JP2004330562A - 記録装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】モータドライバの昇温を抑制しつつ、プリンタのスループットの低下を最小限に抑える。
【解決手段】モータM1,M2により各機構部分の駆動を行なう記録装置において、記録媒体に記録を行なう印字ヘッド1003と、モータを駆動するためのモータドライバ回路106と、モータドライバ回路に電力を供給する電源と、モータドライバ回路の温度を検出する温度センサ107と、温度センサによって検出されたモータドライバ回路の温度と予め設定された閾値温度との大小関係を比較し、その比較結果に基づいて、モータの駆動電流値を制御する制御部1600とを具備する。
【選択図】 図2

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、モータを用いてキャリッジの走査及び記録紙送りを行なう記録装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
メカ的な動作を行う装置ではその駆動源としてモータを使用することが多いが、インクジェットプリンタ(以下BJPと表記する)においても記録動作を行うためにモータを使用している。即ち記録用紙の給紙、LF(ラインフィード)、排紙などを行うLF(ラインフィード)モータ、記録ヘッドの走査を行うCR(キャリッジ)モータ等を有し、これらのモータの動作を制御して印字動作を行う。
【0003】
これらのモータを駆動する電気部品(以下モータドライバと表記する)は、制御回路からの信号によりモータへ供給する電流を制御してモータを動作させる。ステッピングモータであれば、各相へ供給する電流を時系列的に変化させて動作させる。更にはモータの動作音の低減、モータの動作精度向上などを目的として電流をチョッピングさせて一定電流値に制御することもある。
【0004】
以上の構成において、モータドライバはスイッチング損などにより昇温して誤動作や破壊に至る場合があり、従来はこれを防ぐために予めモータドライバの昇温の程度を測定してこれを超えないように制御していた。例としては、モータドライバの昇温を検知し、停止或いは緩やかな昇温になるモードのモータ駆動を行う等の方法がある。
【0005】
また別の問題として、装置の有する電源の容量の問題がある。電源は高耐圧の部品を多数使用しているため高価である。このため電源のコストを下げることを目的として使用部品の定格を下げる場合があり、結果的に電源の供給能力が下がる。よって装置の使用最大電力が制限される。
【0006】
この場合は、予め電力的な負荷が重いところを予測し、負荷が軽くなるよう制御していた。例としては、1行分の印字データを印字前にモニタし、所定デューティ以上の部分を検出し、この部分は複数パス印字とする(特許文献1)等の方法がある。
【0007】
【特許文献1】
特開平8−058080号公報。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、これらの方法では以下のような問題がある。
(1)モータを停止或いは低速で駆動するので、スループットが低くなる。
(2)複数パス印字となるので、スループットが低くなる。
【0009】
従って、本発明は上述した課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、モータドライバの昇温を抑制しつつ、プリンタのスループットの低下を最小限に抑えることである。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明に係わる記録装置は、モータにより各機構部分の駆動を行なう記録装置において、記録媒体に記録を行なう印字ヘッドと、前記モータを駆動するためのモータドライバ回路と、該モータドライバ回路に電力を供給する電源と、前記モータドライバ回路の温度を検出する温度センサと、該温度センサによって検出されたモータドライバ回路の温度と予め設定された閾値温度との大小関係を比較し、その比較結果に基づいて、前記モータの駆動電流値を制御する制御手段と、を具備することを特徴する。
【0011】
