JP3774667B2 - 画像記録装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、記録ヘッドを用いた画像記録装置に関し、特に、記録ヘッドに安定した電力を供給し高画質な画像記録を可能とする画像記録装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
例えばワードプロセッサ、パーソナルコンピュータ、ファクシミリ等に於ける情報出力装置として、所望される文字や画像等の情報を用紙やフィルム等シート状の記録媒体に記録を行うプリンタがある。
【0003】
プリンタの記録方式としては様々な方式が知られているが、用紙等の記録媒体に非接触記録が可能である、カラー化が容易である、静粛性に富む、等の理由でインクジェット方式が近年特に注目されており、又その構成としては、所望される記録情報に応じてインクを吐出する記録ヘッドを装着すると共に用紙等の記録媒体の送り方向と直角な方向に往復走査しながら記録を行なうシリアル記録方式が安価で小型化が容易などの点から一般的に広く用いられている。
【0004】
図6は、従来のインクジェットプリンタの本体から記録ヘッドに電力および画像信号を供給する供給系を示すブロック図であり、図7は、従来のプリンタのキャリッジに搭載されるキャリッジ電気実装部を示す側面図である。
【0005】
従来のインクジェットプリンタにおいて、電力供給用の電源は、例えば、図6で示すように、プリンタ本体に電源ユニット基板103として内蔵され、あるいは、ACアダプター(図示せず)としてプリンタ本体に接続され、本体基板104上の電源供給配線パターン105を経由し、可撓性のある配線導体(フレキシブル配線基板あるいは、通称「フラットケーブル」と呼ばれる配線など)101を経て、キャリッジ上に実装されたキャリッジ基板A100に接続されている記録ヘッド102に、必要な電力を供給している。
【0006】
ところで、近年、プリンタには、写真のような高画質(写真画質)と高速印刷性が望まれてるため、インクジェット方式のプリンタの技術革新は目覚しく、上記説明したような従来の電力供給方法では、下記の問題点が発生するようになった。
【0007】
すなわち、写真画質と高速印刷性を両立させるためには、「記録ヘッド102の記録素子から微細なインク液滴を単位時間あたりにできるだけ多量に、記録媒体(例えば、記録紙)に吐出させる」ことの課題を克服しなければならない。そのためには、記録ヘッド102に供給する印字に必要な単位時間あたりの電気エネルギー(電力)を増大させる必要がある。
【0008】
ここで、電力供給用の電源は、通常、定電圧電源を用いるので、写真画質と高速印刷性を両立させようとすると、負荷である記録ヘッド102に供給される電流(IPrhd)は、負荷によって増大することになる。
【0009】
このとき前述した可撓性のある配線導体101では、その配線抵抗分(RFr ex)により、次式に示す電圧降下(VDrop)を生じる。
【0010】
VDrop=IPrhd×RFrex
この電圧降下(VDrop)は、記録ヘッド102が印字する画像に応じて変化するため、この電圧降下(VDrop)が大きくなりすぎると、電力供給用の電源から供給される電圧が、記録ヘッド102が画像記録に必要とする電圧を下回ることとなり、その結果、記録素子から画像記録に必要とするインクを吐出できないという不具合を発生するおそれがある。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
上記説明した問題を解決するためには、例えば、配線抵抗分(RFrex)による電圧降下(VDrop)を小さくすればよい。そこで、従来では、可撓性のある配線導体101の配線抵抗(RFrex)を低減するため、電源供給線を太くするとか、本数を増やすなどの対策を施していた。
【0012】
しかしながら、これらの対策を施した場合には、可撓性のある配線導体101がキャリッジの物理的な負荷となって、(1)キャリッジ駆動用モータの負荷が増大する、(2)電源供給線の剛性が上がって配線導体101の可撓性が阻害される、(3)配線導体101のコストが嵩む、など種々の問題が発生することになり好ましくない。
【0013】
特に、A0サイズの大判のインクジェットプリンタにおいては、上記の可撓性のある配線導体101の長さがA4サイズの家庭用プリンタに比べて長くなるため、内部の取り回し分も含めて1mを超えるようになる。その結果、上記説明した問題が顕著に現れ、記録ヘッド102に供給すべき印字に必要な電気エネルギー(電力)を十分に供給できない場合があった。
【0014】
この問題を解決するための一例として、キャリッジの上に電力供給用の電源を搭載させる例が、特開平10−6505号公報(ヒューレット・パッカード)「ペン・ドライバ及び電源回路を組込んだキャリッジ実装プリント回路アセンブリ」に記載されている。
【0015】
しかしながら、この特開平10−6505号公報に記載された構成を実際のインクジェットプリンタに適用しようとすると、以下に示す問題1、問題2が発生し容易に構成できないことがわかった。
【0016】
[問題1]
印字方向との制約からキャリッジ基板A110上に実装スペースを取れない。
【0017】
図8は、キャリッジ基板A110上に電力供給用の電源(DC/DCコンバータ)を搭載する場合のインクジェットプリンタの電源供給系を示すブロック図であり、図9は、キャリッジ基板A110上に電力供給用の電源を搭載する場合のキャリッジ電気実装部を示す側面図である。
【0018】
図7に示すように、従来のインクジェットプリンタでは、画像記録する際にインク液滴は記録ヘッド102の下面から吐出され、下面には、記録媒体である記録紙が通紙される。
