JP3737882B2 - 車両の制御装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、走行路の状況に応じて自動変速機などの機能装置を制御することのできる車両用制御装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
最近では、エンジンや変速機あるいはサスペンション、四輪駆動装置、四輪操舵装置などの車両における機能装置が電気的に制御できるようになってきている。また、走行路の勾配や摩擦係数などの状況を検出できるようになってきている。さらに、車両の現在位置と目的地までの走行路とを電子地図上に表示して車両を案内するナビゲーションシステムも広く用いられるようになってきており、そのナビゲーションシステムには、車両を案内する機能に加えて、道路状況を検出する機能も付加されるようになってきている。
【0003】
車両の走行安定性や駆動性能などの諸特性は、走行路の状況に合わせてエンジンや変速機などの機能装置を制御することにより向上するのであるから、上述のようにして得られ各種の情報を有効に利用して車両を制御することが試みられている。例えば特開平9−303544号公報には、ナビゲーションシステムによって検出された走行路の状況に基づいてロックアップクラッチのスリップ制御の内容を変更する装置が記載されている。より具体的には、この公報に記載された装置では、寒冷地を走行していることをナビゲーションシステムによって検出し、かつ冬期で外気温度が低い場合には、スノーモードを設定するとともに、ロックアップクラッチの減速スリップ領域すなわち減速時にロックアップクラッチをスリップ状態に維持する領域を高車速側に設定し、エンジンブレーキ力によるスキッドを生じにくくし、また反対に寒冷地でないことや冬期でないことなどの路面凍結のおそれがないことが検出された場合には、ロックアップクラッチの減速スリップ領域を低車速側に拡大するように制御する。
【0004】
また上記の公報には、登降坂路と走行路のコーナとが検出された場合の制御について記載されている。すなわち登降坂路では駆動力やエンジンブレーキ力が要求されるので、例えば最高速段を禁止する登降坂路制御が実行される。またコーナでは減速のためにエンジンブレーキが要求されるうえに、コーナから抜ける場合には駆動力が要求されるので、アップシフトを禁止し、あるいは所定の中低速段に保持するコーナ制御が実行される。そして、登降坂路でかつコーナである場合には、最高速段を禁止し、あるいは所定の変速段に保持することを判断するしきい値を、登降坂路のみが検出された場合やコーナのみが検出された場合とは異ならせ、最高速段の禁止などの制御を実行しやすくしている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
上述した登降坂制御や路面摩擦係数の小さいいわゆる低μ路での制御あるいはコーナ制御などは、それぞれが前提とする道路状況が相互に異なっているので、制御条件や開始条件が異なっていることが多い。これに対して実際の走行路はきわめて多様であり、登降坂路とコーナならびに低μ路となどが複雑に連続していたり、あるいは混ざり合っているのが通常である。そのために、検出された走行路の状況に応じたいずれかの制御の終了と他の制御の開始とが連続したり、繰り返すいわゆる制御のハンチングが生じることがある。
【0006】
より具体的に説明すると、コーナに進入する場合、低車速でかつ低速段であれば、エンジンブレーキを効かせるためのダウンシフトなどの変速機の制御は不要であり、これとは反対に高車速で高速段の場合には、ダウンシフトすることが必要であり、またこれらの中間の状態では、車速の条件とブレーキが踏み込まれるなどの制動条件との有無によってコーナ制御の実行を判断することになる。そのため、登降坂制御によって最高速段を禁止している状態からコーナ制御に入る場合、コーナ制御のための制動操作がコーナの入り口の直前まで実行されなかった場合には、登降坂制御の終了およびそれに伴う最高速段の許可によるアップシフトが生じた後、コーナ制御による最高速段の禁止に伴うダウンシフトが生じる。その結果、車速やスロットル開度などの車両の走行状態が特には変化しないにもかかわらず、アップシフトとダウンシフトとが短時間のうちに連続して生じ、そのために乗り心地が悪化する可能性がある。
