JP2006289859A - 記録装置、及び記録制御方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 より高精度に局所的な負荷が発生する箇所を検出し、その検出結果に従って電源容量を超えないように記録制限を行う記録装置及び記録制御方法を提供する。
【解決手段】 m×nピクセル単位で画像データのラスタカラム変換実行時、各色成分画像データを記録ヘッドのノズル列間のピッチ間隔を考慮してノズルから同時にインク吐出を生じさせる全ての色成分の画像データを加算し、その加算された画像データに関し、記録ヘッドのノズル配列方向に関して同時駆動されてインクを吐出するノズルの数が閾値を越えているかどうかを記録ヘッドの走査方向にピクセル毎に判別し、そのような判別を記録ヘッドによる1走査の記録に用いられる画像データ全体に対して行い、その結果得られた、記録ヘッドの1走査記録領域全体にわたる同時駆動されてインクを吐出するノズルの数の分布状況に基づいて、記録ヘッドによる1走査記録動作を制限するよう制御する。
【選択図】 図8

Description

本発明は記録装置、及び記録制御方法に関し、特に、例えば、インクジェット方式に従って記録を行う記録ヘッドを用いた記録装置、及び記録制御方法に関する。
従来より知られているシリアル型のインクジェット記録装置(以下、記録装置)は記録ヘッドを移動させながらその記録ヘッドからインク液滴を吐出して記録媒体上に画像を出力する。
このような記録装置では、その記録速度を上げるために、複数ラスタに対応する画像データを記録ヘッドに供給し、複数のノズルからインクを同時に吐出することで、記録完了までに記録媒体上を記録ヘッドが走査する回数を少なくしている。例えば、0.5インチの記録幅をもつ記録ヘッドは、1インチの記録幅をもつ記録ヘッドと比べて、2倍の回数を走査しないと同じ面積の領域の記録が行えない。
さて、記録幅が0.5インチであり記録解像度が600dpiの記録ヘッドは300個のノズルを持ち、同じ記録解像度で記録幅が1インチの記録ヘッドの場合は600個のノズルを持つ。このノズルを全て使用して記録を行う場合、1ノズル当たり記録動作のために供給される電流値を同じとすると、後者の記録ヘッドは前者の記録ヘッドに比べて2倍の電力を消費する。
記録装置に全てのノズルを使用したときにも十分に電力を供給できる電源を搭載していても、実際の画像記録では、一回の走査で使われるノズルの数は一部分に限られる。従って、記録ヘッドのノズルが増えていくと、全てのノズルを使用した場合の最大電力と、実際に使用するノズルからのインク吐出に必要な平均電力の差が開いていくことになる。実際に画像の平均濃度が20%程度の場合、電源の出力容量は全てのノズルを使用した場合の20%で必要十分となる。
しかしながら、記録装置に低容量の電源を使用すると、大きな電力を必要とする突発的に発生する高濃度の記録に対して、何かしらの記録制限を行わないと、その部分で記録不良が発生してしまう。
このような事態に対処するため、従来から、記録ヘッドの1走査によって記録される領域の単位面積あたりの画像データ量を調べ、所定量以上の画像データが存在するときはその部分を高濃度と判定して、記録制限を行う制御がなされている。
従来の画像データ量をカウントする機能には、電源から供給する電力の特性に応じて、画像データをカウントする領域を可変設定する機能を備えたものがある(例えば、特許文献1参照)。また、記録ヘッドの駆動負荷を判別して記録モードを切り替える機能を備えたものもある(例えば、特許文献2参照)。
特開平11−10854号公報(第12頁、図8) 特開平7−96615号公報(第14頁、図2)
上述した画像データ量のカウントは画像データの縦横変換(ラスタカラム変換)を行うときに同時に行うと最も効率が良いとされており、そのカウント対象となる単位面積が小さいほど局所的な高濃度の部分を発見しやすい利点がある。これに対して、記録装置の構成によりラスタカラム変換の面積が大きい方が処理速度の向上につながる。しかしながら、ラスタカラム変換の面積を大きくすると、ラスタカラム変換に必要なバッファメモリの容量増大につながるため、トータルとして装置コストが増大するという問題がある。
これに加えて、カウント対象となる単位面積を大きくすると、局所的な画像データの塊も平均化されてしまうために、局所的に大容量の電流が必要となる部分を検出するのが困難になるという問題がある。従って、そのような部分を検出できず、瞬間的にインク吐出駆動動作が集中し、記録ヘッドに使用する電流が増加する場合が発生し、供給可能な電力を越えてしまう場合もあり得る。
さらに加えて、記録ヘッドがカラー記録に対応するために、複数色のインクを吐出できるように複数のノズル列を記録ヘッド移動方向に並べて配置する構成である場合には、インク吐出動作は画像データの各色成分に依存するため、そのインク吐出は記録媒体上の異なる位置で同時的に発生することがある。このため、従来のように縦横変換に対応した単位面積当たりの画像データ量をカウントするだけでは不十分であり、複数インクの同時吐出を正確に予測するためには、画像データ量のカウント対象領域を各インク色毎に異ならせ、これらの領域から得られるカウント結果を同時に参照しなければならない。
本発明は上記問題点に鑑みてなされたもので、カラー記録を行う際にも正確に記録動作に必要な電力を予測し、より精度が高く局所的な負荷が発生する箇所を検出し、その検出結果に従って電源容量を超えないように記録制限を行うことで電源容量の小型化を実現する記録装置及び記録制御方法を提供することを目的としている。
上記目的を達成するために本発明の記録装置は、以下のような構成からなる。
