に接続される読み出しデータ線の数が等しくなり、それに対応して上記データ線選択回路を構成するスイッチMOSFETの数も同じくされる。上記共通データ線IO(1)と/IO(1)は、その長さがほぼ等しくされ、かつ、同じ数のスイッチMOSFETが接続されることによって、ほぼ同じ寄生容量を持つようにされる。
ここで、上記相補の共通データ線は、ロウレベルが論理1に対応した反転の共通データ線/IOと、ハイレベルが論理1に対応した非反転の共通データ線IO(1)からなるものであり、上記スラッシュ/は論理記号のオーバーバーを表している。
上記相補の共通データ線IO(1)と/IO(1)には、読み出しデータ線のプリチャージ電圧(VDD)とディスチャージ電圧(0V)の1/2に対応したハーフプリチャージ電圧VDD/2にプリチャージするMOSFETQ1とQ2が設けられる。これらのMOSFETQ1とQ2のゲートは、前記プリチャージ信号PRが供給される。他のメモリアレイMA2ないしMAkにも、上記同様な共通データ線、及びプリチャージ回路が設けられる。
上記メモリアレイMA1ないしMAkに設けられた1ないしnからなる複数のワード線WL11〜WL1nないしWLKk1ないしWLknのそれぞれは、Xデコーダ&ドライバX−DEC/DRVによって、各メモリアレイMA1〜MAk毎に1本ずつが選択される。
上記メモリアレイMA1ないしMAkの各読み出しデータ線は、Yデコーダ&ドライバY−DEC/DRVによって形成された選択信号YS1ないしYSmにより、各メモリアレイMA1〜MAkの対応する読み出しデータ線RD1〜RDkが同時に選択され、それぞれに対応して設けられる共通データ線IO(1),/IO(1)ないしIO(k),/IO(k)のいずれか一方に接続される。この結果、この実施例のメモリ回路では1ないしkからなるkビットの単位でのメモリアクセスが行われるものである。上記のようなYデコーダ&ドライバY−DEC/DRVを複数の各メモリアレイMA1ないしMAkのデータ線選択動作に共通に用いることによって、回路の簡素化を図ることができる。
上記相補の共通データ線IO(1)と/IO(1)には、特に制限されないが、センスアンプSA1としてNチャンネル型MOSFETQN1とQN2及びPチャンネル型MOSFETQP1とQP2からなる2つのCMOSインバータ回路の入力と出力とが交差接続されてなるCMOSラッチ回路が設けられる。これらのCMOSラッチ回路からなるセンスアンプSA1は、動作タイミングに対応してNチャンネル型MOSFETQN1,QN2とPチャンネル型MOSFETQP1とQP2のそれぞれの共通ソースSNとSPに、回路の接地電位と電源電圧VDDのような動作電圧が与えられることによって活性化される。
代表として示されている他の共通データ線IO(k)と/IO(k)等にも上記同様なセンスアンプSAkが設けられるものであり、これらのセンスアンプSA1〜SAkの上記増幅MOSFETのソースSNとSPは共通化されて上記動作電圧が与えられる。それ故、上記1ないしkからなるk個のセンスアンプSA1〜SAkが一斉に増幅動作を開始して、それぞれに対応した共通データ線IOと/IOに読み出された読み出し信号を増幅する。
これらの増幅信号は、図示しない出力回路を介して半導体集積回路装置の外部端子から出力される。あるいは、上記外部端子から供給された書き込み信号は、入力回路を介して取り込まれ、特に制限されないが、上記センスアンプSA1ないしSAkにより増幅されて、選択された読み出しデータ線と、上記書き込み制御回路WCとを介してそれぞれ書き込み用データ線に伝えられて、メモリセルに書き込まれる。
第2図には、この発明に係る半導体集積回路装置に構成されるメモリ回路の他の一実施例の要部回路図が示されている。この実施例では、記憶電荷の不揮発化に向けられている。記憶電荷の不揮発化のために書き込みトランジスタは、前記のようなMOSFETに代えて後述するようなバリヤ絶縁膜の構造のMOSFET(以下、単にBMOSという)が用いられる。
この実施例では、上記のように書き込み用トランジスタQWがNチャンネル型MOSFET(NMOS)から上記バリヤ絶縁膜の構造のMOSFET(BMOS)置き換えられたものであり、他の構成は前記第1図の実施例と同様であるので、その説明を省略する。
第3図は、上記BMOSトランジスタの一実施例の断面構造の概略図である。積層した4層のポリシリコン(ポリ1〜ポリ4)の両側にゲート酸化膜(膜厚toxの熱酸化膜)を介してゲート電極Gが配置されている縦型構造に大きな特徴がある。実際には両側のポリシリコンで形成されたゲート電極は、後述するように一体で形成され常に等電位である。ポリシリコン1とポリシリコン4はポリシリコンに1020cm−3程度のリンがドープされており、トランジスタのドレインD(あるいはソースS)とソース(あるいはドレイン)を形成する。ポリシリコン2とポリシリコン3はきわめて低濃度(1015〜1017cm−3程度)にリンがドープされたイントリンシックポリシリコンでトランジスタの基板を形成する。
ポリシリコン1とポリシリンコン2、ポリシリンコ2とポリシリコン3ならびにポリシリコン3とポリシリコン4の間には、たとえば薄い(2〜3nm)シリコン窒化膜から成るトンネル膜SN1,SN2,SN3が形成されている。SN1とSN3は、トランジスタ形成時に、ドレインあるいはソース領域の高濃度のリンが内部(ポリシリコン2、ポリシリコン3)の低濃度層に拡散しないようにストッパーの役割をさせるものである。
ドレイン・ソース間に電流を流すためには、これらの膜厚は余り厚くないトンネル膜である必要がある。中央トンネル膜SN2は、トランジスタのオフ電流を小さく抑えるためのものである。すなわちオフ状態にあるトランジスタ内のポリシリコン2とポリシリコン3の領域で発生した正孔あるいは電子が、電流となってドレイン・ソース間を流れないようにするストッパーである。
ゲートに十分高い正の電圧を印加すると、このトンネル膜のポテンシャル障壁は下がるのでドレイン・ソース間に十分大きなオン電流が流れる。もちろんオフ電流の目標値によっては、この中央トンネル膜を削除することもできる。また中央膜1層と仮定したが必要に応じて多層から成るトンネル膜でもよい。同図のBMOSの代表寸法は、l=0.4μm,d=0.2μm,tox=10nm程度である。この種のトランジスタは、トンネル膜厚を適当に選ぶと、基板濃度のきわめて低い通常の横形MOSトランジスタと類似の電流・電圧特性を得ることができる。第4図にその特性の概略を示す。
ここで10年間の不揮発特性を保証するためのドレイン・ソース間に流れる電流(IDS)の許容最大値(i)を求めると次の通りとなる。記憶ノード(N)の容量(C)を5fF、10年間(Δt)で許容される記憶ノード電圧の低下(ΔV)を0.1Vとすると、i−C・ΔV/Δt=1.6×10−24Aとなる。一方、通常の回路設計ではトランジスタのしきい値電圧VWTはIDS−10−8A程度の電流を流すためのゲート・ソース電圧(VGS)で定義される。10−24Aから10−8Aの同図のセミログで表わされた電流領域ではIDSとVGSの関係は直線になるから、IDSを1桁増加させるVGSの値を100mVとすると、VTW0.1(V/桁)×16(桁)=1.6Vとなる。このしきい値電圧VTWの値はトランジスタ(QW)をほぼ10年間オフにするための最小値である。実際の設計ではしきい値電圧VTWのばらつきや温度特性を考慮して、標準的なしきい値電圧VTWは2Vに設定される。
メモリセル1個のデータは保持時間が1日程度でもよい場合には、許容電流の最大値は10−20A程度であるから、VTW0.1(V/桁)×12(桁)=1.2Vでよい。製造ばらつきを考慮すると、標準的なしきい値電圧VTWを1.6Vに設定すればよい。したがって不揮発動作に比べて、要求されるワード電圧の最大値(VDD+VTW以上)はしきい値電圧VTWが低くなった分だけ小さくなるので、メモリセル内の書き込みトランジスタ(QW)やワード線を駆動する周辺回路内のトランジスタに対する破壊耐圧への要求は緩和される。
この場合には、DRAMで周知のリフレッシュ動作を行えばメモリセルのデータは保持される。すなわちワード線を駆動して前述の読み出し・再書き込みをする動作を各ワード線に順序に周期的に行えばよい。
第5図は上記第2図のメモリセルの概略平面構造を示す。書き込みトランジスタQWには第3図に示したBMOSが用いられている。第6図には断面A−A’部を、また第7図には、断面B−B’部がそれぞれ示されている。これら第5図ないし第7図において、リンがドープされたn型ポリシリコン膜で形成されたデータ線(RD1)上に、厚い絶縁膜を介してボロンがドープされたP型ポリシリコン膜で形成されたワード線(WL11)が直交配置されている。通常のMOSFET(図1のQR)のゲート電極(N11)の上に第3図に示した立体バリヤ絶縁膜構造のBMOSを積み重ねているので、きわめて高密度のメモリセルが実現できる。
明らかに蓄積MOSFETQRの電流は平面内を流れるのに対し、書き込み用トランジスタQWの電流はそれと垂直方向に流れる。このために、よく知られた折り返しデータ線配置のDRAMメモリセルの面積は原理的に8F2(F:最小寸法)なのに対して、本発明のそれは4F2なのでセル面積を半減させることができる。第2図の結合容量(C)は、第6図に示すように、ワード線WLとポリシリコン4の間の薄い熱酸化膜で形成できる。ポリシリコン4の膜厚を調整すればCの大きさを変えることができる。
この実施例のメモリセルは、周知の1個のMOSFETと1個のキャパシタからなるDRAMセルに比べて、面積がほぼ半分で表面の凹凸の少ないメモリセルがより少ないマスク枚数で製造することもできる。したがってメモリチップはより作り易くなり低価格になる。
この実施例のメモリセルは、前述のように書き込み用トランジスタQWのしきい値電圧(VTW)さえ正しく設定すれば、データ保持時間も十分長く、またアルファ線などの入射によるソフトエラーに対しても著しく強くなる。すなわちメモリセルノード(N11)にはpn接合がないので第1図のメモリセルのように書き込みトランジスタとしてMOSFETを用いた場合のような接合リーク電流はない、またアルファ線が照射されセル内部に電子・正孔対が発生しても、トンネル膜が電子と正孔のそれぞれの流れに対してストッパーとなるためにセル内のポテンシャルを変化させることはない。これにより、理論的には不揮発メモリとして動作させることができる。
第8図には、上記第1図及び第2図に示したメモリ回路の動作の一例を説明するための波形図が示されている。
プリチャージ信号PRは、VDD+VT(ここでVTはプリチャージMOSFETのしきい値電圧)のような高レベルにされる。それ故、上記読み出しデータ線RD1〜RDm,書き込みデータ線WD1〜WDmは電源電圧VDDのようなハイレベルにプリチャージされる。同様に、共通データ線IOと、センスアンプSA1〜SAkの共通ソースSPとSNは、ハーフプリチャージ電圧VDD/2にプリチャージされる。
プリチャージ信号PRがロウレベルに変化すると、上記プリチャージ用のMOSFETはオフ状態となり、上記データ線等の各部は前記プリチャージ電圧を保持している。
以下、メモリセルMC11に共通データ線対IOからデータを書き込む例を説明する。メモリセルMC11の記憶ノード(ゲート)N11に2値情報1あるいは0に対応した高電圧VDDあるいは低電圧0Vを書き込むには、ワード線WL11にVDD+VTW(VTWは書き込みトランジスタQWのしきい値電圧)以上の電圧VWを印加した上で、上記共通データ線IOからスイッチMOSFETQY11、読み出し用データ線RD1及び書き込み制御回路WC1を介して書き込みデータ線WD1にVDD又は0Vを供給すればよい。
ここで、注意を要することは、ワード線WL11に上記のような選択電圧VDD+VTWを印加すると、同じワード線WL11に接続される非選択のメモリセルの記憶情報が破壊されてしまう。すなわち、上記ワード線WL11に接続される非選択のメモリセルMC12〜MC1mの書き込みトランジスタQWもオン状態となり、それぞれのメモリセルの記憶ノードN1m等には、上記書き込みデータ線WDmのプリチャージ電圧VDDが印加されてしまう。
このような情報破壊を防ぐために、まず選択ワード線WL11上のメモリセルを読み出し、選択したメモリセルMC11を除いた他の非選択メモリセルMC12〜MC1mにそれぞれ上記読み出された情報を再書き込みするようにする。つまり、この再書き込み動作と並行して選択したメモリセルMC11には、その読み出しデータに代えて、上記共通データ線IOからのデータ入力で置き換え、その置き換えられたデータを書き込むようにすればよい。
したがって、この実施例のメモリ回路では、書き込み動作においても読み出し動作が先行して行われることが必須となる。前記第1図及び第2図の実施例では、メモリセルの面積を小さくするために、ワード線が読み出し用と書き込み用に共通化されているので、ワード線の選択レベルは読み出し選択レベルVRと書き込み選択レベルVWのような2つの選択レベルを持つようにされる。
非選択状態ではそれぞれのメモリセルの記憶ノードN11,N1mの電圧は、2値記憶情報の1と0ともに読み出しMOSFETQRのしきい値電圧VTRよりも低くされている。第8図では、より高い方の電圧を2値情報の1に対応させ、その電圧はVN(H)なので、この仮定はVN(H)<VTRとなる。このような電圧条件はメモリセル内のキャパシタCによって実現される。すなわち、ワード線WL11が0Vのような非選択レベルになったとき、キャパシタCによる結合によって上記記憶ノードVN(H)の電位が低くされることによって実現される。
したがって、1つの読み出しデータ線RD1に接続されている複数のメモリセルMC11〜MCn1の上記蓄積MOSFETQRは、上記2値情報に対応した記憶電圧VN(H)とVN(L)に無関係にオフ状態にされている。
ワード線の第1選択期間では、上記書き込み用トランジスタQWのしきい値電圧以下であって、上記情報電圧VN(H)をゲートに保持してている蓄積MOSFETQRがオン状態に、上記情報電圧VN(L)をゲートに保持している蓄積MOSFETQRがオフ状態になる低い電圧VRによりワード線を駆動する。つまり、上記ワード線WL11を上記のような読み出し電圧VRに設定すると、上記情報電圧VN(H)を保持しているなら記憶ノードN11の電位は、上記キャパシタCを介して上記選択電圧VRに対応して上昇し、そのしきい値電圧VTRよりも高くなって蓄積MOSFETQRがオン状態となって、上記プリチャージされた読み出しデータ線DR1をディスチャージさせる。
これに対して、上記情報電圧VN(L)を保持しているなら記憶ノードN11の電位は、上記のようなワード線WL11の電位上昇によっても上記しきい値電圧VTRに到達することないので、蓄積MOSFETQRがオフ状態のままとなり、上記読み出し用データ線DRをプリチャージ電位のままに維持する。
このような読み出しデータ線DRへのメモリセルの記憶情報の読み出しが行われた後に、Y選択線YS1がハイレベル(VDD+VT)にされて、選択MOSFETQY11をオン状態にさせる。これにより、読み出し用データ線DRと共通データ線IO又は/IOのいずれか一方とが接続され、それぞれの寄生容量に蓄積された電荷の結合によって微小な読み出し信号vsが現れる。
上記のように読み出し用データ線DR1がディスチャージされてロウレベルなら、VDD/2にプリチャージされた共通データ線IOとの結合によって、共通データ線IOは微小電圧だけ低下し、読み出しデータ線DR1は共通データ線IOからの電荷供給によって微小電圧だけ上昇する。逆に、上記読み出し用データ線DR1がプリチャージのままなら、VDD/2にプリチャージされた共通データ線IOとの結合によって、共通データ線IOは微小電圧だけ上昇し、読み出しデータ線DR1は共通データ線IOへの電荷供給によって微小電圧だけ低下する。
このように、共通データ線IO(又は/IO)には、メモリセルの2値記憶情報の1と0に対応し、他方の共通データ線/IO(又はIO)のプリチャージ電圧を基準にして、−vs又は+vsのような微小読み出し信号が現れる。この読み出し信号±vsは、電源電圧VDDが1ないし3V程度であるとき、200〜500mV程度に設定される。
このような共通データ線IOと/IOの差動電圧vsは、センスアンプの活性化信号SNのロウレベル(0V)とSPのハイレベル(VDD)への変化に対応して動作状態にされる前記センスアンプSA1によって増幅され、上記記憶情報に対応したVDDのハイレベルと回路の接地電位0Vに対応したロウレベルにされる。
上記読み出しデータ線DR1等の電位が確定した後に、行選択を行う制御線WCL1がハイレベルにされて、書き込み制御回路WC1を構成するMOSFETQT1等をオン状態とし、上記読み出しデータ線DR1と書き込みデータ線DW1とを接続する。つまり、読み出しデータ線DR1の電位がロウレベルなら書き込みデータ線DW1との間で電荷の再配分がおこり、読み出しデータ線DR1は図中qの電位まで低下する。もしも、両データ線RD1とWD1の寄生容量が等しいなら、上記電荷の再配分が一瞬のうちに行われて両者の電位はVDD/2になる。その後に、両データ線RD1とWD1は、センスアンプSA1とメモリセルMC11によって放電経路が形成されて0Vのようなロウレベルにされる。読み出しデータ線DR1がハイレベルなら書き込みデータ線DW1は前記プリチャージに対応したVDDに維持される。
上記のデータ線RD1とWD1の放電過程において、共通データ線IOにハイレベル(VDD)の書き込み電圧が加わると、上記両データ線RD1とWD1が上記書き込み電圧に対応したハイレベル(VDD)の電位に変化し、ロウレベル(0V)の書き込み電圧が加わると、上記両データ線RD1とWD1が上記書き込み電圧に対応したハイレベル(VDD)の電位に変化する。
上記のような書き込み電圧が書き込みデータ線WD1に伝えられた後に、Y選択線YS1と制御線WCL1はロウレベルにされて、上記MOSFETQY11とQT1等はオフ状態にされる。
そして、ワード線WL11は、第2選択期間として上記書き込み用トランジスタQWをオン状態するよう高電圧VWに変化する。これにより、書き込みデータ線WD1ないしWDmの電圧がそれぞれの記憶ノードN11ないしN1mに伝えられて、選択されたメモリセルMC11には外部からの書き込み信号に対応した情報電圧が書き込まれ、他のメモリセルMC12ないしMC1mには、もとの記憶電圧を反転した電圧が書き込まれる。
上記のような選択メモリセルに対する書き込み動作、非選択メモリセルに対するいわゆるリフレッシュ動作が終了すると、ワード線WL11は0Vのようなロウレベルにされる。メモリセルの記憶ノードN11等の電圧は、前述したようにキャパシタCによって十分小さな電圧になる。ここで、記憶ノードN11にVDDのようなハイレベルが書き込まれた場合でも、読み出しデータ線RD1が0Vに放電した後は、蓄積MOSFETQRに電流が流れ続けることはない。したがって、蓄積MOSFETQRのソース端子をフローティングにする回路手段が必要がなく、同図のように定常的に回路の接地電位に接続することができる。
上記書き込み制御回路WC1のMOSFETQT1をオフ状態にするタイミング、すなわち、制御線WCL1をロウレベルの非選択状態にするタイミングは、選択セルの書き込み動作というよりも非選択セルの再書き込み動作によって決まる。