【0007】
また走行路の状況に基づく各制御が独立していることの不都合の例をロックアップクラッチのスリップ制御で説明すると、降坂路を走行する場合、エンジンブレーキを効かせるために低速側の変速段が設定されていると、振動の防止などのために、ロックアップクラッチの減速スリップ制御が禁止されるので、降坂路でかつコーナの場合には、コーナ走行時にロックアップクラッチのスリップ制御が実行されない。そのため、コーナ進入時のエンジンブレーキ力が不足したり、コーナを走行している途中でのアクセル操作に対する駆動力の応答性がトルクコンバータで減じられてアクセル操作による車速の調整をおこないにくいなどの不都合が生じる。
【0008】
この発明は上記の事情を背景にしてなされたものであり、登降坂路とコーナとでの車両の制御を好適におこなって走行安定性や駆動性能などの車両の諸特性を向上させることのできる制御装置を提供することを目的とするものである。
【0009】
【課題を解決するための手段およびその作用】
上記の目的を達成するために、請求項1の発明は、登降坂路を走行中に高速側のいずれかの変速段の設定を禁止する登降坂制御と、走行路にコーナが検出されることを含む制御条件が成立した状態で制動操作が検出された場合に高速側のいずれかの変速段の設定を禁止するコーナ制御とを実行可能な車両の制御装置において、前記登降坂制御中に前記コーナ制御の制御条件が成立した場合には、前記制動操作が検出されない場合であっても、前記登降坂制御に優先して前記コーナ制御を実行する手段と、前記登降坂制御の解除に継続して前記コーナ制御を実行する手段とを備えていることを特徴とするものである。
【0016】
したがって請求項1の発明によれば、登降坂路とコーナとが連続する場合、コーナ制御のための制動操作が実行されなくても高速側の変速段の禁止が継続されるので、アップシフトとダウンシフトとが連続するいわゆるハンチングを防止することができる。また、登降坂制御が解除されるとともに、それに続けてコーナ制御が実行される。
【0017】
【発明の実施の形態】
つぎにこの発明を図面に基づいて具体的に説明する。図3はこの発明に係る制御装置の全体的に構成を示すブロック図あり、動力源1の出力側に変速機2が連結されている。ここで、動力源1は、車両に搭載可能ないずれの形式のものであってもよく、内燃機関や電動機あるいはこれらを組み合わせたものなどを使用できる。なお、以下の説明では、エンジン(E/G)1を使用した例で説明する。また、変速機2は、要は、エンジン1の出力を変速して出力することのできるものであればよく、有段式の自動変速機や無段変速機など種々のものを使用することできる。なお、以下の説明では、複数組の遊星歯車機構を主体にして後進段と複数の前進段とを設定できるように構成された歯車変速機構をトルクコンバータ3などの流体継手を介してエンジン1に連結された自動変速機(A/T)2を使用した例で説明する。なお、その流体継手には、入力側の部材と出力側の部材とを直接機械的に連結するロックアップクラッチ4が設けられている。また、このロックアップクラッチ4は、完全に結合するロックアップ状態とトルクを全く伝達しない解放状態、ならびに滑りを伴ってトルクを伝達するスリップ状態とに制御できるように構成されている。
【0018】
エンジン1は、スロットル開度や燃料噴射量、点火時期、バルブの開閉タイミングなどを電気的に制御できるように構成されており、その制御のための電子制御装置(E−ECU)5が設けられている。この電子制御装置5は、入力されたデータと予め記憶しているデータおよびプログラムとに従って演算をおこない、エンジン1の出力を主に制御する装置であって、例えばマイクロコンピュータを主体にして構成されている。
【0019】
また、上記の自動変速機2およびロックアップクラッチ4を制御するための電子制御装置(T−ECU)6が設けられている。この電子制御装置6は、入力されたデータおよび予め記憶しているデータならびにプログラムとに基づいて演算をおこない、自動変速機2での変速およびロックアップクラッチ4の係合・解放ならびにスリップ状態の各制御を実行するように構成されている。その制御は、例えば変速線図やロックアップ線図などに基づいて指令信号を出力するなど、公知の構成の電子制御装置を使用することができる。また、この電子制御装置6には、モード選択部7が接続されている。このモード選択部7は、自動変速機2およびロックアップクラッチ4を制御するモードとして、車速やスロットル開度あるいは道路勾配などの検出された走行状態に基づいて制御する通常モードと後述するナビゲーション装置で得られるデータをも加えて制御するナビモードとを選択するように構成されている。
