JP4614893B2 - 撹拌装置及び撹拌方法 - Google Patents
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Description
かかる攪拌機では、格子翼及びパドル翼を回転させると、撹拌槽の底部にある溶液はパドル翼によって勢いのある上昇流となり、底部から上部に向かう溶液は、格子翼によって分散・細分化されるものである。
る。
更に、回転軸に取り付けられた基部材は、平板状翼部材とは別体に形成され、回転軸の上部側から見て平板状翼部材に対して交叉状態で配設されているので、溶液の撹拌を行う際に、格子状翼部材及び各リボン状翼部材は、平板状翼部材の回転に追従するように回転し、これにより平板状翼部材の回転により上昇流となった溶液が、タイミングを遅れて通過する格子状翼部材及び各リボン状翼部材によって分散され、撹拌槽の下部と上部で溶液の撹拌を円滑に行うことができる。
先ず、図1に基づき本実施形態に係る撹拌装置の構成について説明する。図1は撹拌装置を模式的に示す説明図である。
図1において、撹拌装置1は、基本的に、各種の溶液が投入される撹拌槽2、及び、撹拌槽2の上部を密閉する蓋3から構成されている。蓋3の上部にはモータ4が取り付けられており、かかるモータ4のモータ軸5は、蓋3の内部に挿通されている。モータ軸5の下端にはフランジ6が設けられている。
ここに、排気菅7は、例えば、撹拌槽2に投入される溶液が重縮合反応を行ってポリマー生成するポリマー重合溶液である場合に、重縮合反応に伴って生成される水蒸気を排出する作用を行う。また、排気菅7に導かれた水蒸気は、コンデンサ8により冷却されて液化し、このように液化した水は、下方のポット9に貯留される。
図2及び図3において、撹拌翼12は回転軸10の下部に取り付けられており、かかる撹拌翼12は、平板状翼部材13、一対のリボン状翼部材14及び格子状翼部材15から構成されている。
ここに、撹拌槽2の直径をDとした場合(図2(A)参照)、平板状翼部材13の厚さt1(図2(C)参照)は、0.007D〜0.02Dに設定されており、また、矩形状部13Bの高さh1は、0.1D〜0.25Dに設定されている。
ここに、前記と同様、撹拌槽2の直径をDとした場合(図2(A)参照)、各リボン状翼部材14の幅W1(図2(D)参照)は、0.005D〜0.2Dに設定されており、また、各リボン状翼部材14の外側楕円直径におけるd1:d2は、0.85D〜0.99D:
1.1D〜5.8Dに設定され、更に、各リボン状翼部材14の厚さt2(図2(C)参照)は、0.007D〜0.02Dに設定されている。
また、前記のように形成された各リボン状翼部材14は、図2(C)に示すように、水平方向となす角度θ1が30°〜80°となるように、矩形状部13Bから斜め上方向に延出されている。
ここに、前記と同様、撹拌槽2の直径をDとした場合(図2(A)参照)、各棒状部15Aの幅b1(図2(B)参照)は0.02D〜0.08Dに設定され、また、棒状部15Aの厚さt3(図2(C)参照)は0.007D〜0.02Dに設定されている。
このとき、数値流動シミュレーションは、次の条件下で行った。
解析ソフトプログラム:FLUENT6.2
回転軸の回転数:60rpm
溶液の粘度:20Pa・s
溶液密度:1g/cm3
ここに、図5は回転軸方向に平行で回転軸を含む断面における速度ベクトルを示す説明図であり、図6は溶液の液面に配置した粒子が一定時間内に移動する軌跡を示す説明図である。
ため、図7に示す比較解析モデルを使用して、前記と同様の条件下で数値流動シミュレーションを行った。
図7は比較解析モデルを模式的に示す説明図である。図7に示す比較解析モデルにおいては、回転軸10に取り付けられた撹拌翼12は、平板状翼部材13と、かかる平板状翼部材13とは独立して別体に構成された格子状翼部材15とから構成されており、本実施形態の撹拌翼12におけるようなリボン状翼部材14は設けられていない。
尚、格子状翼部材15は、本実施形態における格子状翼部材15よりも格子数が多く、また、平板状翼部材13は、格子状部材15と交叉状態で配設されている。
ここに、図8は比較解析モデルにおける回転軸方向に平行で回転軸を含む断面における速度ベクトルを示す説明図であり、図9は比較解析モデルにおいて溶液の液面に配置した粒子が一定時間内に移動する軌跡を示す説明図である。
しばらくすると、重縮合反応に伴い脱水反応により、水の流出分離が認められ、重縮合反応が進行し始めた。この後、約15時間で反応が終了し、ポリエステルが生成された。
前記図7に示す比較解析モデルに基づき、撹拌翼12を平板状翼部材13と、かかる平板状翼部材13とは独立して別体に構成された格子状翼部材15とから構成された撹拌翼12に変更した以外は、前記実施例1の場合と同一配合、同一条件で重縮合反応を行ったところ、実施例1の場合と同様に、水の流出分離が認められ、反応が進行し始めてから約22時間で反応が終了し、実施例1にて得られたポリエステルと略同一物性を有するポリエステルが生成された。
ここで、図10に示す撹拌装置について説明する。図10は実施例2において使用された撹拌装置を模式的に示す説明図である。尚、図10に示す撹拌装置は、基本的に、図1に示す撹拌装置1と同一の構成を有しており、従って、以下においては図1の撹拌装置1と異なる構成のみにつき説明する。
ここに、撹拌装置1は、紫外線(UV)による光重合を行う際に使用される撹拌装置であり、紫外線光源22から発せられた紫外線は光ファイバ21を介して伝達され、紫外線照射装置20から撹拌槽2内に投入されている光重合溶液に照射されるものである。
先ず、図10に示す撹拌装置1内に、2エチルヘキシルアクリレート45kg、アクリル酸5kg、イルガキュア651[日本チバ・ガイギー] 0.05kgを仕込み、攪拌回転数60rpm、外浴20℃、撹拌槽2の底部より窒素20L/minで窒素置換を1時間
行った。
前記のように撹拌を行っている間に、撹拌槽2における上面及び下面から溶液をサンプリングし、BH型粘度計によって粘度測定した。その結果が、図11に示されている。
続いて、比較例1の場合と同様、前記7に示す比較解析モデルに基づき、撹拌翼12を平板状翼部材13と、かかる平板状翼部材13とは独立して別体に構成された格子状翼部材15とから構成された撹拌翼12に変更した以外は、前記実施例2の場合と同一配合、同一条件で光重合反応を行った。
即ち、実施例2の場合と同様、液粘度20Pa・sになるまでUV重合を行い、重合完了後に大気開放状態で約1時間攪拌し、かかる撹拌の間に撹拌槽2における上面及び下面から溶液をサンプリングし、BH型粘度計によって粘度測定した。その結果が、図11に示されている。
このように、本実施形態に係る撹拌翼12によれば、短時間の撹拌で溶液の粘度を均一にすることがてきる。
尚、図12に示される他の撹拌翼は、基本的に、前記第1実施形態に係る撹拌装置1に使用される撹拌翼12と同一の構成を有しており、従って、以下においては、他の撹拌翼に特徴的な構成についてのみ説明することとし、また、その説明に際して前記撹拌翼12と同一の番号を付して説明する。
尚、図13に示される他の撹拌翼は、基本的に、前記第1実施形態に係る撹拌装置1に使用される撹拌翼12と同一の構成を有しており、従って、以下においては、他の撹拌翼に特徴的な構成についてのみ説明することとし、また、その説明に際して前記撹拌翼12と同一の番号を付して説明する。
尚、基部材26から斜め上方向に延設された一対のリボン状翼部材14及び基部材26から上方向に延設された格子状翼部材15の構成は、前記第1実施形態にて説明した撹拌翼12におけるのと同一である。
2 撹拌槽
4 モータ
10 回転軸
12 撹拌翼
13 平板状翼部材
13A 半楕円状部
13B 矩形状部
13C 連結部
14 リボン状翼部材
15 格子状翼部材
15A 棒状部
15B 固定部
15C 連結片
20 紫外線照射装置
21 光ファイバ
22 紫外線光源
23 邪魔板
24 段差部
25 平板状翼部材
26 基部材
Claims (5)
- 溶液が投入される撹拌槽と、
前記撹拌槽の中心部に配設された回転軸と、
前記回転軸に取り付けられた撹拌翼とを備えた撹拌装置において、
前記撹拌翼は、
前記回転軸の下部に取り付けられた平板状翼部材と、
前記平板状翼部材の両端部から回転軸の回転方向とは逆方向に且つ斜め上方向に向かって前記撹拌槽の内壁面に沿って設けられた一対のリボン状翼部材と、
前記回転軸に取り付けられるとともに、一対の連結片を介して前記各リボン状翼部材に連結された格子状翼部材とを備え、
前記平板状翼部材、リボン状翼部材及び格子状翼部材は、相互に一体形成されていることを特徴とする撹拌装置。 - 前記撹拌槽の内壁面に沿って上下方向に配設された規制部材を備え、
前記各リボン状翼部材と前記平板状翼部材の両端部との連結部には、各リボン状翼部材及び前記平板状翼部材が回転される際に、前記規制部材との衝突を防止する段差部が形成されていることを特徴とする請求項1に記載の撹拌装置。 - 撹拌槽の中心部に配設された回転軸の下部に取り付けられた平板状翼部材と、平板状翼部材の両端部から回転軸の回転方向とは逆方向に且つ斜め上方向に向かって撹拌槽の内壁面に沿って設けられた一対のリボン状翼部材と、回転軸に取り付けられるとともに一対の連結片を介して前記各リボン状翼部材に連結された格子状翼部材とを備え、平板状翼部材、リボン状翼部材及び格子状翼部材が相互に一体形成された撹拌翼を介して、撹拌槽に投入された溶液を撹拌することを特徴とする撹拌方法。
- 溶液が投入される撹拌槽と、
前記撹拌槽の中心部に配設された回転軸と、
前記回転軸に取り付けられた撹拌翼とを備えた撹拌装置において、
前記撹拌翼は、
前記回転軸の下部に取り付けられた平板状翼部材と、
前記平板状翼部材とは別体に形成されるとともに、前記回転軸に取り付けられ、前記回転軸の上部側から見て平板状翼部材に対して交叉状態で配設された基部材と、
前記基部材の両端部から回転軸の回転方向とは逆方向に且つ斜め上方向に向かって前記撹拌槽の内壁面に沿って設けられた一対のリボン状翼部材と、
前記回転軸に取り付けられるとともに、一対の連結片を介して前記各リボン状翼部材に連結された格子状翼部材とを備えていることを特徴とする撹拌装置。 - 撹拌槽の中心部に配設された回転軸の下部に取り付けられた平板状翼部材と、平板状翼部材とは別体に形成されるとともに回転軸に取り付けられ、回転軸の上部側から見て平板状翼部材に対して交叉状態で配設された基部材と、基部材の両端部から回転軸の回転方向とは逆方向に且つ斜め上方向に向かって撹拌槽の内壁面に沿って設けられた一対のリボン状翼部材と、回転軸に取り付けられるとともに一対の連結片を介して前記各リボン状翼部材に連結された格子状翼部材とを備えた撹拌翼を介して、撹拌槽に投入された溶液を撹拌することを特徴とする撹拌方法。
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