なぜなら、第8図の波形図において、データ線RD1とWD1とRDmとWDmがそれぞれ電位p,qあるいはp’,q’の電位に達した後に、選択セルの書き込みデータ線WD1はセンスアンプSA1とメモリセルMC11の両者で駆動されるのに対して、非選択セルMC12〜MC1mの書き込みデータ線WD2〜WDmは、それぞれに対応したメモリセルのみで駆動されるためである。
読み出し動作は、次の通りである。読み出し動作では、前記のような書き込み動作において選択されたメモリセルの読み出し信号をセンスアンプSA1〜SAkにより増幅して出力させた後、外部から書き込み信号を入力することなく、言い換えるならば、上記選択された読み出しデータ線RD1及び書き込みデータ線WD1をそのままの電位にして、ワード線の選択レベルを書き込み用の高電圧VWにすればよい。このとき、上記選択されたワード線に接続される読み出しのための選択セルと非選択セルの全て対して、それぞれの読み出し電圧に対応した電圧が再書き込みされる。
リフレッシュ動作は、次の通りである。このリフレッシュ動作は、主に第1図に示したメモリセルのように書き込みトランジスタQWとしてMOSFETを用いた場合に適用される。ここで、書き込みトランジスタQWとして、第2図に示した実施例のように前記バリヤ絶縁構造のBMOSを用いた場合には、前記のように記憶ノードNの電荷のリークを無視できるほど小さく抑えられ、記憶情報の不揮発化が可能となるから格別なリフレッシュ動作は不要となるが、BMOSの設計によってはリフレッシュ動作が必要となる場合もある。
リフレッシュ動作は、前記第8図に示した波形図においてY選択線YSが非選択にされることなく、ワード線をWL11からWL1n及びWLK1〜WLknのように順次に前記第1選択期間において電圧VRにしてメモリセルからの読み出しを行い、書き込み制御回路を介して書き込みデータ線に伝え、次いで第2選択期間に高電圧電圧VWにしてメモリセルの記憶ノードに書き込むようにすればよい。
メモリセル内に利得があって、データ線が読み出し用と書き込み用に分離されているメモリセルであれば、この実施例の回路方式はそのようなメモリセルにそのまま適用できる。
第9図には、この発明に係るメモリ回路に用いられるメモリセルの他の一実施例の回路図が示されている。同図(A)においては、この実施例では、蓄積MOSFETQR1のドレインと読み出しデータ線RDとの間に選択MOSFETQR2が設けられる。この選択MOSFETQR2のゲートはワード線WLに接続される。この構成は、前記第1図の実施例のメモリセルにおいて、キャパシタCを削除し、選択MOSFETQR2を追加したものと考えてよい。
この場合、ワード線の選択動作を前記のように読み出し用の第1の選択期間と、書き込み及び再書き込み用の第2選択期間に分けて選択電圧を変更するものであるが、これらの選択電圧に対応して選択MOSFETQR2と書き込み用MOSFETQWのしきい値電圧が設定される。すなわち、前記第1選択期間での読み出し用電圧VRでは、上記選択MOSFETQR2がオン状態に、上記書き込み用MOSFETQWはオフ状態にされる。そして、前記第2選択期間での書き込み用電圧VWでは、上記書き込み用MOSFETQWがオン状態にされる。このようなワード線の3値レベルでの選択/非選択動作に対応して、上記第1選択電圧VRに対して、MOSFETQR2のしきい値電圧は低く、MOSFETQWのしきい値電圧は高くされ、上記第2選択電圧VWに対してMOSFETQWのしきい値電圧は低くされる。
この実施例では、MOSFETQR2が追加されるので、素子数が増加するが、上記キャパシタCが不要になるので動作を安定化させることができる。つまり、メモリセルをアクセスするため場合の電圧マージンを拡大させることができる。
同図(B)においては、上記(A)のメモリセルを変更したものであり、ワード線が書き込みワード線WWLと読み出し用ワード線RWLに分離され、書き込み用MOSFETQWのゲートは書き込み用のワード線WWLに接続し、選択用MOSFETQR2のゲートは読み出し用ワード線RWLに接続する。
この実施例では、ワード線が書き込み用と読み出し用の2つに分離されているため、前記のような3値レベルによるワード線の選択/非選択動作が不要になる。つまり、ワード線の第1選択期間では読み出し用ワード線RWLを選択状態にして、メモリセルの情報電圧に対応してオン状態/オフ状態にされている蓄積MOSFETQR1のメモリ電流が、読み出し用ワード線RWLの選択動作によってオン状態にされる選択MOSFETQR2を介して読み出し用データ線RDに流れるようにされる。もしも、上記蓄積MOSFETQR1が情報電圧のハイレベルによりオン状態にされていなら、読み出し用データ線RDはディスチャージされ、上記蓄積MOSFETQR1が情報電圧のロウレベルによりオフ状態にされていなら、読み出し用データ線RDはプリチャージ電圧のままに維持される。
ワード線の第2選択期間では書き込み用ワード線WWLを選択状態にして、書き込み用MOSFETQWをオン状態にして、書き込みデータ線WDに伝えられている書き込み電圧が、蓄積MOSFETQR1のゲートに書き込まれる。この実施例では、ワード線が2本増加する反面、書き込み用と読み出し用のワード線がそれぞれ2値電圧で選択/非選択にすればよいから、メモリセルを構成するMOSFETの全てのしきい値電圧を等しく形成できるから設計及び製造が簡単となるものである。
上記のように書き込み制御回路WCとして、読み出しデータ線RDに現れた読み出し信号をそのまま書き込みデータ線WDに伝えて再書き込み(リフレッシュ)を行う場合には、記憶ノードの情報電圧はその都度反転してしまう。そこで、次のようなデータコントロールレジスタが設けられて、データ入出力バッファが制御される。
この制御方式の概念は、3個のトランジスタから成るセルを用いたDRAMを例に、すでにISSCC72(International Solid−State Circuits Conference in 1972)のDigest pp.12−13で述べられているように公知である。すなわち各ワード線にはメモリセルと同じ構造のデータコントロールセルが接続されている。あるワード線が選択されると、選択されたデータコントロールセルから共通出力信号線にその読み出し信号が出力される。
この信号とメモリセルアレイからセンスアンプを介して読み出された信号が排他的論理和回路(Exclusive OR)により論理がとられてデータ出力DOとなる。一方、データコントロールレジスタへの読み出し信号とデータ入力信号Diとが上記同様な排他的論理和がとられてメモリセルアレイへの書き込みデータとなる。データ入出力の制御を高速に行うために、データコントロールセル内の出力トランジスタ(読み出しMOSFETQRに相当)のチャンネル幅をメモリセルのチャンネル幅よりも大きくすることもできる。
第10図には、この発明に係る半導体集積回路装置に構成されるメモリ回路の他の一実施例の要部回路図が示されている。同図には、1つの読み出しデータ線RD1、書き込みデータ線WD1及び上記読み出しデータ線RD1に対応された共通データ線IO(1)と、1つのワード線WL11及び1つのメモリセルMC11と書き込み制御回路WC1が代表として例示的に示されている。
この実施例では、前記第1図の実施例と同じメモリセルMC11を用いて構成される。この実施例では、書き込み制御回路WC1として、前記のような伝送ゲートMOSFETに代えて、反転増幅回路を構成するMOSFETQT11とQT12により構成される。MOSFETQT11は、そのゲートが上記読み出しデータ線RD1に接続される増幅MOSFETである。上記MOSFETQT12は、上記増幅MOSFETQT11のドレイン出力を書き込みデータ線WD1に伝える出力選択MOSFETであり、そのゲートは行選択線としての制御線WCL1に接続される。
この構成では、メモリセルMC11の記憶情報が読み出しデータ線RD1に読み出され、上記制御信号WCL1のハイレベルにより上記出力選択MOSFETQT12がオン状態となり、増幅MOSFETQT11のドレインから得られる反転増幅信号を書き込みデータ線WD1に伝える。
例えば、メモリセルの記憶ノードにハイレベルが記憶されていた状態なら、前記のようにワード線WL11の第1選択期間では蓄積MOSFETQRがオン状態となって、読み出しデータ線RD1をロウレベルにディチャージさせる。このような読み出しデータ線RD1のロウレベルを受けて、増幅MOSFETQT11はオフ状態となるので、上記制御線WCL1が選択されて出力選択MOSFETQT12がオン状態となっても書き込みデータ線WD1はVDDのようなプリチャージ電位のままとされる。したがって、ワード線WL11の第2選択期間により書き込み用MOSFETQWがオン状態にされたときには、上記記憶ノードには上記記憶電圧と同じハイレベルが書き込まれる。
逆に、メモリセルの記憶ノードにロウレベルが記憶されていた状態なら、前記のようにワード線WL11の第1選択期間に蓄積MOSFETQRはオフ状態となって、読み出しデータ線RD1をハイレベルのプリチャージのままに維持する。このような読み出しデータ線RD1のハイレベルを受けて、増幅MOSFETQT11はオン状態となるので、上記制御線WCL1が選択されて出力選択MOSFETQT12がオン状態となると、書き込みデータ線WD1は0Vにディスチャージされる。したがって、ワード線WL11の第2選択期間により書き込み用MOSFETQWがオン状態にされたときには、上記記憶ノードには上記記憶電圧と同じロウレベルが書き込まれる。
このように書き込み制御回路WC1として反転増幅機能を持たせた場合には、前記説明したようなデータコントロールレジスタは不必要となってデータ入出力回路の設計が容易になるとともに、非選択セルへの再書き込みを高速にできるとともに使い勝手を良くすることができる。
第11図には、上記第10図の実施例回路の動作の一例を説明するための波形図が示されている。
ワード線WL11は第1選択期間では読み出し用の低い電圧VRにされる。非選択期間においてVDDレベルにプリチャージされていた読み出しデータ線RD1は、記憶ノードの記憶電圧に対応して変化する。つまり、前記のように蓄積MOSFETQRのゲートに、かかるMOSFETQRのしきい値電圧VTR以上の高い情報電圧が印加された状態では、MOSFETQRがオン状態となって実線で示したようにVDDから0Vにディスチャージされる。前記のように蓄積MOSFETQRのゲートに、かかるMOSFETQRのしきい値電圧VTR以下の情報電圧が印加された状態では、MOSFETQRはオフ状態となって点線で示したようにVDDプリチャージレベルを維持する。
Y選択線YS1をVDD+VTのようなハイレベルにすると、読み出しデータ線RD1と共通データ線IO(又は/IO)と接続されて、電荷の再配分によって読み出しデータ線RD1と、上記共通データ線IOはVDD/2を基準にして微小電圧vsだけロウレベル又はハイレベルに変化する。その後にセンスアンプが増幅動作を開始して、読み出しデータ線RD1、共通データ線IOはロウレベル又はハイレベルVDDに変化する。そして、制御線WCL1をハイレベルにすると、書き込みデータ線WD1は、実線で示したようにロウレベル(0V)又は点線で示したようにハイレベル(VDD)となる。同図において、実線と点線は、メモリセルの情報電圧に対応した読み出し用データ線RD1の電位変化と対応している。
このようにして書き込みデータ線WD1の電位が確定した後に、ワード線WL11の電位を書き込み用の高電圧VWに変化させて、書き込み用MOSFETQWをオン状態にすることにより、上記記憶ノードにはは、もとの記憶電圧に対応したハイレベル又はロウレベルが再書き込みされる。書き込み用MOSFETQWのスレショルドリーク電流あるいはMOSFETQWのソース,ドレイン拡散層と基板との間のリーク電流によって、上記記憶ノードの情報電圧が減少していたなら、上記のような再書き込みによってものと情報電圧にリフレッシュされる。
上記のような書き込み制御回路WCは、第2図に示したメモリ回路、あるいは第9図に示したメモリセルを用いたメモリ回路にも同様に適用できるものである。
第12図には、この発明に係る半導体集積回路装置に構成されるメモリ回路の他の一実施例の要部回路図が示されている。同図には、1つのデータ線DL1及び上記データ線DL1に対応された共通データ線IO(1)と、1対の読み出しワード線RWL11と書き込みワード線WWL11及び1つのメモリセルMC11と書き込み制御回路WC1が代表として例示的に示されている。
この実施例では、読み出し用データ線と書き込みデータ線とが共通化されたデータ線DL1により構成される。つまり、データ線DL1は読み出し書き込みデータ線RWDとされる。メモリセルMC11は、前記第9図(B)に示した回路と同じ回路が用いられる。ただし、上記のように読み出しデータ線と書き込みデータ線とが共通化されたデータ線DL1により構成されるため、書き込み用MOSFETQWと読み出し選択MOSFETQR2の一方のソース,ドレインが共通に上記データ線DL1に接続される。上記読み出し選択MOSFETQR2のゲートは、読み出し用ワード線RWL11に接続され、書き込み用MOSFETQWのゲートは、書き込み用ワード線WWL11に接続される。
上記データ線DL1は、データ線選択回路を構成するカラムスイッチMOSFETQY11を介して共通データ線IOに接続される。図示しないが、共通データ線IOは、前記のように一対の共通データ線IOと/IOから構成されるうちの一方の共通データ線である。
この実施例では、書き込み制御回路WC1は、上記メモリセルMC11と同じ回路構成とされるMOSFETQT1、QT2及びQT3から構成される。上記MOSFETQT1は、メモリセルの蓄積MOSFETQR1に対応し、MOSFETQT2はメモリセルの読み出し選択用MOSFETQR2に対応し、MOSFETQT3は書き込み用MOSFETQWに対応している。上記MOSFETQT2のゲートは、上記読み出しワード線に対応された第1制御線RCL1に接続され、上記MOSFETQT3のゲートは上記書き込みワード線に対応された第2制御線WCL1に接続される。
第13図には、上記第12図の実施例回路の動作の一例を説明するための波形図が示されている。この波形図を参照して、上記第12図に示したメモリ回路の動作を説明する。
メモリ回路が非選択状態では、プリチャージ信号PRがVDD+VTのようなハイレベルにされて、プリチャージMOSFETQPがオン状態となってデータ線DLを電源電圧VDDにプリチャージしている。
メモリアクセスが開始されると、上記プリチャージ信号PRはロウレベルにされた後に、読み出し用ワード線RWL11がVDDのようなハイレベルにされる。もしも、蓄積MOSFETQR1のゲートにハイレベルの情報電圧が保持されていたなら、かかるMOSFETQR1がオン状態であるので、同図に実線で示すようにデータ線DL1はロウレベル(0V)に向かってディスチャージされる。これに対して、蓄積MOSFETQR1のゲートにロウレベルの情報電圧が保持されていたなら、かかるMOSFETQR1がオフ状態であるので、同図に点線で示すようにデータ線DL1はハイレベル(VDD)のままとされる。
この実施例では、読み出しデータ線と書き込みデータ線とが共通化されているので、上記のような読み出し動作が終了すると読み出しワード線RWL11はロウレベルの非選択状態にされる。この後に、データ線選択回路によりY選択信号YS1がハイレベル(VDD)になると、上記データ線DL1と共通データ線IOとが接続されて、その電荷分散により共通データ線IOは、前記同様にVDD/2のプリチャージ電圧から微小電圧だけロウレベル又はハイレベルに変化する。これに応じてデータ線DL1の電位も上記共通データ線IOとは逆方向に電位が変化する。
図示しない、読み出し動作なら上記共通データ線IOの電位変化は、図示しない他方の共通データ線/IOのプリチャージ電圧VDD/2を参照電圧とする前記のようなセンスアンプによって増幅されて、上記共通データ線IOと、選択されたデータ線DL1の電位は、0V又はVDDに増幅される。
書き込み制御回路の制御線WCL1は、非選択状態を含めて上記の動作の間VDD+VTのようなハイレベルにされており、上記データ線DL1の電位変化がMOSFETQT1に伝えられおり、かかる制御線WCL1のロウレベルの変化により、上記読み出されて増幅されたデータ線DL1の電圧が上記MOSFETQT1のゲートに保持(ラッチ)される。このラッチ動作と並行して上記Y選択信号YS1もロウレベルに変化し、データ線DLと共通データ線IO(1)とは分離される。
書き込み動作のときには、上記Y選択線YS1がハイレベルのときに、入力回路とセンスアンプを介して上記共通データ線IO(1)に書き込み信号が伝えられ、それが上記書き込み制御回路の上記MOSFETQT1のゲートに保持される。これにより、書き込み動作では、選択メモリセルには、上記共通データ線IOからの書き込み電圧が書き込み制御回路に、非選択セルではその読み出し信号が書き込み制御回路にそれぞれラッチされる。
プリチャージ信号PRが一時的にハイレベルにされて、上記データ線DL1がVDDレベルにプリチャージされる。このプリチャージが終了した後に、制御線RCL1と書き込みワード線WWL11をハイレベルにする。書き込みワード線WWL11の選択レベルは、VDD+VTWのような高い電圧にされる。
上記書き込み制御回路WC1のMOSFETQT1のゲートに、ハイレベルがラッチされていたなら、かかるMOSFETQT1がオン状態であるので、MOSFETQT2を通してデータ線DL1をロウレベルにディスチャージさせ、このロウレベルがメモリセルのMOSFETQR1のゲートに書き込まれる。また、上記書き込み制御回路WC1のMOSFETQT1のゲートに、ロウレベルがラッチされていたなら、かかるMOSFETQT1がオフ状態であるので、データ線DL1がハイレベルのままとなり、それがメモリセルのMOSFETQR1のゲートに書き込まれる。
このような動作によって、1つのデータ線を用いつつ、前記第1図又は第2図の実施例回路と同様な書き込み/読み出し及びリフレッシュの各動作を行わせることができる。この実施例では、データ線DLの数が半分にできるので回路の簡素化を図ることができる。
上記のように選択セルの読み出し動作あるいは非選択セルの再書き込み動作では、書き込み制御回路で再反転した電圧がメモリセルの記憶ノードに入力されることになるから、メモリセルを読み出す毎にその記憶ノードの電圧はハイレベル/ロウレベルと反転することはない。したがって、前記説明したようなデータコントロールレジスタは不要にでき、使い勝手を良くすることができる。
メモリセルの書き込みトランジスタとして、MOSFETに代えて前記第2図の実施例のようにバリヤ絶縁膜の構造を持つBMOSに置き換え、それを前記のように縦構造とすると、メモリセルの面積を小さくすることができるとともに、記憶電圧の不揮発化も可能となる。そして、書き込み制御回路のMOSFETQT3もかかるBMOSとすることにより、かかる制御回路もメモリセルと同様に面積を小さく形成することができる。
第14図には、この発明に係る半導体集積回路装置に構成されるメモリ回路の他の一実施例の要部回路図が示されている。記憶容量を大きくすると、読み出しデータ線や書き込みデータ線に接続されるメモリセルの数が多くなる。この結果、その寄生容量が増大して動作が遅くなる。
この実施例では、データ線の寄生容量を低減させるために読み出しデータ線と書き込みデータ線が上下に2分割される。つまり、書き込み制御回路WCとプリチャージ回路及びデータ線選択回路を中心にして、選択スイッチQRCU,QWCUと、QRCL,QWCLを介して選択的に接続させるものである。