【0020】
図3に示すようにナビゲーション装置8が設けられている。このナビゲーション装置8は、現在位置を検出する現在位置検出部9、道路データなどが格納されたデータ記憶部10、入力された情報に基づいてナビゲーション処理などの各種の演算処理をおこなうナビゲーション処理部11、入力部12、表示部13、音声入力部14、音声出力部15および通信部16を備えている。
【0021】
前記現在位置検出部9は、GPS(グローバル・ポジショニング・システム)17、地磁気センサ18、距離センサ19、ステアリングセンサ20、ビーコンセンサ21、ジャイロセンサ22、図示されていない高度計などから構成されている。
【0022】
前記GPS17は、人工衛星から発せられた電波を受信して、地球上における現在位置を検出するように構成された公知の構成のシステムである。また地磁気センサ18は、地磁気を測定することによって車両が向いている方向を検出するように構成されている。さらに距離センサ19は、道路上の所定の地点の間の距離を測定するものであり、例えば、車輪の回転数を測定し、その回転数に基づいて距離を検出するもの、加速度を検出し、その加速度を二回積分して距離を検出するものなどを使用することができる。
【0023】
ステアリングセンサ20は、舵角を検出するためのものであり、例えば、図示しないステアリングホイールに取り付けられた光学的な回転センサや回転抵抗センサ、あるいは車輪に取り付けられた角度センサなどを使用することができる。
【0024】
そして、前記ビーコンセンサ21は、道路に沿って設置されたビーコンからの位置情報を受信して現在位置を検出する。前記ジャイロセンサ22は、車両の回転角速度を検出するものであり、ガスレートジャイロ、振動ジャイロなどを使用することができる。前記ジャイロセンサ22によって検出された回転角速度を積分することにより、車両が向いている方位を検出することができる。
【0025】
なお、前記GPS17およびビーコンセンサ21によれば、それぞれ単独で現在位置を検出することができるが、距離センサ19を使用する場合には、距離センサ19によって検出された距離と、地磁気センサ18およびジャイロセンサ22によって検出された方位とを組み合わせることにより現在位置が検出される。また、距離センサ19によって検出された距離と、ステアリングセンサ20によって検出された舵角とを組み合わせることによって現在位置を検出することもできる。
【0026】
前記データ記憶部10は、地図データファイル、交差点データファイル、ノードデータファイル、道路データファイル、写真データファイル、および各地域のホテル、ガソリンスタンド、観光地案内などの各種地域ごとの情報が格納されたデータファイルを備えている。これら各データファイルには、経路を検索するためのデータのほか、前記表示部13の画面に、検索した経路に沿って案内地図を表示したり、交差点または経路における特徴的な写真、コマ図などを表示したり、次の交差点までの距離、次の交差点における進行方向などを表示したり、他の案内情報を表示したりするための各種のデータが格納されている。なお、前記データ記憶部10には、所定の情報を音声出力部15によって出力するための各種データも格納されている。
【0027】
ところで、前記交差点データファイルには各交差点に関する交差点データが、またノードデータファイルにはノードに関するノ一ドデータが、さらに道路データファイルには道路に関する道路データがそれぞれ格納され、前記交差点データ、ノードデータおよび道路データによって道路状況が表される。なお、前記ノードデータは、前記地図データファイルに格納された地図データにおける道路の位置および形状を表す要素であり、道路上の各ノードおよび各ノード間を連結するリンクを示すデータから構成されている。そして、前記道路データによって、道路自体については、幅員、勾配、カント、バンク、路面の状態、道路の車線数、車線数の減少する地点、幅員の狭くなる地点などが、またコーナについては、曲率半径、交差点、T字路、コーナの入口などが、さらに道路属性については、踏切、高速道路出口ランプウェイ、高速道路の料金所、降坂路、登坂路、道路種別(国道、一般道、高速度など)などがそれぞれ表される。
