JP2000233122A - 撹拌翼及びこれを用いた撹拌装置 - Google Patents
撹拌翼及びこれを用いた撹拌装置Info
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- JP2000233122A JP2000233122A JP11035634A JP3563499A JP2000233122A JP 2000233122 A JP2000233122 A JP 2000233122A JP 11035634 A JP11035634 A JP 11035634A JP 3563499 A JP3563499 A JP 3563499A JP 2000233122 A JP2000233122 A JP 2000233122A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】比較的高粘度の液体であっても、少ない電力量
で効率的かつ均一に混合することができる撹拌翼及びこ
れを用いた撹拌装置を提供する。 【解決手段】撹拌軸を介して駆動手段により回転駆動さ
れ、一定幅の帯状板が螺旋面を成すように形成されたヘ
リカルリボン翼を有する撹拌翼であって、前記帯状板に
該帯状板の外側端部より突出するような突起部を設けて
ある撹拌翼、及び撹拌槽と該撹拌槽内に同芯状に設けら
れる前記撹拌翼とを少なくとも有する撹拌装置である。
で効率的かつ均一に混合することができる撹拌翼及びこ
れを用いた撹拌装置を提供する。 【解決手段】撹拌軸を介して駆動手段により回転駆動さ
れ、一定幅の帯状板が螺旋面を成すように形成されたヘ
リカルリボン翼を有する撹拌翼であって、前記帯状板に
該帯状板の外側端部より突出するような突起部を設けて
ある撹拌翼、及び撹拌槽と該撹拌槽内に同芯状に設けら
れる前記撹拌翼とを少なくとも有する撹拌装置である。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、特に、比較的高粘
度の液体であっても、少ない電力量で効率的かつ均一に
混合することができる撹拌翼及びこれを用いた撹拌装置
に関する。
度の液体であっても、少ない電力量で効率的かつ均一に
混合することができる撹拌翼及びこれを用いた撹拌装置
に関する。
【0002】
【従来の技術】例えば、溶液中でポリマーの重合を行う
溶液重合は、通常、重合効率の向上を図るため撹拌装置
内にモノマーと溶媒を投入後撹拌しながら行われる。ま
た、溶液重合は、モノマー濃度を変化させることが比較
的容易であり、ポリマーの生産性を向上させるために初
期添加するモノマー濃度をより多くすることが望まれ
る。しかしながら、モノマー濃度が多くなれば溶液粘度
がそれだけ高くなり、必然的に撹拌作業効率が低下する
こととなる。
溶液重合は、通常、重合効率の向上を図るため撹拌装置
内にモノマーと溶媒を投入後撹拌しながら行われる。ま
た、溶液重合は、モノマー濃度を変化させることが比較
的容易であり、ポリマーの生産性を向上させるために初
期添加するモノマー濃度をより多くすることが望まれ
る。しかしながら、モノマー濃度が多くなれば溶液粘度
がそれだけ高くなり、必然的に撹拌作業効率が低下する
こととなる。
【0003】従来、この種の撹拌装置としては、その外
径が撹拌槽の内径よりも十分に小さいヘリカルリボン状
の撹拌翼を備えたものが知られている。しかしながら、
こうした撹拌装置を用いて比較的高粘度の液体を混合す
ると、撹拌槽と撹拌翼との間隙部分で液が停滞してしま
い、槽内全体での液の均一な混合が妨げられていた。
径が撹拌槽の内径よりも十分に小さいヘリカルリボン状
の撹拌翼を備えたものが知られている。しかしながら、
こうした撹拌装置を用いて比較的高粘度の液体を混合す
ると、撹拌槽と撹拌翼との間隙部分で液が停滞してしま
い、槽内全体での液の均一な混合が妨げられていた。
【0004】これに対し、撹拌翼の外径を大きくし、即
ち、撹拌槽内壁面と撹拌翼との間隙を少なくすることに
より該間隙部分における液の停滞を防止することが考え
られる。しかしながら、これでは、撹拌翼の駆動負担が
大きくなり、従って該撹拌翼駆動装置の出力を上げる必
要があり、撹拌装置の省電力化が図れなくなる。
ち、撹拌槽内壁面と撹拌翼との間隙を少なくすることに
より該間隙部分における液の停滞を防止することが考え
られる。しかしながら、これでは、撹拌翼の駆動負担が
大きくなり、従って該撹拌翼駆動装置の出力を上げる必
要があり、撹拌装置の省電力化が図れなくなる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、このような
従来技術の問題点に鑑みなされたものであり、比較的高
粘度の液体であっても、少ない電力量で効率的かつ均一
に混合することができる撹拌翼及びこれを用いた撹拌装
置を提供することを目的とする。
従来技術の問題点に鑑みなされたものであり、比較的高
粘度の液体であっても、少ない電力量で効率的かつ均一
に混合することができる撹拌翼及びこれを用いた撹拌装
置を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明に係る「撹拌翼」は、撹拌軸を介して駆動手
段により回転駆動され、一定幅の帯状板が螺旋面を成す
ように形成されたヘリカルリボン翼を有する撹拌翼であ
って、前記帯状板に、該帯状板の外側端部より突出する
突起部を設けてあることを特徴とする。
に、本発明に係る「撹拌翼」は、撹拌軸を介して駆動手
段により回転駆動され、一定幅の帯状板が螺旋面を成す
ように形成されたヘリカルリボン翼を有する撹拌翼であ
って、前記帯状板に、該帯状板の外側端部より突出する
突起部を設けてあることを特徴とする。
【0007】本発明において、前記帯状板に設けてある
突起部は、少なくとも帯状板の外側端部より突出してい
