JP3771942B2 - トレッドゴム組成物 - Google Patents
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】
本発明はトレッドゴム組成物に関する。さらに詳しくは、たとえばスタッドレスタイヤなどに好適に使用しうるトレッドゴム組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、雪上や氷上などを走行する際には、たとえばスパイクタイヤ、スタッドレスタイヤなどが用いられている。
【0003】
前記スパイクタイヤは、とくに氷結路面でのグリップ性にすぐれたものであるが、舗装道路を走行する際に路面を摩耗し、しかも粉塵を生じるため、その使用が規制されている。
【0004】
そこで、近年、スパイクタイヤに代わりうるものとして、スタッドレスタイヤが脚光を浴びつつあり、スパイクタイヤと同様のグリップ性を有するスタッドレスタイヤが開発されている。
【0005】
しかしながら、前記スタッドレスタイヤは、雪上性能面では、スパイクタイヤと比べて何ら遜色のない性能を発揮するものであるが、凍結路面では、スパイクタイヤと比べてグリップ性が劣るばあいもあり、その改善が要求されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、前記従来技術に鑑みてなされたものであり、とくに氷結ないし凍結路面におけるグリップ性にすぐれたスタッドレスタイヤに好適に使用しうるトレッドゴム組成物を提供することを目的とするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
すなわち本発明は、天然ゴムおよびポリブタジエンゴムの少なくとも1種を主成分とするジエン系ゴム100重量部に対して、シリカ50〜130重量部および軟化剤0〜15重量部を含有してなり、全充填剤にしめるシリカの割合が70重量%以上であって、tanδピーク温度(Tg)が−45℃以下、0℃におけるゴム硬度が64以下であることを特徴とするトレッドゴム組成物に関する。
【0008】
【作用および実施例】
タイヤトレッドゴムの摩擦を支配する因子として、(イ)ヒステリシスによる摩擦、(ロ)粘着による摩擦、(ハ)掘り起こし(ひっかき)摩擦が考えられており、さらに水分が存在するばあいには、(ニ)排水効果も加わってくる。
【0009】
凍結路面のように摩擦係数が小さい路面では、(イ)ヒステリシスによる摩擦による影響がほとんどなく、(ロ)粘着による摩擦、(ハ)掘り起こし摩擦および(ニ)排水効果が非常に重要になってくる。
【0010】
本発明は、摩擦を支配する因子のなかでもとくに(ロ)粘着による摩擦に注目し、種々の粉体、添加剤による摩擦力への影響について研究したところ、シリカを多量に充填したゴムが凍結路面(氷上)での摩擦力が大きいことを見出し、さらにゴムとして低温特性にすぐれたジエン系ゴムと該シリカとを組み合わせ、tanδピーク温度(Tg)を特定の温度とすることにより、凍結路面での摩擦力がより一層高められるという事実にもとづいて完成されたものである。
【0011】
本発明のトレッドゴム組成物は、前記したように天然ゴムおよびポリブタジエンゴムの少なくとも1種を主成分とするジエン系ゴム100重量部に対して、シリカ50〜130重量部および軟化剤0〜15重量部を含有し、全充填剤にしめるシリカの割合が70重量%以上であって、−45℃以下のtanδピーク温度(Tg)および64以下の0℃におけるゴム硬度を有するものである。
【0012】
本発明においては、ベースゴムとして、天然ゴムおよびポリブタジエンゴムの少なくとも1種を主成分とするジエン系ゴムが用いられるが、ここで主成分とは、ジエン系ゴム中に50重量%以上含有されることをいう。なお、低温特性の向上の点から、ジエン系ゴム中における天然ゴムおよびポリブタジエンゴムの少なくとも1種の含有量は、80重量%以上であることが好ましい。
【0013】
なお、本発明においては、本発明の目的が阻害されない範囲内で、たとえばイソプレンゴム、スチレン−ブタジエン共重合ゴムなどを本発明に用いられるジエン系ゴムに配合してもよい。
【0014】
