JP6585986B2 - 記録装置 - Google Patents

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Description

本発明は、記録装置に関し、モータと記録ヘッドへの電源供給技術に関する。
プリンタにおいては、モータと記録ヘッドへの安定した大電力供給が必要であり、それぞれに異なる安定電圧を供給するべく個別のコンバータを搭載していた(特許文献1)。これは、単に両者の必要とする電圧値が異なるという理由だけでなく、記録ヘッドへの電源供給用のFFC(Flexible Flat Cable)での電圧変動が大きく、単一系統のフィードバックで両者を安定制御することが困難であったことによる。
特許文献2では、単一のコンバータで二つの異なる電圧を得つつ、その一方についてリモートセンスを行って電圧を安定化させる技術が開示されている。
特開2003−225993号公報 特開2005−160173号公報
特許文献1では、容易に安定電圧が得られるものの、複数のコンバータを要し、コスト高になるという課題があった。
特許文献2では、単一のコンバータから二つの出力を得ており、そのうちリモートセンスを有する側をヘッド電源供給用に、他方をモータ電源供給用に用いることで、コストダウンを目的とした製品群への応用の可能性が考えられる。しかし、モータ電源系からのフィードバックがないため、電圧変動を十分抑えられないという課題がある。
上記課題を解決するために本願発明は以下の構成を有する。すなわち、記録ヘッドと、発振回路を備える電圧コンバータと、前記電圧コンバータの出力に接続され、サーボ制御されたモータと、前記電圧コンバータの出力に接続されたフレキシブルケーブルと、前記フレキシブルケーブルと前記記録ヘッドとの間に設けられたコンデンサと、を備え、前記電圧コンバータは、前記電圧コンバータから前記モータに供給される電圧に基づく第一のフィードバック信号と、前記電圧コンバータから前記フレキシブルケーブルを介して前記コンデンサに供給される電圧に基づく第二のフィードバック信号とに基づいて出力を制御し、前記フレキシブルケーブルを経由しない第一の一巡のループゲインは、前記フレキシブルケーブルを経由する第二の一巡のループゲインと比較して、周波数が広帯域であり、かつ、直流利得が低い。
モータとヘッドへの安定した電源供給が可能な記録装置を低コストで提供できる。
本発明の第一の実施形態に係る構成例を示す図。 本発明の伝達特性を説明するための図。 本発明を構成する各要素の伝達特性を示す図。 ノイズモデルを含む簡略図。 本発明の第二の実施形態に係る構成例を示す図。 本発明の第三の実施形態に係る構成例を示す図。
<第一の実施形態>
インクジェットプリンタの一般的な印刷動作に関する技術は既に広く開示されているので説明を省略し、本発明で特徴的な電源供給部分に焦点を絞って説明を行うものとする。なお、本願発明を適用する記録装置として、記録ヘッドを搭載したキャリッジユニットを備えるインクジェットプリンタを用いて説明を行う。
[構成例]
図1は、本発明の第一の実施形態に係る記録装置であるインクジェットプリンタの構成例を示す図である。図1において、記録装置は、一次整流部1、駆動部2、トランス3、二次整流部4、フレキシブルフラットケーブル(以降、FFCと表記)5、コンデンサ6、および、記録ヘッドであるインクジェットヘッド(以降、単に「ヘッド」と表記)7を含む。更に記録装置は、モータ駆動部(不図示)を含むモータ8、基準電圧源9、エラーアンプ10、加算器11、信号伝達部12、および、発振制御部13を含む。更に記録装置は、モータ8を制御するサーボ制御部14を含む。
次に各構成要素の詳細を説明する。なお、以下の説明では、理解を容易にする目的で、定数の例を併せて指し示すが、これらの値に本発明を制限するものではない。
一次整流部1は、一般に配電される一次電圧(例えば、日本国内ではAC100V(50Hz/60Hz))を受けてダイオードブリッジ(不図示)等で整流し、一次側電解コンデンサ(不図示)を併用して平滑化されたDC電圧を得る。
駆動部2は、発振制御部13による制御に基づいて、一次整流部1で得たDC電圧をスイッチングしながら後段のトランス3に印加する。
トランス3は、一次側の電圧を適切に降圧して二次側に伝達するとともに、一次側と二次側とを絶縁する。