ればよく、例えば、帯状板の表裏面の少なくとも何れか
の面に外側端部に突出するように設ける、帯状板の外側
端部に設ける等が考えられる。またこの突起部の形成方
法も別段特に限定されず、前記帯状板を成形する際に一
体成形しても、又は、一旦、帯状板と突起部を別々に成
形し、その後帯状板に突起部を後付けすることとしても
よい。後付けする手段としては特に限定されず、例えば
溶接、接着、ボルト・ナットによる連結等が例示され
る。
突起部は、少なくとも帯状板の外側端部より突出してい
ればよく、例えば、帯状板の表裏面の少なくとも何れか
の面に外側端部に突出するように設ける、帯状板の外側
端部に設ける等が考えられる。またこの突起部の形成方
法も別段特に限定されず、前記帯状板を成形する際に一
体成形しても、又は、一旦、帯状板と突起部を別々に成
形し、その後帯状板に突起部を後付けすることとしても
よい。後付けする手段としては特に限定されず、例えば
溶接、接着、ボルト・ナットによる連結等が例示され
る。
【0008】本発明において、突起部を持つヘリカルリ
ボン翼の数は特に限定されないが、好ましくは少なくと
も2条有することが望ましく、より好ましくは少なくと
も2条のヘリカルリボン翼を有し、前記撹拌軸を中心線
として線対称となる一方の帯状板上に設けてある突起部
と、他方の帯状板上に設けてある突起部とが、中心線に
対する同一垂直面で同じ位置に存在しないよう交互に配
置してあることが望ましい。
ボン翼の数は特に限定されないが、好ましくは少なくと
も2条有することが望ましく、より好ましくは少なくと
も2条のヘリカルリボン翼を有し、前記撹拌軸を中心線
として線対称となる一方の帯状板上に設けてある突起部
と、他方の帯状板上に設けてある突起部とが、中心線に
対する同一垂直面で同じ位置に存在しないよう交互に配
置してあることが望ましい。
【0009】本発明において、突起部を持つヘリカルリ
ボン翼の数が3条以上有する場合は、撹拌軸の軸方向に
対して垂直方向から撹拌翼を見た場合において、同じ高
さ位置に相当する帯状板上には何れか一の帯状板上にの
み突起部を設け、他の帯状板上には突起部を設けないよ
うに前記突起部を順次設けることが望ましい。
ボン翼の数が3条以上有する場合は、撹拌軸の軸方向に
対して垂直方向から撹拌翼を見た場合において、同じ高
さ位置に相当する帯状板上には何れか一の帯状板上にの
み突起部を設け、他の帯状板上には突起部を設けないよ
うに前記突起部を順次設けることが望ましい。
【0010】本発明において、前記ヘリカルリボン翼を
有する撹拌翼の突起部を含む外径d1と、撹拌槽の内径
Dとの関係は、(d1/D)=0.85以上1未満、好
ましくは0.93以上0.97以下であることが望まし
い。また撹拌翼の突起部を含む外径d1と、突起部を含
まない外径d2と、撹拌槽の内径Dとの三者の関係は、
((d1−d2)/D)=0.001以上0.5以下、
好ましくは0.03以上0.25以下、より好ましくは
0.10以上0.15以下であることが望ましい。
有する撹拌翼の突起部を含む外径d1と、撹拌槽の内径
Dとの関係は、(d1/D)=0.85以上1未満、好
ましくは0.93以上0.97以下であることが望まし
い。また撹拌翼の突起部を含む外径d1と、突起部を含
まない外径d2と、撹拌槽の内径Dとの三者の関係は、
((d1−d2)/D)=0.001以上0.5以下、
好ましくは0.03以上0.25以下、より好ましくは
0.10以上0.15以下であることが望ましい。
【0011】本発明において、前記ヘリカルリボン翼の
最終端同士を連結部材で連結してあることが望ましい。
最終端同士を連結部材で連結してあることが望ましい。
【0012】本発明に係る「撹拌装置」は、撹拌槽と、
該撹拌槽内に同芯状に設けられる前記何れかの撹拌翼と
を少なくとも有することを特徴とする。
該撹拌槽内に同芯状に設けられる前記何れかの撹拌翼と
を少なくとも有することを特徴とする。
【0013】
【作用】駆動装置の駆動負担を考えると、撹拌翼を撹拌
槽内に同芯状に設ける場合、ヘリカルリボン翼を構成す
る帯状板の外径と撹拌槽の内径との間の間隙は大きい程
良い。しかし、従来の撹拌翼では撹拌翼駆動装置に過大
な負担をかけない程度に間隙幅を設けると、該間隙部で
撹拌・混合されるべき液が停滞してしまい、その結果、
槽内全体での液の均一な混合が妨げられていた。本発明
によれば、帯状板の外側端部より突出するような突起部
を帯状板に設けてあるので、駆動装置に負担をかけるこ
となく、間隙部分での液の掻き取りを効率的に行え、従
って、槽全体として少ない電力で効率的かつ均一な混合
が可能となる。また、撹拌軸の軸方向に対して垂直方向
から撹拌翼を見た場合において、同じ高さ位置に相当す
る帯状板上の一方に突起部を有する場合には他方には突
起部を有しないように前記突起部を順次交互に設けるこ
とにより、撹拌軸の回転駆動中に一方の突起部で掻き取
れない部分を他方の突起部で効率的に掻き取ることがで
き、撹拌効率のさらなる向上が図れる。
槽内に同芯状に設ける場合、ヘリカルリボン翼を構成す
る帯状板の外径と撹拌槽の内径との間の間隙は大きい程
良い。しかし、従来の撹拌翼では撹拌翼駆動装置に過大
な負担をかけない程度に間隙幅を設けると、該間隙部で
撹拌・混合されるべき液が停滞してしまい、その結果、
槽内全体での液の均一な混合が妨げられていた。本発明
によれば、帯状板の外側端部より突出するような突起部
を帯状板に設けてあるので、駆動装置に負担をかけるこ
となく、間隙部分での液の掻き取りを効率的に行え、従
って、槽全体として少ない電力で効率的かつ均一な混合
が可能となる。また、撹拌軸の軸方向に対して垂直方向
から撹拌翼を見た場合において、同じ高さ位置に相当す
る帯状板上の一方に突起部を有する場合には他方には突
起部を有しないように前記突起部を順次交互に設けるこ
とにより、撹拌軸の回転駆動中に一方の突起部で掻き取