前記ジエン系ゴムには、充填剤としてカーボンブラックが配合されるが、かかるカーボンブラックの配合量は、あまりにも多いばあいには、硬度が上昇し、氷上性能が劣るようになり、またあまりにも少ないばあいには、耐カット性が小さくなる傾向があるので、ジエン系ゴム100重量部に対して30〜50重量部程度であることが好ましい。
【0015】
前記シリカは、えられるトレッドゴム組成物に凍結路面上でのグリップ性を付与するために用いられる成分であり、あまりにも少ないばあいには、該シリカを配合することによる効果が充分に発現されず、またあまりにも多いばあいには、えられるトレッドゴム組成物の硬度が上昇し、凍結路面上での性能が低下するので、ジエン系ゴム100重量部に対して50〜130重量部である。
【0016】
前記シリカの1次粒子径は、とくに限定がないが、えられるトレッドゴム組成物中に均一に分散させるためには、通常10〜40mμm、なかんづく15〜25mμm程度であることが好ましい。
【0017】
なお、前記シリカおよびカーボンブラックからなる充填剤にしめる該シリカの割合は、凍結路面上での高グリップ性を付与するためには、70重量%以上、なかんづく80重量%以上であることが好ましい。
【0018】
また、本発明のトレッドゴム組成物には、軟化剤が用いられる。
【0019】
かかる軟化剤の具体例としては、たとえばナフテン系プロセスオイル、パラフィン系プロセルオイルなどのプロセスオイルがあげられるが、本発明はかかる例示によって限定されるものではない。
【0020】
前記軟化剤の配合量は、あまりにも多すぎるばあいには、えられるトレッドゴム組成物の使用中の硬度が上昇しすぎるので、ジエン系ゴム100重量部に対して0〜15重量部、好ましくは3〜10重量部とされる。
【0021】
また、本発明のトレッドゴム組成物の補強性を向上させるために、シランカップリング剤を配合することが好ましい。
【0022】
かかるシランカップリング剤の代表例としては、たとえば一般式(I):
【0023】
【化2】
【0024】
(式中、mは1〜6の整数、nは1〜4の整数、kは1〜6の整数を示す)で表わされるシランカップリング剤、一般式(II):
(Cn H2n+1O)3 Si−(CH2 )m −X (II)
(式中、mおよびnは前記と同じ、Xはメルカプト基、アミノ基、エポキシ基またはビニル基を示す)で表わされるシランカップリング剤などがあげられ、かかるシランカップリング剤は単独でまたは2種以上を混合して用いることができる。
【0025】
前記シランカップリング剤の配合量は、あまりにも少ないばあいには、補強性が小さくなり、また耐摩耗性、耐カット性が劣るようになり、またあまりにも多いばあいには、えられるトレッドゴム組成物の硬度が上昇し、凍結路面上での性能が低下する傾向があるので、ジエン系ゴム100重量部に対して1〜10重量部、なかんづく3〜8重量部であることが好ましい。
【0026】
また、本発明のトレッドゴム組成物には、粘着摩擦、掘り起こし摩擦を向上させるために、セルロース物質を用いることが好ましい。
【0027】
前記セルロース物質の具体例としては、たとえば米穀のもみ殻、麦殻、コルク片、おがくずなどの粉砕物などがあげられるが、これらのなかでは、硬度面でもみ殻がとくに好ましい。
【0028】
前記セルロース物質の平均粒子径は、あまりにも小さいばあいには、掘り起こし効果が充分に発現されず、またあまりにも大きいばあいには、走行後にトレッドの表面が荒れやすくなり、ゴム自体の氷表面との接地面積が減少し、粘着効果が減少するようになるので、20〜600μm、なかんづく100〜200μmであることが好ましい。
【0029】
前記セルロース物質の配合量は、あまりにも少ないばあいには、目的とするスパイク効果が充分に発現されがたくなり、またあまりにも多いばあいには、えられるトレッドゴム組成物の硬度が高くなり、粘着効果が小さくなる傾向があるので、ジエン系ゴム100重量部に対して3〜20重量部、なかんづく5〜15重量部であることが好ましい。
【0030】
本発明のトレッドゴム組成物には、必要に応じてたとえば、酸化亜鉛、ステアリン酸などの加硫助剤、メルカプトベンゾチアゾール(MBT)、ジベンゾチアジルジスルファイド(MBTS)、N−tert−ブチル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド(TBBS)、N−シクロヘキシル−2−ベンゾチアジルスルフェンアミド(CBS)などのチアゾール系促進剤などの加硫促進剤、有機繊維、発泡剤などの添加剤を配合することができる。これらの添加剤の配合量は、本発明の目的を阻害しない範囲内で適宜調整することが好ましい。
