JP2006289624A - 記録装置及び記録装置の制御方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】 電源を大型化したり電力蓄積手段を設けずに、記録ヘッドに供給される電源電圧が低下した場合においても、記録画質の低下を防止する。
【解決手段】 記録ヘッドに供給される電源VHの電圧値をA/D変換器107で検出し、比較回路106で走査中に前記電圧値が所定の値以下となったことが検出された場合、電圧値が所定の値以下となった時点での、主走査方向における記録ヘッドの位置の情報を記憶し、該位置以降の当該走査においては、記録データ生成回路104でDRAM103から読み出した記録データとマスクパターンとのAND演算により、使用する記録素子数を制限する。
【選択図】 図1
【解決手段】 記録ヘッドに供給される電源VHの電圧値をA/D変換器107で検出し、比較回路106で走査中に前記電圧値が所定の値以下となったことが検出された場合、電圧値が所定の値以下となった時点での、主走査方向における記録ヘッドの位置の情報を記憶し、該位置以降の当該走査においては、記録データ生成回路104でDRAM103から読み出した記録データとマスクパターンとのAND演算により、使用する記録素子数を制限する。
【選択図】 図1
Description
本発明は記録装置及び記録装置の制御方法に関し、より詳細には、複数の記録素子を有する記録ヘッドを記録媒体上で走査させて記録を行う記録装置の制御に関するものである。
近年、数多くの記録装置が使用されるようになり、これらの記録装置に対しては、高速記録、高解像度、低騒音などが要求されている。この様な要求に応える記録装置としてインクジェット記録装置が挙げられる。このインクジェット記録装置では、記録ヘッドからインクを吐出させて記録を行う為に、記録媒体に非接触で記録が可能であり、このため様々な種類の記録媒体に対して安定した記録画像を形成することが出来る。
特にこのインクジェット記録装置の中でも、熱エネルギーを利用して液滴を吐出して記録を行う方法は、構造が簡単なため、インクを吐出するためのノズルの高密度化が容易であるという利点を持つ。
しかし、インクジェット記録装置では、記録ヘッドからインクを吐出させて記録を行う為に、インクの安定した吐出が要求される。つまり、インクジェット記録装置における記録ヘッドには、耐久性、記録ヘッドの温度変化、同時吐出数(同時駆動数)の変化に対して安定した吐出性能が要求される。
ここで、安定した吐出性能とは、吐出量、吐出速度、吐出精度(インクの着弾位置の精度)の安定を指す。
そこで、この安定のために、従来より記録装置本体や記録ヘッドの温度に応じて、記録ヘッドに印加する駆動パルスを変化させる制御が提案されている。
同時に駆動される記録素子の数が記録する画像によって変化すると、記録装置本体の電源から供給される電流も変動してしまう。このため、記録装置と記録ヘッドとを接続する配線の抵抗による電圧降下量が変化し、記録ヘッドに対して一定の電圧を印加している場合には、記録ヘッド内の記録素子に印加される電圧が、記録する画像によって変化してしまうことになる。
例えば、一般的なインクジェット記録装置の場合、記録装置本体と記録ヘッド間の配線抵抗が0.2Ω程度、ヘッドコンタクト抵抗0.1Ω抵抗程度であり、全体で0.3Ω程度となる。そして、記録素子1個あたり100mA〜200mAの駆動電流が流れるとき、同時に54個の記録素子が駆動されると、記録ヘッドに供給される総電流は、5.4〜10.8Aとなり、配線による電圧降下は、0.3Ω×(5.4〜10.8A)=1.62〜3.24Vになる。この電圧降下分が、各記録素子に加わる電圧変動となる。
この記録素子に加わる電圧変動は、言うまでもなく吐出エネルギーの変動、つまりインクの吐出速度の変動となって現れ、記録画質が劣化してしまう。
また、同時吐出数の変化により記録ヘッドの各ノズル(記録素子)に印加される電圧が異なってしまうが、駆動電圧や駆動パルスは、同時吐出数が最大の時、すなわち、駆動電流が最大の時にも安定して吐出するように決定されているので、吐出性能にはそれほど影響がない。
しかしながら、同時吐出数が少ない時には、過剰な駆動電圧や駆動パルスが記録素子に印加されることとなり、これは記録ヘッドの耐久性を劣化させることにつながる。
