JP2008279616A - 記録装置、及びクロック生成方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】記録装置本体から記録ヘッドへの転送される記録データにより発生する放射ノイズの発生を抑制することが可能な記録装置と、その装置に適用可能なクロック生成方法を提供することである。
【解決手段】基準クロックに基づいて、記録ヘッドの複数のノズル列を複数のグループに分割し、これら複数のグループ毎に周波数の異なるクロックを生成する。そして、複数のノズル列に対応した記録データを、前記生成された複数のクロックの内、複数のノズル列各々が属するグループに対応したクロックを用い、記録ヘッドに転送する。
【選択図】 図7
【解決手段】基準クロックに基づいて、記録ヘッドの複数のノズル列を複数のグループに分割し、これら複数のグループ毎に周波数の異なるクロックを生成する。そして、複数のノズル列に対応した記録データを、前記生成された複数のクロックの内、複数のノズル列各々が属するグループに対応したクロックを用い、記録ヘッドに転送する。
【選択図】 図7
Description
本発明は記録装置、及びクロック生成方法に関する。本発明は、特に、例えば、インクジェット記録ヘッドに対する記録データの転送処理において発生する放射ノイズの低減に関して優れた効果を発揮する記録装置、及びクロック生成方法に関するものである。
近年、用紙等の記録媒体に記録ヘッドよりインクを吐出し、そのインクを記録媒体に付着させてその記録媒体上にドットを形成することで記録を行うインクジェット記録方式の記録装置が広く普及している。このような記録装置には、より高品位かつ多様な画像出力と記録速度の向上が求められている。
これらの要求に答えるために、記録ヘッドのインクを吐出するノズル数の増加、インク色の増加、記録データ転送を制御するクロック(以下、クロック信号)周波数の高速化、利用可能な記録媒体のサイズ拡大が図られてきた。
記録装置本体から記録ヘッドへの記録データ伝送は一般にフレキシブルケーブルを用いて行なわれている。このフレキシブルケーブルは隣合った伝送線の距離が近接しているため、記録データの増加やクロック信号の高速化により高周波電流が流れると、その伝送線にノイズが重畳しやすい。また、伝送線そのものがノイズの発生源となる。
一方、記録媒体のサイズ拡大に伴い、フレキシブルケーブルの長さも長くなるため、フレキシブルケーブルがアンテナとなり重畳したノイズが周囲へ放射され、周辺機器の誤動作を引き起こすという可能性も生じている。
従来より、これらの問題を解決するためにクロック信号の周波数を故意に拡散させる周波数拡散技術が知られている。この周波数拡散技術は、周期的に発振周波数を連続的に変化させることによって、放射ノイズのピークを拡散し、ピークノイズを減少させる効果をもつ(例えば、特許文献1参照)。また、クロック信号を差動方式の低電圧駆動で伝送することにより、放射ノイズを抑制している(例えば、特許文献2参照)。
特開2003−330654号公報
特開平10―166583号公報
しかしながら、近年、電子機器から発生する放射ノイズの規制が年々厳しくなっているため、クロック信号の周波数を拡散させノイズのピークを低下させることだけでは十分なノイズの抑制に至らない場合が生じている。また、差動方式による伝送では信号線の本数が倍になってしまうという問題があった。
本発明は上記従来例に鑑みてなされたもので、放射ノイズを抑制した高品位な記録装置、及びクロック生成方法を提供することも目的としている。
上記目的を達成するために本発明の記録装置は、以下のような構成からなる。
即ち、複数のノズル列を備えた記録ヘッドを往復走査して記録媒体に記録を行う記録装置であって、基準クロックに基づいて、前記複数のノズル列を複数のグループに分割し、前記複数のグループ毎に周波数の異なるクロックを生成する生成手段と、前記複数のノズル列に対応した記録データを、前記生成手段により生成された複数のクロックの内、前記複数のノズル列のそれぞれが属するグループに対応したクロックを用い、前記記録ヘッドに転送する転送手段とを有することを特徴とする。
また他の発明によれば、複数のノズル列を備えた記録ヘッドを往復走査して記録媒体に記録を行う記録装置のクロック生成方法であって、基準クロックに基づいて、前記複数のノズル列を複数のグループに分割し、前記複数のグループ毎に周波数の異なるクロックを生成する生成工程と、前記複数のノズル列に対応した記録データを、前記生成工程において生成された複数のクロックの内、前記複数のノズル列のそれぞれが属するグループに対応したクロックを用い、前記記録ヘッドに転送する転送工程とを有することを特徴とするクロック生成方法を備える。
従って本発明によれば、グループ化されたノズル列毎にクロックの周波数を変えることができるため放射ノイズのピークは重畳しにくくなり、放射ノイズの抑制を図ることができるという効果がある。
また、記録ヘッドの形態に合わせてクロックの周波数を可変にすることができ、種々の記録ヘッドの形態に合わせて放射ノイズの抑制を図ることもできる。
以下添付図面を参照して本発明の好適な実施例について、さらに具体的かつ詳細に説明する。なお、既に説明した部分には同一符号を付し重複説明を省略する。
なお、この明細書において、「記録」とは、文字、図形等有意の情報を形成する場合のみならず、有意無意を問わない。また人間が視覚で知覚し得るように顕在化したものであるか否かを問わず、広く記録媒体上に画像、模様、パターン等を形成する、または媒体の加工を行う場合も表すものとする。
また、「記録媒体」とは、一般的な記録装置で用いられる紙のみならず、広く、布、プラスチック・フィルム、金属板、ガラス、セラミックス、木材、皮革等、インクを受容可能なものも表すものとする。
さらに、「インク」(「液体」と言う場合もある)とは、上記「記録(プリント)」の定義と同様広く解釈されるべきものである。従って、記録媒体上に付与されることによって、画像、模様、パターン等の形成または記録媒体の加工、或いはインクの処理(例えば記録媒体に付与されるインク中の色剤の凝固または不溶化)に供され得る液体を表すものとする。
またさらに、「記録要素」(「ノズル」という場合もある)とは、特にことわらない限り吐出口ないしこれに連通する液路およびインク吐出に利用されるエネルギーを発生する素子を総括して言うものとする。
<インクジェット記録装置の説明(図1)>
図1は本発明の代表的な実施例であるインクジェット記録装置1の構成の概要を示す外観斜視図である。
図1は本発明の代表的な実施例であるインクジェット記録装置1の構成の概要を示す外観斜視図である。
図1に示すように、インクジェット記録装置(以下、記録装置という)は、インクジェット方式に従ってインクを吐出して記録を行なう記録ヘッド3をキャリッジ2に搭載している。キャリッジ2には、キャリッジモータM1によって発生する駆動力を伝達機構4より伝え、キャリッジ2を矢印A方向に往復移動させる。記録時には、例えば、記録紙などの記録媒体Pを給紙機構5を介して給紙し、記録位置まで搬送し、その記録位置において記録ヘッド3から記録媒体Pにインクを吐出することで記録を行なう。
また、記録ヘッド3の状態を良好に維持するためにキャリッジ2を回復装置10の位置まで移動させ、間欠的に記録ヘッド3の吐出回復処理を行う。
記録装置1のキャリッジ2には記録ヘッド3を搭載するのみならず、記録ヘッド3に供給するインクを貯留するインクカートリッジ6を装着する。インクカートリッジ6はキャリッジ2に対して着脱自在になっている。
図1に示した記録装置1はカラー記録が可能であり、そのためにキャリッジ2にはマゼンタ(M)、シアン(C)、イエロ(Y)、ブラック(K)のインクを夫々、収容した4つのインクカートリッジを搭載している。これら4つのインクカートリッジは夫々独立に着脱可能である。
さて、キャリッジ2と記録ヘッド3とは、両部材の接合面が適正に接触されて所要の電気的接続を達成維持できるようになっている。記録ヘッド3は、記録信号に応じてエネルギーを印加することにより、複数の吐出口からインクを選択的に吐出して記録する。特に、この実施例の記録ヘッド3は、熱エネルギーを利用してインクを吐出するインクジェット方式を採用している。このため、記録ヘッド3には熱エネルギーを発生するために電気熱変換体を備えている。その電気熱変換体に印加される電気エネルギーが熱エネルギーへと変換され、吐出口よりインクを吐出させる。
図1に示されているように、キャリッジ2はキャリッジモータM1の駆動力を伝達する伝達機構4の駆動ベルト7の一部に連結されており、ガイドシャフト13に沿って矢印A方向に摺動自在に案内支持されるようになっている。従って、キャリッジ2は、キャリッジモータM1の正転及び逆転によってガイドシャフト13に沿って往復移動する。また、キャリッジ2の移動方向(矢印A方向)に沿ってキャリッジ2の絶対位置を示すためのスケール8が備えられている。この実施例では、スケール8は透明なPETフィルムに必要なピッチで黒色のバーを印刷したものを用いており、その一方はシャーシ9に固着され、他方は板バネ(不図示)で支持されている。
また、記録装置1には、記録ヘッド3の吐出口(不図示)が形成された吐出口面に対向してプラテン(不図示)が設けられている。そして、キャリッジモータM1の駆動力によって記録ヘッド3を搭載したキャリッジ2が往復移動されると同時に、記録ヘッド3に記録信号を与えてインクを吐出することによって、プラテン上に搬送された記録媒体Pの全幅にわたって記録が行われる。
さらに、図1において、14は記録媒体Pを搬送するために搬送モータM2によって駆動される搬送ローラ、15はバネ(不図示)により記録媒体Pを搬送ローラ14に当接するピンチローラである。また、16はピンチローラ15を回転自在に支持するピンチローラホルダ、17は搬送ローラ14の一端に固着された搬送ローラギアである。そして、搬送ローラギア17に中間ギア(不図示)を介して伝達された搬送モータM2の回転により、搬送ローラ14が駆動される。搬送モータM2の回転は、ロータリーエンコーダ(不図示)により制御される。
またさらに、20は記録ヘッド3によって画像が形成された記録媒体Pを記録装置外ヘ排出するための排出ローラであり、搬送モータM2の回転が伝達されることで駆動されるようになっている。なお、排出ローラ20は記録媒体Pをバネ(不図示)により圧接する拍車ローラ(不図示)により当接する。22は拍車ローラを回転自在に支持する拍車ホルダである。
またさらに、記録装置1には、記録ヘッド3を搭載するキャリッジ2の記録動作のための往復運動の範囲外(記録領域外)の所望位置(例えば、ホームポジションに対応する位置)に、記録ヘッド3の吐出不良を回復するための回復装置10が配設されている。
回復装置10は、記録ヘッド3の吐出口面をキャッピングするキャッピング機構11と記録ヘッド3の吐出口面をクリーニングするワイピング機構12を備えている。そして、キャッピング機構11による吐出口面のキャッピングに連動して回復装置内の吸引手段(吸引ポンプ等)により吐出口からインクを強制的に排出させ、記録ヘッド3のインク流路内の粘度の増したインクや気泡等を除去するなどの吐出回復処理を行う。
また、非記録動作時等には、記録ヘッド3の吐出口面をキャッピング機構11によるキャッピングすることによって、記録ヘッド3を保護するとともにインクの蒸発や乾燥を防止することができる。一方、ワイピング機構12はキャッピング機構11の近傍に配され、記録ヘッド3の吐出口面に付着したインク液滴を拭き取るようになっている。
これらキャッピング機構11及びワイピング機構12により、記録ヘッド3のインク吐出状態を正常に保つことが可能となっている。
<インクジェット記録装置の制御構成(図2)>
図2は図1に示した記録装置の制御構成を示すブロック図である。
図2は図1に示した記録装置の制御構成を示すブロック図である。
図2に示すように、コントローラ600は、MPU601、ROM602、特殊用途集積回路(ASIC)603、RAM604、システムバス605、A/D変換器606などで構成される。ここで、ROM602は後述する制御シーケンスに対応したプログラム、所要のテーブル、その他の固定データを格納する。ASIC603は、キャリッジモータM1の制御、搬送モータM2の制御、及び、記録ヘッド3の制御のための制御信号を生成する。RAM604は、画像データの展開領域やプログラム実行のための作業用領域等として用いられる。システムバス605は、MPU601、ASIC603、RAM604を相互に接続してデータの授受を行う。A/D変換器606は以下に説明するセンサ群からのアナログ信号を入力してA/D変換し、デジタル信号をMPU601に供給する。
また、図2において、610は画像データの供給源となるコンピュータ(或いは、画像読取り用のリーダやデジタルカメラなど)でありホスト装置と総称される。ホスト装置610と記録装置1との間ではインタフェース(I/F)611を介して画像データ、コマンド、ステータス信号等を送受信する。この画像データは、例えば、ラスタ形式で入力される。
さらに、620はスイッチ群であり、電源スイッチ621、プリントスイッチ622、回復スイッチ623などから構成される。プリントスイッチ622はプリント開始を指令するために用いられる。回復スイッチ623は、記録ヘッド3のインク吐出性能を良好な状態に維持するための処理(回復処理)の起動を指示するために用いられる。これらのスイッチは操作者による指令入力を受けるために用いられる。
630は装置状態を検出するためのセンサ群であり、位置センサ631、温度センサ632等から構成される。位置センサ631はフォトカプラなどのホームポジションhを検出するためのセンサであり、温度センサ632は記録装置の適宜の箇所に設けられ環境温度を検出するために用いられるセンサである。
さらに、640はキャリッジ2を矢印A方向に往復走査させるためのキャリッジモータM1を駆動させるキャリッジモータドライバ、642は記録媒体Pを搬送するための搬送モータM2を駆動させる搬送モータドライバである。
ASIC603は、記録ヘッド3による記録走査の際に、RAM604の記憶領域に直接アクセスしながら記録ヘッドに対して記録素子(吐出ヒータ)の駆動データ(DATA)を生成して転送する。この転送には、ヘッドドライバ644が用いられる。ヘッドドライバ644では、駆動データ(DATA)を記録ヘッド3で使用可能なデータ形成に変換する他に、記録ヘッド3の駆動パルスや駆動電圧等も制御する。
以上説明した各部に対しては、電源ユニット650により必要な電力が供給される。
なお、図1に示す構成は、インクカートリッジ6と記録ヘッド3とが分離可能な構成であるが、これらが一体的に形成されて交換可能なヘッドカートリッジを構成しても良い。
図3は、インクタンクと記録ヘッドとが一体的に形成されたヘッドカートリッジIJCの構成を示す外観斜視図である。図3において、点線KはインクタンクITと記録ヘッドIJHの境界線である。ヘッドカートリッジIJCにはこれがキャリッジ2に搭載されたときには、キャリッジ2側から供給される電気信号を受け取るための電極(不図示)が設けられており、この電気信号によって、前述のように記録ヘッドIJHが駆動されてインクが吐出される。
なお、図3において、500はインク吐出口列である。また、インクタンクITにはインクを保持するために繊維質状もしくは多孔質状のインク吸収体が設けられている。
<記録ヘッド3の論理回路の構成(図4)>
図4は記録ヘッド3の回路構成を示すブロック図である。
図4は記録ヘッド3の回路構成を示すブロック図である。
ここでは1つのノズル列に対する構成を示している。図4に示す記録ヘッドは、ノズル列が640個のノズルからなり、それぞれ16個のノズルを含む40個のブロックに分割され、時分割駆動されるように構成されている。
図4において、200はシリアルクロックに従って入力されたデータをシフトする6ビットシフトレジスタ(S/R)である。201は、ラッチ信号(LT)によって規定されたタイミングで6ビットシフトレジスタ200に格納されたブロックデータをラッチする6ビットラッチである。
また、202は6ビットラッチ201でラッチされたブロックデータの内、予備のビットを除いた6ビットの信号をデコードしてブロック選択信号を出力する6→40デコーダである。6→40デコーダ202から出力されるブロック選択信号により、転送された記録データが40分割したブロックの内、どのブロックに対応するものであるかが決定される。
さらに、203は6ビットシフトレジスタ200からシフトされたデータを入力する18ビットシフトレジスタである。204はラッチ信号(LT)によって規定されたタイミングで18ビットシフトレジスタ203に格納されたデータをラッチする18ビットラッチである。205は、各々16個のノズルのヒータを駆動する為のドライバである。
駆動するノズルは、6→40デコーダ202から出力されたブロック選択信号と18ビットラッチ204から出力されるデータによって決定され、ヒートイネーブル信号(HENB)によって規定される時間(パルス幅)だけヒータが駆動される。
図5は、図4に示すような構成をもつ記録ヘッドへ転送される信号のタイムチャートである。
図5において、トリガ信号(TRIG)は、エンコーダからの信号を元に生成される所望の解像度間隔で出力される信号である。2つのトリガ信号(TRIG)の間に、(a)に示すように、記録ヘッドに対して転送された記録データのラッチタイミングを規定する40個のパルス信号(LT)のパルスが基準クロックを基に生成される。そして、ラッチ信号(LT)に対応して、記録ヘッドでラッチされた記録データに対するヒータの駆動時間を決定するヒートイネーブル信号(HENB)が生成される。
即ち、ラッチ信号(LT)の周波数は記録ヘッドの解像度及び時分割駆動のための分割ブロック数に依存し設定される。
2つのラッチ信号(LT)のパルス間301において、(b)に示すように、基準クロックを基にシリアルクロックが生成され、シリアルクロックとのセットアップ/ホールド時間を満たすように記録データの転送がなされる。なお、この例ではシリアルクロックの立ち上がりと立ち下がりの両方のタイミングでデータが転送される。また、この例では1ブロックのデータは、1つのノズル列に対して24ビットからなり、図示するようなタイミングで転送される。24ビットの1ブロックのデータの内、D0〜D17は記録データを示し、BE0〜BE5はブロックデータを示している。
このように生成されるシリアルクロックは、ラッチ信号のパルス間301において所望のビット数のデータを転送できうる範囲であれば、その周波数を可変としても記録動作に支障はない。
そこで、この実施例ではインク各色に対応したノズル列毎に基準クロックを基づいて、周波数を可変としたシリアルクロックを生成する。
図6は記録ヘッド3に備えられた4色のインク各々に対応した4つのノズル列に対して周波数可変機構を持ったヘッドドライバ644の構成を示すブロック図である。
図6に示すように、マゼンタ(M)、シアン(C)、イエロ(Y)、ブラック(K)のインクに対応した4つのノズル列に対応したシリアルクロック生成部401〜404を設ける。ここで、マゼンタ(M)、シアン(C)、イエロ(Y)、ブラック(K)のインクを吐出するノズル列を夫々、Mノズル列、Cノズル列、Yノズル列、Kノズル列といい、参照番号3M、3C、3Y、3Kで言及する。
シリアルクロック生成部401〜404夫々には基準クロックと記録解像度により規定されたラッチ信号(LT)が入力される。入力された基準クロックとラッチ信号(LT)とに基づいて、周波数の異なるシリアルクロックが生成され、それが各ノズル列3M、3C、3Y、3Kへと伝送される。また、転送データ生成部409〜412においてシリアルクロックに基づいてセットアップ/ホールド時間を満たすように転送データ(記録データ)が生成され、各ノズル列3M、3C、3Y、3Kへと伝送される。基準クロックは、コントローラ600に含まれるクロック(不図示)から供給される。従って、この基準クロックは4つのシリアルクロック生成ブロックに対して共通のクロックである。
図7は4つのノズル列に対してシリアルクロックの周波数を各々変えた場合の各ノズル列へ伝送されるシリアルクロックと転送データのタイムチャートである。
図7に示すように、基準クロックの基本パルス数をノズル列毎に、Kノズル列はn個、Cノズル列は(n+X)個、Mノズル列は(n+Y)個、Yノズル列は(n+Z)個と変更する。これにより、ノズル列毎にシリアルクロックと転送データの周波数を各々ずらすことができる。ここで、n、X、Y、Zは任意の整数である。なお、前述したように各シリアルクロックは2つのラッチ信号のパルス間で所望のビット数のデータを転送できうる範囲に設定する。
このように、この実施例では、記録ヘッドのノズル列毎にシリアルクロックと転送データの周波数を変更するので、放射ノイズのピークの重畳による特定周波数の放射ノイズレベルの増加を抑制することができる。
図8は実施例1に従うノイズレベル抑制の効果を示す図である。
図8における破線801は従来のように単一のシリアルクロック10MHzにて記録ヘッドの4つのノズル列に信号を送った場合のノイズピークレベルを示している。ピークレベルが10MHzのn次高調波の10nMHzであるとする。一方、実線802は、実施例1を適用し、各シリアルクロックの周波数が互いに無相関であるように設定した場合のノイズレベルを示している。両者を比較すると、実施例1ではピークの電圧レベルが1/4となるため、約12dBのノイズレベルの低減が期待できる。
以上説明したようにこの実施例に従えば、簡単な構成でノイズレベルを劇的に減少させることができる。これにより、ノイズ規制は年々厳しくなっているに対して、簡単な構成で、つまり、コストをかけずに効果的に対応できる。
近年更なる高画質の画像形成を行うために、より多くの色のインクを吐出可能な記録ヘッドを搭載した記録装置が用いられるようになってきている。
図9は複数のヘッドチップを実装した記録ヘッド3の概観斜視図である。この記録ヘッドは、インク吐出面701に、それぞれ異なった色のインクに対応した3つのノズル列を備えたヘッドチップを2つ備えている。即ち、ヘッドチップ(第1のヘッドチップ)702には、ブラック(K)、シアン(C)、マゼンタ(M)のインクを吐出する3つのノズル列が備えられている。一方、ヘッドチップ(第2のヘッドチップ)703には、イエロ(Y)、LC(淡色シアン)、LM(淡色マゼンタ)のインクを吐出する3つのノズル列が備えられている。
図9に示した構成の記録ヘッドの場合、シリアルクロックは1つの色に対応したノズル列毎に設けるのではなく記録ヘッド毎に設けられている。即ち、図9に示す構成の記録ヘッドでは、ヘッドチップ毎に1つのシリアルクロック、即ち、6つのインク色に対して2つのシリアルクロックが設けられている。
図10はヘッドチップを二つ搭載した図9に示した記録ヘッドを駆動するヘッドドライバの構成を示すブロック図である。
2つのクロック生成部901、902は基準クロックとラッチ信号(LT)とに基づいて、二つのヘッドチップへ伝送するシリアルクロックを各々生成する。また、転送データ生成部903、904は基準クロックに基づいて転送データを生成しすると共に、シリアルクロックとのタイミング調整を行う。生成されたシリアルクロックと転送データとは夫々、ヘッドチップ702、703へと転送される。
図11は、2つのヘッドチップに転送されるシリアルクロックを変化させた場合の信号タイムチャートである。
図11に示すように、この実施例では、ヘッドチップ702、703各々について基準クロックのパルス数をn個、n+X個(n、Xともに整数)と変えてシリアルクロックを生成する。これにより、ヘッドチップ毎に周波数を可変にしたシリアルクロック、転送データをヘッドチップに伝送することとなる。これにより、放射ノイズのピーク周波数帯をずらされ、ノズルピークの抑制を図ることができる。
従って以上説明した実施例に従えば、複数のヘッドチップを搭載し多くの色のインクを吐出する記録ヘッドに対しても、放射ノイズレベルが高い場合にはシリアルクロックの周波数を可変にし放射ノイズの低減を図ることができる。
また、実施例2では、2つのヘッドチップからなる記録ヘッドについてヘッドチップ毎にシリアルクロックを可変にする場合を示したが、本発明はこれにより限定されるものではない。例えば、実施例1で示した記録ヘッドにおいて、KとMのインクを吐出する2つのノズル列とCとYのインクを吐出する2つのノズル列を夫々、第1のグループ、第2のグループとし、各グループ毎に周波数可変機構を用いて放射ノイズの低減を図ることができる。
なお、以上の実施例において、記録ヘッドから吐出される液滴はインクであるとして説明し、さらにインクタンクに収容される液体はインクであるとして説明したが、その収容物はインクに限定されるものではない。例えば、記録画像の定着性や耐水性を高めたり、その画像品質を高めたりするために記録媒体に対して吐出される処理液のようなものがインクタンクに収容されていても良い。
以上の実施例は、特にインクジェット記録方式の中でも、インク吐出のために熱エネルギーを発生する手段(例えば電気熱変換体等)を備え、その熱エネルギーによりインクの状態変化を生起させる方式を用いて記録の高密度化、高精細化が達成できる。
さらに加えて、本発明のインクジェット記録装置の形態としては、コンピュータ等の情報処理機器の画像出力装置として用いられるものの他、リーダ等と組合せた複写装置、さらには送受信機能を有するファクシミリ装置の形態を採るもの等であってもよい。
1 インクジェット記録装置
2 キャリッジ
3 記録ヘッド
3M Mノズル列
3C Cノズル列
3Y Yノズル列
3K Kノズル列
200 6ビットシフトレジスタ
201 6ビットラッチ
202 デコーダ
203 18ビットシフトレジスタ
204 18ビットラッチ
205 ドライバ
401〜404、901〜902 クロック生成部
409〜412、903〜904 転送データ生成部
600 コントローラ
601 MPU
602 ROM
603 ASIC
604 RAM
605 システムバス
606 A/D変換器
610 ホスト装置
611 インタフェース
644 ヘッドドライバ
650 電源ユニット
702、703 ヘッドチップ
2 キャリッジ
3 記録ヘッド
3M Mノズル列
3C Cノズル列
3Y Yノズル列
3K Kノズル列
200 6ビットシフトレジスタ
201 6ビットラッチ
202 デコーダ
203 18ビットシフトレジスタ
204 18ビットラッチ
205 ドライバ
401〜404、901〜902 クロック生成部
409〜412、903〜904 転送データ生成部
600 コントローラ
601 MPU
602 ROM
603 ASIC
604 RAM
605 システムバス
606 A/D変換器
610 ホスト装置
611 インタフェース
644 ヘッドドライバ
650 電源ユニット
702、703 ヘッドチップ
Claims (8)
- 複数のノズル列を備えた記録ヘッドを往復走査して記録媒体に記録を行う記録装置であって、
基準クロックに基づいて、前記複数のノズル列を複数のグループに分割し、前記複数のグループ毎に周波数の異なるクロックを生成する生成手段と、
前記複数のノズル列に対応した記録データを、前記生成手段により生成された複数のクロックの内、前記複数のノズル列のそれぞれが属するグループに対応したクロックを用い、前記記録ヘッドに転送する転送手段とを有することを特徴とする記録装置。 - 前記生成手段は、共通の基準クロックに基づいて、前記複数のグループ毎に異なる周波数のクロックを生成する複数のクロック生成部を有することを特徴とする請求項1に記載の記録装置。
- 前記複数のノズル列のそれぞれが前記複数のグループのそれぞれに対応していることを特徴とする請求項1又は2に記載の記録装置。
- 前記複数のノズル列の複数のノズルが前記複数のグループのそれぞれに対応していることを特徴とする請求項1又は2に記載の記録装置。
- 前記記録ヘッドはインクを吐出して記録を行うインクジェット記録ヘッドであって、
前記インクジェット記録ヘッドは、マゼンタ(M)、シアン(C)、イエロ(Y)、ブラック(K)のインクをそれぞれ、吐出する4つのノズル列を備えており、
前記複数のクロック生成部は、前記4つのノズル列にそれぞれに対応した4つのクロック生成部を備えることを特徴とする請求項3に記載の記録装置。 - 前記記録ヘッドはインクを吐出して記録を行うインクジェット記録ヘッドであって、
前記インクジェット記録ヘッドは、ブラック(K)、マゼンタ(M)、シアン(C)、イエロ(Y)、淡色シアン(LC)、淡色マゼンタ(LM)のインクをそれぞれ、吐出するする6つのノズル列を備えており、
前記ブラック(K)、マゼンタ(M)、シアン(C)のインクをそれぞれ、吐出する3つのノズル列は第1のヘッドチップに実装され、前記イエロ(Y)、淡色シアン(LC)、淡色マゼンタ(LM)のインクをそれぞれ、吐出する3つのノズル列は第2のヘッドチップに実装され、
前記複数のクロック生成部は、前記第1及び第2のヘッドチップにそれぞれに対応した2つのクロック生成部を備えることを特徴とする請求項4に記載の記録装置。 - 前記記録ヘッドはインクを吐出して記録を行うインクジェット記録ヘッドであって、
前記インクジェット記録ヘッドは、マゼンタ(M)、シアン(C)、イエロ(Y)、ブラック(K)のインクをそれぞれ、吐出する4つのノズル列を備えており、
前記複数のクロック生成部は、前記ブラック(K)とマゼンタ(M)のインクをそれぞれ吐出する2つのノズル列からなる第1のグループと、前記シアン(C)とイエロ(Y)のインクをそれぞれ吐出する2つのノズル列からなる第2のグループの、それぞれに対応した2つのクロック生成部を備えることを特徴とする請求項4に記載の記録装置。 - 複数のノズル列を備えた記録ヘッドを往復走査して記録媒体に記録を行う記録装置のクロック生成方法であって、
基準クロックに基づいて、前記複数のノズル列を複数のグループに分割し、前記複数のグループ毎に周波数の異なるクロックを生成する生成工程と、
前記複数のノズル列に対応した記録データを、前記生成工程において生成された複数のクロックの内、前記複数のノズル列のそれぞれが属するグループに対応したクロックを用い、前記記録ヘッドに転送する転送工程とを有することを特徴とするクロック生成方法。
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