れない部分を他方の突起部で効率的に掻き取ることがで
き、撹拌効率のさらなる向上が図れる。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態につき図
面を参照しながら説明する。第1実施形態 図1は本発明の第1実施形態に係る撹拌翼を用いた撹拌
装置の概要を示す図、図2は図1における符号IIの部分
拡大図、図3は図2における突起部付近の部分平面図で
ある。
面を参照しながら説明する。第1実施形態 図1は本発明の第1実施形態に係る撹拌翼を用いた撹拌
装置の概要を示す図、図2は図1における符号IIの部分
拡大図、図3は図2における突起部付近の部分平面図で
ある。
【0015】図1に示すように、本実施形態に係る撹拌
装置2は、撹拌槽4、撹拌軸6及び撹拌翼8を有する。
撹拌槽4は、円筒胴42と、この円筒胴42の下端部に
配置された半楕円形の断面形状を持つ底板44とを有
し、前記円筒胴42が略垂直方向に配置してある。な
お、図示省略してあるが、撹拌時には前記円筒胴42の
上端部に上蓋が取り付けられる。またこの撹拌槽4は、
例えば金属やガラス等で構成される。
装置2は、撹拌槽4、撹拌軸6及び撹拌翼8を有する。
撹拌槽4は、円筒胴42と、この円筒胴42の下端部に
配置された半楕円形の断面形状を持つ底板44とを有
し、前記円筒胴42が略垂直方向に配置してある。な
お、図示省略してあるが、撹拌時には前記円筒胴42の
上端部に上蓋が取り付けられる。またこの撹拌槽4は、
例えば金属やガラス等で構成される。
【0016】撹拌軸6は、円筒胴42と同芯状の撹拌槽
4の内部に回転駆動自在に配設してある。なお、この撹
拌軸6を回転駆動させるために、その上端部が図示省略
してあるモーター装置等の駆動手段に連結される。ま
た、撹拌軸6には、所定の間隔を置いて水平に複数突設
された腕木62及び64が形成してある。なお、この撹
拌軸6は、例えば金属等で構成される。
4の内部に回転駆動自在に配設してある。なお、この撹
拌軸6を回転駆動させるために、その上端部が図示省略
してあるモーター装置等の駆動手段に連結される。ま
た、撹拌軸6には、所定の間隔を置いて水平に複数突設
された腕木62及び64が形成してある。なお、この撹
拌軸6は、例えば金属等で構成される。
【0017】本発明の撹拌翼は、撹拌槽の形状(縦型
槽、横型槽など)に応じて任意の設置をすることがで
き、図1では、縦型槽に対して縦に配置しているが、横
型槽では横に設置してもよい。
槽、横型槽など)に応じて任意の設置をすることがで
き、図1では、縦型槽に対して縦に配置しているが、横
型槽では横に設置してもよい。
【0018】本実施形態において、腕木62の両端部に
は2条のヘリカルリボン翼(以下、ダブルヘリカルリボ
ン翼ともいう)82及び84が取り付けられており、腕
木62の途中及び腕木64の端部には1条のヘリカルリ
ボン翼(以下、シングルリボン翼ともいう)86が取り
付けられている。これらの両ヘリカルリボン翼82、8
4及び86は、それぞれ、一定幅の帯状板が螺旋面を成
すよう形成してあり、これらを合わせることで本実施形
態における撹拌翼8を構成する。
は2条のヘリカルリボン翼(以下、ダブルヘリカルリボ
ン翼ともいう)82及び84が取り付けられており、腕
木62の途中及び腕木64の端部には1条のヘリカルリ
ボン翼(以下、シングルリボン翼ともいう)86が取り
付けられている。これらの両ヘリカルリボン翼82、8
4及び86は、それぞれ、一定幅の帯状板が螺旋面を成
すよう形成してあり、これらを合わせることで本実施形
態における撹拌翼8を構成する。
【0019】また、本実施形態においてはダブルヘリカ
ルリボン翼82及び84と、シングルリボン翼86との
外径を異ならせている。異なる外径を持つ複数のヘリカ
ルリボン翼とすることにより撹拌槽4の内外部いずれの
部分においても均一な混合が達成可能となる。なお、本
実施形態においてはシングルリボン翼86を設けている
が、本発明では必ずしも設ける必要はない。
ルリボン翼82及び84と、シングルリボン翼86との
外径を異ならせている。異なる外径を持つ複数のヘリカ
ルリボン翼とすることにより撹拌槽4の内外部いずれの
部分においても均一な混合が達成可能となる。なお、本
実施形態においてはシングルリボン翼86を設けている
が、本発明では必ずしも設ける必要はない。
【0020】また、図2に示すように、本実施形態にお
けるダブルヘリカルリボン翼82及び84は、リボン翼
を構成する帯状板の表面から該帯状板の外側端部より突
出するような突起部822及び842が設けてある。こ
の突起部は、その取り付け方法や配置方法によって特に
限定されない。例えば図2及び図3に示すように、突起
部822として正方形の板を用いた場合には、帯状板の
外周が正方形の中心を通過するよう配置される。なお、
この突起部822及び842の形状は、正方形には特に
限定されず、三角形、菱形、五角形以上の多角形等も使
用可能である。また、リボン翼を構成する帯状板上に設
けられる複数の突起部は、その大きさ、形、が同じであ
る必要はなく、不揃いの大きさ、形のものであってもよ
い。また、隣接する突起部同士の間隔も特に限定され
ず、等間隔であっても不等間隔であってもよいが、実施
形態として等間隔になるよう配置することが好ましく、
より好ましくは撹拌軸6の軸方向から見て帯状板の螺旋
面180°ごとにつき突起部を約4〜約8個設け、これ
らを等間隔に配置することが望ましい。こうした配置に
より突起部を設けることにより効率的な混合が一層可能
となる。なお、本実施形態における撹拌翼8の帯状板8
2及び84、並びに突起部822及び842の材質は特
に限定されず、例えば金属等で構成される。また本実施
形態では、既存の撹拌翼8の帯状板82及び84に、突
起部822及び842をボルト・ナット等で固定してあ
る。