これらの問題点を解決するために、同時駆動する記録素子数に応じて、駆動パルスや駆動時間を変えるサーマルドット記録装置が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
また、ホスト等から転送される画像信号をバッファに一時保持し、画像処理回路でインクジェット記録ヘッド内の各発熱抵抗体ごとのビット信号に変換して、インクを吐出するノズル数とそのノズル位置、さらにインクジェット記録ヘッドに設けられたサーミスタから得られる温度情報に基づいてルックアップテーブルを用いて駆動パルス条件を決定するインクジェット記録装置が提案されている(例えば、特許文献2参照)。
また、記録走査の開始前に同時駆動される記録ヘッドのノズル数をカウントし、このカウント値をもとに駆動パラメータをRAMに格納して使用するインクジェット記録装置が提案されている(例えば、特許文献3参照)。
特開昭58−5280号公報
特開平9−11463号公報
特開平9−11504号公報
しかしながら、記録ヘッドに印加される電圧値は、同時に駆動する記録素子数に応じて変動する電圧降下以外の要因によっても変化する。
例えば、最大同時駆動数である56個の記録素子が連続して駆動された場合、ヘッド駆動電圧はしだいに低下していってしまう。この電圧の低下は同時駆動数で決定される駆動パルス幅には反映されない。これは記録ヘッドに駆動電流を供給する電力供給手段の供給能力が、連続した大電流の供給によって低下してしまうことに起因する。
図4では、異なる同時駆動数で連続して駆動した場合の記録ヘッドの電圧の変動を示している。(a)は同時駆動数が18個の場合の電圧の波形であり、(b)は同時駆動数が56個の場合の電圧の波形である。
(a)では同時駆動数18個で連続して駆動された場合を示しており、時間Tが経過しても、電圧降下はVH_d1のままである。一方、(b)では同時駆動数56個で連続して駆動された場合を示しており、時間Tが経過するに従いVH_d1の約3倍程度の電圧降下VH_d3が発生している。結果実際の電圧降下はVH_d2+VH_d3となる。
この電圧降下VH_d3を防ぐには、(1)電力供給手段の能力を大きくする、或いは(2)電力供給手段と記録ヘッドとの間に大容量の電力蓄積手段を設ける、等が考えられるが、いずれもコストアップ及び装置の大型化の要因となる。
この問題は、記録方式に関わらず、複数の記録素子を有する記録ヘッドを記録媒体上で走査させて記録を行うあらゆる種類の記録装置に共通の問題である。
本発明は以上のような状況に鑑みてなされたものであり、電源を大型化したり電力蓄積手段を設けずに、記録ヘッドに供給される電源電圧が低下した場合においても、記録画質の低下を防止することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明の一態様としての記録装置は、複数の記録素子を有する記録ヘッドを記録媒体上で走査させて記録を行う記録装置であって、
前記記録ヘッドに供給される電源の電圧値を検出する電圧検出手段と、
走査中に前記電圧値が所定の値以下となったことを検出する低下検出手段と
前記電圧値が所定の値以下となった時点での、主走査方向における前記記録ヘッドの位置の情報を記憶する位置記憶手段と、
前記電圧値が所定の値以下となった前記位置以降の当該走査において使用する記録素子数を制限する制限手段と、を備えている。
前記記録ヘッドに供給される電源の電圧値を検出する電圧検出手段と、
走査中に前記電圧値が所定の値以下となったことを検出する低下検出手段と
前記電圧値が所定の値以下となった時点での、主走査方向における前記記録ヘッドの位置の情報を記憶する位置記憶手段と、
前記電圧値が所定の値以下となった前記位置以降の当該走査において使用する記録素子数を制限する制限手段と、を備えている。
すなわち、本発明では、走査の間に記録ヘッドへ供給される電源電圧が低下したことが検出された場合、検出された位置以降の当該走査で使用する記録素子の数を制限する。
このため、電源を大型化したり電力蓄積手段を設けずに、記録ヘッドに供給される電源電圧が低下した場合においても、記録画質の低下を防止することができる。
なお、電圧値が所定の値以下となった位置以降の記録を完成させるために、該位置以降について別の走査を行うのが好ましい。
制限手段は、電圧値が所定の値以下となった位置以降の当該走査において使用する記録素子数を制限するためにマスクパターンを用いてもよい。
制限手段は、電圧値が所定の値以下となった位置以降の当該走査において使用する記録素子数を制限するために第1のマスクパターンを用い、該位置以降についての別の走査において使用する記録素子数を制限するために、第1のマスクパターンと相補的な第2のマスクパターンを用いてもよい。
制限手段は、電圧値が所定の値以下となった位置以降の当該走査において使用する記録素子数を全体の50%に制限してもよい。
制限手段は、電圧値が所定の値以下となった位置以降の当該走査において使用する記録素子数を段階的に減少させてもよい。
検出手段は、アナログ−デジタル変換器を含んでいてもよい。
記録ヘッドは、各記録素子からインクを吐出して記録を行うインクジェット記録ヘッドであってもよく、熱エネルギーを利用してインクを吐出すべく、インクに与える熱エネルギーを発生するための熱エネルギー変換体を備えていてもよい。
上記目的を達成する本発明の別の態様としての記録装置の制御方法は、複数の記録素子を有する記録ヘッドを記録媒体上で走査させて記録を行う記録装置の制御方法であって、
前記記録ヘッドに供給される電源の電圧値を検出する電圧検出工程と、
走査中に前記電圧値が所定の値以下となったことを検出する低下検出工程と
前記電圧値が所定の値以下となった時点での、主走査方向における前記記録ヘッドの位置の情報を記憶する位置記憶工程と、
前記電圧値が所定の値以下となった前記位置以降の当該走査において使用する記録素子数を制限する制限工程と、を備えている。
前記記録ヘッドに供給される電源の電圧値を検出する電圧検出工程と、
走査中に前記電圧値が所定の値以下となったことを検出する低下検出工程と
前記電圧値が所定の値以下となった時点での、主走査方向における前記記録ヘッドの位置の情報を記憶する位置記憶工程と、
前記電圧値が所定の値以下となった前記位置以降の当該走査において使用する記録素子数を制限する制限工程と、を備えている。
また、上記の目的は、上記の記録装置の制御方法をコンピュータ装置で実現するコンピュータプログラム、該コンピュータプログラムを格納した記憶媒体によっても達成される。
本発明によれば、走査の間に記録ヘッドへ供給される電源電圧が低下したことが検出された場合、検出された位置以降の当該走査で使用する記録素子の数を制限する。
このため、電源を大型化したり電力蓄積手段を設けずに、記録ヘッドに供給される電源電圧が低下した場合においても、記録画質の低下を防止することができる。
以下に、添付図面を参照して、本発明の好適な実施の形態を例示的に詳しく説明する。ただし、以下の実施形態に記載されている構成要素はあくまで例示であり、本発明の範囲をそれらのみに限定する趣旨のものではない。
なお、この明細書において、「記録」(「プリント」という場合もある)とは、文字、図形等有意の情報を形成する場合のみならず、有意無意を問わず、また人間が視覚で知覚し得るように顕在化したものであるか否かを問わず、広く記録媒体上に画像、模様、パターン等を形成する、または媒体の加工を行う場合も表すものとする。
また、「記録媒体」とは、一般的な記録装置で用いられる紙のみならず、広く、布、プラスチック・フィルム、金属板、ガラス、セラミックス、木材、皮革等、インクを受容可能なものも表すものとする。
さらに、「インク」(「液体」と言う場合もある)とは、上記「記録(プリント)」の定義と同様広く解釈されるべきもので、記録媒体上に付与されることによって、画像、模様、パターン等の形成または記録媒体の加工、或いはインクの処理(例えば記録媒体に付与されるインク中の色剤の凝固または不溶化)に供され得る液体を表すものとする。
またさらに、「ノズル」(「記録素子」と言う場合もある)とは、特にことわらない限り吐出口ないしこれに連通する液路およびインク吐出に利用されるエネルギーを発生する素子を総括して言うものとする。
<第1の実施形態>
以下、本発明に係る記録装置の第1の実施形態について説明する。本実施形態ではインクジェット方式を採用したインクジェット記録装置を例にあげて説明するが、複数の記録素子を有する記録ヘッドを記録媒体上で走査させて記録を行う記録装置であれば、本発明は他の方式の記録装置にも適用できる。
以下、本発明に係る記録装置の第1の実施形態について説明する。本実施形態ではインクジェット方式を採用したインクジェット記録装置を例にあげて説明するが、複数の記録素子を有する記録ヘッドを記録媒体上で走査させて記録を行う記録装置であれば、本発明は他の方式の記録装置にも適用できる。
図2は、本実施形態の記録装置の攻勢を説明する外装を外した状態の概観斜視図である。記録ヘッド1は、インクジェット記録方式の中でも特にエネルギー発生手段として発熱抵抗体を有する発熱素子等の電気熱変換体を用いて、熱エネルギーによってインクの状態変化を生起させインクを吐出させる方式を用いることにより、記録画像の高密度化および高精細化を達成しているものである。記録ヘッド1上には、シアンインクタンク1C、マゼンタインクタンク1M、イエローインクタンク1Yおよびブラックインクタンク1Kの4色のインクタンクを有し、記録ヘッド1及び各インクタンク1C、1M、1Y、1Kはガイド軸3の長さ方向に沿って配列された状態、すなわちキャリッジ2の移動方向に沿った状態でキャリッジ2に搭載されている。
図2において、記録ヘッド1は図中下向きにインクを吐出する姿勢でキャリッジ2に搭載されており、キャリッジ2の軸受け部2aがガイド軸3に沿って移動しながらインクを吐出して、記録用紙等の記録媒体4上に1走査分の画像を形成していく。なお、キャリッジ2のガイド軸3に沿った往復運動は、キャリッジモータ5の駆動力が伝達されたプーリ6の回転により、タイミングベルト7を介して行われる。
記録ヘッド1による1走査分の記録が終了すると、記録ヘッド1は記録を中断し、搬送モータ9が駆動されて搬送ローラが回転することにより、プラテン8上に位置する記録媒体4がキャリッジ2の移動方向(走査方向)と交差する方向(搬送方向)に所定量だけ搬送される。次いで再びキャリッジ2をガイド軸3に沿って移動させながら次の1走査分の画像形成を行う。これらの動作を繰り返すことにより、記録媒体4の全体が記録される。
記録領域の右側には、記録ヘッド1のインク吐出状態を良好に保つための回復動作を行う回復装置10が配設されている。回復装置10には記録ヘッド1をキャップするキャップ11、記録ヘッド1のインク吐出面を拭うワイパ12、および記録ヘッド1のインク吐出ノズルからインクを吸引するための吸引ポンプ(不図示)等が設けられている。
また、本実施形態の記録装置は、所定間隔でスリット等のメモリが設けられたエンコーダスケール13、およびエンコーダスケールのメモリを読み取って信号を出力するエンコーダ14を備えており、エンコーダ14からの出力信号に基づいてキャリッジ2の位置及び移動速度の検出を行い、キャリッジモータ5の駆動時にそのフィードバック制御を行うように構成されている。また検出された位置情報に従って、記録ヘッド1のインク記録タイミングがとられている。
図1は、本実施形態の記録装置の記録ヘッドの駆動及び制御に関する回路構成を示すブロック図である。又、図3は本実施形態の記録動作時の処理を表すフローチャートである。以下、図1及び図3を用いて、本実施形態の記録動作の際の処理シーケンスについて説明する。
エンコーダスケール13から入力された信号を元に、記録タイミング生成回路101は、記録を開始するトリガ信号である記録トリガ信号を生成し、記録データ生成回路104に転送する(ステップS101)。ここで記録トリガ信号は、記録解像度に応じたタイミングで発生される。例えば、記録解像度が1200dpiであった場合には、記録トリガ信号は1200dpi毎に発生される。
記録データ生成回路104は、記録トリガを起点とし、DMAC(ダイレクト・メモリ・アクセス・コントローラ)102を介してDRAM103より記録データの読み出しを行い(ステップS102)、記録ヘッド1に記録データを送信する(ステップS103)。又、駆動パルス生成回路105は、記録ヘッドを駆動するパルスを生成して記録ヘッド1に送信し、記録ヘッド1では受信した記録データに対応した記録素子を駆動パルスに応じて駆動し、インクを吐出して記録を行う(ステップS104)。
アナログ−ディジタル変換回路(以下A/D変換)107は、記録ヘッド1に供給されている電源VHの電圧をディジタル値に変換しており(ステップS105)、比較回路106ではA/D変換回路107から出力された値と、あらかじめ設定された閾値N(ボルト)との比較を行う(ステップS106)。ここで、閾値Nは比較回路106内のレジスタにより変更可能に保持されている。
比較回路106は電源VHの電圧がNボルト以下に低下した場合、電源電圧が低下したことを示すフラグ信号を記録データ転送回路104、及び記録タイミング生成回路101に送信する。
記録タイミング生成回路101は、フラグ信号を受信した後、エンコーダスケール13より出力される信号に基づいて算出した現在の位置情報Aをレジスタに保持する(ステップS108)。
一方、記録データ生成回路104は、フラグ信号を受信した後、現在のDRAMからのデータ読み出しアドレスBをレジスタに保持すると同時に、DRAM103より読み出した記録データと第1のマスクパターンとのAND演算で得られたデータを記録ヘッド1に転送、記録ヘッド1により第1のマスクパターンによってマスクが施された記録データに従った記録が行われる(ステップS109)。
図5の(a)は第1のマスクパターンの例を示しており、ここで、白い(無地)部分はマスクデータによてマスクされるデータ、黒い(ハッチングされた)部分はマスクデータが無くマスクされないデータをそれぞれ示している。従って、黒で示される部分に対応する記録データだけが実際に記録されることとなる。本例のマスクパターンは千鳥格子状であり、記録Duty、すなわち記録に使用されるノズル数は50%に制限される。このマスクデータは、図中縦方向(列)がカラム、横方向(行)がノズルにそれぞれ対応しており、このパターンが繰り返されて他の部分にも適用される。例えば、カラム方向については第1カラムから第4カラムには図示したようなパターンが順番に適用され、第5カラムには第1カラムと同じマスクパターンが適用され、以降同様に繰り返してマスクパターンが適用される。
以上の様に第1のマスクパターンとDRAM103から読み出した記録データとのAND演算によって得られたデータに従った記録を当該走査が終了するまで行う(ステップS110)。走査の終了後、記録タイミング生成回路101内に保持された位置情報レジスタより、フラグ信号が発生した時点の位置情報Aを読み出す(ステップS111)。そして対応する位置Aより、DRAM103のアドレスBより読み出した記録データと第2のマスクパターンとのAND演算で得られたデータを記録ヘッド1に転送し、記録ヘッド1により第2のマスクパターンによってマスクが施された記録データに従った記録が行われる(ステップS112)。
図5の(b)は第2のマスクパターンの例を示している。図示されたように、第2のマスクパターンは第1のマスクパターンを補完するような記録Duty50%の相補的パターンである。従って、位置A以降の第2の走査では、第1のマスクパターンでマスクされ第1の走査で記録されなかったデータが記録されることとなる。第2のマスクパターンとDRAM103から読み出した記録データとのAND演算によって得られたデータに従った記録を第2の走査が終了するまで行い(ステップS113)、この第2の走査の終了により画像が完成する。
なお、図5に示したようなマスクパターンは、記録データ生成回路104によって容易にアクセス可能であれば、DRAM103に格納されていても、不図示の他の記憶領域(RAMやROMなど)に格納されていても良い。
図6は、本実施形態でマスクパターンが使用された場合の、走査と記録領域との関係を示す図である。(a)で示す第1の走査では、領域aにおいては記録ヘッドに供給している電源VHの電圧が、閾値であるNボルト以下となっていないため、DRAMから読み出した記録データに対して、100%のDutyで記録が行われている。
この第1の走査の実行中、位置Aにおいて電源VHの電圧がNボルト以下となったことが検出され、位置A以降の領域bにおいては第1のマスクパターンが適用され、50%のDutyでの記録が行われる。そして第2の走査では、第1の走査において電源VHの電圧がNボルト以下となったことが検出された位置Aから記録を開始し、第1の走査で50%しか記録が完成していない領域bに対して第2のマスクパターンを適用して、相補的な50%のDutyでの記録を行うことにより、領域bの記録が完成する。
以上説明したように、本実施形態では、記録走査の間に記録ヘッドへ供給される電源電圧が低下したことが検出された場合、検出された位置以降の当該走査での使用ノズル数(記録デューティ)を低減させ、それによって記録されなかったデータを、検出された位置からの走査を行って記録する。このため、電源を大型化したり電力蓄積手段を設けずに、記録ヘッドに供給される電源電圧が低下した場合においても、記録画質の低下を防止することができる。
<第2の実施形態>
以下、本発明に係る記録装置の第2の実施形態について説明する。第2の実施形態も第1の実施形態と同様なインクジェット記録装置であり、以下においては上記第1の実施形態と同様な部分については説明を省略し、第2の実施形態の特徴的な部分を中心に説明する。
以下、本発明に係る記録装置の第2の実施形態について説明する。第2の実施形態も第1の実施形態と同様なインクジェット記録装置であり、以下においては上記第1の実施形態と同様な部分については説明を省略し、第2の実施形態の特徴的な部分を中心に説明する。
第1の実施形態では、記録走査の間に記録ヘッドへ供給される電源電圧が低下したことが検出された場合、検出された位置以降の当該走査での使用ノズル数を低減させるために図5に例示したようなマスクパターンを用いるが、第2の実施形態は、使用ノズル数を低減させるために用いるマスクパターンが第1の実施形態と異なっている。
図7の(a)は、第2の実施形態で、記録ヘッドに供給している電源VHの電圧がNボルト以下となったことが検出された場合に用いられる第1のマスクパターンの例を示している。また、(b)は次の走査(第2の走査)で用いる第2のマスクパターンの例を示しており、第1のマスクパターンを補完するような相補的マスクパターンである。
図7(a)に示されたマスクパターンは、最初の2カラムが100%、以降4カラム毎に90%、80%、70%、60%、50%と段階的に記録Dutyを減少させるグラデーションのマスクパターンとなっている。
本実施形態では、走査の間に、電源VHの電圧がNボルト以下となったことが検出された場合、この第1のマスクパターンを用いて記録Dutyを100%、90%、80%、70%、60%、50%へと段階的に減少させて記録を行う。
次に第2の走査では、電源VHの電圧低下を検出した位置から、図7の(b)に示されるような第2のマスクパターンを用いて、0%、10%、20%、30%、40%、50%と段階的に記録Dutyを増加させて記録を行う。
このようにすると、第1の実施形態では使用ノズル数の制限を開始する位置(図6の位置A)にすじやムラなどが生じやすいのと比べ、使用ノズル数の制限を開始した位置がわかりにくくなりすじやムラの発生を抑制することができるので、記録画質が低下するのをより効果的に防止することができる。
<他の実施形態>
以上説明した実施形態では、インクジェット方式の記録装置に本発明を適用したものを例にあげて説明したが、本発明は複数の記録素子を有する記録ヘッドを記録媒体上で走査させて記録を行う記録装置であれば、他の方式の記録装置にも適用できる。
以上説明した実施形態では、インクジェット方式の記録装置に本発明を適用したものを例にあげて説明したが、本発明は複数の記録素子を有する記録ヘッドを記録媒体上で走査させて記録を行う記録装置であれば、他の方式の記録装置にも適用できる。
加えて、上記の実施形態で例示したマスクパターン以外のマスクパターンを用いても良く、更にはマスクパターン以外の方法で同時に駆動される記録素子数(記録Duty)を制限しても良い。
また、上記の実施形態では、記録ヘッドに供給される電源電圧が低下したときに、通常1回の走査で記録する領域を2回の走査で記録する場合を例にあげて説明したが、記録ヘッドに供給される電源電圧が低下したときに、通常2回以上のマルチパスで記録される領域に対してはそのパス数を増やすようにしてもよい。
本発明は、複数の機器から構成されるシステムに適用しても良いし、また、一つの機器からなる装置に適用しても良い。
なお、本発明は、前述した実施形態の機能を実現するソフトウェアのプログラム(本実施形態では図3に示すフローチャートに対応したプログラム)を、システム或いは装置に直接或いは遠隔から供給し、そのシステム或いは装置のコンピュータが該供給されたプログラムコードを読み出して実行することによっても達成される場合を含む。その場合、プログラムの機能を有していれば、形態は、プログラムである必要はない。
従って、本発明の機能処理をコンピュータで実現するために、該コンピュータにインストールされるプログラムコード自体も本発明を実現するものである。つまり、本発明のクレームでは、本発明の機能処理を実現するためのコンピュータプログラム自体も含まれる。
その場合、プログラムの機能を有していれば、オブジェクトコード、インタプリタにより実行されるプログラム、OSに供給するスクリプトデータ等、プログラムの形態を問わない。
1 記録ヘッド
101 記録タイミング生成回路
102 DMAC
103 DRAM
104 記録データ生成回路
105 駆動パルス生成回路
106 比較回路
107 A/D変換回路
101 記録タイミング生成回路
102 DMAC
103 DRAM
104 記録データ生成回路
105 駆動パルス生成回路
106 比較回路
107 A/D変換回路
Claims (10)
- 複数の記録素子を有する記録ヘッドを記録媒体上で走査させて記録を行う記録装置であって、
前記記録ヘッドに供給される電源の電圧値を検出する電圧検出手段と、
走査中に前記電圧値が所定の値以下となったことを検出する低下検出手段と
前記電圧値が所定の値以下となった時点での、主走査方向における前記記録ヘッドの位置の情報を記憶する位置記憶手段と、
前記電圧値が所定の値以下となった前記位置以降の当該走査において使用する記録素子数を制限する制限手段と、を備えることを特徴とする記録装置。 - 前記位置以降の記録を完成させるために、前記位置以降について別の走査を行うことを特徴とする請求項1に記載の記録装置。
- 前記制限手段は、前記位置以降の当該走査において使用する記録素子数を制限するためにマスクパターンを用いることを特徴とする請求項1に記載の記録装置。
- 前記制限手段は、前記位置以降の当該走査において使用する記録素子数を制限するために第1のマスクパターンを用い、前記位置以降についての前記別の走査において使用する記録素子数を制限するために、前記第1のマスクパターンと相補的な第2のマスクパターンを用いることを特徴とする請求項2に記載の記録装置。
- 前記制限手段は、前記位置以降の当該走査において使用する記録素子数を全体の50%に制限することを特徴とする請求項1に記載の記録装置。
- 前記制限手段は、前記位置以降の当該走査において使用する記録素子数を段階的に減少させることを特徴とする請求項1に記載の記録装置。
- 前記電圧検出手段が、アナログ−デジタル変換器を含むことを特徴とする請求項1に記載の記憶装置。
- 前記記録ヘッドは、各記録素子からインクを吐出して記録を行うインクジェット記録ヘッドであることを特徴とする請求項1に記載の記録装置。
- 前記記録ヘッドは、熱エネルギーを利用してインクを吐出する記録ヘッドであって、インクに与える熱エネルギーを発生するための熱エネルギー変換体を備えていることを特徴とする請求項8に記載の記録装置。
- 複数の記録素子を有する記録ヘッドを記録媒体上で走査させて記録を行う記録装置の制御方法であって、
前記記録ヘッドに供給される電源の電圧値を検出する電圧検出工程と、
走査中に前記電圧値が所定の値以下となったことを検出する低下検出工程と
前記電圧値が所定の値以下となった時点での、主走査方向における前記記録ヘッドの位置の情報を記憶する位置記憶工程と、
前記電圧値が所定の値以下となった前記位置以降の当該走査において使用する記録素子数を制限する制限工程と、を備えることを特徴とする記録装置の制御方法。
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---|---|---|---|---|
JP2010099967A (ja) * | 2008-10-24 | 2010-05-06 | Brother Ind Ltd | 記録装置 |
JP2015100962A (ja) * | 2013-11-22 | 2015-06-04 | ローランドディー.ジー.株式会社 | インクジェットプリンタ |
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2005
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2010099967A (ja) * | 2008-10-24 | 2010-05-06 | Brother Ind Ltd | 記録装置 |
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