【0031】
本発明のトレッドゴム組成物は、(株)岩本製作所製の粘弾性スペクトロメータを用い、周波数10Hz、初期歪10%、振幅±0.25%および昇温速度2℃/minの条件下で測定した粘弾性(tanδ)分布曲線において、tanδピーク温度(Tg)は、硬度の上昇を小さくし、氷上グリップ性を向上させるために、−45℃以下、好ましくは−50℃以下である。かかるtanδピーク温度(Tg)は、ジエン系ゴムの種類、混合比を調整することによって調節することができる。
【0032】
つぎに本発明を実施例にもとづいてさらに詳細に説明するが、本発明はかかる実施例のみに限定されるものではない。
【0033】
実施例1〜6および比較例1〜4
表1に示す成分をニーダーを用いて混練してトレッドゴム組成物をえた。えられたゴム組成物のtanδピーク温度(Tg)を以下の方法にしたがって調べた。その結果を表1に示す。
【0034】
(tanδピーク温度(Tg))
(株)岩本製作所製の粘弾性スペクトロメーターを用い、周波数10Hz、初期歪10%、振幅±0.25%および昇温速度2℃/minの条件下で測定した粘弾性(tanδ)分布曲線からtanδピーク温度(Tg)を求めた
えられたタイヤ用ゴム組成物から、タイヤサイズ165SR13のタイプのスタッドレスタイヤを製造し、以下の方法にしたがってタイヤ氷上テストを行なった。そのテスト結果をタイヤ用ゴム組成物の組成とともに表1に示す。
【0035】
【0036】
つぎに、えられたスタッドレスタイヤのゴム硬度Hs値を以下の方法にしたがって調べた。その結果を表1に示す。
【0037】
(ゴム硬度Hs)
JIS K 6301に規定された方法にしたがって0℃におけるゴム硬度Hs(JIS−A)を測定した。
【0038】
なお、表1中、各略号は、以下のことを意味する。
【0039】
【0040】
【表1】
【0041】
表1に示された結果から、実施例1〜6でえられたトレッドゴム組成物は、いずれもtanδピーク温度(Tg)が−45℃以下であり、氷結路面に対するグリップ性がすぐれたものであることがわかる。また、比較例2で得られたトレッドゴム組成物は、tanδピーク温度(Tg)が−45℃よりも高く、その硬度が上昇するため、氷結路面に対するグリップ性能が低下することがわかる。
【0042】
【発明の効果】
本発明のトレッドゴム組成物は、とくに氷結ないし凍結路面に対してすぐれたグリップ性を有するスタッドレスタイヤを提供しうるという効果を奏する。
【産業上の利用分野】
本発明はトレッドゴム組成物に関する。さらに詳しくは、たとえばスタッドレスタイヤなどに好適に使用しうるトレッドゴム組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、雪上や氷上などを走行する際には、たとえばスパイクタイヤ、スタッドレスタイヤなどが用いられている。
【0003】
前記スパイクタイヤは、とくに氷結路面でのグリップ性にすぐれたものであるが、舗装道路を走行する際に路面を摩耗し、しかも粉塵を生じるため、その使用が規制されている。
【0004】
そこで、近年、スパイクタイヤに代わりうるものとして、スタッドレスタイヤが脚光を浴びつつあり、スパイクタイヤと同様のグリップ性を有するスタッドレスタイヤが開発されている。
【0005】
しかしながら、前記スタッドレスタイヤは、雪上性能面では、スパイクタイヤと比べて何ら遜色のない性能を発揮するものであるが、凍結路面では、スパイクタイヤと比べてグリップ性が劣るばあいもあり、その改善が要求されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、前記従来技術に鑑みてなされたものであり、とくに氷結ないし凍結路面におけるグリップ性にすぐれたスタッドレスタイヤに好適に使用しうるトレッドゴム組成物を提供することを目的とするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