二次整流部4は、トランス3の二次側巻き線に生じる交流出力を整流し、適切なコンデンサ(不図示)を併用して平滑化されたDC電圧を得る。
FFC5は、フレキシブルケーブルであり、二次整流部4で得たDC電圧を、キャリッジユニット(不図示)に搭載されたヘッド7へ供給する。例えば、大判のインクジェットプリンタにおいては、その長さは2mにもおよび、複数のラインを並列接続して利用しても、その抵抗値は、駆動中の電圧降下の観点から看過できない値となる。また、FFC5での電圧降下分は、フィードバック制御によって二次整流部4の出力電圧が増大することで補償される。従って、その上昇分によってモータ8の駆動電圧が規定値を超えないように抵抗値を設計する。FFC5の抵抗値は、一例として往復で0.3Ωである。
コンデンサ6はヘッド7の近傍に配置され、FFC5を介して供給されるヘッド7への印加電圧を安定化する。本実施形態では、コンデンサ6は、大容量で低ESR(Equivalent Series Resistance)のコンデンサとする。これにより、大きく、かつ急峻に変動するヘッド7の消費電流に対応することができる。なお、これに限定されず、複数のコンデンサが並列接続して、コンデンサ6として構成されてもよい。さらに、コンデンサ6は、フィードバック制御によって生じる二次整流部4の出力電圧の変動速度を支配する。したがって、その出力電圧の変動速度がサーボ制御によって十分に追従、吸収できる程度に緩慢になるように、コンデンサ6の容量を大きく確保する。本実施形態では、コンデンサ6の容量は一例として10000μFとし、コンデンサ6のESRは一例として5ミリΩとする。
ヘッド7は、上記のキャリッジユニット(不図示)の主走査方向への移動に同期してインクの吐出を行い、紙などの記録媒体に画像を形成する。ヘッド7への印加する電源電圧が安定することで、良好な吐出を行うことができる。ヘッド7の最大電流は、一例として3.3Aである。
モータ8は、自身の駆動部を含み、キャリッジユニット(不図示)を移動させるモータや記録媒体の搬送モータ(不図示)を駆動する。モータ8は、サーボ制御部14によって適切に速度制御および位置制御がなされる。ここでは説明の簡略化のために、モータ8は、ヘッド7と同一の電圧で駆動できるものとするが、これに限定されるものではない。本実施形態においては、モータ8は、キャリッジユニット内ではなく、記録装置本体側に設けられているものとする。
基準電圧源9は、ヘッド7に印加する電圧の目標値を生成する。電圧値は一例として30Vである。
エラーアンプ10は、コンデンサ6に印加される電圧と基準電圧源9との差分を演算し、位相補償のための適切な周波数特性をかけて得られた電圧を出力する。
加算器11は、エラーアンプ10の出力電圧とモータ駆動電圧を加算し、出力する。
信号伝達部12は、電圧電流変換回路(不図示)とフォトカプラ(不図示)とを含んで構成され、加算器11からの出力電圧を電流変換したのち、フォトカプラによって絶縁を図りながら発振制御部13にアナログレベルとして伝達する。なお、電圧電流変換回路(不図示)には適切な位相補償回路が組み込まれる場合もある。
発振制御部13は、信号伝達部12からの制御信号を受けて、自身の発振周波数、またはデューティを変化させ、駆動部2を制御する。具体的には、加算器11の出力が、二次側の出力が相対的に大きい状態であることを示している場合には、駆動部2の出力を低下させる方向に発振制御部13の制御が作用する。ここでの発振制御部13は、一例として、電流共振型(以降、「LLC」と表記)の発振回路を採用する。発振制御部13において、発振周波数は100KHz〜300KHzで変化し、その周波数制御によって出力電圧を制御するものとする。
サーボ制御部14は、エンコーダ信号(不図示)等に基づき、モータ8(キャリッジモータあるいは搬送モータ)の速度制御および位置制御を行う。ここでは一例として、サーボ制御は、1ミリ秒間隔で対象物の位置検出信号を演算し、PWM(Pulse Width Modulation)制御によってモータ駆動電流を制御するものとする。
本実施形態では、上述した通り、モータ電源供給系と、FFCを介したヘッド電源供給系の二つの系に対してそれぞれ帰還ループを備え、ヘッド電源供給系に大容量のコンデンサを備える。