けるダブルヘリカルリボン翼82及び84は、リボン翼
を構成する帯状板の表面から該帯状板の外側端部より突
出するような突起部822及び842が設けてある。こ
の突起部は、その取り付け方法や配置方法によって特に
限定されない。例えば図2及び図3に示すように、突起
部822として正方形の板を用いた場合には、帯状板の
外周が正方形の中心を通過するよう配置される。なお、
この突起部822及び842の形状は、正方形には特に
限定されず、三角形、菱形、五角形以上の多角形等も使
用可能である。また、リボン翼を構成する帯状板上に設
けられる複数の突起部は、その大きさ、形、が同じであ
る必要はなく、不揃いの大きさ、形のものであってもよ
い。また、隣接する突起部同士の間隔も特に限定され
ず、等間隔であっても不等間隔であってもよいが、実施
形態として等間隔になるよう配置することが好ましく、
より好ましくは撹拌軸6の軸方向から見て帯状板の螺旋
面180°ごとにつき突起部を約4〜約8個設け、これ
らを等間隔に配置することが望ましい。こうした配置に
より突起部を設けることにより効率的な混合が一層可能
となる。なお、本実施形態における撹拌翼8の帯状板8
2及び84、並びに突起部822及び842の材質は特
に限定されず、例えば金属等で構成される。また本実施
形態では、既存の撹拌翼8の帯状板82及び84に、突
起部822及び842をボルト・ナット等で固定してあ
る。
【0021】また、本実施形態では、撹拌軸6を中心線
として線対称となる一方の帯状板82上に設けてある突
起部822と、他方の帯状板84上に設けてある突起部
842とが、中心線に対する同一垂直面で同じ位置に存
在しないよう交互に配置してあることが望ましい。即
ち、図2に示すように、撹拌軸6の軸方向(図2中のX
方向)に対して垂直方向から撹拌翼8を見た場合におい
て、同じ高さ位置に相当する帯状板82及び84上の一
方(例えば、帯状板82)に突起部を有する場合(例え
ば、図2中の符号822の突起部に相当する)には他方
(例えば帯状板84)には突起部を有しないように前記
突起部を設ける(例えば、図2中の符号842の突起部
に相当する)ことで、撹拌軸6の回転駆動中に一方の突
起部で掻き取れない部分を他方の突起部で効率的に掻き
取ることができ、撹拌効率のさらなる向上が図れる。な
お、本実施形態では、突起部822と突起部842と
が、同一垂直面で同じ位置に存在しないように配置して
あるが、本発明では必ずしもこれに限定されず、突起部
822と突起部842の同一垂直面における位置が、多
少、重なりあっていてもよい。
として線対称となる一方の帯状板82上に設けてある突
起部822と、他方の帯状板84上に設けてある突起部
842とが、中心線に対する同一垂直面で同じ位置に存
在しないよう交互に配置してあることが望ましい。即
ち、図2に示すように、撹拌軸6の軸方向(図2中のX
方向)に対して垂直方向から撹拌翼8を見た場合におい
て、同じ高さ位置に相当する帯状板82及び84上の一
方(例えば、帯状板82)に突起部を有する場合(例え
ば、図2中の符号822の突起部に相当する)には他方
(例えば帯状板84)には突起部を有しないように前記
突起部を設ける(例えば、図2中の符号842の突起部
に相当する)ことで、撹拌軸6の回転駆動中に一方の突
起部で掻き取れない部分を他方の突起部で効率的に掻き
取ることができ、撹拌効率のさらなる向上が図れる。な
お、本実施形態では、突起部822と突起部842と
が、同一垂直面で同じ位置に存在しないように配置して
あるが、本発明では必ずしもこれに限定されず、突起部
822と突起部842の同一垂直面における位置が、多
少、重なりあっていてもよい。
【0022】本実施形態においてダブルヘリカルリボン
翼82及び84の突起部を含む外径d1は、図2に示す
ように、撹拌槽4の内壁に接触しないよう、撹拌槽4の
内径Dを1とした場合に、0.85以上1未満の範囲で
適宜決定される。即ち通常はリボン翼82及び84の突
起部を含んだ形での外径と撹拌槽4の内壁との間に間隙
幅((D−d1)/2)が形成される。またリボン翼8
2及び84の突起部を含む外径d1と、突起部を含まな
い外径d2(リボン翼82及び84の外径)と、撹拌槽
4の内径Dとの三者の関係は、((d1−d2)/D)
=0.001以上0.5以下の範囲で適宜決定される。
翼82及び84の突起部を含む外径d1は、図2に示す
ように、撹拌槽4の内壁に接触しないよう、撹拌槽4の
内径Dを1とした場合に、0.85以上1未満の範囲で
適宜決定される。即ち通常はリボン翼82及び84の突
起部を含んだ形での外径と撹拌槽4の内壁との間に間隙
幅((D−d1)/2)が形成される。またリボン翼8
2及び84の突起部を含む外径d1と、突起部を含まな
い外径d2(リボン翼82及び84の外径)と、撹拌槽
4の内径Dとの三者の関係は、((d1−d2)/D)
=0.001以上0.5以下の範囲で適宜決定される。
【0023】なお、本実施形態では突起部822及び8
42を持つヘリカルリボン撹拌翼の数を2条としてある
が、別段これに限定する趣旨ではなく、3条以上であっ
てもよい。突起部を持つヘリカルリボン翼の数が3条以
上有する場合は、撹拌軸6の軸方向に対して垂直方向か
ら撹拌翼8を見た場合において、同じ高さ位置に相当す
る帯状板上には何れか一の帯状板上にのみ突起部(図示
省略)を設け、他の帯状板上には突起部(図示省略)を
設けないように前記突起部を設けることで、同様の効果
を得ることができる。
42を持つヘリカルリボン撹拌翼の数を2条としてある
が、別段これに限定する趣旨ではなく、3条以上であっ
てもよい。突起部を持つヘリカルリボン翼の数が3条以
上有する場合は、撹拌軸6の軸方向に対して垂直方向か
ら撹拌翼8を見た場合において、同じ高さ位置に相当す
る帯状板上には何れか一の帯状板上にのみ突起部(図示