この構成により、上記データ線選択回路と上記書き込み制御回路WCを上下に振り分けられたデータ線RDU,WDUとRDL,WDLに対して共通に用いることができる。メモリセルMCは、前記説明した読み出しデータ線と書き込みデータ線に対応して構成された第1図、第2図、第9図等に示した実施例のいずれのメモリセルでもよい。書き込み制御回路も、第1図に示したような回路、あるいは第10図に示したような反転増幅機能を持つもののいずれであってもよい。
同図において、上下に振り分けられた2対のデータ線は、それぞれの選択信号SUとSLをVDD+VTのような高電圧とすることにより、プリチャージMOSFETQP1とQP2により同時にVDDレベルにプリチャージすることができる。
上記プリチャージ動作が終了した後、選択したいデータ線(例えばRDL,WDL)に対応した選択信号SLをハイレベルのままとし、非選択側のデータ線(RDU,WDU)に対応した選択信号SUをロウレベルにして、MOSFETQRCU,QWCUをオフ状態にして上記書き込み制御回路WC及びデータ線選択回路から切り離すようにすればよい。上記選択側では、書き込み制御回路やデータ線選択回路がデータ線RSL,WDLとが接続された状態であり、前記説明したような読み出し、書き込みあるいはリフレッシュ動作を行わせることができる。この実施例では、データ線の分割によって、データ線長が半減し、その寄生容量や寄生抵抗が小さくなるので高速動作が可能となる。
以上の各実施例では、利得のあるメモリセルからの読み出し信号を弁別するために、読み出しデータ線をVDDにプリチャージする方式を組み合わせたものである。
第15図には、この発明に係る半導体集積回路装置に構成されるメモリ回路の更に他の一実施例の要部回路図が示されている。上記のように読み出しデータ線と書き込みデータ線とを備え、メモリセルに利得機能を持たせた場合には、書き込み制御回路が動作した時には両者は相補のレベルにされる。つまり、読み出しデータ線に読み出された信号がロウレベルから、書き込みデータ線はそれとは逆のハイレベルにされる。このことに着目し、この実施例では書き込み制御回路にCMOSラッチ回路を設けて、データ線の信号変化を高速にするよう工夫されたものである。
高集積化のために小さな素子で構成されたメモリセルを用い、かつ、1つのデータ線RDに多数のメモリセルを接続した場合にはその寄生容量も大きくなるから、かかる読み出しデータ線RDをフルレベルの0Vまでディスチャージさせるには比較的長い時間を要することになる。
この実施例では、読み出し時には書き込みデータ線WDが一定電位に固定されていることを利用し、それを参照電圧として読み出しデータ線RDとの間で微小電圧差が発生した時点で、駆動能力の高いCMOSラッチ構成のセンスアンプで増幅させることにより、読み出しデータ線RDの電位を確定させるとともに、非選択セルに対応した書き込みデータ線WDの電位も同時に確定させるものである。
上記センスアンプは、Nチャンネル型MOSFETQN1,QN2と、Pチャンネル型MOSFETQP1,QP2とによりそれぞれ構成されるCMOSインバータ回路の入力と出力とを交差接続して構成されたCMOSラッチ回路が用いられる。このCMOSラッチ回路は、上記Pチャンネル型MOSFETQP1とQP2のソースに動作時に電源電圧VDDのような活性化電圧SPが与えられ、上記Nチャンネル型MOSFETQN1とQN2のソースに動作時に0Vのような活性化電圧SNが与えられることによって増幅動作を行う。
上記のような読み出し信号を得るために、書き込みデータ線WDに対してはVDD/2の中間電圧がプリチャージ電圧として与えられるのに対して、読み出しデータ線RDにはそれより微小電圧δだけ高い電圧VDD/2+δがプリチャージ電圧として与えられる。
上記の構成では、特に制限されないが、上記読み出しデータ線RDと書き込みデータ線WDとは、データ線選択回路を構成するカラムスイッチMOSFETQY1とQY2を介して一対の相補の共通データ線IOと/IOに接続される。この共通データ線IOと/IOも前記同様にVDD/2にプリチャージされる。
上記のように各データ線RDとWDにセンスアンプを設けた場合には、上記共通データ線IOと/IOを低振幅の信号線として用い、読み出し信号をメインアンプにより増幅するようにすることもできる。もちろん、前記のようなCMOSラッチ回路からなるセンスアンプを配置してもよい。
書き込み動作では、共通データ線IOと/IOから書き込み情報に対応した極性の差動電圧が選択されたデータ線RDとWDのセンスアンプに与えられ、かかるセンスアンプによってハイレベル/ロウレベルの2値電圧に増幅される。この構成では、書き込み制御回路としてのセンスアンプが反転増幅動作を行うので、前記のようなデータコントロールレジスタが不要となり、使い勝手を良くすることができる。そして、データ線RDとWDの信号振幅は、ほぼVDD/2を中心にしてハイレベル/ロウレベルのように半減させることができるので、低消費電力化も合わせて図ることができる。
上記のような読み出し動作のために、第16図に示した波形図のように、読み出しデータ線RDのプリチャージ電圧がVDD/2+δのように、書き込みデータ線WDのプリチャージ電圧VDD/2に対してδだけ高く設定されなければならない。もしも、両者RDとWDをVDD/2の同電位にプリチャージしてしまうと、メモリセルの記憶ノードにロウレベルが保持されて、読み出し時に前記のような放電経路が形成されないときには、読み出し用データ線RDの電位がVDD/2のプリチャージ電位のままとなり、前記参照電圧としての書き込みデータ線WDの電位と等しくなって、センス動作が不能になるからである。
上記のようにプリチャージ電圧に微小電圧δでけ差電圧を持たせることにより、(A)のようにメモリセルの読み出し動作によって放電経路が形成されてデータ線RDの電位がロウレベル側に変化してその電位関係が逆転したとき、センスアンプを活性化するタイミング信号SPとSNをオンとして増幅動作を行せることにより、データ線RDとWDとを高速にロウレベル/ハイレベルに変化させる。
また、(B)のようにメモリセルの読み出し動作によって放電経路が形成されないときデータ線RDの電位はδだけハイレベルを維持し、センスアンプを活性化するタイミング信号SPとSNをオンとして増幅動作を行せることによりデータ線RDとWDとを高速にハイレベル/ロウレベルに変化させる。
上記の実施例から得られる作用効果は、下記の通りである。
(1) 情報電圧をそのゲートに保持する蓄積MOSFET及び書き込み用トランジスタを含むメモリセルを用い、書き込みデータが伝えられる書き込み用データ線及び上記メモリセルの蓄積MOSFETのオン又はオフ状態に対応した読み出し信号が伝えられる読み出し用データ線に直交するようワード線を配置して、上記メモリセルの書き込み用トランジスタの制御端子を接続するるとともに、その選択信号に対応して上記メモリセルからの上記読み出し信号を対応する読み出し用データ線に出力させるようメモリセルアレイを構成し、データ線選択回路により上記複数の読み出し用データ線の中の一を選択して第1と第2の共通データ線のいずれかに接続させ、上記読み出し用データ線を、非選択期間において第1電位にプリチャージし、第1選択期間において上記ワード線を読み出し用に選択して上記メモリセルのオン状態の蓄積MOSFETにより第2電位にディスチャージし、上記第1と第2の共通データ線は、上記非選択期間において上記第1電圧と第2電圧のほぼ中間の第3電位にプリチャージし、上記第1の選択期間において上記データ線選択回路により選択された読み出し用データ線との電荷分散に対応した一方の共通データ線に現れる読み出し信号が上記他方の共通データ線のプリチャージ電圧を参照電圧として増幅し、必要に応じて書き込みデータ線に書き込み信号を伝えた後の第2選択期間においてワード線を高電圧にして書き込みトランジスタをオン状態にしてメモリセルに書き込み又は再書き込みすることより、メモリセル自身が増幅機能を持ち、かつ非破壊読み出とすることができるので、回路の簡素化と使い勝手を良くしたメモリ回路を得ることができるという効果が得られる。
(2) 上記第1と第2の共通データ線には、上記データ線選択回路によりほぼ同数の読み出しデータ線が接続し、上記電荷分散により一方の共通データ線に形成された読み出し信号を、他方の共通データ線のプリチャージ電圧を参照電圧とする差動増幅回路からなるセンスアンプを設けることにより、上記に加えて高速で安定した読み出し動作を実現できるという効果が得られる。
(3) 上記差動増幅回路として、その入力と出力とを交差接続してなる一対のCMOSインバータ回路からなるCMOSラッチ回路を用いることにより、上記に加えて高速に読み出し信号を得るとともに、選択されたメモリセルへの書き込み動作を高速に行うようにすることができるという効果が得られる。
(4) 上記読み出しデータ線と、上記書き込みデータ線との間に読み出しデータ線の信号を書き込みデータ線に伝える書き込み制御回路を設けることにより、上記に加えて記憶電圧がリーク電流等によって低下した場合の再書き込みを簡単に行うようにすることができるという効果が得られる。
(5) 上記書き込み制御回路として、上記読み出しデータ線と、上記書き込みデータ線とをそれぞれ接続させる伝送ゲートMOSFETで構成することにより、上記に加えて回路の簡素化を図ることができるという効果が得られる。
(6) 上記書き込み制御回路として、上記読み出しデータ線の信号電圧を反転増幅して上記書き込みデータ線に伝える反転増幅回路とすることにより、上記に加えてデータコントロールレジスタ等を省略でき、使い勝手を良くすることができるという効果が得られる。
(7) 上記メモリセルを構成する書き込み用トランジスタとして、バリヤ絶縁膜の構造からなり、かかるバリヤ絶縁膜の構造を上記MOSFETのゲート電極上においてゲート電極の面に向かう縦方向の電流経路を持つように立体的に形成し、上記ワード線と上記MOSFETのゲートとの間にキャパシタを設けることにより、上記に加えて大幅なセル面積の縮小と記憶電圧の不揮発化あるいはデータの保持時間の拡大を図ることができるという効果が得られる。
(8) 上記メモリセルを構成する書き込み用トランジスタをMOSFETを用い、上記ワード線と上記情報電圧をゲートに保持する蓄積MOSFETのゲートと上記ワード線との間にキャパシタを設けることにより、上記に加えて格別な製造プロセスを増加することなくメモリ回路を形成することができるという効果が得られる。
(9) 上記ワード線を書き込み用ワード線と読み出し用ワード線に分離し、上記第1選択期間では読み出しワード線を選択状態にし、第2選択期間では書き込み用ワード線を選択状態し、上記メモリセルの書き込み用トランジスタをMOSFETとしてゲートを上記書き込み用のワード線に接続し、上記記憶電圧をゲートに保持する蓄積MOSFETに対して上記読み出し用ワード線にゲートが接続された選択MOSFETが直列に接続することにより、ワード線の選択レベルを2値レベルにできるから上記に加えてワード線選択動作を簡単にしかも動作マージンを拡大させることができるという効果が得られる。
(10) 上記書き込み用のワード線と読み出し用のワード線とを共通のワード線とし、上記書き込み用MOSFETのしきい値電圧を上記選択MOSFETのしきい値電圧より高く設定し、上記第1選択期間では選択用MOSFETのみをオン状態にし、上記第2選択期間では上記書き込み用MOSFETもオン状態にさせることにより、上記のようなメモリ動作を実現しつつ、かつ、格別な製造プロセスを増加することなくメモリ回路を形成することができるという効果が得られる。
(11) 上記読み出し用データ線と書き込み用データ線とを共通化された1つのデータ線とし、メモリセルと同じ回路からなるダミーセルを書き込み制御回路として設け、データ線に読み出された信号又は書き込み信号が上記書き込み制御回路に書き込まれ、その読み出し信号がかかる共通化されたデータ線に書き込み信号として伝えられて、ワード線が選択されたメモリセルに書き込みを行うようにすることにより、上記に加えて回路の簡素化を図りつつ、前記のようなデータコントロールレジスタを不要とするメモリ動作を実現できるという効果が得られる。
(12) 上記メモリセルを構成する書き込み用トランジスタをMOSFETとし、そのゲートを書き込み用のワード線に接続し、上記メモリセルの上記情報電圧をゲートに保持する蓄積MOSFETと上記データ線との間に選択MOSFETを設けて、そのゲートを読み出し用ワード線に接続し、上記ダミーセルからなる書き込み制御回路として用いて読み出しワード線に対応された読み出し制御線と、上記書き込みワード線に対応した書き込み制御線に接続し、上記書き込み制御線と読み出し制御線を活性化することにより、上記書き込み回路の動作を制御することにより、上記に加えて回路の簡素化を図りつつ、前記のようなデータコントロールレジスタを不要とするメモリ動作を実現できるという効果が得られる。
(13) 上記書き込み制御回路、プリチャージ回路及びデータ選択回路を中心にして、上記書き込みデータ線及び読み出しデータ線とがスイッチ回路を介して選択的に接続させることにより、上記に加えてデータ線の寄生容量、寄生抵抗が低減できるので動作の高速化及び安定化を図ることができるという効果が得られる。
(14) 情報電圧をそのゲートに保持する蓄積MOSFET及び書き込み用トランジスタを含むメモリセルを用い、書き込み信号が伝えられる書き込み用データ線及び上記メモリセルの蓄積MOSFETのオン又はオフ状態に対応した読み出し信号が伝えられる読み出し用データ線に直交するようワード線を配置して、上記メモリセルの書き込み用トランジスタの制御端子を接続するるとともに、その選択信号に対応して上記メモリセルからの上記読み出し信号を対応する読み出し用データ線に出力させるようメモリセルアレイを構成し、上記読み出しデータ線と上記書き込みデータ線との間に設けられたCMOSラッチ構成のセンスアンプを設け、上記読み出しデータ線を第1の期間において第1電位にプリチャージし、上記書き込みデータ線を上記第1期間において上記第1電圧より小さな第2電圧にプリチャージし、第2の期間において上記ワード線を選択して上記メモリセルのオン状態の蓄積MOSFETにより読み出しデータ線を第3電位にディスチャージし、上記読み出しデータ線が上記メモリセルの情報電圧に対応した第1電圧か第3電圧にされた後に上記センスアンプを動作状態にしてセンスアンプの動作電圧に対応したハイレベルとロウレベルに増幅し、データ線選択回路により上記読み出しデータ線とそれに対応した書き込みデータ線からなる複数対の中の一対を選択し第1と第2の共通データ線と接続させることにより、動作の高速化と安定化を図ることができるという効果が得られる。
(15)上記センスアンプの動作電圧に対応したハイレベルとロウレベルを電源電圧と回路の接地電位とし、上記第2電圧は、上記電源電圧の1/2の電圧に設定され、上記第1電圧は、上記センスアンプの安定した増幅動作に必要な最小電圧分だけ上記第2電圧より高くすることにより、データ線の振幅が小さくなりいっそうの高速化と低消費電力化を図ることができるという効果が得られる。
以上本発明者よりなされた発明を実施例に基づき具体的に説明したが、本願発明は前記実施例に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能であることはいうまでもない。例えば、第1図及び第2図において、電源電圧VDDとして正の電圧を用いる場合、プリチャージMOSFETをNチャンネル型MOSFETに代えてPチャンネル型MOSFETを用いるものであってもよい。この場合には、その制御信号PRは、回路の接地電位のようなロウレベルがアクティブレベルとなるので、電源電圧VDD以上の高電圧を必要としない。したがって、メモリ回路が長時間非選択状態にされた場合でも、Nチャンネル型MOSFETを用いた場合のようにプリチャージ信号を昇圧電圧に維持させるためのチャージポンプ回路を動作状態にし続ける等特別な動作が不要となる。
第9図及び第12図のメモリセルにおいて、書き込みトランジスタQWを前記バリヤ絶縁膜構造のMOSFETに置き換え、蓄積MOSFETQR1のゲート上に縦構造に形成するものであってもよい。つまり、前記バリヤ絶縁膜構造のMOSFETは、書き込みトランジスタとしてこの実施例に示された全てのメモリセル及び書き込み制御回路等として用いられるダミーセルあるいはデータコントロールレジスタとしてのメモリセルの全てに用いることができる。このようなバリヤ絶縁膜構造のMOSFETを用いることにより、理論的には前記のように記憶電圧の不揮発化を図ることができる。また、回路セルの面積を大幅に縮小させることができる。
共通データ線IOと/IOに設けられる差動増幅回路は、前記のようなCMOSラッチ回路の他に、演算増幅回路のような差動増幅回路であってもい。
メモリアレイの構成は、ワード線方向に複数のメモリアレイを配置し、ワード線をメインワード線とサブワード線のようなダイナミック型RAMにおいて公知の階層構造にするものであってもよい。メモリ回路は、データ処理動作を行うデジタル回路、例えばマイクロプロセッサCPU等とともに1つの半導体集積回路装置に内蔵されるもの他、それ自身が汎用メモリ回路を構成するものであってもよい。汎用のメモリ回路では、アドレス信号や制御信号を入力する入力回路が設けられる。デジタル回路に内蔵されるメモリ回路では、かかる入力回路が省略されて上記デコーダに内部バスを介してアドレス信号や制御信号が供給される。
産業上の利用可能性
この発明は、記憶動作と増幅動作とを兼ねた蓄積MOSFETと、上記蓄積MOSFETのゲートに情報電圧を書き込む書き込み用トランジスタとを備えたメモリセルを用いたメモリ回路からなる半導体集積回路装置、あるいはかかるメモリ回路と他の論理回路等を内蔵した半導体集積回路装置に広く利用できるものである。
【図面の簡単な説明】
第1図は、この発明に係る半導体集積回路装置に構成されるメモリ回路の一実施例を示す要部回路図であり、
第2図は、この発明に係る半導体集積回路装置に構成されるメモリ回路の他の一実施例を示す要部回路図であり、
第3図は、上記第2図の実施例回路に用いられるBMOSトランジスタの一実施例を示す断面構造の概略図であり、
第4図は、上記図3に示したBMOSトランジスタの電圧−電流特性図であり、
第5図は、上記第2図の実施例回路におけるメモリセルの一実施例の概略平面構造を示し、
第6図は、上記第5図のメモリセルのA−A’断面図であり、
第7図は、上記第5図のメモリセルのB−B’断面図であり、
第8図は、上記第1図及び第2図のメモリ回路の動作の一例を説明するための波形図であり、
第9図は、この発明に係る半導体集積回路装置に構成されるメモリセルの他の一実施例を示す回路図であり、
第10図は、この発明に係る半導体集積回路装置に構成されるメモリ回路の一実施例を示す要部回路図であり、
第11図は、上記第10図に示したメモリ回路の動作の一例を説明するための波形図であり、
第12図は、この発明に係る半導体集積回路装置に構成されるメモリ回路の一実施例を示す要部回路図であり、
第13図は、上記第12図に示したメモリ回路の動作の一例を説明するための波形図であり、
第14図は、この発明に係る半導体集積回路装置に構成されるメモリ回路の一実施例を示す要部回路図であり、