次に本発明に係る構成要素の伝達特性がどのように設定されているかについて説明する。図2は、伝達特性を説明するために簡略化した本発明の構成図である。図2において、加算器21、電源装置のパワーモジュール部22、タンク回路23、エラーアンプ部24、およびサーボ制御部25が示される。図2は、図1における、信号伝達部12から発振制御部13、駆動部2を経て、二次整流部4までの各要素を纏めて表している。タンク回路23は、図1におけるFFC5からコンデンサ6までを示す。エラーアンプ部24は、基準電圧源9を含む。フィードバック経路26は、モータ電源からのフィードバック経路を示す。フィードバック経路27は、ヘッド電源からのフィードバック経路を示す。
パワーモジュール部22の出力からフィードバック経路26を経て、パワーモジュール部22の入力に戻る一巡(第一の一巡)を以後、「モータ電源ループ」と呼ぶものとする。また、パワーモジュール部22、タンク回路23、エラーアンプ部24、およびフィードバック経路27を経て、パワーモジュール部22の入力戻る一巡(第二の一巡)を以後、「ヘッド電源ループ」と呼ぶものとする。実際は、両者の和で帰還制御が機能するため、特に後者については概念的なものであることを補記しておく。なお、モータ電源ループに対応するフィードバック経路26の電圧に基づく信号を「第一のフィードバック信号」とも称する。一方、ヘッド電源ループに対応するフィードバック経路27の電圧に基づく信号を「第二のフィードバック信号」とも称する。
図3は、図2における各構成要素の伝達特性を示しており、横軸は周波数[Hz]を示し、縦軸は利得[dB]を示す。理解を容易にするために定数を併記しているが、一例であって本発明を制限するものではない。
図3において、グラフ31は、パワーモジュール部22の伝達特性を示す。パワーモジュール部22の伝達特性をP(S)で表記する。パワーモジュール部22の出力はフィードバック経路26を介してそのまま入力に帰還するので、モータ電源ループのループゲインと等価である。グラフ32は、タンク回路23の伝達特性を示す。タンク回路23の伝達特性をT(S)で表記する。グラフ33は、エラーアンプ部24の伝達特性を示す。エラーアンプ部24の伝達特性をE(S)で表記する。グラフ34は、タンク回路23とエラーアンプ部24の合成伝達特性を示す。グラフ35は、パワーモジュール部22、タンク回路23、およびエラーアンプ部24をカスケードに接続した合成伝達特性を示す。グラフ35は、縦軸が対数である図3においては、グラフ31(P(S))とグラフ34の和であり、また、ヘッド電源ループのループゲインと等価である。矢印36は、サーボ制御の可制御周波数を示し、利得の意味は持っていない。サンプリング周期を、先に示した1ミリ秒として、標本化定理より当該周波数は500Hz未満となっている。
ここで、本実施形態では、パワーモジュール部22の伝達特性(グラフ31)を合成伝達特性(グラフ34)と比較して、十分広帯域に設定している。そして、合成伝達特性(グラフ34)の直流利得を十分大きく設定する。この設定により、モータ電源ループのループゲイン(グラフ31)とヘッド電源ループのループゲイン(グラフ35)との比較において、前者は後者に対して十分に広帯域であり、かつ、後者は前者に対して十分に大きな直流利得を持つ、という状態が実現される。
さらにサーボ制御の可制御周波数との関係については以下の通りである。すなわち、モータ電源ループのループゲイン(グラフ31)のゼロ交差周波数(ここでは、8KHz)が、可制御周波数(矢印36)より十分高い。加えて、合成伝達特性(グラフ34)のゼロ交差周波数(ここでは、400Hz)が、可制御周波数(矢印36)より小さいことが望ましい。
位相補償を含めた各周波数特性の設計方法については、周知の方法を用いることができる。ここで、モータ電源ループ(グラフ31)とヘッド電源ループ(グラフ35)とが加算されて動作するところのパワーモジュール部22のループゲインの位相余裕を、両者が加算された状態にて確保するようにする。ここでは動作を理解し易くするために、比較的単純な周波数特性を一例として示す。なお、実際には、モータ電源ループとヘッド電源ループそれぞれについてロールオフを調整しながら、位相余裕を確保しつつ、広帯域、高利得な特性に仕上げるようにするとよい。