【0028】
また、前記ナビゲーション処理部11は、ナビゲーション装置8の全体の制御をおこなうCPU23、そのCPU23が各種の演算処理をおこなうにあたってワーキングメモリとして使用されるRAM24、および制御プログラムのほか、目的地までの経路の検索、経路中の走行案内、特定区間の決定などをおこなうための各種のプログラムが記録された記録媒体としてのROM25を備えている。そして、前記ナビゲーション処理部11に、前記入力部12,表示部13、音声入力部14、音声出力部15および通信部16がそれぞれ接続されている。
【0029】
なお、前記データ記憶部10およびROM25は、磁気コアや半導体メモリによって構成することができる。また、前記データ記憶部10およびROM25に代えて、磁気テープ、磁気ディスク、フロッピーディスク、磁気ドラム、CD,MD,DVD、光ディスク、ICカード、光カードなどの各種の記録媒体を使用することもできる。
【0030】
ここで説明している具体例では、前記ROM25に各種のプログラムが記録され、前記データ記憶部10に各種のデータが格納されるようになっているが、各種のプログラムおよび各種のデータを同じ外部記録媒体に記録することもできる。この場合、例えば、前記ナビゲーション処理部11に図示しないフラッシュメモリを設け、前記外部記録媒体から前記プログラムおよびデータを読み出してフラッシュメモリに書き込むこともできる。したがって、外部記録媒体を交換することによって前記プログラムおよびデータを更新することができる。また、自動変速機用電子制御装置6の制御プログラムなどと併せて外部記録媒体に記録することもできる。このように、各種記録媒体に記録されたプログラムを起動し、所定のデータに基づいて各種の処理をおこなうことができる。
【0031】
さらに前記通信部16は、FM送信装置、電話回線などとの間で各種データの送受信をおこなうためのものであり、例えば図示しない情報センサなどによって受信した渋滞などの道路情報、交通事故情報、GPS17の検出誤差を検出するD−GPS情報などの各種のデータを受信する。なお、この発明による機能を実現するためのプログラムおよびデータの少なくとも一部を前記通信部16によって受信し、フラッシュメモリなどに格納することもできる。
【0032】
そして、前記入力部12は、走行開始時の位置を修正したり、目的地を入力したりするためのものであり、表示部13と別に設けたキーボード、マウス、バーコードリーダ、ライトペン、遠隔操作用のリモートコントロール装置などを使用することができる。また、前記入力部12は、表示部13に画像で表示されたキーまたはメニューにタッチすることにより、入力をおこなうタッチパネルによって構成することもできる。
【0033】
そして、前記表示部13には、操作案内、操作メニュー、操作キーの案内、目的地までの経路、走行する経路に沿った案内などが表示される。前記表示部13としては、CRTディスプレイ、液晶ディスプレイ、プラズマディスプレイ、フロントガラスにホログラムを投影するホログラム装置などを使用することができる。
【0034】
さらに、音声入力部14は、図示しないマイクロホンなどによって構成され、音声によって必要な情報を入力することができるようになっている。これに対して、音声出力部15は、それぞれ図示しない音声合成装置およびスピーカを備え、音声合成装置によって合成された音声のほかに、各種案内情報をテープに録音しておき、その案内情報をスピーカから出力することもできる。
【0035】
前記エンジン用電子制御装置5および自動変速機用電子制御装置6ならびにナビゲーション処理部11は、相互にデータ通信可能に接続され、また各種のセンサからデータが入力されている。例えば、ウィンカセンサ26からナビゲーション処理部11に信号が入力され、またアクセルセンサ27およびブレーキセンサ28から自動変速機用電子制御装置6に信号が入力され、さらに車速センサ29から自動変速機用電子制御装置6およびナビゲーション処理部11に信号が入力され、そしてスロットル開度センサ30から各電子制御装置5,6に信号が入力されている。
【0036】
そして、運転者がモード選択部7を操作することによって通常モードが選択されると、前記自動変速機用電子制御装置6は、車速センサ29によって検出された車速Vおよびスロットル開度センサ30によって検出されたスロットル開度に基づいて、かつ変速マップを参照して、車速Vおよびスロットル開度に対応する変速段を設定する。
【0037】
また、運転者がモード選択部7を操作することによってナビモードが選択されると、前記ナビゲーション処理部11は、データ記憶部10から所定の道路データを読み出し、変速段を制限するための制御内容を設定するとともに、制御内容に対応させて制御推奨フラグを自動変速機用電子制御装置6に送信する。そして、自動変速機用電子制御装置6は、前記制御推奨フラグを受信し、図示しないアクセルペダルが戻されたこと、あるいはブレーキペダルが踏み込まれたことなどの所定の条件が満たされると、上限の変速段を決定し、その上限変速段より高速側の変速段への変速を禁止する。なお、常時、前記ナビゲーション処理部11によってナビモードが選択されたときと同様の処理をおこなうことができる。
【0038】
つぎに上記の制御装置で実行される登降坂制御について説明する。この制御は、登坂路および降坂路を走行している際の高速側の変速段を禁止する制御であり、モード選択部7によって通常モードおよびナビモードのいずれが選択されている場合であっても実行される。先ず、通常モードでの登降坂路が、アクセル開度と車速とに基づいて判断される。すなわちアクセルペダルがある程度踏み込まれているにもかかわらず、あるいはアクセル開度が増大させられたにもかかわらず、車速が低下し、もしくは増大しない場合には、登坂路を走行していると判断される。その場合、アクセル開度の大きさと車速とに基づいて勾配の大小を判断することもできる。また反対に、アクセル開度がゼロにもかかわらず、車速が増大している場合には、降坂路を走行していると判断される。また一方、ナビモードでの登降坂路の判断は、ナビゲーション装置8で検出された現在地および予め記憶している現在地の道路データに基づいておこなわれる。
【0039】
このようにして登降坂路が検出された場合、その登降坂路の勾配の程度に応じて最高速段などの高速側の変速段が禁止される。最高速段を禁止するだけでは不充分な場合には、最高速段より1段低速側の変速段が禁止されることもある。したがってこの制御が実行された場合には、ダウンシフトが生じたり、あるいはアクセルペダルを踏み込んでダウンシフトが生じた後に車速が増大してもアップシフトが生じなくなる。その結果、登坂路では、駆動力が大きい状態に維持されるので、アップシフトとダウンシフトとが繰り返し生じるなどの事態が未然に回避される。また降坂路では、中低速段が維持されてエンジンブレーキを効かせることができるので、ブレーキ操作の頻度やブレーキの踏力が緩和される。そしてこの登降坂制御は、登降坂路を通過し終わることにより終了する。
【0040】
また降坂路が検出された場合、車速がある程度高い状態では、ロックアップクラッチ4を係合させる制御が実行され、また車速が基準車速以下に低下した場合には、ロックアップクラッチ4が解放される。これは、降坂路でエンジンブレーキを効かせるとともにエンジン1の回転数を高く維持してフューエルカットの時間を長くすることにより燃費を向上させるためである。したがって降坂路で高速側の変速段が禁止されている場合には、ロックアップクラッチ4をスリップ状態に維持するスリップ制御は実行されない。
【0041】
つぎにコーナ制御について説明する。コーナ制御は、ナビモードが選択されている場合に実行される変速制御であり、ナビゲーション装置8によって現在位置の前方の走行路にコーナが検出された場合、そのコーナの曲率半径に応じて車速が設定され、その車速に適するように自動変速機2の変速段を設定する制御である。例えば図4はコーナまでの位置と車速との関係を示す図であって、所定の曲率のコーナを示すノードNdiより手前の位置にAR1,AR2,AR3の速度領域を設定してあり、現在位置での車速がいずれの領域に属するかによってそれぞれに応じたコーナ制御が実行される。
【0042】
