JP3758741B2 - 移動式貯氷型陳列台 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、サラダ、果物、飲物等、冷たい状態で味わう飲食物類を陳列容器に収容して冷却状態に保持して陳列するための貯氷式陳列台に関し、特に所望の位置へ移動可能な移動式貯氷型陳列台に関する。
【0002】
【従来の技術】
貯氷型陳列台の一形式として、実公平7−19317号公報に示されているように、基台の上部に配設され所要量のチップ状氷を収容する貯氷槽と、前記基台の下部に配設され前記貯氷槽へ供給する氷を生成する製氷機構と、前記貯氷槽内に配設されて飲食物類を収容する陳列容器を受承する複数の受承部材を備えた陳列台がある。当該形式の貯氷式陳列台は、人手によらずにチップ状氷を貯氷槽内に順次供給し得るように、かつ飲食品物類の陳列効果を向上させるように意図して提供されたものである。
【0003】
また、当該貯氷型陳列台においては、基台にキャスタが取付けられていて、所望の場所へ移動できる移動式に構成されており、かかる移動式貯氷型陳列台は、製氷用水の確保、排水施設の確保等の難しい場所への移動をも配慮して製氷用水の貯水タンク、排水タンク等を備えている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、当該移動式貯氷型陳列台においては、貯氷槽内でチップ状氷が融解して生成された融解水が排水タンクに収容されるため、排水タンク内の融解水が設定量に達したときには同融解水を排出する必要があり、このためには、排水タンク内の融解水が設定量に達したことを迅速かつ精度よく検出しなければならいない。また、貯水タンク内の製氷用水の消費量についても、消費量が設定量に達したことを迅速に検出する必要がある。
【0005】
従って、本発明の目的は、当該形式の移動式貯氷型陳列台において、これらの問題に対処することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明は、移動式貯氷型陳列台に関するものである。本発明に係る移動式貯氷型陳列台は、移動可能な基台の上部に配設されて所要量のチップ状氷を収容し上方に配置される陳列容器内の飲食物類を冷却する貯氷槽と、前記基台の下部に配設されて前記貯氷槽へ供給する氷を生成する製氷機構と、前記基台の下部に配設されて製氷用水を収容するとともに同製氷用水を前記製氷機構へ供給する製氷用水供給機構と、前記基台の下部に配設されて前記貯氷槽内の水を排出する排水機構を備えるものである。
【0007】
しかして、本発明に係る移動式貯氷型陳列台においては、前記排水機構は、前記製氷用水供給機構を構成する貯水タンクとは独立した排水タンクと、前記排水タンクの外部に位置して同排水タンク内の排水の収容量を検出する排水検出手段を備え、前記排水タンクは前記基台から離脱可能に組付けられて前記排水検出手段に受承されていることを特徴とする。
【0008】
本発明に係る移動式貯氷型陳列台においては、前記排水検出手段を、一端側にて前記基台に回動可能に支持されて他端側が上下方向へ移動し前記排水タンクの一部を受承する受承部材と、同受承部材を支持して下方への移動を所定のバネ力にて規制するバネ部材と、前記受承部材の上下方向の移動軌跡上の所定の部位に配設された検出スイッチにて構成することができる。
【0009】
また、当該移動式貯氷型陳列台においては、前記排水タンクの一端側を前記基台に上下方向へ回動可能に支持して、同排水タンクの他端側を前記排水検出手段を構成する受承部材に受承させる構成とすることができる。
【0010】
また、当該移動式貯氷型陳列台においては、前記製氷用水供給機構を、貯水タンクと、同貯水タンクと前記製氷機構とを連結する給水系路に配設された浄水器と、前記貯水タンク内の製氷用水を前記製氷機構へ供給するタイマー制御の供給ポンプを備えた構成とすることができる。
【0011】
【発明の作用・効果】
このように構成した移動式貯氷型陳列台においては、貯氷槽内のチップ状氷が融解して生成された融解水は排水機構を構成する排水タンク内に収容されて、排水タンク内に収容されている排水が設定量に達したときには、排水は外部に排出される。この場合、排水検出手段は、排水タンク内の排水の収容量が設定量に達したことを検出し、この検出に基づいて、排水タンク内に収容されている排水は手動または自動的に外部へ排出される。
【0012】