すなわち本発明は、天然ゴムおよびポリブタジエンゴムの少なくとも1種を主成分とするジエン系ゴム100重量部に対して、シリカ50〜130重量部および軟化剤0〜15重量部を含有してなり、全充填剤にしめるシリカの割合が70重量%以上であって、tanδピーク温度(Tg)が−45℃以下、0℃におけるゴム硬度が64以下であることを特徴とするトレッドゴム組成物に関する。
【0008】
【作用および実施例】
タイヤトレッドゴムの摩擦を支配する因子として、(イ)ヒステリシスによる摩擦、(ロ)粘着による摩擦、(ハ)掘り起こし(ひっかき)摩擦が考えられており、さらに水分が存在するばあいには、(ニ)排水効果も加わってくる。
【0009】
凍結路面のように摩擦係数が小さい路面では、(イ)ヒステリシスによる摩擦による影響がほとんどなく、(ロ)粘着による摩擦、(ハ)掘り起こし摩擦および(ニ)排水効果が非常に重要になってくる。
【0010】
本発明は、摩擦を支配する因子のなかでもとくに(ロ)粘着による摩擦に注目し、種々の粉体、添加剤による摩擦力への影響について研究したところ、シリカを多量に充填したゴムが凍結路面(氷上)での摩擦力が大きいことを見出し、さらにゴムとして低温特性にすぐれたジエン系ゴムと該シリカとを組み合わせ、tanδピーク温度(Tg)を特定の温度とすることにより、凍結路面での摩擦力がより一層高められるという事実にもとづいて完成されたものである。
【0011】
本発明のトレッドゴム組成物は、前記したように天然ゴムおよびポリブタジエンゴムの少なくとも1種を主成分とするジエン系ゴム100重量部に対して、シリカ50〜130重量部および軟化剤0〜15重量部を含有し、全充填剤にしめるシリカの割合が70重量%以上であって、−45℃以下のtanδピーク温度(Tg)および64以下の0℃におけるゴム硬度を有するものである。
【0012】
本発明においては、ベースゴムとして、天然ゴムおよびポリブタジエンゴムの少なくとも1種を主成分とするジエン系ゴムが用いられるが、ここで主成分とは、ジエン系ゴム中に50重量%以上含有されることをいう。なお、低温特性の向上の点から、ジエン系ゴム中における天然ゴムおよびポリブタジエンゴムの少なくとも1種の含有量は、80重量%以上であることが好ましい。
【0013】
なお、本発明においては、本発明の目的が阻害されない範囲内で、たとえばイソプレンゴム、スチレン−ブタジエン共重合ゴムなどを本発明に用いられるジエン系ゴムに配合してもよい。
【0014】
前記ジエン系ゴムには、充填剤としてカーボンブラックが配合されるが、かかるカーボンブラックの配合量は、あまりにも多いばあいには、硬度が上昇し、氷上性能が劣るようになり、またあまりにも少ないばあいには、耐カット性が小さくなる傾向があるので、ジエン系ゴム100重量部に対して30〜50重量部程度であることが好ましい。
【0015】
前記シリカは、えられるトレッドゴム組成物に凍結路面上でのグリップ性を付与するために用いられる成分であり、あまりにも少ないばあいには、該シリカを配合することによる効果が充分に発現されず、またあまりにも多いばあいには、えられるトレッドゴム組成物の硬度が上昇し、凍結路面上での性能が低下するので、ジエン系ゴム100重量部に対して50〜130重量部である。
【0016】
前記シリカの1次粒子径は、とくに限定がないが、えられるトレッドゴム組成物中に均一に分散させるためには、通常10〜40mμm、なかんづく15〜25mμm程度であることが好ましい。
【0017】
なお、前記シリカおよびカーボンブラックからなる充填剤にしめる該シリカの割合は、凍結路面上での高グリップ性を付与するためには、70重量%以上、なかんづく80重量%以上であることが好ましい。
【0018】
また、本発明のトレッドゴム組成物には、軟化剤が用いられる。
【0019】
かかる軟化剤の具体例としては、たとえばナフテン系プロセスオイル、パラフィン系プロセルオイルなどのプロセスオイルがあげられるが、本発明はかかる例示によって限定されるものではない。
【0020】
前記軟化剤の配合量は、あまりにも多すぎるばあいには、えられるトレッドゴム組成物の使用中の硬度が上昇しすぎるので、ジエン系ゴム100重量部に対して0〜15重量部、好ましくは3〜10重量部とされる。
【0021】
また、本発明のトレッドゴム組成物の補強性を向上させるために、シランカップリング剤を配合することが好ましい。
【0022】
かかるシランカップリング剤の代表例としては、たとえば一般式(I):
【0023】
【化2】
【0024】
(式中、mは1〜6の整数、nは1〜4の整数、kは1〜6の整数を示す)で表わされるシランカップリング剤、一般式(II):
(Cn H2n+1O)3 Si−(CH2 )m −X (II)
(式中、mおよびnは前記と同じ、Xはメルカプト基、アミノ基、エポキシ基またはビニル基を示す)で表わされるシランカップリング剤などがあげられ、かかるシランカップリング剤は単独でまたは2種以上を混合して用いることができる。
【0025】
前記シランカップリング剤の配合量は、あまりにも少ないばあいには、補強性が小さくなり、また耐摩耗性、耐カット性が劣るようになり、またあまりにも多いばあいには、えられるトレッドゴム組成物の硬度が上昇し、凍結路面上での性能が低下する傾向があるので、ジエン系ゴム100重量部に対して1〜10重量部、なかんづく3〜8重量部であることが好ましい。
【0026】
また、本発明のトレッドゴム組成物には、粘着摩擦、掘り起こし摩擦を向上させるために、セルロース物質を用いることが好ましい。
【0027】
前記セルロース物質の具体例としては、たとえば米穀のもみ殻、麦殻、コルク片、おがくずなどの粉砕物などがあげられるが、これらのなかでは、硬度面でもみ殻がとくに好ましい。
【0028】
前記セルロース物質の平均粒子径は、あまりにも小さいばあいには、掘り起こし効果が充分に発現されず、またあまりにも大きいばあいには、走行後にトレッドの表面が荒れやすくなり、ゴム自体の氷表面との接地面積が減少し、粘着効果が減少するようになるので、20〜600μm、なかんづく100〜200μmであることが好ましい。
【0029】
前記セルロース物質の配合量は、あまりにも少ないばあいには、目的とするスパイク効果が充分に発現されがたくなり、またあまりにも多いばあいには、えられるトレッドゴム組成物の硬度が高くなり、粘着効果が小さくなる傾向があるので、ジエン系ゴム100重量部に対して3〜20重量部、なかんづく5〜15重量部であることが好ましい。
【0030】
本発明のトレッドゴム組成物には、必要に応じてたとえば、酸化亜鉛、ステアリン酸などの加硫助剤、メルカプトベンゾチアゾール(MBT)、ジベンゾチアジルジスルファイド(MBTS)、N−tert−ブチル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド(TBBS)、N−シクロヘキシル−2−ベンゾチアジルスルフェンアミド(CBS)などのチアゾール系促進剤などの加硫促進剤、有機繊維、発泡剤などの添加剤を配合することができる。これらの添加剤の配合量は、本発明の目的を阻害しない範囲内で適宜調整することが好ましい。
【0031】
本発明のトレッドゴム組成物は、(株)岩本製作所製の粘弾性スペクトロメータを用い、周波数10Hz、初期歪10%、振幅±0.25%および昇温速度2℃/minの条件下で測定した粘弾性(tanδ)分布曲線において、tanδピーク温度(Tg)は、硬度の上昇を小さくし、氷上グリップ性を向上させるために、−45℃以下、好ましくは−50℃以下である。かかるtanδピーク温度(Tg)は、ジエン系ゴムの種類、混合比を調整することによって調節することができる。
【0032】
つぎに本発明を実施例にもとづいてさらに詳細に説明するが、本発明はかかる実施例のみに限定されるものではない。
【0033】
実施例1〜6および比較例1〜4
表1に示す成分をニーダーを用いて混練してトレッドゴム組成物をえた。えられたゴム組成物のtanδピーク温度(Tg)を以下の方法にしたがって調べた。その結果を表1に示す。
【0034】
(tanδピーク温度(Tg))
(株)岩本製作所製の粘弾性スペクトロメーターを用い、周波数10Hz、初期歪10%、振幅±0.25%および昇温速度2℃/minの条件下で測定した粘弾性(tanδ)分布曲線からtanδピーク温度(Tg)を求めた
えられたタイヤ用ゴム組成物から、タイヤサイズ165SR13のタイプのスタッドレスタイヤを製造し、以下の方法にしたがってタイヤ氷上テストを行なった。そのテスト結果をタイヤ用ゴム組成物の組成とともに表1に示す。