すなわち車速が最も大きい第1の領域AR1に現在位置での車速が属していれば、現在の変速段より低速側の変速段への変速を実行することが判断される。すなわちコーナの検出と車速の属する領域の判断とが成立することを制御条件としている。そしてブレーキスイッチがオフからオンに切り替わると、すなわち制動操作がおこなわれると、ダウンシフトが実行され、コーナ制御中はダウンシフトされた変速段からのアップシフトが禁止される。これに対して現在位置での車速が第2の領域AR2に属している場合には、ブレーキスイッチがオフからオンに切り替わり、かつ減速度が予め決めた値以上の場合にダウンシフトが実行され、その後のコーナ制御中のアップシフトが禁止される。さらに現在位置での車速が第3の領域AR3に属している場合には、現在の変速段からのアップシフトが禁止され、またダウンシフトが生じた場合には、そのダウンシフト後の変速段からのアップシフトが禁止される。
【0043】
上述したようにコーナ制御でのダウンシフトは、基本的には、コーナの検出と車速の判断とを制御条件とし、制動操作がおこなわれることを実行条件として実行される。このコーナ制御と前述した登降坂制御とが共に実行される走行状態の場合には、この発明の制御装置では、以下のように制御をおこなう。
【0044】
図1はロックアップクラッチ4のスリップ制御を説明するためのフローチャートであって、降坂制御中か否かが判断され(ステップ1)、降坂制御中でなければ特に制御をおこなうことなくリータンする。
【0045】
これに対して降坂制御中であれば、コーナ制御中か否かが判断される(ステップ2)。すなわち降坂路を走行していることにエンジンブレーキの効く変速段へのダウンシフトが実行され、もしくはエンジンブレーキの効く変速段からのアップシフトが禁止され、さらに走行路にコーナが検出されて変速段の維持もしくはアップシフトの禁止を含む制御が実行されているか否かが判断される。
【0046】
このステップ2で否定判断された場合には、降坂制御のみが実行され、もしくはその制御条件が成立していることになり、この場合は減速スリップ制御を禁止する(ステップ3)。この減速スリップ制御は、ロックアップクラッチ4をいわゆる半係合状態に設定してスリップを伴ってトルクを伝達する状態に制御することをその内容に含むものであり、降坂制御のみが実行される場合には、この減速スリップ制御を実行しない。これに対して、ステップ2で肯定判断された場合には、減速スリップ制御を許可する(ステップ4)。すなわちアクセル開度や車速、エンジン回転数などの所定の条件が満たされた場合にロックアップクラッチ4がスリップ状態に制御される。
【0047】
したがって降坂制御中であっても、走行路にコーナが検出された場合には、ロックアップクラッチ4を介してエンジン1と自動変速機2との間でトルクが伝達される。したがってコーナ制御中では、運転者がアクセルペダルを踏み込み、あるいは戻すことによってエンジン1の出力を調整すれば、駆動トルクがそれに応じて変化するので、コーナを走行している際の駆動力や車速の制御性が向上する。すなわち最高速段が禁止されるなどのことによって所定の低中速段に維持されている場合には、振動の防止などのためにロックアップクラッチ4が解放状態に制御されるので、その状態ではトルクコンバータ3でのいわゆる滑りによってエンジン1の出力の変化に対する駆動力の変化の応答性が低下するが、上記のようにコーナ制御中にロックアップクラッチ4をスリップ制御してロックアップクラッチ4を介してトルクを伝達することにより、エンジンブレーキの効きが良くなったり、またアクセルペダルによる車速の応答性が向上する。
【0048】
つぎに登降坂制御中におけるコーナ制御の実行について説明する。図2は登降坂制御とコーナ制御とが重畳した場合の制御を説明するためのフローチャートであり、車両の走行状態がコーナ制御をおこなうべき状態にあること、すなわちコーナ制御領域に入っているか否かが判断される(ステップ11)。このステップ11で否定判断された場合には特に制御をおこなうことなくリターンする。これとは反対に肯定判断された場合には、登降坂制御中か否かが判断される(ステップ12)。登降坂制御中であることによりステップ12で肯定判断されれば、ナビ協調制御を実行する(ステップ13)。また登降坂制御中でないことによりステップ12で否定判断された場合には、制動操作によってブレーキスイッチがオンになったことにより(ステップ14で肯定判断されたことにより)、ナビ協調制御を実行する。