【0019】
従って、図9に一例を示すように、キャリッジ基板A110上に電力供給用の電源を搭載する場合には、図7のキャリッジ基板を上方向に拡大し、この拡大したキャリッジ基板上に電力供給用の電源を搭載せざるをえない。しかしながら、図9に示すように基板を上方向に拡大すると、基板がインクジェットプリンタ本体のカバーにぶつかってしまうため、従来の外装カバーをそのまま使用することができなくなり、外装カバーを大きくする仕様変更をしなくてはならない。
【0020】
しかしながら、この仕様変更を行うと、製造コストが増加するばかりでなく、インクジェットプリンタの設置体積も増加するため、インクジェットプリンタの重要な商品性能の一つである設置時のコンパクト性が低下するなどの問題が生じる。また、電力供給用の電源を搭載するためにキャリッジの移動方向(主走査方向、即ち、プリンタの正面から見ると左右の方向)にキャリッジ基板A110を拡大した場合(図示せず)も、同様に、外装ケースを左右の方向に大きくしなくてはならないため、今度は設置面積が増加する。この場合も上記説明したのと同じ問題が発生する。
【0021】
[問題2]
大判プリンタの主な用途は業務用であり、ヘビーデュテイのため負荷変動吸収用デカップリングコンデンサ(DC/DCコンバータの出力コンデンサでもある)を交換する必要があるが、その作業が困難である。
【0022】
図6において、上記説明したように電源103から記録ヘッド102に供給される電流(IPrhd)は、印字画像に応じて変動し、記録ヘッド102の記録素子(ノズル)は、「インクを全く吐出しない状態」から「同時駆動に割付られたノズル分の全ノズルからインク吐出を行う状態」まで変化する。この負荷変動分は、記録ヘッド内に実装された他のヒートボード(HB)の駆動電圧の変動原因となるため、この電圧変動を防止する目的で、負荷変動吸収用のデカップリングコンデンサ106が搭載されている。
【0023】
写真画質と高速印刷性を両立するには、記録ヘッドに供給される電気エネルギー量(電力)は負荷に比例して増大するため、これに伴い負荷変動も増え、負荷変動吸収用のデカップリングコンデンサ6には、多くのリップル電流(Icripple)が流れる。すると、デカップリングコンデンサ6自身が持つ等価直列抵抗(ESR)分とそこを流れるリップル電流(Icripple)により、デカップリングコンデンサ6は自己発熱し、これによりデカップリングコンデンサ6自身の寿命は低下する。
【0024】
特にヘビーデュテイな業務用の大判インクジェットプリンタでは、記録ヘッド112を耐久寿命交換可能部品に設定しているため、負荷変動吸収用のデカップリングコンデンサ6を予め定期メンテナンスの際に交換できるように、その配置を設定しておけば、ユーザーにとっても本体インクジェットプリンタを長く使用できて好都合である。しかしながら、従来は、上記のような配置に設定されていなかったため劣化した負荷変動吸収用デカップリングコンデンサを交換する作業は困難であった。
【0025】
本発明は、上記説明した従来技術の問題点を解決することを出発点としてなされたものであり、その目的は、今後更に、大面積、写真画質かつ高速印字が要求されるインクジェットプリンタにおいて、安定した画像記録を実現するために必要となる電圧を記録ヘッドに安定して供給することができ、且つコンパクトな形状を維持できる画像記録装置を提供することである。
【0026】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するための本発明に係る一実施形態の画像記録装置は、以下の構成を有する。すなわち入力される記録データに基づいて、複数の記録素子を有する記録ヘッドを搭載したキャリッジを記録媒体に対して走査することにより画像を記録する画像記録装置であって、前記キャリッジは、前記装置本体から供給される電圧を変換する電圧変換手段を備える第1基板と、前記変換された電圧を平滑化する平滑手段と、前記平滑化された電圧を駆動電力として用いる前記記録ヘッドとを備える第2基板とを有し、前記第1基板と前記第2基板とは、前記電圧変換手段から前記記録ヘッドに駆動電力を供給する電力供給線と、前記電圧変換手段から前記記録ヘッドへの電力供給用のグランド線と、前記電圧変換手段が有する、前記電圧変換手段の出力電圧の検出に基づいて該出力電圧を制御する定電圧制御回路のグランドに接続される電圧検出用のグランド線と、の3種類で構成されている配線導体により接続され、前記第1基板上の前記電力供給線と前記電圧検出用のグランド線との間に、前記定電圧制御回路により前記電圧変換手段の出力電圧を検出するための抵抗を有することを特徴とする画像記録装置。
【0027】
ここで、例えば、前記電圧変換手段は、供給される電圧を昇圧するまたは降圧する電圧変換回路を有することが好ましい。
【0028】
ここで、例えば、前記平滑手段は、コンデンサであることが好ましい。
【0029】
ここで、例えば、前記第1基板と前記第2基板は、部品実装面が互いに異なるように搭載されていることが好ましい。
【0031】
ここで、例えば、前記第1基板と前記第2基板は、前記キャリッジに同一平面上に並ばないように搭載されていることが好ましい。
【0032】
ここで、例えば、前記画像記録装置は、前記記録ヘッドに送信する画像信号を生成する生成手段を備える本体基板を有し、前記第1基板と前記本体基板とは、可撓性を有する電気配線で接続されていることが好ましい。
【0033】
ここで、例えば、前記第1基板と前記本体基板とは、前記画像信号を安定して送受信するための信号伝送緩衝手段をさらに有することが好ましい。
