JP3661899B2 - 車両制御装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、車両制御装置にかかり、詳しくは有段変速機及び無段変速機を含む自動変速装置の変速比の制御に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
車両の現在位置に周囲に関する道路情報に応じて自動変速機の制御パターンを変更する変更手段を備えた自動変速機の制御装置が提案されている(特公平6-58141号公報)。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、道路情報に基づき変速パターンを変更する場合、たとえば、カーブ走行時には変速が禁止される制御を行い、一方、高速走行時には変速線図をより高車速側に変更する制御を行なうものとすると、高速走行時で、かつカーブ走行時にはいかなる制御パターンにするかが課題となる。
【0004】
つまり、現実の道路では、下り坂でカーブかつ高速道路であったり、登坂で直線低摩擦係数の道路など、複数の状況や条件が重なり合った複合的な道路である場合がほとんどである。このような道路状況のもとでは、従来のような一義的な制御パターンでは、道路状況に十分に応じた車両制御が行なえない恐れがある。本発明は、係る事情に基づいて案出されたもので、制御性が良く、運転者の意志にそった判断が可能な車両制御装置を提供するものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
このような目的は、以下の本発明により達成される。
【0006】
(1)自動変速機と、
車速を検出する車速センサと、
道路情報を記憶する道路情報記憶手段と、
道路上の自車位置を検出する自車位置検出手段と、
前記道路情報記憶手段に記憶された道路情報及び検出された自車位置に基づき自車位置から進行方向上に設定された一定区間内での道路の平均曲率を算出する平均曲率算出手段と、
前記平均曲率算出手段により算出された平均曲率と検出された車速とから、自動変速機が選択可能な高速側の変速比を変速比の下限として決定する第1の決定手段と、
前記道路情報記憶手段に記憶された道路情報及び前記検出された自車位置に基づき自車位置の進行方向にある曲がり角を検出し、この曲がり角から自車位置までの距離を算出する区間算出手段と、
減速を意図した運転動作を検出する運転動作検出手段と、
前記減速を意図した運転動作が検出された場合、検出された車速及び算出された距離に基づいて、自動変速機が選択可能な高速側の変速比を変速比の下限として決定する第2の決定手段と、
前記第1及び第2の決定手段で夫々決定した変速比の下限を比較して大きい方の変速比の下限を選択し、この大きい方の変速比の下限を前記自動変速機が選択可能な高速側の変速比の下限として設定する設定手段を有することを特徴とする車両制御装置。
【0007】
(2)自動変速機と、
車速を検出する車速センサと、
道路情報を記憶する道路情報記憶手段と、
道路上の自車位置を検出する自車位置検出手段と、
前記道路情報記憶手段に記憶された道路情報及び検出された自車位置に基づき自車位置から進行方向の一定区間における道路の標高変化率を算出する標高変化率算出手段と、
前記標高変化率算出手段により算出された標高変化率と検出された車速とから、自動変速機が選択可能な高速側の変速比を変速比の下限として決定する第1の決定手段と、
前記道路情報記憶手段に記憶された道路情報及び前記検出された自車位置に基づき自車位置の進行方向にある曲がり角を検出し、この曲がり角から自車位置までの距離を算出する区間算出手段と、
減速を意図した運転動作を検出する運転動作検出手段と、
前記減速を意図した運転動作が検出された場合、検出された車速及び算出された距離に基づいて、自動変速機が選択可能な高速側の変速比を変速比の下限として決定する第2の決定手段と、
前記第1及び第2の決定手段で夫々決定した高速側の変速比の下限を比較して、大きい方の変速比の下限を選択し、この大きい方の変速比の下限を前記自動変速機が選択可能な高速側の変速比の下限として設定する設定手段を有することを特徴とする車両制御装置。
【0008】
(3)前記運転動作検出手段は、アクセル開度に基づき減速を意図した運転動作を検出することを特徴とする上記(1)または(2)に記載の車両制御装置。
【0009】
(4)前記運転動作検出手段は、ブレーキペダルの操作に基づき減速を意図した運転動作を検出することを特徴とする上記(1)または(2)に記載の車両制御装置。
【0020】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の好適実施形態の1つについて、添付図面に基づいて詳説する。図1は、本発明の車両制御装置の構成を示すブロック図である。
【0021】
本発明の車両制御装置1は、ナビゲーションシステム装置10と、ATモード選択部20と、走行状態検出手段である走行状態検出部30と、変速制御装置40とを備えている。
