JP3765096B2 - 橋梁架設交換施工方法 - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
本発明は鉄道橋や道路橋の架設及び交換を行うことが出来る橋梁架設交換施工方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
列車の運転をしながら橋梁の架設交換(以下架替と云う)を行うには、多くの制約や問題点がありそれらを列記する。
1.架替え工事の使用出来る時間に厳しい制約があると共に、安全確実に施工する必要がある。
2.従来橋梁の撤去を同時に行う必要がある。
3.従来のレール等の撤去物の復旧作業が伴う。
4.比較的長時間の列車間合を必要とするため夜間工事になることが多い。
5.組立のためのスペース及びクレーン等の搬入路の確保が必要である。
6.上空に電車架空線等があり直接クレーンによる施工が不可能なことが多い。
【0003】
このような制約を考慮に入れて施行する工法として次のものが考えられている。
(ア)横取り工法:足場を組み従来橋梁を横移動させるもので、足場に要する仮設費が大きくなるので、これらが容易に出来るかどうか検討する必要がある。
(イ)縦取り・横取り併用工法:この工法は、横取り用の足場(支保工)を線路の片側にしか仮設出来ない場合に用いる。
(ウ)回転式架替え工法:新橋梁を上下逆にして在来橋梁を上に重ね、回転機により新旧橋梁を同時に180°回転して新橋梁と在来橋梁を置換える方法で、支間9.8〜16.0mの橋梁に一般的に用いられる。
(エ)クレーンによる架替え工法:橋梁の架替え場所にトラッククレーンが進入出来る場合に用いる。
【0004】
以上の通りであるが近年では電車架線が上空にあるため前記(イ)縦取り・横取り併用工法と(エ)クレーンによる架替え工法を併用したクレーンによる横取架替え工法が普及して来ているのでその代表的な一例を図面(図10乃至、図12)について説明する。
架替する橋梁(以下在来橋梁と云う)を設置している河川の渇水期に、クレーン31の搬入路を含めて河川内に桟橋32を設置する。
その後桟橋32上に足場33a,33bを設け、この足場33a,33b間上方に新旧の橋梁を横取りする横取設備34を設置する。
そして搬入路を通ってクレーン31を足場33b横に搬送設置し、クレーン31の動く半径内に新橋梁35を地組立てして置く。
このように新橋梁35の準備が整うと在来橋梁36を油圧ジャッキ・チルホール等の横取設備を足場33aに設置し人力による作業にてジャッキアップして足場33aより足場33b上に移動し、クレーン31にて在来橋梁36を吊り上げる時、電車架空線37が邪魔にならないようにしておく。
足場33b上に移動した在来橋梁36をクレーン31にて足場33bより取り除き、クレーン31の作業半径内で新橋梁35に重ならないよう並列に仮設する。
【0005】
そして新橋梁35をクレーン31にて持上げ電車架空線37は邪魔にならないので足場33b上に設け横取設備で人力によって足場33aに移動し架設する。
その後他方では撤去した在来橋梁36を解体して搬出し、続いて足場33a,33bを更に桟橋32を撤去して架設工事が完了する。
この場合新橋梁の地組立・足場・桟橋・搬入路などの架替のための準備工事は河川の渇水期に行うため、実際の架替は終列車から翌日の始発列車までの時間内に行うが、準備から完了するまで通常は数年に跨り長期の工事となる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
このように実際の架替時間は工事期間に比べると短いが、渇水期という季節を考えないといけないため期間が長くなり、架替準備として足場などを設置すると、そのままの状態で長い期間危険の無いよう維持する必要があり、それに要する備品・物品の費用はもとより、人力による作業が多いため人件費などの仮設費用が莫大となると共に、数年に跨るための時間や手間暇が掛る。
そして河川内の施工のため河川を泥濁し、関係官庁や保証等の問題が発生し、施工期間が限定される。