省略)を設け、他の帯状板上には突起部(図示省略)を
設けないように前記突起部を設けることで、同様の効果
を得ることができる。
【0024】以上の構成の撹拌装置2の撹拌槽4内に、
比較的高粘度の液体を内容液として投入し該内容液の撹
拌・混合を行う。
比較的高粘度の液体を内容液として投入し該内容液の撹
拌・混合を行う。
【0025】次に、本実施形態に係る撹拌装置2の作用
を説明する。図1に示す撹拌槽4内に内容液を投入した
後に、図示省略してある駆動手段を始動して、内容液の
流れが撹拌槽4の中心部で上向き(矢印B方向)になる
ように撹拌軸6を回転駆動させると(矢印A方向)、撹
拌槽4の円筒胴42内で回転するダブルヘリカルリボン
翼82,84及びシングルリボン翼86が、内容液を下
方かつ外周側から底板に沿って撹拌軸6側へと内容液を
送り込む。そして、ヘリカルリボン翼によって撹拌軸6
に沿って上方(矢印B方向)に液送りされた後、液表面
近くでその流れが外周側に変換され、さらには撹拌槽4
の円筒胴に沿って下向き(矢印C方向)に下降し、底板
近くで撹拌軸6側に送られる。ここで、本実施形態で
は、ダブルヘリカルリボン翼82及び84を構成する帯
状板の外側端部より突出するような突起部をそれぞれの
帯状板に特定の配置で設けてあるので、駆動装置に負担
をかけることなく、間隙部分((D−d1)/2)での
液の掻き取りを効率的に行え、混合不良を生じるおそれ
が少ない。このような一連のフローパターンにより、少
ない電力量で均一に高粘度液体を撹拌・混合することが
できるようになる。
を説明する。図1に示す撹拌槽4内に内容液を投入した
後に、図示省略してある駆動手段を始動して、内容液の
流れが撹拌槽4の中心部で上向き(矢印B方向)になる
ように撹拌軸6を回転駆動させると(矢印A方向)、撹
拌槽4の円筒胴42内で回転するダブルヘリカルリボン
翼82,84及びシングルリボン翼86が、内容液を下
方かつ外周側から底板に沿って撹拌軸6側へと内容液を
送り込む。そして、ヘリカルリボン翼によって撹拌軸6
に沿って上方(矢印B方向)に液送りされた後、液表面
近くでその流れが外周側に変換され、さらには撹拌槽4
の円筒胴に沿って下向き(矢印C方向)に下降し、底板
近くで撹拌軸6側に送られる。ここで、本実施形態で
は、ダブルヘリカルリボン翼82及び84を構成する帯
状板の外側端部より突出するような突起部をそれぞれの
帯状板に特定の配置で設けてあるので、駆動装置に負担
をかけることなく、間隙部分((D−d1)/2)での
液の掻き取りを効率的に行え、混合不良を生じるおそれ
が少ない。このような一連のフローパターンにより、少
ない電力量で均一に高粘度液体を撹拌・混合することが
できるようになる。
【0026】第2実施形態 図4は本発明の他の実施形態に係る撹拌翼を示す図であ
る。
る。
【0027】本実施形態に係る撹拌装置は、図1に示す
撹拌翼6のボトム部が、前記第1実施形態に係る撹拌装
置と異なるのみであり、以下に示す説明では、相違点に
ついてのみ特に詳細に説明し、共通する部分の説明は省
略する。
撹拌翼6のボトム部が、前記第1実施形態に係る撹拌装
置と異なるのみであり、以下に示す説明では、相違点に
ついてのみ特に詳細に説明し、共通する部分の説明は省
略する。
【0028】図4に示すように、本実施形態に係る撹拌
装置2は、撹拌翼8を構成するダブリヘリカルリボン翼
82及び84のそれぞれのボトム部分(最終端)を連結
部材10で連結してある。撹拌翼中に不連続部分がある
と、特に混合する液粘度が高くなればなるほど流れの伝
わり方が悪化する傾向にあり、本実施形態におけるよう
にダブルヘリカルリボン翼82及び84のボトム部分を
連結することにより、撹拌中における液の流れの伝わり
方を好適に保持することができ、従って一層の撹拌性能
の向上が期待できる。
装置2は、撹拌翼8を構成するダブリヘリカルリボン翼
82及び84のそれぞれのボトム部分(最終端)を連結
部材10で連結してある。撹拌翼中に不連続部分がある
と、特に混合する液粘度が高くなればなるほど流れの伝
わり方が悪化する傾向にあり、本実施形態におけるよう
にダブルヘリカルリボン翼82及び84のボトム部分を
連結することにより、撹拌中における液の流れの伝わり
方を好適に保持することができ、従って一層の撹拌性能
の向上が期待できる。
【0029】その他の実施形態 なお、本発明は、上述した実施形態に限定されず、本発
明の範囲内で種々に改変が可能である。例えば、上述の
実施形態では撹拌槽4の底板44の断面形状を半楕円形
としたが、別段これに限定されず、その他皿形や鈍角頂
角を有する円錐形としてもよい。
明の範囲内で種々に改変が可能である。例えば、上述の
実施形態では撹拌槽4の底板44の断面形状を半楕円形
としたが、別段これに限定されず、その他皿形や鈍角頂
角を有する円錐形としてもよい。
【0030】
【実施例】以下の実施例に基づき本発明をさらに詳細に
説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるもの
ではない。
説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるもの
ではない。
【0031】実施例1 撹拌装置として、図1〜3に示す装置を用いた。撹拌槽
4としては、260mmの内径及び260mmの高さを
持つ円筒胴42に、65mmの深さを持つ半楕円形の底
板44を取り付けたガラス製透明撹拌槽を使用した。撹
拌翼8としては、212mmの外径を持つダブルヘリカ
ルリボン翼82及び84と、106mmの外径を持つシ
ングルリボン翼86とが、撹拌軸6に所定の間隔を置い
て水平に複数突設された腕木62及び64の両端部に接
続された撹拌翼8を使用した。またダブルヘリカルリボ
ン翼82及び84を構成する帯状板の表面には、該帯状
板の外側端部より15mm突出するような縦30mm×