ところで、本発明に係る移動式貯氷型陳列台においては、排水機構を構成する排水タンクを基台に対して離脱可能に組付ける構成としているので、陳列台の清掃時に排水タンクを基台から取外せば、排水タンク自体、および基台における排水タンクの配設部位の清掃を容易にかつ確実に行うことができる。また、排水タンク内の排水の排出作業を、排水タンクを基台から取外して行うことができ、この場合、排水タンク内の排水の排出作業が容易である。
【0013】
また、当該移動式貯氷型陳列台において、前記排水検出手段を、一端側にて基台に回動可能に支持されて他端側が上下方向へ移動し排水タンクの一部を受承する受承部材と、同受承部材を支持して下方への移動を所定のバネ力にて規制するバネ部材と、受承部材の上下方向の移動軌跡上の所定の部位に配設された検出スイッチにて構成すれば、排水タンクをバネ部材に直接支持する場合に比較してバネ力を小さくすることができるとともに、排水タンクの検出スイッチまでの上下方向の移動量を大きくすることができて、排水タンク内の排水の設定量をより精度よく検出することができる。
【0014】
また、当該移動式貯氷型陳列台において、製氷用水供給機構を、貯水タンクと、同貯水タンクと製氷機構とを連結する給水系路に配設された浄水器と、貯水タンク内の製氷用水を製氷機構へ供給するタイマー制御の供給ポンプを備えた構成とすれば、貯水タンクから製氷機構への製氷用水を浄水器にて浄化できることは勿論である。
【0015】
しかも、供給ポンプを、貯水タンクの製氷用水の製氷機構への給水時、予め設定された給水時間より所定時間長く駆動した時点で停止するように制御すれば、貯水タンク内の製氷用水が所定量以下に減少して不足状態にあること、および浄水器が所定量の製氷用水を浄化処理して交換時期に達したことを同時に知ることができる。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を図面に基づいて説明すると、図1〜図3には本発明の一例に係る排水機構を備えた移動式貯氷型陳列台の外観が示されており、図4および図5には当該陳列台の基台に組付けた各構成部材が示されている。当該陳列台は、基台10aおよび貯氷槽10bと、製氷機構20aおよび製氷用水供給機構20bと、押出機構30a、移送機構30bおよび氷検出機構30cと、冷気循環機構40a,40bと、噴霧機構50aおよび排水機構50bを備えている。
【0017】
基台10aは、方形枠状の支持フレーム11と、支持フレーム11の下面の4隅に組付けた4個のキャスター12aおよび2本の脚部12bと、支持フレーム11の下部に固着した左右一対のドレンパン13a,13bと、支持フレーム11の前面に組付けた3枚の開閉扉14a,14b,14cと、前面、後面および側面に固着されたパネル15a,15b,15cを備えている。
【0018】
各脚部12bは上下方向に進退可能に構成されているもので、前側の各キャスター12aに近接して組付けられており、各脚部12bを後退させて床面上から離間させた状態では各キャスター12aは床面上に接地して転動可能であり、基台10aを所望の位置に容易に移動させることができる。また、各脚部12bを前進させて床面上に着地させた状態では、前側の各キャスター12aは床面上からわずかに浮き上がって自由状態となり、基台10aは各脚部12bにて床面上に支持されて容易な移動を規制される。
【0019】
支持フレーム11は、図6〜図8に示すように長方形状に枠組されているもので、その上方が長方形状に開口しており、上下方向の中間部には左右一対の棚部11aを備えているとともに、下部には各ドレンパン13a,13bが固着されている。両棚部11aは後述する貯氷槽10bを支持するもので、両棚部11aには前後に所定の間隔を保持して水逃穴11bが形成されている。各ドレンパン13a,13bは所定の間隔を保持して固着されているもので、各ドレンパン13a,13bの外端側はわずかに上方へ傾斜する傾斜部13a1,13b1に形成されている。
【0020】
支持フレーム11においては、その上方開口部を通して挿入された貯氷槽10bを両棚部11aにて支持している。また、支持フレーム11の下部には、両ドレンパン13a,13bの間に製氷機構20aが配設され、左側のドレンパン13aの上方には噴霧機構50aが配設され、かつ右側のドレンパン13b上に製氷用水供給機構20b、および排水機構50bが配設されている。
【0021】