上記ナビゲーションシステム装置10と、走行状態検出部30と、変速制御装置40とによって、制御量決定手段が構成される。この制御量決定手段は、後述する道路情報獲得手段によって獲得された道路情報から車両の制御量を決定するが、特に本発明では、道路の複数の属性に基づき、各属性に応じた固有の制御量を特定し、特定された各複数の制御量に基づき、実際に実行する制御量を決定する。本実施形態における制御量は、変速比であり、より具体的には変速段である。
ナビゲーションシステム装置10は、ナビゲーション処理部11と、道路情報記憶手段であるデータ記憶部12と、現在位置検出部13と、通信部15と、入力部16と、表示部17と、音声出力部19とを有している。
【0022】
ナビゲーション処理部11は、入力された情報に基づいて、ナビゲーション処理等の各種演算処理を行い、その結果を出力する中央制御装置(以下「CPU」という)111を備えている。このCPU111は、データバス等のバスラインを介してROM112とRAM113が接続されている。ROM112は、目的地までの経路の検索、経路中の走行案内、特定区間の決定等を行うための各種プログラムが格納されているリード・オンリー・メモリである。RAM113は、CPU111が各種演算処理を行う場合のワーキング・メモリとしてのランダム・アクセス・メモリである。
【0023】
データ記憶部12は、地図データファイル、交差点データファイル、ノードデータファイル、道路データファイル、写真データファイル、および各地域のホテル、ガソリンスタンド、観光地案内などの各種地域毎との情報が格納された他のデータファイルを備えている。これら各ファイルには、経路探索を行うとともに、探索した経路に沿って案内図を表示したり、交差点や経路中における特徴的な写真やコマ図を出したり、交差点までの残り距離、次の交差点での進行方向を表示したり、その他の案内情報を表示部17や音声出力部19から出力するための各種データが格納されている。
【0024】
これらのファイルに記憶されている情報の内、通常のナビゲーションにおける経路探索に使用されるのが交差点データ、ノードデータ、道路データのそれぞれが格納された各ファイルである。これらのファイルには、道路の幅員、勾配、路面の状態、曲がり角の曲率半径、交差点、T字路、道路の車線数、車線数の減少する地点、曲がり角の入口、踏切、高速道路出口ランプウェイ、高速道路の料金所、道路の幅員の狭くなる地点、降坂路、登坂路などの道路の属性が格納されている。
【0025】
各ファイルは、例えば、フロッピーディスク、ハードディスク、CD−ROM、光ディスク、磁気テープ、ICカード、光カード等の各種記憶装置が使用される。なお、各ファイルは記憶容量が大きい、例えばCD−ROMの使用が好ましいが、その他のデータファイルのような個別のデータ、地域毎のデータは、ICカードを使用するようにしてもよい。上記ナビゲーション処理部11と、道路情報記憶手段であるデータ記憶部12によって、道路情報獲得手段が構成される。
【0026】
また現在位置検出部13は、GPSレシーバ131、地磁気センサ132、距離センサ133、ステアリングセンサ134、ビーコンセンサ135、ジャイロセンサ136とを備えている。GPSレシーバ131は、人口衛星から発せられる電波を受信して、自車の位置を測定する装置である。地磁気センサ132は、地磁気を検出して自車の向いている方位を求める。距離センサ133は、例えば車輪の回転数を検出して計数するものや、加速度を検出して2回積分するものや、その他計測装置等が使用される。ステアリングセンサ134は、例えば、ハンドルの回転部に取り付けた光学的な回転センサや回転抵抗ボリューム等が使用されるが、車輪部に取り付ける角度センサを用いてもよい。ビーコンセンサ135は、路上に配置したビーコンからの位置情報を受信する。ジャイロセンサ136は、車両の回転角速度を検出しその角速度を積分して車両の方位を求めるガスレートジャイロや光ファイバジャイロ等で構成される。
【0027】
現在位置検出部13のGPSレシーバ131とビーコンセンサ135は、それぞれ単独で位置測定が可能であるが、その他の場合には、距離センサ133で検出される距離と、地磁気センサ132、ジャイロセンサ136から検出される方位との組み合わせ、または、距離センサ133で検出される距離と、ステアリングセンサ134で検出される舵角との組み合わせによって自車の絶対位置(自車位置)を検出するようになっている。
【0028】
通信部15は、FM送信装置や電話回線等との間で各種データの送受信を行うようになっており、例えば情報センタ等から受信した渋滞などの道路情報や交通事故情報等の各種データを受信するようになっている。
入力部16は、走行開始時の現在位置の修正や、目的地を入力するように構成されている。入力部16の構成例としては、表示部17を構成するディスプレイの画面上に配置され、その画面に表示されたキーやメニューにタッチすることにより情報を入力するタッチパネル、その他、キーボード、マウス、バーコードリーダ、ライトぺン、遠隔操作用のリモートコントロール装置などが挙げられる。
【0029】
表示部17には、操作案内、操作メニュー、操作キーの表示や、ユーザの要求に応じて設定された案内地点までの経路の表示や、走行する経路に沿った案内図等の各種表示が行われる。表示部17としては、CRTディスプレイ、液晶ディスプレイ、プラズマディスプレイ、フロントガラスにホログラムを投影するホログラム装置等を用いることができる。
【0030】
音声入力部18はマイクロホン等によって構成され、音声によって必要な情報が入力される。音声出力部19は、音声合成装置と、スピーカとを備え、音声合成装置で合成される音声の案内情報を出力する。なお、音声合成装置で合成された音声の他に、各種案内情報をテープに録音しておき、これをスピーカから出力するようにしてもよく、また音声合成装置の合成音とテープの音声とを組み合わせてもよい。
【0031】
以上のようなナビゲーションシステム装置10において、自車位置検出手段は、現在位置検出部13によって構成され、道路情報記憶手段は、データ記憶部12によって構成される。また、曲率半径算出手段は、データ記憶部12と現在位置検出部13とナビゲーション処理部11とによって構成されている。自車位置の進行方向にある曲がり角は、現在位置検出部13で検出された自車位置と自車の走行方向およびデータ記憶部12に記憶されている道路情報に基づき、ナビゲーション処理部11が決定する。
【0032】
また、区間算出手段は、現在位置検出部13と、データ記憶部12と、ナビゲーション処理部11とによって構成される。自車位置の進行方向にある曲がり角とは、舵角を変更して、車両の進む方向を変更する必要のある場所であり、例えば、交差点、T字路、車線数の減少する地点、コーナ、コーナの入口、高速道路出口ランプウェイ、道路の幅員の狭くなる地点などが挙げられる。また、ノードの変化率が、ある一定以上となっている地点を曲がり角の入り口や出口とする。つまり、区間算出手段は、データ記憶部12に記憶されている道路情報に基づき、曲がり角のノードの変化率を求め、曲がり角の入り口を特定し、この入り口から、現在の自車位置までの距離dを算出する。
【0033】
一方、道路形状判断手段としての平均曲率算出手段及び標高変化率算出手段は、データ記憶部12と現在位置検出部13とナビゲーション処理部11と変速制御装置40とによって構成されている。そして、自車位置の進行方向にある所定区間は、現在位置検出部13で検出された自車位置と自車の走行方向および道路情報獲得手段よって獲得された道路情報に基づき、ナビゲーション処理部11が決定する。所定区間とは、自車位置から車両の進行方向に向けて一定距離が離れた地点までの区間(例えば、1km程度)をいう。この区間は、車速Vに応じて変更してもよい。例えば、低速走行時には、短く、高速走行時には長く設定することができる。この所定区間は、走行予定道路上に設定される。
【0034】
次に、走行予定道路とは、既に車両の走行経路が設定されている場合には、その設定されている道路であり、設定されていない場合には、例えば直進した場合に通過することが予想される経路とすることができる。このような、走行予定道路を探索する走行経路検出手段を設けることによって、走行予定道路がより明確となり、制御性が向上する。
【0035】
ATモード選択部20は、後述する変速段決定部において、変速モードを選択する操作部である。走行状態検出部30は、車速センサ31、ブレーキセンサ32、アクセルセンサ33、ウィンカーセンサ34、スロットルセンサ34を備えている。車速センサ31は車速Vを、ブレーキセンサ32はブレーキのON/OFFを、アクセルセンサ33はアクセル開度αを、ウインカーセンサ34はウインカのON/OFFを、スロットルセンサはスロットル開度γをそれぞれ検出する。この他、走行状態検出部30は、ギヤ比、クルーズコントロールの作動の有無、ライトの点灯の有無、ワイパーの作動の有無を検出する。
【0036】
自動変速装置は、図示しない自動変速機(本実施形態では5速の変速段を備え た多段変速機)と変速比を設定するアクチュエータ(本実施形態では5速の変速段を設定する油圧制御回路)とそのアクチュエータに対して作動信号を出力する変速制御装置40を含んでいる。変速制御装置40には、車速信号、アクセルセンサからのアクセル開度信号、スロットルセンサからのスロットル開度信号、及びナビゲーションシステム装置10からの道路データが入力される。アクセルセンサ33からの信号にアクセル開度信号に基づき、運転動作が検知される。即ち、アクセル開度信号を判断することにより運転動作検出手段が構成される。
【0037】
変速比規制手段と変速比設定手段を構成する変速制御装置40は、機能的には変速段決定部と変速段規制部とから構成される。変速段決定部は、どの変速段を選択するかを具体的に決定するものであり、例えば、スロットル開度と車速により変速段を決定するデータテーブル(変速段マップ)によって決定される。この変速段マップは、ノーマルモード、パワーモード、坂路モード等が用意されており、運転者の意志により、または道路状況に応じて制御により切り替わる。
【0038】
一方、変速段規制部は本発明の要部であり、変速段決定部によって決定された変速段の上限を規制するものである。従って、変速段決定部によって、例えば5速が決定されていても変速段規制部により上限が4速とされているときは、指令信号は1速から4速までの範囲内でしか出力されない。そして、図示しない変速比を設定するアクチュエータに対して、指令信号が出力される。このような、変速段の上限は、複数の道路の属性と車速Vに基づき、各道路情報に応じた規制範囲(変速段)にそれぞれ決定され、決定された複数の規制範囲の中から、最終的に最も狭い規制範囲(最も低い上限変速段)に決定される。以下、各道路の属性に応じて決定される上限変速段の決定方法について説明する。
【0039】
▲1▼第1の規制範囲
第1の規制範囲は、車速Vと、道路の属性の1つである車両の進行方向にある曲がり角の曲率半径、および曲がり角までの距離dによって、変速段の規制範囲を決定する。つまり、図2ないし図4に示されている規制用変速段マップ、表1及び表2に示されているデータテーブルに基づき決定され、具体的には、次のように決定される。
【0040】
【表1】
【0041】
表1に示されているように、予め、車速は、低速域から高速域まで範囲が区分けされ、車速Vは、0〜V1、V1〜V2、V2〜V3、V3〜V4(V1<V2<V3<V4)のいずれの範囲に含まれるかが判断される。また、該車速の各範囲に対応して、曲がり角の曲率半径も半径の大きい領域(曲り方が緩やか)から小さい領域(曲り方が急)まで範囲が区分され、曲がり角の算出されたコーナ曲率半径rが0〜r1、r1〜r2、r2〜r3、r3〜r4(r1<r2<r3<r4)のいずれの範囲に含まれるかが判断される。これらの車速と曲がり角の曲率半径から、車速曲率半径係数が、表1より決定される。
【0042】
【表2】
【0043】
一方、現在の自車位置から曲がり角の入り口までの距離dは、予め近距離域から長距離域まで範囲が区分され、距離dは、、0〜D1、D1〜D2、D2〜D3、D3〜D4(D1<D2<D3<D4)のいずれの範囲に含まれるかが判断される。そして、表2に基づき、決定された車速曲率半径係数A1〜A4、B1〜B4、C1〜C4、D1〜D4と、上記4つに区分けされた距離dの領域から、そのときの走行状態と道路状況に応じた変速段の上限(表2中、a1〜a4、b1〜b4、c1〜c4、d1〜d4・・・)が決定される。このようなデータテーブルの一例を現す規制用変速段マップが図2乃至図4に示されている。
【0044】
例えば、図2に示されている規制用変速段マップは、距離dが長距離域(曲がり角の入り口までの距離が比較的長い領域)、図4は、近距離(曲がり角の入り口までの距離が比較的短い領域)、図3は、長距離域と近距離域の間の領域のマップが示されている。
【0045】
例えば、図3において、曲がり角の曲率半径と車速との関係が、マップ中のa点である場合には、自動変速装置が車速とスロットル開度から4速を選択していたとしても、変速段は、3速までの中から選ばれることとなり、この場合には、3速が選択される。また、図4において、曲がり角の曲率半径と車速との関係が、マップ中のb点である場合には、自動変速装置が車速とスロットル開度から2速を選択していると、変速段は、3速までの中から選ばれることとなっているので、この場合には、そのまま2速で走行することとなる。図2乃至図4に示されている規制用変速段マップには、説明を簡単にするため、ヒステリシスを設けていないが、ハンチングを防止するため、ヒステリシスを設けることが好ましい。
【0046】
また、図2乃至図4のマップに示されているように、この規制用変速段マップは減速する場合どのような変速段がより適切かという観点から作られたものであるが、車速が所定の速度以上となる領域では、運転者は減速を望んでいないものと判断し、このマップに基づく変速段を規制する範囲は設定せず、その時の変速モード(ノーマルモード、パワーモード、坂路モード)における変速段マップに基づき変速段が決定される。
【0047】
▲2▼第2の規制範囲
第2の規制範囲は、車速Vと、道路形状によって、変速段の規制範囲を決定する。つまり第2の規制範囲を決定する場合、道路の属性の1つである所定区間の平均曲率Θを求める制御と、同じく道路の属性の1つである同じ区間の標高変化率Hを求める制御が行なわれ、最終的には図7の規制用変速段マップに基づき規制範囲が決定される。具体的には、次のように決定される。
【0048】
i)第1の制御
所定区間の平均曲率Θを求める第1の制御は、次のように行なわれる。
この第1の制御では、ナビゲーションシステム装置10が有している道路データを利用して、一定の距離に渡ってカーブが連続する道路か否かを判断し、その平均曲率Θを算出する。
図5は、山岳路や有料道路等に対する平均曲率Θの算出方法を説明するためのものである。
【0049】
この図に示すように、各道路には所定の間隔でノードNnが設定されており、各ノードNnの座標(xn,yn)から、ノード間の平均曲率Θを求める。
まず、各ノード間の変化角θnを求める。すなわち、ノードN(n-1)とノードNnを通る直線と、ノードNnとノードN(n+1)を通る直線との角度を求め、これをノードNnにおける変化角θnとする。
そして、車両の現在位置から、所定区間として車両の進行方向のー定区間(例えば、1km)を設定し、その区間内に存在する各ノードN1〜Nnと、現在位置から後方1つ目のノードN(n-1)とから、各ノードにおける変化角θ1〜θnを算する。そして、次の式(1)から平均曲率Θを求める。なお、式(1)におけるΣの加算範囲はi=1〜nである。
【0050】
Θ=(Σ|θn|)/n…(1)
【0051】
ii)第2の制御
所定区間内の標高変化率Hを求める第2の制御は、次のように行われる。この第2の制御では、ナビゲーションシステム装置10が有している所定地点の標高データから、車両が走行する道路の標高変化率Hを算出する。
図6は、走行道路の標高差ΔHを傾斜角度と見なした場合の所定区間における標高変化率Hの算出方法を説明するためのものである。
【0052】
この図に示すように、走行中の道路に設定されたノードの標高データから、標高変化率Hを求める。
まず、車両の現在位置から上記所定区間に設定されたノードの標高データについて、各ノード間の標高差ΔHを求める。
すなわち、ノードN(n−1)での標高H(n−1)とノードNnでの標高Hnとの差Hn−H(n−1)を求め、これをノードNnにおける標高差ΔHnとする。そして、設定された所定区間内に存在する各ノードN1〜Nnと、現在位置の後方1つめのノードN(n−1)とから、各ノードにおける標高差ΔH1〜ΔHnを算出する。
そして、次の式(2)におけるΣの加算範囲をi=1〜nとして、標高変化率Hを算出する。
【0053】
H=(Σ|ΔH|)/n…(2)
【0054】
以上説明した、第1及び第2の制御によって、得られた平均曲率Θと標高変化率Hに基づき、変速段の規制範囲が、図7に示されている規制用変速段マップにより決定される。
この規制用変速段マップは、車速と平均曲率Θから変速段の上限を決定するものである。図に示されているように、平均曲率Θが大きくなるに従って、変速段の上限を3速または4速とする領域が高車速側へ広がる。
【0055】
この規制用変速段マップは減速する場合どのような変速段がより適切かという観点から作られたものであるが、車速が所定の速度以上となる領域では、運転者は減速を望んでいないものと判断し、このマップに基づく変速段の上限値を規制する制御は行なわれない。即ち、変速段決定部の変速段マップにより、例えば4速が決定されている場合でも規制用変速段マップによれば3速になっている場合は、3速を出力信号とする。また、変速段マップにより2速が決定されている場合、規制用変速段マップが3速であっても、これは1速から3速の範囲内で変速段を規制することを意味するので、指令信号として出力される変速段は、2速となる。そして、車速が所定の速度以上となる領域では、運転者は減速を望んでいないものと判断し、変速段の上限値を規制する制御は解除され、変速段決定部の有する変速段マップに基づき制御が行なわれる。
【0056】
例えば、図7において、平均曲率Θと車速Vが、点cに位置する場合、変速段が4速となっていると、強制的に3速に変速段が切り替わり、1速から3速までの間で、変速段が変更される。また、点dに位置する場合には、運転者は、減速を意図していないものと判断し、変速段規制部は、変速段の上限を制限する制御は行わず、ノーマルモードによる走行となる。
【0057】
また、標高変化率Hがー定基準値(例えば10m)以上ある場合には、図8に示されているマップに基づき、変速段決定部の変速モードを変更する。例えば、標高変化率Hが基準値以上であった場合には、変速モードをノーマルモードからパワーモードへ切り替える。これにより、下り坂の場合には、エンジンブレーキの領域が広がり、減速を補助するようになる。また登り坂の場合には、大きな駆動力を得ることができるようになる。標高変化率Hが基準値以下となった場合には、図8のマップに基づき、パワーモードからノーマルモードへ切り替える。
【0058】
つまり、平均曲率Θと車速Vから変速比(変速段)の上限を決定する。この場合、車速に応じて、車速が高い場合には、変速比の規制範囲を設定せず、その時の変速モード(ノーマルモード、パワーモード、坂路モード)における変速段マップに基づき変速段が決定される。
【0059】
▲3▼第3の規制範囲
第3の規制範囲は、道路の属性の1つである、走行している道路の勾配を判断し、その勾配に応じて変速比を規制する範囲を決定する。
まず、車速Vの変化率から実際の加速度β1を求め、標準加速度β0と、実際の加速度β1とを比較する。この標準加速度β0は、勾配のない平地を走行した場合に得られると想定される加速度として設定され、車速Vとスロットル開度γ、ギヤ比をパラメータとして作られたデータテーブルから算出されるエンジン駆動力と走行抵抗と標準車両重量Mから決定されている。そして、比較した結果、β0>β1である場合には上り坂、β0<β1である場合には下り坂であると判断し、例えば、現在の変速段より1段下の変速段を規制範囲の上限として決定する。
【0060】
以上の制御動作によって決定された変速比の規制範囲である上限変速段を比較し、変速比選択手段である変速制御装置40が、最も低い上限変速段を規制範囲の上限として選択する。
【0061】
以下、変速制御装置40の制御動作について、図9乃至図12に示されているフローチャートに基づいて詳説する。図9のフローチャート及び図10のフローチャートは、図13に示されているコーナを通過する際の制御動作を示すものである。
【0062】
最初に、ナビゲーションシ処理部11から、道路情報を取得する(ステップS10)。この道路情報には、ノードN1〜Nn(図13)の座標データ(X1,Y1)〜(Xn,Yn)等が含まれる。これらの情報により、各ノードを結ぶリンクのなす角から各ノードにおけるコーナの曲率半径を求め、そのコーナの連続性及びコーナ曲率半径の変化度合を判断する。また自車位置とコーナ入口までの距離dを計算し、式(1)、(2)により、平均曲率Θ、標高変化率Hを求める。
【0063】
次に、車両状態検出部30等から、スロットル開度、アクセル開度の変化率、車速V、シフトポジション、変速段、変速モードを取得する(ステップS20)。
次に、図10に示されているコーナ制御変速判断ルーチンを実行する(ステップS30)。
【0064】
アクセル開度が0近傍になったか、あるいはアクセル開度が十分小さく、かつアクセル開度の変化率Δαが予め定められた変化率δ以上で閉じられたか否かを判断する(ステップS301)。
【0065】
アクセル開度αが0近傍になった場合、あるいはアクセル開度が十分小さく、かつアクセル開度αの変化率Δαが予め定められた変化率δ以上で閉じられた場合には(ステップS301:Y)、運転者は減速する意志を有すると判断できるので、図2ないし図4に示されている規制変速段マップから、上限変速段SF1を選択する(ステップS302)。上限変速段SF1は、ステップS10で求められた距離d、コーナ曲率半径と、ステップS20で取得した車速Vに基づいて決定される。
【0066】
一方、運転者は減速する意志を有さないと判断した場合には(ステップS301:N)、上限変速段の設定は行なわれず、メインルーチンへリターンされる。なお、アクセル開度αが0近傍になった場合、あるいはアクセル開度が十分小さく、かつアクセル開度αの変化率Δαが予め定められた変化率δ以上で閉じられた場合であっても、車速Vが十分大きい場合には、上限変速段の設定は行なわれず、変速段の切り替えは、運転者の意志に委ねられる。
【0067】
次に、図11に示されているゾーン制御変速判断ルーチンを実行する。
まず、ステップS10で求めた標高変化率Hに基づき、変速モードの切り替えが必要か否かを判断する。即ち、図8に示されているマップに基づき、ステップ10で得られた標高変化率Hが、基準値以上であるか否かを判断し、変速モードの切り替えが必要か否かを決定する(ステップS401)。変速段規制部が、基準値以上であると判断した場合には(ステップS401:Y)、変速段決定部における変速モードをパワーモードに変更する(ステップS402)。基準値以下である場合には(ステップS401:N)、現在の変速モードを維持する。
【0068】
そして、ステップS10で得られた平均曲率Θと、ステップS20で取得した車速Vから、図7に示されている規制用変速段マップを参照する。変速段規制部により、規制用変速段マップに基づいて、変速段の規制を行なうか否か(ステップS403)、及び切り替え可能な変速段の上限が決定される。例えば、車速Vが大きく、図7において、点dの領域に位置する場合には、変速段規制部は、運転者は減速を意図しないものと判断し(ステップS403:N)、変速段を規制する制御は行なわれず、メインルーチンにリターンされる。つまり、その時に選択されている変速モード(図7ではノーマルモード)に基づき変速段が決定される。
【0069】
また、例えば、図7の規制用変速段マップにおいて、点cに位置し、変速段の上限が3速に規制された場合には、変速段の規制が必要と判断し(ステップS403:Y)、上限変速段SF2を規制変速段マップに基づいて決定し(点cの場合には、3速)、メインルーチンへリターンされる。
【0070】
次に、図12に示されている坂路制御変速判断ルーチンを実行する(ステップS50)。まず、予め設定されているデータテーブルから車速V、スロットル開度、変速段、標準車両重量により標準加速度β0を求める(ステップS501)。次に、車速Vの変化から現在の加速度β1を求める(ステップS502)。β0<β1であるか否かを判断し(ステップS503)、即ち下り坂であるかどうかを判断し、下り坂である場合には(ステップS503:Y)、例えば現在の変速段よりも一段下の変速段を上限の変速段SF3とする(ステップS504)。
【0071】
また、下り坂でない場合には(ステップS503:N)、β0>β1であるか否かを判断し(ステップS505)、即ち上り坂であるかどうかを判断し、上り坂である場合には(ステップS505:Y)、例えば現在の変速段よりも一段下の変速段を上限の変速段SF3とする(ステップS504)。
【0072】
上り坂でない場合には、上限変速段SF3の設定は行なわれず、メインルーチンへリターンされる。このステップS504で決定される上限の変速段SF3は、図示しない車速Vとスロットル開度とをパラメータとして作られたデータテーブルから決定されるが、上り坂と下り坂、それぞれの場合に対応したデータテーブルにより決定すると好適である。
【0073】
上記各サブルーチンで設定された上限変速段SF1、SF2、SF3を比較して、最も低い変速段を上限変速段として選択する(ステップS60)。
そして、設定されている変速モードに基づき、ステップS60で設定された範囲内で変速段が設定される(ステップS70)。また、各サブルーチンにおいて、上限変速段が設定されていない場合には、運転者は、減速を意図していないものと判断され、変速段の範囲を規制する制御は行なわれず、運転者の自由な走行操作域が確保される。
【0074】
また、上記のように、車両が通過する一点(コーナ)での道路状況を考慮して変速段を規制する制御と、所定区間内の道路状況を考慮して変速段を規制する制御とを統合した後、最終的に変速段を規制するので、必要な場合には道路状況の急激な変化に対応した変速段制御ができるとともに、頻繁にシフトチェンジを繰り返すといった煩わしさもなく、より滑らかな走行感覚を確保することができる。
なお、上記のような制御動作は、すべての制御動作を変速段規制部または変速段決定部の一方のみで行なってもよく、また、ナビケーション処理部11のみで行う構成とすることもできる。
【0075】
上記説明した、コーナ制御変速判断ルーチンでは、運転動作検出手段の検出する運転動作として、アクセルペダルの踏み込み量を用い、アクセル開度αに基づいて運転者の減速の意志を判断していたが、スロットルセンサ35から入力されるスロットル開度(即ち、エンジントルク)の変化率や値に基づいて運転動作を検出し、減速の意志を判断することもできる。さらに、ブレーキぺダルの操作に基づき運転動作を検出し、減速の意志を判断してもよい。この場合には、ブレーキセンサ32から入力されるブレーキ踏み込み量の変化率やブレーキのオン動作などに基づき減速の意志を判断することができる。このほか、ウインカーセンサ34に基づき運転動作を検出し、ウインカーオン操作の検出により減速の意志を判断する構成としてもよい。また、ライト(ヘッドライト、フォグランプ)の点灯動作に基づき運転者の意志を判断することもできる。これらの動作は、運転動作検出手段によって検出される。
【0076】
また、変速段決定部は、アクセル開度と車速により変速段を決定しているが、スロットル開度と車速によって変速段を決定してもよく、またエンジンのトルクの大きさと車速によって変速段を決定する構成としてもよい。
【0077】
一方、ゾーン制御変速判断ルーチンでは、図7に示されている規制用変速段マップに基づき制御の有無と、変速段の上限を判断していたが、この他、図14に示されているように、運転者の自由な操作領域を拡大した規制用変速段マップに基づいてもよい。
【0078】
このような、規制用変速段マップの変更は、例えば、エンジンの性能、車種などによって適宜変更するようにしてもよい。
また、図15に示されているように、標高変化率Hに応じて、規制用変速段マップの変速線の位置を変更する構成とすることもできる。図示の例では、標高変化率Hが一定の基準値以上となった場合には、変速線の位置を低速側に変更(図中、点線から実線へ)するようにしてもよい。平均曲率Θが小さい場合における低速段領域を図7より大きくするように変更してもよい。このような変速段の領域の変更は、標高変化率Hの変化に応じて連続して移動する構成とすることもできる。このような構成とした場合には、道路形状にさらに適応した変速段制御を行なうことができる。
【0079】
また、図7に示されている規制用変速段マップは、車速と平均曲率Θに応じて規制される変速段の範囲が決定されているが、図16及び図17に示されているように、車速と平均曲率Θと標高変化率Hに応じて規制される変速段の範囲を決定してもよい。つまり、平均曲率Θと標高変化率Hとに基づいて参照値を決定し、この参照値と車速Vにより、変速段の範囲を決定する構成とすることができる。
このような構成とすることによって、道路形状にさらに一層適応した変速段制御を行なうことができる。
【0080】
上記変速段制御は、さらに走行状態検出手段によって検出された走行状態に応じて変速段の規制範囲を変更する制御を行なってもよい。例えば、走行状態検出手段がワイパーの作動を検出した場合には、路面が濡れているものと判断し、車両の挙動変化を抑えるように変速段の上限を設定するとか、ライトの点灯を検出した場合には、同様に変速段の上限を一段下げるなどの制御を行なうことものできる。また、この制御は、変速段の上限を変更するものであるが、この他、変速モードの切り替えを行なうような制御を行なってもよい。
【0081】
なお、図2乃至図4、図7、図8、図14、図15、図17に示されているマップには、説明を簡単にするため、ヒステリシスを設けていないが、ハンチングを防止するため、ヒステリシスを設けることが好ましい。
自動変速装置には、無段変速機を有するものを用いてもよく、この場合には、変速比規制手段は、変速段ではなく、変速比の範囲を規制する。
【0082】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の車両制御装置によれば、走行地点の道路状況と、所定区間の道路状況とを考慮した変速比制御が行なわれるので、従来よりもさらに道路状況に合致した変速比制御が可能となる。また、運転者の意志を優先した領域が確保されるので、より運転者の意図にそった車両制御を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の車両制御装置の構成を示すブロック図である。
【図2】シフトダウン制御における変速マップである。
【図3】シフトダウン制御における変速マップである。
【図4】シフトダウン制御における変速マップである。
【図5】車両制御装置において、山岳路等に対する平均曲率Θの算出について説明するための説明図である。
【図6】車両制御装置において、山岳路等に対する標高変化率Hの算出について説明するための説明図である。
【図7】シフトダウン制御における規制用変速段マップである。
【図8】標高変化率Hに基づく変速モード制御におけるマップである。
【図9】変速制御装置の制御動作を示すメインフローチャートである。
【図10】変速制御装置の制御動作のサブルーチンのフローチャートである。
【図11】変速制御装置の制御動作のサブルーチンのフローチャートである。
【図12】変速制御装置の制御動作のサブルーチンのフローチャートである。
【図13】コーナを通過する際の、変速段の変化を示す模式図である。
【図14】他の実施形態における規制用変速段マップである。
【図15】他の実施形態における規制用変速段マップである。
【図16】他の実施形態における参照値を決定するためのマップである。
【図17】同じく、参照値と車速から上限の変速段を決定する規制用変速段マップである。
【符号の説明】
1 車両制御装置
2 車両
10 ナビゲーションシステム装置
11 ナビゲーション処理部
12 データ記憶部
13 現在位置検出部
20 ATモード選択部
30 走行状態検出部
40 変速制御装置
Claims (4)
- 自動変速機と、
車速を検出する車速センサと、
道路情報を記憶する道路情報記憶手段と、
道路上の自車位置を検出する自車位置検出手段と、
前記道路情報記憶手段に記憶された道路情報及び検出された自車位置に基づき自車位置から進行方向上に設定された一定区間内での道路の平均曲率を算出する平均曲率算出手段と、
前記平均曲率算出手段により算出された平均曲率と検出された車速とから、自動変速機が選択可能な高速側の変速比を変速比の下限として決定する第1の決定手段と、
前記道路情報記憶手段に記憶された道路情報及び前記検出された自車位置に基づき自車位置の進行方向にある曲がり角を検出し、この曲がり角から自車位置までの距離を算出する区間算出手段と、
減速を意図した運転動作を検出する運転動作検出手段と、
前記減速を意図した運転動作が検出された場合、検出された車速及び算出された距離に基づいて、自動変速機が選択可能な高速側の変速比を変速比の下限として決定する第2の決定手段と、
前記第1及び第2の決定手段で夫々決定した変速比の下限を比較して大きい方の変速比の下限を選択し、この大きい方の変速比の下限を前記自動変速機が選択可能な高速側の変速比の下限として設定する設定手段を有することを特徴とする車両制御装置。 - 自動変速機と、
車速を検出する車速センサと、
道路情報を記憶する道路情報記憶手段と、
道路上の自車位置を検出する自車位置検出手段と、
前記道路情報記憶手段に記憶された道路情報及び検出された自車位置に基づき自車位置から進行方向の一定区間における道路の標高変化率を算出する標高変化率算出手段と、
前記標高変化率算出手段により算出された標高変化率と検出された車速とから、自動変速機が選択可能な高速側の変速比を変速比の下限として決定する第1の決定手段と、
前記道路情報記憶手段に記憶された道路情報及び前記検出された自車位置に基づき自車位置の進行方向にある曲がり角を検出し、この曲がり角から自車位置までの距離を算出する区間算出手段と、
減速を意図した運転動作を検出する運転動作検出手段と、
前記減速を意図した運転動作が検出された場合、検出された車速及び算出された距離に基づいて、自動変速機が選択可能な高速側の変速比を変速比の下限として決定する第2の決定手段と、
前記第1及び第2の決定手段で夫々決定した高速側の変速比の下限を比較して、大きい方の変速比の下限を選択し、この大きい方の変速比の下限を前記自動変速機が選択可能な高速側の変速比の下限として設定する設定手段を有することを特徴とする車両制御装置。 - 前記運転動作検出手段は、アクセル開度に基づき減速を意図した運転動作を検出することを特徴とする請求項1または2に記載の車両制御装置。
- 前記運転動作検出手段は、ブレーキペダルの操作に基づき減速を意図した運転動作を検出することを特徴とする請求項1または2に記載の車両制御装置。
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