JP2005155826A - 自動変速機の変速制御装置 - Google Patents

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邦裕 岩月
Kazuyuki Shiiba
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Abstract

【課題】車両の挙動が安定している状態でダウンシフトを実行し、走行状態を安定させることができる自動変速機の変速制御装置を提供すること。
【解決手段】少なくとも低μ路を検出する手段20,40と、車両の現在位置および前方の道路状況を検出する手段20とを備えた自動変速機2の変速制御装置において、前方の路面が低μ路であり、かつ操舵量が少ない走行と予想されるときに、自動変速機2のダウンシフトを路面摩擦係数が小さくないあるいは操舵量が少なくない場合と比べて実行され易くするダウンシフト実行促進手段13を備えた。
【選択図】 図1

Description

この発明は、自動変速機の変速制御装置に関し、さらに詳しくは、車両の挙動が安定している状態でダウンシフトを実行し、走行状態を安定させることができる自動変速機の変速制御装置に関する。
路面摩擦係数の小さい、いわゆる低μ路を検出したときに登降坂制御の閾値を低下させてダウンシフトを実行し易くする制御技術、あるいは操舵角が小さい条件下でダウンシフトを実行する制御技術が公知である(たとえば、特許文献1参照)。
特開平8−28696号公報
しかしながら、従来の自動変速機の変速制御装置は、ダウンシフトの指令からシフト終了までには所定の時間がかかるので、現在の操舵角が小であっても、制動時に低μ路である可能性を否定できず、ダウンシフトに伴う駆動力変化によって車両不安定化の可能性があるため、ダウンシフトを実行させるのが難しいという課題があった。
また、トリップ(エンジンを始動してから停止するまでの間)中にABS(アンチロック・ブレーキ・システム)等が作動し、現在が高μ路であっても、行き先が低μ路である可能性がある場合には、コーナー制御等操舵中の変速となる可能性があるものは、車両安定性の面からダウンシフトを実行させるのが難しいという課題があった。
この発明は、上記に鑑みてなされたものであって、車両の挙動が安定している状態でダウンシフトを実行し、走行状態を安定させることができる自動変速機の変速制御装置を提供することを目的とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、この発明の請求項1に係る自動変速機の変速制御装置は、少なくとも路面情報を検出する路面情報検出手段と、車両の現在位置および前方の道路状況を検出する手段とを備えた自動変速機の変速制御装置において、前方の路面摩擦係数が小さく、かつ操舵量が少ない走行と予想されるときに、前記自動変速機のダウンシフトを路面摩擦係数が小さくないあるいは操舵量が少なくない場合と比べて実行され易くするダウンシフト実行促進手段を備えたことを特徴とするものである。
また、この発明の請求項2に係る自動変速機の変速制御装置は、少なくとも路面情報を検出する路面情報検出手段と、車両の現在位置および前方の道路状況を検出する手段とを備えた自動変速機の変速制御装置において、現在の走行路の路面摩擦係数が大きく、かつ車両前方の路面摩擦係数が小さいと予想されるときに、前記自動変速機のダウンシフトを路面摩擦係数が小さくないあるいは操舵量が少なくない場合と比べて実行され易くするダウンシフト実行促進手段を備えたことを特徴とするものである。
また、この発明の請求項3に係る自動変速機の変速制御装置は、請求項1または2に記載の発明において、前記ダウンシフト実行促進手段は、路面勾配の閾値に基づき変速段を変更する制御であり、当該路面勾配の閾値を通常の場合よりも小さく設定することを特徴とするものである。