貯氷槽10bは、図4、図5および図10に示すように、断熱材を内蔵した上方が開口する貯氷槽部16と、筒状の脚部の上端縁部に外方へ張出す枠部を有するテーブル17とからなるもので、貯氷槽部16およびテーブル17は支持フレーム11の上方開口部に挿入されていて、貯氷槽部16が棚部11aにて支持され、かつテーブル17が貯氷槽部16の上端部に当接して支持フレーム11の上端縁にて支持されている。貯氷槽部16は支持フレーム11の棚部11aにおいては、図9に示すように、棚部11aに設けた水逃穴11bの外側略半分が開放される状態に支持されている。貯氷槽10bにおいては、テーブル17の開口部17aに複数の陳列容器18a〜18dが吊下状に支持されているとともに、各陳列容器18b,18c間が遮蔽板19にて覆蓋されている。
【0022】
製氷機構20aはオーガ式製氷機構であり、図4、図10および図11に示すように、製氷機構部21、コンプッサ22、コンデンサ23、冷却ファン24、製氷水タンク25等を主要構成部材としており、支持フレーム11内に配置されて製氷機構部21の上端部が貯氷槽部16の下面中央部の近傍に位置している。製氷機構部21は、オーガを有する製氷部、エバポレータ、駆動モータ等からなるもので、貯氷槽部16の下方にて起立して貯氷槽部16の下面の近傍に延びており、貯氷槽部16の底部の略中央部に貫通して組付けた後述する押出機構30aに連結されている。
【0023】
当該製氷機構20aにおいては、製氷機構部21を構成する内外両ケーシング21a,21b間にて内側ケーシング21aの外周に巻回されて配置されている冷却管21cに冷却媒体が循環供給されるとともに、内側ケーシング21aの内部に製氷水が供給され、同ケーシング21a内にて生成される氷をオーガ21dの回転動作により漸次上方へ移送するとともに圧縮して押出機構30aに供給し、押出機構30aを経て1〜2cm程度の長さのチップ状の氷として貯氷槽10b内に供給する。
【0024】
製氷用水供給機構20bは、図4に示すように、貯水タンク26、浄水器27、および供給ポンプ28を備え、これらは給水管路にて製氷水タンク25に接続されている。貯水タンク26は製氷水タンク25に比較して大型のもので、貯水タンク26内の製氷用水は供給ポンプ28の駆動により浄水器27を経て供給される。供給ポンプ28は、製氷水タンク25内に配設されたフロートスイッチにて駆動を制御されているもので、製氷水タンク25内の製氷用水が所定の下側レベル以下になると駆動し、かつ製氷用水が所定の上側レベル以上になると駆動を停止する。また、供給ポンプ28は、製氷水タンク25内の上下両レベル間に給水するに要する時間より所定時間長く駆動したときには、駆動を停止するようにタイマ制御されている。供給ポンプ28の駆動停止時には、表示ランプが点灯するようになっている。
【0025】
押出機構30aは、図10および図11に示すように、貯氷槽10bの貯氷槽部16の底部16aを気密的に貫通した状態で、製氷機構部21の内側ケーシング21aの先端部に嵌着されている固定刃21eの上端面に固定されている。
【0026】
押出機構30aは、所定長さの円柱状本体31と、円柱状本体31の上端に固着された円板状の案内板32からなるもので、円柱状本体31の中央部に設けた長手方向に延びる貫通孔に挿通したボルト33にて、製氷機構部21の内側ケーシング21aの上端部に嵌着した固定刃21eの上端部に固定されていて、貯氷槽部16の底部の略中央部に突出している。
【0027】
押出機構30aにおいては、円柱状本体31の外周に長手方向へ延びる複数の第1溝部31aと複数の第2溝部31bとが形成されている。各第1溝部31aは案内板32の下面にまで延びているもので、押出機構30aが貯氷槽部16に組付けられた状態においては、貯氷槽部16の内部に屈曲した状態で開口している。また、各第2溝部31bは案内板32を貫通して延びていて、案内板32の上面側に開口している。
【0028】
移送機構30bは、図10および図11に示すように、押出機構30aを構成する案内板32上に載置されて起立して貯氷槽部16の略中央部を上方へ延びているもので、筒体34と、筒体34の上端に固着された受皿35と、筒体34および受皿35を貫通して上方へ突出する搬送管36と、受皿35に載置された2枚の受板37にて構成されている。筒体34においては、その下端部が押出機構30aを構成する案内板32に載置されて閉塞されているとともに、上端開口部が受皿35にて閉塞されており、筒体34の上端縁の周囲には複数の噴出穴34aが形成されている。
【0029】