更に人力による作業も、足場の組立・撤去・橋梁の移動撤去と高所が多く危険性が大であるなど架替作業及び安全管理上非常に不都合を感じていた。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明はこのような不都合を解消し、渇水期などの季節に関係なく、複線或は平行道路が通っている場合に何時でも簡単に架替を行うことが出来るようにした橋梁架設交換施工方法を提供せんとするものである。
【0008】
橋の入れ替え場所或は新橋梁の架設場所を跨いで両側に運搬トロリーを配置し、各運搬トロリー上に搭載したカタパルトをターンテーブルにて直角方向に旋回して速やかに横軌条となるように設置し、ガーターを支持する支持体を上下動可能とした持上装置の下方に、ターンテーブルを介してカタパルト上を移動する台車を設け、カタパルト旋回時にカタパルトと共に台車も旋回し、且つターンテーブルにて持上装置は静止状態を維持するようにした横取装置をカタパルト上に搭載し、此の横取装置をカタパルト上で移動させ、隣接する軌条或は道路を使用して、新旧の橋梁の入れ替え或は新橋梁の架設の施工を行なうようにしたものである。
【0009】
【作用】
この横取装置とカタパルトにて隣接する軌条或は道路などを使用して新旧の橋梁の入れ替えや新橋梁の架設の施工を行なうことによって、足場・桟橋・搬入路などの設置が必要ないので、季節に左右されず且つカタパルトの旋回によって軌条の直角方向にカタパルトを出すことによって、カタパルトを横軌条として用いることが出来、その設置も簡単で手早く出来るため施工が何時でも自由に行なえる。
そしてカタパルト上を横取装置が移動するため横揺れなどが生じることなく安全に吊った橋梁の移動を行なうことが出来、更に橋梁吊設の取付け取り外し作業以外は、人手による作業は殆ど無くなると共に高所での作業も少なくなるなど安全性が増大する。
このため短時間での施工が行なえ、終電から始発までの数時間内での施工が可能となる。
【0010】
【実施の形態】
以下本発明の一実施例を図面について説明する。
1.準備
A 架替用器材類の準備
レール1上を走行する運搬トロリー2上にターンテーブル3にてカタパルト4の旋回を可能とし、スクリュージャッキからなる扛上装置5にてガーター6を支持する支持体7を上下動自在とした持上装置8の下方に、ターンテーブル9を介してカタパルト4上を移動する台車10を設け、カタパルト4旋回時にカタパルト4と共に台車10も旋回し、且つ持上装置8はターンテーブル9によって静止状態を維持するようカタパルト4上に搭載した横取装置11を載置し、チェーンブロック12を設けたガーター6の両端を持上装置8の支持体7にて支持し、軌道車13にて運搬トロリー2を発電気台車14と共に引張を可能とする。(図1及び図2参照)
B 施工現場での設置
架替場所に軌道車13で発電気台車14・運搬トロリー2を引張っていき、撤去する在来橋梁15を跨いで両側に横取装置11を設け、軌道車13と発電気台車14を分離してカタパルト4の回転半径外へ移動すると共に、在来橋梁15上のレール1aを撤去する。
そして平行する軌条16に搬出台車17を搬入し在来橋梁15に合わせて両端の適位置に設けておく。
【0011】
2.在来橋梁の撤去
A 吊り上げ
運搬トロリー2上のターンテーブル3にてカタパルト4を平行する軌条16方向へ旋回し軌条1と直角の位置で止め、付属のジャッキ及び架台にてカタパルト4を水平に支持する。
そしてガーター6に装着したギャトロリー付チェンブロック12や荷締め道具にて撤去する在来橋梁15を荷締めする。
横取装置11の持上装置8によって支持体7にて支持するガーター6を持ち上げ在来橋梁15を地切りし、その状態で更に扛上装置5にて最高の位置まで持ち上げる。(図3及び図4参照)
【0012】
B 横移動
横取装置11を台車10にてカタパルト4上を先端付近まで移動し、搬出台車17に在来橋梁15を載せ荷締めを除く。(図5参照)
C 整理
横取装置11をカタパルト先端より元の位置まで移動してからカタパルト4を旋回して元に戻し、軌条16上の障害物を無くしてから、軌道車19aにて在来横梁15の載っている搬出台車17を搬出し在来橋梁15の撤去が終わる。(図6参照)
【0013】
3.新橋梁の架設
A 吊り上げ