また、この発明の請求項4に係る自動変速機の変速制御装置は、請求項1または2に記載の発明において、前記ダウンシフト実行促進手段は、運転者の減速の意思を検出したときに現在の変速段あるいは変速比から低速用の変速段あるいは変速比に変速する制御を実行し、前記運転者の減速の意思は、通常状態ではブレーキオンで検出され、ダウンシフトを促進するときにはアクセルオフで検出されることを特徴とするものである。
また、この発明の請求項5に係る自動変速機の変速制御装置は、請求項1または2に記載の発明において、前記ダウンシフト実行促進手段は、変速点を設定することで現在の変速段あるいは変速比から低速用の変速段あるいは変速比に変速する制御を実行し、前記変速点は、負荷増に対するダウンシフト点が少ない負荷の増大でダウンシフトが実行されるように設定され、アクセル開度全閉時のダウンシフト点は、通常時に比べて高い車速でダウンシフトが実行されるように設定されることを特徴とするものである。
また、この発明の請求項6に係る自動変速機の変速制御装置は、請求項3〜5のいずれか一つに記載の発明において、前記ダウンシフト実行促進手段は、ダウンシフト後にアップシフトを規制することを特徴とするものである。
また、この発明の請求項7に係る自動変速機の変速制御装置は、請求項1または2に記載の発明において、操舵量が少ない走行と判断する条件は、前方のコーナーのカーブ半径が所定値以上である場合、先方に信号がない場合、追従走行ではない場合のいずれか一つであることを特徴とするものである。
この発明に係る自動変速機の変速制御装置(請求項1)によれば、低μ路かつ直線走行が予想される場合において、車両の挙動が安定している状態でダウンシフトを実行するので、走行状態を安定させることができる。
また、この発明に係る自動変速機の変速制御装置(請求項2)によれば、現在の走行路の路面摩擦係数が大きく、かつ車両前方の路面摩擦係数が小さいと予想されるときにダウンシフトが実行されるので、車両の挙動への影響を小さくすることができる。
また、この発明に係る自動変速機の変速制御装置(請求項3)によれば、登降坂制御時においても走行状態を安定させることができる。
また、この発明に係る自動変速機の変速制御装置(請求項4)によれば、運転者の減速の意思を検出したとき、すなわちアクセルオフ時において走行状態を安定させることができる。
また、この発明に係る自動変速機の変速制御装置(請求項5)によれば、低負荷状態または高車速時におけるアクセル開度全閉時においても走行状態を安定させることができる。
また、この発明に係る自動変速機の変速制御装置(請求項6)によれば、さらに操舵角やヨーレートが大きいコーナリング中等においても走行状態を安定させることができる。
また、この発明に係る自動変速機の変速制御装置(請求項7)によれば、前方のコーナーのカーブ半径が所定値以上である場合、先方に信号がない場合、追従走行ではない場合等、操舵量が少ない走行時にダウンシフトを促進させ、走行状態を安定させることができる。
以下に、この発明に係る自動変速機の変速制御装置の実施例を図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施例によりこの発明が限定されるものではない。
図1は、この発明の実施例1に係る自動変速機の変速制御装置を示すブロック図である。動力源であるエンジン1の出力側には、たとえば有段変速機である自動変速機2が連結されている。そして、この自動変速機2の出力軸3が、プロペラシャフト4およびディファレンシャル5を介して車輪6に連結されている。
エンジン1は、電子スロットルバルブ7と、燃料噴射装置8と、ディストリビュータやイグナイタ等からなる点火時期調整装置9とを備えており、これらの装置を制御するためのエンジン用電子制御装置(E−ECU)10とを備えている。また、図示例を省略するが、エンジン用電子制御装置10には、エンジン回転数やスロットル開度、吸入空気量、吸入空気温度等を検出する各センサが設けられている。
エンジン用電子制御装置10は、たとえばアクセルペダル11の踏み込み量に応じて電子スロットルバルブ7の開度を変えて出力を調整し、またそのアクセルペダル11の踏み込み量に対する電子スロットルバルブ7の開度の制御特性を、車両の走行状態や運転者の運転指向等に基づいて変更するように構成されている。