即ち、第1の方向に配列した複数のノズルからなるノズル列を所定のピッチ間隔で前記第1の方向とは異なる第2の方向に複数個配置し、該複数のノズル列各々から異なる色のインクを吐出する記録ヘッドを前記第1の方向に走査しながら記録媒体に記録を行う記録装置であって、複数の色成分の画像データを外部から受信する受信手段と、前記受信手段によって受信された前記複数の色成分の画像データを一時的に格納するバッファメモリと、前記バッファメモリに格納された前記複数の色成分の画像データを前記第1の方向にmピクセル、前記第2の方向にnピクセルを単位として、m×nピクセル毎にラスタカラム変換を行うラスタカラム変換手段と、前記ラスタカラム変換手段によるラスタカラム変換単位毎に用いる画像データに関し、前記複数のノズル列の間のピッチ間隔を考慮したとき、前記記録ヘッドのノズルから同時にインク吐出を生じさせる全ての色成分の画像データを加算する第1の加算手段と、前記第1の加算手段によって加算された画像データに関し、前記第1の方向に関して同時駆動されてインクを吐出するノズルの数が第1の閾値を越えているかどうかを前記第2の方向にピクセル毎に判別する判別手段と、前記判別手段による判別を前記記録ヘッドによる1走査の記録に用いられる画像データ全体に対して行うよう制御する判別制御手段と、前記判別制御手段による制御の結果得られた、前記記録ヘッドの1走査記録領域全体にわたる同時駆動されてインクを吐出するノズルの数の分布状況に基づいて、前記記録ヘッドによる1走査記録動作を制限するよう制御する記録制御手段とを有することを特徴とする。
ここで、前記判別手段では、さらに、その加算された画像データに関し、第1の方向に同時に記録動作を生じさせることになる画像データを加算し、その加算結果を第1の閾値と比較すると良い。
また、前記記録制御手段では、記録ヘッドの1走査記録領域全体にわたる同時駆動されてインクを吐出するノズルの数の分布状況を示すデータに関し、第1の方向に関して記録ヘッドのノズル列の幅にわたるその論理積を第2の方向にピクセル毎に演算し、その演算結果をさらに記録ヘッドの走査方向にわたってその論理和を演算すると良い。
さらに、記録ヘッドを搭載して往復走査するキャリッジを備える構成とし、前記記録制御手段では、そのキャリッジの移動速度を変化させたり、同時にインクを吐出するノズル数を変化させることで1走査記録動作を制限すると良い。
またさらに、装置に電力を供給する電源ユニットを備え、その電源ユニットと記録ヘッドには夫々、電解コンデンサを備えるようにすることが好ましい。
このような構成で、前記判別手段ではさらに、ラスタカラム変換単位毎に用いる画像データに基づいて、同時駆動されてインクを吐出するノズルの数が第2の閾値を越えているかどうかを判別し、前記記録制御手段において、前記論理和を演算する演算結果と、ラスタカラム変換単位毎の同時駆動されてインクを吐出するノズルの数が前記第2の閾値を越えているかどうかの判別結果とに基づいて、前記記録ヘッドによる1走査記録動作を制限するよう制御すると良い。この場合、前記電解コンデンサに蓄電された電力を補足的に記録動作に用いることができる。
なお、前記記録ヘッドは、熱エネルギーを利用してインクを吐出するために、前記インクに与える熱エネルギーを発生するための電気熱変換体を備えていることが望ましい。
また他の発明によれば、第1の方向に配列した複数のノズルからなるノズル列を所定のピッチ間隔で前記第1の方向とは異なる第2の方向に複数個配置し、該複数のノズル列各々から異なる色のインクを吐出する記録ヘッドを前記第1の方向に走査しながら記録媒体に記録を行う記録制御方法であって、複数の色成分の画像データを外部から受信する受信工程と、前記受信工程において受信されバッファメモリに一時的に格納された前記複数の色成分の画像データを前記第1の方向にmピクセル、前記第2の方向にnピクセルを単位として、m×nピクセル毎にラスタカラム変換を行うラスタカラム変換工程と、前記ラスタカラム変換工程におけるラスタカラム変換単位毎に用いる画像データに関し、前記複数のノズル列の間のピッチ間隔を考慮したとき、前記記録ヘッドのノズルから同時にインク吐出を生じさせる全ての色成分の画像データを加算する加算工程と、前記加算工程において加算された画像データに関し、前記第1の方向に関して同時駆動されてインクを吐出するノズルの数が第1の閾値を越えているかどうかを前記第2の方向にピクセル毎に判別する判別工程と、前記判別工程における判別を前記記録ヘッドによる1走査の記録に用いられる画像データ全体に対して行うよう制御する判別制御工程と、前記判別制御工程における制御の結果得られた、前記記録ヘッドの1走査記録領域全体にわたる同時駆動されてインクを吐出するノズルの数の分布状況に基づいて、前記記録ヘッドによる1走査記録動作を制限するよう制御する記録制御工程とを有することを特徴とする記録制御方法を備える。
以上のような構成により本発明によれば、m×nピクセル単位で画像データのラスタカラム変換を行うときに、各色成分の画像データを、記録ヘッドのノズル列間のピッチ間隔を考慮して記録ヘッドのノズルから同時にインク吐出を生じさせる全ての色成分の画像データを加算し、その加算された画像データに関し、記録ヘッドのノズル配列方向に関して同時駆動されてインクを吐出するノズルの数が閾値を越えているかどうかを記録ヘッドの走査方向にピクセル毎に判別し、そのような判別を記録ヘッドによる1走査の記録に用いられる画像データ全体に対して行い、その結果得られた、記録ヘッドの1走査記録領域全体にわたる同時駆動されてインクを吐出するノズルの数の分布状況に基づいて、記録ヘッドによる1走査記録動作を制限するよう制御する。
従って本発明によれば、より高精度に局所的に記録のための負荷が発生する箇所を検出し、その検出結果に基づいて記録ヘッドによる1走査記録動作を制限することができるという効果がある。
これにより、記録装置の電源容量を超えないように記録制限を行うことが可能になり、その結果、記録装置の電源ユニットの低容量化が可能になる。また、これは電源ユニットの小型化に貢献することになり、結果として、装置のコスト削減にも資する。
以下添付図面を参照して本発明の好適な実施例について、さらに具体的かつ詳細に説明する。