また、この発明に係わる記録装置において、前記制御手段は、前記比較結果に基づいて、前記駆動モータの駆動電流値を第1の電流値に設定する第1のモードと、前記駆動モータの駆動電流値を前記第1の電流値よりも小さい第2の電流値に設定する第2のモードとを切り替えることを特徴とする。
【0012】
また、この発明に係わる記録装置において、前記制御手段は、前記モータドライバ回路の温度が第1の閾値温度よりも高い場合には、前記モータへの給電を停止し、前記モータドライバ回路の温度が前記第1の閾値温度以下で且つ前記第1の閾値温度よりも低い第2の閾値温度よりも高い場合には、前記モータを前記第2のモードで駆動し、前記モータドライバ回路の温度が前記第2の閾値温度以下の場合には、前記モータを前記第1のモードで駆動することを特徴とする。
【0013】
また、この発明に係わる記録装置において、前記制御手段は、前記モータドライバ回路への供給電力と前記電源の供給可能な電力とに基づいて、前記印字ヘッドを駆動するための電力を決定することを特徴とする。
【0014】
また、この発明に係わる記録装置において、前記制御手段は、前記モータを前記第2のモードで駆動する場合には、前記印字ヘッドへの供給電力を増加させることを特徴とする。
【0015】
また、この発明に係わる記録装置において、前記制御手段は、前記印字ヘッドと前記モータが必要とする電力の合計が、前記電源の電力供給能力を超えないように制御することを特徴とする。
【0016】
また、この発明に係わる記録装置において、前記制御手段は、印字用のデータのある領域の印字デューティと、前記モータの駆動状態から決定される印字デューティとに基づいて前記印字ヘッドの印字動作を制御することを特徴とする。
【0017】
また、この発明に係わる記録装置において、前記制御手段は、一行中の印字データを複数のブロックに分け、各ブロックのデューティが前記モータの駆動状態から決定される印字デューティ以上の場合には、前記印字ヘッドの複数回の走査により印字を行ない、各ブロックのデューティが前記モータの駆動状態から決定される印字デューティより小さい場合には、前記印字ヘッドの一回の走査により印字を行なうことを特徴とする。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の好適な一実施形態について図面を参照して詳細に説明する。
【0019】
<インクジェット記録装置の説明(図1)>
図1は本発明の代表的な実施形態であるインクジェット記録装置1の構成の概要を示す外観斜視図である。
【0020】
図1に示すように、インクジェット記録装置(以下、記録装置という)は、インクジェット方式に従ってインクを吐出して記録を行なう記録ヘッド1003を搭載したキャリッジ1002にキャリッジモータM1によって発生する駆動力を伝達機構1004より伝え、キャリッジ1002を矢印A方向に往復移動させるとともに、例えば、記録紙などの記録媒体Pを給紙機構1005を介して給紙し、記録位置まで搬送し、その記録位置において記録ヘッド1003から記録媒体Pにインクを吐出することで記録を行なう。
【0021】
また、記録ヘッド1003の状態を良好に維持するためにキャリッジ1002を回復装置1010の位置まで移動させ、間欠的に記録ヘッド1003の吐出回復処理を行う。
【0022】
記録装置1001のキャリッジ1002には記録ヘッド1003を搭載するのみならず、記録ヘッド1003に供給するインクを貯留するインクカートリッジ6を装着する。インクカートリッジ1006はキャリッジ1002に対して着脱自在になっている。
【0023】
図1に示した記録装置1001はカラー記録が可能であり、そのためにキャリッジ1002にはマゼンタ(M)、シアン(C)、イエロ(Y)、ブラック(K)のインクを夫々、収容した4つのインクカートリッジを搭載している。これら4つのインクカートリッジは夫々独立に着脱可能である。
【0024】