搬送管36は一対の管部36a,36bにて構成されているもので、各管部36a,36bの内側壁部36cが管部36a,36bの上端から上方へ突出し、ラッパ状に拡開された状態で一体化されている。ラッパ状の頂部36dは、各管部36a,36bの上端開口部の上方に臨んでいる。各管部36a,36bの下端開口部は、押出機構30aを構成する円柱状本体31の各第2溝部31bの上端開口部に対向して連通している。
【0030】
各受板37は、図12の(a)〜(c)に示すように、半円形状の板部37aの直線状縁部の3箇所の部位に下方へ突出する突起部37bを備えているもので、直線状縁部には一対の凹所37cが形成されていて、これら両凹所37cを挟んで中央部37dが凸起部に形成されている。各受板37はその各凹所37cを搬送管36の各管部36a,36bに嵌合した状態で受皿35に載置され、板部37aが直線状縁部から円弧状縁部側へ漸次下降傾斜する状態となっている。
【0031】
氷検出機構30cは、図4、図5および図13に示すように、左右一対の揺動板38aと、各揺動板38aの支持棒38bの先端に設けた検知板38cと、一対の近接スイッチ38dからなるもので、各揺動板38aは貯氷槽10bのテーブル17の上面部にて左右方向に所定の間隔を保持して左右方向へ回動可能に支持されており、また各近接スイッチ38dは支持板38eの下端部にて左右の側部に所定の間隔を保持して組付けられていて、各検知板38cの下端部とは後述する遮蔽板38gを挟んで対向している。
【0032】
支持板38eは貯氷槽部16の外側に位置し、その上端フランジ部の下面側にてテーブル17の表面側に載置した当板38fに、テーブル17を挟持した状態で固定されている。各検知板38cは、当板38fおよびテーブル17に設けたスリット状孔を貫通して、支持板38eとその外側に設けた遮蔽板38g間を揺動可能に延びている。
【0033】
各揺動板38aにおいては、その長さがテーブル17の内側幅とほぼ同一に、その高さが貯氷槽部16の深さより所定長さ短く形成されていて、支持棒38bを介してテーブル17上に支持された状態では、テーブル17の内側幅一杯に、かつ貯氷槽部16の底部16aから所定高さ浮いた状態にあり、貯氷槽部16の左右方向へ揺動可能に吊下されている。各揺動板38a,38bは、移送機構30bを挟んで左右に位置している。
【0034】
氷検出機構30cにおいては、各揺動板38a,38bが静止している状態では各検知板38cも静止状態にあって、各近接スイッチ38dは非作動の状態にあり、製氷機構20から貯氷槽部16内に順次供給されてくるチップ状氷が各揺動板38a,38bに当接して、各揺動板38a,38bが揺動して各検知板38cが揺動すると、各近接スイッチ38dが作動してチップ状氷が所定量供給されたことを検出する。
【0035】
また、各揺動板38a,38bは、貯氷槽10bの上方開口部17aに吊下状に支持されて貯氷槽部16の内部に臨む各陳列容器18a〜18d、および遮蔽板19とともに、貯氷槽10b内を左右側部に位置する側部冷気室R1,R2と、中央部に位置する中央冷気室R3とに区画している。従って、各揺動板38a,38bは貯氷槽部16内を3つの冷気室R1,R2,R3に区画する仕切板としても機能している。
【0036】
各側部冷気室R1,R2を構成する各陳列容器18a〜18dは、図2、図4および図5に示すように、貯氷槽10bを構成するテーブル17の開口部17aの開口幅よりわずかに短い長さで所定幅の容器部の上端外周縁に、所定幅の鍔部が形成されているものである。また、中央冷気室R3を構成する遮蔽板19は、テーブル17の開口部17aの開口幅より長い長さで所定幅のもので、左右側縁部には鍔部19aが形成されている。遮蔽板19においては、その中央部に長円形の第1開口部19bが形成されているとともに、第1開口部19bを挟んで前後にこれより小径の円形の第2開口部19cが形成されている。
【0037】
遮蔽板19は、第1開口部19bにて移送機構30bに挿通された状態で氷検出機構30cの両揺動板38aの上方に位置して、テーブル17の開口部17aの中央部を覆蓋している。各陳列容器18a,18dは、その鍔部をテーブル17の開口部17aの開口縁部に掛止された状態でテーブル17の左右側に吊下され、また各陳列容器18b,18cはその鍔部をテーブル17の開口部17aの開口縁部および遮蔽板19の各鍔部19aに掛止された状態で、陳列容器18aと遮蔽板19との間、および陳列容器18dと遮蔽板19との間に吊下されている。なお、各第2開口部19cには、各陳列容器18a〜18dに比較して小さい円形状の陳列容器18e,18fが吊下されている。
【0038】
これにより、各陳列容器18a〜18dおよび遮蔽板19は互いに接触した状態で並列して、テーブル17の開口部17aの全面を閉鎖しており、左側の揺動板38aの左側に側部冷気室R1を、右側の揺動板38aの右側に側部冷気室R2を、また両揺動板38aの間に中央冷気室R3を形成している。この状態においては、各陳列容器18a〜18dの外周と貯氷槽部16の内周との間に、図10に示すように縦長の冷気通路Pが形成されている。この冷気通路Pは貯氷槽部16の内周に設けた各遮断板16b,16cによって、側部冷気室R1と中央冷気室R3間、側部冷気室R2と中央冷気室R3で遮断されている。
【0039】
冷気循環機構40a,40bは同一構成の循環ファン装置であり、図4、図10および図14に示すように、ファンモータ41と循環ファン部42からなるもので、ファンモータ41は貯氷槽10bを構成する貯氷槽部16の側壁部16dの外側に固定されていて、その駆動軸41aが同側壁部16dを気密的で回転可能に貫通して貯氷槽部16の内部へ突出している。循環ファン部42は駆動軸41aの先端部に組付けられている。
【0040】
循環ファン部42は、駆動軸41aの先端に固定されたファン42aと、ファン42aを覆蓋するファンカバー42bを備えている。ファンカバー42bには、正面に多数の冷気吸引口42cが形成されているとともに、外周面に多数の冷気吐出口42dが形成されており、各側部冷気室R1,R2における同じ側の部位に配置されている。循環ファン部42は正面に向かって冷気吐出口42d側が下がる傾斜状態に配置されている。
【0041】
これにより、当該冷気循環機構40a,40bにおいては、各側部冷気室R1,R2の冷気をファンカバー42bの冷気吸引口42cから吸引し、冷気吐出口42dから各側部冷気室R1,R2に斜め下方へ吐出させる。
【0042】
噴霧機構50aは、図4、図15および図16に示すように、霧発生器51と、送風機52と、貯水タンク53を備えているもので、貯水タンク53は図16および図17に示すように、その内部が仕切板53aにより霧発生部53bとフロートスイッチ53cの配設部53dとに仕切られており、霧発生部53bの上部には絞部53eを通して送風路53fが連通している。
【0043】
送風機52は、貯水タンク53の送風路53f、絞部53e、霧発生部53bの上部、流出孔53f、およびホース54aを通して、移送機構30bを構成する筒体34に連結されて筒体34内に連通し、かつ貯水タンク53はホース54bを介して製氷機構20を構成する製氷機構部21への給水ホース21fの途中に接続されている。
【0044】
噴霧機構50aにおいては、霧発生器51の振動子の作動により貯水タンク53の霧発生部にて多量の霧を発生させ、発生した多量の霧は送風機52により移送機構30bの筒体34の内部に供給される。筒体34内に供給された多量の霧は筒体34内にて冷却され、筒体34の上端部に設けた各噴出穴34aから外部へ噴出される。従って、移送機構30bを構成する筒体34は、噴霧機構50aを構成する噴霧部として機能する。筒体34の上端部に設けた各噴出穴34aは、各陳列容器18a〜18fより上方に位置し、かつ各陳列容器18a〜18d側に開口している。
【0045】
排水機構50bは、図4、図17〜図19に示すように、排水タンク55と、排水ホース56を備えているとともに、排水検出手段50cを備えている。排水ホース56は、その上端開口部にて貯氷槽部16の底部に設けた排水孔16eに接続されていて、その下端部が排水タンク55内の底部の上方に臨んでいる。
【0046】
排水孔16eは、押出機構30aの第1溝部31aの開口部であるチップ状氷の吐出部より下方に位置しており、嵌挿された蓋体56aにより覆蓋されている。蓋体56aはその中央部に小径の流出孔56a1を備えているとともに、流出孔56a1の外周側に円環状の掛止突起56a2を備えている。流出孔56a1は、水の通過を許容しかつチップ状氷の通過を規制する小径の寸法に形成されていて、掛止突起56a2を掛止して容易に取外し可能に嵌合されている。
【0047】
なお、排水タンク55内には、製氷機構部21のドレンホース21g、製氷水タンク25からの排水ホース25a等が臨んでいる。
【0048】
排水機構50bが有する排水検出手段50cは、図17〜図19に示すように、受承板57、テンションスプリング58、および検出スイッチ59にて構成されている。受承板57は、板本体57aの先端部に作動アーム57bを備え、基端部にてドレンパン13bの底部に設けた支持部13cにヒンジ57cを介して上下方向へ回動可能に組付けられて、排水タンク55の他端側にて起立する支持板13d側へ延びており、作動アーム57bが支持板13dに設けた開口部13eを貫通している。
【0049】
受承板57は、作動アーム57bの基端部に、上端を支持板13dの上方に支持されたテンションスプリング58の下端が掛止されていて、一端側にてテンションスプリング58により所定のバネ力にて支持されている。支持板13dにおける開口部13eの下端部には検出スイッチ59が配設されていて、受承板57の作動アーム57bの先端部と対向している。これにより、受承板57が受ける荷重が漸次増大すると、受承板57はテンションスプリング59に抗して漸次下降し、作動アーム57bの先端が検出スイッチ59を押圧し、表示ランプを点灯させる。
【0050】
一方、排水タンク55は、その下端部の一端側にフック55aが形成されているとともに、他端側に掛止突起55bが形成されていて、フック55aをドレンパン13bの一端側に設けた掛止軸部13fに掛止して、上下方向に回動可能に支持され、かつ掛止突起55bを受承板57の挿入口に挿入して掛止して、受承板57に受承されている。挿入口は左右方向に所定の幅を有するもので、排水タンク55を図示左側へ移動可能で、移動させた場合には排水タンク55に設けたフック55aが掛止軸部13fから外れて、排水タンク55を取外すことができる。
【0051】
このように構成した移動式貯氷型陳列台においては、例えば、各陳列容器18a〜18dに所望の飲食物類を収容して貯氷槽10bを構成するテーブル17の開口部17aの縁部に掛止して支持するとともに、各陳列容器18e,18fを遮蔽板19の各第2開口部19cに嵌挿して支持し、かつ貯水タンク26に製氷用水を貯水して準備を完了
当該移動式貯氷型陳列台は、その後所望の場所に移動して運転を開始する。運転は、制御装置60にて制御される。図20は、当該移動式貯氷型陳列台の運転中の貯氷槽10bの状態が模式的に示しているもので、当該移動式貯氷型陳列台の運転時には、製氷機構20a、製氷用水供給機構20b、冷気循環機構40a,40b、および噴霧機構50aが稼動するとともに、氷検出機構30cおよび排出機構50bが作動する。
【0052】
当該移動式貯氷型陳列台においては、製氷機構20aにて生成された氷は押出機構30aへ順次に供給され、押出機構30aにおいては各第1溝部31aおよび各第2溝部31bに供給される。各第1溝部31aに供給された氷は押出機構30aの案内板32に衝突して折られ、チップ状氷となって各第1溝部31aの開口部から図20の実線矢印のごとく貯氷槽部16内へ順次供給される。チップ状氷の群は、順次供給されるチップ状氷の押出力により外側へ押出されて貯氷槽部16の底部16aの全体に拡散される。
【0053】
一方、押出機構30aの各第2溝部31bに供給された氷は、移送機構30bの搬送管36の各管部36a,36bに図20の破線矢印のごとく供給され、各管部36a,36bを上昇して搬送管36の頂部36dに衝突して折られ、チップ状氷となって受皿35に配置した各受板37上に落下する。各受板37は受皿35の外周縁側へ漸次下降傾斜しているため、チップ状氷は受皿35の中央部を頂点として裾広がりに全体に拡散し、また受皿35の外周縁からはみ出たチップ状氷は遮蔽板19の第1開口部19bを通して貯氷槽部16内に落下する。チップ状氷の受皿35上の堆積状態および受皿35の外周縁からの落下状態は、陳列容器内の飲食物類を陳列する雰囲気を盛り上げる効果を発揮する。
【0054】
製氷機構20aからの氷の供給中に貯氷槽部16内のチップ状氷が所定量に達すると、氷検出機構30cを構成する各揺動板38aが供給されるチップ状氷に押動されて左右の外側へ揺動して、各検知板38cを揺動させる。この結果、各近接スイッチ38dが動作して貯氷槽部16内のチップ状氷が所定量に達したことを検出し、この検出信号を制御装置60に出力する。制御装置60は、この検出信号に基づいて製氷機構20aの運転を停止する信号を出力して、製氷機構20aの運転のみを停止させる。
【0055】
各冷気循環機構40a,40bは当該貯氷式陳列台の運転中稼動し、各側部冷気室R1,R2内の冷気を循環ファン部42の冷気吸引口42cから吸引して、同循環ファン部42の冷気吐出口42dから各側部冷気室R1,R2内へ吐出する。循環ファン部42に吸引された冷気は、冷気吸引口42cより下方に位置する冷気吐出口42dから斜め下方へ吐出されるため、各側部冷気室R1,R2内の冷気は図20の実線矢印に示すように循環して流れる。
【0056】
噴霧機構50aは当該移動式貯氷型式陳列台の運転中稼動し、霧発生器51にて発生した大量の霧は送風機52にて移送機構30bを構成する筒体34内に供給される。霧は筒体34内にて冷却されて、筒体34の上端部に設けた各噴出穴34aから白色の霧として噴出される。噴出された霧は、各陳列容器18a〜18f上を図20の実線で示すようにゆっくりと流れ、飲食物類の乾燥を防ぐとともに、陳列雰囲気を盛り上げる効果を発揮する。
【0057】
当該移動式貯氷型陳列台においては、貯氷槽部16内のチップ状氷が徐々に融解して貯氷槽部16内に水が生成されるが、生成された水は貯氷槽部16の底部16aに設けた排出孔16eから、排水機構50bを構成する排水ホース56を経て排水タンク55に流出して収容される。一方、各ドレンパン13a,13bへは、貯氷槽10b等の外周に結露して生成された結露水が落下する。
【0058】
このように、当該移動式貯氷型陳列台においては、貯氷槽部16内のチップ状氷が融解して生成された融解水は排水機構50bを構成する排水タンク55内に収容され、排水タンク55内に収容されている排水が設定量に達したときには、排水は外部に排出される。この場合、排水検出手段50cは、排水タンク55内の排水の収容量が設定量に達したことを検出し、この検出に基づいて、排水タンク55内に収容されている排水は手動または自動的に外部へ排出される。
【0059】
ところで、当該移動式貯氷型陳列台において、排水機構50bを構成する排水タンク55を基台10aに対して離脱可能に組付けているため、陳列台の清掃時に排水タンク55を基台10aから取外して、排水タンク55自体、基台10aにおける排水タンク55の配設部位、および当該配設部位の周囲の清掃を容易にかつ確実に行うことができる。
【0060】
また、当該移動式貯氷型陳列台においては、排水検出手段50cを、一端側にて基台10aに回動可能に支持されて他端側が上下方向へ移動し排水タンク55の一部を受承する受承板57と、受承板57を支持して下方への移動を所定のバネ力にて規制するテンションスプリング58と、受承板57の作動アーム57bの下方の所定の部位に配設した検出スイッチ59にて構成しているため、排水タンク55をテンションスプリング58に直接支持する場合に比較してバネ力を小さくすることができるとともに、排水タンク55の検出スイッチ59までの上下方向の移動量を大きくすることができて、排水タンク55内の排水の設定量をより精度よく検出することができる。
【0061】
また、当該移動式貯氷型陳列台においては、製氷用水供給機構20bを、貯水タンク26と、貯水タンク26と製氷機構20aの製氷水タンク25とを連結する給水系路に配設された浄水器27と、貯水タンク26内の製氷用水を製氷水タンク25へ供給する供給ポンプ28を備えた構成としているため、貯水タンク26から製氷水タンク25への製氷用水を浄水器27にて浄化できることは勿論である。
【0062】
しかも、供給ポンプ28を、製氷水タンク25への製氷用水の給水時、予め設定された給水時間より所定時間長く駆動した時点で停止するように制御しているため、貯水タンク26内の製氷用水が所定量以下に減少して不足状態にあること、および浄水器27が所定量の製氷用水を浄化処理して交換時期に達したことを同時に知ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一例に係る貯氷式陳列台の正面図である。
【図2】同陳列台の平面図である。
【図3】同陳列台の側面図である。
【図4】同陳列台の貯氷槽を縦断した状態の正面図である。
【図5】同陳列台の各陳列容器を除去した状態の平面図である。
【図6】同陳列台の基台を構成する支持フレームの正面図である。
【図7】同支持フレームにおける下方枠部の平面図である。
【図8】同支持フレームにおける上方枠部の平面図である。
【図9】同支持フレームに対する貯氷槽の支持状態の一部を示す平面図である。
【図10】同陳列台を構成する製氷機構および貯氷槽の関係を示す貯氷槽を縦断した側面図である。
【図11】同陳列台を構成する製氷機構、押出機構、および移送機構の関係を示す一部縦断側面図である。
【図12】同移送機構を構成する受皿および受板の平面図(a)、同受板の平面図(b)、および同受板の正面図(c)である。
【図13】同陳列台を構成する氷検出機構の斜視図である。