作用について、図4に示すノイズモデルに基づいて説明を行う。既述の説明と同じ構成要素については同じ番号を付記している。図4において、ノイズ電圧41は、パワーモジュール部22に影響する変動要因を示したものであり、パワーモジュール部22の出力に加算される。ノイズ電圧42は、ヘッド駆動によって生じる電圧変動を示し、タンク回路23の出力に加算されてエラーアンプ部24に入力される。電圧43は、パワーモジュール部22の出力電圧にノイズ電圧41が加算された後の電圧であり、モータ8の電源電圧(VMと表記)となる。電圧44は、タンク回路23の出力電圧にノイズ電圧42が加算された後の電圧であり、ヘッド7の電源電圧(VHと表記)となる。
電源電圧の要求精度については、一例として、モータ8への電圧43は、30V±6%(即ち、30V±1.8V)が求められる。また、ヘッド7への電圧44は、30V±1%(即ち、30V±0.3V)が求められる。図4のノイズモデルに対して、本発明の構成によって、要求精度が満足できることを以下、順次示す。
ノイズ電圧41の1つとして、パワーモジュール部22を構成する一次整流部1の出力電圧リップルがある。これは、一次整流部1を構成する一次側電解コンデンサ(不図示)の容量などに依存するが、一般的に整流後の電圧の+0%、−3%程度、発生する。LLC型の電圧コンバータでは、入力電圧変動比がそのまま出力電圧変動比となるので、当該電圧変動を出力側に同率で換算して、ノイズ電圧は0V、−0.9Vと算出される。また、当該出力電圧リップルは、全波整流によってAC入力周波数の2倍波となり、例えば50Hz入力であれば100Hzの周波数を有する。
次に負荷電流変動による出力電圧変動であるが、ここではパワーモジュール部22の出力抵抗を実測に照らして0.3Ωとする。ここではモータ電流は、一例として最大5Aとしているため、負荷電流変動による電圧変動は0V、−1.5Vと算出される。また、この負荷変動は、サーボ制御によるものであるから、サーボ制御帯域に包含される周波数成分を有する。以上がノイズ電圧41の内訳である。
次に、ノイズ電圧42について説明する。ヘッド7の消費電流が0Aから最大の3.3Aに急変した場合、コンデンサ6の放電によって電圧低下の速度は緩慢となる。その速度はコンデンサ6の容量を10000μFとした場合、電流を容量で除した0.33V/ミリ秒である。正弦波で最大の傾きがこの傾斜に合致するように近似すると、その正弦波の周期は、
1/0.33×4×π/2=19(ミリ秒)
となり、周波数では53Hzと算出される。帰還作用が無い場合、FFC5の抵抗値を0.3Ωとして最大3.3Aのヘッド電流にて1Vの低下となることから、ノイズ電圧42は近似的に53Hzで振幅が±1Vの正弦波であるとする。
図4において、電圧43(VM)に着目して、モータ電源ループ側を辿った場合とヘッド電源ループ側を辿った場合の両方を考慮して状態方程式を立てると以下の通りである。なお、記号「・」は積を表す。
{VM+(VM・T(S)+N)・E(S)}・P(S)+N=VM
これをVMで解くと、
VM={−N−N・P(S)・E(S)}/{P(S)・T(S)・E(S)+P(S)−1} ・・・(式1)
となる。
次に電圧44(VH)に着目した場合は以下の通りである。
VH=VM・T(S)+N
そして、VMに式1を代入して、
VH={−N・T(S)+N・(P(S)−1)}/{P(S)・T(S)・E(S)+P(S)−1} ・・・(式2)
となる。
式の各伝達特性と図3に示す伝達特性との対応は以下の通りである。
P(S):グラフ31
T(S):グラフ32
E(S):グラフ33
T(S)・E(S):グラフ34
P(S)・T(S)・E(S):グラフ35
式1を用いて、NとNがVMに及ぼす影響を検討する。まず、リップル起因のNについては、100Hz近傍の周波数において、図3より、式1の分母にある「P(S)・T(S)・E(S)」の項が支配して、約100分の1に圧縮される。従って、実際に重畳する変動レベルは0V、−0.009Vである。
次に負荷電流変動起因のNについては、最低条件はサーボ制御帯域上限の500Hzであって、図3より、少なくとも式1の分母にある「P(S)」の項が支配して、10分の1以下に圧縮される。従って、実際に重畳する変動レベルは多くとも0V、−0.15Vとなる。