【0049】
ここでナビ協調制御は、ナビゲーション装置8によって得られる走行路のデータに基づいて自動変速機2などを制御することをその内容とするものであり、図2に示す例では、最高速段を禁止するなど、変速段に上限を設定し、駆動力を確保したり、あるいはエンジンブレーキの効きをよくする制御である。したがって図2に示す制御では、コーナ制御の制御条件が成立しかつ登降坂制御が実行されていれば、コーナ制御の実行条件すなわちブレーキ・オンが成立していなくてもコーナ制御が実行される。これら登降坂制御とコーナ制御とは最高速段を禁止するなどの制御内容の一部が共通するものであるから、登降坂制御中にコーナが検出されてコーナ制御の制御条件が成立すれば、最高速段の禁止などの変速制御がそのまま継続されることになる。
【0050】
したがって登降坂路を通過した直後にコーナに進入する場合、図2の制御を実行しないとすると、登降坂路の終了によって変速段の禁止制御が解除されてアップシフトが生じ、その直後にブレーキ操作されてコーナ制御でのダウンシフトが生じる可能性がある。その結果シフトハンチングが生じ、乗り心地が悪化することがある。これに対して上記の図2に示す制御では、コーナ制御の実行条件の成立の有無に関係なく、登降坂制御中であることによりその登降坂制御と制御内容が一部共通するコーナ制御を実行するから、最高速段の禁止などの変速制御がそのまま継続され、シフトハンチングを防止することができる。
【0051】
なお、この発明は上記の具体例に限定されないのであり、車両に搭載されている電子制御サスペンションやエアコンディショナーなどの各種の機能装置を対象として実施することができるのであり、降坂制御の内容およびコーナ制御の内容ならびに登降坂制御の内容は、対象とする機能装置に応じて適宜に設定したものであってよい。また、登降坂路やコーナの検出は、ナビゲーション装置やそれ以外の車載装置あるいは車両の外部からの情報によっておこなってもよく、さらにコーナの手前あるいはコーナに入ってからコーナを検出することとしてもよい。したがって図2におけるステップ12の機能がこの発明におけるコーナ制御を実行する手段に相当する。
【0052】
【発明の効果】
以上詳細に説明したように、請求項1の発明によれば、登降坂路とコーナとが連続する場合、コーナ制御のための制動操作が実行されなくても高速側の変速段の禁止が継続されるので、アップシフトとダウンシフトとが連続するいわゆるハンチングを防止することができる。また、登降坂制御が解除されると、それに続けてコーナ制御が実行される。
【図面の簡単な説明】
【図1】 請求項1および請求項2の発明に係る制御装置による制御例を説明するためのフローチャートである。
【図2】 請求項3および請求項4の発明に係る制御装置による制御例を説明するためのフローチャートである。
【図3】 この発明に係る制御装置の制御系統の一例を模式的に示すブロック図である。
【図4】 コーナの手前での車速の判断領域を説明するための線図である。
【符号の説明】
1…エンジン、 2…自動変速機、 3…トルクコンバータ、 4…ロックアップクラッチ、 5…エンジン用電子制御装置、 6…自動変速機用電子制御装置、 8…ナビゲーション装置。

Claims (1)

  1. 登降坂路を走行中に高速側のいずれかの変速段の設定を禁止する登降坂制御と、走行路にコーナが検出されることを含む制御条件が成立した状態で制動操作が検出された場合に高速側のいずれかの変速段の設定を禁止するコーナ制御とを実行可能な車両の制御装置において、
    前記登降坂制御中に前記コーナ制御の制御条件が成立した場合には、前記制動操作が検出されない場合であっても、前記登降坂制御に優先して前記コーナ制御を実行する手段と、前記登降坂制御の解除に継続して前記コーナ制御を実行する手段とを備えていることを特徴とする車両の制御装置。
JP12771098A 1998-05-11 1998-05-11 車両の制御装置 Expired - Fee Related JP3737882B2 (ja)

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