第15図は、この発明に係る半導体集積回路装置に構成されるメモリ回路の更に一実施例を示す要部回路図であり、
第16図は、上記第15図に示したメモリ回路の動作の一例を説明するための波形図である。
この発明は、半導体集積回路装置に関し、高信頼、大容量半導体メモリ回路を備えたものに利用して有効な技術に関するものである。
背景技術
半導体メモリには大別してRAM(ランダムアクセスメモリ)とROM(リードオンメモリ)がある。なかでも計算機の主記憶として最も大量に使われるのはダイナミックRAM(DRAM)である。記憶を蓄えるメモリセルは、一つの蓄積静電容量(キャパシタ)とそれに電荷を蓄え読み出すトランジスタから構成される。このメモリはRAMとして最小の構成要素で実現されるため、大規模化に適している。従って相対的に安価で大量に生産されてきた。
しかし、DRAMの問題点は動作が不安定になり易いことである。最も大きな不安定要因はメモリセル自体に増幅作用がなく、したがってメモリセルからの読み出し信号電圧が小さく、メモリセルの動作が各種の雑音の影響を受け易いことである。さらにはメモリセル内に存在するpn接合(リーク)電流によってキャパシタに蓄えられた情報電荷は消失してしまう。そこで消失する前にメモリセルを周期的にリフレッシュ(再生書きこみ)動作をさせて記憶情報を保持させる。この周期はリフレッシュ時間と称し、現状では100ms程度であるが、記憶容量が増大するにつれてますま長くする必要がある。すなわちリーク電流を抑える必要があるが、これは素子の微細化とともにますます困難になってきている。
これを解決するメモリは、ROM特にフラッシュメモリである。フラッシュメモリはよく知られているように、DRAMセルと同等以上に小形で、メモリセル内に利得があるので本質的に信号電圧は大きく、したがって動作は安定である。また絶縁膜で囲まれた蓄積ノードに記憶電荷を蓄えるので、DRAMのようにpn接合電流はなくリフレッシュ動作は不要である。しかし、蓄積ノードに微弱なトンネル電流を流して電荷を蓄えるので書きこみ時間が極端に長い。また、書き込みを繰り返すと絶縁膜に強制的に電流を流すことになり、徐々に絶縁膜が劣化し最終的には絶縁膜は導電膜となって記憶を保持できなくなる。
したがって、製品では10万回に書き込みを制御することが一般的である。つまりフラッシュメモリをRAMとして用いることはできない。このようにDRAMとフラッシュメモリはともに大容量メモリではあるが、それぞれ長所と短所があり、それぞれの特徴を活かして使い分けなければならない。
情報電圧をゲートに蓄える蓄積MOSFETと、上記ゲートに情報電圧を書き込む書き込み用MOSFETを備えた、いわゆる3トランジスタセルが、例えば1994年11月5日、培風館発行「超LSIメモリ」伊藤 清男著、頁12〜頁15によって公知である。このような3トランジスタセルは、セル自身に増幅機能があるのでデータ線に現れる読み出し信号電圧は大きく、すべて非破壊読み出しであるという特徴があるが、読み出し動作や書き込み動作を行う周辺回路の回路が複雑であり、使い勝手が悪いという問題等によって実用化されていない。
したがって、この発明は、回路の簡素化と使い勝手を良くしたメモリ回路を備えた半導体集積回路装置を提供することを目的としてしている。この発明は、高速性と不揮発性との2つを兼ね備えたメモリ回路を備えた半導体集積回路装置を提供することを他の目的としている。この発明は、この発明の前記ならびにそのほかの目的と新規な特徴は、本明細書の記述および添付図面から明らかになるであろう。
発明の開示
本願において開示される発明のうち代表的なものの概要を簡単に説明すれば、下記の通りである。すなわち、情報電圧をそのゲートに保持する蓄積MOSFET及び書き込み用トランジスタを含むメモリセルを用い、書き込み情報電圧が伝えられる書き込み用データ線及び上記メモリセルの蓄積MOSFETのオン又はオフ状態に対応した読み出し信号が伝えられる読み出し用データ線に直交するようワード線を配置して、上記メモリセルの書き込み用トランジスタの制御端子を接続するるとともに、その選択信号に対応して上記メモリセルからの上記読み出し信号を対応する読み出し用データ線に出力させるようメモリセルアレイを構成し、データ線選択回路により上記複数の読み出し用データ線の中の一を選択して第1と第2の共通データ線のいずれかに接続させ、上記読み出し用データ線を、非選択期間において第1電位にプリチャージし、第1選択期間において上記ワード線を読み出し用に選択して上記メモリセルのオン状態の蓄積MOSFETにより第2電位にディスチャージし、上記第1と第2の共通データ線は、上記非選択期間において上記第1電圧と第2電圧のほぼ中間の第3電位にプリチャージし、上記第1の選択期間において上記データ線選択回路により選択された読み出し用データ線との電荷分散に対応した一方の共通データ線に現れる読み出し信号が上記他方の共通データ線のプリチャージ電圧を参照電圧として増幅し、必要に応じて書き込みデータ線に書き込み信号を伝えた後の第2選択期間においてワード線を高電圧にして書き込みトランジスタをオン状態にしてメモリセルに書き込み又は再書き込みする。
本願において開示される発明のうち他の代表的なものの概要を簡単に説明すれば、下記の通りである。すなわち、情報電圧をそのゲートに保持する蓄積MOSFET及び書き込み用トランジスタを含むメモリセルを用い、書き込み信号が伝えられる書き込み用データ線及び上記メモリセルの蓄積MOSFETのオン又はオフ状態に対応した読み出し信号が伝えられる読み出し用データ線に直交するようワード線を配置して、上記メモリセルの書き込み用トランジスタの制御端子を接続するとともに、その選択信号に対応して上記メモリセルからの上記読み出し信号を対応する読み出し用データ線に出力させるようメモリセルアレイを構成し、上記読み出しデータ線と上記書き込みデータ線との間に設けられたCMOSラッチ構成のセンスアンプを設け、上記読み出しデータ線を第1の期間において第1電位にプリチャージし、上記書き込みデータ線を上記第1期間において上記第1電圧より小さな第2電圧にプリチャージし、第2の期間において上記ワード線を選択して上記メモリセルのオン状態の蓄積MOSFETにより読み出しデータ線を第3電位にディスチャージし、上記読み出しデータ線が上記メモリセルの情報電圧に対応した第1電圧か第3電圧にされた後に上記センスアンプを動作状態にしてセンスアンプの動作電圧に対応したハイレベルとロウレベルに増幅し、データ線選択回路により上記読み出しデータ線とそれに対応した書き込みデータ線からなる複数対の中の一対を選択し第1と第2の共通データ線と接続させる。
発明を実施するための最良の形態
この発明をより詳細に説述するために、添付の図面に従ってこれを説明する。
第1図には、この発明に係る半導体集積回路装置に構成されるメモリ回路の一実施例の要部回路図が示されている。同図の各素子及び回路ブロックは、公知の半導体集積回路の製造技術によって、それが搭載される単結晶シリコンのような1個の半導体基板(LSI)上において形成される。
この実施例では、データ線が読み出し用データ線RDと書き込み用データ線とに分離され、特に制限されないが、同図において縦方向に平行して延長される。同図においては、上記読み出し用データ線RDと書き込み用データ線WDとが一対とされて1ないしmからなる複数対が設けられ、そのうちの2対のデータ線対RD1,WD1〜RDm,WDmが代表として例示的に示されている。
1つのメモリアレイMA1においては、上記複数対のデータ線RD1,WD1〜RDm,WDm等と直交するよう、同図では横方向に1ないしnからなる複数のワード線WL11〜WL1nが延長される。上記1ないしnからなる複数のワード線のうち、2本のワード線WL11とWL1nが代表として例示的に示されている。特に制限されないが、上記データ線方向には1ないしkからなる複数個のメモリアレイMA1〜MAkが設けられ、各メモリアレイMAにおいて、それぞれメモリアレイMA1と同様に1なしいnからなる複数のワード線がそれぞれに設けられる。
上記メモリアレイMA1を代表としてメモリアレイの構成を説明する。上記ワード線WL11とデータ線RD1,WD1の交点に設けられるメモリセルMC11は、そのゲートに情報電圧を保持して、かかる情報電圧により、ワード線WL11が選択された時にオン状態又はオフ状態にされる蓄積MOSFETQRと、上記書き込み用データ線WDに伝えられた書き込み信号を上記MOSFETQRのゲートに伝える書き込み用MOSFETQWと、上記MOSFETQRのゲートとワード線WL11との間に設けられ、ワード線が非選択とされたときには上記記憶電圧に無関係に蓄積MOSFETQRをオフ状態にさせるためのキャパシタCとから構成される。
上記書き込み用MOSFETQWのゲートは、上記ワード線WL11に接続される。上記蓄積MOSFETQRのソース−ドレイン経路は、上記読み出し用データ線RD1と回路の接地電位VSS(0V)に接続される。
上記読み出し用データ線RD1と書き込み用データ線WD1には、プリチャージ信号PRによりスイッチ制御されるプリチャージMOSFETQPR及びQPWが設けられ、プリチャージ期間において上記データ線RD1,WD1は電源電圧VDDにプリチャージされる。
上記読み出し用データ線RD1と書き込み用データ線WD1との間には、読み出しデータ線RD1の信号を書き込みデータ線WD1に伝える書き込み制御回路WC1が設けられる。この実施例では、特に制限されないが、上記書き込み制御回路WC1は、ワード線WLと平行して延長される制御線WCL1によってスイッチ制御されるMOSFETQT1により構成される。
上記一対のデータ線RD1,WD1に隣接して設けられる同様なデータ線RD2,WD2にも上記同様なメモリセル、プリチャージ回路、書き込み制御回路が設けられる。
上記読み出しデータ線RD1ないしRDmは、データ線選択回路を構成するスイッチMOSFETQY11〜QY1mを介して、一対からなる相補の共通データ線/IO(1)とIO(1)のいずれかに接続される。特に制限されないが、上記メモリアレイMA1に設けられる読み出しデータ線RD1ないしRDmは偶数本から構成され、例えば奇数番目の読み出しデータ線RD1、RD3・・・は上記共通データ線IO(1)に接続され、偶数番目の読み出しデータ線RD2、RD4・・・RDmは、上記共通データ線/IO(1)に接続される。
この結果、上記一対の相補の共通データ線IO(1)と/IO(1)に接続される読み出しデータ線の数が等しくなり、それに対応して上記データ線選択回路を構成するスイッチMOSFETの数も同じくされる。上記共通データ線IO(1)と/IO(1)は、その長さがほぼ等しくされ、かつ、同じ数のスイッチMOSFETが接続されることによって、ほぼ同じ寄生容量を持つようにされる。
ここで、上記相補の共通データ線は、ロウレベルが論理1に対応した反転の共通データ線/IOと、ハイレベルが論理1に対応した非反転の共通データ線IO(1)からなるものであり、上記スラッシュ/は論理記号のオーバーバーを表している。
上記相補の共通データ線IO(1)と/IO(1)には、読み出しデータ線のプリチャージ電圧(VDD)とディスチャージ電圧(0V)の1/2に対応したハーフプリチャージ電圧VDD/2にプリチャージするMOSFETQ1とQ2が設けられる。これらのMOSFETQ1とQ2のゲートは、前記プリチャージ信号PRが供給される。他のメモリアレイMA2ないしMAkにも、上記同様な共通データ線、及びプリチャージ回路が設けられる。
上記メモリアレイMA1ないしMAkに設けられた1ないしnからなる複数のワード線WL11〜WL1nないしWLKk1ないしWLknのそれぞれは、Xデコーダ&ドライバX−DEC/DRVによって、各メモリアレイMA1〜MAk毎に1本ずつが選択される。
上記メモリアレイMA1ないしMAkの各読み出しデータ線は、Yデコーダ&ドライバY−DEC/DRVによって形成された選択信号YS1ないしYSmにより、各メモリアレイMA1〜MAkの対応する読み出しデータ線RD1〜RDkが同時に選択され、それぞれに対応して設けられる共通データ線IO(1),/IO(1)ないしIO(k),/IO(k)のいずれか一方に接続される。この結果、この実施例のメモリ回路では1ないしkからなるkビットの単位でのメモリアクセスが行われるものである。上記のようなYデコーダ&ドライバY−DEC/DRVを複数の各メモリアレイMA1ないしMAkのデータ線選択動作に共通に用いることによって、回路の簡素化を図ることができる。
上記相補の共通データ線IO(1)と/IO(1)には、特に制限されないが、センスアンプSA1としてNチャンネル型MOSFETQN1とQN2及びPチャンネル型MOSFETQP1とQP2からなる2つのCMOSインバータ回路の入力と出力とが交差接続されてなるCMOSラッチ回路が設けられる。これらのCMOSラッチ回路からなるセンスアンプSA1は、動作タイミングに対応してNチャンネル型MOSFETQN1,QN2とPチャンネル型MOSFETQP1とQP2のそれぞれの共通ソースSNとSPに、回路の接地電位と電源電圧VDDのような動作電圧が与えられることによって活性化される。
代表として示されている他の共通データ線IO(k)と/IO(k)等にも上記同様なセンスアンプSAkが設けられるものであり、これらのセンスアンプSA1〜SAkの上記増幅MOSFETのソースSNとSPは共通化されて上記動作電圧が与えられる。それ故、上記1ないしkからなるk個のセンスアンプSA1〜SAkが一斉に増幅動作を開始して、それぞれに対応した共通データ線IOと/IOに読み出された読み出し信号を増幅する。
これらの増幅信号は、図示しない出力回路を介して半導体集積回路装置の外部端子から出力される。あるいは、上記外部端子から供給された書き込み信号は、入力回路を介して取り込まれ、特に制限されないが、上記センスアンプSA1ないしSAkにより増幅されて、選択された読み出しデータ線と、上記書き込み制御回路WCとを介してそれぞれ書き込み用データ線に伝えられて、メモリセルに書き込まれる。
第2図には、この発明に係る半導体集積回路装置に構成されるメモリ回路の他の一実施例の要部回路図が示されている。この実施例では、記憶電荷の不揮発化に向けられている。記憶電荷の不揮発化のために書き込みトランジスタは、前記のようなMOSFETに代えて後述するようなバリヤ絶縁膜の構造のMOSFET(以下、単にBMOSという)が用いられる。
この実施例では、上記のように書き込み用トランジスタQWがNチャンネル型MOSFET(NMOS)から上記バリヤ絶縁膜の構造のMOSFET(BMOS)置き換えられたものであり、他の構成は前記第1図の実施例と同様であるので、その説明を省略する。
第3図は、上記BMOSトランジスタの一実施例の断面構造の概略図である。積層した4層のポリシリコン(ポリ1〜ポリ4)の両側にゲート酸化膜(膜厚toxの熱酸化膜)を介してゲート電極Gが配置されている縦型構造に大きな特徴がある。実際には両側のポリシリコンで形成されたゲート電極は、後述するように一体で形成され常に等電位である。ポリシリコン1とポリシリコン4はポリシリコンに1020cm−3程度のリンがドープされており、トランジスタのドレインD(あるいはソースS)とソース(あるいはドレイン)を形成する。ポリシリコン2とポリシリコン3はきわめて低濃度(1015〜1017cm−3程度)にリンがドープされたイントリンシックポリシリコンでトランジスタの基板を形成する。
ポリシリコン1とポリシリンコン2、ポリシリンコ2とポリシリコン3ならびにポリシリコン3とポリシリコン4の間には、たとえば薄い(2〜3nm)シリコン窒化膜から成るトンネル膜SN1,SN2,SN3が形成されている。SN1とSN3は、トランジスタ形成時に、ドレインあるいはソース領域の高濃度のリンが内部(ポリシリコン2、ポリシリコン3)の低濃度層に拡散しないようにストッパーの役割をさせるものである。
ドレイン・ソース間に電流を流すためには、これらの膜厚は余り厚くないトンネル膜である必要がある。中央トンネル膜SN2は、トランジスタのオフ電流を小さく抑えるためのものである。すなわちオフ状態にあるトランジスタ内のポリシリコン2とポリシリコン3の領域で発生した正孔あるいは電子が、電流となってドレイン・ソース間を流れないようにするストッパーである。
ゲートに十分高い正の電圧を印加すると、このトンネル膜のポテンシャル障壁は下がるのでドレイン・ソース間に十分大きなオン電流が流れる。もちろんオフ電流の目標値によっては、この中央トンネル膜を削除することもできる。また中央膜1層と仮定したが必要に応じて多層から成るトンネル膜でもよい。同図のBMOSの代表寸法は、l=0.4μm,d=0.2μm,tox=10nm程度である。この種のトランジスタは、トンネル膜厚を適当に選ぶと、基板濃度のきわめて低い通常の横形MOSトランジスタと類似の電流・電圧特性を得ることができる。第4図にその特性の概略を示す。
ここで10年間の不揮発特性を保証するためのドレイン・ソース間に流れる電流(IDS)の許容最大値(i)を求めると次の通りとなる。記憶ノード(N)の容量(C)を5fF、10年間(Δt)で許容される記憶ノード電圧の低下(ΔV)を0.1Vとすると、i−C・ΔV/Δt=1.6×10−24Aとなる。一方、通常の回路設計ではトランジスタのしきい値電圧VWTはIDS−10−8A程度の電流を流すためのゲート・ソース電圧(VGS)で定義される。10−24Aから10−8Aの同図のセミログで表わされた電流領域ではIDSとVGSの関係は直線になるから、IDSを1桁増加させるVGSの値を100mVとすると、VTW0.1(V/桁)×16(桁)=1.6Vとなる。このしきい値電圧VTWの値はトランジスタ(QW)をほぼ10年間オフにするための最小値である。実際の設計ではしきい値電圧VTWのばらつきや温度特性を考慮して、標準的なしきい値電圧VTWは2Vに設定される。
メモリセル1個のデータは保持時間が1日程度でもよい場合には、許容電流の最大値は10−20A程度であるから、VTW0.1(V/桁)×12(桁)=1.2Vでよい。製造ばらつきを考慮すると、標準的なしきい値電圧VTWを1.6Vに設定すればよい。したがって不揮発動作に比べて、要求されるワード電圧の最大値(VDD+VTW以上)はしきい値電圧VTWが低くなった分だけ小さくなるので、メモリセル内の書き込みトランジスタ(QW)やワード線を駆動する周辺回路内のトランジスタに対する破壊耐圧への要求は緩和される。
この場合には、DRAMで周知のリフレッシュ動作を行えばメモリセルのデータは保持される。すなわちワード線を駆動して前述の読み出し・再書き込みをする動作を各ワード線に順序に周期的に行えばよい。
第5図は上記第2図のメモリセルの概略平面構造を示す。書き込みトランジスタQWには第3図に示したBMOSが用いられている。第6図には断面A−A’部を、また第7図には、断面B−B’部がそれぞれ示されている。これら第5図ないし第7図において、リンがドープされたn型ポリシリコン膜で形成されたデータ線(RD1)上に、厚い絶縁膜を介してボロンがドープされたP型ポリシリコン膜で形成されたワード線(WL11)が直交配置されている。通常のMOSFET(図1のQR)のゲート電極(N11)の上に第3図に示した立体バリヤ絶縁膜構造のBMOSを積み重ねているので、きわめて高密度のメモリセルが実現できる。
