JP4369731B2 - 弾球遊技機 - Google Patents

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Description

本発明は、パチンコ遊技機などの弾球遊技機に関する。
従来のパチンコ遊技機では、遊技領域に投入された遊技球が始動口に入球すると、特別図柄の変動表示、その停止が行われ、停止した特別図柄の組み合わせが、所定の組み合わせの場合には、大入賞口が開状態に設定され、多くの遊技球が上記大入賞口に入球される。これにより、多くの賞球の払い出しが遊技者に対して行われる。
この遊技機において、大入賞口に入球された遊技球の受け入れが可能な特定通過領域と一般通過領域とを具備する大入賞口装置が設けられている。そして、大入賞口に入球した遊技球が、所定時間内に、特定通過領域に受け入れられることを条件として、大入賞口の開状態が継続して行われる。例えば、以下に示す1ラウンドの間に、大入賞口に入球した遊技球が、特定通過領域に受け入れられることを条件として、大入賞口の開状態が継続して行われる。1ラウンドとは、以下のようなものである。大入賞口の開放開始から所定時間(約30秒)経過した場合や、大入賞口に入球した遊技球の数が所定数(例えば、10個)に達した場合には、大入賞口は一旦閉状態にされる。この1回の開閉動作を1ラウンドという。
また、大入賞口装置の底部には、大入賞口に入球された遊技球を一般通過領域又は特定通過領域のいずかに振り分けるシーソー部が設けられている。このシーソー部は、例えば、上記1ラウンドの間において、遊技球が特定通過領域に受け入れられるまでの間は、大入賞口に入球した遊技球を特定通過領域に誘導するように駆動され、遊技球が特定通過領域に受け入れられた後は、大入賞口に入球した遊技球を一般通過領域に誘導するように駆動される。
このようなシーソー部により、大入賞口に入球した遊技球が特定通過領域に誘導されるので、大入賞口の開状態が継続して行われる可能性が高くなり、遊技者の遊技意欲を高めることができる(例えば、特許文献1,2参照)。
実用新案登録3073892 特開2000−350819号公報
しかしながら、上述した従来技術では、以下のような問題があった。上述したシーソー部は、大入賞口装置の底部に設けられている。このため、例えば、ゴミなどがシーソー部に落下してきたりするので、遊技中において、シーソー部に設けられた隙間などに、ゴミなどが溜まってしまうことが多い。この結果、シーソー部が、例えば、遊技球を特定通過領域に誘導する場合に、隙間に溜まったゴミなどのために、上記誘導のために必要な所定の動きが行えず、遊技球を特定通過領域に誘導することができない場合があった。従って、大入賞口に入球された遊技球を特定通過領域又は一般通過領域のいずれかに振り分けることを安定して行えないという問題があった。
本発明は、以上のような問題に鑑みてなされたものであり、大入賞口に入球された遊技球を第1通過領域又は第2通過領域のいずれかに振り分けることを安定して行える弾球遊技機を提供することを目的とする。
以上の問題点を解決するために、本発明は、特定条件の成立(例えば、例えば、メインCPU31により遊技状態が大当たり遊技状態に移行されると判定された場合)により、遊技球が入球されやすい開状態となり、前記遊技球を受け入れる空間(例えば、受け入れ空間)を具備する大入賞口と、前記大入賞口に入球した遊技球を受け入れ可能な通過領域である第一通過領域(例えば、一般通過開口部85)及び第二通過領域(例えば、特定通過開口部86)と、前記遊技球を前記第一通過領域又は前記第二通過領域に案内し、前記大入賞口に具備された前記空間に設けられた壁部(例えば、前壁部90)と、前記遊技球を前記第一通過領域へ振り分けるための第一位置と、前記第二通過領域へ振り分けるための第二位置とに可動可能な振り分け部材(例えば、振り分け部材82)と、前記振り分け部材を駆動する振り分け駆動手段(例えば、振り分けソレノイド83)とを具備する大入賞口装置(例えば、大入賞口装置8)を有する弾球遊技機であって、前記大入賞口装置は、前記大入賞口に具備された前記空間の底部に設けられ、前記遊技球を前記第一通過領域に誘導する誘導部(例えば、誘導部89)を有し、前記振り分け駆動手段は、所定条件が成立するか否かに基づいて、前記振り分け部材を、前記遊技球が前記誘導部により前記第一通過領域へ振り分けられる前記第一位置と、前記壁部と対向した間隔が遊技球の直径より小さくなる位置であって、かつ、前記誘導部の上方において前記遊技球が前記壁部とで支持されて前記第二通過領域に振り分けられる前記第二位置とに可動するように駆動することを特徴とするものである。
このため、振り分け部材が第一位置に存在するときには、大入賞口に入球された遊技球2は、誘導部に落下した場合、誘導部により第一通過領域へ誘導される。一方、振り分け部材が第二位置に存在するときには、大入賞口に入球された遊技球は、壁部と振り分け部材とにより、遊技球が支持された場合、遊技球は、壁部と振り分け部材とにより支持されながら、第二通過領域へ誘導される。
このように、振り分け部材を第一位置又は第二位置に可動させることにより、遊技球を誘導部を介して第一通過領域に振り分けるか、又は、遊技球を壁部及び振り分け部材を介して、第二通過領域のいずれかに振り分けるようにしているので、従来のシーソー部を設ける必要がなく、この結果、ゴミが溜まってしまうと振り分け動作が安定しなくなるような隙間を、上記空間の底部に設ける必要がない。このため、従来、隙間に溜まったゴミなどのために、上記振り分けのために必要な所定の動きが行えず、遊技球を第一通過領域又は第二通過領域に誘導することができないという事態が、本発明では、防止される。
従って、本発明では、大入賞口に入球された遊技球を第一通過領域又は第二通過領域のいずれかに振り分けることを安定して行える大入賞口装置を有する遊技機を提供することが可能となる。
また、本発明においては、大入賞口に具備されている空間内において、遊技球が誘導部を介して、第一通過領域に誘導されるか、又は、遊技球が壁部及び振り分け部材を介して、第二通過領域に誘導される。このため、遊技者は、大入賞口が開状態になっているとき、遊技球が誘導部を介して第一通過領域に誘導されるか、又は、遊技球が壁部及び振り分け部材を介して、第二通過領域に誘導される様子を大入賞口に設けられた開口を介して、視認することができる。この結果、遊技者は、大入賞口に入球された遊技球が大入賞口内の底部からあたかも浮遊しているように感じるので、遊技者を楽しませることができる。
上記発明において、前記誘導部は、水平方向に対して、前記遊技球を前記第一通過領域に誘導するための第一の所定角度で傾斜して構成されていることが好ましい。このため、誘導部は、振り分け部材が第一位置に存在するときに、大入賞口に入球された遊技球が誘導部に落下した場合、上記遊技球を確実に第一通過領域へ誘導することができる。
また、上記発明において、前記壁部又は前記振り分け部材には、水平方向に対して、前記遊技球を前記第二通過領域に誘導するための第二の所定角度で傾斜して構成された誘導凸部(例えば、誘導凸部88)が設けられており、前記振り分け駆動手段が前記振り分け部材を前記第二位置に可動するように駆動する場合、前記第二位置は、前記誘導凸部と前記壁部又は振り分け部材との間の間隔が遊技球の直径より小さくなる位置であって、かつ、前記誘導部の上方において前記遊技球が前記誘導凸部と前記壁部又は振り分け部材とで支持されて前記第二通過領域に振り分けられる位置であるようにしてもよい。
このため、振り分け部材が第二位置に存在するときに、大入賞口に入球された遊技球が誘導凸部と振り分け部材又は壁部との間に落下した場合、上記遊技球2を確実に第二通過領域へ誘導することができる。
また、上記発明において、前記振り分け部材は、上下方向に可動可能であり、前記誘導部の上面(例えば、誘導部の上面89a)は、前記第一の所定角度で傾斜して形成されており、前記振り分け部材の底面(例えば、振り分け部材の底面82a)は、前記振り分け部材が前記第一位置と前記第二位置との間を可動している状態のうち、いずれの状態であっても、当該底面の傾斜が前記誘導部の上面の傾斜と平行でないように形成されていることが好ましい。
遊技球が誘導部の上面に存在しているときに、振り分け部材が第二位置に移動しようとしている場合、振り分け部材の底面と、誘導部の上面とにより遊技球2が挟まれる場合がある。このような場合、上記底面の傾斜が誘導部の上面の傾斜と平行であると、遊技球が挟まったまま、移動できなくなってしまい、その遊技球の振り分けができなくなってしまうとともに、振り分け部材がそのまま動かなくなってしまうことになる。
。本発明では、上記底面の傾斜が誘導部の上面の傾斜と平行でないので、遊技球が上記底面及び誘導部の上面に挟まれても、移動することが可能であり、その遊技球の振り分けを行えるとともに、振り分け部材が動かなくなってしまう事態が回避できる。従って、大入賞口に入球された遊技球を第一通過領域又は第二通過領域のいずれかに振り分けることを一層安定して行うことが可能である。
以上説明したように、本発明によれば、大入賞口に入球された遊技球を一般通過領域又は特定通過領域のいずれかに振り分けることを安定して行える大入賞口装置を有する遊技機を提供することが可能となる。
本実施形態における弾球遊技機1の構成について、図面を参照しながら説明する。図1は、本実施形態における弾球遊技機1の全体を示す斜視図である。
本実施形態における弾球遊技機1の構成について、以下に説明する。弾球遊技機1は、遊技場に弾球遊技機1を設置するために設けられている外枠50と、外枠50の内側に開閉可能に設けられている前面枠(以下、前枠という)10と、外枠50に組み込まれた遊技盤30と、払い出された遊技球を受け入れる上皿部20と、上皿部20に入りきらない遊技球を受け入れる下皿部21と、回転操作されることにより遊技盤30上の遊技領域に向けて遊技球を発射するように構成された発射ハンドル24とを具備する。
遊技盤30上の遊技領域には、液晶表示装置(図示せず)と、始動口6と、大入賞口装置8と、アウト口7と、一般入賞口5、第1遊技球誘導部材3aと、第2遊技球誘導部材3bとが具備されている。
液晶表示装置は、始動口6に具備されている始動領域を遊技球が通過したことを条件として、表示領域に表示された特別図柄の可変表示を実行したり、各種の演出画像の表示を行う。
第1遊技球誘導部材3a及び第2遊技球誘導部材3bは、遊技球の流下方向を大きく変化させるものである。第1遊技球誘導部材3aは、遊技球が流下可能な遊技領域の上方に位置するように配設され、遊技盤30の面に対して直角に立設された壁体から構成される。第2遊技球誘導部材3bは、当該遊技領域の下方に位置するように配設され、遊技盤30の面に対して直角に立設された壁体から構成される。
一般入賞口5は、当該一般入賞口5に遊技球が入球すると所定数(例えば、15個)の遊技球(賞球)が払い出されるように構成されており、遊技球の入球により遊技者に所定の利益(賞球の払い出し)を付与するためのものである。始動口6は、当該始動口6に遊技球が入球すると大当り判定用の乱数値及び大当り図柄決定用の乱数値などが抽出されるように構成されている。アウト口7は、始動口6や一般入賞口5などのいずれにも入球しなかった遊技球を受け入れる。
大入賞口装置8は、特定条件の成立により、遊技球が入球されやすい開状態となり、遊技球を受け入れる空間を具備する大入賞口と、大入賞口に入球した遊技球を受け入れ可能な通過領域である一般通過領域及び特定通過領域(いわゆるVゾーン)と、を具備し、大入賞口に遊技球が入球されると、所定数(例えば、15個)の遊技球が賞球として払い出されるように構成されている。ここで、特定条件の成立とは、例えば、メインCPU31により遊技状態が大当たり遊技状態に移行されると判定された場合のことである。また、大入賞口装置8は、大入賞口の扉部80の開閉動作を駆動する大入賞口ソレノイド8aと、後述の振り分け部材82の可動動作を駆動する振り分けソレノイド83とを具備する。これらの大入賞口ソレノイド8aと振り分けソレノイド83とは、遊技盤30上に配設されている。なお、大入賞口装置8の詳細な構成の説明は、後述する。
図2は、本実施形態における弾球遊技機(以下、単に遊技機という)の制御部を示すブロック図である。図2に示すように、遊技機の制御部は、主制御回路30と副制御回路40と払出・発射制御回路79とにより構成される。
主制御回路30は、メインCPU31と、メインROM32と、メインRAM33と、シリアル通信用IC36とを具備する。
また、主制御回路30には、大入賞口装置8に具備されている特定通過領域(Vゾーン)を通過した遊技球の数を計数するためのV・カウントスイッチ28Sと、大入賞口装置8に具備されている一般通過領域を通過した遊技球の数を計数するためのカウントスイッチ29Sと、一般入賞口5に遊技球が入賞したことを検出する一般入賞球スイッチ18Sと、始動口6に具備されている始動領域を遊技球が通過したことを検出する始動入賞球スイッチ6Sと、大入賞口の扉部80が開閉動作するための駆動を行う大入賞口ソレノイド8aと、大入賞口に入球した遊技球を一般通過領域に振り分けるための第一位置と、上記遊技球を特定通過領域に振り分けるための第二位置とに可動可能な振り分け部材82を駆動する振り分けソレノイド83と、遊技盤30上の遊技領域に遊技球を発射する制御又は所定数の遊技球を払い出す制御を実行する払出・発射制御回路79とが接続されている。
メインCPU31は、遊技状態を大当たり遊技状態に移行させるか否かを判定する大当たり判定手段である。具体的には、メインCPU31は、始動入賞球スイッチ6Sにより入力された入力信号を検出したこと(すなわち、始動口6に具備されている始動領域を遊技球が通過したこと)を条件として大当り判定用の乱数値を抽出し、抽出された大当り判定用の乱数値と、大当たり判定用のテーブルに含まれる大当たり値と一致する場合には、大当たり遊技状態に移行すると判定する。
そして、メインCPU31は、大当たり遊技状態に移行すると判定した場合、以下の処理を行う。即ち、メインCPU31は、遊技状態を大当り遊技状態に移行させた場合、扉部80を開閉するように大入賞口ソレノイド8aを制御する。具体的には、メインCPU31は、以下のような制御処理を行う。メインCPU31は、扉部80を開状態にするように大入賞口ソレノイド8aを駆動させる。そして、メインCPU31は、上述の駆動の開始から、所定期間(例えば、30秒)が経過するか、所定数(例えば、10個)の遊技球が入球すると、扉部80を閉状態にするように大入賞口ソレノイド8aを駆動する。また、メインCPU31は、特定通過領域に遊技球が1球でも入球すると、所定のラウンド回数(例えば、扉部80の開放回数が15回)を限度として、扉部80の開閉を繰り返すように制御する。
また、メインCPU31は、所定条件が成立するか否かに基づいて、振り分けソレノイド83が以下のような駆動を行うように指示する。振り分けソレノイド83は、メインCPU31からの指示に基づいて、振り分け部材82の位置を、大入賞口に入球された遊技球を特定通過領域に誘導するための第1位置と、大入賞口に入球された遊技球を一般通過領域に誘導するための第2位置とに、振り分け部材82を駆動する。この振り分け部材82の駆動の詳細な説明は、後述する。
また、シリアル通信用IC36は、メインCPU31により生成された各種のコマンド(例えば、特別図柄の可変パターンを指示する可変パターンコマンド、特別図柄の停止図柄を指示する停止図柄コマンド)を副制御回路40に出力する。
副制御回路40は、サブCPU41と、画像処理回路45などを制御するためのプログラムを記憶するサブROM42と、主制御回路30などから受信した各種コマンドを記憶するサブRAM43と、画像処理回路45と、音処理回路46と、ランプ処理回路47とを有する。
画像処理回路45は、サブCPU41からの制御データに応じて、液晶表示装置4に特別図柄の可変表示などを実行させるものであり、各種画像データを記憶する画像データROM54と、画像データROM54に記憶されている画像データに基づいて、特別図柄の可変表示などを実行するための表示画像データを生成するVDP(Video Display Processor)51と、VDP51により生成された表示画像データをアナログ信号に変換するD/Aコンバータ52と、異常時に各種設定を初期値に戻す初期リセット回路53とを有する。
サブCPU41は、主制御回路30から受信した各種コマンドに応じて、画像処理回路45及び音処理回路46及びランプ処理回路47を制御する。具体的には、サブCPU41は、メインCPU31によって生成された可変パターンコマンドや停止図柄コマンドに基づいて画像処理回路45を制御することによって、液晶表示装置4において特別図柄の可変表示を実行させる。
音処理回路46は、サブCPU41からの制御データに応じて、遊技者に報知する効果音や音声などをスピーカ25から出力するものであり、各種音データを記憶する音データROM63と、音データROM63に記憶されている音データに基づいて、遊技者に報知するための出力音信号を生成する音源IC61と、音源IC61により生成された出力音信号を増幅するAMP62とを具備する。
ランプ処理回路47は、ランプ26の点灯・消灯パターンを記憶する装飾データROM71と、サブCPU41からの制御データに応じて、ランプ26を点灯・消灯させるドライブ回路72とを具備する。
払出・発射制御回路79は、一般入賞口5及び大入賞口などに遊技球が入球したことを条件として出力される主制御回路30からのコマンドに応じて、所定数の遊技球を賞球として払い出す払出装置79aと、遊技盤30上の遊技領域に向けて遊技球を発射する発射装置79bとを制御する。
次に、大入賞口装置8の詳細な構成の説明、詳細な動作の説明を行う。大入賞口装置8は、上述した大入賞口と、上述した一般通過領域及び特定通過領域と、上記大入賞口に入球した遊技球を一般通過領域又は特定通過領域に案内し、上記大入賞口に具備された空間(後述する受け入れ空間)に設けられた前壁部90と、上述した振り分け部材82及び振り分けソレノイド83と、上記大入賞口に具備された空間の底部に設けられ、上記遊技球を一般通過領域に誘導する誘導部89とを有する。
上述した大入賞口装置8は、正面から見て、遊技盤30の前面の所定位置に取り付けられる。図3は、正面から見た場合において、振り分け部材82が上方に可動している場合における大入賞口装置8の詳細な構成を示す図である。図4は、正面から見た場合において、振り分け部材82が下方に可動している場合における大入賞口装置8の詳細な構成を示す図である。図5は、正面から見た場合において、振り分け部材82が可動している間における大入賞口装置8の詳細な構成を示す図である。図6は、斜めから見た場合において、振り分け部材82が上方に可動している場合における大入賞口装置8の詳細な構成を示す図である。図7は、斜めから見た場合において、振り分け部材82が下方に可動している場合における大入賞口装置8の詳細な構成を示す図である。
大入賞口装置8には、当該大入賞口装置8を遊技盤30の前面の所定位置に取り付けるための取り付け板30aが設けられている。この取り付け板30aの裏面には、前壁部90が貼り付けるようにして設けられている。また、図6、7に示すように、取り付け板30aの裏面側には、前壁部90と対向し、遊技球2の直径より大きな距離離間した位置に配置された後壁部91が設けられている。前壁部90の左方の側端と、後壁部91の左方の側端との間には、第一側壁部93aが設けられている。前壁部90の右方の側端と、後壁部91の右方の側端との間には、第二側壁部93bが設けられている。前壁部90の上端と、後壁部91の上端との間には、上壁部95が設けられている。
第二側壁部93bの後壁部91側の端部には、振り分け部材用孔部99が設けられている。この振り分け部材用孔部99には、後述する振り分け部材82が挿通される。振り分け部材82の右側の太い部分が、振り分け部材用孔部99に設けられた隙間を上下方向に可動することにより、振り分け部材82が後述する第一位置と第二位置との間を上下方向に可動することができる。
また、取り付け板30aの裏面側に前壁部90が設けられている状態で、取り付け板30a及び前壁部90には、左右に長い長方形状の大入賞口開口部81が設けられている。大入賞口開口部81には、上記大入賞口開口部81の下端部に一端部が固定され、他端部が、実線の矢印方向に可動可能な扉部80が設けられている。これにより、扉部80は、正面側から見て上記大入賞口開口部81を覆い、遊技球2が入球されにくい閉状態か、又は、正面側から見て上記大入賞口開口部81を覆わない、遊技球2が入球されやすい開状態に可動可能となる。
また、前壁部90と後壁部91と第一側壁部93aと第二側壁部93bとに挟まれる空間には、扉部80が開状態になった場合に、大入賞口開口部81から入球される遊技球2が受け入れられる。このため、上記空間は、大入賞口開口部81から入球された遊技球2を受け入れる空間(以下、受け入れ空間という)といえる。このため、前壁部90と後壁部91と第一側壁部93aと第二側壁部93bは、上記受け入れ空間の端にそれぞれ設けられているといえる。そして、上述した大入賞口開口部81と、扉部80と、上記受け入れ空間とは、大入賞口を構成する。
また、取り付け板30aの裏面側において、前壁部90の左側の下端と、第一側壁部93aの下端と、後壁部91の左側の下端とには、第一床部94aが設けられている。また、取り付け板30aの裏面側において、前壁部90の右側の下端と、第二側壁部93bの下端と、後壁部91の右側の下端と、には、第二床部94bが設けられている。
第一床部94aには、一般通過領域を示す開口部(以下、一般通過開口部85という)が設けられている。第二床部94bには、特定通過領域を示す開口部(以下、特定通過開口部86という)が設けられている。以下、本明細書では、一般通過開口部85は、一般通過領域と同義であり、特定通過開口部86は、特定通過領域と同義であるとする。
一般通過開口部85及び特定通過開口部86は、大入賞口に入球した遊技球2を通過させるためのものである。一般通過開口部85又はその近傍には、当該一般通過開口部85を通過した遊技球2を検出するとともに、一般通過開口部85を通過した遊技球2を計数するカウントスイッチ29Sが設けられている。特定通過開口部86又はその近傍には、当該特定通過開口部86を通過した遊技球2を検出するとともに、特定通過開口部86を通過した遊技球2を計数するVカウントスイッチ28Sが設けられている。
第一床部94a及び第二床部94bには、誘導部89が、第一床部94aと第二床部94bとの間を跨るように設けられている。これにより、誘導部89は、大入賞口に具備された受け入れ空間の底部に設けられているといえる。また、誘導部89は、大入賞口に入球した遊技球2を一般通過領域に誘導する。具体的には、以下の通りである。誘導部89は、誘導部89の左端の左側の近傍に一般通過開口部85が存在するような位置に設けられている。そして、誘導部89は、水平方向に対して、遊技球2を一般通過開口部85に誘導するための第一の所定角度で傾斜して構成されている。なお、本明細書の水平方向とは、遊技機1を正面から見た場合の左右方向のことである。また、本明細書の左右方向、上下方向とは、遊技機1を正面から見た場合の左右方向、上下方向を示している。例えば、図3などに示すように、誘導部89の上面89aは、上記第一の所定角度で傾斜して形成されている。この第一の所定角度とは、例えば、図3に示すように、誘導部89の上面89aの右端の位置に対して、左端の位置が低くなるような角度である。これにより、誘導部89の上面89aにある遊技球2は、左側の方向に移動し、一般通過開口部85に誘導される。
また、前壁部90の裏面には、大入賞口開口部81及び扉部80の下方であるとともに誘導部89の上方の位置に、誘導凸部88が設けられている。誘導凸部88は、水平方向に対して、遊技球2を特定通過開口部86に誘導するための第二の所定角度で傾斜して構成されている。第二の所定角度とは、例えば、図3に示すように、誘導凸部88の左端の位置が、誘導凸部88の右端の位置より上方に設けられるような角度である。誘導凸部88の上面は、遊技機1の奥側から手前側の方向に対して、遊技球2が上記上面に接触するような角度で傾斜して形成されている。
そして、大入賞口装置8において、誘導凸部88は、大入賞口装置8を上方から見て、特定通過開口部86が上記誘導凸部88の右端の右側の近傍に存在するような位置に、配置されている。
そして、前壁部90と後壁部91との間には、振り分け部材82が上下方向に可動可能なように配置されている。振り分け部材82は、大入賞口に入球された遊技球2を特定通過開口部86に誘導するための第1位置と、大入賞口に入球された遊技球2を一般通過開口部85に誘導するための第2位置とに可動することができる。なお、振り分け部材82が上方向に移動できる限界の位置は、振り分け部材82の左端部が上壁部95に接触する位置である。
振り分け部材82の右端部の上方には、振り分け部材82が前壁部90と後壁部91との間を上下方向に可動可能に支持するための軸支部82bが設けられている。この軸支部82bは、取り付け板30aに固定されている。また、振り分け部材82の右端部の下方には、2つの挟込部82cが設けられている。この2つの挟込部82cの間には、後述の板部84aの一部が挟み込まれる。
取り付け板30a上において、大入賞口開口部81及び扉部80の右側には、振り分け部材82を駆動する振り分けソレノイド83が設けられている。この振り分けソレノイド83の左端には、バネ84bが巻かれた円柱形状の振り分け位置調整部84c(プランジャ)が設けられている。振り分けソレノイド83は、振り分け位置調整部84cを移動させる動作を行う。この振り分け位置調整部84cの先端には、円盤状の板部84aが設けられている。
振り分けソレノイド83は、所定条件(例えば、例えば、大入賞口に具備されている扉部80が開状態になってから、初めて遊技球2が特定通過開口部86を通過するという条件)が成立するか否かに基づいて、振り分け部材82を、遊技球2が誘導部89により一般通過開口部85へ振り分けられる第一位置と、前壁部90と対向した間隔(振り分け部材82と前壁部90との間の間隔)が遊技球2の直径より小さくなる位置であって、かつ、誘導部89の上方において遊技球2が前壁部90と振り分け部材82とで支持されて特定通過開口部86に振り分けられる第二位置とに可動するように駆動する。ここでは、一例として、振り分けソレノイド83は、振り分け部材82を、第一位置及び第二位置のうち、いずれかの位置に可動するように駆動する場合の説明を行う。
具体的には、振り分けソレノイド83はが振り分け部材82を第二位置に可動するように駆動する場合、第二位置は、誘導凸部88と振り分け部材82との間の間隔が遊技球2の直径より小さくなる位置であって、かつ、誘導部89の上方において遊技球2が誘導凸部88と振り分け部材82とで支持されて特定通過開口部86に振り分けられる位置である。
この処理の詳細な説明は以下のとおりである。振り分けソレノイド83は、振り分けソレノイド83の左端から突き出ている振り分け位置調整部84cの長さを、第一の長さと、第二の長さとにするような駆動を行う。具体的には、振り分けソレノイド83が、励磁されないとき、バネ84bの付勢力により、振り分けソレノイド83の左端から突き出ている振り分け位置調整部84cの長さが第一の長さとなる。一方、振り分けソレノイド83が、励磁されると、振り分けソレノイド83は、バネ84bの付勢力に逆らって、振り分けソレノイド83の左端から突き出ている振り分け位置調整部84cの長さが第二の長さとなるように、振り分け位置調整部84cを移動させる。
この際、振り分け部材82の右端部に設けられた軸支部82bが固定されたまま、板部84aの移動に伴って、振り分け部材82の右端部に設けられた挟込部82cも右側に移動する。そして、振り分け部材82の右側の太い部分が、振り分け部材用孔部99の上方に配置されていた(図3、6参照)のが、振り分け部材用孔部99の下方に配置される(図4,7参照)。これにより、振り分け部材82が下方に可動される。
そして、振り分けソレノイド83の左端から突き出ている振り分け位置調整部84cの長さが第一の長さのときには、振り分け部材82は、上述した第一位置に配置される。即ち、振り分け部材82は、誘導凸部88の上方の位置に配置され、大入賞口開口部81から入球された遊技球2を誘導凸部88と振り分け部材82とで支持できない位置に配置される。これにより、大入賞口開口部81に入球された遊技球2は、誘導部89の上面89aに落下した場合には、一般通過開口部85に誘導される。また、大入賞口開口部81の左側(一般通過開口部85の近傍の上方)に入球された遊技球2は、誘導部89の上面89aに落下しなくても、直接、一般通過開口部85を通過する。なお、振り分け部材82は、上述した第一位置に配置されていても、大入賞口開口部81の右側(特定通過開口部86の近傍の上方)に入球された遊技球2は、直接、特定通過開口部86を通過する。
振り分けソレノイド83の左端から突き出ている振り分け位置調整部84cの長さが第二の長さのときには、振り分け部材82は、上述した第二位置に配置される。即ち、振り分け部材82は、誘導凸部88と対向した間隔が遊技球2の直径より小さくなる位置であって、かつ、誘導部89の上方において遊技球2が誘導凸部88と振り分け部材82とで支持されて特定通過開口部86に振り分けられる位置に配置される。これにより、大入賞口開口部81に入球された遊技球2が、誘導凸部88及び振り分け部材82との間に落下し、これらにより支持される場合には、誘導凸部88に設けられた水平方向の傾斜に従って、特定通過開口部86に誘導される。また、大入賞口開口部81の右側(特定通過開口部86の近傍の上方)に入球された遊技球2は、直接、特定通過開口部86を通過する。
また、図5に示すように、振り分け部材82の底面82aは、振り分け部材82が第一位置と第二位置との間を可動している状態のうち、いずれの状態であっても、上記底面82aの傾斜(水平方向に対する傾斜)が誘導部89の上面89aの傾斜(水平方向に対する傾斜)と平行でないように形成されている。なお、図3乃至図7では、示されていないが、大入賞口ソレノイド8aも、取り付け板30a上に配置されている。
このようにして構成された大入賞口装置8に具備された各部の動作、大入賞口に入球された遊技球2の誘導の仕方の説明を以下に示す。
メインCPU31が大当たり遊技状態に移行すると判定すると、大入賞口の扉部80が開状態になるように、大入賞口ソレノイド8aを駆動させる。大入賞口ソレノイド8aの駆動により、大入賞口の扉部80は開状態にされる。これにより、遊技球2が大入賞口開口部81に入球されやすい状態になる。
先ず、メインCPU31は、振り分け部材82の位置が第二位置になるような駆動を行うように、振り分けソレノイド83を制御する。振り分けソレノイド83は、振り分けソレノイド83の左端から突き出ている振り分け位置調整部84cの長さが第二の長さになるように振り分け位置調整部84cを右側に移動させる動作を行う。すると、板部84aが右側に移動することにより、挟込部82cの位置が右側に移動する。この結果、振り分け部材82が下方に移動し振り分け部材82の位置が第二位置に設定される(図4、7参照)。
そして、遊技球2が大入賞口開口部81に入球され、誘導凸部88と振り分け部材82とにより、遊技球2が支持されると、以下の動作が行われる。遊技球2は、誘導凸部88と振り分け部材82とにより支持されながら、誘導凸部88に形成された傾斜(水平方向に対する傾斜)に沿って、特定通過開口部86に向かうように移動し、特定通過開口部86を通過する。
Vカウントスイッチ28Sは、特定通過開口部86を通過した遊技球2を検出すると、検出信号をメインCPU31に送る。メインCPU31は、上記検出信号に基づいて、振り分け部材82の位置が第一位置になるような駆動を行うように、振り分けソレノイド83を制御する。振り分けソレノイド83は、振り分けソレノイド83の左端から突き出ている振り分け位置調整部84cの長さが第一の長さになるように駆動する。すると、振り分け位置調整部84cに巻き付けられているバネ84bの付勢力により、挟込部82cの位置がもとの位置(振り分け位置調整部84cの長さが第二の長さにされる前における位置)に戻り、振り分け部材82が上方に移動し振り分け部材82の位置が第一位置に設定される(図3、6参照)。
そして、遊技球2が大入賞口開口部81に入球されると、誘導凸部88及び前壁部90に支持されることなく、例えば、誘導部89の上面に落下する。遊技球2は、誘導部89の上面89aに形成された水平方向に対する傾斜に沿って、一般通過開口部85に向かうように移動し、一般通過開口部85を通過する。カウントスイッチ29Sは、一般通過開口部85を通過した遊技球2を検出すると、検出信号をメインCPU31に送る。そして、メインCPU31が、振り分け部材82の位置が第二位置になるような駆動を行うように、振り分けソレノイド83を制御するまで、振り分け部材82の位置は、第一位置に設定されたままにされる。
(作用・効果)
本実施形態の弾球遊技機においては、大入賞口装置8は、大入賞口に具備された受け入れ空間の底部に設けられ、遊技球2を一般通過開口部85に誘導する誘導部89を有する。そして、大入賞口装置8に設けられた振り分けソレノイド83は、所定条件が成立するか否か(例えば、大入賞口に具備されている扉部80が開状態になってから、初めて遊技球2が特定通過開口部86を通過した場合)に基づいて、振り分け部材82を、遊技球2が誘導部89により一般通過開口部85へ振り分けられる第一位置と、前壁部90(具体的には、前壁部90に設けられた誘導凸部88)と対向した間隔が遊技球2の直径より小さくなる位置であって、かつ、誘導部89の上方において遊技球2が前壁部90(具体的には、前壁部90に設けられた誘導凸部88)とで支持されて特定通過開口部86に振り分けられる第二位置とに可動するように駆動することができる。
このため、振り分け部材82が第一位置に存在するときには、大入賞口に入球された遊技球2は、誘導部89に落下した場合、誘導部89により一般通過開口部85へ誘導される。一方、振り分け部材82が第二位置に存在するときには、大入賞口に入球された遊技球2は、前壁部90(具体的には、前壁部90に設けられた誘導凸部88)と振り分け部材82とにより、遊技球2が支持された場合、遊技球2は、前壁部90(具体的には、前壁部90に設けられた誘導凸部88)と振り分け部材82とにより支持されながら、特定通過開口部86へ誘導される。
このように、振り分け部材82を第一位置又は第二位置に可動させることにより、遊技球2を誘導部89を介して一般通過開口部85に振り分けるか、又は、遊技球2を前壁部90(具体的には、前壁部90に設けられた誘導凸部88)及び振り分け部材82を介して、特定通過開口部86のいずれかに振り分けるようにしているので、従来のシーソー部を設ける必要がなく、この結果、ゴミが溜まってしまうと振り分け動作が安定しなくなるような隙間を、受け入れ空間の底部に設ける必要がない。このため、従来、隙間に溜まったゴミなどのために、上記振り分けのために必要な所定の動きが行えず、遊技球2を一般通過開口部85又は特定通過開口部86に誘導することができないという事態が、本実施形態では、防止される。
従って、本実施形態では、大入賞口に入球された遊技球2を一般通過開口部85又は特定通過開口部86のいずれかに振り分けることを安定して行える大入賞口装置8を有する遊技機を提供することが可能となる。
また、本実施形態においては、大入賞口に具備されている受け入れ空間内において、遊技球2が誘導部89を介して、一般通過開口部85に誘導されるか、又は、遊技球2が前壁部90(具体的には、前壁部90に設けられた誘導凸部88)及び振り分け部材82を介して、特定通過開口部86に誘導される。このため、遊技者は、大入賞口が開状態になっているとき、遊技球2が誘導部89を介して一般通過開口部85に誘導されるか、又は、遊技球2が前壁部90及び振り分け部材82を介して、特定通過開口部86に誘導される様子を大入賞口開口部81を介して、視認することができる。この結果、遊技者は、大入賞口に入球された遊技球2が大入賞口内の底部からあたかも浮遊しているように感じるので、遊技者を楽しませることができる。
また、本実施形態では、誘導部89は、水平方向に対して、大入賞口に入球した遊技球2を一般通過開口部85に誘導するための第一の所定角度で傾斜して構成されている。このため、誘導部89は、振り分け部材82が第一位置に存在するときに、大入賞口に入球された遊技球2が誘導部89に落下した場合、上記遊技球2を確実に一般通過開口部85へ誘導することができる。