また、上記自動変速機2は、ロックアップクラッチを備えたトルクコンバータと、複数組の遊星歯車機構を主体とした歯車変速機構と、その歯車変速機構でのトルクの伝達経路を変更して変速を実施する複数のクラッチやブレーキ等の摩擦係合装置とを主体とする公知の構成である。そのロックアップクラッチや摩擦係合装置は、油圧により動作するものであって、その油圧を制御する油圧制御装置12が自動変速機2に設けられている。
この油圧制御装置12は、たとえば圧力を調整するための調圧バルブや、ロックアップクラッチの係合・解放あるいは変速を実行するためのシフトバルブ、これらのバルブに信号圧を出力する複数のソレノイドバルブ等から構成されている。
ダウンシフト実行促進手段である自動変速機用電子制御装置(T−ECU)13は、これらのソレノイドバルブに電気信号を出力することにより、間接的に自動変速機2を制御するように構成されている。また、図示例を省略するが、自動変速機2には、その入力回転数を検出するセンサ、出力軸回転数を検出するセンサ、油温を検出するセンサ等の各種センサが設けられている。
自動変速機用電子制御装置13は、スロットル開度や車速、油温、シフトポジション、シフトパターン、運転指向、道路の傾斜、ブレーキスイッチ等の入力信号と、予め記憶している変速線図を主とする変速パターンに基づいて変速段を判断するように構成されている。また、自動変速機用電子制御装置13は、入力されたデータから判断される走行状態に応じて上記ロックアップクラッチを制御し、さらにスロットル開度に応じてライン圧を調整するように構成されている。なお、上記各電子制御装置10,13は、相互にデータ通信可能に接続されている。
さらに、自動変速機用電子制御装置13は、ニューラルネットワーク等によって運転者の運転指向を判定し、その判定結果に基づいて変速パターンを選択する機能を備えている。具体的には、アクセルペダルの踏み込み量(アクセル開度)やエンジン回転数、車速、変速段、ブレーキ操作による減速度等をデータとして取り込み、スポーツ性重視の走行を行っているか、あるいは燃費重視の走行を行っているか等の判定を行う。
自動変速機2は、たとえば車速とスロットル開度をパラメータとして前進段の各変速段領域を設定した変速線図(変速マップ)に基づいて変速が制御される。その変速線図としては、たとえば、通常走行の際に使用される基本変速パターン用のもの、大きい駆動力を要求される場合に使用されるパワーパターン用のもの、燃費を重視した変速を行う場合に使用されるエコノミーパターン用のもの、圧雪路等の低μ路の場合に使用される低μ路用のもの、低速前進と停止とを繰り返すような場合に使用される渋滞モード用のもの、高速段を禁止するとともに低速段でエンジンブレーキを効かせるエンジンブレーキレンジで使用される低速レンジ用のものを備えている。
ナビゲーションシステム(図中では、ナビと略称してある)20は、情報記録媒体に記録された車両走行に必要な各種情報に基づいて自車両を所定の目的地に誘導することを基本機能とするものである。この情報記録媒体には、車両走行に必要な各種情報として、たとえば地図、地名、道路、道路周辺の主要建築物等が記録されているとともに、具体的な道路状況である直線路、カーブ、登坂、降坂、砂利路、砂浜、河川敷、市街地、山間地、普通道路、高速道路、道路標識等が記録されている。
また、ナビゲーションシステム20は、自立航法により自車両の現在位置や道路状況等を検出する情報検出装置を備えており、この情報検出装置は、車両の走行する方位を検出する地磁気センサ、ジャイロコンパス、ステアリングホイール舵角を検出するステアリングセンサ、路面勾配(路面情報)を検出する勾配センサ、各車輪の回転速度を別個に検出する車輪速度センサ、車両の加速度を検出する加速度センサ等を備えている。