【0035】
【0036】
つぎに、えられたスタッドレスタイヤのゴム硬度Hs値を以下の方法にしたがって調べた。その結果を表1に示す。
【0037】
(ゴム硬度Hs)
JIS K 6301に規定された方法にしたがって0℃におけるゴム硬度Hs(JIS−A)を測定した。
【0038】
なお、表1中、各略号は、以下のことを意味する。
【0039】
【0040】
【表1】
【0041】
表1に示された結果から、実施例1〜6でえられたトレッドゴム組成物は、いずれもtanδピーク温度(Tg)が−45℃以下であり、氷結路面に対するグリップ性がすぐれたものであることがわかる。また、比較例2で得られたトレッドゴム組成物は、tanδピーク温度(Tg)が−45℃よりも高く、その硬度が上昇するため、氷結路面に対するグリップ性能が低下することがわかる。
【0042】
【発明の効果】
本発明のトレッドゴム組成物は、とくに氷結ないし凍結路面に対してすぐれたグリップ性を有するスタッドレスタイヤを提供しうるという効果を奏する。
Claims (4)
- 天然ゴムおよびポリブタジエンゴムの少なくとも1種を主成分とするジエン系ゴム100重量部に対して、シリカ50〜130重量部および軟化剤0〜15重量部を含有してなり、全充填剤にしめるシリカの割合が70重量%以上であって、tanδピーク温度(Tg)が−45℃以下、0℃における硬度が64以下であることを特徴とするトレッドゴム組成物。
- 平均粒子径が20〜600μmのセルロース物質をジエン系ゴム100重量部に対して3〜20重量部含有してなる請求項1または2記載のトレッドゴム組成物。
- ジエン系ゴムにおける天然ゴムおよびポリブタジエンゴムの少なくとも1種の含有率が80重量%以上である請求項1、2または3記載のトレッドゴム組成物。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2527493A JP3771942B2 (ja) | 1993-02-15 | 1993-02-15 | トレッドゴム組成物 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2527493A JP3771942B2 (ja) | 1993-02-15 | 1993-02-15 | トレッドゴム組成物 |
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JPH06240052A JPH06240052A (ja) | 1994-08-30 |
JP3771942B2 true JP3771942B2 (ja) | 2006-05-10 |
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Family Applications (1)
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JP2527493A Expired - Fee Related JP3771942B2 (ja) | 1993-02-15 | 1993-02-15 | トレッドゴム組成物 |
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FR2925913B1 (fr) * | 2007-12-27 | 2010-10-22 | Michelin Soc Tech | Composition de caoutchouc pour bande de roulement de pneumatique hiver |
JP4810567B2 (ja) * | 2008-12-10 | 2011-11-09 | 住友ゴム工業株式会社 | スタッドレスタイヤ用トレッドゴム組成物及びスタッドレスタイヤ |
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1993
- 1993-02-15 JP JP2527493A patent/JP3771942B2/ja not_active Expired - Fee Related
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