【0034】
ここで、例えば、前記信号伝送緩衝手段は、LVDS(低電圧差動信号伝送)を用いて前記画像信号を安定して送受信することが好ましい。
【0035】
ここで、例えば、前記画像記録装置は、インクを吐出して記録を行うインクジェット記録ヘッドを有することが好ましい。
【0036】
ここで、例えば、前記記録ヘッドは、熱エネルギーを利用してインクを吐出する記録ヘッドであって、インクに与える熱エネルギーを発生するための熱エネルギー変換体を備えていることが好ましい。
【0037】
【発明の実施の形態】
[第1の実施形態]
以下添付図面を参照して本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。
【0038】
なお、以下に説明する実施形態では、インクジェット記録方式を用いた記録装置としてインクジェットプリンタを例に挙げ説明する。
【0039】
本明細書において、「記録」(「プリント」「印字」という場合もある)とは、文字、図形等有意の情報を形成する場合のみならず、有意無意を問わず、また人間が視覚で知覚し得るように顕在化したものであるか否かを問わず、広く記録媒体上に画像、模様、パターン等を形成する、または媒体の加工を行う場合も示すものとする。
【0040】
また、「記録媒体」とは、一般的な記録装置で用いられる紙のみならず、広く、布、プラスチック・フィルム、金属板、ガラス、セラミックス、木材、皮革等、インクを受容可能なものも示すものとする。
【0041】
さらに、「インク」(「液体」と言う場合もある)とは、上記「記録(プリント)」の定義と同様広く解釈されるべきもので、記録媒体上に付与されることによって、画像、模様、パターン等の形成または記録媒体の加工、或いはインクの処理(例えば記録媒体に付与されるインク中の色剤の凝固または不溶化)に供され得る液体を示すものとする。
【0042】
[インクジェットプリンタ(大判機):図12、図13]
図12は、インクジェットプリンタ1000を示す外観斜視図であり、図13は、図12インクジェットプリンタ1000のアッパーカバーを取り外した状態を示す斜視図である。
【0043】
図12および図13において、インクジェットプリンタ1000の前面には手差し挿入口150が設けられており、その下部には、前面へ開閉可能なロールユニット160が設けられており、記録紙等の記録媒体101(図13)は、手差し挿入口150またはロールユニット160から記録部へ供給される。
【0044】
また、インクジェットプリンタ1000は、2個の脚部180に支持されたインクジェットプリンタ本体190、排紙された記録媒体101を積載するスタッカ170、内部が透視可能な透明で開閉可能なアッパーカバー140を備えている。
【0045】
さらに、インクジェットプリンタ本体190の右側には、図13に示すように操作パネル120、供給・回復ユニット300およびインクタンク130が配設されている。ここで、供給・回復ユニット300は、インクタンク130内のインクをインク溜まり(サブタンク)(不図示)に供給するとともに、記録ヘッド201の吐出口からインクを吸引して記録ヘッド201の吐出口の目詰まりなどによるインク吐出不良を解消して吐出性能を維持回復するためのユニットである。
【0046】
図13に示すように、インクジェットプリンタ1000は、さらに、記録媒体101を矢印B方向である副走査方向に搬送するための搬送ローラ対110と、記録媒体101の幅方向(矢印A方向である主走査方向)に往復移動可能に案内支持されたキャリッジ200と、キャリッジ200を矢印A方向に往復移動させるためのキャリッジモータ(不図示)およびベルト伝動手段270と、キャリッジ200に装着された記録手段としての記録ヘッド201とを備えている。
【0047】
また、キャリッジ200には、記録媒体101にカラー記録を行うための複数の記録ヘッド201が装着されている。この複数の記録ヘッド201は、例えば、それぞれ異なった色のインクに対応した4つの記録ヘッド201(例えば、Y(イエロー)用ヘッド、M(マゼンタ)用ヘッド、C(シアン)用ヘッド、Bk(ブラック)用ヘッド)などで構成されている。
【0048】
以上の構成のインクジェットプリンタ1000を用いて記録媒体101に記録を行う場合には、搬送ローラ対110によって、記録媒体101を所定の記録開始位置まで搬送した後で、記録ヘッド201による主走査および搬送ローラ110による副走査を繰り返すことにより、記録媒体101の全体に対する記録が行われる。
【0049】
すなわち、キャリッジベルト270およびキャリッジモータ(不図示)によって、キャリッジ200が主走査方向に対する所定位置から図13中の矢印A方向に移動することにより、記録媒体101上への記録を開始する。
【0050】
次に、主走査方向の記録が終了すると、キャリッジ200が主走査方向に対する所定位置(主走査方向への記録開始る前の定位置)まで戻されるとともに、搬送ローラ対110によって記録媒体101が副走査方向(図13中の矢印B方向)に所定量搬送される。
【0051】
その後、再び上記説明したように、キャリッジベルト270およびキャリッジモータ(不図示)によって、キャリッジ200が主走査方向に対する所定位置から図13中の矢印A方向に移動することにより、記録媒体101に対する画像や文字等の記録が行なわれる。
【0052】
上記説明した動作を繰り返すことにより、記録媒体101の1枚分の記録が終了すると、記録媒体101はスタッカ170内に排紙され、1枚分の記録が完了する。
【0053】
[インクジェットプリンタの制御部:図14]
図14は、図12に示すインクジェットプリンタの制御部の構成を示すブロック図である。