横30mmの正方形の板からなる突起部822及び84
2を、撹拌軸6の軸方向から見て帯状板の螺旋面180
°ごとにつき突起部が5個等間隔になるよう設けた。ダ
ブルヘリカルリボン翼82及び84の突起部を含む外径
d1と、撹拌槽4の内径Dとの関係は、(d1/D)=
0.93であり、撹拌槽4の内壁面と撹拌翼8との間隙
幅((D−d1)/2)は9mmであった。なお、撹拌
装置2を、撹拌軸6の軸方向(図2中のX方向)に対し
て垂直方向から撹拌翼8を見た場合において、同じ高さ
位置に相当する帯状板上の一方に突起部を有する場合
(例えば、図2中の符号822の突起部に相当する)に
は他方には突起部を有しないように前記突起部を設けた
(例えば、図2中の符号842の突起部に相当する)。
またダブリヘリカルリボン翼82及び84のそれぞれの
ボトム部分を幅26mmの金属製連結部材で連結した。
なお、撹拌翼8の帯状板及び突起部の材質はともに金属
であり、連結部材の材質も金属であった。以上の構成の
撹拌装置の概要を図5に示す(但し、図5では突起部及
び連結部材は図示省略してある)。
4としては、260mmの内径及び260mmの高さを
持つ円筒胴42に、65mmの深さを持つ半楕円形の底
板44を取り付けたガラス製透明撹拌槽を使用した。撹
拌翼8としては、212mmの外径を持つダブルヘリカ
ルリボン翼82及び84と、106mmの外径を持つシ
ングルリボン翼86とが、撹拌軸6に所定の間隔を置い
て水平に複数突設された腕木62及び64の両端部に接
続された撹拌翼8を使用した。またダブルヘリカルリボ
ン翼82及び84を構成する帯状板の表面には、該帯状
板の外側端部より15mm突出するような縦30mm×
横30mmの正方形の板からなる突起部822及び84
2を、撹拌軸6の軸方向から見て帯状板の螺旋面180
°ごとにつき突起部が5個等間隔になるよう設けた。ダ
ブルヘリカルリボン翼82及び84の突起部を含む外径
d1と、撹拌槽4の内径Dとの関係は、(d1/D)=
0.93であり、撹拌槽4の内壁面と撹拌翼8との間隙
幅((D−d1)/2)は9mmであった。なお、撹拌
装置2を、撹拌軸6の軸方向(図2中のX方向)に対し
て垂直方向から撹拌翼8を見た場合において、同じ高さ
位置に相当する帯状板上の一方に突起部を有する場合
(例えば、図2中の符号822の突起部に相当する)に
は他方には突起部を有しないように前記突起部を設けた
(例えば、図2中の符号842の突起部に相当する)。
またダブリヘリカルリボン翼82及び84のそれぞれの
ボトム部分を幅26mmの金属製連結部材で連結した。
なお、撹拌翼8の帯状板及び突起部の材質はともに金属
であり、連結部材の材質も金属であった。以上の構成の
撹拌装置の概要を図5に示す(但し、図5では突起部及
び連結部材は図示省略してある)。
【0032】この撹拌装置を用いて、38,000cp
の粘度を持つカルボキシメチルセルロースナトリウム塩
水溶液(以下、単に、「CMC水溶液」ということがあ
る。)液16.1リットルを撹拌槽内へ投入して撹拌動
力の測定を行った(動力測定の評価)。撹拌動力の測定
は、撹拌軸の回転数を50〜100rpmの間隔で上げ
ていき、トルクメーターにより測定した。そして、撹拌
翼の撹拌動力(Pv)が1.5kw/m3 のとき、及
び3.0kw/m3 のとき双方の撹拌翼の回転数を算
出した。前者のときは65rpm、後者のときは105
rpmであった。なお、撹拌動力は、予め同一回転数で
無負荷運転の動力を測定値より差し引いて撹拌動力とし
た。次に、58,800cpの粘度を持つCMC水溶液
16.1リットルの撹拌動力の測定を、38,000c
pの場合と同様に行った。撹拌動力が1.5kw/m
3 のときは56rpm、3.0kw/m3 のときは
93rpmであった。これらの撹拌動力の測定結果を表
1に示す。
の粘度を持つカルボキシメチルセルロースナトリウム塩
水溶液(以下、単に、「CMC水溶液」ということがあ
る。)液16.1リットルを撹拌槽内へ投入して撹拌動
力の測定を行った(動力測定の評価)。撹拌動力の測定
は、撹拌軸の回転数を50〜100rpmの間隔で上げ
ていき、トルクメーターにより測定した。そして、撹拌
翼の撹拌動力(Pv)が1.5kw/m3 のとき、及
び3.0kw/m3 のとき双方の撹拌翼の回転数を算
出した。前者のときは65rpm、後者のときは105
rpmであった。なお、撹拌動力は、予め同一回転数で
無負荷運転の動力を測定値より差し引いて撹拌動力とし
た。次に、58,800cpの粘度を持つCMC水溶液
16.1リットルの撹拌動力の測定を、38,000c
pの場合と同様に行った。撹拌動力が1.5kw/m
3 のときは56rpm、3.0kw/m3 のときは
93rpmであった。これらの撹拌動力の測定結果を表
1に示す。
【0033】また、同様の撹拌装置を用いて、38,0
00cpの粘度を持つCMC水溶液16.1リットルを
撹拌槽内に投入し、でんぷん10%水溶液を50cm
3 を添加して、均一になるまで混合し、次いでヨウ素
が6%及びヨウ化カリウムが17%の濃度となる混合水
溶液3cm3 を加えてCMC水溶液を着色し、次い
で、チオ硫酸ナトリウム20%水溶液を2cm3 添加
して撹拌を開始し、この着色の脱色が完了するまでの時
間をストップウォッチにより測定した(混合性能の評
価)。その結果、撹拌開始後70秒を経過すると着色部
分がなくなり、完全に脱色された。次に、58,800
cpの粘度を持つCMC水溶液16.1リットルを、3
8,000cpの場合と同様に着色後、混合性能の評価
を同様に行った。その結果、撹拌開始後140秒を経過
すると着色部分がなくなり、完全に脱色された。これら
の混合性能の評価の結果を表1に示す。
00cpの粘度を持つCMC水溶液16.1リットルを
撹拌槽内に投入し、でんぷん10%水溶液を50cm
3 を添加して、均一になるまで混合し、次いでヨウ素