また、本実施形態では、前壁部90には、水平方向に対して、大入賞口に入球した遊技球2を特定通過開口部86に誘導するための第二の所定角度で傾斜して構成された誘導凸部88が設けられている。そして、振り分けソレノイド83が振り分け部材82を第二位置に可動するように駆動する場合、第二位置は、誘導凸部88と振り分け部材82との間の間隔が遊技球2の直径より小さくなる位置であって、かつ、誘導部89の上方において遊技球2が誘導凸部88と振り分け部材82とで支持されて特定通過開口部86に振り分けられる位置である。このため、振り分け部材82が第二位置に存在するときに、大入賞口に入球された遊技球2が誘導凸部88と振り分け部材82との間に落下した場合、上記遊技球2を確実に特定通過開口部86へ誘導することができる。
また、本実施形態では、振り分け部材82は、上下方向に可動可能であり、誘導部89の上面89aは、上記第一の所定角度で傾斜して形成されており、振り分け部材82の底面82aは、振り分け部材82が第一位置と第二位置との間を可動している状態のうち、いずれの状態であっても、当該底面82aの傾斜が誘導部89の上面89aの傾斜と平行でないように形成されている。
遊技球2が誘導部89の上面89aに存在しているときに、振り分け部材82が第二位置に移動しようとしている場合、振り分け部材82の底面82aと、誘導部89の上面89aとにより遊技球2が挟まれる場合がある。このような場合、上記底面82aの傾斜が誘導部89の上面89aの傾斜と平行であると、遊技球2が挟まったまま、移動できなくなってしまい、その遊技球2の振り分けができなくなってしまうとともに、振り分け部材82がそのまま動かなくなってしまうことになる。
。本実施形態では、上記底面82aの傾斜が誘導部89の上面89aの傾斜と平行でないので、遊技球2が上記底面82a及び誘導部89の上面89aに挟まれても、移動することが可能であり、その遊技球2の振り分けを行えるとともに、振り分け部材82が動かなくなってしまう事態が回避できる。従って、大入賞口に入球された遊技球2を一般通過開口部85又は特定通過開口部86のいずれかに振り分けることを一層安定して行うことが可能である。
また、従来のようにシーソー部の傾きを変化させることにより、遊技球2の振り分けを行わせるようにすると、複数の遊技球2がシーソー部に乗った場合、以下のような問題があった。例えば、一般通過開口部85に遊技球2を誘導する場合、それらの遊技球2の重さのために、一般通過開口部85に遊技球2を誘導するためのシーソー部の傾きが、特定通過開口部86に遊技球2を誘導するための傾きとなってしまう場合があった。本実施形態では、上記のシーソー部が設けられていないので、そのような問題はなく、大入賞口に入球された遊技球2を一般通過開口部85又は特定通過開口部86のいずれかに振り分けることを安定して行うことが可能である。
(変更例)
上述した実施形態では、誘導凸部88は、前壁部90に設けられていたが、後壁部91に設けられても良い。即ち、後壁部91には、水平方向に対して、大入賞口に入球した遊技球2を特定通過開口部86に誘導するための第二の所定角度で傾斜して構成された誘導凸部88が設けられていてもよい。
また、誘導凸部88は、振り分け部材82に設けられても良い。即ち、振り分け部材82には、水平方向に対して、大入賞口に入球した遊技球2を特定通過開口部86に誘導するための第二の所定角度で傾斜して構成された誘導凸部88が設けられていてもよい。そして、第二位置は、誘導凸部88と、前壁部90又は後壁部91との間の間隔が遊技球2の直径より小さくなる位置であって、かつ、誘導部89の上方において遊技球2が誘導凸部88と前壁部90又は後壁部91とで支持されて特定通過開口部86に振り分けられる位置であってもよい。
なお、前壁部90は、誘導凸部88と一体成形されてもよい。この場合、前壁部90は、誘導凸部88を含む構成となる。同じく、後壁部91は、誘導凸部88と一体成形されてもよい。この場合、後壁部91は、誘導凸部88を含む構成となる。同じく、振り分け部材82は、誘導凸部88と一体成形されてもよい。この場合、振り分け部材82は、誘導凸部88を含む構成となる。
また、上述した実施形態において、第一床部94aには、一般通過開口部85が設けられ、第二床部94bには、特定通過開口部86が設けられるようにしたが、以下のようにしてもよい。即ち、第一床部94aには、特定通過開口部86が設けられ、第二床部94bには、一般通過開口部85が設けられるようにしてもよい。そして、振り分け部材82が第一位置に存在するときに、大入賞口に入球された遊技球2が、誘導部89に落下した場合、誘導部89により特定通過開口部86へ誘導されるようにしてもよい。一方、振り分け部材82が第二位置に存在するときに、大入賞口に入球された遊技球2が、前壁部90と振り分け部材82とにより、遊技球2が支持された場合、遊技球2は、前壁部90と振り分け部材82とにより支持されながら、一般通過開口部85へ誘導されるようにしてもよい。
また、上述の実施形態では、振り分け部材82は、上下方向に可動可能であったが、これに限定されず、振り分け部材82は、例えば、遊技機1の裏側から前面方向に可動可能であるようにしてもよい。
また、誘導凸部88における水平方向に対する傾斜角度は、図3乃至図7に示す角度に限定されず、遊技球2が特定通過開口部86に誘導できる角度であればよい。同じく、誘導部89における水平方向に対する傾斜角度は、図3乃至図7に示す角度に限定されず、遊技球2が一般通過開口部85に誘導できる角度であればよい。
また、実施形態では、水平方向における誘導凸部88の長さは、水平方向における誘導部89の長さより短くなっていたが、これに限定されない。例えば、水平方向における誘導凸部88の長さは、水平方向における誘導部89の長さより長くても良いし、水平方向における誘導凸部88の長さは、水平方向における誘導部89の長さと略同じであってもよい。そして、振り分け部材82は、上述した第二位置に配置されていても、大入賞口開口部81の左側(一般通過開口部85の近傍の上方)に入球された遊技球2は、直接、一般通過領域を通過するようにしてもよい。
また、誘導凸部88は、前壁部90、後壁部91、振り分け部材82のいずれにも設けられないようにしても良い。この場合、例えば、振り分け部材82の上面は、水平方向に対して、遊技球2を特定通過開口部86に誘導するための角度で傾斜して形成されている。そして、大入賞口に入球した遊技球2を前壁部90又は後壁部91と、振り分け部材82の上面の前壁部90側(又は後壁部91側)の部分とにより、支持して、上記遊技球2が特定通過開口部86に誘導されるようにしてもよい。
また、水平方向において、大入賞口開口部81の長さと、誘導凸部88の長さと、を、誘導部89の長さと略同じにするようにしてもよい。これにより、振り分け部材82が第一位置に存在する場合には、大入賞口に入球された遊技球2は、全て誘導部89に落下するようにし、誘導部89により一般通過開口部85へ誘導されるようにしてもよい。一方、振り分け部材82が第二位置に存在する場合には、大入賞口に入球された遊技球2は、全て、前壁部90と振り分け部材82とにより、遊技球2が支持され、全ての遊技球2は、前壁部90と振り分け部材82とにより支持されながら、特定通過開口部86へ誘導されるようにしてもよい。
本実施形態における弾球遊技機の外観を示す図である。 本実施形態における弾球遊技機の内部構造を示す図である。 本実施形態において、振り分け部材が上方に可動している場合における大入賞口装置の詳細な構成を示す正面図である。 本実施形態において、振り分け部材が下方に可動している場合における大入賞口装置の詳細な構成を示す正面図である。 本実施形態において、振り分け部材が可動している間における大入賞口装置の詳細な構成を示す図である。 本実施形態において、振り分け部材が上方に可動している場合における大入賞口装置の詳細な構成を示す斜視図である。 本実施形態において、振り分け部材が下方に可動している場合における大入賞口装置の詳細な構成を示す斜視図である。
符号の説明
1…弾球遊技機、2…遊技球、3a…第1遊技球誘導部材、3b…第2遊技球誘導部材、4…液晶表示装置、5…一般入賞口、6…始動口、6S…始動入賞球スイッチ、7…アウト口、8…大入賞口装置、8a…大入賞口ソレノイド、18S…一般入賞球スイッチ、20…上皿部、21…下皿部、24…発射ハンドル、25…スピーカ、26…ランプ、28S…Vカウントスイッチ、29S…カウントスイッチ、30…主制御回路、30…遊技盤,30a…取り付け板,31…CPU,32…メインROM,33…メインRAM,36…シリアル通信用IC、40…副制御回路、41…サブCPU、42…サブROM、43…サブRAM、45…画像処理回路、46…音処理回路、47…ランプ処理回路、50…外枠、51…VDP、52…D/Aコンバータ、53…初期リセット回路、54…画像データROM、61…音源IC、62…AMP、63…音データROM、71…装飾データROM、72…ドライブ回路、79…発射制御回路、79a…払出装置,79b…発射装置,80…扉部,81…大入賞口開口部,82…振り分け部材,82a…底面,82b…軸支部,82c…挟込部,83…振り分けソレノイド,84a…板部,84b…バネ,84c…振り分け位置調整部,85…一般通過開口部,86…特定通過開口部,88…誘導凸部,89…誘導部,89a…上面,90…前壁部,91…後壁部,93a…第一側壁部,93b…第二側壁部,94a…第一床部,94b…第二床部,95…上壁部,99…振り分け部材用孔部。

Claims (4)

  1. 特定条件の成立により、遊技球が入球されやすい開状態となり、前記遊技球を受け入れる空間を具備する大入賞口と、
    前記大入賞口に入球した遊技球を受け入れ可能な通過領域である第一通過領域及び第二通過領域と、
    前記遊技球を前記第一通過領域又は前記第二通過領域に案内し、前記大入賞口に具備された前記空間に設けられた壁部と、
    前記遊技球を前記第一通過領域へ振り分けるための第一位置と、前記第二通過領域へ振り分けるための第二位置とに可動可能な振り分け部材と、
    前記振り分け部材を駆動する振り分け駆動手段とを具備する大入賞口装置を有する弾球遊技機であって、
    前記大入賞口装置は、前記大入賞口に具備された前記空間の底部に設けられ、前記遊技球を前記第一通過領域に誘導する誘導部を有し、
    前記振り分け駆動手段は、所定条件が成立するか否かに基づいて、前記振り分け部材を、前記遊技球が前記誘導部により前記第一通過領域へ振り分けられる前記第一位置と、前記壁部と対向した間隔が遊技球の直径より小さくなる位置であって、かつ、前記誘導部の上方において前記遊技球が前記壁部とで支持されて前記第二通過領域に振り分けられる前記第二位置とに可動するように駆動することを特徴とする弾球遊技機。
  2. 前記誘導部は、水平方向に対して、前記遊技球を前記第一通過領域に誘導するための第一の所定角度で傾斜して構成されていることを特徴とする請求項1に記載の弾球遊技機。
  3. 前記壁部又は前記振り分け部材には、水平方向に対して、前記遊技球を前記第二通過領域に誘導するための第二の所定角度で傾斜して構成された誘導凸部が設けられており、
    前記振り分け駆動手段が前記振り分け部材を前記第二位置に可動するように駆動する場合、前記第二位置は、前記誘導凸部と前記壁部又は振り分け部材との間の間隔が遊技球の直径より小さくなる位置であって、かつ、前記誘導部の上方において前記遊技球が前記誘導凸部と前記壁部又は振り分け部材とで支持されて前記第二通過領域に振り分けられる位置であることを特徴とする請求項1又は2に記載の弾球遊技機。
  4. 前記振り分け部材は、上下方向に可動可能であり、
    前記誘導部の上面は、前記第一の所定角度で傾斜して形成されており、
    前記振り分け部材の底面は、前記振り分け部材が前記第一位置と前記第二位置との間を可動している状態のうち、いずれの状態であっても、当該底面の傾斜が前記誘導部の上面の傾斜と平行でないように形成されていることを特徴とする請求項2又は3に記載の弾球遊技機。
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