【0054】
図14において、702は、インクジェットプリンタ本体190を動作させるための電圧を供給する電源供給部であり、701は、インクタンク130内に設けられた情報を記憶する記憶部であり、703は、インクジェットプリンタ全体を制御するための記憶部(RAM,ROMなど)を内臓するCPUであり、704は、電源供給部100からインクタンク内記憶部701へ供給される電力供給用の電源をオン・オフするためのインクタンク内記憶部電源供給制御部である。
【0055】
また、120は、インクジェットプリンタ本体190の状態を外部に知らせる表示部とインクジェットプリンタ1000の各種操作を行なう入力部とを有する操作パネルであり、705は、インクタンク130に対し制御信号をハイインピーダンスにするインクタンク内記憶部制御信号切り離し部であり、706は、インクタンク130の装着状態を検出するインクタンク装着状態検出部であり、707は、インクタンク130の脱着を禁止するまたは有効にするインクタンク固定カバーロック制御部であり、708は、インクタンク固定カバー(図示せず)をロックするインクタンク固定カバーロック駆動部である。
【0056】
またさらに、711は、インクタンク内記憶部電源供給制御部704によってオン・オフされて電源供給部100からインクタンク内記憶部701に供給される電力供給用の電源であり、712は、インクタンク内記憶部電源供給制御部704から供給される電源の電流が制限を受ける場合の電源である。
【0057】
またさらに、713および714は、インクタンク内記憶部701の制御信号のひとつでインクタンク130に設けられた各電気的コンタクト部(図示せず)を介してインクタンク130に接続されるチップセレクト信号およびシリアルクロック信号である。
【0058】
また、715および716は、インクタンク130の装着状態を検出する時にインクタンク装着状態検出部706を保護する為の保護抵抗であり、717は、シリアルクロック信号714のインクタンク130内におけるロジック固定用プルアップ抵抗、718は、チップセレクト信号713のインクタンク130内におけるロジック固定用プルダウン抵抗である。
【0059】
719は、インクタンク130内のチップセレクト信号713に付加されているロジック固定用プルダウン抵抗718より高抵抗なプルアップ抵抗、720は、インクタンク130内のシリアルクロック信号714に付加されているロジック固定用プルアップ抵抗717より高抵抗なプルダウン抵抗である。
【0060】
なお、図14には示されていないが、CPU703には、ROMに格納されている不図示の制御プログラムに従って、上記説明した各部の動作を制御するとともに、CPU703には、図12のキャリッジ200を往復移動させるための駆動モータ(不図示)、供給回復ユニット300を駆動させるためのモータ(不図示)、記録媒体101を搬送するためのモータ等がさらに接続されており、ROMに格納された不図示の所定のプログラムに従ってこれらの動作もあわせて制御する。
【0061】
[キャリッジの構成:図1]
図1は、本発明に係る第1の実施形態のキャリッジ200近傍の斜視図である。なお図1は、本発明の説明に必要な部分を除いて簡略化して表示しており、本体系やインク供給系などは図示していない。
【0062】
[プリンタ全体の電気系統:図2]
図2は、インクジェットプリンタ全体の電気系統を示すブロック図である。なお、図2も図1と同様に本発明の説明に必要な部分を除いて簡略化して表示しており、キャリッジ用モータやペーパフィード用モータなどは図示していない。また図3は、図2に示すDC/DCコンバータ3の内部を詳細に示す回路図の一例である。
【0063】
以下、図1〜図3を用いて、キャリッジ200およびインクジェットプリンタ本体190の構成について説明する。なお、図1〜図3では、同じ構成部分については同じ符号をつけてある。
【0064】
図1において、AとBは、2つに分割された実装基板であるキャリッジ基板と補助基板である。また、1および1'は、可撓性のある配線導体(フレキシブル配線基板や通称「フラットケーブル」などと呼ばれる配線など)であり、2は、記録ヘッドであり、3は、DC/DCコンバータであり、4は、プリンタ本体内にある本体基板である。
【0065】
ここで、可撓性の配線導体1は、プリンタの本体内に配置された電源ユニット基板33より、本体基板4を経由して、DC/DCコンバータ3に電力供給用の電源を供給する役目をはたしており、(2×n)本の複数配線パターンからなり、電源供給用とGND(グランド、基準電位)配線用にそれぞれn本づつ配線パターンが割付けられている。ここで、電源ユニット基板33からDC/DCコンバータ3に供給される電圧VHは、例えば、18Vである。
【0066】
また、別の可撓性の配線導体1'は、本体基板4の画像処理基板部30から記録ヘッド201に供給される印字画像信号と記録ヘッド制御信号を伝送するk本の配線パターンを持つ配線導体であり、画像処理基板部30と実装基板である補助基板Bとを、コネクタ(図示せず)を介して接続している。
【0067】
また、キャリッジ基板Aと補助基板Bは、図1に示すように、一体となって移動可能なキャリッジ200上で分割配置されており、部品実装面が互いに異なる向きになる(即ち、同一平面上に並ばない)ように搭載されている。これが本発明の第1の特徴である。
【0068】
このために、キャリッジ200上で実装空間を有効に活用しコンパクトに実装することが可能となっている。すなわち、記録ヘッドに電力供給用の電源であるDC/DCコンバータを搭載していない従来のインクジェットプリンタのアッパーカバーをそのまま使用することができるので、仕様変更に伴う製造コストの増加を防ぎかつ、インクジェットプリンタのコンパクト性を維持することができる。
【0069】
また、図3に示すDC/DCコンバータ3において、長方形で囲った回路部分Cは、DC/DCコンバータ3の出力コンデンサ7を除く部分を表しており、Cは、補助基板Bに実装されている。
【0070】
また、図1に示す5は、キャリッジレールであり、プリンタ本体フレームに固定される。6は、k本の配線導体をもったフレキシブル配線基板であり、また7は、負荷変動吸収用デカップリングコンデンサであり、DC/DCコンバータの出力コンデンサも兼ねている。そして電気特性上、この負荷変動吸収用デカップリングコンデンサ7は、負荷である記録ヘッド201に出来るだけ近く配置し、かつデカップリングの効果を十分に得るためには、低インピーダンス特性のものを用いるのが好ましい。このためこのコンデンサを複数並列に接続して用いてもよい。
【0071】
8は、DC/DCコンバータ3を分割配置した補助基板Bとキャリッジ基板Aの間を電気的に結合する配線導体である。9は、DC/DCコンバータ3のメインスイッチングデバイスであるMOSトランジスタである。(図1では、放熱板に実装された状態を示している。)
また、10は、DC/DCコンバータ3の入力コンデンサ、そして200は、プリンタのキャリッジであり、12はインダクタであり、13はフリーホイリングダイオードであり、14と15は出力電圧検出用抵抗である。
【0072】
[DC/DCコンバータの動作:図3]
次に、図3を用いて、DC/DCコンバータ3の動作を簡単に説明しておく。
【0073】
図3に一例を示す回路は、所謂、降圧回路といわれるもので、MOSトランジスタ9がオンの時、インダクタ12を介して負荷と出力コンデンサ7に電流が供給される。
【0074】
MOSトランジスタ9がオフの時は、インダクタ12を流れる電流が減ろうとするのでインダクタ12の持つ性質により逆起電力が発生し、フリーホイリングダイオード13をオンさせ、GND−フリーホイリングダイオード13−インダクタ12の経路を通って負荷と出力コンデンサ7に電流が供給される。
【0075】
出力コンデンサ7は、負荷に応じて、Cブロックから供給される電流が不足するときは、放電し、十分なときは充電する。負荷が軽くて充電電流が増加すると、出力コンデンサ7の両端の電位が上がる。そこで出力電圧検出用抵抗14と15で出力電圧を分圧して検出し、定電圧制御ICで出力電圧が設定した電圧で一定となるようにMOSトランジスタ9のオン・オフ時間をPWM(Pulse Width Modulation)制御しフィードバック制御する。このようにして、記録ヘッド201に安定な電圧を供給する。
【0076】
次に本発明の第2の特徴であるDC/DCコンバータ3をキャリッジ基板Aと補助基板Bに分割する際の分割方法と電気的に相互結合する配線導体について説明する。
【0077】
[DC/DCコンバータを単純分割する場合の問題:図11]
図11は、DC/DCコンバータ3を単純に出力コンデンサ7とそれ以外の部分Cに分割した例である。このとき、出力電圧検出用抵抗314と315は、Cブロック内にあり、補助基板Bに実装されている。検出点は、インダクタ312の出力側で取っている。このためDC/DCコンバータ3を分割配置した補助基板Bとキャリッジ基板Aの間を、電気的に相互結合する配線導体8は、2種類で電源供給線308aとGND線308bとなる。
【0078】
この場合、DC/DCコンバータの負荷である記録ヘッド201の負荷が、大きくなると(例えば、大型のプリンタでは7Aを超えるような電流が流れる。)電源供給線308aとGND線308bの両方で電圧降下してしまうため、記録ヘッド201に供給される電圧が画像記録条件によっては、所定電圧以下となるため、記録ヘッド201からインクが吐出しなくなるおそれがある。
【0079】
[DC/DCコンバータの別の分割の問題:図10]
図10は、図11で示した問題を改善するため、出力電圧検出点をキャリッジ基板A上にあるコンデンサ207のプラス端子近傍で取ることにし、出力電圧検出線208cを通じて、補助基板Bに返す方法が考えられる。この場合には、DC/DCコンバータ3を分割配置した補助基板Bとキャリッジ基板Aの間を電気的に相互結合する配線導体8は、電源供給線208aとGND線208bと出力電圧検出線208cの3種類となる。
【0080】
しかしながら、図11の場合、出力検出線208cの配線のインダクタンス成分が、フィードバック帰還ループ内で、位相遅れ要素となり、負荷への応答性の悪化や定電圧制御安定性を悪化させてしまうこととなるので、実際にはこの方法は、使用することが出来ない。
【0081】
[DC/DCコンバータの2基板への分割方法:図10]
そこで、上記説明した問題を解決するため、図3で示すように、キャリッジ基板A上の出力コンデンサ7のマイナス端子よりグランドを分離し、メインの負荷電流を流すGND線8b、電圧検出を行うGND線8cおよび電源供給線8aの3種類の配線導体を用いて、補助基板B上にあるCブロックと結線する。
【0082】
このように出力電圧検出用抵抗14と15の検出点GND、およびDC/DCコンバータ3の定電圧制御ICの制御系GNDを、キャリッジ基板Aの出力コンデンサ7のマイナス端子近傍から取ってグランド線を分離することにより、過大な負荷電流が流れても安定したフィードバック制御をかけることが出来る。
【0083】
この方法は、図11で示した方法よりもGND線8bの負荷電流による電圧降下を抑えることができ、図10で示した負荷電流による電圧降下と同等にすることができるためDC/DCコンバータを2基板へ分割するのに適している。
