JP3763154B2 - 撹拌装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、高粘度流体及び懸濁状態の流体を撹拌するための装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
ヘリカルリボンを有する撹拌翼(以下、ヘリカルリボン翼という)は化学工業、食品工業などで高粘度流体、ペースト状流体の撹拌混合に用いられる。このヘリカルリボン翼は、当該翼と伝熱面である撹拌槽壁とのクリアランスを小さくすることにより、壁近傍の流体を積極的に流動させ滞留しやすい流体の層(以下、境膜という)の更新を促進させ、伝熱速度を向上させるという効果を有する。また、ヘリカルリボン翼の使用によって、槽内全域に流体の上下方向の流れを起こし、伝熱効率を向上させ、撹拌槽内温度の均一化が図られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
実際の撹拌系では、たとえば、重合反応のように徐々に流体の粘度が高粘度化するものが数多くみられる。しかし、撹拌流が層流域では撹拌に要する動力が液の粘度に比例して増大するので、液が高粘度になるほど大きな撹拌動力を要し、充分な分散、混合状態を得ることが困難となる。また、境膜の充分な更新が達成されず伝熱効率も低下し槽内の温度むら(槽内の最高温度と最低温度の差をいう。)も大きくなる。さらに、液の粘度が高いと、撹拌動力から変換される熱、すなわち撹拌熱の発生が撹拌槽内の温度むらをさらに助長させる場合がある。
【0004】
この対策として、スクレイパーを撹拌軸に平行に、かつ撹拌槽壁に接触して設置して、境膜の更新をより促進させて伝熱効率の向上を図る撹拌装置が知られている。図5にこの装置の例を示す。スクレイパー4を撹拌軸1に平行にヘリカルリボン3に取り付けたフレーム5に設置してなる撹拌翼が支持棒2を介して撹拌軸1に固定されている。
【0005】
しかし、この撹拌装置では、撹拌軸に平行に設置したスクレイパー4がヘリカルリボンによる上下方向の流れを阻害し、流体と撹拌翼の共まわりを助長し、槽全体の流動を悪化させる。また、境膜更新の効果を打ち消し伝熱効率が低下する欠点がある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明は上記問題点を解決すべくなされたもので、撹拌槽と、スクレイパーが外周に沿わせて設けられている、撹拌槽内に液の上下方向の流れを起こすためのヘリカルリボンを、1条又は複数条設置した撹拌翼とを有する、液を撹拌するための撹拌装置であって、前記スクレイパーが撹拌槽壁に押し付けられている撹拌装置を提供する。
【0007】
また撹拌翼がその内部又は下部にパドル翼を有することが好ましい。さらに撹拌槽の静止水界面部に邪魔板を設置してなることが好ましい。
また本発明は、上記撹拌装置を用いることを特徴とする重合体の製造方法を提供する。さらに、前記重合体が含フッ素単量体の単独重合体又は共重合体であることが好ましい。
【0008】
【発明の実施の形態】
本発明の撹拌装置の一例を図1に示す。図1に示すように、ヘリカルリボン3の外周に沿わせてスクレイパー4が一体的に、かつ撹拌槽壁を掻くように押し付けて取り付けられている。このスクレイパー付きのヘリカルリボン3は支持棒2を介して撹拌軸1に取り付けられている。ヘリカルリボン3を2条設けているが、1条のみ又は3条以上からなるヘリカルリボンも設置できる。通常は、2条又は1条のヘリカルリボンが好ましい。
【0009】
ヘリカルリボン3はその下端部を支持棒2を介して撹拌軸1に固定されているが、一般的に撹拌装置のスケールアップ等による撹拌翼のぶれ対策として、たとえばヘリカルリボンの上部にも支持棒を設ける等により複数の点で撹拌軸に固定できる。
【0010】
図1において、Dは撹拌槽径、dはヘリカルリボンの翼径、hはヘリカルリボンの翼高、h1 はヘリカルリボンの翼ピッチ、d1 はヘリカルリボンの翼幅を示す。
