JP3755100B2 - 車両制御装置およびそのプログラムを記憶したコンピュータ読取り可能な記録媒体 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、車両制御装置にかかり、詳しくは予め搭載されている道路情報に基づいて車両の各部を制御する制御装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、運転者に車両の現在地周りの道路情報を知らせて、車両の目的地までの走行経路を誘導案内するナビゲーションシステム装置が車両に搭載されている。この装置は、道路等の地図情報を電子化して格納しており、さらに、GPSセンサ、ジャイロセンサ、車速センサ、方位センサ等の出力信号に基づき、車両の現在位置を検出して目的地へ経路案内を行う。
従来、特開平6−324138号公報に記載されているように、上記ナビゲーションシステム装置に格納されている道路情報と、ナビゲーションシステム装置で特定された自車位置に関する情報に基づき、走行環境を特定し、この走行環境に応じて各種車両制御を行うものがある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、ナビゲーションシステム装置に格納されている道路情報は、本来、運転者に走行経路を案内するために構成された情報であり、車両の走行制御用に作成された道路情報ではない。即ち、車両制御のためにナビゲーションシステム装置に格納されている道路形状のデータを用いることは有用であるが、そのまま用いては実際上不便な場合もある。
【0004】
また、道路形状に対応した車両制御を行う場合において、道路のいかなる部分の道路形状を対象に行うかが問題となる。例えば、減速と加速が頻繁に繰り返されるワインディング道路(屈曲路)であることを判定するには、この先、進入が予想される走行予定経路において、該予定経路の曲率が判断要素となる。しかし、同じ曲率の場所であっても、道路形状が曲がっているカーブを通過する場合と、交差点を右折又は左折する場合とでは、車速の変化や、通過速度が異なる。このため、道路形状に応じたより精密な車両制御を行うためには、道路形状のみならず、道路種別等を考慮する必要がある。
【0005】
さらに、カーブの形状を判断する場合でも、カーブの曲率のみを考慮したのでは、十分な車両制御ができない可能性もある。つまり、カーブの曲率に関しては、カーブのどの部分の曲率を問題にするかが重要であり、同じ半径R(曲率)を有するカーブでも、そのカーブの旋回角度(カーブの入口と出口のなす角、換言すると、カーブの入り口における接線と出口における接線のなす角)がどのように構成されているかによってカーブの形状は大きく異なる。例えば、カーブの旋回角度が鋭角方向へきつくなればヘアピンカーブとなるし、また旋回角度が浅ければ鈍角なカーブとなる。
【0006】
道路形状に対応した車両制御を行う場合には、このヘアピンカーブに対する制御と鈍角状のカーブに対する制御は異る(ヘアピンカーブの方が減速する度合いが高い)し、また運転者に与える影響も異る。
このように、道路形状に応じた、より精密な車両制御を行うためには、単にカーブの半径R(曲率)だけで判断するのではなく、カーブの旋回角度をも考慮する必要がある。
【0007】
そこで、本発明は、本来車両制御用に構成されていない道路情報に基づいて車両制御を行う場合に、道路形状に加えて、道路種別、道幅、カーブの旋回角度など、他の道路情報を考慮することによって、より精密な車両制御を行うことのできる車両制御装置とそのプログラムを記録した記録媒体とを提供することを目的としている。
【0008】
【課題を解決するための手段】
このような目的は、以下の本発明により達成される。
(1) 道路情報を記憶した道路情報記憶手段と、
自車位置を検出する自車位置検出手段と、
検出された自車位置の進行方向上に所定区間を設定する所定区間設定手段と、
設定された所定区間における道路情報から、緯度と経度により特定されているノードを読み出し、隣接するノードを結ぶリンクの交差角度の絶対値を累積した累積値を算出する曲率情報抽出手段と、
前記累積値に応じて車両の走行状態における制御量を制御する制御手段を有する車両制御装置において、
前記曲率情報抽出手段は、加速や減速を頻繁に繰り返す必要がない道路として予め定義された道路が、所定区間内に含まれる場合には、当該定義された道路に含まれるノードにおける交差角度を累積値の積算対象から除外することを特徴とする車両制御装置。
【0009】
(2) 加速や減速を頻繁に繰り返す必要がない道路とは、高速道路、高速道路のラプウェイ、交差点、道幅の狭い道路、直線道路であり、これらを示す情報は、道路情報として道路情報記憶手段に記憶されている上記(1)に記載の車両制御装置。
【0010】
(3) 前記所定区間設定手段は、所定区間内の道路に存在する単一のカーブにおける累積値を算出する場合には、所定区間の距離を短く設定することを特徴とする上記(1)又は(2)に記載の車両制御装置。
【0011】
(4) 前記制御手段は、制御量を自動変速機の変速比とする変速制御手段であり、
該変速制御手段は、累積値の増大に応じて、変速可能な変速比の上限を低くする上記(1)〜(3)のいずれか1に記載の車両制御装置。
【0012】
(5) 前記制御手段は、制御量を自動変速機の変速比とする変速制御手段であり、
該変速制御手段は、累積値が所定以上の場合に、低速側の変速段の領域を大きく設定されている変速マップを採用する上記(1)〜(3)のいずれか1に記載の車両制御装置。
【0013】
(6) 前記制御手段は、制御量をサスペンション特性とするサスペンション制御装置であり、
該サスペンション制御装置は、累積値の増大に応じて、サスペンション特性を固くする上記(1)〜(3)のいずれか1に記載の車両制御装置。
【0014】
(7) 記憶された道路情報と検出された自車位置に応じて、自車位置前方に所定区間を設定し、設定された所定区間の道路情報から緯度と経度により特定されているノードを読み出し、隣接するノードを結ぶリンクの交差角度の絶対値を累積した累積値を算出するとともに、加速や減速を頻繁に繰り返す必要がない道路として予め定義された道路が、所定区間内に含まれる場合には、当該定義された道路に含まれるノードにおける交差角度を累積値の積算対象から除外し、
得られた累積値の大きさに応じて車両の走行状態における制御量を設定する車両制御装置のプログラムを記憶したコンピュータ読取り可能な記録媒体。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の好適実施形態の1つについて、添付図面に基づいて詳説する。図1は、自動変速装置の変速段を制御する本発明の好適実施形態の構成を示すブロック図である。
【0019】
この実施形態の車両制御装置1は、ナビゲーションシステム装置10と、自動変速装置と、ATモード選択部20と、車両状態検出部30とを備えている。ナビゲーションシステム装置10は、ナビゲーション処理部11と、道路情報記憶手段であるデータ記憶部12と、現在位置検出部13と、通信部15と、入力部16と、表示部17と、音声出力部19とを有している。
【0020】
ナビゲーション処理部11は、入力された情報に基づいて、ナビゲーション処理等の各種演算処理を行い、その結果を出力する中央制御装置(以下「CPU」という)111を備えている。このCPU111は、データバス等のバスラインを介してROM112とRAM113が接続されている。ROM112は、目的地までの経路の検索、経路中の走行案内、特定区間の決定等を行うための各種プログラムが格納されているリード・オンリー・メモリである。RAM113は、CPU111が各種演算処理を行う場合のワーキング・メモリとしてのランダム・アクセス・メモリである。上記ROM112は、本発明の車両制御装置の動作プログラムを記録した記録媒体であり、リード・オンリー・メモリに限らず、リード・ライト・メモリ等の他の記録媒体を用いてもよい。具体的には、CD−ROMの他、DVD、MO、光ディスク、磁気テープ、ICカード、光カード等の磁気記録媒体、光磁気記録媒体や光記録媒体が挙げられる。
【0021】
このような、記録媒体を適宜交換することによって、ナビゲーションシステム装置10に搭載されているデータや現在地検出部等を利用して、データや装備を変更することなく、車両制御を所望の内容に変更することができる。本発明の車両制御装置の記録媒体では、後述する図3ないし図5に示されているフローチャートに示されている制御を行うプログラムが記録されている。
【0022】
データ記憶部12は、地図データファイル、交差点データファイル、ノードデータファイル、道路データファイル、写真データファイル、および各地域のホテル、ガソリンスタンド、観光地案内などの各種地域毎との情報が格納された他のデータファイルを備えている。これら各ファイルには、経路探索を行うとともに、探索した経路に沿って案内図を表示したり、交差点や経路中における特徴的な写真やコマ図を出したり、交差点までの残り距離、次の交差点での進行方向を表示したり、その他の案内情報を表示部17や音声出力部19から出力するための各種データが格納されている。
【0023】
これらのファイルに記憶されている情報の内、通常のナビゲーションにおける経路探索や経路案内に使用されるのが交差点データ、道路形状を示す地点の集合であるノードデータ(図2に示されているような、ノードの位置を緯度と経度を用いて表示した絶対位置情報で示すデータ群)、道路データのそれぞれが格納された各ファイルである。道路データとしては、道路の幅、勾配、路面の状態、カーブの曲率半径、交差点、T字路、道路の車線数、車線数の減少する地点、カーブの入口、踏切、高速道路出入口ランプウェイ、高速道路の料金所、道路の道幅の狭くなる地点、降坂路、登坂路、道路種別(高速道路、首都高速道路、自動車専用道路、一般道路)などの道路情報が格納されている。上記道路データは、ノード及び隣接するノードを結ぶリンクに付随してそれぞれ格納されている。
【0024】
各ファイルは、例えば、DVD、MO、CD−ROM、光ディスク、磁気テープ、ICカード、光カード等の各種記憶装置(記憶媒体)が使用される。なお、各ファイルは記憶容量が大きい、例えばCD−ROMの使用が好ましいが、その他のデータファイルのような個別のデータ、地域毎のデータは、ICカードを使用するようにしてもよい。
【0025】
また現在位置検出部13は、GPSレシーバ131、地磁気センサ132、距離センサ133、ステアリングセンサ134、ビーコンセンサ135、ジャイロセンサ136とを備えている。GPSレシーバ131は、人口衛星から発せられる電波を受信して、自車の位置を測定する装置である。地磁気センサ132は、地磁気を検出して自車の向いている方位を求める。距離センサ133は、例えば車輪の回転数を検出して計数するものや、加速度を検出して2回積分するものや、その他計測装置等が使用される。ステアリングセンサ134は、例えば、ハンドルの回転部に取り付けた光学的な回転センサや回転抵抗ボリューム等が使用されるが、車輪部に取り付ける角度センサを用いてもよい。ビーコンセンサ135は、路上に配置したビーコンからの位置情報を受信する。ジャイロセンサ136は、車両の回転角速度を検出しその角速度を積分して車両の方位を求めるガスレートジャイロや振動ジャイロ等で構成される。
【0026】
現在位置検出部13のGPSレシーバ131とビーコンセンサ135は、それぞれ単独で位置測定が可能であるが、その他の場合には、距離センサ133で検出される距離と、地磁気センサ132、ジャイロセンサ136から検出される方位との組み合わせ、または、距離センサ133で検出される距離と、ステアリングセンサ134で検出される舵角との組み合わせによって自車の絶対位置(自車の現在地)を検出するようになっている。
【0027】
通信部15は、FM送信装置や電話回線等との間で各種データの送受信を行うようになっており、例えば情報センタ等から受信した渋滞などの道路情報や交通事故情報等の各種データを受信するようになっている。
入力部16は、走行開始時の現在位置の修正や、目的地を入力するように構成されている。入力部16の構成例としては、表示部17を構成するディスプレイの画面上に配置され、その画面に表示されたキーやメニューにタッチすることにより情報を入力するタッチパネル、その他、キーボード、マウス、バーコードリーダ、ライトぺン、遠隔操作用のリモートコントロール装置などが挙げられる。
【0028】
表示部17には、操作案内、操作メニュー、操作キーの表示や、ユーザの要求に応じて設定された案内地点までの経路の表示や、走行する経路に沿った案内図等の各種表示が行われる。表示部17としては、CRTディスプレイ、液晶ディスプレイ、プラズマディスプレイ、フロントガラスにホログラムを投影するホログラム装置等を用いることができる。
【0029】
音声入力部18はマイクロホン等によって構成され、音声によって必要な情報が入力される。音声出力部19は、音声合成装置と、スピーカとを備え、音声合成装置で合成される音声の案内情報を出力する。なお、音声合成装置で合成された音声の他に、各種案内情報をテープに録音しておき、これをスピーカから出力するようにしてもよく、また音声合成装置の合成音とテープの音声とを組み合わせてもよい。
【0030】
以上のように構成されたナビゲーションシステム装置は、運転者に車両の現在地周りの道路情報を知らせて、車両の目的地までの走行経路を誘導する。つまり、入力部16から目的地を入力すると、ナビゲーション処理部11は、現在位置検出部13で検出された自車位置に基づき、データ記憶部12から読み出した道路情報から目的地までの走行経路を選択し、該経路を表示部17に出力するとともに、該表示部17に表示された走行経路と、音声出力部19から出力される音声によって、運転者を目的地まで誘導する。また、目的地が入力されていない場合には、自車位置の周辺の道路情報を表示部17に出力する。
【0031】
以上のようなナビゲーションシステム装置10において、本発明に係る現在位置検出手段は、現在位置検出部13によって構成され、本発明に係る道路情報記憶手段は、データ記憶部12で構成され、本発明に係る曲率情報抽出手段は、データ記憶部12とナビゲーション処理部11によって構成される。
【0032】
予定走行経路とは、ナビゲーションシステム装置10において、既に車両の走行経路が設定されている場合には、その設定されている経路であり、設定されていない場合には、例えば直進した場合に通過することが予想される経路とすることができる。
【0033】
本実施形態では、車両制御の一例として車両の変速比(有段変速機の変速段と、無段変速機の変速比を含む)を制御対象としている。そして、道路の走行中に減速と加速が頻繁に繰り返される可能性が高いワインディング道路を検出し、連続するカーブの曲率や長さに応じた変速比制御が行われる。
【0034】
本実施形態における特定点はノードである。このノードは、緯度情報と経度情報に基づいて絶対位置が特定されている。本実施形態の道路情報抽出手段であるナビゲーション処理部11は、図2に示されいるように、検出された現在位置から予め定められた所定区間(区間前方:例えば、1000m前方)に位置するノードNnの座標(xn,yn)を検出し、これに隣接するノードNn+1(xn+1,yn+1)、Nn−1(xn−1,yn−1)を結ぶリンクの交差角度θn(特定点における変化角度)をノード毎に算出する。道路の曲率に関する情報である曲率情報として、この交差角度θnの累積値を求める。この曲率情報としては、交差角度θnの累積値の他、各ノード位置の曲率や曲率半径、及びこれらの累積並びにこれらの平均値などが挙げられる。本発明に係る所定区間設定手段と、同じく曲率情報判定手段は、ナビゲーション処理部11で構成される。
【0035】
また、所定区間設定手段は、車速や車種や車両制御等の内容に応じて、その所定区間の距離を変えることができる。例えば、ワインディング路と判断するために、比較的長距離の一定区間全体の道路形状を判断する場合には、1000mを設定する。この設定される距離(1000m)は、変更することができる。また、カーブ全体の形状を判断するために、そのカーブの旋回速度を判断する場合には、100mと短く設定する。この設定される距離(100m)も、変更することができる。
【0036】
修正情報抽出手段は、データ記憶部12とナビゲーション処理部11とから構成されており、以下の特定の情報を曲率情報を修正するための修正情報として抽出する。
【0037】
▲1▼高速道路の種別
カーブが連続する道路形状であっても、高速道路などのように高中速走行が可能な道路は、加速や減速を繰り返す必要がないので、特に変速比制御を行う必要がない。このため、このような道路は修正情報として抽出される。
【0038】
▲2▼高速道路のランプウエイ
高速道路のランプウエイは、序々に車速を増減速するように道路が設計されているため、車速の激しい変化は生じず、制御対象に含める必要はないので、修正情報として抽出される。
【0039】
▲3▼交差点情報
交差点を通過する場合には、車速の変化のしかたや、車両状態がワインディング道路を通過する場合とは異なり、さらに信号で停止する場合もあるため、制御対象としなくてもよいので、修正情報として抽出される。
【0040】
▲4▼道幅の狭い道路
このような道路では、高速で走行することは少なく、低速で走行するのが一般的であり、車速の変化も多くない。従って、急な加速や減速を繰り返すことも少ないため制御対象から除外してもよいので修正情報として扱われる。
【0041】
▲5▼直線道路
予め定められた区間から曲率情報を取得すると、その区間内の局部的な道路形状を把握することが困難となるため、一部に直線道路を含んでいても、全体としてはワインディング道路として判断されてしまう場合も有る。しかし、直線道路では、道路形状の変化に基づく加速や減速を繰り返し行うことは少ないため、このような場合も、制御対象から除外してもよく、修正情報として扱われる。
【0042】
この様に、道路の種類が高中速走行が可能な道路か否か(より具体的には、高速道路か否か、ランプウエイか否か)、交差点か否か、道幅が予め定められた値より狭いか否か、直線道路が加速と減速を繰り返す必要がない程度の距離を有しているか、がデータ記憶部12またはナビゲーション処理部11に記憶されており、曲率情報を抽出すべき区間内にこれらのデータがあるときは、修正情報として、修正情報抽出手段が抽出する。また、特定の位置である上記▲1▼〜▲5▼に関する情報(修正情報)は、予め定められた事由である非数値情報を含む道路属性として、非数値記憶手段としてのデータ記憶部12に記憶されている。ナビゲーション処理部11は、前記非数値記憶手段に記憶された事由に応じて道路の形状に対応する数値を修正する。
【0043】
このような修正手段としてのナビゲーション処理部11は、上記のような修正情報が抽出された場合には、交差角度θnを累積する前に、修正情報が、交差点か否か、ランプウェイか否か、高速中速走行が可能な道路種別か否かを判断し、これらに該当する場合には、リンクの交差角度θnを、交差角度の累積に含めない。これにより、修正手段によって修正された曲率情報が得られる。
【0044】
制御手段は、求められた曲率情報としての交差角度θnの累積に基づいて、変速比の制御パターンを変更する。制御手段が後述する自動変速装置の変速制御手段である場合には、例えば、累積値が大きい場合には、車速の加速と減速が頻繁に行なわれることが予測されるので、変速マップをパワーモードに変更する制御を行うことができる。また、変速マップの変更に限らず、制御量を変速段の上限値(変更可能な変速比の範囲)として、変速段の変更を規制する制御をおこなってもよい。例えば、累積値が大きい場合には、変速段の上限値を2速に設定し、累積値が小さい場合には、上限を規制しない旨である4速に設定し、その間の値である場合には、3速に設定する。上記のような制御は、道路の勾配をも考慮して行うこともできる。
【0045】
ATモード選択部20は、シフトポジションと変速モードを選択する操作部である。車両状態検出部30は、車速検出手段である車速センサ31、減速操作検出手段としてブレーキセンサ32、アクセル開度センサ33、ウィンカーセンサ34とを備え、さらにスロットル開度センサ35を有している。車速センサ31は車速Vを、ブレーキセンサ32はブレーキが踏まれたか否か(ON/OFF)を、アクセルセンサ33はアクセル開度αを、ウインカーセンサ34はウインカースイッチのON/OFFを、スロットルセンサはスロットル開度θをそれぞれ検出する。
【0046】
そして、検出された減速操作は、ブレーキのON/OFF信号、アクセル開度信号、ウインカのON/OFF信号として、それぞれA/T ECU40に供給される。また、車速センサ31で検出された車速Vは、ナビゲーション処理部11とA/T ECU40にそれぞれ供給され、スロットルセンサで検出されたスロットル開度θは、A/T ECU40に供給される。
【0047】
ブレーキのON信号によって、運転者の減速操作を検出することができる。また、アクセル開度αの変化によって、運転者の減速操作を検出することができる。つまり、アクセル開度が零に近い場合で、アクセル開度が所定の変化率(アクセルペダルを踏み込んでいる量に対して、踏み込み量が減少した割合)以上で減少した場合など、運転者の減速操作として検出することができる。つまり、アクセルペダルを踏み込んでいる状態から戻すという操作は、明らかに減速を意図しているものとすることができるので、減速操作として検出することができる。
【0048】
この検出は、アクセル開度αの変化量(減少量)、変化速度(減少速度)、変化加速度(減少加速度)等によって行ってもよい。これらのパラメータとアクセル開度αの変化後の状態とを組み合わせて減速操作を検出することもできる。例えば、α≒0の場合であっても、車両を惰性で走行させている場合もあるので、アクセル開度の減少があり、かつ、α≒0となった場合に減速操作として検出するようにすることもできる。
【0049】
また、アクセル開度αの減少があっても、加速をやめるために行う操作もあるので、アクセル開度αの変化量(減少量)、変化速度(減少速度)、変化加速度(減少加速度)等が、所定値以上である場合に、運転者が車速の減少を意図しているものとして、これを減速操作又は減速操作の開始として検出する構成とすることもできる。
【0050】
さらに、ウインカのON信号によって、運転者の減速の意志を予測し、減速操作として検出することもできる。このウインカON操作に基づく減速操作の検出は、さらにウインカON時の車速と組み合わせて判断してもよい。例えば、ウインカON時に、交差点への進入等が可能な速度まで減速されていなければ、交差点への進入等のために減速操作が行なわれるものと予測できるので、減速操作として検出し、既に充分減速されている場合には、減速操作として検出しないこととすることもできる。
【0051】
また、アクセル開度の減少と、ブレーキの踏み込みとウインカーのON操作のいずれか一つの操作を検出したときに、減速操作として検出する構成とすることもできる。この場合には、減速操作を確実に検出することができる。また、アクセル開度の減少と、ブレーキの踏み込みと、ウインカーのON操作の内、2つ以上が検出された時に、減速操作として検出する構成としてしもよい。この場合には、運転者の意図する減速の程度をより明確に確認することができる。例えば、アクセル開度の減少のみによって減速する場合よりも、アクセルをオフし(アクセル開度の急激な減少がなされ)、かつブレーキが踏み込まれた場合が、運転者の意図する減速の程度がより大きいものと判断することができる。
【0052】
以上説明した減速操作検出手段は、減速操作の開始を検出する構成としてもよい。例えば、アクセルペダルのオンからオフへの切り換え、アクセルペダルが所定以上の速度で戻されること、ブレーキペダルのオンなどを減速操作の開始として検出することができる。例えば、アクセル開度αが所定値以上の場合であって、α=0となった場合、或いは、所定値以上の速度でアクセルが戻れた場合にのみ、減速操作の開始として検出する構成とすることができる。このような構成とすれば、例えば、加速を抑制したり、増速をやめる目的でアクセルペダルを戻す操作を減速操作として検出しない構成とすることができる。
【0053】
本実施形態の自動変速装置は有段変速機であって、プラネタリギアを主体としたギアトレーン及びギアトレーンの各構成要素を係合、解放して変速段を形成する油圧回路からなる機構部(図中、A/Tという)41と、この機構部41を制御する変速制御手段であるA/T ECU(電気制御回路部)40とを備えている。ナビゲーションシステム装置10とA/T ECU40とは、相互に通信線で接続され適宜通信が行われる。
【0054】
A/T ECU40は、車速センサ31及びスロットル開度センサ35が接続されており、車速センサ31からは車速信号が、スロットル開度センサ35からはスロットル開度信号が入力される。さらに、機構部41に取り付けられた図示しないシフトポジションセンサからはATモード選択部20で選択されたシフトポジションに対応したシフトポジション信号が入力される。
【0055】
一方、A/T ECU40から機構部41の油圧回路内のアクチュエータ(油圧ソレノイド)に対して駆動信号が出力され、この駆動信号に基づき上記アクチュエータが作動して変速段の形成等を行う。A/T ECU40は、また、EEPROM42にき記憶された制御プログラムにより制御されており、例えば、変速段の選択は、スロットル開度センサ35より検出されるスロットル開度と、車速センサ31からの車速とに基づき、メモリテーブル(変速マップ)に基づき行われるように構成されている。この変速マップが自動変速装置固有の変速段を決定する。
【0056】
変速マップは、ノーマルモード、パワーモードの各モードに応じて用意されており、ナビゲーション処理部11から供給される変速モード変更指令信号に基づいて自動的に変更される。また、変速モードは、運転者の意志によりATモード選択部20を介して変更することもできる。
ここで、ノーマルモードは、燃費と動力性能のバランスのとれた経済走行パターンで、通常走行に用いるものである。パワーモードとは、動力性能を重視したパターンで、山間地等での運転に使用するものであり、変速マップでは、低速側の変速段の領域が大きく取られている。
【0057】
A/T ECU40は、変速モードに関する指令がATモード選択部20またはナビゲーション処理部11から供給されると、指令された変速モードの変速マップを選択し、実変速段、車速、アクセルの状態等に基づいて、A/T41へ変速段を指令する。
【0058】
ATモード選択部20が備えるシフトレバー21は、パーキングレンジ、リバースレンジ、ニュートラルレンジ、ドライブレンジ、セカンドレンジ、ローレンジ、の6つのシフトポジションが選択可能な6ポジションタイプで、機構部41に取り付けられた図示しないシフトポジションセンサと機械的に接続されている。
【0059】
ドライブレンジのシフトポジションでは、1〜4速の間で変速段が選択され、セカンドレンジでは、1〜2速の間で変速段が選択され、ロウレンジでは、1速の変速段のみが設定される。本実施態様では、シフトレバー21がドライブレンジのシフトポジションに保持されている場合にのみ、ナビゲーションシステム装置10によって決定されたレベルA〜Cに応じた変速段の規制が実行可能な構成となっている。
【0060】
エンジンコントロールユニット(図中、E/G ECUという)50は、スロットル開度の信号と、エンジン(図中、E/Gという)51からのエンジン回転数その他(冷却水温、センサ信号等)とに基づき、燃料噴射指令等を変化させて、エンジン51を制御する。
【0061】
以下、ナビゲーション処理部11の制御動作を示すフローチャートである。この制御動作は、図3に示されているように、ワインディング道路の判定ルーチンS10と、この判定に基づいておこなわれる車両制御をおこなう制御ルーチンS20とから構成されている。
【0062】
最初に、判定ルーチンS10の内容について、図4、図5に示されているフローチャートに基づき、その第1の実施形態を説明する。
最初に車両の現在位置を現在位置検出部13から取得する(ステップS101)。そして、ステップS101で得られた現在位置から前方の道路データを、手前から順に検出する(ステップS103)。この道路データには、ノードNnの位置データ、リンクに付随されている道路種別、属性、ノードNnと次のノードNn+1との距離(リンク長さ)、ノードNnにおけるリンクの交差角度θnが含まれる。これらの道路データは、データ記憶部12から取得する。
【0063】
次に、車両制御を行うために、適正な情報(修正すべき情報)であるかの判断をする。即ち、取得したノードが交差点かどうかを判断する(ステップS105)。
交差点と判断された場合は(S105 Yes)、適正な情報でない(曲率情報を修正すべきである)と判断する。このステップS105が本発明にかかる判別手段として機能する。また、このノードにおける交差角度θnを累積に加えないように、後述するステップS111をスキップし、ステップS113へ進んで、距離の加算のみを行う。交差点でないと判断された場合は(S105 No)、ステップS107へ進み、適正な情報であるかについての次の判断を行う。
【0064】
ステップS107では、取得したリンクが、高速道路かどうかを判断する。高速道路と判断された場合は(S107 Yes)、適正な情報でないと判断し、このノードにおける交差角度θnを累積に加えないように、後述するステップS111をスキップし、ステップS113へ進んで、距離の加算のみを行う。高速道路でないと判断された場合は(S107 No)、ステップS109へ進み、適正な情報であるかについての次の判断を行う。
【0065】
ステップS109では、取得したノードが、ランプウエイかどうかを判断する。
ランプウェイと判断された場合は(S109 Yes)、適正な情報でないと判断し、このノードにおける交差角度θnを累積に加えないように、後述するステップS111をスキップし、ステップS113へ進んで、距離の加算のみを行う。ランプウェイでないと判断された場合は(S109 No)、ステップS111へ進む。上記ステップS103〜S109において修正情報抽出手段としての機能が発揮され、ステップS111をスキップする動作によって、累積値Θに交差角度θnを加えないとする修正手段としての機能が発揮される。また、ステップS103によって曲率情報抽出手段としての機能が発揮される。
【0066】
交差角度θnの絶対値を累積値Θに加算する(Θ=Θ+|θn|)(ステップS111)。次に、ノード間の距離(リンクの長さ)Lnを距離の累積値Lに加算する(L=L+Ln)(ステップS113)。
次に、取得したノードを予め定められた所定区間内のものに限定するため、距離の累積値が設定値1000mを越えたかを判断する(ステップS115)。この所定区間を規定する距離は、適宜変更することができ、例えば車速、車種又は車両制御の内容等に応じて変えることができる。1000mを越えた場合(ステップS115 Yes)、所定区間内のノードデータはすべて取得されたものと判断し、曲率情報と区間距離に応じた制御内容を特定する判断をするため、次のステップS117へ進む。
【0067】
このステップS115によって、複数の連続するカーブ形状を判断するか若しくは1つのカーブ全体の形状(後述する旋回角度)を判断するのかを決定する所定区間を設定する所定区間設定手段としての機能が発揮される。ここでは、カーブが連続するワインディング路(屈曲路)のうち、1つのカーブとその前後に存在する複数の小さなカーブ等も含めた、一定区間全体を通した道路形状を判断するため所定区間の距離として、1000mを設定している。
【0068】
1000mを超えない場合(S115 No)、所定区間内のノードデータが十分取得されていないもとの判断し、さらに前方の道路についてノードデータの取得(ステップS103)と適正な情報かどうかの判断(ステップS105〜S109)を繰り返す。
【0069】
ステップS117では、入力された距離Lを1000で割った値(これは1000m中の角度の累積を割り出したいために行う)に、交差角度の累積Θを掛けた値が、270°を超えたかどうか判断する。
270°を超えない場合(S117 No)、角度の累積Θが第1の所定値以下なのでワインディング道路ではないと判断して、ステップS125へ進み、制御のレベルをレベルCと決定する。
270°を超えた場合(S117 Yes)、さらに詳細に判断するため、ステップS119の判断へ進む。
【0070】
ステップS119では、入力された距離Lを1000で割った値に、交差角度の累積Θを掛けた値が、360°を超えたかどうかを判断する。
360°を超えない場合(S119 No)には、角度の累積Θが第2の所定値以下なので、ステップS123へ進み、制御のレベルをレベルBと決定する。360°を超える場合(S119 YES)には、ワインディング道路と判断して、ステップS121へ進み、制御のレベルをレベルAと判断し、最後にメインルーチンにリターンし、次の制御ルーチンS20を開始する。
【0071】
制御ルーチンS20における制御内容は、例えば、判定ルーチンS10の結果得られた3つレベルに応じて変速モードを変更する制御を行うことができる。例えば、レベルAの場合には、変速モードをパワーモードとし、その他のレベルの場合には、ノーマルモードとするよう、A/T ECU40へモード切り換え信号を供給する。以上のように、ステップS117〜S125及びステップS20によて調整手段としての機能が発揮される。
【0072】
或いは、予め定められた所定区間内におけるリンクの勾配を求め、図6のマップに示されているように、この勾配の平均と、上記3つのレベルに応じた変速モードの設定をすることもできる。また、平均勾配に変えて、ノード間の標高差の平均を用いることもできる。さらには、エンジン出力とアクセル開度(又は、スロットル開度)との関係から、走行中の道路の勾配を判断し、この勾配値を用いてもよい。
一方、3つのレベルに分割することなく、図7のマップに示されているように、交差角度の累積Θと勾配に基づいて、変速モードを決定してもよい。
【0073】
さらに、上記のような変速段の制御は、変速モードの設定に限らず、変更可能な変速段の範囲の上限を制御量とする制御としてもよい。例えば、本実施形態の場合には、レベルAの場合には、上限を2速とし、レベルBの場合には、上限3速とし、レベルCの場合には、上限規制をしない旨である4速とする。そして、この上限値をA/T ECU40へ供給することによって、例えば、上限3速が供給された場合には、変速段は、1速〜3速の間で変速段が変更され、4速へのシフトアップが防止される。つまり、変速マップをパワーモードとした場合と同様に、変速段が低位置に維持され、ワインディング道路を走行する場合の、加速のための十分な駆動力が常に得られ、またエンジンブレーキによる減速の補助が可能となる。この場合には、変速比規制手段はナビゲーション処理部11によって構成され、実行手段は、A/T ECU40で構成される。
【0074】
更に、上記の様な、変速段制御は、減速操作の開始をきっかけとして実行される構成にすることもできる。減速操作の開始の検出は、既述の減速操作検出手段によって行なわれ、A/T ECU40は検出信号が供給されると、その信号の供給をきっかけとして、変速段の変速可能な範囲の上限値をレベルA〜Cに応じて決定し、変速段の範囲の規制を実行する。例えば、実際の変速段が4速の場合に、減速操作が開始されると、変速段の上限値が3速に規制され、この規制制御が実行される。これにより、減速操作の開始と同時に、4速から3速へシフトダウンが行なわれることとなり、走行中に予期しないシフトダウンが行なわれて運転者に不快感を起こさせることなく、運転者の意図に沿った減速の補助が可能となる。
このような減速操作の開始をきっかけとする制御動作の実行は、制御内容を、変速モードの切り換えを行う構成とした場合にも適用する事ができる。この減速操作の開始をきっかけとして制御動作の実行を行う実行手段は、例えば上記のようにA/T ECU40で構成される。
【0075】
この他、制御手段としては、サスペンション特性を制御量とするサスペンション制御装置としてもよい。つまり、サスペンション特性をレベルA〜Cに応じて変更する制御をすることもできる。例えば、レベルC、B、Aの順でサスペンション特性が固くなるように設定することができる。
【0076】
他の制御手段としては、ステアリングの操作抵抗を制御量とするパワーステアリング制御装置としてもよい。例えば、パワーステアリングの制御特性を、レベルC、B、Aの順で軽くなるように設定することができる。
上記の実施形態では、制御量の調整のために、レベルをA、B、Cの3つに分けているが、制御量の性質に応じて2つや、4つ以上に分けることもでき、さらには曲率情報に応じて連続した値に制御量を決定する構成としてもよい。分割されるレベルを多数設ける事によって、より精密な制御が可能となり、またレベルの区分を少なくすることによって、制御装置の処理負担が減少し、処理速度が向上する。
【0077】
次に、判定ルーチンS10の内容について、図8、図9に示されているフローチャートに基づき、その第2の実施形態を説明する。この実施形態では、第1の実施形態の制御内容に加えて、修正情報として道路幅を入力して制御内容を決定している。
道路幅が狭い道路の場合、速度は出し難く、カーブにおける車速は、必要以上に低下することが考えられる。つまり、道幅の狭い道路では、車速の急激な加速や減速はおこなわれることは少ないが、カーブにおいては、必要以上に車速が低下すると予想される。従って、幅が狭い場合を考慮して制御内容を設定するレベルを変更する。
【0078】
以下、制御内容をフローチャートに基づいて説明する。ここで、現在位置の検出と(ステップS201)、データの取得(ステップS203)、車両制御を行うために、適正な情報であるかの判断(ステップS205〜209)、交差角度θnの累積Θの計算(ステップS211)、リンク長さLnの累積Lの計算、所定区間1000mの判断の各内容は、第1の実施形態のステップS101〜S115と同様であるので、第1の実施形態の説明を援用し、ここでの説明を省略する。但し、ステップS203では、リンクに付随する道幅に関するデータも取得しておく。
【0079】
第2実施形態では、道幅に基づく道路形状修正の内容について、即ちステップS217以降を説明する。
ステップS215において、所定区間内のノードデータはすべて取得されたものと判断された場合には、道幅が狭いかを判断する(ステップS217)。具体的には、ステップS203で取得した、道路の道幅に関するデータにより、道路の道幅が所定値よりも大きいかどうか判断する。この所定値は、車速の加速と減速の繰り返し操作が必要となる程度の車速が出せる幅か否かという観点から決定される。
【0080】
道幅が所定値よりも小さい場合(S217 Yes)、道幅が狭い道路と判断し、速度が出し難く、カーブでは必要以上に速度が低下する状態であるとして、ステップS219へ進み、所定の設定値T1、T2(T1=180°、T2=270°)を設定する。
道幅が所定値よりも大きい場合(S217 No)、道幅が広い道路と判断し、速度が出し易く、速度が必要以上に低下しない状態であるとしてステップS221へ進み、所定の設定値T1、T2(T1=270°、T2=360°)を設定する。道幅が広い道路では、速度が必要以上に低下しないため、設定値は、ステップS217の場合よりも大きく設定されている。
【0081】
ステップS223では、入力された距離Lを1000で割った値に、交差角度の累積Θを掛けた値が、ステップS219又はS221で設定された値T1を超えたかどうか判断する。
T1を超えない場合(S223 No)、角度の累積Θが第1の所定値以下なのでワインディング道路ではないと判断して、ステップS231へ進み、制御のレベルをレベルCと決定する。
T1を超えた場合(S223 Yes)、さらに詳細に判断するため、ステップS225の判断へ進む。
【0082】
ステップS225では、入力された距離Lを1000で割った値に、交差角度の累積Θを掛けた値が、ステップS219又はS221で設定された値T2を超えたかどうかを判断する。
T2を超えない場合(S225 No)には、角度の累積Θが第2の所定値以下なのでワインディング道路ではないと判断して、ステップS229へ進み、制御のレベルをレベルBと決定する。
T2を超える場合(S225 Yes)には、ワインディング道路と判断して、ステップS227へ進み、制御のレベルをレベルAと判断し、最後にメインルーチンにリターンし、次の制御ルーチンS20を開始する。この制御ルーチンの内容については、第1の実施形態の内容と同様なので、その内容を援用し、説明を省略する。上記フローチャートでは、ステップS217、S219により、予め定められた事由である道幅の狭さの抽出に基づき曲率情報修正を行うという修正手段としての機能が発揮される。また、ステップS217により修正情報抽出手段としての機能が発揮される。
【0083】
また、ステップS217において、道幅が狭いと判断するための所定値は、現在位置の道幅との比較において、決定するようにしてもよい。例えば、現在位置よりも道幅が広くなる場合には、所定値を低く設定して、レベルAに設定され難いようにし、狭くなる場合には所定値を高く設定し、レベルAに設定され易いようにすることもできる。さらに、現在車速を考慮して設定してもよい。例えば、車速が速い場合には、所定値を低く設定し、レベルAに設定され易いようにすることもできる。上記内容は、ステップS217における所定値の設定変えて、又は、加えて、T1、T2の値を設定する場合にも同様に適用することができる。
【0084】
次に、判定ルーチンS10の内容について、図10、図11に示されているフローチャートに基づき、その第3の実施形態を説明する。この実施形態では、第2の実施形態の制御内容に加えて、道幅の狭い道路の長さを考慮して制御内容を決定している。
道路幅が狭い道路の場合、速度は出し難く、カーブにおいて車速が必要以上に低下することが考えられる。これを考慮するため、幅が狭い道路の長さを演算し、その長さが所定値以上の場合には、判断基準を低く(リンク交差角度θの累積Θを低く)設定している。
【0085】
以下、制御内容をフローチャートに基づいて説明する。ここで、現在位置の検出と(ステップS301)、データの取得(ステップS303)、車両制御を行うために、適正な情報であるかの判断(ステップS305〜309)、交差角度θnの累積Θの計算(ステップS311)、リンク長さLnの累積Lの計算(ステップS313)、第2の実施形態のステップS201〜S213と同様であるので、第2の実施形態の説明を援用し、ここでの説明を省略する。
【0086】
ノードにおける交差角度θnの累積Θ(ステップS311)と、リンク長さの累積Lの計算(ステップS313)が終了した後、各リンク毎に、ステップS303で取得したリンクに付随する道幅情報に基づき、道幅が狭いかをリンク毎に判断する(ステップS315)。このステップS315により修正情報抽出手段としての機能が発揮される。
【0087】
この判断は、予め定められた所定値と道幅とを比較して判断される。道幅が所定値よりも小さい場合(S315 Yes)、道幅が狭い道路と判断し、速度が出し難く、カーブでは必要以上に速度が低下する状態であるとして、ステップS317へ進み、道幅が狭いと判断される個所のリンク長さLnの累積Lsを計算する(Ls=Ls+Ln)(ステップS317)。
【0088】
道幅が所定値よりも大きい場合(S317 No)、道幅が広い道路と判断し、そのままステップS319へ進む。なお、ここで道幅を狭いと判断する基準となる所定値は、上記第2実施形態におけるステップS217で用いられる所定値と同様の方法により設定してもよい。
【0089】
次に、取得したノードを予め定められた所定区間内のものに限定するため、距離の累積値が設定値1000mを越えたかを判断する(ステップS319)。前記第1実施形態および第2実施形態と同様に、ステップS319により所定区間設定手段としての機能が発揮される。1000mを越えた場合(ステップS319 Yes)、所定区間内のノードデータはすべて取得されたものと判断し、道路形状に応じた制御内容を特定する判断をするため、次のステップS321へ進む。
【0090】
1000mを超えない場合(S319 No)、所定区間内のノードデータが十分取得されていないもとの判断し、さらに前方の道路についてノードデータの取得(ステップS303)と適正な情報かどうかの判断等(ステップS305〜S317)を繰り返す。
【0091】
ステップS321では、狭いと判断された道路が、500mを超えたかどうか判断する。超えた場合(S321 Yes)、狭い道が続いていて、速度が出し難く、カーブでは必要以上に速度が低下する状態であるとして、ステップS323へ進み、設定値T1、T2(T1=180°、T2=270°)を設定する。このステップS321とS323によって、修正手段としての機能が発揮される。
超えない場合(S321 No)、道幅が広い道路と判断し、速度が出し易く、速度が必要以上に低下しない状態であるとしてS325へ進み、設定値T1、T2(T1=270°、T2=360°)を設定する。
【0092】
以下の制御内容であるステップS327〜S333の内容は、第2実施形態のステップS223〜S231までの内容と同様なので、第2実施形態の説明を援用し、ここでの説明は省略する。なお、この実施形態においては、ステップS317、S321、S323(又はS325)を省略し、ステップS315の判断をステップS309とS311の間で実行し、道幅が狭いと判断された場合には(ステップS315 Yes)、ステップS311をスキップして、ステップS313を実行し、道幅が狭くないと判断された場合には(ステップS315 No)、ステップS311を実行する構成とすることもできる。
【0093】
次に、判定ルーチンS10の内容について、図12〜図14に示されているフローチャートに基づき、その第4の実施形態を説明する。この実施形態では、第1実施形態の内容に加えて、直線道路を修正情報としている。
リンクの交差角度θnだけで判断すると、きつい交差角度をもつカーブに挟まれた直線道路をも含む場合でも、車速変化の激しい道路として制御対象にされてしまう。そのため上記直線部分の区間における制御が、直線路を通過する際の運転者の運転感覚にそぐわず、違和感を与えてしまう。そこで、この第4実施形態においては、連続した直線部分の区間が所定値以上検出された場合には、その部分は制御の対象から除外するという修正を行う。
【0094】
以下、制御内容をフローチャートに基づいて説明する。ここで、現在位置の検出(ステップS401)と、データの取得(ステップS403)と、車両制御を行うために、適正な情報であるかの判断(ステップS405〜409)と、交差角度θnの累積Θの計算(ステップS411)と、リンク長さLnの累積Lの計算(ステップS413)は、第1の実施形態のステップS101〜S113と同様であるので、第1の実施形態の説明を援用し、ここでの説明を省略する。
【0095】
ノードにおける交差角度θnの累積Θ(ステップS411)と、リンク長さの累積Lの計算(ステップS413)が終了した後、ノード点における半径Rnが、10000mを超えているかどうかを判断する(ステップS415)。
【0096】
この半径Rnは、ステップS403にて入力された道路データに従って、各ノードの絶対座標、およびノードに隣接する2つのノードの各絶対座標に基づいて演算を行い、前記ノード半径Rnを算出することができる。また、道路データとして予めデータ記憶部12にノード半径Rnを例えば各ノードに対応させて格納しておき、走行に伴い前記ノード半径Rnを読み出す構成とすることもできる。
【0097】
10000mを超えている場合(S415 Yes)、そのノード位置の道路形状はほぼ直線であると判断してステップS417に進み、直線部分の距離累積Lwにリンク長さLnを加算する(Lw=Lw+Ln)。このステップS415によって修正情報抽出手段としての機能が発揮される。
10000mを超えていない場合(S415 No)、そこの道路は曲線であり、先の道路の角度に基づき制御内容を判断する必要があるため、累積されたLwをクリアする(ステップS419)。
【0098】
累積されたLwが予め定められた値である200mを超えたかどうか判断する(ステップS421)。直線道路であっても、その距離が短すぎると直ぐに次のカーブに進入して加速や減速を繰り返す走行操作が必要とされることから、制御内容を変更するよりは、直線道路に進入する前の制御をそのまま続行することが好ましい。このため、上記予め定められた値(200m)は、次の加減速操作までの間隔を考慮して決定される。
【0099】
200mを超えた場合(S421 Yes)、直線が続く道路でありワインディング路ではないと判断して、ステップS423へ進み、何も制御しない旨であるレベルCとする。このステップS421とS423により、抽出された修正情報に基づいて制御量を決定する制御手段としての機能が発揮される。
200mを超えない場合(S421 No)、直線路は続いてはいないと判断して、ステップS425へ進み、通常の区間距離内の道路の角度変化を判断していく。前記第1〜第3実施形態と同様に、このステップS425によって所定区間設定手段としての機能が発揮される。以下のステップS425〜S435の内容は、第1実施形態におけるステップS115〜S125の内容と同様なので、第1実施形態の内容を援用し、ここでの説明は省略する。
【0100】
次に、判定ルーチンS10の内容について、図15〜図16に示されているフローチャートに基づき、その第5の実施形態を説明する。この実施形態では、第1の実施形態の内容を一部変更して、新規な課題である、一つのカーブ全体の形状を考慮して、制御内容を調整している。この実施形態では、前記所定区間設定手段による所定区間を規定する距離を、一つのカーブに対応するために、100mに設定している。
【0101】
以下、制御内容をフローチャートに基づいて説明する。
ここで、現在位置の検出(S501)と、データの取得(S503)と、車両制御を行うために適性な判断(S505〜S509)と、交差角度θnの累積Θの計算(ステップS511)と、リンク長さ1nの累積Lの計算(ステップS513)は、第1の実施態様のステップS101〜S113と同様であるので、第1の実施態様の説明を援用し、ここでの説明を省力する。
【0102】
次に、取得したノードを予め定められた所定区間内のものに限定するため、距離の累積値が100mを越えたかを判断する(ステップS515)。
この所定区間を規定する距離は、一つ又は複数のカーブの連続性を判断するため、100mにしている。
このカーブの連続性とは、カーブの部分的な曲率だけでなく、カーブ入口から出口までの連結した形状を示すものである。この入口から出口までの形状を判断するものとして、本発明では、旋回角度を判断する。前記旋回角度は、カーブ入口とカーブ出口のなす角として(詳しくは、カーブ入口における道路との接線と、カーブ出口における道路との接線とのなす角(交差角度)として)定義される。例えば、同じ曲率(若しくは、半径R)を有するカーブでも旋回角度が鋭角方向へきつくなればヘアピンカーブとなり、旋回角度が浅ければ(小さければ)、鈍角なカーブとなる。そのため、ここでは1つ又は複数のカーブ全体の形状を考慮して前記旋回角度を判断するため所定区間の距離として、100mを設定している。
【0103】
尚、1つ又は複数のカーブの形状と上記述べた理由は、S字カーブや複合カーブ等の1つ1つのカーブが連続する場合も考慮するためである。また、上記第1〜第4実施形態と同様に、このステップS515によって、所定区間設定手段としての機能が発揮される。
またこの所定区間を規定する距離は、これに限定されるものではなく、適宜変更することができ、例えば車速、車種又は車両制御の内容等に応じて変えることができる。
【0104】
100mを越えた場合(ステップS515 Yes)、所定区間のノードデータはすべて取得されたものと判断し、曲率情報と区間距離に応じた制御内容を特定する判断をするため、次のステップS517に進む。
100mを越えない場合(S515 No)、所定区間内のノードデータが充分取得されていないものと判断し、さらに前方の道路についてノードデータの取得(ステップS503)と訂正な情報かどうかの判断(ステップS505〜S509)を繰り返す 。
【0105】
ステップS517では、入力された距離Lを100で割った値(これは100m中の角度の累積を割り出したいために行う)に、交差角度の累積Θを掛けた値が40度を越えたかどうかを判断する。
40度を越えない場合(S517 No)、交差角度の累績Θ が第1の所定値以下なのでほぼ直線的な道路であると判断して、ステップS525へ進み、制御のレベルをレベルCと決定する。
40度を越えた場合(S517 Yes)、さらに詳細に判断するため、ステップS519の判断に進む。
ステップS519では、入力された距離Lを100で割った値に、交差角度の累積Θを掛けた値が、70度を越えたかどうかを判断する。
【0106】
70度を越えない場合(S519 No)、角度の累積Θが第2の所定値以下なので旋回角度の浅いカーブであると判断して、ステップS523へ進み、制御のレベルをレベルBと決定する。
70度を越える場合(S519 Yes)、旋回角度のきついカーブであると判断して、ステップS521へ進み、制御のレベルをレベルAと判断し、最後にメインルーチンにリターンし、次の制御ルーチンS20を開始する。
【0107】
制御ルーチンS20における制御内容は、実施形態1〜4の場合と同様に、判定ルーチンS10の結果得られた3つのレベルに応じて変速モードを変更する制御を行うことができる。
例えば、レベルAの場合には、変速モードをパワーモードとし 、その他のレベルの場合には、ノーマルモードとするよう、A/TECU40へモード切替信号を供給する。以上のように、ステップS517〜S525及びS20によって調整手段としての機能が発揮される。
さらに、上記のような変速段の制御は、変速モードの設定に限らず、車両前方の道路形状と自車位置に基づいて、変更可能な変速段の範囲の上限の決定を制御量とする制御としてもよい。
【0108】
例えば、本実施形態の場合には、レベルAの場合には上限を2速とし、レベルBの場合には、上限3速とし、レベルCの場合には、上限規制をしない旨である上限4速とする。
そして、この上限値をA/TECU40へ供給することによって、例えば、上限3速が供給された場合には、変速段は1速〜3速の間で変速段が変更され、4速へのシフトアップが防止される。つまり、変速マップをパワーモードとした場合と同様に、変速段が低位置に維持され、カーブ路を走行する場合の、加速のための充分な駆動力が常に得られ、またエンジンブレーキのよる減速の補助が可能となる。
【0109】
また、旋回角度の大きなカーブの場合(例えば、ヘアピンカーブ)には、上限を2速(若しくは、パワーモード)とし、旋回角度の小さなカーブの場合(鈍角状のカーブ)には、上限3速(若しくは、ノーマルモード)とする事で、旋回角度に応じて、エンジンブレーキによる減速の補助の程度を変更する事が可能となる。また、旋回角度を考慮することにより、より道路形状に対応した制御を行うことができ、運転者に違和感を与えない。
またこの場合には、変速比規制手段はナビゲーション処理部によって構成され、実行手段は、A/TECU40で構成される。
【0110】
さらに、上記の様な、変速段制御は、減速操作の開始をきっかけとして実行される構成にすることもできる。減速操作の開始の検出は、記述の減速操作検出手段によって行なわれ、A/TECU40は検出信号が供給されると、その信号の供給をきっかけとして、変速段の変速可能な範囲の上限値をレベルA〜Cに応じて決定し、変速段の範囲の規制を実行する。
例えば、実際の変速段が4速の場合に、減速操作が開始されると、変速段の上限値が3速に規制され、この規制制御が実行される。これにより、減速操作の開始と同時に、4速から3速へシフトダウンが行われることとなり、走行中に予期しないシフトダウンが行われて運転者に不快感を起こさせることなく、運転者の意図に沿った減速の補助が可能となる。
【0111】
また、変速段制御におけるさらなる態様として、レベルA〜Cに応じて上記減速操作を選択することができる。例えば、レベルAの場合、実際の変速段が4速の場合に、減速操作としてアクセルオフの開始、もしくはブレーキオンの開始のどちらかが検出された場合に、上限値を3速もしくは2速まで規制する。レベルBの場合、減速操作としてブレーキオンの開始が検出され、かつ車両の減速が検出された場合に、上限値を3速に規制する。レベルCの場合、減速操作としてなにも検出しない。
他の例としては、レベルAの場合、実変速段が4速の時に、ブレーキオンよりも運転者の減速要求意識の低いアクセルオフの検出のみで、上限値を3速に規制し、さらにブレーキオンの検出により上限値を2速に規制する。レベルBの場合には、ブレーキオンの検出により上限値を3速に規制する。レベルCの場合には、減速操作としてなにも検出しない。
【0112】
このように、各種ある減速操作の中で、レベルに応じて減速操作を選択することが可能となる。このため、あるカーブの形状に応じて、検出すべき減速操作を選択できることになり、より運転者への違和感をなくすことができる。
また、このような減速操作の開始をきっかけとする制御及びその減速操作を選択する制御動作の実行は、制御内容を変速モードの切替えを行う構成とした場合にも適用することができる。
この様な、減速操作の開始をきっかけとして制御動作の実行を行う実行手段は、例えば前記A/TECU40で構成される。
【0113】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の車両制御装置によれば、曲率情報を修正する修正手段を設けたため、その修正された道路の曲率情報に基づいて道路状況にそくした精密な車両制御ができる。即ち、一般的な曲率情報に対して個別的な修正情報により修正を実行することにより、具体的に確実な制御を行うことができる。
具体的には、交差点や道路の道幅、直線路の長さ、道路種別など、予め定められた修正情報により曲率情報を修正するため車両の走行制御に現実に適した車両制御が可能となる。
【0114】
また、上記車両制御を変速比制御に用いた場合には、形式的な道路の形状のみでなく、実際の道路状況に応じた変速比制御が可能となる。特に、変更可能な変速比の範囲を設定する制御動作に用いることによって、不要なシフトアップが抑制され、急激な加速や減速の繰り返し操作を必要とするような道路の走行に、一層適した車両制御が可能となる。
さらに、運転者の減速操作の開始の検出をきっかけとして制御動作を実行する構成とすることによって、運転者の意図により則した制御が可能となる。
【0115】
また、カーブの旋回角度を考慮することで、カーブ入口から出口までの全体的な形状を判断することにより、形式的な道路の形状のみでなく、実際の道路状況に応じた車両制御が可能となる。このように、実際の道路状況に対応しているので、運転者の違和感を一層低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の車両制御装置の構成を示すブロック図である。
【図2】道路上のノード位置とリンクの交差角度を示す模式図である。
【図3】本発明の制御系のフローチャートである。
【図4】第1実施形態のフローチャートである。
【図5】第1実施形態のフローチャートである。
【図6】変速モードを制御する場合に用いるマップである。
【図7】変速モードを制御する場合に用いる、他の実施形態を示すマップである。
【図8】第2実施形態のフローチャートである。
【図9】第2実施形態のフローチャートである。
【図10】第3実施形態のフローチャートである。
【図11】第3実施形態のフローチャートである。
【図12】第4実施形態のフローチャートである。
【図13】第4実施形態のフローチャートである。
【図14】第4実施形態のフローチャートである。
【図15】第5実施形態のフローチャートである。
【図16】第5実施形態のフローチャートである。
【符号の説明】
1 車両制御装置
2 車両
10 ナビゲーションシステム装置
11 ナビゲーション処理部
12 データ記憶部
13 現在位置検出部
20 ATモード選択部
30 車両状態検出部
40 A/T ECU
Claims (7)
- 道路情報を記憶した道路情報記憶手段と、
自車位置を検出する自車位置検出手段と、
検出された自車位置の進行方向上に所定区間を設定する所定区間設定手段と、
設定された所定区間における道路情報から、緯度と経度により特定されているノードを読み出し、隣接するノードを結ぶリンクの交差角度の絶対値を累積した累積値を算出する曲率情報抽出手段と、
前記累積値に応じて車両の走行状態における制御量を制御する制御手段を有する車両制御装置において、
前記曲率情報抽出手段は、加速や減速を頻繁に繰り返す必要がない道路として予め定義された道路が、所定区間内に含まれる場合には、当該定義された道路に含まれるノードにおける交差角度を累積値の積算対象から除外することを特徴とする車両制御装置。 - 加速や減速を頻繁に繰り返す必要がない道路とは、高速道路、高速道路のラプウェイ、交差点、道幅の狭い道路、直線道路であり、これらを示す情報は、道路情報として道路情報記憶手段に記憶されている請求項1に記載の車両制御装置。
- 前記所定区間設定手段は、所定区間内の道路に存在する単一のカーブにおける累積値を算出する場合には、所定区間の距離を短く設定することを特徴とする請求項1又は2に記載の車両制御装置。
- 前記制御手段は、制御量を自動変速機の変速比とする変速制御手段であり、
該変速制御手段は、累積値の増大に応じて、変速可能な変速比の上限を低くする請求項1〜3のいずれか1に記載の車両制御装置。 - 前記制御手段は、制御量を自動変速機の変速比とする変速制御手段であり、
該変速制御手段は、累積値が所定以上の場合に、低速側の変速段の領域を大きく設定されている変速マップを採用する請求項1〜3のいずれか1に記載の車両制御装置。 - 前記制御手段は、制御量をサスペンション特性とするサスペンション制御装置であり、
該サスペンション制御装置は、累積値の増大に応じて、サスペンション特性を固くする請求項1〜3のいずれか1に記載の車両制御装置。 - 記憶された道路情報と検出された自車位置に応じて、自車位置前方に所定区間を設定し、設定された所定区間の道路情報から緯度と経度により特定されているノードを読み出し、隣接するノードを結ぶリンクの交差角度の絶対値を累積した累積値を算出するとともに、加速や減速を頻繁に繰り返す必要がない道路として予め定義された道路が、所定区間内に含まれる場合には、当該定義された道路に含まれるノードにおける交差角度を累積値の積算対象から除外し、
得られた累積値の大きさに応じて車両の走行状態における制御量を設定する車両制御装置のプログラムを記憶したコンピュータ読取り可能な記録媒体。
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