なお、この明細書において、「記録」(「プリント」という場合もある)とは、文字、図形等有意の情報を形成する場合のみならず、有意無意を問わず、また人間が視覚で知覚し得るように顕在化したものであるか否かを問わず、広く記録媒体上に画像、模様、パターン等を形成する、または媒体の加工を行う場合も表すものとする。
また、「記録媒体」とは、一般的な記録装置で用いられる紙のみならず、広く、布、プラスチック・フィルム、金属板、ガラス、セラミックス、木材、皮革等、インクを受容可能なものも表すものとする。
さらに、「インク」(「液体」と言う場合もある)とは、上記「記録(プリント)」の定義と同様広く解釈されるべきもので、記録媒体上に付与されることによって、画像、模様、パターン等の形成または記録媒体の加工、或いはインクの処理(例えば記録媒体に付与されるインク中の色剤の凝固または不溶化)に供され得る液体を表すものとする。
またさらに、「ノズル」とは、特にことわらない限り吐出口ないしこれに連通する液路およびインク吐出に利用されるエネルギーを発生する素子を総括して言うものとする。
<インクジェット記録装置の説明(図1)>
図1は本発明の代表的な実施形態であるインクジェット記録装置1の構成の概要を示す外観斜視図である。
図1に示すように、インクジェット記録装置(以下、記録装置という)は、インクジェット方式に従ってインクを吐出して記録を行なう記録ヘッド3を搭載したキャリッジ2にキャリッジモータM1によって発生する駆動力を伝達機構4より伝え、キャリッジ2を矢印A方向に往復移動させるとともに、例えば、記録紙などの記録媒体Pを給紙機構5を介して給紙し、記録位置まで搬送し、その記録位置において記録ヘッド3から記録媒体Pにインクを吐出することで記録を行なう。
また、記録ヘッド3の状態を良好に維持するためにキャリッジ2を回復装置10の位置まで移動させ、間欠的に記録ヘッド3の吐出回復処理を行う。
記録装置1のキャリッジ2には記録ヘッド3を搭載するのみならず、記録ヘッド3に供給するインクを貯留するインクカートリッジ6を装着する。インクカートリッジ6はキャリッジ2に対して着脱自在になっている。
図1に示した記録装置はカラー記録が可能であり、そのためにキャリッジ2にはマゼンタ(M)、シアン(C)、イエロ(Y)、ブラック(K)のインクを夫々、収容した4つのインクカートリッジを搭載している。これら4つのインクカートリッジは夫々独立に着脱可能である。
さて、キャリッジ2と記録ヘッド3とは、両部材の接合面が適正に接触されて所要の電気的接続を達成維持できるようになっている。記録ヘッド3は、記録信号に応じてエネルギーを印加することにより、複数の吐出口からインクを選択的に吐出して記録する。特に、この実施形態の記録ヘッド3は、熱エネルギーを利用してインクを吐出するインクジェット方式を採用し、熱エネルギーを発生するために電気熱変換体を備え、その電気熱変換体に印加される電気エネルギーが熱エネルギーへと変換され、その熱エネルギーをインクに与えることにより生じる膜沸騰による気泡の成長、収縮によって生じる圧力変化を利用して、吐出口よりインクを吐出させる。この電気熱変換体は各吐出口のそれぞれに対応して設けられ、記録信号に応じて対応する電気熱変換体にパルス電圧を印加することによって対応する吐出口からインクを吐出する。
図1に示されているように、キャリッジ2はキャリッジモータM1の駆動力を伝達する伝達機構4の駆動ベルト7の一部に連結されており、ガイドシャフト13に沿って矢印A方向に摺動自在に案内支持されるようになっている。従って、キャリッジ2は、キャリッジモータM1の正転及び逆転によってガイドシャフト13に沿って往復移動する。また、キャリッジ2の移動方向(矢印A方向)に沿ってキャリッジ2の絶対位置を示すためのスケール8が備えられている。この実施例では、スケール8は透明なPETフィルムに必要なピッチ(所定の等間隔)で黒色のバー(スリット)を印刷したものを用いており、その一方はシャーシ9に固着され、他方は板バネ(不図示)で支持されている。そして、キャリッジ2にはスケール8のスリットを読み取るためのエンコーダが設けられている。
また、記録装置には、記録ヘッド3の吐出口(不図示)が形成された吐出口面に対向してプラテン(不図示)が設けられており、キャリッジモータM1の駆動力によって記録ヘッド3を搭載したキャリッジ2が往復移動されると同時に、記録ヘッド3に記録信号を与えてインクを吐出することによって、プラテン上に搬送された記録媒体Pの全幅にわたって記録が行われる。
さらに、図1において、14は記録媒体Pを搬送するために搬送モータM2によって駆動される搬送ローラ、15はバネ(不図示)により記録媒体Pを搬送ローラ14に当接するピンチローラ、16はピンチローラ15を回転自在に支持するピンチローラホルダ、17は搬送ローラ14の一端に固着された搬送ローラギアである。そして、搬送ローラギア17に中間ギア(不図示)を介して伝達された搬送モータM2の回転により、搬送ローラ14が駆動される。
またさらに、20は記録ヘッド3によって画像が形成された記録媒体Pを記録装置外ヘ排出するための排出ローラであり、搬送モータM2の回転が伝達されることで駆動されるようになっている。なお、排出ローラ20は記録媒体Pをバネ(不図示)により圧接する拍車ローラ(不図示)により当接する。22は拍車ローラを回転自在に支持する拍車ホルダである。
またさらに、記録装置には、図1に示されているように、記録ヘッド3を搭載するキャリッジ2の記録動作のための往復運動の範囲外(記録領域外)の所望位置(例えば、ホームポジションに対応する位置)に、記録ヘッド3の吐出不良を回復するための回復装置10が配設されている。
回復装置10は、記録ヘッド3の吐出口面をキャッピングするキャッピング機構11と記録ヘッド3の吐出口面をクリーニングするワイピング機構12を備えており、キャッピング機構11による吐出口面のキャッピングに連動して回復装置内の吸引手段(吸引ポンプ等)により吐出口からインクを強制的に排出させ、それによって、記録ヘッド3のインク流路内の粘度の増したインクや気泡等を除去するなどの吐出回復処理を行う。
また、非記録動作時等には、記録ヘッド3の吐出口面をキャッピング機構11によるキャッピングすることによって、記録ヘッド3を保護するとともにインクの蒸発や乾燥を防止することができる。一方、ワイピング機構12はキャッピング機構11の近傍に配され、記録ヘッド3の吐出口面に付着したインク液滴を拭き取るようになっている。
これらキャッピング機構11及びワイピング機構12により、記録ヘッド3のインク吐出状態を正常に保つことが可能となっている。
<インクジェット記録装置の制御構成(図2)>
図2は図1に示した記録装置の制御構成を示すブロック図である。
図2に示すように、コントローラ600は、MPU601、後述する制御シーケンスに対応したプログラム、所要のテーブル、その他の固定データを格納したROM602、キャリッジモータM1の制御、搬送モータM2の制御、及び、以下に詳述する記録ヘッド3の記録制御のための画像データ処理や制御信号を生成する特殊用途集積回路(ASIC)603、画像データの展開領域やプログラム実行のための作業用領域等を設けたRAM604、MPU601、ASIC603、RAM604を相互に接続してデータの授受を行うシステムバス605、以下に説明するセンサ群からのアナログ信号を入力してA/D変換し、デジタル信号をMPU601に供給するA/D変換器606などで構成される。
また、図2において、610は画像データの供給源となるコンピュータ(或いは、画像読取り用のリーダやデジタルカメラなど)でありホスト装置と総称される。ホスト装置610と記録装置1との間ではインタフェース(I/F)611を介して画像データ、コマンド、ステータス信号等を送受信する。
さらに、620はスイッチ群であり、電源スイッチ621、プリント開始を指令するためのプリントスイッチ622、及び記録ヘッド3のインク吐出性能を良好な状態に維持するための処理(回復処理)の起動を指示するための回復スイッチ623など、操作者による指令入力を受けるためのスイッチから構成される。630はホームポジションhを検出するためのフォトインタラプタなどの位置センサ631、環境温度を検出するために記録装置の適宜の箇所に設けられた温度センサ632等から構成される装置状態を検出するためのセンサ群である。
さらに、640はキャリッジ2を矢印A方向に往復走査させるためのキャリッジモータM1を駆動させるキャリッジモータドライバ、642は記録媒体Pを搬送するための搬送モータM2を駆動させる搬送モータドライバである。
ASIC603は、記録ヘッド3による記録走査の際に、RAM602の記憶領域に直接アクセスしながら記録ヘッドに対して記録素子(吐出ヒータ)の駆動データ(DATA)を転送する。
なお、上述のように、インクカートリッジ6と記録ヘッド3と分離可能に構成しても良いが、これらが一体的に形成されて交換可能なヘッドカートリッジIJCを構成しても良い。
図3は、インクタンクと記録ヘッドとが一体的に形成されたヘッドカートリッジIJCの構成を示す外観斜視図である。図3において、点線KはインクタンクITと記録ヘッドIJHの境界線である。ヘッドカートリッジIJCにはこれがキャリッジ2に搭載されたときには、キャリッジ2側から供給される電気信号を受け取るための電極(不図示)が設けられており、この電気信号によって、前述のように記録ヘッドIJHが駆動されてインクが吐出される。
なお、図3において、500はインク吐出口列である。また、インクタンクITにはインクを保持するために繊維質状もしくは多孔質状のインク吸収体が設けられている。
次に、ASIC603の内部構成と動作について説明する。
図4はASIC603の内部構成を示すブロック図である。
この実施例のASIC603は、インタフェース611を介してホスト装置610から受信したラスタ画像データを転送する画像データ転送回路101と、ラスタ画像データを一時的に格納するラスタ画像バッファ102と、ラスタ画像データを読み出して、カラムデータに変換するラスタカラム変換回路103と、変換したカラムデータを一時的に格納するカラムデータ画像バッファ104と、変換したカラムデータを格納し、そのカラムデータを複数のインク各々を吐出する複数のノズル列のピッチ分をずらした位置で合成を行うための作業領域として使用する多値データ中間バッファ105と、ラスタカラム変換データの単位面積当たりのドット数をカウントした結果を格納するドットカウントバッファ106と、カラムデータを読み出して記録ヘッドからインク吐出を行わせる記録信号に変換するヘッド吐出データ変換回路107と、ラスタカラム変換回路103から出力されるドットカウント値から局所的な記録ヘッドの同時駆動領域を判定し、通常の記録動作に対して何かしらの記録制限を行うかどうかを判定して指示を与える記録制限判定部109から構成されている。
なお、ヘッド吐出データ変換回路107は記録信号を記録ヘッド3に供給する。
また、この実施例では、複数のインク液滴各々の吐出に必要な画像データを1ビット、記録ヘッドの複数のインク各々を吐出するノズル列を構成するノズルの数が1280個とする。
図5はラスタカラム変換回路103の内部構成と動作を説明する図である。
ラスタカラム変換回路103はラスタ画像バッファ102に複数ラスタ分の画像データが格納された後に、そのバッファからの読み出しを開始する。ラスタカラム変換回路103は一回の処理において、図5に示すように、ラスタ画像バッファ102から、ラスタ方向(キャリッジ走査方向)に対してmピクセル、カラム方向(記録媒体搬送方向)に対してnピクセルの領域201に相当するラスタ画像データを読出して、これをラスタカラム変換回路103内のバッファ202に格納する。
この実施例では、n=64、即ち、64ラスタ分の画像データが格納された時点で、64×64ピクセル分の画像データをバッファ202に格納する。従って、この実施例では記録ヘッドのノズル列方向のノズル数との関係から、ノズル列方向に1列分の画像データについては各色成分当たり、20回のラスタカラム変換を行う。このようにバッファ202の容量を比較的小さなものとすることで、そのバッファメモリに要するコストを小さくしつつ、局所的に高濃度の領域(即ち、大容量の電力が必要な領域)を高精度に検出できるようにしている。
もちろん、コストや局所的に高濃度領域の高精度に検出することが重要視されない場合には、ラスタ画像バッファの容量を大きくし、ラスタカラム変換に必要なバッファ202の容量を大きくし、ラスタカラム変換の処理単位を大きくしても良い。
バッファ202に取り込まれたラスタ画像データは、各ラスタ画像データの最上位ビットをnビットのカラムデータ203として抽出して、カラムデータ画像バッファ104に格納する。また、nビットのカラムデータの各ビットの和をドットカウント値204として、バッファに格納する。この例では、カラム画像データバッファ104と同じバッファにドットカウント値も格納しているが、図4に示すように別のバッファ、ドットカウントバッファ106にそのカウント値を格納する構成でも構わない。
さて、処理はカラムデータ抽出後に、バッファ202に格納されたラスタ画像データを最上位方向にビットシフトすることにより、次のビットのカラムデータを抽出する。このようなビットシフト動作をラスタ画像データに関し、mビット分繰り返し、全てのビットがラスタカラム変換されて、カラムデータ画像バッファ104に格納される。
その後、次のm×nピクセル分のラスタ画像データをラスタ画像バッファ102から取り込む。
図6は記録ヘッド3によるカラー記録の様子を示す図である。
図6に示されるように、記録ヘッド3はブラック(K)、マゼンタ(M)、シアン(C)、イエロ(Y)のインクを夫々吐出するためのノズルを備えた半導体チップ(以下、チップという)303〜306を搭載しており、チップ303と304は距離L1、チップ304と305は距離L2、チップ305と306は距離L3をおいて設けられている。
なお、図6において、矢印302は記録ヘッドの移動方向(キャリッジ移動方向)である。また、307〜310は各色成分のカラムデータを表しており、これらはカラムデータ画像バッファ104に格納されているが、ここでは記録媒体上にこれらのカラムデータが記録され夫々の色成分データの位置関係が分かるように図示されている。
図7はこの実施例に従うドットカウント方法と従来のドットカウント方法との比較を示す図である。図7において、(a)が従来の方法であり、(b)がこの実施例に従う方法である。
従来の方法によれば、図7(a)に示すように、記録ヘッド3はチップ間距離L1、L2、L3が、ラスタカラム変換の処理単位であるm×nピクセルのドットカウント領域のカラム方向の長さL4の整数倍になっていないが、この実施例によれば、図7(b)に示すように、チップ間距離L1、L2、L3が、ラスタカラム変換の処理単位であるm×nピクセルのドットカウント領域のカラム方向の長さL5の整数倍になっている。なお、図7に示す例では、L1=(m×3)ピクセル、L2=L3=mピクセルとしている。
さて、図6に示すように、記録ヘッド3が矢印302の方向に移動しながら記録を行うとき、チップ303は時間t1〜t2で領域1−1の画像データの記録を行い、時間t2〜t3で領域1−2の画像データの記録を行う。また、チップ304が記録を行う領域2−1が、チップ303が記録を行う領域1−4と記録媒体上で重なり、領域1−1〜3の合わせた幅がL1とすると、時間t4〜t5で、チップ303は領域1−4の記録を行い、チップ304は領域2−1の記録を行う。このように、チップ303と304の距離がL1離れているので、ある時間においては、カラム画像データに関し、記録上、L1離れている位置の領域が同時に記録を行う位置となる。
同様に、チップ304と305はL2の距離が離れているため、時間t5〜t6でチップ304は領域2−2の記録を行い、チップ305は領域3−1の記録を行う。チップ305と306も同様の関係である。記録開始後、時間t6〜t7で、チップ303は領域1−6、チップ304は領域2−3、チップ305は領域3−2、チップ306は領域4−1の記録を同時に行う。このとき、記録媒体上で領域1−1、2−1、3−1、4−1が重なることになる。
この実施例では、例えば、時間t6〜t7で記録される領域のように、全てのチップで記録される領域に対応する各色成分の画像データ311の和を取り、これを多値画像データ312とする。このようにして生成された多値カラム画像データの最も濃度が高い部分が電源の消費電力として最も高い部分となる。
なお、図7に示されている領域1−6、2−3、3−2、4−1も図6で説明したのと同じ領域を意味するものである。
図8は記録制限判別部109の詳細な構成を示すブロック図である。
図8に示すように、ラスタ画像バッファ102からラスタカラム変換回路103のバッファ202に64×64ピクセル分のラスタ画像データを格納すると同時に、そのデータを記録制限判別部109のカラムデータ演算用バッファ501にも格納する。このとき、記録制限判別部109は、記録ヘッドの複数のノズル列のピッチ分をずらした位置で合成を行うための作業領域として使用する多値データ中間バッファ105から他の色成分のラスタ画像データを64×64ピクセル分読み出し、同時記録領域に対応する他の色成分の画像データとの和を取りながらカラムデータ演算用バッファ501に格納する。
従って、図6と対応させて考えると、カラムデータ演算用バッファ501は1回のラスタカラム変換で得られる多値画像データ312を格納すると言える。
さらに、記録制限判別部109は、図8に示すように、カラムデータ演算用バッファ501に格納された画像データの最上位ビットを取り出して、その値をカラム方向に加算してゆき、その和(SUM)をレジスタ502に格納する。和(SUM)はレジスタ503に設定した閾値(TH)と比較され、SUM>THであるときには、判定フラグ(DFLG)を“1”にする。SUM≦THの場合には、DFLGの値は“0”とする。そして、そのフラグの値をキャリッジ1走査分の記録領域に対してm×nのラスタカラム変換領域内の1カラム×nラスタのビット数の合計値と閾値とを比較した結果を1ビットで表した同時吐出判定結果ビットマップ(以下、判定結果)504にセットする。
このような操作を1回のラスタカラム変換から得られる結果に対して行うと、判定結果504の全てのビットがセットされる。そして、1回の走査記録に必要な画像データ全てに対して行うと、図8に示すような判定結果のビットマップが得られる。
この実施例では、記録ヘッドの各ノズル列のノズル数は1280個、ラスタカラム変換の単位は64×64ピクセルとしているので、ノズル列方向に20個の判定結果ビットが得られる。
次に、その判定結果ビットはカラム方向(ノズル列方向)に記録ヘッドの記録幅505にわたって論理積(AND)がとられ、その演算結果をビットテーブル507にセットする。図8では点線で囲まれたビット部分506の論理積が“1”となり、この値がビットテーブル507にセットされている様子が示されている。
この実施例では、この値が“1”である場合には、そのカラムに関しては記録装置が備える電源が供給できる電力値を越えていると判定する。
このような判定を記録ヘッド3の走査幅508に対して行い、最終的にビットテーブル507に全ての値がセットされる。
そして、ビットテーブル507のビットの一箇所でも“1”がセットされているなら、記録ヘッドを駆動するのに必要な最大電流値が電源の供給電力以上であると判定された場合には、その走査記録に対してはキャリッジ走査速度を低下して記録速度を低下させたり、或いはマスクパターンを適用して実際にインクを吐出するノズルの数を減らすなどの記録制限を行う。
図9は上述した記録制限実行の判定処理をフローチャートとして示した図である。
まず、ステップS10ではnラスタ分の各色成分の画像データをホスト装置より入力する。次に、ステップS20では1色成分のm×nピクセル分の画像データをバッファ501に入力し、さらに、ステップS30では他の色成分のm×nピクセル分の画像データを入力し、記録ヘッドの各ノズル列のピッチずれ分を調整して加算する。この実施例では、YMCK4つの色成分の画像データを扱う。その加算結果は多値データ中間バッファ105に出力され、次の色成分のm×nピクセル分の画像データを入力するときに多値データ中間バッファ105から読み出され加算される。このようにして、位置が調整された同時インク吐出を生じさせる画像データはバッファ501で同じアドレスで加算されることになる。
ステップS40ではこのような加算処理が終了したかどうかを調べ、処理終了と判断されれば、処理はステップS50に進み、未終了と判断されれば処理はステップS20に戻り、次の色成分のm×nピクセル分の画像データを入力する。
さて、ステップS50ではバッファ501の最上位ビットを読み出しこれらを加算し、その合計値(SUM)を得、ステップS60ではこれを所定の閾値(TH)と比較する。ここで、SUM>THであれば、処理はステップS70に進み、DFLG=1とし、SUM≦THであれば、処理はステップS80に進み、DFLG=0とする。そして、ステップS90では、得られたDFLGの値を判定結果ビットマップにセットする。さらに、ステップS100ではm×nピクセル分の画像データについての処理が終了したかどうかを調べる。
ここで、処理未終了と判断されれば、処理はステップS110に進み、バッファ501の値を1ビット上位側にビットシフトし、処理はステップS50に戻る。これに対して、処理終了と判断されれば、処理はステップS120に進み、さらに、nラスタ分の処理が終了したかどうかを調べる。ここで、nラスタ分の処理は未終了であると判断された場合には処理はステップS20に戻り、次のm×nピクセル分の画像データをラスタ画像バッファより読み込んで上述の処理を続行する。
これに対して、nラスタ分の画像データの処理が終了したと判断されれば、処理はステップS130に進み、記録ヘッド1走査分の処理が終了したかどうかを調べる。ここで、その処理が未終了であると判断されれば、処理はステップS10に戻り、次のnラスタ分の画像データをホスト装置より受信し、上述の処理を続行する。これに対して、記録ヘッド1走査分の処理が終了したと判断されれば、処理はステップS140に進む。
ステップS140ではその判定結果ビットをカラム方向(ノズル列方向)に記録ヘッドの記録幅505にわたって論理積(AND)をとり、その演算結果をビットテーブル507にセットする操作を記録ヘッド3の走査幅508に対して行い、さらに、ステップS150ではビットテーブル507にセットされた各ビットの論理和(OR)をとり、その演算結果(RST)を求める。
ステップS160ではRST=1であるかどうかを調べ、RST=1であるなら、処理はステップS170に進み、上述のような記録制限を行い、RST=0であるなら、処理はステップS180に進み、通常の記録動作を実行する。
従って以上説明した実施例に従えば、カラー記録を行う場合に、記録ヘッドの複数のノズル列間のピッチに対応した画像データをずれを考慮し、画像データの各色成分全てに関して各カラム毎に同時にインク吐出を生じさせる画像データ全てに基づいて、記録ヘッドを駆動するのに必要な電力が供給可能かどうかを判断し、その判断結果に基づいて、記録制限を行うよう制御するので、局所的に大電力を要する記録についても正確に検出され、記録装置の電源容量を越えないように記録を行うことができる。
このような正確な検出が可能となるので、結果として、記録装置の電源容量を小さくすることも可能になり、電源部の小型化や装置のコストダウンにも貢献する。
なお、以上説明した実施例では、ラスタカラム変換の処理単位を64×64ピクセルとしたがこれによって本発明は限定されるものではない。例えば、64×96ピクセル、32×32ピクセルなど他のサイズが処理単位となっても良いことは言うまでもない。
さらに加えて、以上説明した実施例では、画像データに関しカラム方向に同時記録を行うピクセルを調べたが、通常の記録装置では記録ヘッドの複数のノズルを複数のブロックに分割し時分割駆動するので、その時分割ブロック毎に同時記録を行うピクセルを調べるようにしても良いことは言うまでもない。
<他の実施例>
前述の実施例では、記録制限判定部109が記録ヘッドの1走査記録において、どこか1箇所でも許容値を越えていれば、記録制限を行うとしたが、このような制御では、頻繁に記録制限が適用され、結果として記録速度が大幅に低下する可能性が高い。
この実施例では、この問題を解決するために、複数の判定基準を基づいて記録制限を行う例について説明する。
図10はこの実施例に従う記録装置に搭載される複数の電解コンデンサの配置を示す図である。
図10に示すように、この実施例に従う記録装置では、電源ユニット651と、記録装置へ電力を供給するライン653と、コントローラ600を実装したメインボード654と、記録ヘッド3へ電力を供給するフレシキブルケーブル656と、電気熱変換体(ヒータ)659と論理回路を備えたヘッドユニット657を備えた記録ヘッド3との他に、ヘッド電流を供給するラインに挿入されている電解コンデンサ652と、メインボード654上の電解コンデンサ655と、ヘッドユニット657上の電解コンデンサ658とを備えている。
図11は電解コンデンサの容量と画像データの集中度に応じた電流値の変化を示す図である。
ラスタカラム変換の処理単位面積に相当する画像を記録する時、図11に示すように、記録ドットが記録領域全体にわたって比較的均一に分散した画像703を記録する場合と記録ドッドが局部的に集中した画像708を記録する場合とでは記録ヘッドのチップ上に流れる電流波形は夫々、701、706のようになる。しかしながら、このとき、時間tにわたる電流平均値(Iave)は夫々、702、707のように等しくなる。
このような場合にヘッドユニット657に備えられた電解コンデンサ658の容量を変化させると、一時的な電力は電解コンデンサが補うために、電源ユニット651から電解コンデンサ658までに供給される電流波形は、704、709のような波形になる。さらに電解コンデンサの容量を増やすと、705、710のような波形になり、電源ユニット651から供給される電流の平均値(Iave)は低下する。
このような検討から分かるように、電源の供給電力を越える最大電流値が発生する時間が比較的短い場合に、電源ユニットもしくは記録ヘッド付近に設置される電解コンデンサに蓄えられる電荷で補える場合がある。
従って、この実施例では、記録制限の判定となる基準として、カラム毎の限界値のみではなく、ラスタカラム変換を行う領域の単位面積当たりのドットカウント値を用いる。即ち、この実施例では、カラム毎の最大値とラスタカラム変換の行う領域の単位面積当たりのドットカウント値を夫々、所定の閾値と比較し、両者が規定の閾値を越えている場合に記録制限を行うよう制御する。
従って、この実施例では前述の実施例と比較して、ラスタカラム変換を行う領域の平均的な記録デューティが低いなら、たとえ瞬間的に高い記録負荷があったとしても記録制限は行われず、その記録デューティが高くかつ瞬間的な負荷が大きいときにのみ記録制限を行うことになる。このため、記録制限を受ける確率は前述の実施例と比較して小さくなり、記録速度の低下を最小限に抑えることができる。
さらに、以上の実施例において、記録ヘッドから吐出される液滴はインクであるとして説明し、さらにインクタンクに収容される液体はインクであるとして説明したが、その収容物はインクに限定されるものではない。例えば、記録画像の定着性や耐水性を高めたり、その画像品質を高めたりするために記録媒体に対して吐出される処理液のようなものがインクタンクに収容されていても良い。
以上の実施例は、特にインクジェット記録方式の中でも、インク吐出を行わせるために利用されるエネルギーとして熱エネルギーを発生する手段(例えば電気熱変換体やレーザ光等)を備え、前記熱エネルギーによりインクの状態変化を生起させる方式を用いることにより記録の高密度化、高精細化が達成できる。
加えて、以上の実施例のようなシリアルスキャンタイプのものでも、装置本体に固定された記録ヘッド、あるいは装置本体に装着されることで装置本体との電気的な接続や装置本体からのインクの供給が可能になる交換自在のカートリッジタイプの記録ヘッドを用いた場合にも本発明は有効である。
さらに加えて、本発明のインクジェット記録装置の形態としては、コンピュータ等の情報処理機器の画像出力装置として用いられるものの他、リーダ等と組合せた複写装置、さらには送受信機能を有するファクシミリ装置の形態を採るもの等であってもよい。
本発明の代表的な実施例であるインクジェット記録装置の構成を示す斜視図である。 図1に示した記録装置の制御構成を示すブロック図である。 インクタンクと記録ヘッドとが一体的に形成されたヘッドカートリッジの構成を示す外観斜視図である。 ASIC603の内部構成を示すブロック図である。 ラスタカラム変換回路103の構成を示す図である。 記録ヘッド3によるカラー記録の様子を示す図である。 本発明の実施例に従うドットカウント方法と従来のドットカウント方法との比較を示す図である。 記録制限判別部109の詳細な構成を示すブロック図である。 記録制限実行の判定処理を示すフローチャートである。 本発明の他の実施例に従う記録装置に搭載される複数の電解コンデンサの配置を示す図である。 電解コンデンサと画像データの集中度に応じた電流値の変化を示す図である。
符号の説明
1 インクジェット記録装置
2 キャリッジ
3 記録ヘッド
8 スケール
101 画像データ転送回路
102 ラスタ画像バッファ
103 ラスタカラム変換回路
104 カラムデータ画像バッファ
105 多値データ中間バッファ
106 ドットカウントバッファ
107 ヘッド吐出データ変換回路
109 記録制限判別部
303〜306 各色記録ヘッドチップ
307〜310 カラムデータ
652、655、658 電解コンデンサ
653 電力供給ライン
656 フレキシブルケーブル
701、704〜706、709、710 電流波形
703、708 記録画像

Claims (11)