【0084】
以上説明したように、本実施形態では、補助基板BにDC/DCコンバータ3を、またキャリッジ基板Aに記録ヘッド201と出力コンデンサ7とをそれぞれ分割して実装できるので、記録ヘッド201を実装しているキャリッジ基板Aには、印字時の負荷変動吸収用デカップリングコンデンサ7を負荷変動発生要因である記録ヘッド201の近傍に低インピーダンスに実装することが可能となる。
【0085】
このため、印字時の負荷変動に起因する電圧降下が抑えられ、記録ヘッド201が必要とする印字電圧を下回ることがなくなるためインクの不吐出といういう不具合を防止することが出来る。
【0086】
また寿命部品であるコンデンサ7の交換が、キャリッジ基板Aを取り外し交換するだけで出来るため容易であり、従来のようにDC/DCコンバータ3を全部(図8と図9におけるA110に相当)を交換しなくても良いので安価である。
【0087】
また、実装基板を上記説明したように2つの基板に分割するため、インクの吐出方向に対してキャリッジ実装基板の実装制約がなくなり、キャリッジ全体をコンパクトに出来る。従って、キャリッジにDC/DCコンバータを配置してもプリンタ外装が無用に大きくなるといった問題もなくなる。
【0088】
なお本実施形態でコンデンサ7を説明上、1個で表記してあるが、既に説明したように低インピーダンスを実現するため複数個並列にして用いてもよい。この場合、キャリッジ基板Aと補助基板Bにそれぞれ分割して配置してもよい。
【0089】
[第2の実施形態]
次に、第2の実施形態について説明する。以下の第2の実施形態の説明では、第1の実施形態と共通する部分の説明については重複するので省略する。また、図中における構成要素についても同じ構成要素については、同じ符号を付してその説明を省略する。
【0090】
図4は、本発明に係る第2の実施形態のキャリッジ2000近傍の斜視図であり、図5は、本発明に係る第2の実施形態のインクジェットプリンタ全体の電気系統を示すブロック図である。
【0091】
第2の実施形態が第1の実施形態と異なる点は、本体基板4の画像処理基板部から記録ヘッド201に供給される印字画像信号と記録ヘッド制御信号を伝送するところのk本の配線パターンを持つ可撓性のある配線導体1'の信号伝送に、安定な信号伝送のための信号伝送緩衝手段である21と22に示すようなバッファ回路やドライバ回路、およびレシーバ回路を用いた点である。
【0092】
既に述べたように、大判プリンタでは、可撓性のある配線導体1'は、内部配線分を含めて1mを超える長さとなるため、大判分の画像データを高速に伝送するのは、困難になってきている。またノイズ対策のことを考えても、この可撓性のある配線導体1'が放射ノイズ源となる可能性があり不利である。
【0093】
このために、ノイズ発生が少なく高速にデータを伝送するためにナショナルセミコンダクタ社より提案されたLVDS(Low Voltage Differential Signaling)を用いた信号伝送を用い、安定な信号伝送を行うために信号の受信側に出来るだけ近いところにバッファ/レシーバ21を実装したい。
【0094】
ところが、キャリッジ基板Aには、十分な実装スペースを設けることが困難である。そこで、補助基板B上に信号伝送用のバッファ/レシーバ21を設けることにより、キャリッジ2000上で実装空間を有効に活用しコンパクトに実装することが可能になる。
【0095】
なお、以上の実施形態において、記録ヘッドから吐出される液滴はインクであるとして説明し、さらにインクタンクに収容される液体はインクであるとして説明したが、その収容物はインクに限定されるものではない。例えば、記録画像の定着性や耐水性を高めたり、その画像品質を高めたりするために記録媒体に対して吐出される処理液のようなものがインクタンクに収容されていても良い。
【0096】
以上の実施形態は、特にインクジェット記録方式の中でも、インク吐出を行わせるために利用されるエネルギーとして熱エネルギーを発生する手段(例えば電気熱変換体やレーザ光等)を備え、前記熱エネルギーによりインクの状態変化を生起させる方式を用いることにより記録の高密度化、高精細化が達成できる。
【0097】
その代表的な構成や原理については、例えば、米国特許第4723129号明細書、同第4740796号明細書に開示されている基本的な原理を用いて行うものが好ましい。この方式はいわゆるオンデマンド型、コンティニュアス型のいずれにも適用可能であるが、特に、オンデマンド型の場合には、液体(インク)が保持されているシートや液路に対応して配置されている電気熱変換体に、記録情報に対応していて核沸騰を越える急速な温度上昇を与える少なくとも1つの駆動信号を印加することによって、電気熱変換体に熱エネルギーを発生せしめ、記録ヘッドの熱作用面に膜沸騰を生じさせて、結果的にこの駆動信号に1対1で対応した液体(インク)内の気泡を形成できるので有効である。
【0098】
この気泡の成長、収縮により吐出用開口を介して液体(インク)を吐出させて、少なくとも1つの滴を形成する。この駆動信号をパルス形状とすると、即時適切に気泡の成長収縮が行われるので、特に応答性に優れた液体(インク)の吐出が達成でき、より好ましい。
【0099】
このパルス形状の駆動信号としては、米国特許第4463359号明細書、同第4345262号明細書に記載されているようなものが適している。なお、上記熱作用面の温度上昇率に関する発明の米国特許第4313124号明細書に記載されている条件を採用すると、さらに優れた記録を行うことができる。
【0100】