明らかに蓄積MOSFETQRの電流は平面内を流れるのに対し、書き込み用トランジスタQWの電流はそれと垂直方向に流れる。このために、よく知られた折り返しデータ線配置のDRAMメモリセルの面積は原理的に8F2(F:最小寸法)なのに対して、本発明のそれは4F2なのでセル面積を半減させることができる。第2図の結合容量(C)は、第6図に示すように、ワード線WLとポリシリコン4の間の薄い熱酸化膜で形成できる。ポリシリコン4の膜厚を調整すればCの大きさを変えることができる。
この実施例のメモリセルは、周知の1個のMOSFETと1個のキャパシタからなるDRAMセルに比べて、面積がほぼ半分で表面の凹凸の少ないメモリセルがより少ないマスク枚数で製造することもできる。したがってメモリチップはより作り易くなり低価格になる。
この実施例のメモリセルは、前述のように書き込み用トランジスタQWのしきい値電圧(VTW)さえ正しく設定すれば、データ保持時間も十分長く、またアルファ線などの入射によるソフトエラーに対しても著しく強くなる。すなわちメモリセルノード(N11)にはpn接合がないので第1図のメモリセルのように書き込みトランジスタとしてMOSFETを用いた場合のような接合リーク電流はない、またアルファ線が照射されセル内部に電子・正孔対が発生しても、トンネル膜が電子と正孔のそれぞれの流れに対してストッパーとなるためにセル内のポテンシャルを変化させることはない。これにより、理論的には不揮発メモリとして動作させることができる。
第8図には、上記第1図及び第2図に示したメモリ回路の動作の一例を説明するための波形図が示されている。
プリチャージ信号PRは、VDD+VT(ここでVTはプリチャージMOSFETのしきい値電圧)のような高レベルにされる。それ故、上記読み出しデータ線RD1〜RDm,書き込みデータ線WD1〜WDmは電源電圧VDDのようなハイレベルにプリチャージされる。同様に、共通データ線IOと、センスアンプSA1〜SAkの共通ソースSPとSNは、ハーフプリチャージ電圧VDD/2にプリチャージされる。
プリチャージ信号PRがロウレベルに変化すると、上記プリチャージ用のMOSFETはオフ状態となり、上記データ線等の各部は前記プリチャージ電圧を保持している。
以下、メモリセルMC11に共通データ線対IOからデータを書き込む例を説明する。メモリセルMC11の記憶ノード(ゲート)N11に2値情報1あるいは0に対応した高電圧VDDあるいは低電圧0Vを書き込むには、ワード線WL11にVDD+VTW(VTWは書き込みトランジスタQWのしきい値電圧)以上の電圧VWを印加した上で、上記共通データ線IOからスイッチMOSFETQY11、読み出し用データ線RD1及び書き込み制御回路WC1を介して書き込みデータ線WD1にVDD又は0Vを供給すればよい。
ここで、注意を要することは、ワード線WL11に上記のような選択電圧VDD+VTWを印加すると、同じワード線WL11に接続される非選択のメモリセルの記憶情報が破壊されてしまう。すなわち、上記ワード線WL11に接続される非選択のメモリセルMC12〜MC1mの書き込みトランジスタQWもオン状態となり、それぞれのメモリセルの記憶ノードN1m等には、上記書き込みデータ線WDmのプリチャージ電圧VDDが印加されてしまう。
このような情報破壊を防ぐために、まず選択ワード線WL11上のメモリセルを読み出し、選択したメモリセルMC11を除いた他の非選択メモリセルMC12〜MC1mにそれぞれ上記読み出された情報を再書き込みするようにする。つまり、この再書き込み動作と並行して選択したメモリセルMC11には、その読み出しデータに代えて、上記共通データ線IOからのデータ入力で置き換え、その置き換えられたデータを書き込むようにすればよい。
したがって、この実施例のメモリ回路では、書き込み動作においても読み出し動作が先行して行われることが必須となる。前記第1図及び第2図の実施例では、メモリセルの面積を小さくするために、ワード線が読み出し用と書き込み用に共通化されているので、ワード線の選択レベルは読み出し選択レベルVRと書き込み選択レベルVWのような2つの選択レベルを持つようにされる。
非選択状態ではそれぞれのメモリセルの記憶ノードN11,N1mの電圧は、2値記憶情報の1と0ともに読み出しMOSFETQRのしきい値電圧VTRよりも低くされている。第8図では、より高い方の電圧を2値情報の1に対応させ、その電圧はVN(H)なので、この仮定はVN(H)<VTRとなる。このような電圧条件はメモリセル内のキャパシタCによって実現される。すなわち、ワード線WL11が0Vのような非選択レベルになったとき、キャパシタCによる結合によって上記記憶ノードVN(H)の電位が低くされることによって実現される。
したがって、1つの読み出しデータ線RD1に接続されている複数のメモリセルMC11〜MCn1の上記蓄積MOSFETQRは、上記2値情報に対応した記憶電圧VN(H)とVN(L)に無関係にオフ状態にされている。
ワード線の第1選択期間では、上記書き込み用トランジスタQWのしきい値電圧以下であって、上記情報電圧VN(H)をゲートに保持してている蓄積MOSFETQRがオン状態に、上記情報電圧VN(L)をゲートに保持している蓄積MOSFETQRがオフ状態になる低い電圧VRによりワード線を駆動する。つまり、上記ワード線WL11を上記のような読み出し電圧VRに設定すると、上記情報電圧VN(H)を保持しているなら記憶ノードN11の電位は、上記キャパシタCを介して上記選択電圧VRに対応して上昇し、そのしきい値電圧VTRよりも高くなって蓄積MOSFETQRがオン状態となって、上記プリチャージされた読み出しデータ線DR1をディスチャージさせる。
これに対して、上記情報電圧VN(L)を保持しているなら記憶ノードN11の電位は、上記のようなワード線WL11の電位上昇によっても上記しきい値電圧VTRに到達することないので、蓄積MOSFETQRがオフ状態のままとなり、上記読み出し用データ線DRをプリチャージ電位のままに維持する。
このような読み出しデータ線DRへのメモリセルの記憶情報の読み出しが行われた後に、Y選択線YS1がハイレベル(VDD+VT)にされて、選択MOSFETQY11をオン状態にさせる。これにより、読み出し用データ線DRと共通データ線IO又は/IOのいずれか一方とが接続され、それぞれの寄生容量に蓄積された電荷の結合によって微小な読み出し信号vsが現れる。
上記のように読み出し用データ線DR1がディスチャージされてロウレベルなら、VDD/2にプリチャージされた共通データ線IOとの結合によって、共通データ線IOは微小電圧だけ低下し、読み出しデータ線DR1は共通データ線IOからの電荷供給によって微小電圧だけ上昇する。逆に、上記読み出し用データ線DR1がプリチャージのままなら、VDD/2にプリチャージされた共通データ線IOとの結合によって、共通データ線IOは微小電圧だけ上昇し、読み出しデータ線DR1は共通データ線IOへの電荷供給によって微小電圧だけ低下する。
このように、共通データ線IO(又は/IO)には、メモリセルの2値記憶情報の1と0に対応し、他方の共通データ線/IO(又はIO)のプリチャージ電圧を基準にして、−vs又は+vsのような微小読み出し信号が現れる。この読み出し信号±vsは、電源電圧VDDが1ないし3V程度であるとき、200〜500mV程度に設定される。
このような共通データ線IOと/IOの差動電圧vsは、センスアンプの活性化信号SNのロウレベル(0V)とSPのハイレベル(VDD)への変化に対応して動作状態にされる前記センスアンプSA1によって増幅され、上記記憶情報に対応したVDDのハイレベルと回路の接地電位0Vに対応したロウレベルにされる。
上記読み出しデータ線DR1等の電位が確定した後に、行選択を行う制御線WCL1がハイレベルにされて、書き込み制御回路WC1を構成するMOSFETQT1等をオン状態とし、上記読み出しデータ線DR1と書き込みデータ線DW1とを接続する。つまり、読み出しデータ線DR1の電位がロウレベルなら書き込みデータ線DW1との間で電荷の再配分がおこり、読み出しデータ線DR1は図中qの電位まで低下する。もしも、両データ線RD1とWD1の寄生容量が等しいなら、上記電荷の再配分が一瞬のうちに行われて両者の電位はVDD/2になる。その後に、両データ線RD1とWD1は、センスアンプSA1とメモリセルMC11によって放電経路が形成されて0Vのようなロウレベルにされる。読み出しデータ線DR1がハイレベルなら書き込みデータ線DW1は前記プリチャージに対応したVDDに維持される。
上記のデータ線RD1とWD1の放電過程において、共通データ線IOにハイレベル(VDD)の書き込み電圧が加わると、上記両データ線RD1とWD1が上記書き込み電圧に対応したハイレベル(VDD)の電位に変化し、ロウレベル(0V)の書き込み電圧が加わると、上記両データ線RD1とWD1が上記書き込み電圧に対応したハイレベル(VDD)の電位に変化する。
上記のような書き込み電圧が書き込みデータ線WD1に伝えられた後に、Y選択線YS1と制御線WCL1はロウレベルにされて、上記MOSFETQY11とQT1等はオフ状態にされる。
そして、ワード線WL11は、第2選択期間として上記書き込み用トランジスタQWをオン状態するよう高電圧VWに変化する。これにより、書き込みデータ線WD1ないしWDmの電圧がそれぞれの記憶ノードN11ないしN1mに伝えられて、選択されたメモリセルMC11には外部からの書き込み信号に対応した情報電圧が書き込まれ、他のメモリセルMC12ないしMC1mには、もとの記憶電圧を反転した電圧が書き込まれる。
上記のような選択メモリセルに対する書き込み動作、非選択メモリセルに対するいわゆるリフレッシュ動作が終了すると、ワード線WL11は0Vのようなロウレベルにされる。メモリセルの記憶ノードN11等の電圧は、前述したようにキャパシタCによって十分小さな電圧になる。ここで、記憶ノードN11にVDDのようなハイレベルが書き込まれた場合でも、読み出しデータ線RD1が0Vに放電した後は、蓄積MOSFETQRに電流が流れ続けることはない。したがって、蓄積MOSFETQRのソース端子をフローティングにする回路手段が必要がなく、同図のように定常的に回路の接地電位に接続することができる。
上記書き込み制御回路WC1のMOSFETQT1をオフ状態にするタイミング、すなわち、制御線WCL1をロウレベルの非選択状態にするタイミングは、選択セルの書き込み動作というよりも非選択セルの再書き込み動作によって決まる。
なぜなら、第8図の波形図において、データ線RD1とWD1とRDmとWDmがそれぞれ電位p,qあるいはp’,q’の電位に達した後に、選択セルの書き込みデータ線WD1はセンスアンプSA1とメモリセルMC11の両者で駆動されるのに対して、非選択セルMC12〜MC1mの書き込みデータ線WD2〜WDmは、それぞれに対応したメモリセルのみで駆動されるためである。
読み出し動作は、次の通りである。読み出し動作では、前記のような書き込み動作において選択されたメモリセルの読み出し信号をセンスアンプSA1〜SAkにより増幅して出力させた後、外部から書き込み信号を入力することなく、言い換えるならば、上記選択された読み出しデータ線RD1及び書き込みデータ線WD1をそのままの電位にして、ワード線の選択レベルを書き込み用の高電圧VWにすればよい。このとき、上記選択されたワード線に接続される読み出しのための選択セルと非選択セルの全て対して、それぞれの読み出し電圧に対応した電圧が再書き込みされる。
リフレッシュ動作は、次の通りである。このリフレッシュ動作は、主に第1図に示したメモリセルのように書き込みトランジスタQWとしてMOSFETを用いた場合に適用される。ここで、書き込みトランジスタQWとして、第2図に示した実施例のように前記バリヤ絶縁構造のBMOSを用いた場合には、前記のように記憶ノードNの電荷のリークを無視できるほど小さく抑えられ、記憶情報の不揮発化が可能となるから格別なリフレッシュ動作は不要となるが、BMOSの設計によってはリフレッシュ動作が必要となる場合もある。
リフレッシュ動作は、前記第8図に示した波形図においてY選択線YSが非選択にされることなく、ワード線をWL11からWL1n及びWLK1〜WLknのように順次に前記第1選択期間において電圧VRにしてメモリセルからの読み出しを行い、書き込み制御回路を介して書き込みデータ線に伝え、次いで第2選択期間に高電圧電圧VWにしてメモリセルの記憶ノードに書き込むようにすればよい。
メモリセル内に利得があって、データ線が読み出し用と書き込み用に分離されているメモリセルであれば、この実施例の回路方式はそのようなメモリセルにそのまま適用できる。
第9図には、この発明に係るメモリ回路に用いられるメモリセルの他の一実施例の回路図が示されている。同図(A)においては、この実施例では、蓄積MOSFETQR1のドレインと読み出しデータ線RDとの間に選択MOSFETQR2が設けられる。この選択MOSFETQR2のゲートはワード線WLに接続される。この構成は、前記第1図の実施例のメモリセルにおいて、キャパシタCを削除し、選択MOSFETQR2を追加したものと考えてよい。
この場合、ワード線の選択動作を前記のように読み出し用の第1の選択期間と、書き込み及び再書き込み用の第2選択期間に分けて選択電圧を変更するものであるが、これらの選択電圧に対応して選択MOSFETQR2と書き込み用MOSFETQWのしきい値電圧が設定される。すなわち、前記第1選択期間での読み出し用電圧VRでは、上記選択MOSFETQR2がオン状態に、上記書き込み用MOSFETQWはオフ状態にされる。そして、前記第2選択期間での書き込み用電圧VWでは、上記書き込み用MOSFETQWがオン状態にされる。このようなワード線の3値レベルでの選択/非選択動作に対応して、上記第1選択電圧VRに対して、MOSFETQR2のしきい値電圧は低く、MOSFETQWのしきい値電圧は高くされ、上記第2選択電圧VWに対してMOSFETQWのしきい値電圧は低くされる。
この実施例では、MOSFETQR2が追加されるので、素子数が増加するが、上記キャパシタCが不要になるので動作を安定化させることができる。つまり、メモリセルをアクセスするため場合の電圧マージンを拡大させることができる。
同図(B)においては、上記(A)のメモリセルを変更したものであり、ワード線が書き込みワード線WWLと読み出し用ワード線RWLに分離され、書き込み用MOSFETQWのゲートは書き込み用のワード線WWLに接続し、選択用MOSFETQR2のゲートは読み出し用ワード線RWLに接続する。
この実施例では、ワード線が書き込み用と読み出し用の2つに分離されているため、前記のような3値レベルによるワード線の選択/非選択動作が不要になる。つまり、ワード線の第1選択期間では読み出し用ワード線RWLを選択状態にして、メモリセルの情報電圧に対応してオン状態/オフ状態にされている蓄積MOSFETQR1のメモリ電流が、読み出し用ワード線RWLの選択動作によってオン状態にされる選択MOSFETQR2を介して読み出し用データ線RDに流れるようにされる。もしも、上記蓄積MOSFETQR1が情報電圧のハイレベルによりオン状態にされていなら、読み出し用データ線RDはディスチャージされ、上記蓄積MOSFETQR1が情報電圧のロウレベルによりオフ状態にされていなら、読み出し用データ線RDはプリチャージ電圧のままに維持される。
ワード線の第2選択期間では書き込み用ワード線WWLを選択状態にして、書き込み用MOSFETQWをオン状態にして、書き込みデータ線WDに伝えられている書き込み電圧が、蓄積MOSFETQR1のゲートに書き込まれる。この実施例では、ワード線が2本増加する反面、書き込み用と読み出し用のワード線がそれぞれ2値電圧で選択/非選択にすればよいから、メモリセルを構成するMOSFETの全てのしきい値電圧を等しく形成できるから設計及び製造が簡単となるものである。
上記のように書き込み制御回路WCとして、読み出しデータ線RDに現れた読み出し信号をそのまま書き込みデータ線WDに伝えて再書き込み(リフレッシュ)を行う場合には、記憶ノードの情報電圧はその都度反転してしまう。そこで、次のようなデータコントロールレジスタが設けられて、データ入出力バッファが制御される。
この制御方式の概念は、3個のトランジスタから成るセルを用いたDRAMを例に、すでにISSCC72(International Solid−State Circuits Conference in 1972)のDigest pp.12−13で述べられているように公知である。すなわち各ワード線にはメモリセルと同じ構造のデータコントロールセルが接続されている。あるワード線が選択されると、選択されたデータコントロールセルから共通出力信号線にその読み出し信号が出力される。
この信号とメモリセルアレイからセンスアンプを介して読み出された信号が排他的論理和回路(Exclusive OR)により論理がとられてデータ出力DOとなる。一方、データコントロールレジスタへの読み出し信号とデータ入力信号Diとが上記同様な排他的論理和がとられてメモリセルアレイへの書き込みデータとなる。データ入出力の制御を高速に行うために、データコントロールセル内の出力トランジスタ(読み出しMOSFETQRに相当)のチャンネル幅をメモリセルのチャンネル幅よりも大きくすることもできる。
第10図には、この発明に係る半導体集積回路装置に構成されるメモリ回路の他の一実施例の要部回路図が示されている。同図には、1つの読み出しデータ線RD1、書き込みデータ線WD1及び上記読み出しデータ線RD1に対応された共通データ線IO(1)と、1つのワード線WL11及び1つのメモリセルMC11と書き込み制御回路WC1が代表として例示的に示されている。
この実施例では、前記第1図の実施例と同じメモリセルMC11を用いて構成される。この実施例では、書き込み制御回路WC1として、前記のような伝送ゲートMOSFETに代えて、反転増幅回路を構成するMOSFETQT11とQT12により構成される。MOSFETQT11は、そのゲートが上記読み出しデータ線RD1に接続される増幅MOSFETである。上記MOSFETQT12は、上記増幅MOSFETQT11のドレイン出力を書き込みデータ線WD1に伝える出力選択MOSFETであり、そのゲートは行選択線としての制御線WCL1に接続される。
この構成では、メモリセルMC11の記憶情報が読み出しデータ線RD1に読み出され、上記制御信号WCL1のハイレベルにより上記出力選択MOSFETQT12がオン状態となり、増幅MOSFETQT11のドレインから得られる反転増幅信号を書き込みデータ線WD1に伝える。
例えば、メモリセルの記憶ノードにハイレベルが記憶されていた状態なら、前記のようにワード線WL11の第1選択期間では蓄積MOSFETQRがオン状態となって、読み出しデータ線RD1をロウレベルにディチャージさせる。このような読み出しデータ線RD1のロウレベルを受けて、増幅MOSFETQT11はオフ状態となるので、上記制御線WCL1が選択されて出力選択MOSFETQT12がオン状態となっても書き込みデータ線WD1はVDDのようなプリチャージ電位のままとされる。したがって、ワード線WL11の第2選択期間により書き込み用MOSFETQWがオン状態にされたときには、上記記憶ノードには上記記憶電圧と同じハイレベルが書き込まれる。
逆に、メモリセルの記憶ノードにロウレベルが記憶されていた状態なら、前記のようにワード線WL11の第1選択期間に蓄積MOSFETQRはオフ状態となって、読み出しデータ線RD1をハイレベルのプリチャージのままに維持する。このような読み出しデータ線RD1のハイレベルを受けて、増幅MOSFETQT11はオン状態となるので、上記制御線WCL1が選択されて出力選択MOSFETQT12がオン状態となると、書き込みデータ線WD1は0Vにディスチャージされる。したがって、ワード線WL11の第2選択期間により書き込み用MOSFETQWがオン状態にされたときには、上記記憶ノードには上記記憶電圧と同じロウレベルが書き込まれる。