さて、キャリッジ1002と記録ヘッド1003とは、両部材の接合面が適正に接触されて所要の電気的接続を達成維持できるようになっている。記録ヘッド1003は、記録信号に応じてエネルギーを印加することにより、複数の吐出口からインクを選択的に吐出して記録する。特に、この実施形態の記録ヘッド1003は、熱エネルギーを利用してインクを吐出するインクジェット方式を採用し、熱エネルギーを発生するために電気熱変換体を備え、その電気熱変換体に印加される電気エネルギーが熱エネルギーへと変換され、その熱エネルギーをインクに与えることにより生じる膜沸騰による気泡の成長、収縮によって生じる圧力変化を利用して、吐出口よりインクを吐出させる。この電気熱変換体は各吐出口のそれぞれに対応して設けられ、記録信号に応じて対応する電気熱変換体にパルス電圧を印加することによって対応する吐出口からインクを吐出する。
【0025】
図1に示されているように、キャリッジ1002はキャリッジモータM1の駆動力を伝達する伝達機構1004の駆動ベルト1007の一部に連結されており、ガイドシャフト1013に沿って矢印A方向に摺動自在に案内支持されるようになっている。従って、キャリッジ1002は、キャリッジモータM1の正転及び逆転によってガイドシャフト1013に沿って往復移動する。また、キャリッジ1002の移動方向(矢印A方向)に沿ってキャリッジ1002の絶対位置を示すためのスケール1008が備えられている。この実施形態では、スケール1008は透明なPETフィルムに必要なピッチで黒色のバーを印刷したものを用いており、その一方はシャーシ1009に固着され、他方は板バネ(不図示)で支持されている。
【0026】
また、記録装置1001には、記録ヘッド1003の吐出口(不図示)が形成された吐出口面に対向してプラテン(不図示)が設けられており、キャリッジモータM1の駆動力によって記録ヘッド1003を搭載したキャリッジ1002が往復移動されると同時に、記録ヘッド1003に記録信号を与えてインクを吐出することによって、プラテン上に搬送された記録媒体Pの全幅にわたって記録が行われる。
【0027】
さらに、図1において、1014は記録媒体Pを搬送するために搬送モータM2によって駆動される搬送ローラ、1015はバネ(不図示)により記録媒体Pを搬送ローラ1014に当接するピンチローラ、1016はピンチローラ1015を回転自在に支持するピンチローラホルダ、1017は搬送ローラ1014の一端に固着された搬送ローラギアである。そして、搬送ローラギア1017に中間ギア(不図示)を介して伝達された搬送モータM2の回転により、搬送ローラ1014が駆動される。
【0028】
またさらに、1020は記録ヘッド1003によって画像が形成された記録媒体Pを記録装置外ヘ排出するための排出ローラであり、搬送モータM2の回転が伝達されることで駆動されるようになっている。なお、排出ローラ1020は記録媒体Pをバネ(不図示)により圧接する拍車ローラ(不図示)により当接する。1022は拍車ローラを回転自在に支持する拍車ホルダである。
【0029】
またさらに、記録装置1001には、図1に示されているように、記録ヘッド1003を搭載するキャリッジ1002の記録動作のための往復運動の範囲外(記録領域外)の所望位置(例えば、ホームポジションに対応する位置)に、記録ヘッド3の吐出不良を回復するための回復装置1010が配設されている。
【0030】
回復装置1010は、記録ヘッド1003の吐出口面をキャッピングするキャッピング機構11と記録ヘッド1003の吐出口面をクリーニングするワイピング機構1012を備えており、キャッピング機構1011による吐出口面のキャッピングに連動して回復装置内の吸引手段(吸引ポンプ等)により吐出口からインクを強制的に排出させ、それによって、記録ヘッド1003のインク流路内の粘度の増したインクや気泡等を除去するなどの吐出回復処理を行う。
【0031】
また、非記録動作時等には、記録ヘッド1003の吐出口面をキャッピング機構1011によるキャッピングすることによって、記録ヘッド1003を保護するとともにインクの蒸発や乾燥を防止することができる。一方、ワイピング機構1012はキャッピング機構1011の近傍に配され、記録ヘッド1003の吐出口面に付着したインク液滴を拭き取るようになっている。
【0032】
これらキャッピング機構1011及びワイピング機構1012により、記録ヘッド1003のインク吐出状態を正常に保つことが可能となっている。
【0033】
<インクジェット記録装置の制御構成(図2)>
図2は図1に示した記録装置の制御構成を示すブロック図である。
【0034】
図2に示すように、コントローラ1600は、MPU1601、後述する制御シーケンスに対応したプログラム、所要のテーブル、その他の固定データを格納したROM1602、キャリッジモータM1の制御、搬送モータM2の制御、及び、記録ヘッド1003の制御のための制御信号を生成する特殊用途集積回路(ASIC)1603、画像データの展開領域やプログラム実行のための作業用領域等を設けたRAM1604、MPU1601、ASIC1603、RAM1604を相互に接続してデータの授受を行うシステムバス1605、以下に説明するセンサ群からのアナログ信号を入力してA/D変換し、デジタル信号をMPU1601に供給するA/D変換器1606などで構成される。
【0035】
また、図2において、1610は画像データの供給源となるコンピュータ(或いは、画像読取り用のリーダやデジタルカメラなど)でありホスト装置と総称される。ホスト装置1610と記録装置1001との間ではインタフェース(I/F)1611を介して画像データ、コマンド、ステータス信号等を送受信する。
【0036】
さらに、1620はスイッチ群であり、電源スイッチ1621、プリント開始を指令するためのプリントスイッチ1622、及び記録ヘッド1003のインク吐出性能を良好な状態に維持するための処理(回復処理)の起動を指示するための回復スイッチ1623など、操作者による指令入力を受けるためのスイッチから構成される。1630はホームポジションhを検出するためのフォトカプラなどの位置センサ1631、環境温度を検出するために記録装置の適宜の箇所に設けられた温度センサ1632、モータドライバ106(キャリッジモータドライバ1640と搬送モータドライバ1642を合わせたものをモータドライバ106とする)の昇温を検知するためのサーミスタからなる温度センサ107等から構成される装置状態を検出するためのセンサ群である。
【0037】
さらに、1640はキャリッジ1002を矢印A方向に往復走査させるためのキャリッジモータM1を駆動させるキャリッジモータドライバ、1642は記録媒体Pを搬送するための搬送モータM2を駆動させる搬送モータドライバである。
【0038】
図3は、RAM1604の内部構造の一部を示した図である。
【0039】
図3において、RAM1604は、後で述べる記録動作において、一行分の記録データが書き込まれているPrint Bufferとファームの処理で用いるWorkAreaとを備えている。
【0040】
図4を参照して本実施形態の概要について説明する。
【0041】
本実施形態ではモータドライバ106の温度を検知するために、モータドライバの放熱用端子が実装されているPWB(プリント基板)上のパターンにサーミスタ107を実装する。このパターンの昇温を検知して、予め用意されているサーミスタとモータドライバの温度関係テーブルからモータドライバの温度を求める。
【0042】
図5乃至図7は、上記構成をとった場合の各部分の温度関係を示す図である。
【0043】
図5は、モータドライバ106のジャンクション温度(基板との接合部の温度)Tjとサーミスタの検出する温度Tthの関係を示す図である。
【0044】
モータドライバIC内のチップは放熱用の金属板上にあり、この放熱用金属板は基板パターンに実装されている。このパターン上に配置されるサーミスタの出力温度は、ジャンクション温度Tjとほぼ比例関係になる。本実施形態においてはこの関係を予め測定してテーブルをROM1602内に設けておき、サーミスタから検出される温度Tthからジャンクション温度Tjを求めることができる。
【0045】
図6は、モータドライバのジャンクション温度Tjと時間tの関係を示す図である。
【0046】
ジャンクション温度TjはIC内の損失による発熱により昇温するが、モータドライバICが実装されている基板のパターンへの放熱やIC表面からの大気中への放熱が、先の損失による発熱と均衡したところで飽和する。この飽和温度はモータの駆動状態により異なり、モータへ供給する電流が大きい場合や定電流等にするためのスイッチング損が大きい場合に、より高い温度へ到達する。