また、ナビゲーションシステム20は、電波航法により自車両の現在位置や道路状況、他車両、障害物、天候等を検出する情報検出装置を備えている。この情報検出装置は、人工衛星からの電波を受信するGPSアンテナ、GPS受信機や、他車両に搭載されている発信機や路側に設置されているビーコンやサインポスト、VICS(ビークル・インフォメーション&コミュニケーション・システム)等の地上情報発信システムからの電波を受信するアンテナ、受信機等を有している。
このように上記ナビゲーションシステム20は、上記情報検出装置により検出される走行予定道路のデータ等と、情報記録媒体に記憶されている地図データとを総合的に比較・評価し、車両走行経路における車両の現在位置や周囲の道路状況等を判断する。
アンチロック・ブレーキシステム(ABS)30は、制動時の車輪6のスリップを検出して制動力を増減し、低μ路等での車輪6のグリップ力を維持する制御を行うためのものである。すなわち、アンチロック・ブレーキシステム30は、車輪6の回転数を検出するセンサ31からの入力信号NRL,NRRに基づいて車両速度を検出し、その車両速度となる車輪速度より小さい車輪速度が検出された場合に、その車輪速度の小さい車輪6についてのブレーキ32の油圧を一時的に低下させ、これによって車輪6のグリップ力を回復させるようになっている。
また、このように車輪6毎の駆動力を制御できるアンチロック・ブレーキシステム30は、トラクションコントロールシステム(TRC)40および車両安定化システム(VSC)50とデータ通信可能に接続されている。
このトラクションコントロールシステム40は、低μ路等の発進時の駆動輪の空転を抑制するためのものであり、発進時に駆動輪とそれ以外の車輪との回転数を比較し、駆動輪の空転が検出された場合には、エンジン用電子制御装置10に信号を出力してスロットル開度を低下させ、また駆動輪のブレーキ32の油圧を制御して空転を抑制する。したがって、路面が低μ路(路面情報)であるか否かは、たとえば路面情報検出手段としての上記アンチロック・ブレーキシステム30やこのトラクションコントロールシステム40の作動状況を適宜検出することにより判断することができる。
また、車両安定化システム50は、車両の旋回運動の安定性を確保するためのものであり、旋回外側の前輪や左右の後輪等、所定の車輪の制動を行ってそのトルクを低下させることにより、安定したステア傾向となるようにモーメントを発生させる。したがって、この車両安定化システム50には、各車輪の回転数、スロットル開度、ヨーレート等の信号が入力されている。また、車間距離自動制御装置(ACC)60は、先行車両の認識や車間距離を検出し、その検出値に基づいて車速を制御し、車間距離を制御するものである。
つぎに、この実施例1に係る自動変速機2の制御法について図2に基づいて説明する。ここで、図2は、実施例1に係る自動変速機の制御方法を示すフローチャートである。上述した構成の変速制御装置は、上記ナビゲーションシステム20や実際の走行状態に基づいて得られた各種データに基づいて自動変速機2を以下のように制御する。なお、自動変速機2の基本制御は上述したように各構成要素により実行されるので、以下の説明においては、本発明に係る制御方法の要部についてのみ説明する。
すなわち、先ず、先方の道路が低μ路であるか否かを判断する(ステップS1)。この判断では、現状が高μ路であっても、近い過去に、たとえばトリップ中にアンチロック・ブレーキシステム30等が作動し、今後低μ路となる可能性がある場合も含む。低μ路でないならば(ステップS1否定)、後述するようにアップシフトの規制解除条件の成否を判断する(ステップS11)。低μ路であるならば(ステップS1肯定)、操舵角が所定値以下であるか否かを判断する(ステップS2)。
操舵角が所定値以下でないならば(ステップS2否定)、後述するダウン点復帰のステップS13に移行し、操舵角が所定値以下であるならば(ステップS2肯定)、ヨーレートが所定値以下か否かを判断する(ステップS3)。ヨーレートが所定値以下でないならば(ステップS3否定)、後述するダウン点復帰のステップS13に移行し、ヨーレートが所定値以下であるならば(ステップS3肯定)、ナビゲーションシステム20で判断した先方の道路コーナー半径曲率が所定値以下か否かを判断する(ステップS4)。