このように書き込み制御回路WC1として反転増幅機能を持たせた場合には、前記説明したようなデータコントロールレジスタは不必要となってデータ入出力回路の設計が容易になるとともに、非選択セルへの再書き込みを高速にできるとともに使い勝手を良くすることができる。
第11図には、上記第10図の実施例回路の動作の一例を説明するための波形図が示されている。
ワード線WL11は第1選択期間では読み出し用の低い電圧VRにされる。非選択期間においてVDDレベルにプリチャージされていた読み出しデータ線RD1は、記憶ノードの記憶電圧に対応して変化する。つまり、前記のように蓄積MOSFETQRのゲートに、かかるMOSFETQRのしきい値電圧VTR以上の高い情報電圧が印加された状態では、MOSFETQRがオン状態となって実線で示したようにVDDから0Vにディスチャージされる。前記のように蓄積MOSFETQRのゲートに、かかるMOSFETQRのしきい値電圧VTR以下の情報電圧が印加された状態では、MOSFETQRはオフ状態となって点線で示したようにVDDプリチャージレベルを維持する。
Y選択線YS1をVDD+VTのようなハイレベルにすると、読み出しデータ線RD1と共通データ線IO(又は/IO)と接続されて、電荷の再配分によって読み出しデータ線RD1と、上記共通データ線IOはVDD/2を基準にして微小電圧vsだけロウレベル又はハイレベルに変化する。その後にセンスアンプが増幅動作を開始して、読み出しデータ線RD1、共通データ線IOはロウレベル又はハイレベルVDDに変化する。そして、制御線WCL1をハイレベルにすると、書き込みデータ線WD1は、実線で示したようにロウレベル(0V)又は点線で示したようにハイレベル(VDD)となる。同図において、実線と点線は、メモリセルの情報電圧に対応した読み出し用データ線RD1の電位変化と対応している。
このようにして書き込みデータ線WD1の電位が確定した後に、ワード線WL11の電位を書き込み用の高電圧VWに変化させて、書き込み用MOSFETQWをオン状態にすることにより、上記記憶ノードにはは、もとの記憶電圧に対応したハイレベル又はロウレベルが再書き込みされる。書き込み用MOSFETQWのスレショルドリーク電流あるいはMOSFETQWのソース,ドレイン拡散層と基板との間のリーク電流によって、上記記憶ノードの情報電圧が減少していたなら、上記のような再書き込みによってものと情報電圧にリフレッシュされる。
上記のような書き込み制御回路WCは、第2図に示したメモリ回路、あるいは第9図に示したメモリセルを用いたメモリ回路にも同様に適用できるものである。
第12図には、この発明に係る半導体集積回路装置に構成されるメモリ回路の他の一実施例の要部回路図が示されている。同図には、1つのデータ線DL1及び上記データ線DL1に対応された共通データ線IO(1)と、1対の読み出しワード線RWL11と書き込みワード線WWL11及び1つのメモリセルMC11と書き込み制御回路WC1が代表として例示的に示されている。
この実施例では、読み出し用データ線と書き込みデータ線とが共通化されたデータ線DL1により構成される。つまり、データ線DL1は読み出し書き込みデータ線RWDとされる。メモリセルMC11は、前記第9図(B)に示した回路と同じ回路が用いられる。ただし、上記のように読み出しデータ線と書き込みデータ線とが共通化されたデータ線DL1により構成されるため、書き込み用MOSFETQWと読み出し選択MOSFETQR2の一方のソース,ドレインが共通に上記データ線DL1に接続される。上記読み出し選択MOSFETQR2のゲートは、読み出し用ワード線RWL11に接続され、書き込み用MOSFETQWのゲートは、書き込み用ワード線WWL11に接続される。
上記データ線DL1は、データ線選択回路を構成するカラムスイッチMOSFETQY11を介して共通データ線IOに接続される。図示しないが、共通データ線IOは、前記のように一対の共通データ線IOと/IOから構成されるうちの一方の共通データ線である。
この実施例では、書き込み制御回路WC1は、上記メモリセルMC11と同じ回路構成とされるMOSFETQT1、QT2及びQT3から構成される。上記MOSFETQT1は、メモリセルの蓄積MOSFETQR1に対応し、MOSFETQT2はメモリセルの読み出し選択用MOSFETQR2に対応し、MOSFETQT3は書き込み用MOSFETQWに対応している。上記MOSFETQT2のゲートは、上記読み出しワード線に対応された第1制御線RCL1に接続され、上記MOSFETQT3のゲートは上記書き込みワード線に対応された第2制御線WCL1に接続される。
第13図には、上記第12図の実施例回路の動作の一例を説明するための波形図が示されている。この波形図を参照して、上記第12図に示したメモリ回路の動作を説明する。
メモリ回路が非選択状態では、プリチャージ信号PRがVDD+VTのようなハイレベルにされて、プリチャージMOSFETQPがオン状態となってデータ線DLを電源電圧VDDにプリチャージしている。
メモリアクセスが開始されると、上記プリチャージ信号PRはロウレベルにされた後に、読み出し用ワード線RWL11がVDDのようなハイレベルにされる。もしも、蓄積MOSFETQR1のゲートにハイレベルの情報電圧が保持されていたなら、かかるMOSFETQR1がオン状態であるので、同図に実線で示すようにデータ線DL1はロウレベル(0V)に向かってディスチャージされる。これに対して、蓄積MOSFETQR1のゲートにロウレベルの情報電圧が保持されていたなら、かかるMOSFETQR1がオフ状態であるので、同図に点線で示すようにデータ線DL1はハイレベル(VDD)のままとされる。
この実施例では、読み出しデータ線と書き込みデータ線とが共通化されているので、上記のような読み出し動作が終了すると読み出しワード線RWL11はロウレベルの非選択状態にされる。この後に、データ線選択回路によりY選択信号YS1がハイレベル(VDD)になると、上記データ線DL1と共通データ線IOとが接続されて、その電荷分散により共通データ線IOは、前記同様にVDD/2のプリチャージ電圧から微小電圧だけロウレベル又はハイレベルに変化する。これに応じてデータ線DL1の電位も上記共通データ線IOとは逆方向に電位が変化する。
図示しない、読み出し動作なら上記共通データ線IOの電位変化は、図示しない他方の共通データ線/IOのプリチャージ電圧VDD/2を参照電圧とする前記のようなセンスアンプによって増幅されて、上記共通データ線IOと、選択されたデータ線DL1の電位は、0V又はVDDに増幅される。
書き込み制御回路の制御線WCL1は、非選択状態を含めて上記の動作の間VDD+VTのようなハイレベルにされており、上記データ線DL1の電位変化がMOSFETQT1に伝えられおり、かかる制御線WCL1のロウレベルの変化により、上記読み出されて増幅されたデータ線DL1の電圧が上記MOSFETQT1のゲートに保持(ラッチ)される。このラッチ動作と並行して上記Y選択信号YS1もロウレベルに変化し、データ線DLと共通データ線IO(1)とは分離される。
書き込み動作のときには、上記Y選択線YS1がハイレベルのときに、入力回路とセンスアンプを介して上記共通データ線IO(1)に書き込み信号が伝えられ、それが上記書き込み制御回路の上記MOSFETQT1のゲートに保持される。これにより、書き込み動作では、選択メモリセルには、上記共通データ線IOからの書き込み電圧が書き込み制御回路に、非選択セルではその読み出し信号が書き込み制御回路にそれぞれラッチされる。
プリチャージ信号PRが一時的にハイレベルにされて、上記データ線DL1がVDDレベルにプリチャージされる。このプリチャージが終了した後に、制御線RCL1と書き込みワード線WWL11をハイレベルにする。書き込みワード線WWL11の選択レベルは、VDD+VTWのような高い電圧にされる。
上記書き込み制御回路WC1のMOSFETQT1のゲートに、ハイレベルがラッチされていたなら、かかるMOSFETQT1がオン状態であるので、MOSFETQT2を通してデータ線DL1をロウレベルにディスチャージさせ、このロウレベルがメモリセルのMOSFETQR1のゲートに書き込まれる。また、上記書き込み制御回路WC1のMOSFETQT1のゲートに、ロウレベルがラッチされていたなら、かかるMOSFETQT1がオフ状態であるので、データ線DL1がハイレベルのままとなり、それがメモリセルのMOSFETQR1のゲートに書き込まれる。
このような動作によって、1つのデータ線を用いつつ、前記第1図又は第2図の実施例回路と同様な書き込み/読み出し及びリフレッシュの各動作を行わせることができる。この実施例では、データ線DLの数が半分にできるので回路の簡素化を図ることができる。
上記のように選択セルの読み出し動作あるいは非選択セルの再書き込み動作では、書き込み制御回路で再反転した電圧がメモリセルの記憶ノードに入力されることになるから、メモリセルを読み出す毎にその記憶ノードの電圧はハイレベル/ロウレベルと反転することはない。したがって、前記説明したようなデータコントロールレジスタは不要にでき、使い勝手を良くすることができる。
メモリセルの書き込みトランジスタとして、MOSFETに代えて前記第2図の実施例のようにバリヤ絶縁膜の構造を持つBMOSに置き換え、それを前記のように縦構造とすると、メモリセルの面積を小さくすることができるとともに、記憶電圧の不揮発化も可能となる。そして、書き込み制御回路のMOSFETQT3もかかるBMOSとすることにより、かかる制御回路もメモリセルと同様に面積を小さく形成することができる。
第14図には、この発明に係る半導体集積回路装置に構成されるメモリ回路の他の一実施例の要部回路図が示されている。記憶容量を大きくすると、読み出しデータ線や書き込みデータ線に接続されるメモリセルの数が多くなる。この結果、その寄生容量が増大して動作が遅くなる。
この実施例では、データ線の寄生容量を低減させるために読み出しデータ線と書き込みデータ線が上下に2分割される。つまり、書き込み制御回路WCとプリチャージ回路及びデータ線選択回路を中心にして、選択スイッチQRCU,QWCUと、QRCL,QWCLを介して選択的に接続させるものである。
この構成により、上記データ線選択回路と上記書き込み制御回路WCを上下に振り分けられたデータ線RDU,WDUとRDL,WDLに対して共通に用いることができる。メモリセルMCは、前記説明した読み出しデータ線と書き込みデータ線に対応して構成された第1図、第2図、第9図等に示した実施例のいずれのメモリセルでもよい。書き込み制御回路も、第1図に示したような回路、あるいは第10図に示したような反転増幅機能を持つもののいずれであってもよい。
同図において、上下に振り分けられた2対のデータ線は、それぞれの選択信号SUとSLをVDD+VTのような高電圧とすることにより、プリチャージMOSFETQP1とQP2により同時にVDDレベルにプリチャージすることができる。
上記プリチャージ動作が終了した後、選択したいデータ線(例えばRDL,WDL)に対応した選択信号SLをハイレベルのままとし、非選択側のデータ線(RDU,WDU)に対応した選択信号SUをロウレベルにして、MOSFETQRCU,QWCUをオフ状態にして上記書き込み制御回路WC及びデータ線選択回路から切り離すようにすればよい。上記選択側では、書き込み制御回路やデータ線選択回路がデータ線RSL,WDLとが接続された状態であり、前記説明したような読み出し、書き込みあるいはリフレッシュ動作を行わせることができる。この実施例では、データ線の分割によって、データ線長が半減し、その寄生容量や寄生抵抗が小さくなるので高速動作が可能となる。
以上の各実施例では、利得のあるメモリセルからの読み出し信号を弁別するために、読み出しデータ線をVDDにプリチャージする方式を組み合わせたものである。
第15図には、この発明に係る半導体集積回路装置に構成されるメモリ回路の更に他の一実施例の要部回路図が示されている。上記のように読み出しデータ線と書き込みデータ線とを備え、メモリセルに利得機能を持たせた場合には、書き込み制御回路が動作した時には両者は相補のレベルにされる。つまり、読み出しデータ線に読み出された信号がロウレベルから、書き込みデータ線はそれとは逆のハイレベルにされる。このことに着目し、この実施例では書き込み制御回路にCMOSラッチ回路を設けて、データ線の信号変化を高速にするよう工夫されたものである。
高集積化のために小さな素子で構成されたメモリセルを用い、かつ、1つのデータ線RDに多数のメモリセルを接続した場合にはその寄生容量も大きくなるから、かかる読み出しデータ線RDをフルレベルの0Vまでディスチャージさせるには比較的長い時間を要することになる。
この実施例では、読み出し時には書き込みデータ線WDが一定電位に固定されていることを利用し、それを参照電圧として読み出しデータ線RDとの間で微小電圧差が発生した時点で、駆動能力の高いCMOSラッチ構成のセンスアンプで増幅させることにより、読み出しデータ線RDの電位を確定させるとともに、非選択セルに対応した書き込みデータ線WDの電位も同時に確定させるものである。
上記センスアンプは、Nチャンネル型MOSFETQN1,QN2と、Pチャンネル型MOSFETQP1,QP2とによりそれぞれ構成されるCMOSインバータ回路の入力と出力とを交差接続して構成されたCMOSラッチ回路が用いられる。このCMOSラッチ回路は、上記Pチャンネル型MOSFETQP1とQP2のソースに動作時に電源電圧VDDのような活性化電圧SPが与えられ、上記Nチャンネル型MOSFETQN1とQN2のソースに動作時に0Vのような活性化電圧SNが与えられることによって増幅動作を行う。
上記のような読み出し信号を得るために、書き込みデータ線WDに対してはVDD/2の中間電圧がプリチャージ電圧として与えられるのに対して、読み出しデータ線RDにはそれより微小電圧δだけ高い電圧VDD/2+δがプリチャージ電圧として与えられる。
上記の構成では、特に制限されないが、上記読み出しデータ線RDと書き込みデータ線WDとは、データ線選択回路を構成するカラムスイッチMOSFETQY1とQY2を介して一対の相補の共通データ線IOと/IOに接続される。この共通データ線IOと/IOも前記同様にVDD/2にプリチャージされる。
上記のように各データ線RDとWDにセンスアンプを設けた場合には、上記共通データ線IOと/IOを低振幅の信号線として用い、読み出し信号をメインアンプにより増幅するようにすることもできる。もちろん、前記のようなCMOSラッチ回路からなるセンスアンプを配置してもよい。
書き込み動作では、共通データ線IOと/IOから書き込み情報に対応した極性の差動電圧が選択されたデータ線RDとWDのセンスアンプに与えられ、かかるセンスアンプによってハイレベル/ロウレベルの2値電圧に増幅される。この構成では、書き込み制御回路としてのセンスアンプが反転増幅動作を行うので、前記のようなデータコントロールレジスタが不要となり、使い勝手を良くすることができる。そして、データ線RDとWDの信号振幅は、ほぼVDD/2を中心にしてハイレベル/ロウレベルのように半減させることができるので、低消費電力化も合わせて図ることができる。
上記のような読み出し動作のために、第16図に示した波形図のように、読み出しデータ線RDのプリチャージ電圧がVDD/2+δのように、書き込みデータ線WDのプリチャージ電圧VDD/2に対してδだけ高く設定されなければならない。もしも、両者RDとWDをVDD/2の同電位にプリチャージしてしまうと、メモリセルの記憶ノードにロウレベルが保持されて、読み出し時に前記のような放電経路が形成されないときには、読み出し用データ線RDの電位がVDD/2のプリチャージ電位のままとなり、前記参照電圧としての書き込みデータ線WDの電位と等しくなって、センス動作が不能になるからである。
上記のようにプリチャージ電圧に微小電圧δでけ差電圧を持たせることにより、(A)のようにメモリセルの読み出し動作によって放電経路が形成されてデータ線RDの電位がロウレベル側に変化してその電位関係が逆転したとき、センスアンプを活性化するタイミング信号SPとSNをオンとして増幅動作を行せることにより、データ線RDとWDとを高速にロウレベル/ハイレベルに変化させる。
また、(B)のようにメモリセルの読み出し動作によって放電経路が形成されないときデータ線RDの電位はδだけハイレベルを維持し、センスアンプを活性化するタイミング信号SPとSNをオンとして増幅動作を行せることによりデータ線RDとWDとを高速にハイレベル/ロウレベルに変化させる。
上記の実施例から得られる作用効果は、下記の通りである。
(1) 情報電圧をそのゲートに保持する蓄積MOSFET及び書き込み用トランジスタを含むメモリセルを用い、書き込みデータが伝えられる書き込み用データ線及び上記メモリセルの蓄積MOSFETのオン又はオフ状態に対応した読み出し信号が伝えられる読み出し用データ線に直交するようワード線を配置して、上記メモリセルの書き込み用トランジスタの制御端子を接続するるとともに、その選択信号に対応して上記メモリセルからの上記読み出し信号を対応する読み出し用データ線に出力させるようメモリセルアレイを構成し、データ線選択回路により上記複数の読み出し用データ線の中の一を選択して第1と第2の共通データ線のいずれかに接続させ、上記読み出し用データ線を、非選択期間において第1電位にプリチャージし、第1選択期間において上記ワード線を読み出し用に選択して上記メモリセルのオン状態の蓄積MOSFETにより第2電位にディスチャージし、上記第1と第2の共通データ線は、上記非選択期間において上記第1電圧と第2電圧のほぼ中間の第3電位にプリチャージし、上記第1の選択期間において上記データ線選択回路により選択された読み出し用データ線との電荷分散に対応した一方の共通データ線に現れる読み出し信号が上記他方の共通データ線のプリチャージ電圧を参照電圧として増幅し、必要に応じて書き込みデータ線に書き込み信号を伝えた後の第2選択期間においてワード線を高電圧にして書き込みトランジスタをオン状態にしてメモリセルに書き込み又は再書き込みすることより、メモリセル自身が増幅機能を持ち、かつ非破壊読み出とすることができるので、回路の簡素化と使い勝手を良くしたメモリ回路を得ることができるという効果が得られる。
(2) 上記第1と第2の共通データ線には、上記データ線選択回路によりほぼ同数の読み出しデータ線が接続し、上記電荷分散により一方の共通データ線に形成された読み出し信号を、他方の共通データ線のプリチャージ電圧を参照電圧とする差動増幅回路からなるセンスアンプを設けることにより、上記に加えて高速で安定した読み出し動作を実現できるという効果が得られる。
(3) 上記差動増幅回路として、その入力と出力とを交差接続してなる一対のCMOSインバータ回路からなるCMOSラッチ回路を用いることにより、上記に加えて高速に読み出し信号を得るとともに、選択されたメモリセルへの書き込み動作を高速に行うようにすることができるという効果が得られる。