【0047】
モータドライバの昇温を抑えたい場合は、モータへ供給する電流を低く抑えることで実現できる。この様子は通常の駆動をnormal mode(current)、モータへ供給する電流を低く抑えた場合の駆動をsave mode(current)と表現して、図6に示している。
【0048】
なおモータへ供給する電流を低く抑えるとモータのトルクが低下し、装置を駆動するためには回転速度を低くする等の制御が必要になる。
【0049】
図7は、上述した通常のnormal mode、モータへ供給する電流を低く抑えたsave modeの両modeを用いて積極的にモータドライバICの昇温を制御した場合を示す図である。
【0050】
先に述べた手法によりサーミスタから出力される温度からモータドライバのジャンクション温度Tjを推定し、この温度が予めROM内に記憶されているTrf1より大きい場合は昇温によるドライバ破壊が近いと判断し、一定時間動作を停止させてジャンクション温度Tjを低下させ、その後save modeで駆動して安全な温度内に収まるようにする。またジャンクション温度Tjが、予めROM内に記憶されているTrf1及びTrf2に対してTrf2<Tj<Trf1の場合は、このままnormal modeで駆動を続けると危険であるが動作を停止させる程ではないと判断し、save modeへ切り替えるのみとする。これにより昇温カーブが緩和して安全な昇温の範囲に収まる。
【0051】
図7で説明した制御を各々のモータを駆動する前に設定しておくことによりモータドライバの昇温を制御できる。
【0052】
なお上記の制御はモータドライバへの電力供給を減らすことになり、記録装置が有する電源から見れば負荷が軽くなることを意味する。
【0053】
次に印字データ中にデューティの高い部分があったときに複数パスで印字する制御を、図8を参照して説明する。
【0054】
印字データが書き込まれているプリントバッファを分割し、各ブロック中のデューティを求める。このデューティが予め決められているデューティより高ければ複数パス印字とする。仮に閾値を50%とすると、図中の50%デューティのブロックのために複数パス印字を選択し、結果的に25%となる。
【0055】
以上の構成を持つ記録装置において、モータドライバの昇温を抑えるために低電力モードでモータを駆動するなら記録装置が有する電源から見れば負荷が軽いので、その分印字ヘッド駆動へ電力を割り振ることが出来る。よって通常印字を仮定したときには印字デューティが50%で複数パス印字に切り替えていた制御を、より高いデューティで複数パス印字に切り替える制御とすることができる。図8の場合では、仮にモータ昇温緩和のために複数パスへの切り替えデューティを55%とすることができたら、1パスで印字可能となる。
【0056】
このときの電力の関係を図9に示す。
【0057】
記録装置の電力供給能力をPS、モータドライバの消費電力をPM、記録ヘッドの消費電力をPHとすると、次の関係が成り立つ。
【0058】
PH≦PS―PM
図10乃至図12に、この制御のフローチャートを示す。
【0059】
印字開始命令がきたら(ステップS701)給紙動作を行い(ステップS702)、CR(キャリッジモータ)の駆動モードを決定する(ステップS703)。CRの駆動モードを決めるフローチャートは図11に示す。次にパワーモニタの閾値を決定する(ステップS704)。パワーモニタの閾値を決めるフローチャートは図12に示す。ステップS704で決定したパワーモニタの閾値以上のディーティのブロックが無ければ(ステップS705:No)1パスで印字を行い(ステップS706)、閾値以上のブロックがあれば(ステップS705:Yes)2パスにて印字する(ステップS707)。印字が終了なら(ステップS708:Yes)排紙を行い(ステップS709)、動作を終了する(ステップS710)。引き続き印字動作を行う場合は(ステップS708:No)紙送りを行い(ステップS711)、ステップS703からの動作を繰り返す。
【0060】
図11は、図10のステップS703におけるCR(キャリッジモータ)の駆動モードを決める動作を示すフローチャートである。
【0061】
CRの駆動モードの決定動作がスタートすると、ステップS732において、モータドライバのうちのキャリッジモータドライバのジャンクション温度であるTCRが、予めROM内に記憶されているキャリッジモータドライバ側の第1の閾値温度TrfCR1よりも高いか否かを判断する。もし、ステップS732でTCRがTrfCR1より高い場合には、昇温によるドライバ破壊が近いと判断し、ステップS733においてキャリッジモータの動作を停止させる。
【0062】
ステップS732でTCRがTrfCR1以下の場合には、ステップS734でTCRが、予めROM内に記憶されているキャリッジモータドライバ側の第2の閾値温度TrfCR2(TrfCR2はTrfCR1よりも低い)よりも高いか否かを判断する。ステップS734でTCRがTrfCR2より高い場合には、キャリッジモータをnormal modeで駆動し続けると危険であるが動作を停止させる程ではないと判断し、ステップS735でsave modeへ切り替えてリターンする。ステップS734でTCRがTrfCR2以下の場合には、normal modeで駆動を続けても問題ないと判断し、ステップS736でキャリッジモータをnormal modeで駆動し、リターンする。
【0063】
図12は、図10のステップS704におけるパワーモニタの閾値を決定する動作を示すフローチャートである。
【0064】
パワーモニタの閾値の決定動作がスタートすると、ステップS742において、キャリッジモータの駆動モードがsave modeであるか否かを判断する。もし、ステップS742においてsave modeでないならば、ステップS744で、2パス印字に切り替えるための閾値である印字ヘッドの印字デューティの閾値を、低い値であるSLに設定し、リターンする。ステップS742においてsave modeならば、ステップS743で、2パス印字に切り替えるための閾値である印字ヘッドの印字デューティの閾値を、高い値であるSHに設定し、リターンする。
【0065】
以上の構成及び制御を行うことで、モータドライバの昇温の限界まで駆動をすることができ、且つ記録装置のスループット低下を抑えることが出来る。
【0066】
なお本実施形態では温度を検出するためにサーミスタを用いたが、温度を検出できるデバイスならば、他の種類の温度センサを用いてもよい。
【0067】
また本実施形態ではパワーモニタの閾値を超えた場合に2パス印字としたが、より多くのパス数を設定することも可能である。
【0068】
更には、本実施形態では2パス印字を適用するときに画像を上下半分で分けたが、千鳥にする等複雑なパターンを設定してパス間のつなぎを目立たせないようにすることもできる。
【0069】
以上の実施形態は、特にインクジェット記録方式の中でも、インク吐出を行わせるために利用されるエネルギとして熱エネルギを発生する手段(例えば電気熱変換体やレーザ光等)を備え、前記熱エネルギによりインクの状態変化を生起させる方式を用いることにより記録の高密度化、高精細化が達成できる。
【0070】
その代表的な構成や原理については、例えば、米国特許第4723129号明細書、同第4740796号明細書に開示されている基本的な原理を用いて行うものが好ましい。この方式はいわゆるオンデマンド型、コンティニュアス型のいずれにも適用可能であるが、特に、オンデマンド型の場合には、液体(インク)が保持されているシートや液路に対応して配置されている電気熱変換体に、記録情報に対応していて核沸騰を越える急速な温度上昇を与える少なくとも1つの駆動信号を印加することによって、電気熱変換体に熱エネルギを発生せしめ、記録ヘッドの熱作用面に膜沸騰を生じさせて、結果的にこの駆動信号に1対1で対応した液体(インク)内の気泡を形成できるので有効である。
【0071】
この気泡の成長、収縮により吐出用開口を介して液体(インク)を吐出させて、少なくとも1つの滴を形成する。この駆動信号をパルス形状とすると、即時適切に気泡の成長収縮が行われるので、特に応答性に優れた液体(インク)の吐出が達成でき、より好ましい。
【0072】