【図14】同陳列台を構成する冷気循環機構である循環ファン装置の取付け状態を示す一部縦断側面図である。
【図15】同陳列台を構成する噴霧機構の正面図である。
【図16】同噴霧機構の側面図である。
【図17】同陳列台を構成する排水機構の正面図(a)、および同排水機構を構成する排水ホースを覆蓋する蓋体の平面図(b)である。
【図18】同排水機構の側面図である。
【図19】同排水機構が有する排水検出手段の拡大正面図(a)、および同排出機構を構成する排出タンクの一側の支持部の拡大正面図(b)である。
【図20】同陳列台における運転中の貯氷槽の内部および上方部を示す模式図である。
【符号の説明】
10a…基台、11…支持フレーム、11a…棚部、11b…水逃穴、12a…キャスター、12b…脚部、13a,13b…ドレンパン、13a1,13b1…傾斜部、14a〜14c…開閉扉、15a〜15c…パネル、10b…貯氷槽、16…貯氷槽部、16a…底部、16b,16c…遮断板、16d…側壁部、16e…排出孔、17…テーブル、18a〜18d…陳列容器、18e,18f…陳列容器、19…遮蔽板、19a…鍔部、19b…第1開口部、19c…第2開口部、20a…製氷機構、21…製氷機構部、21a,21b…ケーシング、21c…冷却管、21d…オーガ、21e…固定刃、21f…給水ホース、21g…ドレンホース、22…コンプッサ、23…コンデンサ、24…冷却ファン、25…製氷水タンク、25a…排水ホース、20b…製氷用水供給機構、26…貯水タンク、27…浄水器、28…供給ポンプ、30a…押出機構、31…円柱状本体、31a…第1溝部、31b…第2溝部、32…案内板、33…ボルト、30b…移送機構、34…筒体、34a…噴出穴、35…受皿、36…搬送管、36a,36b…管部、36c…側壁部、36d…頂部、37…受板、37a…板部、37b…突起部、37c…凹所、37d…中央部、30c…氷検出機構、38a…搖動板、38b…支持棒、38c…検知板、38d…近接スイッチ、38e…支持板、40a,40b…冷気循環機構、41…ファンモータ、41a…駆動軸、42…循環ファン部、42a…ファン、42b…ファンカバー、42c…冷気吸引口、42d…冷気吐出口、50a…噴霧機構、51…霧発生器、52…送風機、53…貯水タンク、50b…排水機構、55…排出タンク、55a…排出孔、56…排出ホース、56a…蓋体、50c…排水検出手段、57…受承板、57a…板本体、57b…作動アーム、57c…ヒンジ、58…テンションスプリング、59…検出スイッチ、P…冷気通路、R1,R2,R3…冷気室。
Claims (4)
- 移動可能な基台の上部に配設されて所要量のチップ状氷を収容し上方に配置される陳列容器内の飲食物類を冷却する貯氷槽と、前記基台の下部に配設されて前記貯氷槽へ供給する氷を生成する製氷機構と、前記基台の下部に配設されて製氷用水を収容するとともに同製氷用水を前記製氷機構へ供給する製氷用水供給機構と、前記基台の下部に配設されて前記貯氷槽内の水を排出する排水機構を備える移動式貯氷型陳列台であり、前記排水機構は、前記製氷用水供給機構を構成する貯水タンクとは独立した排水タンクと、前記排水タンクの外部に位置して同排水タンク内の排水の収容量を検出する排水検出手段を備え、前記排水タンクは前記基台に対して離脱可能に組付けられて前記排水検出手段に受承されていることを特徴とする移動式貯氷型陳列台。
- 請求項1に記載の移動式貯氷型陳列台において、前記排水検出手段は、一端側にて前記基台に回動可能に支持されて他端側が上下方向へ移動し前記排水タンクの一部を受承する受承部材と、同受承部材を支持して下方への移動を所定のバネ力にて規制するバネ部材と、前記受承部材の上下方向の移動軌跡上の所定の部位に配設された検出スイッチにて構成されていることを特徴とする移動式貯氷型陳列台。
- 請求項2に記載の移動式貯氷型陳列台において、前記排水タンクの一端側は前記基台に上下方向へ回動可能に支持され、かつ、同排水タンクの他端側は前記排水検出手段を構成する受承部材に受承されていることを特徴する移動式貯氷型陳列台。
- 請求項1に記載の移動式貯氷型陳列台において、前記製氷用水供給機構は、貯水タンクと、同貯水タンクと前記製氷機構とを連結する給水系路に配設された浄水器と、前記貯水タンク内の製氷用水を前記製氷機構へ供給するタイマー制御の供給ポンプを備えていることを特徴とする移動式貯氷型陳列台。
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