コーナー半径曲率が所定値以下(あるいはカーブ半径が所定値以上)であるならば(ステップS4肯定)、今後操舵される可能性が低いので、シフトダウンのダウン点を低下させる(ステップS5)。すなわち、通常状態に比べてスロットル開度やアクセル操作量が小さい領域、つまりエンジン負荷の小さい領域でもダウンシフトが実行されるようにパワーオンダウンシフト点が低負荷側に移動される。これにより、アクセル操作が少なくてもダウンシフトが実行されることになるため、ダウンシフトが促進される。また、アクセルを戻した状態で車速が低下したときにダウンシフトが実行されるコーストダウンシフト点については、通常のときに比べて車速を高車速側に移動させる。これにより、車速が高い状態でダウンシフトが実行されることになるため、ダウンシフトが促進される。低負荷でもパワーオンダウンシフトが実行され易くする場合、運転者が意図していない状態での変速は運転者に違和感を与えるため、不意の変速を抑制する必要がある。このため、現状のアクセル開度に対して、若干アクセル開度が増加したときに、ダウンシフトが行われるようにする。
そして、つぎに登降坂制御の開始閾値を低下させ(ステップS6)、すなわち路面勾配の閾値を通常の場合(低μ路でない場合)よりも低下させ、通常の場合に比べて勾配が小さい状態でもダウンシフトが実行され易くする。その後ダウンシフトを実行する。この制御により、通常状態に比べてダウンシフトが実行され易くなる。
つぎにダウンシフトを実行するか否かを判断する(ステップS7)。ダウンシフトを実行しないならば(ステップS7否定)、制御動作をリセットし、再度ダウンシフトを実行するか否かを判断する。この間、ステップS2〜S4の各判断ステップの条件が不成立(否定判断)であるならば、ダウン点を復帰させ(ステップS13)、登降坂制御の閾値を復帰させる(ステップS14)。
また、上記ステップS1において低μ路でないと判断されたならば(ステップS1否定)、アップシフトの規制解除条件の成否を判断するステップS11(否定判断)を経由してダウン点を復帰させるステップS13および登降坂制御の閾値を復帰させるステップS14に移行するように制御されるが、この時点でアップシフトの規制は行われていないので処置は行われない。
ダウンシフトを実行するならば(ステップS7肯定)、ダウンシフト条件が成立しているか否かを判断する(ステップS8)。ここで、ダウンシフト条件とは、登降坂制御に対しては、たとえばアクセル開度が全閉であることを指し、パワーオンダウンシフトについては特に条件を設定しない。また、通常状態では、アクセルオフでダウンシフトするのではなく、ブレーキオンでダウンシフトするように設定されている。これに対して、低μ路でるとき、あるいは操舵していない状態であるとき、操舵しないと予想される状態のとき等には、アクセルオフでダウンシフトを実行する。これにより、通常状態に比べて運転者の意思検出方法が緩やかになるため、ダウンシフトが実行され易くなる。
ダウンシフト条件が成立していないならば(ステップS8否定)、制御動作をリセットし、ダウンシフト条件が成立しているならば(ステップS8肯定)、ダウンシフト指令を行い(ステップS9)、続いてアップシフトの規制を行う(ステップS10)。
このアップシフトの規制は、たとえばアップシフトを実行する車速が通常の車速に比べて高い車速に設定されるようにしたり(アップ点を高速化)、登降坂制御の閾値を上げたり、あるいは制御ロジック上で規制をかけてもよい。登降坂制御の閾値を上げることで、ダウンシフトした後は、その変速段を維持する領域が広くなり、ダウンシフトした変速段から高い変速段に行きにくくなる。また、アップシフト規制の対象は、上記ステップS5やステップS6でダウンシフトを促進させたものに対応したものとする。
その後、ステップS1において低μ路でないと判断されたならば(ステップS1否定)、アップシフトの規制解除条件の成否を判断する(ステップS11)。ここで、この解除条件とは、コーナリング中でないこと(操舵角やヨーレートが小さい状態等)を意味する。
アップシフトの規制解除条件が成立するならば(ステップS11肯定)、アップシフトの規制を解除し(ステップS12)、アップシフトの規制解除条件が成立しないならば(ステップS11否定)、ダウン点を復帰させ(ステップS13)、登降坂制御の閾値を復帰させて(ステップS14)、制御動作をリセットする。
以上のように、この実施例1に係る自動変速機の変速制御装置によれば、車両が現在コーナリング中ではないとか、車両が不安定でないといった条件下でしかも自動変速機2のダウンシフト中に舵を切られる可能性が少ない状態において、ダウンシフトが可能であり、その可能状態を保持できるので、低μ路に適した中速段の使用が可能となる。
すなわち、低μ路では中速段を使用したいが、車両安定性の面からは高速段からの変速は行いたくないという二律背反した要求を本実施例によって満たすことができる。ダウン点の低負荷側移行については、エンジン負荷が下がるので、変速による駆動力段差が低減し、本発明の趣旨に好適である。
また、付随的に、先方のコーナー半径に依存して変速段を制御する手段にあっては、直線路非操舵中にプレ変速がなされているため、変速をあえて行う必要がなくなる。また、変速が必要であったとしても、2段以上の変速を行う必要がないので、大きな駆動力変動を複雑な状況で実施せずに済むという大きな効果を得ることができる。
なお、上記実施例1においては、自動変速機2を有段変速機であるものとして説明したが、これに限定されず、無段変速機であってもよい。
また、上記実施例1においては、直線走行の予想条件として、先方の道路コーナー半径曲率が所定値以下である否かを判断(ステップS4)とするものとして説明したが、これに限定されず、たとえばつぎのような条件のいずれかを採用してもよく、あるいはつぎのような条件を任意に組み合わせた条件を採用することもできる。
すなわち、追い越しによる操舵の可能性が減るので道路が一車線であるという条件、先方に信号がないという条件、先方に障害物がないという条件、追従走行中でないという条件、追従走行中でなく、かつ一車線であるという条件、前車との衝突予測時間が所定値以上であるという条件等である。
また、上記実施例1においては、ダウンシフトの促進手段として、エンジン負荷と車速で決まる通常変速点の操作と登降坂制御の閾値低下を例にして説明したが、これに限定されず、たとえば上記登降坂制御やコーナー制御の制御開始(シフト開始)条件が、ブレーキオントリガーになっていれば、これをアクセルオフトリガーに変更することもできる。
本実施例2に係る変速制御装置は、上記実施例1に係る変速制御装置と同様の構成である。以下、この実施例2に係る自動変速機2の制御法について図3に基づいて説明する。ここで、図3は、実施例2に係る自動変速機の制御方法を示すフローチャートである。
すなわち、先ず、先方の道路が低μ路である確率が高いか否かを判断する(ステップS21)。これは、近い過去に、たとえばトリップ中にアンチロック・ブレーキシステム30等が作動し、今後低μ路となる確率が高いか否かを判断するものである。低μ路でないならば(ステップS21否定)、後述するようにアップシフトの規制解除条件の成否を判断する(ステップS31)。低μ路であるならば(ステップS21肯定)、操舵角が所定値以下であるか否かを判断する(ステップS22)。
操舵角が所定値以下でないならば(ステップS22否定)、後述するダウン点復帰のステップS33に移行し、操舵角が所定値以下であるならば(ステップS22肯定)、ヨーレートが所定値以下か否かを判断する(ステップS23)。ヨーレートが所定値以下でないならば(ステップS23否定)、後述するダウン点復帰のステップS33に移行し、ヨーレートが所定値以下であるならば(ステップS23肯定)、現在が高μ路であるか否かを判断する(ステップS24)。