【0011】
一般的に、ヘリカルリボンの翼は、帯状の金属平板が撹拌槽壁とクリアランスを有し、撹拌槽壁に沿って螺旋状に設置されたものであり、ヘリカルリボンの回転により撹拌槽壁近傍流体の流れが起る。
【0012】
本発明における撹拌槽壁を掻くように押し付けるように取り付けられたスクレイパー付きヘリカルリボンの翼の撹拌による作動の一例を図2に示す。作動時の撹拌翼断面を示す図2からわかるように、幅d1 のヘリカルリボン3に一部重ねて取り付けられたスクレイパー4が、撹拌翼の回転により撹拌槽壁を削ぐように作用して撹拌槽壁近傍の高粘度流体の強制流を起こし、さらには、撹拌槽壁に付着するスケールを除去するため、スクレイパー付きヘリカルリボンの翼は、ヘリカルリボンのみの翼に比べ流体の混合や伝熱速度の向上に優れた効果を示す。
【0013】
図2に示すように、スクレイパー4は押し曲げられて用いられるため、スクレイパー4の材質としては、撹拌槽壁との摩耗による撹拌槽自体の損傷がないこと、軽量で取り付け取り外しが容易であることから樹脂製であることが好ましい。特に、耐熱性、耐薬品性、付着スケールが除去しやすいなどからフッ素樹脂、たとえばポリテトラフルオロエチレン体(PTFE)製が好ましい。
【0014】
本発明の撹拌装置の別の例を図3に示す。この例では、スクレイパーを取り付けたヘリカルリボンを有する撹拌翼内部及び下部にパドル翼を設置し、撹拌槽の静止水界面部に邪魔板を設置している。
【0015】
図3に示すように、スクレイパー4付きのヘリカルリボン3を有する撹拌翼内部にパドル翼7及び下部にパドル翼8が撹拌軸1に取り付けられている。なお、スクレイパー付きのヘリカルリボンを有する撹拌翼にパドル翼7又はパドル翼8を設置した撹拌翼であってもよい。また、撹拌装置のスケールアップ等による撹拌翼のぶれ対策として、支持棒2以外にヘリカルリボン3の下端にも支持棒を設ける等により複数の点で撹拌軸に固定できる。
【0016】
図3において、Dは撹拌槽径、d3 はパドル翼7の翼長、d4 はパドル翼8の翼長を示す。スクレイパー付きのヘリカルリボンにパドル翼を加えた撹拌翼は、撹拌槽壁近傍の高粘性流体を槽上方向に強制流を起こし伝熱速度を向上させ、さらに、パドル翼7は槽内の流体を均一に混合、分散させると同時に、パドル翼8は槽下部の液滞留部が生じさせない効果を有する。
【0017】
パドル翼7及びパドル翼8として、撹拌軸1に対し平行すなわちパドル翼の傾斜角度が0°か、傾斜しているものを適宜選択して採用できる。通常、ヘリカルリボンにより撹拌槽壁近傍の流体を槽上方向に、パドル翼7により流体を槽下方向に、又はパドル翼8により槽上方向に強制流を起こすことが好ましい。
【0018】
さらに、撹拌槽壁の静止水界面部に邪魔板6が取り付けられている。邪魔板は2枚以上が好ましく、通常、2又は4枚設置される。また、スクレイパー付きのヘリカルリボンのみからなる撹拌翼と邪魔板の組み合わせからなる撹拌装置としてもよい。
【0019】
邪魔板を設置することにより、懸濁重合等に代表されるような微小固体の分散する系、及び反応の進行につれ高粘度化する系において、たとえば、低粘度の重合初期から高粘度の重合後半まで均一に混合できる。
【0020】
本発明のヘリカルリボンへのスクレイパー取り付けの一例を図4に示す。図4に示すように、翼幅d1 の平板状のヘリカルリボン3に一部重ね合わせて幅d2 のスクレイパー4が取り付けられる。スクレイパー4はヘリカルリボン3にネジ止めしてあるが、他の方法で固定してもよい。なお、ヘリカルリボン3の厚みは撹拌系により適宜設定される。
【0021】
本発明の撹拌装置のサイズに関しては、取り付けたスクレイパー外端までの径(d+2d2 )の撹拌槽径Dに対する比は1.01〜1.05が好ましい。この範囲外では、撹拌装置としてスクレイパーの撹拌槽壁を掻く充分な効果が得られにくい。スクレイパー外端からヘリカルリボン内端の長さ(d1 +d2 )の撹拌槽径Dに対する比は0.04〜0.16が好ましい。この範囲外では、撹拌動力が上昇し、さらに、均一な混合状態や適正な伝熱効果が得られにくい。
【0022】
撹拌翼の内部に設置されたパドル翼7の翼長d3 の撹拌槽径Dに対する比は0.4〜0.65が好ましい。この範囲外では、撹拌動力が上昇し、均一な混合状態が得られにくい。撹拌翼の下部に設置されたパドル翼8の翼長d4 の撹拌槽径Dに対する比は0.70〜0.98が好ましい。この範囲外では、下部の混合が不良となり、槽下部に液の滞留部が生じやすくなる。
【0023】
ヘリカルリボンの翼ピッチh1 のヘリカルリボンの翼高hに対する比は、通常、1以上であるが、1未満でもよい。ヘリカルリボンの翼径dの撹拌槽径Dに対する比は0.95〜0.97が好ましい。
【0024】
本発明の撹拌装置は、単量体を重合して重合体を製造するための重合反応装置として特に適する。実施例に示す含フッ素単量体の重合体ばかりでなく、オレフィン、塩化ビニル、メタクリレート等の種々の単量体の重合体の製造に適用できる。とりわけ、テトラフルオロエチレン、クロロトリフルオロエチレン、フッ化ビニリデン、へキサフルオロプロペン等の含フッ素単量体の単独重合体又は共重合体の製造に最適の撹拌装置である。
すなわち本発明は、上述した撹拌装置を用いることを特徴とする重合体の製造方法である。さらに、前記重合体が含フッ素単量体の単独重合体又は共重合体であることが好ましい。
【0025】
【実施例】
合成例は例5、6で用いたスラリーの合成例を示す。
【0026】
[合成例]
内容積10リットルのステンレス製反応容器を脱気し、重合溶媒として3,3,4,4,5,5,6,6,6−ノナフルオロヘキサンを10.5kg、(パーフルオロブチル)エチレンを15g、テトラフルオロエチレンを710g、エチレンを50g、連鎖移動剤としてシクロヘキサンを10.5g仕込んだ。開始剤としてビス(パーフルオロブチリル)パーオキシドの1重量%パーフルオロヘキサン溶液を仕込み、65℃にて反応を開始させた。
【0027】
反応中、反応器内にテトラフルオロエチレンとエチレンの組成比が53/47(モル比)の混合ガスを導入し、反応圧力を8.1kg/cm2 に保持した。重合開始剤は重合速度がほぼ一定になるように断続的に仕込み、合計で100cc仕込んだ。
【0028】
8時間後に共重合体を1.1kg、濃度として130g/リットルのスラリーが得られた。このスラリーの粘度は撹拌動力から推算すると重合温度65℃において5000cPであった。使用した撹拌装置は、2条のヘリカルリボンにスクレイパーを撹拌軸に平行に設置された撹拌翼を有し、邪魔板を設置しなかった。
【0029】
[例1]
2条で、翼径dが195mm、翼高hが150mm、翼幅d1 が20mm、翼ピッチと翼径の比(h1 /d)が0.821のヘリカルリボンに、厚さtが1mm、幅が20mmのPTFE板をヘリカルリボンの外周に沿わせ、ヘリカルリボンの外端からd2 10mmがはみ出すように取り付けた。この撹拌翼を撹拌槽底部が1/2半楕円で、槽径が200mm、槽高380mmで内容積10リットルのガラス撹拌槽に設置した。
【0030】
この槽に濃度1.5重量%、粘度5000cPのヒドロキシエチルセルロース(HEC)(Aqualon社製、商品名;NATROSOL−250HR)水溶液7kgを仕込み、それにトレーサ粒子(粒子径5mm、密度1.4g/cm3 )を添加し60rpmにて撹拌し、トレーサ粒子の動きを目視観察した。その結果、トレーサ粒子は回転方向及び上下方向に移動し、槽内全体に充分な混合が得られた。
【0031】
[例2(比較例)]
例1と同じヘリカルリボンに、厚さtが1mm、幅d2 が10mmのPTFE製スクレイパーを、撹拌軸に平行でヘリカルリボンの外端に設置されたフレームに取り付けた。この翼を例1と同じガラス撹拌槽に設置した。例1と同様にこの槽にHEC水溶液7kgとトレーサ粒子を仕込み、トレーサ粒子の動きを目視観察した。その結果、トレーサ粒子は回転方向には移動するが上下方向にはほとんど移動せず、槽内全体に充分な混合は得られなかった。
【0032】
[例3]
例1と同じスクレイパーを取り付けた撹拌翼を、槽底部が1/2半楕円で、槽径が200mm、槽高が380mmのジャケット付きステンレス製の内容積10リットルの撹拌槽に設置した。この槽に濃度1.5重量%HEC水溶液7kg、水酸化ナトリウム1kgを仕込み充分撹拌した。その後、回転数を300rpm一定とし、濃硫酸(濃度98%)を15g/分の速度で600g滴下し、槽内温度及びジャケット温度と、中和熱及び水和熱を基に算出した総括伝熱係数は430kcal/m2 /hr/℃であった。また、槽内の温度むらは0.5℃以内であった。
【0033】
[例4(比較例)]
例2と同じスクレイパーを取り付けた撹拌翼を例3と同じステンレス撹拌槽に設置し、例3と同様にして総括伝熱係数を求めた。総括伝熱係数は335kcal/m2 /hr/℃であった。また、槽内の温度むらは2.8℃であった。
【0034】
[例5]
例1の撹拌翼の内部に下向流促進のために、翼長d3 が120mm、翼幅が37mmで45°傾斜の2枚パドル翼を、また撹拌翼の下部に上向流促進のために槽底部の形状に合わせた翼長d4 が195mm、翼幅が55mmで30°傾斜の2枚パドル翼を設置した撹拌翼を例3と同じステンレス撹拌槽に設置し、合成例で得られたスラリーを11kg仕込み、例1と同様にしてトレーサ粒子を添加し100rpmにて撹拌し、トレーサ粒子の動きを目視観察した。その結果、共重合体濃度が高いスラリー系においても淀みがなく、トレーサは回転方向及び上下方向に移動し、槽内全体に充分な混合が得られた。
【0035】
[例6(比較例)]
例2と同じ撹拌翼を例3と同じステンレス撹拌槽に設置し、合成例で得られたスラリーを11kg仕込み、例5と同様の試験を行った。その結果、トレーサは回転方向には移動するが上下方向にはほとんど移動せず、槽内全体に充分な混合は得られなかった。
【0036】
[例7]
例1と同じ撹拌翼を、例3と同じステンレス撹拌槽に設置した。この槽を用いて合成例と同様にして溶液重合を行った。この重合で共重合体濃度が120g/リットルにおける総括伝熱係数は、275kcal/m2 /hr/℃であった。また反応槽内の温度むらも、1℃以内と小さかった。共重合体が重合溶媒に膨潤した得られたスラリーの重合反応温度における見掛け粘度は、撹拌動力から4800cPと推算された。
【0037】
[例8]
重合溶媒を1,1,2,2,3,3,4,4,5,5,6,6,6−トリデカフルオロヘキサンに代えた以外は例7と同様にして溶液重合を行った。共重合体の濃度が128g/リットルのスラリーが得られた。この重合における総括伝熱係数は、293kcal/m2 /hr/℃であった。また反応槽内の温度むらも、1℃以内と小さかった。このスラリーの重合温度におけるその見かけ粘度は撹拌動力から5000cPと推算された。
【0038】
[例9]
重合溶媒をパーフルオロヘキサンに代えた以外は例7と同様にして溶液重合を行った。共重合体の濃度が135g/リットルのスラリーが得られた。この重合における総括伝熱係数は、278kcal/m2 /hr/℃であった。また、反応槽内の温度むらも1℃以内と小さかった。
【0039】
[例10(比較例)]
例2と同様の撹拌翼を用いる以外は例9と同様にして溶液重合を行った。この重合における総括伝熱係数は、125kcal/m2 /hr/℃であった。また、反応槽内の温度むらは2.3℃であった。共重合体がパーフルオロヘキサンに膨潤した得られたスラリーの重合温度におけるその見かけ粘度は、撹拌動力から5000cPと推算された。
【0040】
[例11]
例5の撹拌翼を例1と同じガラス撹拌槽に設置し、また静止水界面に2枚の邪魔板を取り付けた。その槽に脱塩水を3.59kg、パーフルオロヘキサンを5.62kgを仕込み、トレーサ粒子を添加し、200rpmにて撹拌してトレーサ粒子の動きの目視観察を行った。滞留部もなく均一な懸濁状態が得られた。
【0041】
[例12(比較例)]
例2の撹拌翼に代えた以外は、例11と同様にして撹拌試験を行った。その結果300rpmにて、ガラス槽下部周辺にトレーサ粒子の滞留部が現れ、さらに撹拌回転数を上げてもその滞留部は解消されなかった。
【0042】
[例13]
例1の撹拌翼を例3と同様の撹拌槽に設置し、また静止水界面に2枚の邪魔板を取り付けた。この槽を脱気し、3.59kgの脱塩水、5.62kgのパーフルオロヘキサン、15gの(パーフルオロヘキシル)エチレン、798gのテトラフルオロエチレン、28gのエチレンを仕込んだ。連鎖移動剤としてシクロヘキサンを3.59g、開始剤としてビス(パーフルオロブリチル)パーオキシドの1重量%パーフルオロヘキサン溶液を仕込み、懸濁重合反応を開始させた。反応中、反応器内にテトラフルオロエチレンとエチレンの組成が60/40(モル比)の混合ガスを導入し、反応圧力を14.7kg/cm2 に保持した。重合開始剤は重合速度が一定になるように断続的に仕込み、合計で200cc仕込んだ。8時間後に共重合体にて1.1kg、濃度として130g/リットルの懸濁液が得られた。この重合における総括伝熱係数は、410kcal/m2 /hr/℃であった。また、反応槽内の温度むらも1℃以内と小さかった。
【0043】
[例14(比較例)]
例2と同様の撹拌翼を用いた以外は例13と同様にして懸濁重合を行った。この重合における総括伝熱係数は120kcal/m2 /hr/℃であった。また、反応槽内の温度むらは2.3℃であった。
【0044】
【発明の効果】
上述のとおり、ヘリカルリボンの外周にスクレイパーを一体的に、かつ撹拌槽壁を掻くように押し付けて設けることより、撹拌槽壁の境膜を強制的に更新し、伝熱効率を向上させ、撹拌槽内温度の均一化の促進を図れる。また、流体の循環流を促進すべく、スクレイパー付きヘリカルリボン翼の内部又は/及び下部に補助翼を併設することにより、全体の混合をさらに改良できる。
【0045】
さらに、撹拌槽に邪魔板を設置することにより、重合初期の低スラリー濃度の低見掛け粘度の懸濁分散状態から重合後期の高スラリー濃度の高見掛け粘度の懸濁重合系において良好な混合状態が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の撹拌装置の一例の正面図
【図2】本発明におけるスクレイパー付ヘリカルリボン翼の作動時の状態をしめす断面図
【図3】本発明の撹拌装置の別の例の正面図
【図4】本発明におけるスクレイパー付ヘリカルリボン翼の断面図
【図5】従来の撹拌装置の正面図
【符号の説明】
1:撹拌軸、
2:支持棒、
3:ヘリカルリボン、
4:スクレイパー、
5:フレーム、
6:邪魔板、
7:内部パドル翼、
8:下部パドル翼。
Claims (5)
- 撹拌槽と、スクレイパーが外周に沿わせて設けられている、撹拌槽内に液の上下方向の流れを起こすためのヘリカルリボンを、1条又は複数条設置した撹拌翼とを有する、液を撹拌するための撹拌装置であって、前記スクレイパーが撹拌槽壁に押し付けられている撹拌装置。
- 撹拌翼が、その内部又は下部にパドル翼を有する請求項1に記載の撹拌装置。
- さらに撹拌槽の静止水界面部に邪魔板を設置してなる請求項1又は2に記載の撹拌装置。
- 請求項1、2又は3に記載の撹拌装置を用いることを特徴とする重合体の製造方法。
- 前記重合体が含フッ素単量体の単独重合体又は共重合体である請求項4に記載の重合体の製造方法。
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JPH10237114A (ja) | 塩化ビニル系単量体の連続懸濁重合方法 |
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