JPH1151171A - 車両制御装置 - Google Patents

車両制御装置

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Publication number
JPH1151171A
JPH1151171A JP22421297A JP22421297A JPH1151171A JP H1151171 A JPH1151171 A JP H1151171A JP 22421297 A JP22421297 A JP 22421297A JP 22421297 A JP22421297 A JP 22421297A JP H1151171 A JPH1151171 A JP H1151171A
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JP
Japan
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road
current position
speed
vehicle
determining
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Application number
JP22421297A
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English (en)
Inventor
Hideki Ariga
秀喜 有賀
Hisanori Shirai
久則 白井
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Equos Research Co Ltd
Original Assignee
Equos Research Co Ltd
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Publication date
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Publication of JPH1151171A publication Critical patent/JPH1151171A/ja
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Abstract

(57)【要約】 【課題】ナビゲーションシステムに記憶されている道路
情報に基づき行う変速比制御の応答性を向上させる。 【解決手段】ナビゲーションシステム装置10におい
て、道路情報に基づく道路状況の判断を行い、ナビゲー
ションシステム装置10における道路状況の判断と、車
両状態に応じて行う変速比の決定を自動変速装置の電気
制御回路部40において行う構成とし、ナビゲーション
システム装置10と電気制御回路部40との間の通信
を、複数の情報を担持したコード化された信号によりお
こなう。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、車両制御装置にか
かり、詳しくは有段変速機及び無段変速機を含む自動変
速装置の変速比の制御に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、運転者に車両の現在地周りの道路
情報を知らせて、車両の目的地までの走行経路を誘導す
るナビゲーションシステム装置が車両に搭載され、この
装置に備えられた車両の現在位置の周囲に関する道路情
報に応じて、自動変速機の制御パターンを変更する変更
手段を備えた自動変速機の制御装置が提案されている
(特公平6-58141号公報)。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ナビゲーションシステ
ム装置が、システムの有する道路情報に基づき変速段を
決定する場合には、自動変速機からの通信により、運転
者の操作に関する情報や、現在の変速段等のナビゲーシ
ョンシステム装置の動作には直接関係のない情報を取得
する。そして、取得した情報と、ナビゲーションシステ
ム装置の有する道路情報に基づき変速段を決定し、その
後決定した変速段を自動変速機へ送信する。
【0004】このように、ナビゲーションシステム装置
の道路情報に基づく変速段の制御を行う場合には、従来
の変速段制御と比較して、自動変速機とナビゲーション
システム装置の間での通信の回数が増加するため、変速
段制御動作をレスポンス良く応答させることが難しいと
いった問題がある。
【0005】また、自動変速機の制御装置にナビゲーシ
ョンシステム装置の道路情報を供給し、自動変速機の制
御装置にて処理する構成とするには、該制御装置の負担
が過大となり、処理速度が低下して、やはり応答性が十
分でなくなる。
【0006】そこで、本発明は、ナビゲーションシステ
ム装置と、自動変速機の制御装置間の通信を簡略化し、
応答性の良い車両制御装置を提供することを目的として
いる。
【0007】
【課題を解決するための手段】このような目的は、以下
の本発明により達成される。
【0008】(1) 道路情報を獲得する道路情報獲得
手段と、現在地を検出する現在地検出手段と、検出され
た現在地と、獲得された道路情報から、複数の道路属性
を検出する道路属性検出手段と、検出された複数の属性
に応じて、選択可能な変速比の範囲をそれぞれ決定する
変速範囲決定手段と、検出された複数の道路属性と、決
定された変速範囲とを単一のコードに変換する変換手段
とを備えた、道路上の現在地を確定する現在位置確定装
置と、車両状態を判断する車両状態判断手段と、判断さ
れた車両状態に基づき、決定された変速範囲内に変速比
を制限する変速比制限手段とを備え、自動的に変速比を
選択し、選択した変速比を変速機へ指令する変速制御装
置とを有し、前記現在位置確定装置と、前記変速制御装
置は、通信回線により接続されており、コード化された
道路属性と変速範囲が前記変速比制限手段へ供給される
ことを特徴とする車両制御装置。
【0009】(2) さらに減速操作検出手段を有し、
前記変速比制限手段は、減速操作の開始に基づき変速比
の制限を実行する実行手段を含むものである上記(1)
に記載の車両制御装置。
【0010】(3) 前記現在位置確定装置は、ナビゲ
ーションシステム装置に含まれている上記(1)または
(2)に記載の車両制御装置。
【0011】(4) 道路情報を取得する道路情報取得
手段と、現在地を判断する現在地判断手段と、現在地
と、取得された道路情報から、複数の道路属性を判断す
る道路属性判断手段と、判断された複数の道路属性を単
一のコードに変換するコード変換手段とを備え、道路上
の現在地を判定する現在位置判定装置と、判断された複
数の道路属性に応じて、選択可能な変速比の範囲をそれ
ぞれ決定する規制範囲決定手段と、車両状況を判断する
車両状況判断手段と、判断された車両状況に基づき、決
定された規制範囲内に変速比を制限する変速比規制手段
とを備え、自動的に変速比を選択し、選択した変速比を
変速機構へ指令する変速比制御装置と、前記現在位置判
定装置と前記変速比制御装置は通信回線で接続されてお
り、コード化された道路属性が前記規制範囲決定手段へ
供給されることを特徴とする車両制御装置。
【0012】(5) さらに減速操作判断手段を有し、
前記変速比規制手段は、減速操作の開始に基づき変速比
の制限を実施する実施手段を含むものである上記(3)
に記載の車両制御装置。
【0013】(6) 前記現在位置判定装置は、ナビゲ
ーションシステム装置に含まれている上記(4)または
(5)に記載の車両制御装置。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、本発明の好適実施形態の1
つについて、添付図面に基づいて詳説する。図1は、本
発明の車両制御装置の構成を示すブロック図である。本
実施形態の車両制御装置1は、ナビゲーションシステム
装置を搭載する車両に搭載され、ナビゲーションシステ
ム装置10に含まれた現在位置確定装置(現在位置判定
装置)と、同様にナビゲーションシステム装置10に含
まれた変換手段(コード変換手段)と、自動変速装置に
含まれた変速制御装置(変速比制御装置)と、ATモー
ド選択部20と、車両状態判断手段(車両状況判断手
段)として車両状態検出部30とを備えている。ナビゲ
ーションシステム装置10は、ナビゲーション処理部1
1と、道路情報記憶手段であるデータ記憶部12と、現
在位置検出部13と、通信部15と、入力部16と、表
示部17と、音声出力部19とを有している。
【0015】ナビゲーション処理部11は、入力された
情報に基づいて、ナビゲーション処理等の各種演算処理
を行い、その結果を出力する中央制御装置(以下「CP
U」という)111を備えている。このCPU111
は、データバス等のバスラインを介してROM112と
RAM113が接続されている。ROM112は、目的
地までの経路の検索、経路中の走行案内、特定区間の決
定等を行うための各種プログラムが格納されているリー
ド・オンリー・メモリである。RAM113は、CPU
111が各種演算処理を行う場合のワーキング・メモリ
としてのランダム・アクセス・メモリである。
【0016】データ記憶部12は、地図データファイ
ル、交差点データファイル、ノードデータファイル、道
路データファイル、写真データファイル、および各地域
のホテル、ガソリンスタンド、観光地案内などの各種地
域毎との情報が格納された他のデータファイルを備えて
いる。これら各ファイルには、経路探索を行うととも
に、探索した経路に沿って案内図を表示したり、交差点
や経路中における特徴的な写真やコマ図を出したり、交
差点までの残り距離、次の交差点での進行方向を表示し
たり、その他の案内情報を表示部17や音声出力部19
から出力するための各種データが格納されている。
【0017】これらのファイルに記憶されている情報の
内、通常のナビゲーションにおける経路探索に使用され
るのが交差点データ、ノードデータ、道路データのそれ
ぞれが格納された各ファイルである。これらのファイル
には、道路の幅員、勾配、路面の状態、カーブの曲率半
径、交差点、T字路、道路の車線数、車線数の減少する
地点、カーブの入口、踏切、高速道路出口ランプウェ
イ、高速道路の料金所、道路の幅員の狭くなる地点、降
坂路、登坂路、緯度経度で示されるノードの絶対座標、
ノードを結ぶリンクの長さ(ノード間距離)、隣接する
リンクのなす角度(リンク角)などの道路情報が格納さ
れている。
【0018】これらの道路情報は、後述する最適変速段
を決定するための道路属性として利用される。また、道
路属性は、上記挙げられた項目の他、上記格納されてい
る属性に基づいて決定される内容も含まれる。例えば、
所定区間におけるカーブの平均曲率や平均勾配、現在地
から特定位置(例えば、高速道路出口ランプウェイ、料
金所、交差点、カーブ入口、車線数の減少する地点等)
までの距離、リンク角から求められるノード半径なども
道路属性に含まれる。
【0019】各ファイルは、例えば、DVD、MO、C
D−ROM、光ディスク、磁気テープ、ICカード、光
カード等の各種記憶装置が使用される。なお、各ファイ
ルは記憶容量が大きい、例えばCD−ROMの使用が好
ましいが、その他のデータファイルのような個別のデー
タ、地域毎のデータは、ICカードを使用するようにし
てもよい。
【0020】また現在位置検出部13は、GPSレシー
バ131、地磁気センサ132、距離センサ133、ス
テアリングセンサ134、ビーコンセンサ135、ジャ
イロセンサ136とを備えている。GPSレシーバ13
1は、人口衛星から発せられる電波を受信して、自車の
位置を測定する装置である。地磁気センサ132は、地
磁気を検出して自車の向いている方位を求める。距離セ
ンサ133は、例えば車輪の回転数を検出して計数する
ものや、加速度を検出して2回積分するものや、その他
計測装置等が使用される。ステアリングセンサ134
は、例えば、ハンドルの回転部に取り付けた光学的な回
転センサや回転抵抗ボリューム等が使用されるが、車輪
部に取り付ける角度センサを用いてもよい。ビーコンセ
ンサ135は、路上に配置したビーコンからの位置情報
を受信する。ジャイロセンサ136は、車両の回転角速
度を検出しその角速度を積分して車両の方位を求めるガ
スレートジャイロや振動ジャイロ等で構成される。
【0021】現在位置検出部13のGPSレシーバ13
1とビーコンセンサ135は、それぞれ単独で位置測定
が可能であるが、その他の場合には、距離センサ133
で検出される距離と、地磁気センサ132、ジャイロセ
ンサ136から検出される方位との組み合わせ、また
は、距離センサ133で検出される距離と、ステアリン
グセンサ134で検出される舵角との組み合わせによっ
て自車の絶対位置(自車の現在地)を検出するようにな
っている。通信部15は、FM送信装置や電話回線等と
の間で各種データの送受信を行うようになっており、例
えば情報センタ等から受信した渋滞などの道路情報や交
通事故情報等の各種データを受信するようになってい
る。
【0022】入力部16は、走行開始時の現在位置の修
正や、目的地を入力するように構成されている。入力部
16の構成例としては、表示部17を構成するディスプ
レイの画面上に配置され、その画面に表示されたキーや
メニューにタッチすることにより情報を入力するタッチ
パネル、その他、キーボード、マウス、バーコードリー
ダ、ライトぺン、遠隔操作用のリモートコントロール装
置などが挙げられる。
【0023】表示部17には、操作案内、操作メニュ
ー、操作キーの表示や、ユーザの要求に応じて設定され
た案内地点までの経路の表示や、走行する経路に沿った
案内図等の各種表示が行われる。表示部17としては、
CRTディスプレイ、液晶ディスプレイ、プラズマディ
スプレイ、フロントガラスにホログラムを投影するホロ
グラム装置等を用いることができる。
【0024】音声入力部18はマイクロホン等によって
構成され、音声によって必要な情報が入力される。音声
出力部19は、音声合成装置と、スピーカとを備え、音
声合成装置で合成される音声の案内情報を出力する。な
お、音声合成装置で合成された音声の他に、各種案内情
報をテープに録音しておき、これをスピーカから出力す
るようにしてもよく、また音声合成装置の合成音とテー
プの音声とを組み合わせてもよい。
【0025】以上のように構成されたナビゲーションシ
ステム装置は、運転者に車両の現在地周りの道路情報を
知らせて、車両の目的地までの走行経路を誘導する。つ
まり、入力部16から目的地を入力すると、ナビゲーシ
ョン処理部11は、現在位置検出部13で検出された自
車位置に基づき、データ記憶部12から読み出した道路
情報から目的地までの走行経路を選択し、該経路及び道
路上の現在地を表示部17に出力するとともに、該表示
部17に表示された走行経路と、音声出力部19から出
力される音声によって、運転者を目的地まで誘導する。
また、目的地が入力されていない場合には、自車位置の
周辺の道路情報を表示部17に出力する。本発明は、ナ
ビゲーションシステム装置の有する道路情報や検出され
た現在位置に関する情報を用いて車両制御を行うもので
あり、上記表示部17は有さなくてもよい。
【0026】以上のようなナビゲーションシステム装置
10において、現在地検出手段(現在地判断手段)は、
現在位置検出部13によって構成され、道路情報獲得手
段(道路情報取得手段)は、データ記憶部12とナビゲ
ーション処理部11によって構成される。現在地(自車
位置)の進行方向にある特定点は、現在位置検出部13
で検出された現在地と自車の走行方向および道路情報獲
得手段によって獲得された道路情報に基づき、ナビゲー
ション処理部11が決定する。予定走行経路とは、ナビ
ゲーションシステム装置10において、既に車両の走行
経路が設定されている場合には、その設定されている経
路であり、設定されていない場合には、例えば直進した
場合に通過することが予想される経路とすることができ
る。このような、予定走行経路を探索する走行経路検出
手段を設けることによって、予定走行経路がより明確と
なり、制御性が向上する。
【0027】[1]カーブ制御 ナビゲーション処理部11は、車両の進行方向の道路上
に位置するノードのノード半径を検出することによっ
て、進行方向に存在する道路属性であるカーブを検出
し、ノード半径に応じた変速段の最適変速段を決定す
る。また、距離算出手段は、現在位置検出部13と、デ
ータ記憶部12と、ナビゲーション処理部11とによっ
て構成され、図2及び図3に示されているように、現在
位置から各ノードまでの距離L1〜Lnを算出する。
【0028】ノード半径算出手段は、データ記憶部12
とナビゲーション処理部11とによって構成され、図2
に示されているように、自車両2(現在位置)の前方の
所定区間(例えば、自車から100m前方までの区間)
内に位置するノードN1〜Nnを検出し、各ノードN1
〜Nn毎のノード半径r1〜rnを計算する。ここで、
ノードとは、デジタル地図において、道路の位置形状を
示す要素で、デジタル化された道路情報は、道路上の位
置を示す点(ノード)とノード間を結ぶ線(リンク)に
より構成される。本実施形態においては、ノードが特定
点である。特定点におけるノード半径の算出方法は、例
えば特定点で交叉するリンクの交叉角度から算出するこ
とができる。
【0029】また、推奨走行速度算出手段は、データ記
憶部12と現在位置検出部13とナビゲーション処理部
11とによって構成され、上記ノード半径算出手段によ
って求められた各ノード半径r1〜rnと、予め設定さ
れている旋回横Gより、図3に示されているような、予
め定められたデータテーブルに従って、各ノード位置を
通過する際に推奨される車速(ノードスピード)V1〜
Vn(推奨走行速度)を各ノード毎に計算する。
【0030】ナビゲーション処理部11は、上記推奨走
行速度に基づき、予め設定されている減速加速度Gと区
間距離Lとから、基準車速を算出する。基準車速とは、
区間距離Lを各減速加速度で減速すると仮定した場合、
現在の車速はいかなる値であるかを示すものである。
【0031】減速加速度Gは、これ以上、減速加速度が
大きい場合、変速段が3速以下の方が望ましいとされる
3速用の減速加速度(図3中のm2)と、変速段が2速
以下の方が望ましいとされる2速用の減速加速度(図3
中のm1)がある。これは、変速段が低速側にある方
が、減速時の車両の安定性と制動に有利であるためであ
る。これらの変速段は、例えば、図3に示されているマ
ップに基づき設定することができる。このような減速加
速度Gと距離Lとの関係を示したのが、図3の減速加速
度曲線m1、m2である。
【0032】ノード点N1に対する基準車速は、現在位
置からの垂線と減速加速度曲線m1、m2が交叉した点
で現される。つまり、例えば、図3中において、現在車
速V0は、基準車速VB11より小さく、基準車速VB
12より大きいこととなる。減速加速度曲線m1は、2
速用の減速加速度を現し、同じくm2は3速用の減速加
速度を現している。従って、図3に現されている現在位
置では、ノードN1を通過するためには、3速が最適変
速段となり、また、ノードN2を通過するためには2速
が最適変速段とされる。このようにして、道路のカーブ
形状に応じた最適変速段が決定される。
【0033】[2]ゾーン制御 道路形状判断手段を構成するナビゲーション処理部11
では、所定区間(ゾーン)内の平均曲率Θを求める第1
の判断と、所定区間内の標高変化率Hを求める第2の判
断とが行われる。そして、道路属性である所定区間内の
道路形状に応じた最適変速段が決定される。
【0034】第1の判断 この第1の判断では、データ記憶部12とナビゲーショ
ン処理部11により平均曲率算出手段を構成し、ナビゲ
ーション処理部11は、ナビゲーションシステム装置1
0が有している道路データを利用して、所定区間内にお
いてカーブが連続する道路か否かを判断し、その平均曲
率Θを算出する。図4は、山岳路や有料道路等に対する
平均曲率Θの算出方法を説明するためのものである。
【0035】この図に示すように、各道路には所定の間
隔でノードNnが設定されており、各ノードNnの座標
(xn,yn)から、ノード間の平均曲率Θを求める。
まず、各ノード間の変化角θnを求める。すなわち、ノ
ードN(n−1)とノードNnを通る直線と、ノードN
nとノードN(n+1)を通る直線との角度を求め、こ
れをノードNnにおける変化角θnとする。そして、車
両の現在位置から、所定区間として車両の進行方向のー
定区間(例えば、1km)を設定し、その区間内に存在
する各ノードN1〜Nnと、現在位置から後方1つ目の
ノードN(n−1)とから、各ノードにおける変化角θ
1〜θnを算する。そして、次の式(1)から平均曲率
Θを求める。なお、式(1)におけるΣの加算範囲はi
=1〜nである。
【0036】Θ=(Σ|θn|)/n…(1)
【0037】第2の判断 この第2の判断では、データ記憶部12とナビゲーショ
ン処理部11により標高変化率算出手段を構成し、ナビ
ゲーション処理部11は、ナビゲーションシステム装置
10が有している所定地点の標高データから、車両が走
行する道路の傾斜変化率を算出する。
【0038】図5は、走行道路の標高差ΔHを傾斜角度
と見なした場合の所定区間における標高変化率Hの算出
方法を説明するためのものである。この図に示すよう
に、走行中の道路に設定されたノードの標高データか
ら、標高変化率Hを求める。
【0039】まず、車両の現在位置から上記所定区間に
設定されたノードの標高データについて、各ノード間の
標高差ΔHを求める。すなわち、ノードN(n−1)で
の標高H(n−1)とノードNnでの標高Hnとの差H
n−H(n−1)を求め、これをノードNnにおける標
高差ΔHnとする。そして、設定された所定区間内に存
在する各ノードN1〜Nnと、現在位置の後方1つめの
ノードN(n−1)とから、各ノードにおける標高差Δ
H1〜ΔHnを算出する。そして、次の式(2)における
Σの加算範囲をi=1〜nとして、標高変化率Hを算出
する。
【0040】H=(Σ|ΔH|)/n…(2)
【0041】一方、ナビゲーション処理部11は、上記
求められた平均曲率Θと標高変化率HをA/T ECU
40へ供給する。ゾーン制御における変速段の規制範囲
の決定は、上記平均曲率Θと車速に基づいて行なわれる
ため、ナビゲーション処理部11においては、最適変速
段を最上段の4速に決定される。
【0042】[3]ランプウエイ制御 一方、ナビゲーション処理部11は、道路属性としてラ
ンプウエイを検出した場合には、次のように変速段の最
適変速段を決定する。データ記憶部12の有する道路情
報から、図6に示されているように、進行方向に位置す
るランプウエイの入口を検出し、該入口を中心とした制
御区間eに進入したか否かを判断する。そして、進入し
ている場合には、ランプウエイに進入する可能性がある
と判断し、変速段の上限値を4速に、減速操作が開始さ
れた場合には、3速に決定する。この判断は、制御区間
eを通過した時、またはランプウエイに進入しなかった
場合に解除される。
【0043】以上のように、各道路属性に応じて決定さ
れた最適変速段と、道路属性の内容は、2値変数にコー
ド化され、一回の通信で後述する自動変速装置の電気制
御回路部(以下、A/T ECUという)40へ出力さ
れる。ナビゲーション処理部11からA/T ECU4
0へ送信されるコードは、例えば次のように構成され
る。図7に示されているように、8ビットのコードは、
最初の4ビット(F1〜F4)で道路の属性を示し、他
の4ビット(F5〜F8)で最適変速段の内容を示して
いる。
【0044】最初の4ビット(F1〜F4)がすべて0
の時は、特に変速段の規制が必要な道路属性は検出され
ていないことを示し、F1が1の時は、カーブ制御が必
要であると判断したことを示し、F2又はF3が1の時
は、ゾーン制御が必要であると判断したことを示し、F
4が1の時は、ランプウエイ制御が必要であると判断し
たことを示している。
【0045】また、F5、F6及びF7、F8により最
適変速段が示される。この最適変速段は、二進数で表示
され、例えば、F5:F6が、0:0で1速、0:1で
2速、1:0で3速、1:1で4速を示すように構成さ
れる。そして、F5、F6で表される最適変速段は、減
速操作の開始をきっかけとせずに変速段の規制がおこな
われないもの、F7、F8は、減速操作の開始をきっか
けとして変速段の規制がおこなわれるものを示す。
【0046】カーブ制御、ゾーン制御、ランプウエイ制
御のそれぞれを実行すべきことが、同時に判断された場
合には、まず、カーブ制御とランプウエイ制御における
変速段の上限値が比較され、値の小さい方が選択され
る。そして、カーブ制御が選択された場合には、ゾーン
制御のコードと、カーブ制御のコードが重ねられて、A
/T ECU40へ供給されるコードが構成される。具
体的には、図7に示されているように、カーブ制御を示
すコードは、F1が1とされ、最適変速段を示すF5〜
F8は、F5:F6が1:1(4速)とされ、F7:F
8が1:0(3速)とされ、他は0とされる。また、ゾ
ーン制御を示すコードは、F2が1とされ、最適変速段
を示すF5〜F8は、F5:F6が1:1(4速)とさ
れ、F7:F8が1:1(4速)とされ、他は0とされ
る。
【0047】これらのコードを重ねると、送信コードと
して図示されているように、F1、F2が1とされる。
また、最適変速段は、ゾーン制御のコードにおける最適
変速段は、4速に決められているので、カーブ制御にお
ける最適変速段が書き込まれる。
【0048】ATモード選択部20は、シフトポジショ
ンと変速モードを選択する操作部である。車両状態検出
部30は、車速検出手段である車速センサ31、減速操
作検出手段(減速操作判断手段)としてブレーキセンサ
32、アクセル開度センサ33、ウィンカーセンサ34
とを備え、さらにスロットル開度センサ35を有してし
ている。車速センサ31は車速Vを、ブレーキセンサ3
2はブレーキが踏まれたか否か(ON/OFF)を、ア
クセルセンサ33はアクセル開度αを、ウインカーセン
サ34はウインカースイッチのON/OFFを、スロッ
トルセンサはスロットル開度θをそれぞれ検出する。
【0049】そして、検出された減速操作は、ブレーキ
のON/OFF信号、アクセル開度信号、ウインカのO
N/OFF信号として、それぞれA/T ECU40に
供給される。また、車速センサ31で検出された車速V
は、ナビゲーション処理部11とA/T ECU40に
それぞれ供給され、スロットルセンサで検出されたスロ
ットル開度θは、A/T ECU40に供給される。
【0050】ブレーキのON信号によって、運転者の減
速操作を検出することができる。また、アクセル開度α
の変化によって、運転者の減速操作を検出することがで
きる。つまり、アクセル開度が零に近い場合で、アクセ
ル開度が所定の変化率(アクセルペダルを踏み込んでい
る量に対して、踏み込み量が減少した割合)以上で減少
した場合など、運転者の減速操作として検出することが
できる。つまり、アクセルペダルを踏み込んでいる状態
から戻すという操作は、明らかに減速を意図しているも
のとすることができるので、減速操作として検出するこ
とができる。この検出は、アクセル開度αの変化量(減
少量)、変化速度(減少速度)、変化加速度(減少加速
度)等によって行ってもよい。これらのパラメータとア
クセル開度αの変化後の状態とを組み合わせて減速操作
を検出することもできる。例えば、α≒0の場合であっ
ても、車両を惰性で走行させている場合もあるので、ア
クセル開度の減少があり、かつ、α≒0となった場合に
減速操作として検出するようにすることもできる。
【0051】さらに、ウインカのON信号によって、運
転者の減速の意志を予測し、減速操作として検出するこ
ともできる。このウインカON操作に基づく減速操作の
検出は、さらにウインカON時の車速と組み合わせて判
断してもよい。例えば、ウインカON時に、交差点への
進入等が可能な速度まで減速されていなければ、交差点
への進入等のために減速操作が行なわれるものと予測で
きるので、減速操作として検出し、既に充分減速されて
いる場合には、減速操作として検出しないこととするこ
ともできる。
【0052】また、アクセル開度の減少と、ブレーキの
踏み込みとウインカーのON操作のいずれか一つの操作
を検出したときに、減速操作として検出する構成とする
こともできる。この場合には、確実に減速操作を検出す
ることができる。また、アクセル開度の減少と、ブレー
キの踏み込みと、ウインカーのON操作の内、2つ以上
が検出された時に、減速操作として検出する構成として
しもよい。この場合には、運転者の減速の意志をより明
確に確認することができる。本実施形態の自動変速装置
は有段変速機(変速機構)であって、プラネタリギアを
主体としたギアトレーン及びギアトレーンの各構成要素
を係合、解放して変速段を形成する油圧回路からなる機
構部(図中、A/Tという)41と、この機構部41を
制御する変速制御装置(変速比制御装置)であるA/T
ECU(電気制御回路部)40とを備えている。
【0053】ナビゲーションシステム装置10とA/T
ECU40とは、相互に通信線で接続され適宜通信が
行われる。A/T ECU40は、車速センサ31及び
スロットル開度センサ35が接続されており、車速セン
サ31からは車速信号が、スロットル開度センサ35か
らはスロットル開度信号が入力される。さらに、機構部
41に取り付けられた図示しないシフトポジションセン
サからはATモード選択部20で選択されたシフトポジ
ションに対応したシフトポジション信号が入力される。
【0054】一方、A/T ECU40から機構部41
の油圧回路内のアクチュエータ(油圧ソレノイド)に対
して駆動信号が出力され、この駆動信号に基づき上記ア
クチュエータが作動して変速段の形成等を行う。A/T
ECU40は、また、EEPROM42にき記憶され
た制御プログラムにより制御されており、例えば、変速
段の選択は、スロットル開度センサ35より検出される
スロットル開度と、車速センサ31からの車速とに基づ
き、メモリテーブル(変速マップ)に基づき行われるよ
うに構成されている。この変速マップが自動変速装置固
有の変速段を決定する。
【0055】変速マップは、ノーマルモード、パワーモ
ードの各モードに応じて用意されており、ナビゲーショ
ン処理部11から供給される変速モード変更指令信号に
基づいて自動的に変更される。また、変速モードは、運
転者の意志によりATモード選択部20を介して変更す
ることもできる。
【0056】ここで、ノーマルモードは、燃費と動力性
能のバランスのとれた経済走行パターンで、通常走行に
用いるものである。パワーモードとは、動力性能を重視
したパターンで、山間地等での運転に使用するものであ
り、変速マップでは、低速側の変速段の領域が大きく取
られている。
【0057】本実施態様では、この固有の変速マップを
変化させることなく、変速段の高速側(上限)を規制す
ることにより、結果的に変速段が低速側にシフトされた
ような制御を実行している。したがって、固有の変速マ
ップとして、どのような変速マップを用いることもでき
る。
【0058】A/T ECU40は、変速段を変更でき
る範囲を規制する最適変速段に関する情報がナビゲーシ
ョン処理部11から、送信コードによって供給される
と、実変速段、車速、減速操作の検出、ブレーキやアク
セルの状態に基づいて、最終的に変速段の変更範囲を規
制する上限値を決定する。従って、本実施形態の場合で
は、最適変速段は、道路属性に応じて定められる変更可
能な変速段の上限値であり、A/T ECU40で、さら
に車速等の車両状況に応じた変速段の上限値が決定され
る。
【0059】例えば、カーブ制御による変速段の規制制
御を行う場合には、アクセルのオンからオフへの変更
や、ブレーキのオフからオンへの変化などのように、運
転者の減速操作、又は減速操作の開始が検出されること
をきっかけとして、変速段の上限値を決定する。また、
実変速段が4速であり、最適変速段が2速とされている
場合には、最適変速段が2速であっても、オーバーレブ
を防止するため、上限値は3速に設定される。
【0060】さらに、ゾーン制御による変速段の規制制
御を行う場合には、A/T ECU40では、供給され
た平均曲率Θと車速から、変速段の変更可能な範囲であ
る変速段の上限値を決定する。この上限値の設定は、図
8に示されている規制用変速段マップに基づき行なわれ
る。
【0061】この規制用変速段マップは、図に示されて
いるように、平均曲率Θが大きくなるに従って、変速段
の上限を2速または3速とする領域が高車速側へ広が
る。この規制用変速段マップは減速する場合どのような
変速段がより適切かという観点から作られたものである
が、車速が所定の速度以上となる領域では、運転者は減
速を望んでいないものと判断し、この規制用変速段マッ
プに基づく変速段の上限値を規制する制御は行なわれな
い。つまり、車速が所定の速度以上となる領域では、運
転者は減速を望んでいないものと判断し、変速段の上限
値を規制する制御は解除される。よって、変速段の上限
を規制しない旨である上限4速とされる。
【0062】また、標高変化率Hがー定基準値(例えば
10m)以上ある場合には、A/TECU40は、図9
に示されているマップに基づき、変速モードを変更す
る。例えば、標高変化率Hが基準値以上であった場合に
は、変速マップをノーマルモードからパワーモードへの
切り替えを決定する。これにより、下り坂の場合には、
エンジンブレーキの領域が広がり、減速を補助するよう
になる。また登り坂の場合には、大きな駆動力を得るこ
とができるようになる。
【0063】標高変化率Hが基準値以下となった場合に
は、図9に示されているマップに基づき、A/T EC
U40の変速マップのパワーモードからノーマルモード
への切り替えを決定する。このような切り換えの判断
は、ナビゲーション処理部11が所定区間内の標高情報
を獲得し、この情報に基づいてナビゲーション処理部1
1が切り換えの必要性を判断し、A/T ECU40へ供
給する。或いは、標高変化率Hのみをナビゲーション処
理部11で計算し、その結果をA/T ECU40へ送信
し、A/T ECU40において、図9に基づき変速モー
ドの切り換えを判断する構成としてもよい。
【0064】一方、平均曲率Θ及び標高変化率Hから、
変速段の変更可能な範囲である変速段の上限値を決定す
る方法としては、上記説明した方法の他、図10及び図
11に示されているマップに基づいて決定する方法を用
いてもよい。これは、平均曲率Θと標高変化率Hに応じ
た参照値を求め、この参照値と車速に応じた上限値を決
定するものである。平均曲率Θ又は標高変化率Hが大き
くなるに従って参照値が大きくなるように、図10のマ
ップが設定され、上限値は、参照値が大きくなるに従っ
て低く設定されるように図11のマップが設定されてい
る。平均曲率Θと標高変化率Hを同時に用いて上限値を
決定するようにすることによって、ナビゲーション処理
部11とA/T ECU40との間の通信の回数を少なく
することができる。
【0065】ランプウエイ制御による変速段の規制制御
を行う場合には、実変速段、アクセルの状態、ブレーキ
の状態、車速に基づき、最終的に変速段の上限値が決定
される。例えば、図6に示されているように、車速が高
い場合には、アクセルのオフ動作や、ブレーキのオン動
作をきっかけとして変速段の上限を規制する制御を行っ
て、変速段を4速から3速にシフトダウンさせて減速の
補助をし、車速が十分に低い場合には、変速段の上限規
制を行わないことを決定する。
【0066】ATモード選択部20が備えるシフトレバ
ー21は、パーキングレンジ、リバースレンジ、ニュー
トラルレンジ、ドライブレンジ、セカンドレンジ、ロー
レンジ、の6つのシフトポジションが選択可能な6ポジ
ションタイプで、機構部41に取り付けられた図示しな
いシフトポジションセンサと機械的に接続されている。
【0067】ドライブレンジのシフトポジションでは、
1〜4速の間で変速段が選択され、セカンドレンジで
は、1〜2速の間で変速段が選択され、ロウレンジで
は、1速の変速段のみが設定される。本実施態様では、
シフトレバー21がドライブレンジのシフトポジション
に保持されている場合にのみ、ナビゲーションシステム
装置10によって決定された最適変速段への変速段の規
制が実行可能な構成となっている。例えば、A/T E
CU40によって、4速が決定されていてもナビゲーシ
ョン処理部11により最適変速段が3速に規制されてい
るときは、駆動信号は1速から3速までの範囲内でしか
出力されない。そして、変速比を設定するアクチュエー
タ42に対して、その範囲内で駆動信号が出力される。
【0068】エンジンコントロールユニット(図中、E
/G ECUという)50は、スロットル開度の信号
と、エンジン(図中、E/Gという)51からのエンジ
ン回転数その他(冷却水温、センサ信号等)とに基づ
き、燃料噴射指令等を変化させて、エンジン51を制御
する。
【0069】以上のように、本実施形態において、道路
属性検出手段(道路属性判断手段)、変速比規制手段、
変速範囲決定手段は、ナビゲーション処理部11で構成
され、変速比制限手段(変速比規制手段)及び規制範囲
決定手段は、A/T ECU40に含まれる。さらに、
変換手段(コード変換手段)は、ナビゲーション処理部
11で構成される。また、現在位置確定手段は、道路情
報獲得手段と、現在地検出手段と、道路属性検出手段
と、変速範囲決定手段と、変換手段とを有し、道路上の
現在地を確定する。そして、現在位置確定手段はA/T
ECU40と通信回線で接続されており、実際には、ナ
ビゲーションシステム装置10とA/T ECU40とが
通信回線で接続される。
【0070】また、本実施形態では、変更可能な変速段
の範囲として、変速段の上限値が制限された規制範囲と
される。この変更可能な変速段の範囲は、この他、下限
値のみを規制して(例えば、1速へシフトダウンしない
ように、変速段の下限値を2速とする。)変速範囲(規
制範囲)とすることもでき、上限値と下限値の両方を設
定して(例えば、上限値を3速、下限値を2速として2
速と3速の間で変速段が変更されるようにする)変速範
囲(規制範囲)とすることもできる。
【0071】以下、ナビゲーション処理部11と、A/
T ECU40による変速段の制御について図12、図
13に示されているフローチャートを参照して、本実施
形態の制御内容について詳説する。ここで図12は、ナ
ビゲーション処理部11で実行される処理の一部として
の最適変速段決定ルーチンを示している。図13は、A
/T ECU40で実行される処理の一部としての変速
段出力ルーチンを示している。
【0072】図12に示されているように、最適変速段
決定ルーチンは、ナビゲーションシステム装置10の有
する道路情報に基づき、カーブを通過する際に最適とさ
れる変速段、所定の形状の道路を通過する際に最適とさ
れる変速段、高速道路のランプウエイに進入する際に最
適とされる変速段を設定し、これらの最適変速段を決定
し、その内容をコード化することを目的として設定され
ている。
【0073】以下、図12に示されているフローチャー
トを参照して最適変速段決定ルーチンの内容について説
明する。先ず、現在位置検出部13から入力された現在
地、データ記憶部12から入力された道路データ(道路
種別、道路形状、各ノードの座標データ等が含まれる)
を取得し、車両の現在位置より前方100mに存在する
ノードを探索する(ステップS101)。
【0074】次に、現在車速等の車両情報を取得する
(ステップS103)。取得した道路情報から、カー
ブ、道路形状、ランプウエイ等の道路属性を検出し、各
属性に応じた最適変速段を判断する(ステップS10
5)。ステップS105で選択された最適変速段の中か
ら最小の最適変速段を選択する(ステップS107)。
ステップS105で判断された各道路属性に応じた制御
内容をコード化し、検出された属性が2以上である場合
には、既述のように、重ねあわせたコードを構成する
(ステップS109)。
【0075】ステップS109で構成された送信コード
をA/T ECU40へ送信する。このコード化された
信号の1回の送信で、A/T ECU40へ制御内容を
伝達することができる。
【0076】次に、図13に示されているA/T EC
U40における変速段出力ルーチンについて説明する。
車速、アクセル開度、ブレーキ信号ON/OFF、ウイ
ンカー信号ON/OFF、現在の変速段、スロットル開
度、シフトポジション等の車両情報を取得する(ステッ
プS301)。
【0077】次に、ナビゲーション処理部11から送信
コードを取得する(ステップS303)。そして、予め
設定されている変速マップと、ステップS301で取得
した車速とスロットル開度に基づいて、変速段を選択す
る(ステップS305)。
【0078】ステップS303でナビゲーション処理部
11から取得したコードを解読し、ステップS301で
取得した車両情報に基づき、変速段の上限値を設定す
る。例えば、コードのF1が1となっており、カーブ制
御の判断が行なわれ、減速操作をきっかけにして変速段
の上限規制が必要である場合には、例えば、アクセル開
度αにより、減速操作(以下「イベント」という)がお
こなわれたかを判断する。これにより運転者の減速意志
を検出することができる。本実施形態では、アクセル開
度αが所定の変化率δ以上で減少し、かつその後のアク
セル開度αがほぼ零となった場合にイベントありと判断
する。このイベントは、アクセル開度αの変化に基づく
場合に限らず、ブレーキの踏み込みによって、または、
ウインカーのON操作によって、或いは、これらの操作
に組み合わせによって、イベントを判断することとして
もよい。
【0079】イベントを検出しない場合には、変速段の
規制範囲を、上限規制を行わない旨である上限値4速に
設定する。イベントを検出した場合には、ステップS3
03で取得した最適変速段を変速段の上限値として設定
する。また、実変速段と比較してオーバレブが生ずる可
能性がある場合には、実変速段の1段下の値を上限値と
して設定する。
【0080】コードを解読した結果、複数の道路属性に
対応してそれぞれ複数の上限値を設定した場合には、そ
の最小値を上限値として設定する。減速操作に基づいて
上限値を設定するステップS305において実行手段
(実施手段)としての機能が発揮される。
【0081】次に、ステップS305で決定した変速段
の値と上限値を比較し、小さい方の変速段をA/T41
の変速段として決定する(ステップS309)。そし
て、決定した変速段をアクチュエータへ出力する(ステ
ップS311)。アクチュエータへ出力した変速段の値
が実変速段よりも小さければ、結果としてシフトダウン
が行なわれる。
【0082】以上のように、コード化した信号を1回ナ
ビゲーション処理部11からA/TECU40へ供給す
ることによって、複数の道路属性に基づく変速段の制御
ができるため、通信の回数が減少するため、変速段制御
動作をレスポンス良く応答させることが可能となる。
【0083】また、他の実施形態として、検出された複
数の道路属性を単一のコードに変換するコード変換手段
を設け、A/T ECU40に含まれている規制範囲決定
手段へコードを供給し、規制範囲決定手段において変速
比の規制範囲を決定する構成としてもよい。この場合、
現在位置判定手段は、道路情報取得手段と、現在地判断
手段と、道路属性判断手段と、変換手段とを有し、道路
上の現在地を確定する。そして、現在位置判断手段はA
/T ECU40と通信回線で接続されており、A/T E
CU40には、判断された複数の道路属性に応じて、選
択可能な変速比の範囲をそれぞれ決定する規制範囲決定
手段と、車両状況を判断する車両状況判断手段と、判断
された車両状況に基づき、決定された規制範囲内に変速
比を制限する変速比規制手段が含まれている。具体的に
は、ナビゲーションシステム装置10からコード化され
て送られる道路属性に関する情報に基づいて、A/T E
CU40で最適変速段を決定する。
【0084】自動変速装置には、上記有段変速機に限ら
ず無段変速機を有するものを用いてもよく、この場合に
は、変速比規制手段は、変速段ではなく、変速比の範囲
を規制し、変速比が決定される。
【0085】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の車両制御
装置によれば、取得した道路情報に基づく道路属性の判
断は、ナビゲーションシステム装置側で行い、車両状態
に基づく変速比の設定を自動変速装置側で行うことによ
って、処理の負担が特定の装置に偏ることなく、各装置
に対する負担が軽減され、車両制御装置全体として処理
速度が増す。更に、ナビゲーションシステム装置側から
自動変速装置への通信をコード化された信号によって行
うことによって、ナビゲーションシステム装置と自動変
速装置相互間の通信回数を減らすことができ、車両制御
装置全体の変速比制御動作を道路状況の変化に応じて応
答性良く行わせることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の車両制御装置の構成を示すブロック図
である。
【図2】道路上のノードの配置を示す模式図である。
【図3】変速段の上限値を決定する規制変速段マップで
ある。
【図4】平均曲率Θの算出について説明するための説明
図である。
【図5】標高変化率Hの算出について説明するための説
明図である。
【図6】高速道路のランプウエイに進入する際の変速段
制御の一例を示す模式図である。
【図7】コードの一例を示す表である。
【図8】最適変速段を決定するためのマップである。
【図9】標高変化率から変速モードを設定するためのマ
ップである。
【図10】参照値を決定するためのマップである。
【図11】参照値から最適変速段を決定するためのマッ
プである。
【図12】ナビゲーション処理部の制御動作を示すフロ
ーチャートである。
【図13】A/T ECUの制御動作を示すフローチャ
ートである。
【符号の説明】
1 車両制御装置 2 車両 10 ナビゲーションシステム装置 11 ナビゲーション処理部 12 データ記憶部 13 現在位置検出部 20 ATモード選択部 30 車両状態検出部 40 A/T ECU

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 道路情報を獲得する道路情報獲得手段
    と、 現在地を検出する現在地検出手段と、 検出された現在地と、獲得された道路情報から、複数の
    道路属性を検出する道路属性検出手段と、 検出された複数の属性に応じて、選択可能な変速比の範
    囲をそれぞれ決定する変速範囲決定手段と、 検出された複数の道路属性と、決定された変速範囲とを
    単一のコードに変換する変換手段とを備えた、道路上の
    現在地を確定する現在位置確定装置と、 車両状態を判断する車両状態判断手段と、 判断された車両状態に基づき、決定された変速範囲内に
    変速比を制限する変速比制限手段とを備え、自動的に変
    速比を選択し、選択した変速比を変速機へ指令する変速
    制御装置とを有し、 前記現在位置確定装置と、前記変速制御装置は、通信回
    線により接続されており、コード化された道路属性と変
    速範囲が前記変速比制限手段へ供給されることを特徴と
    する車両制御装置。
  2. 【請求項2】 さらに減速操作検出手段を有し、前記変
    速比制限手段は、減速操作の開始に基づき変速比の制限
    を実行する実行手段を含むものである請求項1に記載の
    車両制御装置。
  3. 【請求項3】 前記現在位置確定装置は、ナビゲーショ
    ンシステム装置に含まれている請求項1または2に記載
    の車両制御装置。
  4. 【請求項4】 道路情報を取得する道路情報取得手段
    と、 現在地を判断する現在地判断手段と、 現在地と、取得された道路情報から、複数の道路属性を
    判断する道路属性判断手段と、 判断された複数の道路属性を単一のコードに変換するコ
    ード変換手段とを備え、道路上の現在地を判定する現在
    位置判定装置と、 判断された複数の道路属性に応じて、選択可能な変速比
    の範囲をそれぞれ決定する規制範囲決定手段と、 車両状況を判断する車両状況判断手段と、 判断された車両状況に基づき、決定された規制範囲内に
    変速比を制限する変速比規制手段とを備え、自動的に変
    速比を選択し、選択した変速比を変速機構へ指令する変
    速比制御装置と、 前記現在位置判定装置と前記変速比制御装置は通信回線
    で接続されており、コード化された道路属性が前記規制
    範囲決定手段へ供給されることを特徴とする車両制御装
    置。
  5. 【請求項5】 さらに減速操作判断手段を有し、前記変
    速比規制手段は、減速操作の開始に基づき変速比の制限
    を実施する実施手段を含むものである請求項3に記載の
    車両制御装置。
  6. 【請求項6】 前記現在位置判定装置は、ナビゲーショ
    ンシステム装置に含まれている請求項4または5に記載
    の車両制御装置。
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