このパルス形状の駆動信号としては、米国特許第4463359号明細書、同第4345262号明細書に記載されているようなものが適している。なお、上記熱作用面の温度上昇率に関する発明の米国特許第4313124号明細書に記載されている条件を採用すると、さらに優れた記録を行うことができる。
【0073】
記録ヘッドの構成としては、上述の各明細書に開示されているような吐出口、液路、電気熱変換体の組み合わせ構成(直線状液流路または直角液流路)の他に熱作用面が屈曲する領域に配置されている構成を開示する米国特許第4558333号明細書、米国特許第4459600号明細書に記載された構成も本発明に含まれるものである。加えて、複数の電気熱変換体に対して、共通するスロットを電気熱変換体の吐出部とする構成を開示する特開昭59−123670号公報や熱エネルギの圧力波を吸収する開口を吐出部に対応させる構成を開示する特開昭59−138461号公報に基づいた構成としても良い。
【0074】
さらに、記録装置が記録できる最大記録媒体の幅に対応した長さを有するフルラインタイプの記録ヘッドとしては、上述した明細書に開示されているような複数記録ヘッドの組み合わせによってその長さを満たす構成や、一体的に形成された1個の記録ヘッドとしての構成のいずれでもよい。
【0075】
加えて、上記の実施形態で説明した記録ヘッド自体に一体的にインクタンクが設けられたカートリッジタイプの記録ヘッドのみならず、装置本体に装着されることで、装置本体との電気的な接続や装置本体からのインクの供給が可能になる交換自在のチップタイプの記録ヘッドを用いてもよい。
【0076】
また、以上説明した記録装置の構成に、記録ヘッドに対する回復手段、予備的な手段等を付加することは記録動作を一層安定にできるので好ましいものである。これらを具体的に挙げれば、記録ヘッドに対してのキャッピング手段、クリーニング手段、加圧あるいは吸引手段、電気熱変換体あるいはこれとは別の加熱素子あるいはこれらの組み合わせによる予備加熱手段などがある。また、記録とは別の吐出を行う予備吐出モードを備えることも安定した記録を行うために有効である。
【0077】
さらに、記録装置の記録モードとしては黒色等の主流色のみの記録モードだけではなく、記録ヘッドを一体的に構成するか複数個の組み合わせによってでも良いが、異なる色の複色カラー、または混色によるフルカラーの少なくとも1つを備えた装置とすることもできる。
【0078】
以上説明した実施の形態においては、インクが液体であることを前提として説明しているが、室温やそれ以下で固化するインクであっても、室温で軟化もしくは液化するものを用いても良く、あるいはインクジェット方式ではインク自体を30°C以上70°C以下の範囲内で温度調整を行ってインクの粘性を安定吐出範囲にあるように温度制御するものが一般的であるから、使用記録信号付与時にインクが液状をなすものであればよい。
【0079】
加えて、積極的に熱エネルギによる昇温をインクの固形状態から液体状態への状態変化のエネルギとして使用せしめることで積極的に防止するため、またはインクの蒸発を防止するため、放置状態で固化し加熱によって液化するインクを用いても良い。いずれにしても熱エネルギの記録信号に応じた付与によってインクが液化し、液状インクが吐出されるものや、記録媒体に到達する時点では既に固化し始めるもの等のような、熱エネルギの付与によって初めて液化する性質のインクを使用する場合も本発明は適用可能である。
【0080】
このような場合インクは、特開昭54−56847号公報あるいは特開昭60−71260号公報に記載されるような、多孔質シート凹部または貫通孔に液状または固形物として保持された状態で、電気熱変換体に対して対向するような形態としてもよい。本発明においては、上述した各インクに対して最も有効なものは、上述した膜沸騰方式を実行するものである。
【0081】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、モータドライバの昇温を抑制しつつ、プリンタのスループットの低下を最小限に抑えることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の代表的な実施形態であるインクジェット記録装置の構成の概要を示す外観斜視図である。