最後にNについては、53Hz近傍の周波数においては図3より、式1の分母にある「P(S)・T(S)・E(S)」の項が支配するが、分子に「P(S)・E(S)」が掛かっており、T(S)の低下分(−3dB)だけ逆に低下する。従って、実際に重畳する変動レベルは、1.4V、−1.4Vとなる。
以上を合算して変動レベルは、1.4V、−1.56Vとなり、上述したモータ8への電圧の要求精度の±1.8Vを満足する。
式2を用いて、NとがVHに及ぼす影響を検討する。まず、リップル起因のNについては、100Hz近傍の周波数においては、図3より、式2の分母にある「P(S)・T(S)・E(S)」の項が支配する。しかし、分子にT(S)が掛かっており、「P(S)・E(S)」の利得の逆数倍、すなわち、約300分の1に圧縮される。従って、実際に重畳する変動レベルは0V、−0.003Vである。
次に負荷電流変動起因のNについては、最低条件はサーボ制御帯域上限の500Hzであって、図3より、式2の分母にある少なくとも「P(S)」の項と、分子にある「T(S)」の項が支配して、100分の1以下に圧縮される。従って、実際に重畳する変動レベルは多くても0V、−0.015Vとなる。
は、53Hz近傍の周波数において、図3より、式2の分母にある「P(S)・T(S)・E(S)」の項が支配するが、分子にP(S)が掛かっており、「T(S)・E(S)」の項の利得の逆数倍、すなわち、約8分の1に圧縮される。従って、実際に重畳する変動レベルは、±0.125Vとなる。
以上を合算して変動レベルは、0.125V、−0.143Vとなり、上述したヘッド7への電圧の要求精度の±0.3Vを満足する。
その他の要求精度の場合についても、各素子定数と各ループゲインを適切に設計することで対応が可能である。
本実施形態では、単一のコンバータを有し、第一のフィードバック信号によってモータ電源電圧を安定化し、第二のフィードバック信号によってヘッド電源電圧を安定化する。そして、モータ電源電圧の低域の変動は、モータのサーボ制御で吸収する。本実施形態では、モータ電源電圧のループゲインがヘッド電源電圧のループゲインより広帯域に、かつ、ヘッド電源電圧のループゲインがモータ電源電圧のループゲインよりも大きな直流利得となるように設定する。これにより、第一のフィードバック信号と第二のフィードバック信号の周波数分離をして、それぞれの電圧を確認することができる。上述した構成とすることにより、単一のコンバータのスイッチング電源でヘッド電源電圧とモータ電源電圧の二出力を、低コストで安定化することができる。
<第二の実施形態>
図5は、本発明の第二の実施形態に係る構成例を示す図である。第一の実施形態と同じ構成要素については同じ番号を付してある。第一の実施形態の構成と異なる点は、トランス3が二つの出力を持ち、第二の二次整流部15を付加した点である。また、本実施形態に係る記録装置は、発振制御部13、駆動部2、およびトランス3によりLLCコンバータを構成する。LLCコンバータは、トランスに複数の巻き線を設けた場合のクロスレギュレーションが優れている。
本実施形態では、例えば、モータとヘッドの電源電圧を異なる出力とすることができる。
<第三の実施形態>
図6は、本発明の第三の実施形態に係る構成例を示す図である。第一の実施形態と同じ構成要素については同じ番号を付してある。第一の実施形態の構成と異なる点は、ヘッド7からの電圧検出信号線用のFFC16を明記した点と、フィルタ17とツエナーダイオード18を追加した点である。FFC5とFFC16は機械的には同一の構成を有するケーブルである。ここでは、ツエナーダイオード18のアノードがFFC16およびエラーアンプ10の入力部に接続され、ツエナーダイオード18のカソードがフィルタ17に接続されている。
例えば、FFCが何らかの理由によって断線してFFCを介したヘッド7とのパスが消失した場合、出力は上昇し、その結果、オーバーボルテージのエラー検知が働いて電源がオフする。電源供給系が単一の場合は、これによってシステム全体としての電源も断たれるため、故障の原因を自動で特定し、表示することが極めて困難となる。
一方、FFCとは異なる補助用の帰還経路として、単なる抵抗素子あるいはダイオード素子を設けた場合、第一の実施形態のように、進み補償も用いながら位相余裕を確保しつつ、広帯域、高利得を実現する系においては、異常発振などを引き起こす可能性が高い。そのため、このような素子をそのまま用いることはできない。