が6%及びヨウ化カリウムが17%の濃度となる混合水
溶液3cm3 を加えてCMC水溶液を着色し、次い
で、チオ硫酸ナトリウム20%水溶液を2cm3 添加
して撹拌を開始し、この着色の脱色が完了するまでの時
間をストップウォッチにより測定した(混合性能の評
価)。その結果、撹拌開始後70秒を経過すると着色部
分がなくなり、完全に脱色された。次に、58,800
cpの粘度を持つCMC水溶液16.1リットルを、3
8,000cpの場合と同様に着色後、混合性能の評価
を同様に行った。その結果、撹拌開始後140秒を経過
すると着色部分がなくなり、完全に脱色された。これら
の混合性能の評価の結果を表1に示す。
【0034】実施例2 ダブリヘリカルリボン翼82及び84のそれぞれのボト
ム部分を連結部材で連結しなかった以外は実施例1と同
様の撹拌装置を用い、実施例1と同様に撹拌動力の測定
を行った。その結果、38,000cpの粘度を持つC
MC水溶液における撹拌翼の撹拌動力が1.5kw/m
3 のときの回転数は66rpm、3.0kw/m3
のときの回転数は107rpmであった。また、58,
800cpの粘度を持つCMC水溶液における撹拌翼の
撹拌動力が1.5kw/m3 のときの回転数は57r
pm、3.0kw/m3 のときの回転数は95rpm
であった。これらの撹拌動力の測定結果を表1に示す。
ム部分を連結部材で連結しなかった以外は実施例1と同
様の撹拌装置を用い、実施例1と同様に撹拌動力の測定
を行った。その結果、38,000cpの粘度を持つC
MC水溶液における撹拌翼の撹拌動力が1.5kw/m
3 のときの回転数は66rpm、3.0kw/m3
のときの回転数は107rpmであった。また、58,
800cpの粘度を持つCMC水溶液における撹拌翼の
撹拌動力が1.5kw/m3 のときの回転数は57r
pm、3.0kw/m3 のときの回転数は95rpm
であった。これらの撹拌動力の測定結果を表1に示す。
【0035】また、同様の撹拌装置を用いて、実施例1
と同様の混合性能の評価を行った。その結果、38,0
00cpでは、撹拌開始後70秒を経過すると着色部分
がほとんどなくなり、若干部分の着色を残しほぼ完全に
脱色された。また、58,800cpでは、撹拌開始後
140秒を経過すると着色部分がほとんどなくなり、若
干部分の着色を残しほぼ完全に脱色された。これらの混
合性能の評価の結果を表1に示す。
と同様の混合性能の評価を行った。その結果、38,0
00cpでは、撹拌開始後70秒を経過すると着色部分
がほとんどなくなり、若干部分の着色を残しほぼ完全に
脱色された。また、58,800cpでは、撹拌開始後
140秒を経過すると着色部分がほとんどなくなり、若
干部分の着色を残しほぼ完全に脱色された。これらの混
合性能の評価の結果を表1に示す。
【0036】比較例1 ダブルヘリカルリボン翼82及び84を構成する帯状板
の表面に突起部を設けず、(d2/D)=0.819と
した以外は実施例1と同様の撹拌装置を用い、実施例1
と同様に撹拌動力の測定を行った。その結果、38,0
00cpの粘度を持つCMC水溶液における撹拌翼の撹
拌動力が1.5kw/m3 のときの回転数は84rp
m、3.0kw/m3 のときの回転数は137rpm
であった。また、58,800cpの粘度を持つCMC
水溶液における撹拌翼の撹拌動力が1.5kw/m3
のときの回転数は70rpm、3.0kw/m3 のと
きの回転数は114rpmであった。これらの撹拌動力
の測定結果を表1に示す。また、同様の撹拌装置を用い
て、実施例1と同様の混合性能の評価を行った。その結
果、38,000cpでは、撹拌開始後70秒を経過し
ても、撹拌槽のボトム部に着色部分が残り、完全には脱
色できなかった。また、58,800cpでは、撹拌開
始後160秒を経過しても、撹拌槽の上部に大きな未消
失部分が残るばかりか、この滞留部はその後の時間経過
によっても消失しなかった。これらの混合性能の評価の
結果を表1に示す。
の表面に突起部を設けず、(d2/D)=0.819と
した以外は実施例1と同様の撹拌装置を用い、実施例1
と同様に撹拌動力の測定を行った。その結果、38,0
00cpの粘度を持つCMC水溶液における撹拌翼の撹
拌動力が1.5kw/m3 のときの回転数は84rp
m、3.0kw/m3 のときの回転数は137rpm
であった。また、58,800cpの粘度を持つCMC
水溶液における撹拌翼の撹拌動力が1.5kw/m3
のときの回転数は70rpm、3.0kw/m3 のと
きの回転数は114rpmであった。これらの撹拌動力
の測定結果を表1に示す。また、同様の撹拌装置を用い
て、実施例1と同様の混合性能の評価を行った。その結
果、38,000cpでは、撹拌開始後70秒を経過し
ても、撹拌槽のボトム部に着色部分が残り、完全には脱
色できなかった。また、58,800cpでは、撹拌開
始後160秒を経過しても、撹拌槽の上部に大きな未消
失部分が残るばかりか、この滞留部はその後の時間経過
によっても消失しなかった。これらの混合性能の評価の
結果を表1に示す。
【0037】
【表1】
【0038】考察 表1からも分かるように、本発明の撹拌翼を用いた場合
には、10〜20%程度の回転数低下が見られるが、混
合効率は、回転数低下にもかかわらず、格段に向上して
いる。具体的に、38,000cpのCMC水溶液にお
いて、比較例1では撹拌開始後70秒を経過しても、完
全には脱色できなかったが、実施例1では撹拌開始後7
0秒を経過すると完全に脱色された(実施例2では70
秒でほぼ完全に脱色された)。また、58,800cp
のCMC水溶液において、比較例1では撹拌開始後16
0秒を経過しても、撹拌槽の上部に大きな未消失部分が
残り、この滞留部はその後の時間経過によっても消失し
なかったのに対し、実施例1では撹拌開始後140秒を