記録ヘッドの構成としては、上述の各明細書に開示されているような吐出口、液路、電気熱変換体の組み合わせ構成(直線状液流路または直角液流路)の他に熱作用面が屈曲する領域に配置されている構成を開示する米国特許第4558333号明細書、米国特許第4459600号明細書に記載された構成も本発明に含まれるものである。加えて、複数の電気熱変換体に対して、共通するスロットを電気熱変換体の吐出部とする構成を開示する特開昭59−123670号公報や熱エネルギーの圧力波を吸収する開口を吐出部に対応させる構成を開示する特開昭59−138461号公報に基づいた構成としても良い。
【0101】
さらに、記録装置が記録できる最大記録媒体の幅に対応した長さを有するフルラインタイプの記録ヘッドとしては、上述した明細書に開示されているような複数記録ヘッドの組み合わせによってその長さを満たす構成や、一体的に形成された1個の記録ヘッドとしての構成のいずれでもよい。
【0102】
加えて、上記の実施形態で説明した記録ヘッド自体に一体的にインクタンクが設けられたカートリッジタイプの記録ヘッドのみならず、装置本体に装着されることで、装置本体との電気的な接続や装置本体からのインクの供給が可能になる交換自在のチップタイプの記録ヘッドを用いてもよい。
【0103】
また、以上説明した記録装置の構成に、記録ヘッドに対する回復手段、予備的な手段等を付加することは記録動作を一層安定にできるので好ましいものである。これらを具体的に挙げれば、記録ヘッドに対してのキャッピング手段、クリーニング手段、加圧あるいは吸引手段、電気熱変換体あるいはこれとは別の加熱素子あるいはこれらの組み合わせによる予備加熱手段などがある。また、記録とは別の吐出を行う予備吐出モードを備えることも安定した記録を行うために有効である。
【0104】
さらに、記録装置の記録モードとしては黒色等の主流色のみの記録モードだけではなく、記録ヘッドを一体的に構成するか複数個の組み合わせによってでも良いが、異なる色の複色カラー、または混色によるフルカラーの少なくとも1つを備えた装置とすることもできる。
【0105】
以上説明した実施の形態においては、インクが液体であることを前提として説明しているが、室温やそれ以下で固化するインクであっても、室温で軟化もしくは液化するものを用いても良く、あるいはインクジェット方式ではインク自体を30°C以上70°C以下の範囲内で温度調整を行ってインクの粘性を安定吐出範囲にあるように温度制御するものが一般的であるから、使用記録信号付与時にインクが液状をなすものであればよい。
【0106】
加えて、積極的に熱エネルギーによる昇温をインクの固形状態から液体状態への状態変化のエネルギーとして使用せしめることで積極的に防止するため、またはインクの蒸発を防止するため、放置状態で固化し加熱によって液化するインクを用いても良い。いずれにしても熱エネルギーの記録信号に応じた付与によってインクが液化し、液状インクが吐出されるものや、記録媒体に到達する時点では既に固化し始めるもの等のような、熱エネルギーの付与によって初めて液化する性質のインクを使用する場合も本発明は適用可能である。
【0107】
このような場合インクは、特開昭54−56847号公報あるいは特開昭60−71260号公報に記載されるような、多孔質シート凹部または貫通孔に液状または固形物として保持された状態で、電気熱変換体に対して対向するような形態としてもよい。本発明においては、上述した各インクに対して最も有効なものは、上述した膜沸騰方式を実行するものである。
【0108】
さらに加えて、本発明に係る記録装置の形態としては、コンピュータ等の情報処理機器の画像出力端末として一体または別体に設けられるものの他、リーダ等と組み合わせた複写装置、さらには送受信機能を有するファクシミリ装置の形態を取るものであっても良い。
【0109】
【他の実施形態】
なお、本発明は、複数の機器(例えばホストコンピュータ,インターフェース機器,リーダ,プリンタなど)から構成されるシステムに適用しても、一つの機器からなる装置(例えば、複写機,ファクシミリ装置など)に適用してもよい。
【0110】
以上説明したように、本実施形態のインクジェットプリンタは、下記に示す構成を有することを特徴とする。すなわち、キャリッジ上に実装された記録ヘッドを搭載している実装基板を分割して配置し、この分割して配置されている基板のうち記録ヘッドに近い側の基板上にコンデンサを搭載し、他の基板上に、記録ヘッドに供給する電力を変換する電力変換部(例えば、DC/DCコンバータ)を搭載する。
【0111】
また、記録ヘッドを実装した基板と、電力変換部を搭載した基板は、記録ヘッドを駆動する信号線と記録ヘッドの駆動用電力を供給する電源供給線で相互に接続され、記録ヘッドを駆動するエネルギーを供給する電源供給線は、電源線と、互いに異なるGNDポテンシャルを持つ複数のGND線で、構成されている。
【0112】
またさらに、キャリッジ上に搭載された基板と印字画像信号を生成する本体基板は、互いに可撓性を有する電気配線板で接続されており、基板と本体基板には、相互に信号伝送緩衝部、例えばLVDS(低電圧差動信号伝送)が搭載されている。
【0113】
上記構成を有するインクジェットプリンタは、今後更に、大面積、写真画質かつ高速印字が要求される場合においても、安定した画像記録を実現するために必要な、安定した駆動用の電力を記録ヘッドに供給することができ、且つ電力変換部をキャリッジに搭載してもキャリッジの空間を適切に使用することによりインクジェットプリンタの大きさを従来と同様のコンパクトな形状とすることができる。
【0114】
なお上記説明したように本実施形態の説明では大判のインクジェットプリンタを用いて説明したが、本発明は上記説明に限定されるものではなく、オフィスや家庭で使用するような普通サイズの各種プリンタにも適用することができ、その場合にも上記説明したのと同様の効果が期待できる。
【0115】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、今後更に、大面積、写真画質かつ高速印字が要求される画像記録装置において、安定した画像記録を実現するために必要となる電圧を記録ヘッドに安定して供給することができ、且つキャリッジの空間を適切に使用することによりコンパクトな形状を維持できる画像記録装置を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態におけるキャリッジ近傍の斜視図である。
【図2】本発明の第1実施形態におけるプリンタ全体の電気系統を示すブロック図である。
【図3】本発明の第1実施形態におけるDC/DCコンバータ3の内部を示す回路図である。
【図4】本発明の第2の実施形態におけるキャリッジ近傍の斜視図である。
【図5】本発明の第2実施形態におけるプリンタ全体の電気系統を示すブロック図である。
【図6】従来のインクジェット・プリンタの電源供給系を示すブロック図である。
【図7】従来のプリンタのキャリッジに搭載されるキャリッジ電気実装部を示す側面図である。
【図8】キャリッジ基板上に電源を搭載した場合のインクジェット・プリンタの電源供給系を示すブロック図である。
【図9】キャリッジ基板上に電源を搭載した場合のキャリッジ電気実装部を示す側面図である。
【図10】DC/DCコンバータを分割実装する改善従来例を示す回路図である。
【図11】DC/DCコンバータを単純に分割実装する従来例を示す回路図である。
【図12】インクジェットプリンタを示す外観斜視図である。
【図13】インクジェットプリンタのアッパーカバーを取り外した状態を示す斜視図である。
【図14】インクジェットプリンタの制御部の構成を示すブロック図である。
【符号の説明】
1、1'、101・・・可撓性のある配線導体
201、102、112・・・記録ヘッド
3、・・・DC/DCコンバータ
4・・・プリンタ本体内にある本体基板
5・・・キャリッジレール
6、106・・・フレキシブル配線基板
7・・・入力コンデンサ
8、8a、8b、8c・・・配線導体
208a、208b、208c、308a、308b・・・配線導
9・・・MOSトランジスタ
10・・・入力コンデンサ
200、2000・・・キャリッジ
12・・・インダクタ
13・・・フリーホイリングダイオード
14、15、214、215、314、315・・・出力電圧検出用抵抗
21・・・バッファ/レシーバ
30 画像処理基板部
31 本体コントローラ部
32 ドライバ基板
33 電源ユニット基板
A、A100、A110・・・キャリッジ基板
B・・・補助基板
C・・・DC/DCコンバータの出力コンデンサを除いた回路ブロック
Claims (10)
- 入力される記録データに基づいて、複数の記録素子を有する記録ヘッドを搭載したキャリッジを記録媒体に対して走査することにより画像を記録する画像記録装置であって、
前記キャリッジは、
前記装置本体から供給される電圧を変換する電圧変換手段を備える第1基板と、
前記変換された電圧を平滑化する平滑手段と、前記平滑化された電圧を駆動電力として用いる前記記録ヘッドとを備える第2基板とを有し、
前記第1基板と前記第2基板とは、
前記電圧変換手段から前記記録ヘッドに駆動電力を供給する電力供給線と、
前記電圧変換手段から前記記録ヘッドへの電力供給用のグランド線と、
前記電圧変換手段が有する、前記電圧変換手段の出力電圧の検出に基づいて該出力電圧を制御する定電圧制御回路のグランドに接続される電圧検出用のグランド線と、
の3種類で構成されている配線導体により接続され、
前記第1基板上の前記電力供給線と前記電圧検出用のグランド線との間に、前記定電圧制御回路により前記電圧変換手段の出力電圧を検出するための抵抗を有することを特徴とする画像記録装置。 - 前記電圧変換手段は、供給される電圧を昇圧するまたは降圧する電圧変換回路を有することを特徴とする請求項1に記載の画像記録装置。
- 前記平滑手段は、コンデンサであることを特徴とする請求項1に記載の画像記録装置。
- 前記第1基板と前記第2基板とは、部品実装面が互いに異なるように搭載されていることを特徴とする請求項1に記載の画像記録装置。
- 前記第1基板と前記第2基板とは、前記キャリッジに同一平面上に並ばないように搭載されていることを特徴とする請求項1に記載の画像記録装置。
- 前記画像記録装置は、前記記録ヘッドに送信する画像信号を生成する生成手段を備える本体基板を有し、前記第1基板と前記本体基板とは、可撓性を有する電気配線で接続されていることを特徴とする請求項1に記載の画像記録装置。
- 前記第1基板と前記本体基板とは、前記画像信号を安定して送受信するための信号伝送緩衝手段をさらに有することを特徴とする請求項6に記載の画像記録装置。
- 前記信号伝送緩衝手段は、低電圧差動信号伝送を用いて前記画像信号を安定して送受信することを特徴とする請求項7に記載の画像記録装置。
- 前記画像記録装置は、インクを吐出して記録を行うインクジェット記録ヘッドを有することを特徴とする請求項1乃至請求項8のいずれか1項に記載の画像記録装置。
- 前記記録ヘッドは、熱エネルギーを利用してインクを吐出する記録ヘッドであって、インクに与える熱エネルギーを発生するための熱エネルギー変換体を備えていることを特徴とする請求項9に記載の画像記録装置。
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