(4) 上記読み出しデータ線と、上記書き込みデータ線との間に読み出しデータ線の信号を書き込みデータ線に伝える書き込み制御回路を設けることにより、上記に加えて記憶電圧がリーク電流等によって低下した場合の再書き込みを簡単に行うようにすることができるという効果が得られる。
(5) 上記書き込み制御回路として、上記読み出しデータ線と、上記書き込みデータ線とをそれぞれ接続させる伝送ゲートMOSFETで構成することにより、上記に加えて回路の簡素化を図ることができるという効果が得られる。
(6) 上記書き込み制御回路として、上記読み出しデータ線の信号電圧を反転増幅して上記書き込みデータ線に伝える反転増幅回路とすることにより、上記に加えてデータコントロールレジスタ等を省略でき、使い勝手を良くすることができるという効果が得られる。
(7) 上記メモリセルを構成する書き込み用トランジスタとして、バリヤ絶縁膜の構造からなり、かかるバリヤ絶縁膜の構造を上記MOSFETのゲート電極上においてゲート電極の面に向かう縦方向の電流経路を持つように立体的に形成し、上記ワード線と上記MOSFETのゲートとの間にキャパシタを設けることにより、上記に加えて大幅なセル面積の縮小と記憶電圧の不揮発化あるいはデータの保持時間の拡大を図ることができるという効果が得られる。
(8) 上記メモリセルを構成する書き込み用トランジスタをMOSFETを用い、上記ワード線と上記情報電圧をゲートに保持する蓄積MOSFETのゲートと上記ワード線との間にキャパシタを設けることにより、上記に加えて格別な製造プロセスを増加することなくメモリ回路を形成することができるという効果が得られる。
(9) 上記ワード線を書き込み用ワード線と読み出し用ワード線に分離し、上記第1選択期間では読み出しワード線を選択状態にし、第2選択期間では書き込み用ワード線を選択状態し、上記メモリセルの書き込み用トランジスタをMOSFETとしてゲートを上記書き込み用のワード線に接続し、上記記憶電圧をゲートに保持する蓄積MOSFETに対して上記読み出し用ワード線にゲートが接続された選択MOSFETが直列に接続することにより、ワード線の選択レベルを2値レベルにできるから上記に加えてワード線選択動作を簡単にしかも動作マージンを拡大させることができるという効果が得られる。
(10) 上記書き込み用のワード線と読み出し用のワード線とを共通のワード線とし、上記書き込み用MOSFETのしきい値電圧を上記選択MOSFETのしきい値電圧より高く設定し、上記第1選択期間では選択用MOSFETのみをオン状態にし、上記第2選択期間では上記書き込み用MOSFETもオン状態にさせることにより、上記のようなメモリ動作を実現しつつ、かつ、格別な製造プロセスを増加することなくメモリ回路を形成することができるという効果が得られる。
(11) 上記読み出し用データ線と書き込み用データ線とを共通化された1つのデータ線とし、メモリセルと同じ回路からなるダミーセルを書き込み制御回路として設け、データ線に読み出された信号又は書き込み信号が上記書き込み制御回路に書き込まれ、その読み出し信号がかかる共通化されたデータ線に書き込み信号として伝えられて、ワード線が選択されたメモリセルに書き込みを行うようにすることにより、上記に加えて回路の簡素化を図りつつ、前記のようなデータコントロールレジスタを不要とするメモリ動作を実現できるという効果が得られる。
(12) 上記メモリセルを構成する書き込み用トランジスタをMOSFETとし、そのゲートを書き込み用のワード線に接続し、上記メモリセルの上記情報電圧をゲートに保持する蓄積MOSFETと上記データ線との間に選択MOSFETを設けて、そのゲートを読み出し用ワード線に接続し、上記ダミーセルからなる書き込み制御回路として用いて読み出しワード線に対応された読み出し制御線と、上記書き込みワード線に対応した書き込み制御線に接続し、上記書き込み制御線と読み出し制御線を活性化することにより、上記書き込み回路の動作を制御することにより、上記に加えて回路の簡素化を図りつつ、前記のようなデータコントロールレジスタを不要とするメモリ動作を実現できるという効果が得られる。
(13) 上記書き込み制御回路、プリチャージ回路及びデータ選択回路を中心にして、上記書き込みデータ線及び読み出しデータ線とがスイッチ回路を介して選択的に接続させることにより、上記に加えてデータ線の寄生容量、寄生抵抗が低減できるので動作の高速化及び安定化を図ることができるという効果が得られる。
(14) 情報電圧をそのゲートに保持する蓄積MOSFET及び書き込み用トランジスタを含むメモリセルを用い、書き込み信号が伝えられる書き込み用データ線及び上記メモリセルの蓄積MOSFETのオン又はオフ状態に対応した読み出し信号が伝えられる読み出し用データ線に直交するようワード線を配置して、上記メモリセルの書き込み用トランジスタの制御端子を接続するるとともに、その選択信号に対応して上記メモリセルからの上記読み出し信号を対応する読み出し用データ線に出力させるようメモリセルアレイを構成し、上記読み出しデータ線と上記書き込みデータ線との間に設けられたCMOSラッチ構成のセンスアンプを設け、上記読み出しデータ線を第1の期間において第1電位にプリチャージし、上記書き込みデータ線を上記第1期間において上記第1電圧より小さな第2電圧にプリチャージし、第2の期間において上記ワード線を選択して上記メモリセルのオン状態の蓄積MOSFETにより読み出しデータ線を第3電位にディスチャージし、上記読み出しデータ線が上記メモリセルの情報電圧に対応した第1電圧か第3電圧にされた後に上記センスアンプを動作状態にしてセンスアンプの動作電圧に対応したハイレベルとロウレベルに増幅し、データ線選択回路により上記読み出しデータ線とそれに対応した書き込みデータ線からなる複数対の中の一対を選択し第1と第2の共通データ線と接続させることにより、動作の高速化と安定化を図ることができるという効果が得られる。
(15)上記センスアンプの動作電圧に対応したハイレベルとロウレベルを電源電圧と回路の接地電位とし、上記第2電圧は、上記電源電圧の1/2の電圧に設定され、上記第1電圧は、上記センスアンプの安定した増幅動作に必要な最小電圧分だけ上記第2電圧より高くすることにより、データ線の振幅が小さくなりいっそうの高速化と低消費電力化を図ることができるという効果が得られる。
以上本発明者よりなされた発明を実施例に基づき具体的に説明したが、本願発明は前記実施例に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能であることはいうまでもない。例えば、第1図及び第2図において、電源電圧VDDとして正の電圧を用いる場合、プリチャージMOSFETをNチャンネル型MOSFETに代えてPチャンネル型MOSFETを用いるものであってもよい。この場合には、その制御信号PRは、回路の接地電位のようなロウレベルがアクティブレベルとなるので、電源電圧VDD以上の高電圧を必要としない。したがって、メモリ回路が長時間非選択状態にされた場合でも、Nチャンネル型MOSFETを用いた場合のようにプリチャージ信号を昇圧電圧に維持させるためのチャージポンプ回路を動作状態にし続ける等特別な動作が不要となる。
第9図及び第12図のメモリセルにおいて、書き込みトランジスタQWを前記バリヤ絶縁膜構造のMOSFETに置き換え、蓄積MOSFETQR1のゲート上に縦構造に形成するものであってもよい。つまり、前記バリヤ絶縁膜構造のMOSFETは、書き込みトランジスタとしてこの実施例に示された全てのメモリセル及び書き込み制御回路等として用いられるダミーセルあるいはデータコントロールレジスタとしてのメモリセルの全てに用いることができる。このようなバリヤ絶縁膜構造のMOSFETを用いることにより、理論的には前記のように記憶電圧の不揮発化を図ることができる。また、回路セルの面積を大幅に縮小させることができる。
共通データ線IOと/IOに設けられる差動増幅回路は、前記のようなCMOSラッチ回路の他に、演算増幅回路のような差動増幅回路であってもい。
メモリアレイの構成は、ワード線方向に複数のメモリアレイを配置し、ワード線をメインワード線とサブワード線のようなダイナミック型RAMにおいて公知の階層構造にするものであってもよい。メモリ回路は、データ処理動作を行うデジタル回路、例えばマイクロプロセッサCPU等とともに1つの半導体集積回路装置に内蔵されるもの他、それ自身が汎用メモリ回路を構成するものであってもよい。汎用のメモリ回路では、アドレス信号や制御信号を入力する入力回路が設けられる。デジタル回路に内蔵されるメモリ回路では、かかる入力回路が省略されて上記デコーダに内部バスを介してアドレス信号や制御信号が供給される。
産業上の利用可能性
この発明は、記憶動作と増幅動作とを兼ねた蓄積MOSFETと、上記蓄積MOSFETのゲートに情報電圧を書き込む書き込み用トランジスタとを備えたメモリセルを用いたメモリ回路からなる半導体集積回路装置、あるいはかかるメモリ回路と他の論理回路等を内蔵した半導体集積回路装置に広く利用できるものである。
【図面の簡単な説明】
第1図は、この発明に係る半導体集積回路装置に構成されるメモリ回路の一実施例を示す要部回路図であり、
第2図は、この発明に係る半導体集積回路装置に構成されるメモリ回路の他の一実施例を示す要部回路図であり、
第3図は、上記第2図の実施例回路に用いられるBMOSトランジスタの一実施例を示す断面構造の概略図であり、
第4図は、上記図3に示したBMOSトランジスタの電圧−電流特性図であり、
第5図は、上記第2図の実施例回路におけるメモリセルの一実施例の概略平面構造を示し、
第6図は、上記第5図のメモリセルのA−A’断面図であり、
第7図は、上記第5図のメモリセルのB−B’断面図であり、
第8図は、上記第1図及び第2図のメモリ回路の動作の一例を説明するための波形図であり、
第9図は、この発明に係る半導体集積回路装置に構成されるメモリセルの他の一実施例を示す回路図であり、
第10図は、この発明に係る半導体集積回路装置に構成されるメモリ回路の一実施例を示す要部回路図であり、
第11図は、上記第10図に示したメモリ回路の動作の一例を説明するための波形図であり、
第12図は、この発明に係る半導体集積回路装置に構成されるメモリ回路の一実施例を示す要部回路図であり、
第13図は、上記第12図に示したメモリ回路の動作の一例を説明するための波形図であり、
第14図は、この発明に係る半導体集積回路装置に構成されるメモリ回路の一実施例を示す要部回路図であり、
第15図は、この発明に係る半導体集積回路装置に構成されるメモリ回路の更に一実施例を示す要部回路図であり、
第16図は、上記第15図に示したメモリ回路の動作の一例を説明するための波形図である。
Claims (20)
- 情報電圧をそのゲートに保持し、かかる情報電圧に対応してオン又はオフ状態にされる蓄積MOSFET及び該情報電圧に対応した書き込み情報電圧を上記MOSFETのゲートに与える書き込み用トランジスタを含むメモリセルの複数と、
上記メモリセルへの該書き込み情報電圧が伝えられる書き込み用データ線の複数と、
上記メモリセルの蓄積MOSFETのオン又はオフ状態に対応した読み出し情報が伝えられる読み出し用データ線の複数と、
上記メモリセルの書き込み用トランジスタの制御端子が接続されるとともに、非選択状態では上記情報電圧に無関係に蓄積MOSFETをオフ状態にする第1電圧に設定され、第1選択期間では上記書き込み用トランジスタがオフ状態であって、上記記憶情報がハイレベルなら蓄積MOSFETをオン状態にロウレベルならオフ状態にする第2電圧に設定されて読み出し用データ線を選択的にディスチャージし、上記書き込みデータ線に書き込むべき情報電圧又は上記読み出し情報に対応した情報電圧が伝えられた第2選択期間では上記書き込み用トランジスタをオン状態にする第2電圧に設定されるワード線と、
上記複数の読み出し用データ線の中の一を選択するデータ選択回路と、
上記データ線選択回路を介して上記選択された読み出し用データ線がいずれかに接続される第1と第2の共通データ線と含むメモリアレイを備え、
上記第1と第2の共通データ線は、上記非選択状態において上記第1電圧と第2電圧のほぼ中間の第3電位にプリチャージされ、上記データ線選択回路により選択された読み出し用データ線との電荷分散に対応した一方の共通データ線に現れる読み出し情報が上記他方の共通データ線のプリチャージ電圧を参照電圧として増幅されるメモリ回路を備えてなることを特徴とする半導体集積回路装置。 - 請求項1において、
上記第1と第2の共通データ線には、上記データ線選択回路を介してほぼ同数の読み出しデータ線が接続されるものであり、上記電荷分散により一方の共通データ線に形成された読み出し情報は、他方の共通データ線のプリチャージ電圧を参照電圧とする差動増幅回路が設けられるものであることを特徴とする半導体集積回路装置。 - 請求項2において、
上記差動増幅回路は、その入力と出力とが交差接続されてなる一対のCMOSインバータ回路からなるCMOSラッチ回路からなり、増幅動作時に動作電圧が供給されるものであることを特徴とする半導体集積回路装置。 - 請求項3において、
上記読み出しデータ線と、上記書き込みデータ線との間には、読み出しデータ線の情報を書き込みデータ線に伝える書き込み制御回路が設けられるものであることを特徴とする半導体集積回路装置。 - 請求項4において、
上記書き込み制御回路は、上記読み出しデータ線と、上記書き込みデータ線とをそれぞれ接続させる伝送ゲートMOSFETからなることを特徴とする半導体集積回路装置。 - 請求項4において、
上記書き込み制御回路は、上記読み出しデータ線の情報電圧を反転増幅して上記書き込みデータ線に伝える反転増幅回路であることを特徴とする半導体集積回路装置。 - 請求項3において、
上記メモリセルを構成する書き込み用トランジスタは、上記MOSFETのゲート電極上において該ゲート電極の面に向かう縦方向の電流経路を持つように立体的に形成されたMOSFETであることを特徴とする半導体集積回路装置。 - 請求項7において、
上記ワード線と上記MOSFETのゲートとの間には、キャパシタが設けられるものであることを特徴とする半導体集積回路装置。 - 請求項3において、
上記メモリセルを構成する書き込み用トランジスタは、MOSFETからなり、
上記ワード線と上記情報電圧をゲートに保持する蓄積MOSFETのゲートと上記ワード線との間には、キャパシタが設けられるものであることを特徴とする半導体集積回路装置。 - 請求項3において、
上記ワード線は、書き込み用ワード線と読み出し用ワード線からなり、上記第1選択期間では読み出しワード線が選択状態にされ、第2選択期間では書き込み用ワード線が選択状態にされ、
上記メモリセルの書き込み用トランジスタは、MOSFETからなりそのゲートは、上記書き込み用のワード線に接続され、
上記記憶電圧をゲートに保持する蓄積MOSFETには、そのゲートが上記読み出し用ワード線に接続された選択MOSFETが直列に接続されてなることを特徴とする半導体集積回路装置。 - 請求項10において、
上記書き込み用のワード線と読み出し用のワード線とは、共通のワード線から構成され、上記書き込み用MOSFETのしきい値電圧が上記選択MOSFETのしきい値電圧より高く設定され、
上記第1選択期間では選択用MOSFETのみをオン状態にする第1電圧に設定され、上記第2選択期間では上記書き込み用MOSFETもオン状態にさせる第2電圧に設定されることを特徴とする半導体集積回路装置。 - 請求項3において、
上記読み出し用データ線と書き込み用データ線とは、共通化された1つのデータ線からなり、
かかる共通化された1つのデータ線には、メモリセルと同じ回路形式からなるダミーセルが書き込み制御回路として設けられ、データ線に読み出された情報又は書き込み情報が上記書き込み制御回路に書き込まれ、その読み出し情報がかかる共通化されたデータ線に書き込み情報として伝えられて、ワード線が選択されたメモリセルに書き込まれるものであることを特徴とする半導体集積回路装置。 - 請求項12において、
上記メモリセルを構成する書き込み用トランジスタは、MOSFETからなり、
かかるMOSFETのゲートは書き込み用のワード線に接続され、
上記メモリセルの上記情報電圧をゲートに保持する蓄積MOSFETと上記データ線との間に選択MOSFETが設けられ、かかるMOSFETのゲートは読み出し用ワード線に接続されるものであり、
上記ダミーセルからなる書き込み制御回路は、上記読み出しワード線に対応された読み出し制御線と、上記書き込みワード線に対応した書き込み制御線に接続され、
上記書き込み制御線と読み出し制御線を活性化することにより、上記書き込み回路の動作を制御するものであることを特徴とする半導体集積回路装置。 - 請求項4において、
上記書き込み制御回路、プリチャージ回路及びデータ選択回路を中心にして、上記書き込みデータ線及び読み出しデータ線とがスイッチ回路を介して選択的に接続されることを特徴とする半導体集積回路装置。 - 請求項13において、
上記書き込み制御回路、プリチャージ回路及びデータ選択回路を中心にして、上記書き込みデータ線及び読み出しデータ線とがスイッチ回路を介して選択的に接続されることを特徴とする半導体集積回路装置。 - 情報電圧をそのゲートに保持し、かかる情報電圧に対応してオン又はオフ状態にされる蓄積MOSFET及び該情報電圧に対応した書き込み情報電圧を上記MOSFETのゲートに与える書き込みトランジスタを含むメモリセルの複数と、
上記メモリセルの与えられる書き込み情報が伝えられる書き込みデータ線の複数と、
上記メモリセルの蓄積MOSFETのオン又はオフ状態に対応した読み出し情報が伝えられる読み出しデータ線の複数と、
上記メモリセルの書き込みトランジスタの制御端子が接続され、その選択信号に対応して上記メモリセルからの上記読み出し情報を読み出しデータ線に出力させるワード線と、
上記読み出しデータ線とそれに対応した書き込みデータ線からなる複数対の中の一対を選択するデータ選択回路と、
上記データ線選択回路を介して上記複数の読み出しデータ線及び書き込みデータ線対の中の一対がそれぞれ接続される第1と第2の共通データ線と、
上記読み出しデータ線と上記書き込みデータ線との間に設けられたCMOSラッチ構成のセンスアンプとを含むメモリアレイを備え、
上記読み出しデータ線は、第1の期間において第1電位にプリチャージされ、上記書き込みデータ線は、上記第1期間において上記第1電圧より小さな第2電圧にプリチャージされ、第2の期間において上記ワード線が選択されて上記メモリセルのオン状態の蓄積MOSFETにより第3電位にディスチャージされ、
上記読み出しデータ線が上記メモリセルの情報電圧に対応した第1電圧か第3電圧にされた後に上記センスアンプを動作状態にしてセンスアンプの動作電圧に対応したハイレベルとロウレベルにされるものであることを特徴とする半導体集積回路装置。 - 請求項16において、
上記センスアンプの動作電圧に対応したハイレベルとロウレベルは、電源電圧と回路の接地電位からなり、
上記第2電圧は、上記電源電圧の1/2の電圧に設定され、上記第1電圧は、上記センスアンプの安定した増幅動作に必要な最小電圧分だけ上記第2電圧より高くされるものであることを特徴とする半導体集積回路装置。 - 情報電圧をそのゲートに保持し、かかる情報電圧に対応しオン又はオフ状態にされる蓄積MOSFET及び該情報電圧に対応した書き込み情報電圧を上記MOSFETのゲートに与える書き込み用トランジスタを含むメモリセルの複数と、
上記メモリセルへの該書き込み情報電圧が伝えられる書き込み用データ線の複数と、