  1. 第1の方向に配列した複数のノズルからなるノズル列を所定のピッチ間隔で前記第1の方向とは異なる第2の方向に複数個配置し、該複数のノズル列各々から異なる色のインクを吐出する記録ヘッドを前記第1の方向に走査しながら記録媒体に記録を行う記録装置であって、
    複数の色成分の画像データを外部から受信する受信手段と、
    前記受信手段によって受信された前記複数の色成分の画像データを一時的に格納するバッファメモリと、
    前記バッファメモリに格納された前記複数の色成分の画像データを前記第1の方向にmピクセル、前記第2の方向にnピクセルを単位として、m×nピクセル毎にラスタカラム変換を行うラスタカラム変換手段と、
    前記ラスタカラム変換手段によるラスタカラム変換単位毎に用いる画像データに関し、前記複数のノズル列の間のピッチ間隔を考慮したとき、前記記録ヘッドのノズルから同時にインク吐出を生じさせる全ての色成分の画像データを加算する第1の加算手段と、
    前記第1の加算手段によって加算された画像データに関し、前記第1の方向に関して同時駆動されてインクを吐出するノズルの数が第1の閾値を越えているかどうかを前記第2の方向にピクセル毎に判別する判別手段と、
    前記判別手段による判別を前記記録ヘッドによる1走査の記録に用いられる画像データ全体に対して行うよう制御する判別制御手段と、
    前記判別制御手段による制御の結果得られた、前記記録ヘッドの1走査記録領域全体にわたる同時駆動されてインクを吐出するノズルの数の分布状況に基づいて、前記記録ヘッドによる1走査記録動作を制限するよう制御する記録制御手段とを有することを特徴とする記録装置。
  2. 前記判別手段は、さらに、
    前記第1の加算手段によって加算された画像データに関し、前記第1の方向に前記同時に記録動作を生じさせることになる画像データを加算する第2の加算手段と、
    前記第2の加算手段によって加算された加算結果を前記第1の閾値と比較する比較手段とを有することを特徴とする請求項1に記載の記録装置。
  3. 前記記録制御手段は、
    前記記録ヘッドの1走査記録領域全体にわたる同時駆動されてインクを吐出するノズルの数の分布状況を示すデータに関し、前記第1の方向に関して前記記録ヘッドのノズル列の幅にわたる論理積を前記第2の方向にピクセル毎に演算する第1の演算手段と、
    前記第1の演算手段による演算結果を前記記録ヘッドの走査方向にわたって論理和を演算する第2の演算手段とを有することを特徴とする請求項1又は2に記載の記録装置。
  4. 前記記録ヘッドを搭載して往復走査するキャリッジをさらに有し、
    前記記録制御手段は、前記キャリッジの移動速度を変化させたり、同時にインクを吐出するノズル数を変化させることで前記1走査記録動作を制限することを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の記録装置。
  5. 装置に電力を供給する電源ユニットをさらに有することを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の記録装置。
  6. 前記電源ユニットと前記記録ヘッドには夫々、電解コンデンサを備えることを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の記録装置。
  7. 前記判別手段はさらに、前記ラスタカラム変換単位毎に用いる画像データに基づいて、前記同時駆動されてインクを吐出するノズルの数が第2の閾値を越えているかどうかを判別することを特徴とする請求項6に記載の記録装置。
  8. 前記記録制御手段は、前記第2の演算手段による演算結果と、前記ラスタカラム変換単位毎の前記同時駆動されてインクを吐出するノズルの数が前記第2の閾値を越えているかどうかの判別結果とに基づいて、前記記録ヘッドによる1走査記録動作を制限するよう制御することを特徴とする請求項7に記載の記録装置。
  9. 前記電解コンデンサに蓄電された電力を補足的に記録動作に用いることを特徴とする請求項8に記載の記録装置。
  10. 前記記録ヘッドは、熱エネルギーを利用してインクを吐出するために、前記インクに与える熱エネルギーを発生するための電気熱変換体を備えていることを特徴とする請求項1乃至9のいずれかに記載の記録装置。
  11. 第1の方向に配列した複数のノズルからなるノズル列を所定のピッチ間隔で前記第1の方向とは異なる第2の方向に複数個配置し、該複数のノズル列各々から異なる色のインクを吐出する記録ヘッドを前記第1の方向に走査しながら記録媒体に記録を行う記録制御方法であって、
    複数の色成分の画像データを外部から受信する受信工程と、
    前記受信工程において受信されバッファメモリに一時的に格納された前記複数の色成分の画像データを前記第1の方向にmピクセル、前記第2の方向にnピクセルを単位として、m×nピクセル毎にラスタカラム変換を行うラスタカラム変換工程と、
    前記ラスタカラム変換工程におけるラスタカラム変換単位毎に用いる画像データに関し、前記複数のノズル列の間のピッチ間隔を考慮したとき、前記記録ヘッドのノズルから同時にインク吐出を生じさせる全ての色成分の画像データを加算する加算工程と、
    前記加算工程において加算された画像データに関し、前記第1の方向に関して同時駆動されてインクを吐出するノズルの数が第1の閾値を越えているかどうかを前記第2の方向にピクセル毎に判別する判別工程と、
    前記判別工程における判別を前記記録ヘッドによる1走査の記録に用いられる画像データ全体に対して行うよう制御する判別制御工程と、
    前記判別制御工程における制御の結果得られた、前記記録ヘッドの1走査記録領域全体にわたる同時駆動されてインクを吐出するノズルの数の分布状況に基づいて、前記記録ヘッドによる1走査記録動作を制限するよう制御する記録制御工程とを有することを特徴とする記録制御方法。
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