JP3755547B2 - 遊戯装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、投入された物品を仕分けする物品仕分け装置、物品仕分け方法及びこれを用いた遊戯装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
ゲームプレイヤー(遊戯者)が把持つめを操作して景品をつかみとるゲーム装置が知られている。この種のゲーム装置において、透明な板あるいは半球状の部材で囲まれたゲーム空間内に多数の景品が置かれているとともに、開閉自在の把持つめが任意の位置に移動自在に、かつ、上下動自在に設けられている。ゲームプレイヤーがこの把持つめを移動操作して所望の景品の位置にもってくると、自動的に把持つめが下降して所定の景品をつかむ。そして、把持つめは、つかんだ景品を所定の位置にある取り出しパイプの入り口部分にもってきて落とす。すると景品は取り出しパイプを通って取り出し口に落ちる。そして、プレイヤーは景品を手に入れることができる。
【0003】
また、ゲームプレイヤーが棒で回転する景品を突き落として所望の景品を得る景品落としゲーム装置もある。落とされた景品は、同様に取り出しパイプを通って外に出てくる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、この種の景品つかみとりゲーム装置及び景品落としゲーム装置において、ゲームに熱中するあまりプレーヤーが無理な力をかけて装置自体を傾けてしまうことがある。すると、景品がゲーム空間内をころがって取り出しパイプに入ることが考えられる。このように取り出された景品は、ゲームの結果の正当な景品とはいえない。あるいは、景品を不当に得るべく故意に装置を傾けることもないとはいえない。また、装置が傾くと場合によっては破損する恐れがある。
【0005】
このようなプレーヤーの行為を防止するために、装置が傾いたときに警告音を鳴らしたりして対処していた。しかし、この方法はかかる行為に注意を喚起することには役にたつが、プレーヤーは景品を得ることができて、係る行為そのものを完全に防止するのは困難であった。
【0006】
また、装置が傾いたときに電源を切断することにより、係る行為を防止する方法も考えられる。しかし、この方法により電源が切断されると、サービスマンが装置を点検しからリセットするまで、装置は停止状態になる。これでは装置で遊びたいと考えるプレーヤーを待たせることになるし、装置の稼働率も下がる。また、何等かの理由でたまたま傾くことがないとはいえず、このような場合、利用者に非常な不便をかける。
【0007】
この発明は係る課題を解決するためになされたもので、利用者に不便をかけることなく、ゲームの正当な結果でない景品がプレーヤーの手に入ることを防ぎ、プレーヤーが装置を傾けることを効果的に防止する物品仕分け装置、物品仕分け方法及びこれを用いた遊戯装置を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
この発明に係る物品仕分け装置は、第1の収納部及び第2の収納部と、物品を前記第1の収納部あるいは前記第2の収納部いずれかに仕分けする仕分け手段と、物品が前記仕分け手段に達したかどうかを検出する第1の検出器と、物品が正常に達したかどうかを検出する第2の検出器と、前記第1の検出器により前記物品を検出したときに前記第2の検出器の出力に基づき前記仕分け手段を駆動する制御部とを備えるものである。
【0009】
収納部とは、物品を一時的あるいは永続的に保管するための部分であり、箱状のもの、袋状のもの、網状のものに限らず、単に物品が通過するにすぎないパイプ状のもの、筒状のものも含む。物品が正常に達したかどうかは、物品が移動するようになった起因やその経緯に基づいて判断される。例えば、物品が本来移動するべきでないときに、装置あるいはこの装置が取り付けられている筐体に物理的な力が加えられ、このために物品が移動したときは、物品は正常に達したとは言えない。あるいは、例えば、物品が本来経由すべき経路を経ないで移動したときは、物品は正常に達したとは言えない。
【0010】
この発明に係る物品仕分け装置は、前記仕分け手段は、物品を前記第1の収納部に送る第1の状態と、前記第2の収納部に送る第2の状態と、物品を前記第1の収納部と前記第2の収納部のいずれにも送らない第3の状態とを持ち、物品が達するまでは、前記仕分け手段は前記第3の状態を保持し、前記制御部により駆動されると前記第1の状態あるいは前記第2の状態のいずれかになるものである。
【0011】
前記仕分け手段は、前記第2の検出器による検出後に仕分けを行う。
【0012】
この発明に係る物品仕分け装置は、前記仕分け手段はひとつの可動部を備え、前記可動部は、前記2つの収納部のうちの一方の方向の通路を開く動作と他方の収納部の方向の通路を閉じる動作とを同時に行うものである。
【0013】
この発明に係る物品仕分け装置は、前記仕分け手段は、移動自在に設けられ、凹部をもつガイドと、第1の突起部及び第2の突起部をもつシャッターとを備え、前記ガイドの移動に伴い前記第1の突起部が前記凹部に嵌合することにより前記シャッターは一方の方向に開き、前記第2の突起部が前記凹部に嵌合することにより他方の方向に開くものである。
【0014】
この発明に係る物品仕分け装置は、前記第1の検出器は、前記仕分け手段の付近に物品が達したときに光が遮られるように、互いに離隔して配置される発光部及び受光部を備えるものである。
【0015】
前記第1の検出器として、ほかにも、例えば、てこの原理を用いた機械式、弾性体の歪みを利用する弾性式、機械的な歪みを与えることにより電化を発生する圧電素子を用いる圧電式、あるいは、水晶振動子、振動弦、音叉などの共進周波数が力によって変化することを利用した振動式のセンサであって、物品の重さを検出する圧力センサ、物品が移動するときの衝撃を検出する衝撃センサがある。
【0016】
この発明に係る物品仕分け装置は、前記第2の検出器は、その取り付けられた筐体の状態を検出することにより物品が正常に前記仕分け手段に達したかどうかを検出するものである。
【0017】
この発明に係る物品仕分け装置は、前記第2の検出器は、前記筐体の揺れあるいは傾きを検出するものである。
【0018】
前記第2の検出器は、揺れあるいは傾きに加えて、あるいは代えて、例えば、加速度、衝撃を検出するようにしてもよい。筐体とは、例えば、この物品仕分け装置が取り付けられている筐体、あるいは、前記第2の検出器が取り付けられている筐体である。
【0019】
この発明に係る物品仕分け装置は、前記制御部は、前記第2の検出器により物品が正常に達しないと検出されたときに、警報を発するものである。
【0020】
この発明に係る物品仕分け装置は、前記制御部は、前記第2の検出器により物品が正常に達しないと検出された回数を計数するとともに、計数結果が予め定められた回数を越えたときに動作停止信号を出力するものである。
【0021】
この発明に係る物品仕分け方法は、物品が仕分けられる位置に達したかどうかを判定する第1のステップと、物品が正常に達したかどうかを判定する第2のステップと、前記第2のステップの判定結果に基づき物品を第1の収納部あるいは第2の収納部いずれかに仕分けする第3のステップとを備えるものである。
【0022】
この発明に係る物品仕分け方法は、前記第1のステップにおいて、物品が達したと判定されるまでは前記第1の収納部及び前記第2の収納部のいずれにも物品が仕分けられない状態であり、前記第3のステップにおいて、前記第2のステップの判定がなされた後に仕分けを開始するものである。
【0023】
この発明に係る遊戯装置は、遊戯者がゲーム空間内に置かれた物品を取り出す遊戯装置において、前記いずれかの物品仕分け装置を、前記物品を取り出すための取り出し経路に備え、前記物品仕分け装置は、通常時は、遊戯者が物品を取り出すことができる第1の収納部に仕分け、異常時は、遊戯者が物品を取り出すことができない第2の収納部に仕分けるものである。
【0024】
【発明の実施の形態】
発明の実施の形態1.
以下、この発明の実施の形態1の物品仕分け装置、物品仕分け方法及びこれを用いた遊戯装置について、図に基づき説明する。
【0025】
図1はこの装置の機能ブロック図である。この図において、発光手段1a−1〜1a−4は赤外線、可視光等の光線1c−1〜1c−4を発する。フォトダイオード等の受光センサ1b−1〜1b−4は、可視光等の光線1c−1〜1c−4をそれぞれ受け、信号を出力する。発光手段1aと受光センサ1bとの間に景品等の物が存在すると光線1cが遮断されるので、受光信号が出力されなくなる(あるいは遮断信号が出力される)。なお、光線でなく超音波を用いるようにしてもよい。
【0026】
また、傾きセンサ2は、景品つかみ取りしたり、あるいは景品を突き落として取る遊戯装置に設けられていて、遊戯装置の傾きを検出する。傾きセンサ2の詳細な構成は後述する。
【0027】
制御部3は、受光センサ1b−1〜1b−4の出力により景品が後述のシャッター上にあるかどうか検出するとともに、検出されたときに、傾きセンサ2の出力に基づき、景品を景品取り出し口に出して遊戯者に渡すようにするか、それともストックスペースに出して遊戯者に渡さないようにするか、シャッターの開く方向を制御する。すなわち、制御部3は駆動部4に対し信号を出力することにより、モータ5を所定の方向に回転させガイド6を左右に動かす。ガイド6の動く方向によってシャッターの開く向きが決まる。なお、詳細な動作については後述する。
【0028】
図2は、図1の装置の動作を説明するためのフローチャートである。詳細は後述する。
【0029】
図3は、この発明の実施の形態の装置が適用される、景品つかみ取り装置の斜視図である。ゲーム装置本体31は、伸縮パイプ19、把持つめ装置20、スイッチ32、スイッチ33、操作台34、アクリル板35、ゲーム空間36、棚板37、取り出しパイプ38、及び、景品39を備える。アクリル板35で囲まれた空間がゲーム空間36であり、この空間に配置された棚板37上に複数の景品39が適宜置かれている。伸縮パイプ19の先端に取り付けられた把持つめ装置20はスイッチ32及び33の操作に基づき前後、左右に動くとともに、スイッチで指定された位置で景品39に向かって動く。把持つめ装置20が景品39をうまくつかんだときは、それをつかんだまま取り出しパイプ38まで移動してこれに落とす。するとゲーム装置本体31に設けられた取り出し口に景品がおちるので、遊戯者はこの景品を得ることができる。図1の装置で制御される開閉機構は取り出しパイプ38と取り出し口の間に設けられている。
【0030】
図4は、開閉機構の詳細を示す斜視図である。この図において左側が前面、右側が背面である。ガイド本体6が前後に動くことによりシャッター7が右左に開く。
【0031】
ガイド本体6は、ガイド6a,ガイド6b、車輪6c、及び、取付板6dから構成される。取付板6dの外側(図4で言えば右側)にガイド6bが取り付けられ、さらにその上にガイド6aが取り付けられている。一方、車輪6cはその反対側に取り付けられている。車輪6cは2つあり、それぞれ取付板6dの両端に取り付けられている。車輪6cは溝11bにはまり込み、ガイド10b上を前後に滑動する。
【0032】
シャッター7は景品等が落ちないようにするための板であり、約20cm四方の大きさである。シャッター7には軸8a〜8dが設けられている。これらの軸8a、8dと8b,8cとでは長さが異なる。図5はシャッター7とガイド6a,6bの部分を上から見た図である。この図からわかるように、軸8b,8cはガイド6aにより支えられ、軸8a,8dはガイド6bにより支えられる。ところでガイド本体6は前後に動くが、シャッター7は、ガイド10aとガイド10bとの間の溝11aに設けられたシャッター押さえ9a,9bにより移動が制限される。そのため、ガイド本体6が前側に動くか、それとも後側に動くかでシャッター7の開く方向が異なる。
【0033】
このことを図5のA−A‘線の断面図である図6〜図8を用いて詳細に説明する。
【0034】
図6は、ガイド6a,6bが中央に位置する状態を示す。この状態では、軸8a,8dはガイド6bの上端に、軸8b、8cはガイド6aの上端にある。ガイド6a,6bの上端は揃えられているから、シャッター7は水平になる。すなわち、この開閉機構は閉じた状態にある。なお、図中の4つ×印はそれぞれ光線1c−1〜1c−4を示す。つまり、図の上下に発光手段1aと受光センサ1bとが配置され、図に対して垂直な方向に沿って光線1cが存在する。このように複数のセンサを用いるのは、さまざまな大きさの景品を確実に検出するためである。例えば、ぬいぐるみ等の比較的大きな景品であればセンサの数は少なくてもよいが、チューインガムやチョコレートのような菓子の景品であればセンサの数は多い方がよい。また、センサとシャッター7との距離であるが、比較的大きな景品の場合はすこし離した方がよいが、比較的小さな景品の場合はなるべく近づけた方がよい。
【0035】
ところで、図7の矢印のように、少し右側にガイド本体6が動いたとする。このとき、シャッター7はシャッター押さえ9bにより移動を阻止されるので、そのままの位置にある。すると、軸8aはガイド6bの端部Yに、軸8bはガイド6aの端部Xに達する。したがって、これら軸8a,8bは支えを失うのでシャッター7は下側に開くことが可能になる。一方、軸8c、8dはまだガイド6a,6b上にあるので、シャッター7が落ちたり、完全に開くことはない。しかし、軸8cはガイド6aに設けられた凹部Zの曲面Rにあり少し下がるので、シャッター7の左側は少し下がる。すなわち、シャッター7は軸8dを中心に開くが、その開く量は軸8cが曲面Rを滑るときにどれだけガイド6aの上端から離れるかに依存する。
【0036】
図8のように、ガイド本体6がさらに移動すると、軸8cは凹部Zに完全に落ち込む。この状態でシャッター7は最も開く。ところで、シャッター7の最大開閉量を調整するには凹部Zの深さを調整すればよい。凹部Zの深さを深くすればシャッター7は大きく開く。また、ガイド本体6の移動量と開閉量との関係を調整するにはガイド6a,6bの幅及び曲面Rの半径を調整すればよい。幅を狭くし、かつ、曲面Rの半径を小さくすれば、ガイド本体6の移動量が小さくてもシャッター7を大きく開くことが可能になる。
【0037】
なお、以上の例において、シャッターはその自重により開閉するので下側にしか開かない。そこで、コイルばね、板ばね等の弾性部材により所望の方向に付勢するように構成すれば下側に限らず任意の方向に開閉させることが可能である。例えば、開閉機構を横にしたときは、水平方向に付勢し、開閉機構の上下を図6等の場合と逆にしたときは、上方に付勢する。
【0038】
以上の説明から明らかなように、ガイド本体6を右側に移動させるとシャッター7の左側が開く。ところで、ガイド6a,6bは左右対象であるから、ガイド本体6を左側に移動させるとシャッター7の右側が開く。したがって、ガイド本体6の移動方向を変えることにより、シャッター7が開く方向を切り替えることができる。このようにして、図1の制御部3はシャッター7の開く方向を制御することができる。
【0039】
次に、図1の装置の動作について、図2のフローチャート、及び、図9乃至図14を用いて説明する。
【0040】
図2において、ステップS1で、景品がシャッター7上にあるかどうか判断される。景品があるかどうかは、制御部3が受光センサ1bの出力に基づき判断する。景品があるときは(YES)、処理は次のステップS2に進む。景品がないときは(NO)、ステップS1の処理が繰り返される。景品がない状態を図9に、景品がある状態を図11及び図13に示す。
【0041】
図9は景品がシャッター7上にない状態を示す。シャッター7の上方には、図3の取り出しパイプ38がある。シャッター7の上の機構部品にセンサ1a,1bが取り付けられており、シャッター7のすぐ上を光線1cが通っている。その下には、取り出し口12とストックスペース13との2つの空間部が設けられている。これらの間には凸部14が設けられている。通常の場合、景品は取り出し口12に送り込まれる。他方、遊戯装置が傾けられたり、衝撃を与えられたりしたときは、景品はストックスペース13に送り込まれる。
【0042】
図10は傾きセンサ2の一例を示す図である。傾きセンサ2は、重り2aとリング2bとからなる。重り2aはリング2bの真ん中に釣り下げられている。重り2aとリング2bはいずれも金属等の電気の導体であり、これらにはそれぞれ電気的配線が接続されている。通常の場合、重り2aとリング2bとは接触しなていないので、両者は電気的に短絡していない。傾きセンサ2の検出感度は、リング2bの直径を変えることにより調整可能である。直径aを大きくすれば感度は下がり、小さくすれば感度は上がる。もっとも感度を上げすぎるとちょっとした傾きで誤動作するおそれがある。傾きセンサ2は、遊戯装置の筐体の外部あるいは内部に取り付けられていて、筐体の傾きを検出することができる。
【0043】
図11は景品がシャッター7上にある状態を示す。このとき、景品15は光線1cを遮断するので、制御部3は景品15の存在を検出することができる。この発明の実施の形態の装置は複数のセンサを備えるが、制御部3はこれらのうちのいずれかが景品15を検出したときに、「景品あり」と判断する。
【0044】
次に、ステップS2において、傾いているかどうか判断する。傾きセンサ12が図10及び図12の状態にあれば、制御部3は「傾きなし」と判断し(NO)、ステップS4で、図11のようにシャッター7を取り出し口12の方に開く。すなわち、制御部3は、駆動部4を制御して、図6〜図8の例では、ガイド6が右側に移動するようにモータ5を駆動させる。このことにより、景品15は取りだし口12に落下し、遊戯者はこの景品15を取り出すことができる。
【0045】
一方、図14のように、傾きセンサ2の重り2aとリング2bとが接触し短絡状態にあると、制御部3は「傾きあり」と判断し(YES)、ステップ3で、図13のように、シャッター7をストックスペース13の方に開く。このとき、制御部3は、ステップS4の場合と反対側にガイド6が移動するようにモータ5を駆動させる。このことにより、景品15は取り出し口12に落下せず、遊戯者はこの景品15を取り出すことができない。
【0046】
以上のように、この発明の実施の形態によれば、遊戯者が装置の筐体を揺らしてイタズラしたり、筐体を傾けて不正に景品等を得る行為を自動的に防止できる。このとき、遊戯装置を停止させる必要はない。装置が傾けられたときに電源を切って装置を停止させる方法があるが、この方法ではそれ以上ゲームを継続することは不可能であり、保守する人がリセットするまで利用はできない。しかし、この発明の実施の形態によれば、傾けたときだけ景品を取り出し口に出さないので、装置が正常状態に戻ればすぐにプレイが可能になる。
【0047】
また、通常状態では常にシャッター7を閉じておき、景品が落ちてきたときに筐体の揺れ及び傾きを確認してからシャッター7を取り出し口12側に開くか、それともストックスペース13側に開くかを判断するので、確実に動作させることが可能である。従来のように、シャッターが常に開いていると、シャッターの開く方向を変えるための時間がかかり、場合によってはストックスペースに落とすはずの景品が取り出す口に落ちてしまうことがあったが、本発明の実施の形態ではそのようなことがない。開閉機構に対する負荷はあまり大きくならない。また、シャッターの開閉の際に景品等を挟むことがない。また、さまざまな大きさの景品に対応できる。メダルのお菓子のように小型で薄い景品に対しても、ぬいぐるみなど大きな景品に対してもシャッターの反応が遅れることはない。
【0048】
また、1つのシャッター7が両方向に開くので、景品の移動を一時的に止める手段と景品を振り分ける手段とをひとつの手段で実現できる。したがって、構造が簡単になるとともに取付スペースを節約できる。
【0049】
なお、以上の説明において、光電センサ1により景品を検出したが、他のセンサ、例えばシャッター7上に設けられた重さを検出する圧力センサや、景品がシャッター7上に落下したときの振動を検出する振動センサを用いるようにしてもよい。光電センサの場合、センサの数及び設置位置(間隔、高さ等)を適宜調整することにより様々な景品に対応することができるとともに、対象となる景品の種類が決まれば、その景品を最も良く検出できるように最適設定することができる。一方、圧力センサや振動センサのように直接的に物品を検出する場合、さほど調整する必要はなく、確実に景品を検出することができる。
【0050】
なお、以上の説明において、傾きセンサ2を用いたが、これに代えて衝撃による加速度を検出する衝撃センサを用いるようにしてもよい。
【0051】
なお、以上の説明において、両方に開くシャッターとして図4等に示したものを例にとったが、他の機構により同様の機能を備えるものでもよい。
【0052】
発明の実施の形態2.
次に、この発明の実施の形態2の装置の動作について図15のフローチャートに基づき説明する。
【0053】
ステップS1〜S4は発明の実施の形態1の場合と同様な処理であるので、これらの説明は省略する。ステップS1〜S4によりシャッター7の開閉処理が行われ、景品が取り出し口12あるいはストックスペース13のいずれかに落ちる。
【0054】
発明の実施の形態2において、ステップS3の処理によりシャッター7がストックスペース13側に開いたときは、ステップS5の処理により警報音が発生する。制御部3が図示しないスピーカ等の警報発生手段を駆動して「ピーピー」「ブーブー」等の音を発生する。あるいは図示しない音声合成装置により警告することもできる。例えば、「傾けないで下さい」「衝撃を与えないで下さい」「景品が取れなくなります」等の音声を発生する。
【0055】
次に、ステップS6において、シャッター7がストックスペース13側に開いた回数Nをカウントする。すなわち、装置に電源が投入された初期状態でN=0とし、ステップS6を経過するごとにNに1を加える。
【0056】
次に、ステップS7において、Nが予め与えられた制限値を越えたかどうか判断する。越えた場合(YES)にはステップS8に進み、装置の電源を遮断し動作を停止させる。越えない場合(NO)にはステップS1に戻り、通常の動作を行う。制限値は装置ごとに適宜設定することができる。例えば、初期値として数回としておき、振動が多い設置環境のために頻繁に動作停止する装置については徐々に制限値を増加したり、逆に不正使用が多い環境に設置された装置については徐々に制限値を減少させたりすることが考えられる。
【0057】
以上のように、この発明の実施の形態2によれば、傾いたときに警報を発生させるので遊戯者に注意を喚起することができるとともに、イタズラ防止機構を備えることを遊戯者に知らしめて再発を防止することができる。また、傾いた回数を積算して制限を越えたときに動作を停止させるので、イタズラ等を確実に防止できる。また、なんらかの原因で装置が傾いたときにも動作を停止させることができるので、装置の安全を維持することもできる。
【0058】
なお、図15において警報発生のステップS5と制限が越えたことによる動作停止のステップS6〜S8の両方を備えるが、いずれか一方のみを備えるようにしてもよい。
【0059】
なお、以上において、開閉機構を景品つかみとりゲーム装置に用いた場合を例にとり説明したが、これに限らず、この開閉機構は外部条件により送り出し方向を変えるための装置に使用できるのは言うまでもない。
【0060】
【発明の効果】
以上のように、この発明によれば、第1の収納部及び第2の収納部と、物品を前記第1の収納部あるいは前記第2の収納部いずれかに仕分けする仕分け手段と、物品が前記仕分け手段に達したかどうかを検出する第1の検出器と、物品が正常に達したかどうかを検出する第2の検出器と、前記第1の検出器により前記物品を検出したときに前記第2の検出器の出力に基づき前記仕分け手段を駆動する制御部とを備えるので、物品の到達状況に応じて適宜収納部を振り分けることができる。
【0061】
また、この発明によれば、前記仕分け手段は、物品を前記第1の収納部に送る第1の状態と、前記第2の収納部に送る第2の状態と、物品を前記第1の収納部と前記第2の収納部のいずれにも送らない第3の状態とを持ち、物品が達するまでは、前記仕分け手段は前記第3の状態を保持し、前記制御部により駆動されると前記第1の状態あるいは前記第2の状態のいずれかになるので、物品の到達状況の判定結果に基づき確実に動作させることが可能である。
【0062】
また、この発明によれば、前記仕分け手段はひとつの可動部を備え、前記可動部は、前記2つの収納部のうちの一方の方向の通路を開く動作と他方の収納部の方向の通路を閉じる動作とを同時に行うので、物品の移動を一時的に止める手段と景品を振り分ける手段とをひとつの手段で実現できる。したがって、構造が簡単になるとともに取付スペースを節約できる。
【0063】
また、この発明によれば、前記第1の検出器は、前記仕分け手段の付近に物品が達したときに光が遮られるように、互いに離隔して配置される発光部及び受光部を備えるので、物品に直接触れることなく、センサの数及び設置位置を適宜調整することにより様々な物品に対応することができる。
【0064】
また、この発明によれば、前記第2の検出器は、その取り付けられた筐体の状態を検出することにより物品が正常に前記仕分け手段に達したかどうかを検出するので、第三者が装置の筐体を揺らしてイタズラしたり、筐体を傾けて不正に景品等を得る行為を自動的に防止できる。
【0065】
また、この発明によれば、前記制御部は、前記第2の検出器により物品が正常に達しないと検出されたときに、警報を発するので、第三者に注意を喚起することができる。
【0066】
また、この発明によれば、前記制御部は、前記第2の検出器により物品が正常に達しないと検出された回数を計数するとともに、計数結果が予め定められた回数を越えたときに動作停止信号を出力するので、なんらかの原因で不正常な状態が継続するたときに動作を停止させることができて、装置の安全を維持することができる。
【0067】
また、この発明によれば、遊戯者がゲーム空間内に置かれた物品を取り出す遊戯装置において、前記いずれかの物品仕分け装置を、前記物品を取り出すための取り出し経路に備え、前記物品仕分け装置は、通常時は、遊戯者が物品を取り出すことができる第1の収納部に仕分け、異常時は、遊戯者が物品を取り出すことができない第2の収納部に仕分けるので、利用者に不便をかけることなく、ゲームの正当な結果でない物品が遊戯者の手に入ることを防ぐことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施の形態1の物品仕分け装置の機能ブロック図である。
【図2】この発明の実施の形態1の物品仕分け装置の動作を説明するためのフローチャートである。
【図3】この発明の実施の形態1の物品仕分け装置が適用される、景品つかみ取り装置の斜視図である。
【図4】この発明の実施の形態1の物品仕分け装置の開閉機構の斜視図である。
【図5】この発明の実施の形態1の物品仕分け装置の開閉機構のシャッターの上面図である。
【図6】この発明の実施の形態1の物品仕分け装置の開閉機構のシャッターの動作を説明するための断面図である。
【図7】この発明の実施の形態1の物品仕分け装置の開閉機構のシャッターの動作を説明するための断面図である。
【図8】この発明の実施の形態1の物品仕分け装置の開閉機構のシャッターの動作を説明するための断面図である。
【図9】この発明の実施の形態1の物品仕分け装置の開閉機構の動作を説明するための図である。
【図10】この発明の実施の形態1の傾きセンサの一例を示す図である。
【図11】この発明の実施の形態1の物品仕分け装置の開閉機構が景品を取り出し口に出すときの動作を説明するための図である。
【図12】この発明の実施の形態1の傾きセンサの動作状態を示す図である。
【図13】この発明の実施の形態1の物品仕分け装置の開閉機構が景品をストックスペースに出すときの動作を説明するための図である。
【図14】この発明の実施の形態1の傾きセンサの動作状態を示す図である。
【図15】この発明の実施の形態2の物品仕分け装置の動作を説明するためのフローチャートである。
【符号の説明】
1a 発光手段
1b 受光センサ
1c 光線
2 傾きセンサ
2a 重り
2b リング
3 制御部
4 駆動部
5 モータ
6 ガイド本体
6a,6b ガイド
6c 車輪
6d 取付板
7 シャッター
8a,8b 軸
9a,9b シャッター押さえ
10a,10b ガイド
11a〜11c 溝
12 取り出し口
13 ストックスペース
14 凸部
15 景品
Claims (3)
- 物品仕分け装置を備えた遊戯装置において、
前記物品仕分け装置は、
遊戯者が物品を取り出すことができる第1の収納部と、
遊戯者が前記物品を取り出すことができない第2の収納部と、
前記物品を前記第1の収納部又は前記第2の収納部に移動させる仕分け手段と、前記物品が前記仕分け手段に達したかどうかを検出する第1の検出器と、
前記物品が前記仕分け手段に正常に達したかどうかを検出する第2の検出器と、
前記第1の検出器により前記物品を検出したときに前記第2の検出器の出力に基づき前記仕分け手段を駆動する制御部とを備え、
前記物品が正常に達したことを前記第2の検出器が検出したきは、前記制御部の出力に基づき前記仕分け手段が前記物品を第1の収納部に移動させ、
前記物品が正常に達しなかったことを前記第2の検出器が検出したときは、前記制御部の出力に基づき前記仕分け手段が前記物品を第2の収納部に移動させることを特徴とする、
遊戯装置。 - 前記仕分け手段は、前記物品を前記第1の収納部に移動させる第1の状態と、前記物品を前記第2の収納部に移動させる第2の状態と、前記物品を前記第1の収納部と前記第2の収納部のいずれにも移動させない第3の状態とを有し、前記物品が前記仕分け手段に達するまでは、前記仕分け手段は前記第3の状態を保持し、前記制御部により駆動されると前記第1の状態又は前記第2の状態のいずれかになることを特徴とする請求項1に記載の遊戯装置。
- 遊戯者の操作により景品を取得する遊戯装置において、
遊戯者が景品を取り出すことができる第1の収容部と、
遊戯者が景品を取り出すことができない第2の収容部と、
前記第1又は第2の収容部に向かって景品の移動を一時的に止める手段と、
前記景品の移動を一時的に止める手段の上に景品があるかを検出する第1の検出器と、
遊戯装置の揺れあるいは傾きを検出する第2の検出器と、
移動した景品を前記第1又は第2の収容部へ振り分ける手段と、
前記第1の検出器により移動した景品を検知し、前記第2の検出器により遊戯装置が揺れているあるいは傾斜していることを検知した場合、前記第2の収容部へ景品を移動させ、
前記第1の検出器により移動した景品を検知し、前記第2の検出器により遊戯装置が揺れているあるいは傾斜していることを検知しない場合は、前記第1の収容部へ景品を移動させるように、前記景品を振り分ける手段を制御する制御手段とを備えたことを特徴とする遊戯装置。
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JPH09294869A JPH09294869A (ja) | 1997-11-18 |
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JP10931696A Expired - Fee Related JP3755547B2 (ja) | 1996-04-30 | 1996-04-30 | 遊戯装置 |
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-
1996
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