現在が高μ路であるならば(ステップS24肯定)、コーナー制御のような操舵中の変速となる可能性が低い状態で予め変速させることが可能であるので、シフトダウンのダウン点を低下させる(ステップS25)。すなわち、通常状態に比べてスロットル開度やアクセル操作量が小さい領域、つまりエンジン負荷の小さい領域でもダウンシフトが実行されるようにパワーオンダウンシフト点が低負荷側に移動される。これにより、アクセル操作が少なくてもダウンシフトが実行されることになるため、ダウンシフトが促進される。また、コーストダウンシフト点については、通常のときに比べて車速を高車速側に移動させる。これにより、車速が高い状態でダウンシフトが実行されることになるため、ダウンシフトが促進される。低負荷でもパワーオンダウンシフトが実行され易くする場合、運転者が意図していない状態での変速は運転者に違和感を与えるため、不意の変速を抑制する必要がある。このため、現状のアクセル開度に対して、若干アクセル開度が増加したときに、ダウンシフトが行われるようにする。
そして、つぎに登降坂制御の開始閾値を低下させ(ステップS26)、すなわち路面勾配の閾値を通常の場合(低μ路でない場合)よりも低下させ、通常の場合に比べて勾配が小さい状態でもダウンシフトが実行され易くする。その後ダウンシフトを実行する。この制御により、通常状態に比べてダウンシフトが実行され易くなる。
つぎにダウンシフトを実行するか否かを判断する(ステップS27)。ダウンシフトを実行しないならば(ステップS27否定)、制御動作をリセットし、再度ダウンシフトを実行するか否かを判断する。この間、ステップS22〜S24の各判断ステップの条件が不成立(否定判断)であるならば、ダウン点を復帰させ(ステップS33)、登降坂制御の閾値を復帰させる(ステップS34)。
また、上記ステップS21において低μ路である確率が高くないと判断されたならば(ステップS21否定)、アップシフトの規制解除条件の成否を判断するステップS31(否定判断)を経由してダウン点を復帰させるステップS33および登降坂制御の閾値を復帰させるステップS34に移行するように制御されるが、この時点でアップシフトの規制は行われていないので処置は行われない。
ダウンシフトを実行するならば(ステップS27肯定)、ダウンシフト条件が成立しているか否かを判断する(ステップS28)。ここで、ダウンシフト条件とは、登降坂制御に対しては、たとえばアクセル開度が全閉であることを指し、パワーオンダウンシフトについては特に条件を設定しない。また、通常状態では、アクセルオフでダウンシフトするのではなく、ブレーキオンでダウンシフトするように設定されている。これに対して、低μ路でるとき、あるいは操舵していない状態であるとき、操舵しないと予想される状態のとき等には、アクセルオフでダウンシフトを実行する。これにより、通常状態に比べて運転者の意思検出方法が緩やかになるため、ダウンシフトが実行され易くなる。
ダウンシフト条件が成立していないならば(ステップS28否定)、制御動作をリセットし、ダウンシフト条件が成立しているならば(ステップS28肯定)、ダウンシフト指令を行い(ステップS29)、続いてアップシフトの規制を行う(ステップS30)。
このアップシフトの規制は、たとえばアップ点を高速化したり、登降坂制御の閾値を上げたり、あるいは制御ロジック上で規制をかけてもよい。登降坂制御の閾値を上げることで、ダウンシフトした後は、その変速段を維持する領域が広くなり、ダウンシフトした変速段から高い変速段に行きにくくなる。また、アップシフト規制の対象は、上記ステップS25やステップS26でダウンシフトを促進させたものに対応したものとする。
その後、ステップS21において低μ路である確率が高くないと判断されたならば(ステップS21否定)、アップシフトの規制解除条件の成否を判断する(ステップS31)。ここで、この解除条件とは、コーナリング中でないこと(操舵角やヨーレートが小さい状態等)を意味する。
アップシフトの規制解除条件が成立するならば(ステップS31肯定)、アップシフトの規制を解除し(ステップS32)、アップシフトの規制解除条件が成立しないならば(ステップS31否定)、ダウン点を復帰させ(ステップS33)、登降坂制御の閾値を復帰させて(ステップS34)、制御動作をリセットする。
以上のように、この実施例2に係る自動変速機の変速制御装置によれば、先方の道路が低μ路である確率が高い場合に現在が高μ路であるならば、コーナー制御のような操舵中の変速となる可能性が低い状態で予め変速させることができる。
なお、この実施例2においても、直線走行の予想条件として上記実施例1において示したものと同様の条件を、適宜単独で、あるいは任意に組み合わせて採用することができる。
以上のように、この発明に係る自動変速機の変速制御装置は、車両の挙動が安定している状態でダウンシフトを実行し、走行状態を安定させることができる車両に有用であり、特に、前方の路面摩擦係数が小さく、かつ操舵量が少ない走行と予想されるときのダウンシフトに適している。
この発明の実施例1に係る自動変速機の変速制御装置を示すブロック図である。 実施例1に係る自動変速機の制御方法を示すフローチャートである。 実施例2に係る自動変速機の制御方法を示すフローチャートである。
符号の説明
1 エンジン
2 自動変速機
6 車輪
7 電子スロットルバルブ
10 エンジン用電子制御装置
11 アクセルペダル
13 自動変速機用電子制御装置(ダウンシフト実行促進手段)
20 ナビゲーションシステム
30 アンチロック・ブレーキシステム
40 トラクションコントロールシステム
50 車両安定化システム
60 車間距離自動制御装置

Claims (7)

  1. 少なくとも路面情報を検出する路面情報検出手段と、車両の現在位置および前方の道路状況を検出する手段とを備えた自動変速機の変速制御装置において、
    前方の路面摩擦係数が小さく、かつ操舵量が少ない走行と予想されるときに、前記自動変速機のダウンシフトを路面摩擦係数が小さくないあるいは操舵量が少なくない場合と比べて実行され易くするダウンシフト実行促進手段を備えたことを特徴とする自動変速機の変速制御装置。
  2. 少なくとも路面情報を検出する路面情報検出手段と、車両の現在位置および前方の道路状況を検出する手段とを備えた自動変速機の変速制御装置において、
    現在の走行路の路面摩擦係数が大きく、かつ車両前方の路面摩擦係数が小さいと予想されるときに、前記自動変速機のダウンシフトを路面摩擦係数が小さくないあるいは操舵量が少なくない場合と比べて実行され易くするダウンシフト実行促進手段を備えたことを特徴とする自動変速機の変速制御装置。
  3. 前記ダウンシフト実行促進手段は、路面勾配の閾値に基づき変速段を変更する制御であり、当該路面勾配の閾値を通常の場合よりも小さく設定することを特徴とする請求項1または2に記載の自動変速機の変速制御装置。
  4. 前記ダウンシフト実行促進手段は、運転者の減速の意思を検出したときに現在の変速段あるいは変速比から低速用の変速段あるいは変速比に変速する制御を実行し、
    前記運転者の減速の意思は、通常状態ではブレーキオンで検出され、ダウンシフトを促進するときにはアクセルオフで検出されることを特徴とする請求項1または2に記載の自動変速機の変速制御装置。
  5. 前記ダウンシフト実行促進手段は、変速点を設定することで現在の変速段あるいは変速比から低速用の変速段あるいは変速比に変速する制御を実行し、
    前記変速点は、負荷増に対するダウンシフト点が少ない負荷の増大でダウンシフトが実行されるように設定され、
    アクセル開度全閉時のダウンシフト点は、通常時に比べて高い車速でダウンシフトが実行されるように設定されることを特徴とする請求項1または2に記載の自動変速機の変速制御装置。
  6. 前記ダウンシフト実行促進手段は、ダウンシフト後にアップシフトを規制することを特徴とする請求項3〜5のいずれか一つに記載の自動変速機の変速制御装置。
  7. 操舵量が少ない走行と判断する条件は、前方のコーナーのカーブ半径が所定値以上である場合、先方に信号がない場合、追従走行ではない場合のいずれか一つであることを特徴とする請求項1または2に記載の自動変速機の変速制御装置。
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