これに対し、本実施形態では、FFC16を介したフィードバック系が消失した場合も、フィルタ17によって、全体のループ特性で位相余裕が確保される。すなわち、FFCが断線した場合であっても、安定して動作することができる。ここで、フィルタ17は、FFC5とコンデンサ6から成るローパスフィルタと比較して、周波数特性で見た場合には同等であるが、インピーダンスは十分大きい構成とする。これによりFFC16が正しく接続されている時は、フィルタ17が二次整流部4に与える影響は僅少となり、また、ツエナーダイオード18の作用によってフィルタ17からのフィードバック経路は切断されている。
一方、FFC16が何らかの理由により断線した場合や、FFC5とFFC16が元々挿されていない場合など、いずれにしてもFFC16の経路が断たれると、ツエナーダイオード18を経由する経路が機能する。これにより、フィルタ17が擬似的にヘッド電源のフィードバック系の役割を果たす。つまり、フィルタ17を介した経路が、擬似的に第一の実施形態の図4にて示したフィードバック経路27(ヘッド電源ループ)として機能する。この場合、フィルタ17のインピーダンスが高くても、エラーアンプ10の入力インピーダンスが十分高いので問題無く機能する。
なお、FFC5は大電流をヘッド側に供給するが、ケーブル長が長く、かつ、可動もするため、FFC5を経由してヘッド電源を供給する前に、事前に経路のどこかでショート状態が発生していないかを自動で確認する機能を設ける。その場合に、意図的にFFC5の経路を断つと、それと同時にFFC16からのフィードバックも無くなるものの、エラーアンプ10の入力端子にコンデンサ6が接続されたままではフィルタ17からの擬似的なフィードバックが作用しない。従って、この機能を実現する場合は、FFC5の意図的な遮断と同時に、FFC16の遮断を行う。
1:一次整流部、2:駆動部、3:トランス、4:二次整流部、5:FFC、6:コンデンサ、7:ヘッド、8:モータ、9:基準電圧源、10:エラーアンプ、11:加算器、12:信号伝達部、13:発振制御部、14:サーボ制御部

Claims (5)

  1. 記録ヘッドと、
    発振回路を備える電圧コンバータと、
    前記電圧コンバータの出力に接続され、サーボ制御されたモータと、
    前記電圧コンバータの出力に接続されたフレキシブルケーブルと、
    前記フレキシブルケーブルと記録ヘッドとの間に設けられたコンデンサと、
    を備え、
    前記電圧コンバータは、前記電圧コンバータから前記モータに供給される電圧に基づく第一のフィードバック信号と、前記電圧コンバータから前記フレキシブルケーブルを介して前記コンデンサに供給される電圧に基づく第二のフィードバック信号とに基づいて出力を制御し、
    前記フレキシブルケーブルを経由しない第一の一巡のループゲインは、前記フレキシブルケーブルを経由する第二の一巡のループゲインと比較して、周波数が広帯域であり、かつ、直流利得が低いことを特徴とする記録装置。
  2. 前記コンデンサの容量は、前記電圧コンバータの制御に伴う出力電圧の変動速度に、前記サーボ制御が対応できるように構成されることを特徴とする請求項1に記載の記録装置。
  3. 前記電圧コンバータは、電流共振型であり、前記電圧コンバータに含まれる同一のトランスから、前記モータへ第1電圧を出力し、前記フレキシブルケーブルへ前記第1電圧とは異なる第2電圧を出力することを特徴とする請求項1または2に記載の記録装置。
  4. 前記フレキシブルケーブルと前記コンデンサとにより生じるフィルタとの周波数特性が同等であり、かつ、前記フィルタよりも高いインピーダンスを有するフィードバック系を更に備えることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載の記録装置。
  5. 前記フィードバック系は、前記フレキシブルケーブルを経由する前記第二の一巡が接続されている場合には遮断され、前記第二の一巡が切断された場合には擬似的に前記第二のフィードバック信号を生じさせるための電圧の経路として機能するように構成されることを特徴とする請求項4に記載の記録装置。
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