経過すると着色部分がなくなり、完全に脱色された(実
施例2では140秒でほぼ完全に脱色された)。このこ
とから実施例1〜2の撹拌装置の方が混合性能に優れて
いることが分かる。特に実施例1〜2の撹拌装置は高粘
度になればなるほどその優れた点が顕著になることが分
かった。
には、10〜20%程度の回転数低下が見られるが、混
合効率は、回転数低下にもかかわらず、格段に向上して
いる。具体的に、38,000cpのCMC水溶液にお
いて、比較例1では撹拌開始後70秒を経過しても、完
全には脱色できなかったが、実施例1では撹拌開始後7
0秒を経過すると完全に脱色された(実施例2では70
秒でほぼ完全に脱色された)。また、58,800cp
のCMC水溶液において、比較例1では撹拌開始後16
0秒を経過しても、撹拌槽の上部に大きな未消失部分が
残り、この滞留部はその後の時間経過によっても消失し
なかったのに対し、実施例1では撹拌開始後140秒を
経過すると着色部分がなくなり、完全に脱色された(実
施例2では140秒でほぼ完全に脱色された)。このこ
とから実施例1〜2の撹拌装置の方が混合性能に優れて
いることが分かる。特に実施例1〜2の撹拌装置は高粘
度になればなるほどその優れた点が顕著になることが分
かった。
【0039】
【発明の効果】以上説明してきたように、本発明によれ
ば、比較的高粘度液体であっても、少ない電力量で効率
的にかつ均一に撹拌・混合することが可能な撹拌翼及び
これを用いた撹拌装置が提供される。特に本発明の撹拌
翼を用いた撹拌装置によれば、より高い粘度においてそ
の効果が顕著に発揮される。
ば、比較的高粘度液体であっても、少ない電力量で効率
的にかつ均一に撹拌・混合することが可能な撹拌翼及び
これを用いた撹拌装置が提供される。特に本発明の撹拌
翼を用いた撹拌装置によれば、より高い粘度においてそ
の効果が顕著に発揮される。
【図1】図1は本発明の第1実施形態に係る撹拌翼を用
いた撹拌装置の概要を示す図である。
いた撹拌装置の概要を示す図である。
【図2】図2は図1における符号IIの部分拡大図であ
る。
る。
【図3】図3は図2における突起部622付近の部分平
面図である。
面図である。
【図4】図4は本発明の他の実施形態に係る撹拌翼を示
す図である。
す図である。
【図5】図5は実施例で用いる撹拌装置の概要を示す図
である。
である。
2… 撹拌装置 4… 撹拌槽 42… 円筒胴 44… 底板 6… 撹拌軸 62,64… 腕木 8… 撹拌翼 82,84… ダブルヘリカルリボン翼 822,842… 突起部 86… シングルリボン翼 10… 連結部材
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4G035 AB38 AB41 4G078 AA07 AA26 AB05 BA05 DA14 4J011 AA01 AA03 AB09 DA04 DB19
Claims (4)
- 【請求項1】 撹拌軸を介して駆動手段により回転駆動
され、一定幅の帯状板が螺旋面を成すように形成された
ヘリカルリボン翼を有する撹拌翼であって、 前記帯状板に、該帯状板の外側端部より突出する突起部
を設けてあることを特徴とする撹拌翼。 - 【請求項2】 少なくとも2条のヘリカルリボン翼を有
し、 前記撹拌軸を中心線として線対称となる一方の帯状板上
に設けてある突起部と、他方の帯状板上に設けてある突
起部とが、中心線に対する同一垂直面で同じ位置に存在
しないよう交互に配置してあることを特徴とする請求項
1記載の撹拌翼。 - 【請求項3】 前記ヘリカルリボン翼の最終端同士を連
結部材で連結してあることを特徴とする請求項2記載の
撹拌翼。 - 【請求項4】 撹拌槽と、該撹拌槽内に同芯状に設けら
れる請求項1〜3の何れかに記載の撹拌翼とを少なくと
も有することを特徴とする撹拌装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP11035634A JP2000233122A (ja) | 1999-02-15 | 1999-02-15 | 撹拌翼及びこれを用いた撹拌装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP11035634A JP2000233122A (ja) | 1999-02-15 | 1999-02-15 | 撹拌翼及びこれを用いた撹拌装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2000233122A true JP2000233122A (ja) | 2000-08-29 |
Family
ID=12447317
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP11035634A Pending JP2000233122A (ja) | 1999-02-15 | 1999-02-15 | 撹拌翼及びこれを用いた撹拌装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2000233122A (ja) |
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CN108905717A (zh) * | 2018-09-12 | 2018-11-30 | 黑龙江省畜牧机械化研究所 | 一种渐开线式高粘度物料搅拌装置 |
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-
1999
- 1999-02-15 JP JP11035634A patent/JP2000233122A/ja active Pending
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