搬出台車20上の新橋梁21を平行する軌条16に搬入し所定位置に設置する。(図7参照)
そしてカタパルト4を旋回させ付属ジャッキ及び架台にて水平に支持する。
そのようにしてから横取装置11を台車10にてカタパルト4上を先端付近まで移動させてガーター6を橋梁21上に合わせてから、ギャトロリー付チェーンブロック12にて荷締めし、横取装置11の持上装置10にて搬出台車20より新橋梁21を持ち上げる。(図8参照)
B その状態で新桁21を設置する位置までカタパルト4上を台車10にて横取装置11を移動し、持上装置10にて新橋梁21を下ろして架設をする。(図9参照)
【0014】
4.後片ずけ
新橋梁21上にレール1aを敷き本線の軌条1と連結してからカタパルト4を旋回して元に戻し、軌道車13・発電気台車14を運搬トロリー2に連結し、軌道車13にて移動させ,後を片ずけて架替作業を完了する。
【0015】
【発明の効果】
上述の如く本発明は、旋回にてカタパルトを軌条に直角に設け、そのカタパルト上に横取装置を移動可能に設けて、新旧の橋梁の吊上、横移動、撤去を行って新設・架替を可能としたことによって、季節や河川の状態に関係なく何時でも短時間で施工することが出来る。
そして新旧橋梁の吊上げのための横取作業以外は人手の作業が少なくなり且つ高所での作業も減って来ているため管理上も安全となる。
又一度の施工で設備品の使用が終わるのでなく何度でも異なる場所での使用が可能であるなど経費と時間の節約による経済性と管理面での安全性が増加する等多くの特長を有し産業利用上非常に優れた発明である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明実施例の架替用器材類の準備をした正面図である。
【図2】 本発明実施例の架替用器材類の準備をした平面図である。
【図3】 本発明実施例の在来橋梁の撤去における吊り上げの平面図である。
【図4】 本発明実施例の在来橋梁の撤去における吊り上げの正面図である。
【図5】 本発明実施例の在来橋梁の撤去における横移動の平面図である。
【図6】 本発明実施例の在来橋梁の撤去における整理の平面図である。
【図7】 本発明実施例の新橋梁の架設における吊り上げの平面図である。
【図8】 本発明実施例の新橋梁の架設における吊り上げの平面図である。
【図9】 本発明実施例の新橋梁の架設における横移動の平面図である。
【図10】 従来のクレーンによる架替工法の準備の正面図である。
【図11】 従来のクレーンによる架替工法の旧橋梁の撤去の正面図である。
【図12】 従来のクレーンによる架替工法の新橋梁の架設の正面図である。
【符号の説明】
1 軌条
1a レール
2 運搬トロリー
3 ターンテーブル
4 カタパルト
5 扛上装置
6 ガーター
7 支持体
8 持上装置
9 ターンテーブル
10 台車
11 横取装置
12 チェーンブロック
13 軌道車
14 発電気台車
15 在来橋梁
16 軌条
17 搬出台車
19a 軌道車
19b 軌道車
20 搬出台車
21 新橋梁
Claims (1)
- 橋の入れ替え場所或は新橋梁の架設場所を跨いで両側に運搬トロリーを配置し、各運搬トロリー上に搭載したカタパルトをターンテーブルにて直角方向に旋回して速やかに横軌条となるように設置し、ガーターを支持する支持体を上下動可能とした持上装置の下方に、ターンテーブルを介してカタパルト上を移動する台車を設け、カタパルト旋回時にカタパルトと共に台車も旋回し、且つターンテーブルにて持上装置は静止状態を維持するようにした横取装置をカタパルト上に搭載し、此の横取装置をカタパルト上で移動させ、隣接する軌条或は道路を使用して、新旧の橋梁の入れ替え或は新橋梁の架設の施工を行なうようにしたことを特徴とする橋梁架設交換施工方法。
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JP19038197A JP3765096B2 (ja) | 1997-06-10 | 1997-06-10 | 橋梁架設交換施工方法 |
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