【図2】図1に示すインクジェット記録装置の制御回路の構成を示すブロック図である。
【図3】RAMの内部構造の一部を示した図である。
【図4】モータドライバの基板への実装の概略を示す図である。
【図5】モータドライバのジャンクション温度Tjとサーミスタの検出する温度Tthの関係を示す図である。
【図6】モータドライバのジャンクション温度Tjと時間tの関係を示す図である。
【図7】通常のnormal mode、モータへ供給する電流を低く抑えたsave modeの両modeを用いて積極的にモータドライバICの昇温を制御する状態を示す図である。
【図8】印字データ中にデューティの高い部分があったときに複数パスで印字する制御を示す図である。
【図9】記録装置の電力供給能力PSと、モータドライバの消費電力PMと、記録ヘッドの消費電力PHの関係を示す図である。
【図10】一実施形態の記録装置の動作を示すフローチャートである。
【図11】キャリッジモータの駆動モードを決定する動作を示すフローチャートである。
【図12】パワーモニタの閾値を決定する動作を示すフローチャートである。
【符号の説明】
1001 インクジェット記録装置
1002 キャリッジ
1003 記録ヘッド
1600 コントローラ
1601 MPU
1602 ROM
1603 ASIC
1604 RAM
1605 システムバス
1606 A/D変換器
1607 画像処理プロセッサ
1610 ホスト装置

Claims (8)

  1. モータにより各機構部分の駆動を行なう記録装置において、
    記録媒体に記録を行なう印字ヘッドと、
    前記モータを駆動するためのモータドライバ回路と、
    該モータドライバ回路に電力を供給する電源と、
    前記モータドライバ回路の温度を検出する温度センサと、
    該温度センサによって検出されたモータドライバ回路の温度と予め設定された閾値温度との大小関係を比較し、その比較結果に基づいて、前記モータの駆動電流値を制御する制御手段と、
    を具備することを特徴とする記録装置。
  2. 前記制御手段は、前記比較結果に基づいて、前記駆動モータの駆動電流値を第1の電流値に設定する第1のモードと、前記駆動モータの駆動電流値を前記第1の電流値よりも小さい第2の電流値に設定する第2のモードとを切り替えることを特徴とする請求項1に記載の記録装置。
  3. 前記制御手段は、前記モータドライバ回路の温度が第1の閾値温度よりも高い場合には、前記モータへの給電を停止し、前記モータドライバ回路の温度が前記第1の閾値温度以下で且つ前記第1の閾値温度よりも低い第2の閾値温度よりも高い場合には、前記モータを前記第2のモードで駆動し、前記モータドライバ回路の温度が前記第2の閾値温度以下の場合には、前記モータを前記第1のモードで駆動することを特徴とする請求項2に記載の記録装置。
  4. 前記制御手段は、前記モータドライバ回路への供給電力と前記電源の供給可能な電力とに基づいて、前記印字ヘッドを駆動するための電力を決定することを特徴とする請求項2に記載の記録装置。
  5. 前記制御手段は、前記モータを前記第2のモードで駆動する場合には、前記印字ヘッドへの供給電力を増加させることを特徴とする請求項4に記載の記録装置。
  6. 前記制御手段は、前記印字ヘッドと前記モータが必要とする電力の合計が、前記電源の電力供給能力を超えないように制御することを特徴とする請求項5に記載の記録装置。
  7. 前記制御手段は、印字用のデータのある領域の印字デューティと、前記モータの駆動状態から決定される印字デューティとに基づいて前記印字ヘッドの印字動作を制御することを特徴とする請求項1に記載の記録装置。
  8. 前記制御手段は、一行中の印字データを複数のブロックに分け、各ブロックのデューティが前記モータの駆動状態から決定される印字デューティ以上の場合には、前記印字ヘッドの複数回の走査により印字を行ない、各ブロックのデューティが前記モータの駆動状態から決定される印字デューティより小さい場合には、前記印字ヘッドの一回の走査により印字を行なうことを特徴とする請求項7に記載の記録装置。
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