上記メモリセルの蓄積MOSFETのオン又はオフ状態に対応した読み出し情報が伝えられる読み出し用データ線の複数と、
上記メモリセルの書き込み用トランジスタの制御端子に接続されるワード線と、
上記複数の読み出し用データ線のうち一つを選択するためのデータ線選択回路と、
上記データ線選択回路を介して選択された上記読み出し用データ線がいずれかに接続される第1及び第2の共通データ線とを含むメモリアレイを具備し、
非選択状態において、上記ワード線は、上記書き込み用トランジスタをオフ状態とするような第1電圧にされ、
第1選択期間において、上記ワード線は、上記情報電圧がハイレベルの場合に上記読み出し用データ線をディスチャージし、上記情報電圧がロウレベルの場合に上記読み出し用データ線をディスチャージしないような第2電圧とされ、
上記書き込みデータ線に、書き込むべき情報電圧又は上記読み出し情報に対応した情報電圧が伝えられた第2選択期間において、上記ワード線は、上記書き込みトランジスタをオン状態とするような第3電圧とされ、
上記第1及び第2共通データ線は、上記非選択状態において、上記第1電圧と上記第2電圧の間のプリチャージ電圧にプリチャージされ、上記データ選択回路により選択された読み出し用データ線との電荷分散に対応した一方の共通データ線に現れる読み出し情報が上記他方の共通データ線の上記プリチャージ電圧を参照電圧として増幅されることを特徴とする半導体集積回路装置。 - 請求項18において、
上記第1と第2の共通データ線には、上記データ線選択回路を介してほぼ同数の読み出しデータ線が接続されるものであり、上記電荷分散により一方の共通データ線に形成された読み出し情報は、他方の共通データ線のプリチャージ電圧を参照電圧とする差動増幅回路が設けられるものであることを特徴とする半導体集積回路装置。 - 請求項19において、
上記差動増幅回路は、その入力と出力とが交差接続されてなる一対のCMOSインバータ回路からなるCMOSラッチ回路からなり、増幅動作時に動作電圧が供給されるものであることを特徴とする半導体集積回路装置。
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
PCT/JP1999/002519 WO2000070682A1 (fr) | 1999-05-14 | 1999-05-14 | Dispositif a circuit integre en semi-conducteur |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP3781270B2 true JP3781270B2 (ja) | 2006-05-31 |
Family
ID=14235691
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2000619033A Expired - Fee Related JP3781270B2 (ja) | 1999-05-14 | 1999-05-14 | 半導体集積回路装置 |
Country Status (5)
Country | Link |
---|---|
US (1) | US6515892B1 (ja) |
JP (1) | JP3781270B2 (ja) |
KR (1) | KR100619580B1 (ja) |
TW (1) | TW508588B (ja) |
WO (1) | WO2000070682A1 (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2012084851A (ja) * | 2010-09-13 | 2012-04-26 | Semiconductor Energy Lab Co Ltd | 半導体装置 |
US8400817B2 (en) | 2009-12-28 | 2013-03-19 | Semiconductor Energy Laboratory Co., Ltd. | Semiconductor device |
US8450783B2 (en) | 2009-12-28 | 2013-05-28 | Semiconductor Energy Laboratory Co., Ltd. | Semiconductor device |
Families Citing this family (22)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US6762951B2 (en) * | 2001-11-13 | 2004-07-13 | Hitachi, Ltd. | Semiconductor integrated circuit device |
JP4521543B2 (ja) * | 1999-11-05 | 2010-08-11 | ルネサスエレクトロニクス株式会社 | 半導体装置 |
JP2001291389A (ja) * | 2000-03-31 | 2001-10-19 | Hitachi Ltd | 半導体集積回路 |
JP2002245777A (ja) | 2001-02-20 | 2002-08-30 | Hitachi Ltd | 半導体装置 |
JP4754102B2 (ja) * | 2001-06-11 | 2011-08-24 | エルピーダメモリ株式会社 | 負電圧発生回路および半導体記憶装置 |
JP2003017591A (ja) * | 2001-07-03 | 2003-01-17 | Hitachi Ltd | 半導体記憶装置 |
US20050088395A1 (en) * | 2003-10-28 | 2005-04-28 | Samsung Electronics Co., Ltd. | Common Voltage driver circuits and methods providing reduced power consumption for driving flat panel displays |
US20050214949A1 (en) * | 2004-03-26 | 2005-09-29 | Fuji Photo Film Co., Ltd. | Process for producing chemical product and quality inspection process for chemical used in same |
US7203102B2 (en) * | 2004-10-27 | 2007-04-10 | Infineon Technologies, Ag | Semiconductor memory having tri-state driver device |
KR100806122B1 (ko) * | 2006-05-02 | 2008-02-22 | 삼성전자주식회사 | 소스 구동회로, 데이터 라인 구동 방법 및 액정 표시 장치 |
US7333290B1 (en) | 2006-08-03 | 2008-02-19 | Western Digital Technologies, Inc. | Magnetic disk in a disk drive and method having improved null servo burst phasing |
JP5142696B2 (ja) * | 2007-12-20 | 2013-02-13 | キヤノン株式会社 | 光電変換装置、及び光電変換装置を用いた撮像システム |
CN102668063B (zh) * | 2009-11-20 | 2015-02-18 | 株式会社半导体能源研究所 | 半导体装置 |
WO2011089835A1 (en) * | 2010-01-20 | 2011-07-28 | Semiconductor Energy Laboratory Co., Ltd. | Semiconductor memory device |
WO2011114867A1 (en) * | 2010-03-19 | 2011-09-22 | Semiconductor Energy Laboratory Co., Ltd. | Semiconductor device and driving method of semiconductor device |
KR101899880B1 (ko) | 2011-02-17 | 2018-09-18 | 가부시키가이샤 한도오따이 에네루기 켄큐쇼 | 프로그래머블 lsi |
JP5827145B2 (ja) | 2011-03-08 | 2015-12-02 | 株式会社半導体エネルギー研究所 | 信号処理回路 |
JP5883699B2 (ja) * | 2011-04-13 | 2016-03-15 | 株式会社半導体エネルギー研究所 | プログラマブルlsi |
CN107316865B (zh) * | 2011-05-16 | 2021-02-02 | 株式会社半导体能源研究所 | 可编程逻辑装置 |
US8581625B2 (en) * | 2011-05-19 | 2013-11-12 | Semiconductor Energy Laboratory Co., Ltd. | Programmable logic device |
JP2013137853A (ja) * | 2011-12-02 | 2013-07-11 | Semiconductor Energy Lab Co Ltd | 記憶装置および記憶装置の駆動方法 |
US9515656B2 (en) | 2013-11-01 | 2016-12-06 | Semiconductor Energy Laboratory Co., Ltd. | Reconfigurable circuit, storage device, and electronic device including storage device |
Citations (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS58220464A (ja) * | 1982-06-17 | 1983-12-22 | Fujitsu Ltd | 半導体記憶装置 |
JPS6319847A (ja) * | 1986-07-14 | 1988-01-27 | Oki Electric Ind Co Ltd | 半導体記憶装置 |
JPH01255269A (ja) * | 1988-04-05 | 1989-10-12 | Oki Electric Ind Co Ltd | 半導体記憶装置 |
JPH0254572A (ja) * | 1988-08-18 | 1990-02-23 | Matsushita Electric Ind Co Ltd | 半導体記憶装置 |
JPH08250673A (ja) * | 1995-03-15 | 1996-09-27 | Nec Corp | 半導体装置 |
Family Cites Families (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2001093988A (ja) * | 1999-07-22 | 2001-04-06 | Sony Corp | 半導体記憶装置 |
US6452858B1 (en) * | 1999-11-05 | 2002-09-17 | Hitachi, Ltd. | Semiconductor device |
JP2002117670A (ja) * | 2000-10-04 | 2002-04-19 | Mitsubishi Electric Corp | 半導体記憶装置 |
-
1999
- 1999-05-14 JP JP2000619033A patent/JP3781270B2/ja not_active Expired - Fee Related
- 1999-05-14 US US09/959,906 patent/US6515892B1/en not_active Expired - Fee Related
- 1999-05-14 WO PCT/JP1999/002519 patent/WO2000070682A1/ja active IP Right Grant
- 1999-05-14 KR KR1020017014127A patent/KR100619580B1/ko not_active IP Right Cessation
-
2000
- 2000-03-28 TW TW089105720A patent/TW508588B/zh not_active IP Right Cessation
Patent Citations (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS58220464A (ja) * | 1982-06-17 | 1983-12-22 | Fujitsu Ltd | 半導体記憶装置 |
JPS6319847A (ja) * | 1986-07-14 | 1988-01-27 | Oki Electric Ind Co Ltd | 半導体記憶装置 |
JPH01255269A (ja) * | 1988-04-05 | 1989-10-12 | Oki Electric Ind Co Ltd | 半導体記憶装置 |
JPH0254572A (ja) * | 1988-08-18 | 1990-02-23 | Matsushita Electric Ind Co Ltd | 半導体記憶装置 |
JPH08250673A (ja) * | 1995-03-15 | 1996-09-27 | Nec Corp | 半導体装置 |
Cited By (7)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US8400817B2 (en) | 2009-12-28 | 2013-03-19 | Semiconductor Energy Laboratory Co., Ltd. | Semiconductor device |
US8450783B2 (en) | 2009-12-28 | 2013-05-28 | Semiconductor Energy Laboratory Co., Ltd. | Semiconductor device |
US9053969B2 (en) | 2009-12-28 | 2015-06-09 | Semiconductor Energy Laboratory Co., Ltd. | Semiconductor device |
US9153589B2 (en) | 2009-12-28 | 2015-10-06 | Semiconductor Energy Laboratory Co., Ltd. | Semiconductor device |
US9490370B2 (en) | 2009-12-28 | 2016-11-08 | Semiconductor Energy Laboratory Co., Ltd. | Semiconductor device |
JP2012084851A (ja) * | 2010-09-13 | 2012-04-26 | Semiconductor Energy Lab Co Ltd | 半導体装置 |
US10453846B2 (en) | 2010-09-13 | 2019-10-22 | Semiconductor Energy Laboratory Co., Ltd. | Semiconductor device |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
KR100619580B1 (ko) | 2006-09-05 |
US6515892B1 (en) | 2003-02-04 |
KR20020042761A (ko) | 2002-06-07 |
WO2000070682A1 (fr) | 2000-11-23 |
TW508588B (en) | 2002-11-01 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP3781270B2 (ja) | 半導体集積回路装置 | |
US7023721B2 (en) | Semiconductor integrated circuit device | |
JP4164241B2 (ja) | 半導体装置 | |
US6384445B1 (en) | Semiconductor memory device including memory cell transistors formed on SOI substrate and having fixed body regions | |
KR100650244B1 (ko) | 게이트 다이오드 메모리 셀, 메모리 어레이 및 게이트다이오드 메모리 셀에 대한 기록 방법 | |
KR100646972B1 (ko) | 게이트 다이오드를 사용하는 3t1d 메모리 셀 및 그 사용방법 | |
EP1475805B1 (en) | Semiconductor memory device | |
JP4443886B2 (ja) | 半導体記憶装置 | |
US20020001251A1 (en) | Low-power consumption semiconductor memory device | |
JP2007042172A (ja) | 半導体メモリ装置 | |
KR20010094995A (ko) | 반도체 집적회로 | |
EP1120791A1 (en) | Semiconductor device | |
JP4583703B2 (ja) | 半導体記憶装置 | |
JP2001093989A (ja) | 半導体装置 | |
US6973002B2 (en) | Semiconductor integrated circuit comprising sense amplifier activating circuit for activating sense amplifier circuit | |
JPH06326272A (ja) | 半導体記憶装置 | |
US6717841B2 (en) | Semiconductor memory device having nonvolatile memory cell of high operating stability | |
JP4075090B2 (ja) | 半導体装置 | |
JP4716736B2 (ja) | ゲート制御ダイオードを使用するメモリ・セルおよびこれの使用方法、半導体構造 | |
JP4338045B2 (ja) | 半導体集積回路 | |
JP2002269975A (ja) | 半導体記憶装置 | |
JP4373464B2 (ja) | 半導体装置 | |
JPS63894A (ja) | メモリ |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20060301 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20060302 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |