JP3139417B2 - 車両制御装置 - Google Patents

車両制御装置

Info

Publication number
JP3139417B2
JP3139417B2 JP09172950A JP17295097A JP3139417B2 JP 3139417 B2 JP3139417 B2 JP 3139417B2 JP 09172950 A JP09172950 A JP 09172950A JP 17295097 A JP17295097 A JP 17295097A JP 3139417 B2 JP3139417 B2 JP 3139417B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
vehicle
speed
control device
slip
driving force
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP09172950A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH112321A (ja
Inventor
正夫 川合
秀喜 有賀
利博 椎窓
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Equos Research Co Ltd
Original Assignee
Equos Research Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Equos Research Co Ltd filed Critical Equos Research Co Ltd
Priority to JP09172950A priority Critical patent/JP3139417B2/ja
Publication of JPH112321A publication Critical patent/JPH112321A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3139417B2 publication Critical patent/JP3139417B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、車両制御装置にか
かり、詳しくは有段変速機及び無段変速機を含む自動変
速装置の変速比の制御に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、運転者に車両の現在地周りの道路
情報を知らせて、車両の目的地までの走行経路を誘導す
るナビゲーションシステム装置が車両に搭載され、この
装置に備えられた車両の現在位置の周囲に関する道路情
報に応じて、自動変速機の制御パターンを変更する変更
手段を備えた自動変速機の制御装置が提案されている
(特公平6-58141号公報)。
【0003】また、従来の車両には、滑りやすい路面等
での車両の制動時の車輪のロックを回避しながら、タイ
ヤと路面の摩擦係数に追随し、安定した制動力に制御す
るABS(アンチロックブレーキシステム)や、主に滑
りやすい路面等での発進、加速性の向上を狙って、駆動
輪のスリップが過大とならないように駆動力を制限する
トラクションコントロールシステムや、車両旋回時の横
滑りなどの不安定な状態を抑制するVSC(ビークルス
タビリティコントロール)システム等の駆動力制御装置
や制動力制御装置が搭載されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上記自動変速機の制御
は、道路情報によりカーブが検出されると、そのカーブ
の曲率等に応じてO/Dの禁止やシフトダウンを行える
よう構成されているが、シフトダウンされた瞬間に、車
両の駆動輪に伝達される駆動トルクが変更されることに
なる。しかし、上記駆動力制御装置や制動力制御装置
作動している場合には、車両の駆動力が制限されている
状態であり、その時にシフトダウンが行なわれると、そ
のシフトダウンの瞬間、駆動輪に伝達される駆動トルク
が変更され、駆動力に変化が生ずる。この駆動力の変化
により上記駆動力制御装置や制動力制御装置が有効に機
能しないことが考えられる。また、横加速度が車両に加
わっている状態において、シフトダウンによって駆動輪
に伝達される駆動トルクが変更されると、車両の滑らか
な走行が阻害されるおそれがある。
【0005】そこで、本発明は、道路情報に基づく変速
比制御において、滑らかな走行を確保しうる制御装置を
提供することを目的としている。
【0006】
【課題を解決するための手段】このような目的は、以下
の本発明により達成される。
【0007】(1) 道路情報を取得する道路情報獲得
手段と、現在地を検出する現在地検出手段と、獲得され
た道路情報に基づき現在地の進行方向にある特定点を決
定するとともに、該特定点を走行するための推奨走行速
度を算出する推奨走行速度算出手段と、 現在地から前記
特定点までの区間距離を算出する区間距離算出手段と、
自車の車速を検出する車速検出手段と、 自動的に変速比
を選択する自動変速装置と、 運転者の減速操作を検出す
る減速操作検出手段と、 前記自動変速装置の変更可能な
変速比の範囲を、前記推奨走行速度と前記車速と前記区
間距離とから決定する変速比規制手段と、 前記減速操作
検出手段による減速操作の検出があったとき、前記自動
変速装置が選択する変速比を変速比規制手段の決定した
範囲内となるように設定する変速比設定手段と、走行輪
のスリップ又は該スリップの可能性を判断するスリップ
判断手段と、前記スリップ判断手段によって走行輪のス
リップ又は該スリップの可能性が判断されたとき、前記
変速比設定手段の設定に関わらず前記自動変速装置の変
速比を固定する変速比固定手段とを備えたことを特徴と
する車両制御装置。(2) 車輪の制動時において、車輪のロック状態を検
出して、前記ロック状態を回避する様に制動力を制御す
る制動力制御手段を有し、前記スリップ判断手段は、前
記制動力制御手段のロック状態の検出に基づきスリップ
の可能性を判断するものである上記(1)に記載の車両
制御装置。 (3) 走行輪の駆動時のスリップ状態を検出して、駆
動力を低減する駆動力制御手段を有し、前記スリップ判
断手段は、前記駆動力制御手段のスリップ状態の検出に
基づき判断するものである上記(1)に記載の車両制御
装置。 (4) 車両旋回時に車両に加わる横加速度に応じて、
各車輪の回転を個別に制 御する回転制御手段を有し、前
記スリップ判断手段は、前記回転制御手段の作動の検出
があったときスリップの可能性があると判断するもので
ある(1)に記載の車両制御装置。 (5) 4輪駆動車両において、前後輪に駆動力を伝達
するためのクラッチの係合の度合いを制御するクラッチ
制御手段を有し、前記スリップ判断手段は、前記クラッ
チの係合の度合いが所定以上であるときは、スリップの
可能性があると判断するものである上記(1)に記載の
車両制御装置。 (6) 前記スリップ判断手段は、車両に加わる横加速
度に基づいてスリップの可能性を判断するものである上
記(1)に記載の車両制御装置。 (7) 道路情報を取得する道路情報獲得手段と、現在
地を検出する現在地検出手段と、獲得された道路情報に
基づき現在地の進行方向にある特定点を決定するととも
に、該特定点を走行するための推奨走行速度を算出する
推奨走行速度算出手段と、現在地から前記特定点までの
区間距離を算出する区間距離算出手段と、自車の車速を
検出する車速検出手段と、自動的に変速比を選択する自
動変速装置と、アクセルペダルのオンからオフへの切り
換え操作、アクセルペダルを所定以上の速度で戻す操
作、及びブレーキペダルのオン操作のいずれかを検出す
る減速操作検出手段と、前記自動変速装置の変更可能な
変速比の範囲を、前記推奨走行速度と前記車速と前記区
間距離とから決定する変速比規制手段と、減速操作検出
手段による検出があったとき、前記自動変速装置が選択
する変速比を変速比規制手段の決定した範囲内となるよ
うに設定する変速比設定手段と、車両の駆動力又は制動
力を制御する駆動力制御装置と、前記駆動力制御装置が
駆動力又は制動力を制御する動作を行っている状態か否
かを確認する確認手段と、前記確認手段により駆動力制
御装置が動作状態であると判断されたとき前記自 動変速
装置の変速比を固定する変速比固定手段とを備えたこと
を特徴とする車両制御装置。 (8) 前記駆動力制御装置は、制動力を制御して車輪
のロックを制御するアンチロックブレーキシステムであ
ることを特徴とする上記(7)に記載の車両制御装置。 (9) 前記駆動力制御装置は、発進時の駆動力を制御
して車輪のスリップを抑制するトラクションコントロー
ルシステムであることを特徴とする上記(7)に記載の
車両制御装置。 (10) 前記駆動力制御装置は、車両旋回時の横加速
度に応じて車輪の回転を制御して、車輪旋回時の横滑り
などの不安定な状態を抑制するビークルスタピリティコ
ントロールシステムであることを特徴とする上記(7)
に記載の車両制御装置。 (11) 前記変速比固定手段によって変速比を固定す
る場合には、その旨を運転者に知らせる報知手段を有す
る上記(1)から(10)のうちのいずれか1に記載し
た車両制御装置。
【0008】
【0009】
【0010】
【0011】
【0012】
【0013】
【0014】
【0015】
【0016】
【発明の実施の形態】以下、本発明の好適実施形態の1
つについて、添付図面に基づいて詳説する。図1は、本
発明の車両制御装置の構成を示すブロック図である。本
発明の車両制御装置1は、ナビゲーションシステム装置
10と、自動変速装置と、ATモード選択部20と、車
両状態検出部30とを備えている。ナビゲーションシス
テム装置10は、ナビゲーション処理部11と、道路情
報記憶手段であるデータ記憶部12と、現在位置検出部
13と、インストゥールメントパネル部14と、通信部
15と、入力部16と、表示部17と、音声出力部19
と、アンチロックブレーキシステム(ABS)制御部6
1と、ビークルスタビリティコントロール(VSC)制
御部62と、トラクションコントロール(TRC)制御
部63と、四輪駆動(4WD)制御部64とを有してい
る。
【0017】ナビゲーション処理部11は、入力された
情報に基づいて、ナビゲーション処理等の各種演算処理
を行い、その結果を出力する中央制御装置(以下「CP
U」という)111を備えている。このCPU111
は、データバス等のバスラインを介してROM112と
RAM113が接続されている。ROM112は、目的
地までの経路の検索、経路中の走行案内、特定区間の決
定等を行うための各種プログラムが格納されているリー
ド・オンリー・メモリである。RAM113は、CPU
111が各種演算処理を行う場合のワーキング・メモリ
としてのランダム・アクセス・メモリである。
【0018】データ記憶部12は、地図データファイ
ル、交差点データファイル、ノードデータファイル、道
路データファイル、写真データファイル、および各地域
のホテル、ガソリンスタンド、観光地案内などの各種地
域毎との情報が格納された他のデータファイルを備えて
いる。これら各ファイルには、経路探索を行うととも
に、探索した経路に沿って案内図を表示したり、交差点
や経路中における特徴的な写真やコマ図を出したり、交
差点までの残り距離、次の交差点での進行方向を表示し
たり、その他の案内情報を表示部17や音声出力部19
から出力するための各種データが格納されている。
【0019】これらのファイルに記憶されている情報の
内、通常のナビゲーションにおける経路探索に使用され
るのが交差点データ、ノードデータ、道路データのそれ
ぞれが格納された各ファイルである。これらのファイル
には、道路の幅員、勾配、路面の状態、コーナの曲率半
径、交差点、T字路、道路の車線数、車線数の減少する
地点、コーナの入口、踏切、高速道路出口ランプウェ
イ、高速道路の料金所、道路の幅員の狭くなる地点、降
坂路、登坂路などの道路情報が格納されている。
【0020】各ファイルは、例えば、DVD、MO、C
D−ROM、光ディスク、磁気テープ、ICカード、光
カード等の各種記憶装置が使用される。なお、各ファイ
ルは記憶容量が大きい、例えばCD−ROMの使用が好
ましいが、その他のデータファイルのような個別のデー
タ、地域毎のデータは、ICカードを使用するようにし
てもよい。
【0021】また現在位置検出部13は、GPSレシー
バ131、地磁気センサ132、距離センサ133、ス
テアリングセンサ134、ビーコンセンサ135、ジャ
イロセンサ136とを備えている。GPSレシーバ13
1は、人口衛星から発せられる電波を受信して、自車の
位置を測定する装置である。地磁気センサ132は、地
磁気を検出して自車の向いている方位を求める。距離セ
ンサ133は、例えば車輪の回転数を検出して計数する
ものや、加速度を検出して2回積分するものや、その他
計測装置等が使用される。ステアリングセンサ134
は、例えば、ハンドルの回転部に取り付けた光学的な回
転センサや回転抵抗ボリューム等が使用されるが、車輪
部に取り付ける角度センサを用いてもよい。ビーコンセ
ンサ135は、路上に配置したビーコンからの位置情報
を受信する。ジャイロセンサ136は、車両の回転角速
度を検出しその角速度を積分して車両の方位を求めるガ
スレートジャイロや振動ジャイロ等で構成される。ま
た、このジャイロセンサ136によって、車両に加わる
横加速度を検出することもできる。
【0022】現在位置検出部13のGPSレシーバ13
1とビーコンセンサ135は、それぞれ単独で位置測定
が可能であるが、その他の場合には、距離センサ133
で検出される距離と、地磁気センサ132、ジャイロセ
ンサ136から検出される方位との組み合わせ、また
は、距離センサ133で検出される距離と、ステアリン
グセンサ134で検出される舵角との組み合わせによっ
て自車の絶対位置(自車の現在地)を検出するようにな
っている。
【0023】通信部15は、FM送信装置や電話回線等
との間で各種データの送受信を行うようになっており、
例えば情報センタ等から受信した渋滞などの道路情報や
交通事故情報等の各種データを受信するようになってい
る。
【0024】入力部16は、走行開始時の現在位置の修
正や、目的地を入力するように構成されている。入力部
16の構成例としては、表示部17を構成するディスプ
レイの画面上に配置され、その画面に表示されたキーや
メニューにタッチすることにより情報を入力するタッチ
パネル、その他、キーボード、マウス、バーコードリー
ダ、ライトぺン、遠隔操作用のリモートコントロール装
置などが挙げられる。
【0025】表示部17には、操作案内、操作メニュ
ー、操作キーの表示や、ユーザの要求に応じて設定され
た案内地点までの経路の表示や、走行する経路に沿った
案内図等の各種表示が行われる。表示部17としては、
CRTディスプレイ、液晶ディスプレイ、プラズマディ
スプレイ、フロントガラスにホログラムを投影するホロ
グラム装置等を用いることができる。
【0026】音声入力部18はマイクロホン等によって
構成され、音声によって必要な情報が入力される。音声
出力部19は、音声合成装置と、スピーカとを備え、音
声合成装置で合成される音声の案内情報を出力する。な
お、音声合成装置で合成された音声の他に、各種案内情
報をテープに録音しておき、これをスピーカから出力す
るようにしてもよく、また音声合成装置の合成音とテー
プの音声とを組み合わせてもよい。
【0027】以上のように構成されたナビゲーションシ
ステム装置は、運転者に車両の現在地周りの道路情報を
知らせて、車両の目的地までの走行経路を誘導する。つ
まり、入力部16から目的地を入力すると、ナビゲーシ
ョン処理部11は、現在位置検出部13で検出された自
車位置に基づき、データ記憶部12から読み出した道路
情報から目的地までの走行経路を選択し、該経路を表示
部17に出力するとともに、該表示部17に表示された
走行経路と、音声出力部19から出力される音声によっ
て、運転者を目的地まで誘導する。また、目的地が入力
されていない場合には、自車位置の周辺の道路情報を表
示部17に出力する。
【0028】以上のようなナビゲーションシステム装置
10において、現在地検出手段は、現在位置検出部13
によって構成され、道路情報獲得手段は、データ記憶部
12とナビゲーション処理部11によって構成される。
現在地(自車位置)の進行方向にある特定点は、現在位
置検出部13で検出された自車位置と自車の走行方向お
よび道路情報獲得手段によって獲得された道路情報に基
づき、ナビゲーション処理部11が決定する。また、距
離算出手段は、現在位置検出部13と、データ記憶部1
2と、ナビゲーション処理部11とによって構成され、
図2及び図3に示されているように、現在位置から各ノ
ードまでの距離L1〜Lnを算出する。
【0029】ノード半径算出手段は、データ記憶部12
とナビゲーション処理部11とによって構成され、図2
に示されているように、各ノードN1〜Nn毎のノード
半径r1〜rnを計算する。ここで、ノードとは、デジ
タル地図において、道路の位置形状を示す要素で、デジ
タル化された道路情報は、道路上の位置を示す点(ノー
ド)とノード間を結ぶ線(リンク)により構成される。
本実施形態においては、ノードが特定点である。特定点
におけるノード半径の算出方法は、例えば特定点で交叉
するリンクの交叉角度から算出することができる。
【0030】また、推奨走行速度算出手段は、データ記
憶部12と現在位置検出部13とナビゲーション処理部
11とによって構成され、各ノード半径r1〜rnと、
予め設定されている旋回横Gより、図3に示されている
ような、予め定められたデータテーブルに従って、各ノ
ード位置を通過する際に推奨される車速(ノードスピー
ド)V1〜Vn(推奨走行速度)を各ノード毎に計算す
る。
【0031】次に、予定走行経路とは、既に車両の走行
経路が設定されている場合には、その設定されている経
路であり、設定されていない場合には、例えば直進した
場合に通過することが予想される経路とすることができ
る。このような、予定走行経路を探索する走行経路検出
手段を設けることによって、予定走行経路がより明確と
なり、制御性が向上する。
【0032】ナビゲーション処理部11は、上記のよう
に獲得した道路情報に基づいて、図3に示されているマ
ップに基づいて、変更可能な変速段の範囲を規制し(以
下、「ナビAT制御」という)、その規制範囲を後述す
るA/T ECU40へ出力する。
【0033】一方、ABS制御部61は、滑りやすい路
面等での制動時において、車輪のロックを回避しなが
ら、タイヤと路面の摩擦係数に追随し、安定した制動力
に制御するため、ブレーキ液圧を制御して車輪の制動力
を制御する制動力制御手段を有し、このシステムの作動
中は、ABS制御部61は、後述するA/T ECU4
0へ作動信号を出力する。VSC制御部62は、走行中
の旋回横加速度をジャイロセンサによって検出し、この
検出値に応じて各車輪の回転を、ブレーキ液圧及びエン
ジンのスロットル開度を制御して、個別に制御する回転
制御手段を有し、このシステムの作動中は、VSC制御
部62は、後述するA/T ECU40へ作動信号を出
力する。TRC制御部63は、発進時における車輪のス
リップの検出に基づき、エンジンのスロットル開度やブ
レーキ液圧を制御して、車輪の駆動力を制御する駆動力
制御手段を有し、このシステムの作動中は、TRC制御
部63は、後述するA/T ECU40へ作動信号を出
力する。四輪駆動(4WD)制御部64は、四輪駆動車
両において、前輪と後輪の双方に駆動力を伝達するため
のクラッチの切り換えを制御するクラッチ制御手段を有
し、クラッチの係合の度合を、後述するA/T ECU
40へ作動信号を出力する。
【0034】スリップ判断手段は、上記、ABS制御部
61、VSC制御部62、TRC制御部63、4WD制
御部64のそれぞれと、A/T ECU40とによって
構成される。スリップ判断手段は、ABS制御部61が
ロック状態を検出して作動した場合、TRC制御部63
が走行輪のスリップを検出して作動した場合、VSC制
御部62が作動した場合、又は4WD制御部64から供
給されるクラッチの係合の度合が所定値以上に達した場
合には、走行輪がスリップし、またはスリップする可能
性があるものと判断する。4WD駆動の際の前後輪の間
に設けられたクラッチ(以下「4WDクラッチ」とい
う)の係合の度合が高いと、スリップが生ずる可能性が
高くなるため、この係合の度合が所定値である閾値より
高い場合には、スリップが生ずる可能性があるものと判
断される。さらに、スリップ判断手段は、車両に加わる
横加速度に基づいて判断する構成とすることもできる。
【0035】ATモード選択部20は、シフトポジショ
ンと変速モードを選択する操作部である。車両状態検出
部30は、車速検出手段である車速センサ31、減速操
作検出手段としてブレーキセンサ32、アクセル開度セ
ンサ33、ウィンカーセンサ34とを備え、さらにスロ
ットル開度センサ35を有してしている。車速センサ3
1は車速Vを、ブレーキセンサ32はブレーキが踏まれ
たか否か(ON/OFF)を、アクセルセンサ33はア
クセル開度αを、ウインカーセンサ34はウインカース
イッチのON/OFFを、スロットルセンサはスロット
ル開度θをそれぞれ検出する。
【0036】そして、検出された減速操作は、ブレーキ
のON/OFF信号、アクセル開度信号、ウインカのO
N/OFF信号として、それぞれナビゲーション処理部
11に供給される。また、車速センサ31で検出された
車速Vは、ナビゲーション処理部11と後述するA/T
ECU40にそれぞれ供給され、スロットルセンサで
検出されたスロットル開度θは、A/T ECU40に
供給される。
【0037】ブレーキのON信号によって、運転者の減
速操作を検出することができる。また、アクセル開度α
の変化によって、運転者の減速操作を検出することがで
きる。つまり、アクセル開度が零に近い場合で、アクセ
ル開度が所定の変化率(アクセルペダルを踏み込んでい
る量に対して、踏み込み量が減少した割合)以上で減少
した場合など、運転者の減速操作として検出することが
できる。つまり、アクセルペダルを踏み込んでいる状態
から戻すという操作は、明らかに減速を意図しているも
のとすることができるので、減速操作として検出するこ
とができる。この検出は、アクセル開度αの変化量(減
少量)、変化速度(減少速度)、変化加速度(減少加速
度)等によって行ってもよい。これらのパラメータとア
クセル開度αの変化後の状態とを組み合わせて減速操作
を検出することもできる。例えば、α≒0の場合であっ
ても、車両を惰性で走行させている場合もあるので、ア
クセル開度の減少があり、かつ、α≒0となった場合に
減速操作として検出するようにすることもできる。
【0038】また、アクセル開度αの減少があっても、
加速をやめるために行う操作もあるので、アクセル開度
αの変化量(減少量)、変化速度(減少速度)、変化加
速度(減少加速度)等が、所定値以上である場合に、運
転者が車速の減少を意図しているものとして、これを減
速操作又は減速操作の開始として検出する構成とするこ
ともできる。
【0039】さらに、ウインカのON信号によって、運
転者の減速の意志を予測し、減速操作として検出するこ
ともできる。このウインカON操作に基づく減速操作の
検出は、さらにウインカON時の車速と組み合わせて判
断してもよい。例えば、ウインカON時に、交差点への
進入等が可能な速度まで減速されていなければ、交差点
への進入等のために減速操作が行なわれるものと予測で
きるので、減速操作として検出し、既に充分減速されて
いる場合には、減速操作として検出しないこととするこ
ともできる。
【0040】また、アクセル開度の減少と、ブレーキの
踏み込みとウインカーのON操作のいずれか一つの操作
を検出したときに、減速操作として検出する構成とする
こともできる。この場合には、確実に減速操作を検出す
ることができる。また、アクセル開度の減少と、ブレー
キの踏み込みと、ウインカーのON操作の内、2つ以上
が検出された時に、減速操作として検出する構成として
しもよい。この場合には、運転者の意図した減速程度を
より明確に確認することができる。例えば、アクセル開
度の減少のみによって減速する場合よりも、アクセルを
オフし(アクセル開度の急激な減少)、かつブレーキが
踏み込まれた場合が、運転者の意図する減速の程度がよ
り大きいものと判断することができる。
【0041】以上説明した減速操作検出手段は、減速操
作の開始を検出する構成としてもよい。例えば、アクセ
ルペダルのオンからオフへの切り換え、アクセルペダル
が所定以上の速度で戻されること、ブレーキペダルのオ
ンなどを減速操作の開始として検出することができる。
例えば、アクセル開度αが所定値以上の場合であって、
α=0となった場合、或いは、所定値以上の速度でアク
セルが戻れた場合にのみ、減速操作の開始として検出す
る構成とすることができる。このような構成とすれば、
例えば、加速を抑制したり、増速をやめる目的でアクセ
ルペダルを戻す操作を減速操作として検出しない構成と
することができる。
【0042】本実施形態の自動変速装置は有段変速機で
あって、プラネタリギアを主体としたギアトレーン及び
ギアトレーンの各構成要素を係合、解放して変速段を形
成する油圧回路からなる機構部(図中、A/Tという)
41と、この機構部41を制御する電気制御回路部(以
下、A/T ECUという)40とを備えている。ナビ
ゲーションシステム装置10とA/T ECU40と
は、相互に通信線で接続され適宜通信が行われる。
【0043】A/T ECU40は、車速センサ31及
びスロットル開度センサ35が接続されており、車速セ
ンサ31からは車速信号が、スロットル開度センサ35
からはスロットル開度信号が入力される。さらに、機構
部41に取り付けられた図示しないシフトポジションセ
ンサからはATモード選択部20で選択されたシフトポ
ジションに対応したシフトポジション信号が入力され
る。
【0044】一方、A/T ECU40から機構部41
の油圧回路内のアクチュエータ(油圧ソレノイド)に対
して駆動信号が出力され、この駆動信号に基づき上記ア
クチュエータが作動して変速段の形成等を行う。A/T
ECU40は、また、EEPROM42にき記憶され
た制御プログラムにより制御されており、例えば、変速
段の選択は、スロットル開度センサ35より検出される
スロットル開度と、車速センサ31からの車速とに基づ
き、メモリテーブル(変速マップ)に基づき行われるよ
うに構成されている。この変速マップが自動変速装置固
有の変速段を決定する。
【0045】変速マップは、ノーマルモード、パワーモ
ードの各モードに応じて用意されており、ナビゲーショ
ン処理部11から供給される変速モード変更指令信号に
基づいて自動的に変更される。また、変速モードは、運
転者の意志によりATモード選択部20を介して変更す
ることもできる。ここで、ノーマルモードは、燃費と動
力性能のバランスのとれた経済走行パターンで、通常走
行に用いるものである。パワーモードとは、動力性能を
重視したパターンで、山間地等での運転に使用するもの
であり、変速マップでは、低速側の変速段の領域が大き
く取られている。
【0046】本実施態様では、この固有の変速マップを
変化させることなく、変速段の高速側(上限)を規制す
ることにより、結果的に変速段が低速側にシフトされた
ような制御を実行している。したがって、固有の変速マ
ップとして、どのような変速マップを用いることもでき
る。
【0047】ATモード選択部20が備えるシフトレバ
ー21は、パーキングレンジ、リバースレンジ、ニュー
トラルレンジ、ドライブレンジ、セカンドレンジ、ロー
レンジ、の6つのシフトポジションが選択可能な6ポジ
ションタイプで、機構部41に取り付けられた図示しな
いシフトポジションセンサと機械的に接続されている。
【0048】ドライブレンジのシフトポジションでは、
1〜4速の間で変速段が選択され、セカンドレンジで
は、1〜2速の間で変速段が選択され、ロウレンジで
は、1速の変速段のみが設定される。本実施態様では、
シフトレバー21がドライブレンジのシフトポジション
に保持されている場合にのみ、ナビゲーションシステム
装置10による変速段の規制が実行可能な構成となって
いる。例えば、A/T ECU40によって、4速が決
定されていてもナビゲーション処理部11により上限値
が3速に規制されているときは、駆動信号は1速から3
速までの範囲内でしか出力されない。そして、変速比を
設定するアクチュエータ42に対して、その範囲内で駆
動信号が出力される。なお、上記シフトポジションは、
A/T ECU40からナビゲーション処理部11へも
供給される。
【0049】エンジンコントロールユニット(図中、E
/G ECUという)50は、スロットル開度の信号
と、エンジン(図中、E/Gという)51からのエンジ
ン回転数その他(冷却水温、センサ信号等)とに基づ
き、燃料噴射指令等を変化させて、エンジン51を制御
する。
【0050】以上のように、本実施形態において、規制
手段は、ナビゲーション処理部11で構成され、変速比
設定手段は、ナビゲーション処理部11とA/T EC
U40によって構成される。また、本実施形態では、変
更可能な変速段の範囲として、変速段の上限値が制限さ
れた規制範囲とされる。この変更可能な変速段の範囲
は、この他、下限値のみを規制して(例えば、1速へシ
フトダウンしないように、変速段の下限値を2速とす
る。)規制範囲とすることもでき、上限値と下限値の両
方を設定して(例えば、上限値を3速、下限値を2速と
して2速と3速の間で変速段が変更されるようにする)
規制範囲とすることもできる。
【0051】以下、ナビゲーション処理部11と、A/
T ECU40による変速段の制御について図4〜図6
に示されているフローチャートを参照して、本実施形態
の制御装置について詳説する。ここで図4は、ナビゲー
ション処理部11で実行される処理の一部としての変速
段規制値設定ルーチンを示している。図5は、A/T
ECU40で実行される処理の一部としての変速段出力
ルーチンを示している。図4に示されているように、変
速段規制値設定ルーチンは、カーブを円滑に通過するた
めの減速をするのに、どの様に変速段の上限値を設定す
るかという観点で設定されている。この変速段規制値設
定ルーチンによって、変速比規制手段ととしての機能が
発揮される。
【0052】以下、図4に示されているフローチャート
を参照してナビゲーション処理部11における変速段規
制値設定ルーチンの内容について説明する。先ず、現在
位置検出部13から入力された現在地、データ記憶部1
2から入力された道路データ(道路種別、道路形状、各
ノードの座標データ等が含まれる)を取得し、車両の現
在位置より前方100mに存在するノードを探索する
(ステップS101)。
【0053】次に、現在車速V0、アクセル開度α、ブ
レーキ信号ON/OFF、ウインカー信号ON/OF
F、現在の変速段、スロットル開度、等の車両情報を取
得する(ステップS103)
【0054】各ノードにおけるノード半径rを、そのノ
ードの前後に位置するノードから算出し、その半径rか
ら予め設定されているマップに基づき、各ノードにおけ
る推奨走行速度を求める。例えば、この推奨走行速度
は、ノード半径rが大きくなるに伴って高速になり、ノ
ード半径rが小さくなるに伴って低速となるようにマッ
プが設定されている。また現在地から各ノードまでの区
間距離Lをノード毎に求める。この推奨走行速度に基づ
き、予め設定されている減速加速度Gと区間距離Lとか
ら、基準車速を算出する(ステップS105)。このス
テップS105によって、推奨走行速度算出手段として
の機能が発揮される。
【0055】ここで、減速加速度Gは、これ以上、減速
加速度が大きい場合、変速段が3速以下の方が望ましい
とされる3速用の減速加速度(図3中のm2)と、変速
段が2速以下の方が望ましいとされる2速用の減速加速
度(図3中のm1)がある。これは、変速段が低速側に
ある方が、減速時の車両の安定性と制動に有利であるた
めである。これらの変速段は、例えば、図3に示されて
いるマップに基づき設定することができる。このような
減速加速度Gと距離Lとの関係を示したのが、図3の減
速加速度曲線m1、m2である。また、基準車速とは、
区間距離Lを各減速加速度で減速すると仮定した場合、
現在の車速はいかなる値であるかを示すものである。
【0056】次にステップS107へ進み、以下に記載
の判断が行なわれる。ノード点N1に対する基準車速
は、現在位置からの垂線と減速加速度曲線m1、m2が
交叉した点で現される。つまり、例えば、図3中におい
て、現在車速V0は、基準車速VB11より小さく、基
準車速VB12より大きいこととなる。減速加速度曲線
m1は、2速用の減速加速度を現し、同じくm2は3速
用の減速加速度を現している。従って、図3に現されて
いる現在位置では、ノードN1を通過するためには、3
速が最適変速段となり、また、ノードN2を通過するた
めには、同様に、基準車速は、図3中において、VB2
1、VB22となり、2速が最適変速段とされる。
【0057】以上のように、図3に基づき、ステップS
103において車速センサ31から入力された現在車速
V0とステップS105で得られた基準車速とを比較し
て、減速をするための制御が必要性か否かを判断する
(ステップS107)。例えば、図3に示す例では、最
適変速段が3速の場合には、減速をするための制御が必
要であると判断される。ステップS103およびステッ
プS107により、変速比規制手段としての機能が発揮
される。
【0058】この、ステップS107においては、制御
が必要と判断されたノードは、カーブと認定する。制御
が必要でないと判断された場合には、カーブと認定しな
い。そして、変速段の変更が必要と判断されたノード
(制御が必要と判断されたノード)に対する変速段を比
較し、その中で最も変速段の上限の低い変速段を最適変
速段と決定する(ステップS107)。図3の例では、
ノードN1が3速、ノードN2が2速であるから、最も
低い2速が最適変速段として決定される。
【0059】次に、アクセル開度αにより、減速操作
(以下「イベント」という)がおこなわれたかを判断す
る(ステップS109)。これにより運転者の減速意志
を検出することができる。本実施形態では、アクセル開
度αが所定の変化率δ以上で減少し、かつその後のアク
セル開度αがほぼ零となった瞬間があった場合にイベン
トありと判断する。このイベントは、アクセル開度αの
変化に基づく場合に限らず、ブレーキの踏み込みによっ
て、または、ウインカーのON操作によって、或いは、
これらの操作に組み合わせによって、イベントを判断す
ることとしてもよい。このステップS109によって減
速操作検出手段としての機能が発揮される。
【0060】イベントを検出しない場合には(ステップ
S109:N)、変速段の規制範囲を、ナビAT制御を
行わない旨である上限値4速に設定する(ステップS1
13)。イベントを検出した場合には(ステップS10
9:Y)、ステップS107で決定された最適変速段を
変速段の上限値として設定する(ステップS111)。
【0061】そして、ステップS111またはステップ
S113で設定された変速可能な範囲の上限値をA/T
ECU40へ出力する(ステップS115)。以上の
ような制御によって、運転者の意志を尊重した変速段制
御が行なわれる。つまり、イベントをきっかけとして、
変速段の規制が行なわれ、結果としてシフトダウンが行
なわれれば、カーブ走行の際の減速の補助が行なわれ
る。上記ステップS109、S111、S115によっ
て、変速比設定手段としての機能が発揮される。
【0062】次に、A/T ECU40の動作である変
速段出力ルーチンについて、図5及び図6に示されてい
るフローチャートを参照して説明する。このフローチャ
ートにおける制御動作は、ナビゲーション処理部11か
ら入力される変速段の上限値と、通常の変速マップに基
づいて決定された変速段とを比較して、値の小さい方の
変速段を実際にアクチュエータへ指令する変速段として
決定する。また、走行状態検出手段において、ABS制
御部61、VSC制御部62、TRC制御部63、4W
D制御部64の各制御部の動作状態を確認し、これらの
制御部が動作している場合には、変速段を現在の変速段
に固定(ホールド)する。また、この変速段を固定した
状態を、ナビゲーションシステム装置10の表示部17
等を介して、運転者に報知する。
【0063】図5に示されているように、ナビゲーショ
ン処理部11から、上記ステップS115に基づき変速
段の上限値SHIFT−Nが入力される(ステップS2
01)。次に、車両情報を取得する(ステップS20
3)。具体的には、A/T41から現在の変速段、車速
センサ31から現在車速、スロットル開度センサ35か
らスロットル開度、アクセルセンサ33からアクセル開
度、ブレーキセンサ32からブレーキのON/OFF、
ウインカーセンサ34からウインカーのON/OFF等
が入力される。
【0064】EEPROM42に予め記憶されている変
速マップに基づいて、ステップS203で得られた車速
とスロットル開度から通常変速段SHIFT−Oを決定
する(ステップS205)。また、スロットル開度から
エンジンの出力しているトルクを判断し、該トルクと車
速(又は加速度)から、予め設定されているマップに基
づいて登降坂路か否かを判断し、登降坂路と判断した場
合には、それに対応してステップS205で決定した通
常変速段SHIFT−Oを補正する(ステップS20
7)。具体的には、下り坂での減速を補助するため、若
しくは登り坂での加速を補助するためシフトダウンを行
う。
【0065】ABS制御部61、VSC制御部62、T
RC制御部63、4WD制御部64の各制御部から、動
作状態であること又は4WDクラッチの係合の度合を伝
える信号が入力され、ナビゲーション処理部11のジャ
イロセンサ136から車両に加わる横加速度が入力され
る。この横加速度は、VSC制御部62に搭載されてい
るジャイロセンサによって取得してもよい。このステッ
プS209によって走行状態検出手段としての機能が発
揮される。
【0066】つぎに、ステップS209で入力された信
号に基づいて、図6に示されているように、ABS制御
部61、VSC制御部62、TRC制御部63、4WD
制御部64の内、少なくとも1つの制御部が動作状態か
を判断し、同時に、車両に加わる横加速度が予め定めら
れた所定値である閾値を越えるものか否か、又は4WD
クラッチの係合の度合が所定値である閾値を越えるもの
か否かを判断する(ステップS211)。
【0067】いずれかの制御部が作動しており、又は横
加速度やクラッチの係合の度合が閾値を越えている場合
には(ステップS211:Y)、現在の変速段のままで
固定し、SHIFT−NやSHIFT−Oへの変速段の
変更は行わない。つまり、変速をさせないために、アク
チュエータに指令する変速段を前回指令した変速段と同
じにするため、SHIFT←SHIFTとする(ステッ
プS213)。このステップS211とS213によ
り、変速比固定手段として機能が発揮される。
【0068】そして、変速段がホールドされている状態
であることを運転者へ知らせるべく、告知指令をナビゲ
ーション処理部11へ告知信号を出力する(ステップS
215)。ナビゲーション処理部11では、この告知信
号の入力に基づいて、図6に示されているインストゥー
ルメントパネル部14の告知ランプ141を点灯させ、
運転者に変速段がホールドされていることを通知する。
【0069】一方、ステップS211において、作動中
でないと判断した場合には(ステップS211:N)、
このサブルーチンの前回の実行で、変速段がホールドさ
れたか否かを判断する(ステップS217)。ホールド
されていた場合には、ステップS215において、変速
段がホールドされている旨が、インストゥールメントパ
ネル部14の告知ランプ171に表示されているはずで
あるから、告知指令を解除する指令をナビゲーション処
理部11へ出力する(ステップS219)。この解除指
令によって、運転者は、ナビAT制御が再び開始される
ことを知ることができる。
【0070】ステップS217において、ホールドされ
ていないと判断された場合(ステップS217:N)、
及びステップS219の後、ステップS205又はS2
07で決定された通常変速段SHIFT−Oと、ステッ
プS201で入力された上限値SHIFT−Nとを比較
する(ステップS221)。
【0071】SHIFT−O>SHIFT−Nである場
合には(ステップS221:Y)、ナビAT制御に基づ
く上限値SHIFT−Nをアクチュエータへ指令する変
速段の値(SHIFT)とする(ステップS223)。
また、SHIFT−O≦SHIFT−Nである場合には
(ステップS221:N)、ステップS205又はS2
07で決定された通常変速段SHIFT−Oをアクチュ
エータへ指令する変速段の値(SHIFT)とする(ス
テップS225)。そして、ステップS213、S22
3、S225で決定された変速段(SHIFT)を実際
の変速段としてアクチュエータへ指令する(ステップS
227)。
【0072】以上説明した制御動作において、ステップ
S215の告知指令に基づく告知を行う報知手段として
は、インストゥールメントパネル部14上の告知ランプ
141の他、シフトポジションを示す表示ランプの内、
ドライブポジションを示すランプ142を用いて報知手
段としてもよい。例えば、変速段がホールドされた場合
には、ランプ142の色を赤色、ホールドが解除されて
いる場合には黄色、ナビAT制御を運転者が選択してい
ない場合には緑色として車両の状態を運転者に告知する
構成とすることもできる。その外、告知ランプ141や
ランプ142の点滅によって変速段のホールドの状態を
示すこともできる。
【0073】一方、図8及び図9に示されているよう
に、ナビゲーションシステム装置10を構成する表示部
17の表示画面170の一部に、変速段のホールドの有
無を表示する構成としてもよい。ナビAT制御を行って
いる場合には、図8に示されているように、画面170
の右下に表示部171を設け、「ナビAT制御 ON」
と表示し、ステップS215に基づいて変速段がホール
ドされている場合には、図9に示されているように、同
じ表示部171に「AT ホールド」と表示する。
【0074】また、表示が切り換わった場合には、切り
換わった旨を運転者へ認識させるため、表示の切り換え
直後から数秒間、表示部171を点滅させる構成として
もよい。或いは、ブザーや、音声などの聴覚情報により
告知するようにしてもよい。さらには、これら聴覚情報
のみによって、報知する構成とすることもできる。つま
り、音声出力部19により報知手段を構成してもよい。
例えば、音声による場合には、「ATホールド状態で
す。」「ATホールドが解除されました。」などのよう
に、変速段制御の状態を知らせる内容を告知できる。
【0075】上記実施形態では、変速段規制値設定ルー
チンは、ナビゲーション処理部11で行うものとした
が、この場合に限らず、A/T ECU40において行
う構成としてもよく、これらのうちの一部で上記ルーチ
ンの一部を担当する構成としてもよい。または、ナビゲ
ーション処理部11に接続されたカードメモリ等から構
成される外部制御装置において、上記制御を行う構成と
することもできる。さらに、変速段出力ルーチンのステ
ップS201〜S225をナビゲーション処理部11で
おこなう構成とすることも可能であり、外部制御装置に
おいて行ってもよい。
【0076】以上説明した実施形態では、アクセル開度
αに基づいて運転者の減速の意志を判断(ステップS1
09)していたが、スロットルセンサから入力されるス
ロットル開度θ(即ち、エンジントルク)の変化率や値
に基づいて減速操作を検出し、減速の意志を判断するこ
ともできる。このほか、ウインカーセンサに基づき減速
操作を検出し、ウインカーオン操作の検出により減速の
意志を判断する構成としてもよい。
【0077】また、ステップS205における変速段の
決定は、アクセル開度と車速により、または、スロット
ル開度と車速により、或いはエンジンのトルクの大きさ
と車速によって行ってもよい。自動変速装置には、上記
有段変速機に限らず無段変速機を有するものを用いても
よく、この場合には、変速比規制手段は、変速段ではな
く、変速比の範囲を規制し、変速比が決定される。
【0078】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の車両制御
装置によれば、道路情報に基づく変速比制御において
えば、制動力を制御して車輪のロックを抑制する制動
力制御手段を有する車両の場合には、制動力を制御して
いる時に変速比の変更を行わないことによって、変速比
の変更による駆動力の変化が生じないので、システムの
機能を充分に発揮することができる。
【0079】発進時の駆動力を制御して車輪のスリップ
を抑制する駆動力制御手段を有する車両の場合には、駆
動力を制御している時に変速比の変更を行わないことに
よって、変速比の変更による駆動力の変化が生じないの
で、システムの機能を充分に発揮することができる。
【0080】車両旋回時の横加速度に応じて車輪の回転
を制御する回転制御手段を有する車両の場合には、車輪
の回転を制御しているときに、変速比の変更を行わない
ことによって、変速比の変更による駆動力の変化が生じ
ないので、より高い車体の安定性を得ることができる。
【0081】四輪駆動車において、前輪と後輪に駆動力
を伝達するめたのクラッチを有する車両の場合には、ク
ラッチの係合動作と解放動作の際に、変速比の変更を行
わないことによって、変速比の変更による駆動力の変化
が生じないので、より高い車体の安定性を得ることがで
きる。車体に加わる横加速度が所定値以上に達した場合
に、変速比を固定する構成とすれば、より高い走行安定
性を確保することができる。
【0082】変速比の固定が行なわれていることを運転
者に知らせる報知手段を設けた場合には、運転者は、変
速比制御の状態を逐次知ることができるので、自らの意
図に一層沿った運転操作を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の車両制御装置の構成を示すブロック図
である。
【図2】道路上のノードの配置を示す模式図である。
【図3】変速段の上限値を決定する規制変速段マップで
ある。
【図4】ナビゲーション処理部の制御動作を示すフロー
チャートである。
【図5】A/T ECUの制御動作を示すフローチャー
トである。
【図6】A/T ECUの制御動作を示すフローチャー
トである。
【図7】インストゥールメントパネル部の構成を示す平
面図である。
【図8】ナビゲーションシステム装置の表示部の構成を
示す平面図である。
【図9】ナビゲーションシステム装置の表示部の構成を
示す平面図である。
【符号の説明】
1 車両制御装置 2 車両 10 ナビゲーションシステム装置 11 ナビゲーション処理部 12 データ記憶部 13 現在位置検出部 14 インストゥールメントパネル部 20 ATモード選択部 30 車両状態検出部 40 A/T ECU
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平8−290730(JP,A) 特開 平1−136834(JP,A) 特開 平6−272744(JP,A) 特開 平3−193533(JP,A) 特開 昭63−6260(JP,A) 特開 昭62−247931(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) F16H 61/00 - 61/24

Claims (11)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 道路情報を取得する道路情報獲得手段
    と、 現在地を検出する現在地検出手段と、 獲得された道路情報に基づき現在地の進行方向にある特
    定点を決定するとともに、該特定点を走行するための
    奨走行速度を算出する推奨走行速度算出手段と、 現在地から前記特定点までの区間距離を算出する区間距
    離算出手段と、 自車の車速を検出する車速検出手段と、 自動的に変速比を選択する自動変速装置と、運転者の減速操作 を検出する減速操作検出手段と、 前記自動変速装置の変更可能な変速比の範囲を、前記推
    奨走行速度と前記車速と前記区間距離とから決定する変
    速比規制手段と、前記 減速操作検出手段による減速操作の検出があったと
    き、前記自動変速装置が選択する変速比を変速比規制手
    段の決定した範囲内となるように設定する変速比設定手
    段と、走行輪のスリップ又は該スリップの可能性を判断するス
    リップ判断手段と、 前記スリップ判断手段によって走行輪のスリップ又は該
    スリップの可能性が判断されたとき、前記変速比設定手
    段の設定に関わらず前記自動変速装置の変速比を固定す
    る変速比固定手段と を備えたことを特徴とする車両制御
    装置。
  2. 【請求項2】 車輪の制動時において、車輪のロック状
    態を検出して、前記ロック状態を回避する様に制動力を
    制御する制動力制御手段を有し、 前記スリップ判断手段は、前記制動力制御手段のロック
    状態の検出に基づきスリップの可能性を判断するもので
    ある請求項1に記載の車両制御装置。
  3. 【請求項3】 走行輪の駆動時のスリップ状態を検出
    、駆動力を低減する駆動力制御手段を有し、 前記スリップ判断手段は、前記駆動力制御手段のスリッ
    状態の検出に基づき判断するものである請求項1に記
    載の車両制御装置。
  4. 【請求項4】 車両旋回時に車両に加わる横加速度に応
    じて、各車輪の回転を個別に制御する回転制御手段を有
    し、前記スリップ判断手段は、前記回転制御手段の作動
    の検出があったときスリップの可能性があると判断する
    ものである請求項1に記載の車両制御装置。
  5. 【請求項5】 4輪駆動車両において、前後輪に駆動力
    を伝達するためのクラッチの係合の度合いを制御するク
    ラッチ制御手段を有し、 前記スリップ判断手段は、前記クラッチの係合の度合い
    が所定以上であるときは、スリップの可能性があると判
    断するものである請求項1に記載の車両制御装置。
  6. 【請求項6】 前記スリップ判断手段は、車両に加わる
    横加速度に基づいてスリップの可能性を判断するもので
    ある請求項1に記載の車両制御装置。
  7. 【請求項7】 道路情報を取得する道路情報獲得手段
    と、 現在地を検出する現在地検出手段と、 獲得された道路情報に基づき現在地の進行方向にある特
    定点を決定するとともに、該特定点を走行するための
    奨走行速度を算出する推奨走行速度算出手段と、 現在地から前記特定点までの区間距離を算出する区間距
    離算出手段と、 自車の車速を検出する車速検出手段と、 自動的に変速比を選択する自動変速装置と、 アクセルペダルのオンからオフへの切り換え操作、アク
    セルペダルを所定以上の速度で戻す操作、及びブレーキ
    ペダルのオン操作のいずれかを検出する減速操作検出手
    段と、 前記自動変速装置の変更可能な変速比の範囲を、前記推
    奨走行速度と前記車速と前記区間距離とから決定する変
    速比規制手段と、 減速操作検出手段による検出があったとき、前記自動変
    速装置が選択する変速比を変速比規制手段の決定した範
    囲内となるように設定する変速比設定手段と、 車両の駆動力又は制動力を制御する駆動力制御装置と、 前記駆動力制御装置が駆動力又は制動力を制御する動作
    を行っている状態か否かを確認する確認手段と、 前記確認手段により駆動力制御装置が動作状態であると
    判断されたとき前記自動変速装置の変速比を固定する変
    速比固定手段とを備えたことを特徴とする車両制御装
    置。
  8. 【請求項8】 前記駆動力制御装置は、制動力を制御し
    て車輪のロックを制御するアンチロックブレーキシステ
    ムであることを特徴とする請求項7に記載の車両制御装
    置。
  9. 【請求項9】 前記駆動力制御装置は、発進時の駆動力
    を制御して車輪のスリップを抑制するトラクションコン
    トロールシステムであることを特徴とする請求項7に記
    載の車両制御装置。
  10. 【請求項10】 前記駆動力制御装置は、車両旋回時の
    横加速度に応じて車輪の回転を制御して、車輪旋回時の
    横滑りなどの不安定な状態を抑制するビークルスタピリ
    ティコントロールシステムであることを特徴とする請求
    項7に記載の車両制御装置。
  11. 【請求項11】 前記変速比固定手段によって変速比を
    固定する場合には、その旨を運転者に知らせる報知手段
    を有する請求項1から請求項10のうちのいずれか1の
    請求項に記載した車両制御装置。
JP09172950A 1997-06-13 1997-06-13 車両制御装置 Expired - Fee Related JP3139417B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP09172950A JP3139417B2 (ja) 1997-06-13 1997-06-13 車両制御装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP09172950A JP3139417B2 (ja) 1997-06-13 1997-06-13 車両制御装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH112321A JPH112321A (ja) 1999-01-06
JP3139417B2 true JP3139417B2 (ja) 2001-02-26

Family

ID=15951371

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP09172950A Expired - Fee Related JP3139417B2 (ja) 1997-06-13 1997-06-13 車両制御装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3139417B2 (ja)

Families Citing this family (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP4737853B2 (ja) * 2001-03-21 2011-08-03 株式会社東芝 情報システム、センター側の情報処理システムおよび車載システム
JP4245039B2 (ja) 2006-11-17 2009-03-25 トヨタ自動車株式会社 車両用シート制御システム
JP2009197983A (ja) * 2008-02-25 2009-09-03 Aisin Aw Co Ltd 変速機装置および車両並びに変速機の制御方法
JP5332427B2 (ja) * 2008-09-10 2013-11-06 日産自動車株式会社 無段変速機の変速制御装置
JP5198604B2 (ja) * 2011-03-09 2013-05-15 株式会社東芝 路面状況情報システム、これを用いる車載システム、及びそのセンター側の情報処理システム
JP6638695B2 (ja) 2017-05-18 2020-01-29 トヨタ自動車株式会社 自動運転システム

Also Published As

Publication number Publication date
JPH112321A (ja) 1999-01-06

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US6098005A (en) Vehicle transmission controller for changing gear ratios in accordance with road features
EP0745965B1 (en) A safe driving support system
JP3831881B2 (ja) 車両制御装置
JP4101831B2 (ja) ナビゲーション装置およびそのプログラムを記憶したコンピュータ読取り可能な記録媒体
JP3090269B2 (ja) 車両制御装置
JP3755100B2 (ja) 車両制御装置およびそのプログラムを記憶したコンピュータ読取り可能な記録媒体
JP3139417B2 (ja) 車両制御装置
JP2903380B2 (ja) 車両制御装置
JPH09280353A (ja) 車両制御装置
JP3858313B2 (ja) 車両制御装置
JP3139401B2 (ja) 車両制御装置
JP3834904B2 (ja) 車両制御装置
JP3473688B2 (ja) 車両制御装置
JP3661899B2 (ja) 車両制御装置
JP3090428B2 (ja) 車両制御装置
JP3918213B2 (ja) 車両制御装置
JP3858318B2 (ja) 車両制御装置
JP3178471B2 (ja) 車両制御装置
JPH1151171A (ja) 車両制御装置
JP3888481B2 (ja) 車両制御装置
JP4449968B2 (ja) 車両制御装置
JPH1061759A (ja) 車両制御装置
JP3139388B2 (ja) 車両制御装置
JP4349383B2 (ja) 車両制御装置
JP3737882B2 (ja) 車両の制御装置

Legal Events

Date Code Title Description
R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20071215

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20081215

Year of fee payment: 8

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20081215

Year of fee payment: 8

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20091215

Year of fee payment: 9

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20091215

Year of fee payment: 9

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20101215

Year of fee payment: 10

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20101215

Year of fee payment: 10

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20111215

Year of fee payment: 11

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20111215

Year of fee payment: 11

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20121215

Year of fee payment: 12

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20121215

Year of fee payment: 12

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20131215

Year of fee payment: 13

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees