JP3706244B2 - 車両制御装置及びそのプログラムを記録した記録媒体 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、車両制御装置及びそのプログラムを記録した記録媒体に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、道路状況に対応させて車両各部の制御、例えば、走行制御を行うことができるようにした車両制御装置が提供されていて、例えば、車両がコーナに差し掛かると想定されると、前記走行制御としてのコーナ制御が行われるようになっている。
【0003】
そのために、車両にナビゲーション装置が搭載され、該ナビゲーション装置が備えるデータ記憶部にノードデータファイルが配設され、該ノードデータファイルにノードデータが格納される。該ノードデータは、道路の位置及び形状を表す要素であり、道路上の各ノード、及び該各ノード間を連結するリンクを示すデータから成る。なお、前記ノードデータは、必要に応じて各ノードにおける道路の旋回角度を示すデータを備える。
【0004】
そして、前記ナビゲーション装置のCPUは、前記ノードデータ及び他の所定のデータに基づいて演算処理を行い、制御用データを作成し、該制御用データに従って前記コーナを通過するのに最適な変速段の推奨値を算出するとともに、該推奨値、及び運転者による所定の動作に基づいて上限の変速段を決定する。
続いて、自動変速機制御装置は、前記CPUから上限の変速段の信号を受けると、前記上限の変速段より上の変速段(高速側の変速段、変速比の小さい変速段等)を選択することなく変速を行う。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前記従来の車両制御装置においては、前記CPUと自動変速機制御装置との間で通信異常が有ると、自動変速機制御装置は、前記上限の変速段の信号を確実に受信することができなくなってしまう。そのほかに、原動機、ステアリング、ブレーキ、サスペンション等の車両各部についても同様に、車両各部とナビゲーション装置のCPUとの間で通信異常が有ると、車両各部が確実にCPUからの情報を得ることができなくなる。
【0006】
その結果、道路状況に対応させて走行制御を行うことができず、運転者に違和感を与えてしまう。
本発明は、前記従来の車両制御装置の問題点を解決して、通信異常が有る場合に、車両各部の制御を行うに当たり運転者に違和感を与えることがない車両制御装置及びそのプログラムを記録した記録媒体を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
そのために、本発明の車両制御装置においては、あらかじめ記録された道路状況及び現在位置に基づいて車両各部の制御を行うようになっている。
そして、各種センサとの間のインタフェースにおいて通信異常が有るかどうかを判断し、前記各種センサの評価結果に基づいて自信度ランクを判定し、通信異常がなく、判定された自信度ランクが高い場合に制御を行い、通信異常がなく、判定された自信度ランクが低い場合に制御を禁止し、通信異常が有る場合に、自信度ランクを最低の自信度ランクである初期値とし、制御を禁止する。
【0008】
本発明の他の車両制御装置においては、道路データにおける所定のノードの位置、及び道路データにおいて推測される現在位置に基づいて、車両各部の制御を行うようになっている。
そして、現在位置を検出する現在位置検出部と、車両の走行状態を検出する走行状態検出部と、前記現在位置及び走行状態に基づいて推奨値を算出する推奨値算出手段と、制御を開始するための制御開始条件が成立したときに、前記推奨値に基づいて制御を開始する制御開始手段と、各種センサとの間のインタフェースにおいて通信異常が有るかどうかを判断するフェール判定手段と、前記各種センサの評価結果に基づいて自信度ランクを判定する自信度ランク判定手段と、通信異常がなく、判定された自信度ランクが高い場合に制御を行い、通信異常がなく、判定された自信度ランクが低い場合に制御を禁止し、通信異常が有る場合に、自信度ランクを最低の自信度ランクである初期値とし、制御を禁止する制御禁止手段とを有する。
【0009】
本発明の更に他の車両制御装置においては、道路データにおける所定のノードの位置、及び道路データにおいて推測される現在位置に基づいて、自動変速機の変速段を制御するようになっている。
そして、現在位置を検出する現在位置検出部と、車速を検出する車速センサと、前記現在位置及び車速に基づいて推奨値を算出する推奨値算出手段と、走行制御を開始するための制御開始条件が成立したときに、前記推奨値に基づいて走行制御を開始する制御開始手段と、各種センサとの間のインタフェースにおいて通信異常が有るかどうかを判断するフェール判定手段と、前記各種センサの評価結果に基づいて自信度ランクを判定する自信度ランク判定手段と、通信異常がなく、判定された自信度ランクが高い場合に走行制御を行い、通信異常がなく、判定された自信度ランクが低い場合に走行制御を禁止し、通信異常が有る場合に、自信度ランクを最低の自信度ランクである初期値とし、走行制御を禁止する制御禁止手段とを有する。
【0010】
本発明の記録媒体においては、各種センサとの間のインタフェースにおいて通信異常が有るかどうかを判断し、前記各種センサの評価結果に基づいて自信度ランクを判定し、通信異常がなく、判定された自信度ランクが高い場合に制御を行い、通信異常がなく、判定された自信度ランクが低い場合に制御を禁止し、通信異常が有る場合に、自信度ランクを最低の自信度ランクである初期値とし、制御を禁止する車両制御装置のプログラムを記録する。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら詳細に説明する。
図1は本発明の実施の形態における車両制御装置の機能ブロック図である。
図において、15は現在位置検出部、44は走行状態検出部としての車速センサ、102は推奨値算出手段、110はフェール判定手段、111は制御禁止手段、203は制御開始手段としての制御手段である。
【0014】
図2は本発明の実施の形態における車両制御装置の概略図、図3は本発明の実施の形態におけるナビゲーション装置の要部ブロック図、図4は本発明の実施の形態における推奨車速マップを示す図、図5は本発明の実施の形態における減速線マップを示す図、図6は本発明の実施の形態における走行制御の実施状態、自信度ランク、フェール判定及びナビゲーション装置の動作状態の関係を示す図である。なお、図4において、横軸にノード半径を、縦軸に推奨車速VR を、図5において、横軸に車両の位置を、縦軸に車速Vを採ってある。
【0015】
図2において、10は自動変速機(A/T)、11はエンジン(E/G)、12は前記自動変速機10の全体の制御を行う自動変速機制御装置(ECU)、13は前記エンジン11の全体の制御を行うエンジン制御装置(EFI)、14はナビゲーション装置である。
また、41はウインカセンサ、42は運転者の動作を検出するアクセルセンサ、43は運転者の動作を検出するブレーキセンサ、44は車速センサ、45はスロットル開度センサ、46は記録媒体としてのROM、47は通常モードとナビモードとを選択するためのモード選択部である。
【0016】
前記ナビゲーション装置14は、車両の現在の位置、すなわち、現在位置を検出する現在位置検出部15、道路データ等が格納されたデータ記憶部16、入力された情報に基づいて、ナビゲーション処理等の各種の演算処理を行うナビゲーション処理部17、入力部34、表示部35、音声入力部36、音声出力部37及び通信部38を有する。
【0017】
そして、現在位置検出部15は、GPS(グローバルポジショニングセンサ)21、地磁気センサ22、距離センサ23、ステアリングセンサ24、ビーコンセンサ25、ジャイロセンサ26、図示されない高度計等から成る。
前記GPS21は、人工衛星によって発生させられた電波を受信して、地球上における前記現在位置を検出し、前記地磁気センサ22は、地磁気を測定することによって車両が向いている方位を検出し、前記距離センサ23は、道路上の所定の地点間の距離等を検出する。前記距離センサ23としては、例えば、車輪の回転数を測定し、該回転数に基づいて距離を検出するもの、加速度を測定し、該加速度を2回積分して距離を検出するもの等を使用することができる。
【0018】
また、前記ステアリングセンサ24は、舵(だ)角を検出するためのものであり、例えば、図示されないステアリングホイールの回転部に取り付けられた光学的な回転センサ、回転抵抗センサ、車輪に取り付けられた角度センサ等が使用される。
そして、前記ビーコンセンサ25は、道路に沿って配設されたビーコンからの位置情報を受信して現在位置を検出する。前記ジャイロセンサ26は、車両の回転角速度を検出するものであり、ガスレートジャイロ、振動ジャイロ等が使用される。そして、前記ジャイロセンサ26によって検出された回転角速度を積分することにより、車両が向いている方位を検出することができる。
【0019】
なお、前記GPS21及びビーコンセンサ25においては、それぞれ単独で現在位置を検出することができるが、距離センサ23の場合は、該距離センサ23によって検出された距離と、地磁気センサ22及びジャイロセンサ26によって検出された方位とを組み合わせることにより現在位置が検出される。また、距離センサ23によって検出された距離と、ステアリングセンサ24によって検出された舵角とを組み合わせることによって現在位置を検出することもできる。
【0020】
前記データ記憶部16は、地図データファイル、交差点データファイル、ノードデータファイル、道路データファイル、写真データファイル、及び各地域のホテル、ガソリンスタンド、観光地案内等の各主地域ごとの情報が格納されたデータファイルを備える。これら各データファイルには、経路を検索するためのデータのほか、前記表示部35の画面に、検索した経路に沿って案内図を表示したり、交差点又は経路における特徴的な写真、コマ図等を表示したり、次の交差点までの距離、次の交差点における進行方向等を表示したり、他の案内情報を表示したりするための各種のデータが格納される。なお、前記データ記憶部16には、所定の情報を音声出力部37によって出力するための各種のデータも格納される。
【0021】
ところで、前記交差点データファイルには各交差点に関する交差点データが、ノードデータファイルにはノードに関するノードデータが、道路データファイルには道路に関する道路データがそれぞれ格納され、前記交差点データ、ノードデータ及び道路データによって道路状況が表される。なお、前記ノードデータは、前記地図データファイルに格納された地図データにおける道路の位置及び形状を表す要素であり、道路上の各ノード、及び該各ノード間を連結するリンクを示すデータから成る。そして、前記道路データによって、道路自体については、幅員、勾配(こうばい)、カント、バンク、路面の状態、道路の車線数、車線数の減少する地点、幅員の狭くなる地点等が、コーナについては、曲率半径、交差点、T字路、コーナの入口等が、道路属性については、踏切、高速道路出口ランプウェイ、高速道路の料金所、降坂路、登坂路、道路種別(国道、一般道路、高速道路等)等がそれぞれ表される。
【0022】
なお、現在位置から目的地までの経路は、検索によって設定したり、入力部34をマニュアル操作することによって設定したりすることができる。そして、前記経路が設定されると、案内道路列、案内交差点、分岐点での進行方法、位置(交差点番号)等の経路に関する経路案内情報が設定されるとともに、該経路案内情報がテーブルとして記録される。
【0023】
したがって、現在位置を追跡することによって、前記テーブルを参照して経路を案内したり、経路上で現在位置の前方における所定距離内の検索を行ったり、案内交差点、分岐点等を読み出したり、案内交差点に関する案内情報(音声データ、交差点拡大図データ等)を作成したりすることができる。
また、前記ナビゲーション処理部17は、ナビゲーション装置14の全体の制御を行うCPU31、該CPU31が各種の演算処理を行うためにワーキングメモリとして使用されるRAM32、及び制御プログラムのほか、目的地までの経路の検索、経路中の走行案内、特定区間の決定等を行うための各種のプログラムが記録された記録媒体としてのROM33から成るとともに、前記ナビゲーション処理部17に、前記入力部34、表示部35、音声入力部36、音声出力部37及び通信部38が接続される。
【0024】
なお、前記データ記憶部16及びROM33は、図示されない磁気コア、半導体メモリ等によって構成される。また、前記データ記憶部16及びROM33に代えて、磁気テープ、磁気ディスク、フロッピーディスク、磁気ドラム、CD、MD、DVD、光ディスク、ICカード、光カード等の各種の記録媒体を使用することもできる。
【0025】
本実施の形態においては、前記ROM33に各種のプログラムが記録され、前記データ記憶部16に各種のデータが格納されるようになっているが、各種のプログラム及び各種のデータを同じ外部の記録媒体に記録することもできる。この場合、例えば、前記ナビゲーション処理部17に図示されないフラッシュメモリを配設し、前記外部の記録媒体から前記プログラム及びデータを読み出してフラッシュメモリに書き込むこともできる。したがって、外部の記録媒体を交換することによって前記プログラム及びデータを更新することができる。また、自動変速機制御装置12の制御プログラム等を前記外部の記録媒体に記録することもできる。このように、各種の記録媒体に記録された各種のプログラムを起動し、各種のデータに基づいて各種の処理を行うことができる。
【0026】
さらに、前記通信部38は、FM送信装置、電話回線等との間で各種のデータの送受信を行うためのものであり、例えば、図示されない情報センサ等によって受信した渋滞等の道路情報、交通事故情報、GPS21の検出誤差を検出するD−GPS情報等の各種のデータを受信する。なお、本発明の機能を実現するためのプログラム及びデータの少なくとも一部を前記通信部38によって受信し、フラッシュメモリ等に格納することもできる。
【0027】
そして、前記入力部34は、走行開始時の位置を修正したり、目的地を入力したりするためのものであり、表示部35と別に配設されたキーボード、マウス、バーコードリーダ、ライトペン、遠隔操作用のリモートコントロール装置等を使用することができる。また、前記入力部34は、表示部35に画像で表示されたキー又はメニューにタッチすることにより入力を行うタッチパネルによって構成することもできる。
【0028】
そして、前記表示部35には、操作案内、操作メニュー、操作キーの案内、目的地までの経路、走行する経路に沿った案内等が表示される。前記表示部35としては、CRTディスプレイ、液晶ディスプレイ、プラズマディスプレイ、フロントガラスにホログラムを投影するホログラム装置等を使用することができる。
そして、音声入力部36は、図示されないマイクロホン等によって構成され、音声によって必要な情報を入力することができるようになっている。さらに、音声出力部37は、それぞれ図示されない音声合成装置及びスピーカを備え、音声合成装置によって合成された音声による案内情報をスピーカから出力する。なお、音声合成装置によって合成された音声のほかに、各種の案内情報をテープに録音しておき、該案内情報をスピーカから出力することもできる。
【0029】
ところで、前記構成の車両制御装置において、自動変速機制御装置12は、ROM46に記録された制御プログラムに従ってシフトアップ又はシフトダウンの変速を行う。
そして、運転者がモード選択部47を操作することによって通常モードが選択されると、前記自動変速機制御装置12は、前記車速センサ44によって検出された走行状態としての車速V、及びスロットル開度センサ45によって検出されたスロットル開度に基づいて、ROM46内の図示されない変速マップを参照し、前記車速V及びスロットル開度に対応する変速段を選択する。
【0030】
また、運転者がモード選択部47を操作することによってナビモードが選択されると、前記ナビゲーション処理部17は、データ記憶部16から所定の道路データを読み出し、変速段を制限するための制御内容を設定するとともに、該制御内容に対応させて制御推奨フラグを自動変速機制御装置12に送信する。そして、自動変速機制御装置12は、前記制御推奨フラグを受信し、図示されないアクセルペダルが緩められたこと等の所定の条件が満たされると、上限の変速段を決定し、該上限の変速段より上の変速段を選択することなく変速を行うようにする。なお、常時、前記ナビゲーション処理部17によって、ナビモードが選択されたときと同様の処理を行うことができる。
【0031】
次に、前記ナビゲーション処理部17の詳細について説明する。
図3において、16はデータ記憶部、31はCPU、32はRAM、33はROM、34は入力部、35は表示部、36は音声入力部、37は音声出力部、51はシステムコントロール部、52は図示されないリモコン装置等との間のインタフェースを構成するコントロール部、53は車速センサ44(図2)との間のインタフェースを構成する車速信号入力部、54はGPS21との間のインタフェースを構成するGPS検出信号入力部、55はジャイロセンサ26との間のインタフェースを構成するジャイロ検出信号入力部、56は自動変速機制御装置12との間のインタフェースを構成する自動変速機通信部、57はリセット部である。
【0032】
次に、ナビモードが選択された場合の前記ナビゲーション処理部17の動作について更に説明する。
まず、前記CPU31は、ナビ基本処理を行い、現在位置を追跡することによって、走行する経路に沿った案内等を表示する。
次に、前記CPU31のフェール判定手段110(図1)は、フェール判定処理を行い、インタフェースにおいて通信異常が有るかどうかを判断する。すなわち、フェール判定手段110は、前記コントロール部52を介したリモコン装置等との間に通信異常が有るかどうか、車速信号入力部53を介した車速センサ44との間に通信異常が有るかどうか、GPS検出信号入力部54を介したGPS21との間に通信異常が有るかどうか、ジャイロ検出信号入力部55を介したジャイロセンサ26との間に通信異常が有るかどうか、及び自動変速機通信部56を介した自動変速機制御装置12との間に通信異常が有るかどうかを判断する。そして、通信異常が一つでも有る場合、フェール判定フラグを設定する。
【0033】
なお、通信異常が有るかどうかの判断は、次のような基準で行われる。例えば、登坂信号及び降坂信号のように通信内容に関して互いに相反する信号が同時に発生した場合、CPU31と自動変速機制御装置12との間であらかじめ規定された通信方法以外の通信方法で情報の通信が行われた場合(例えば、アクセルオン→オフ等が行われたときに通信データの内容を変更する場合に、通信形式を変えたり、通信情報を反転したりして通信方法が変更される。)、定期的な通信の間隔が異常である(前回、定期的な通信が行われてから所定時間以上定期的な通信が行われていない)場合等に、通信異常が有ると判断される。
【0034】
そのほかに、コーナ制御及び交差点制御を行うのに必要な各センサ類の検出信号に異常(ダイアグノーシス情報)が発生した場合、GPS21の検出信号に異常(未接続、短絡、ハード異常等)が発生した場合等においても、通信異常が有ると判断される。
次に、前記CPU31は、自信度判定処理を行い、前記フェール判定フラグがクリアされているかどうかを判断し、クリアされている場合、すなわち、通信異常が無い場合、CPU31の図示されない自信度ランク判定手段は、自信度ランク判定処理を行う。そして、前記自信度ランク判定手段は、自信度ランク判定処理において、リモコン装置、車速センサ44、GPS21、ジャイロセンサ26、自動変速機制御装置12等の評価を行い、それぞれの自信度ランクRa〜Rcを判定する。
【0035】
この場合、例えば、GPS21においては、4個以上の人工衛星から受信を行っている場合、三次元側位を行っている場合、高度が500〔m〕以下である場合、通信部38がD−GPS情報を受信している場合にそれぞれ評価指数を1とし、評価指数の合計が3以上であるときに自信度ランクをRaに、評価指数の合計が2であるときに自信度ランクをRbに、評価指数の合計が1以下であるときに自信度ランクをRcにする。また、ジャイロセンサ26においては、ドリフト補正を行った後の経過時間が10分以内である場合に評価指数を1とし、評価指数の合計が1であるときに自信度ランクをRaに、評価指数の合計が0であるときに自信度ランクをRcにする。
【0036】
このようにして、リモコン装置、車速センサ44、GPS21、ジャイロセンサ26、自動変速機制御装置12等について各自信度ランクRa〜Rcが判定された後、最低の自信度ランクが選択される。
一方、前記フェール判定フラグがクリアされていない場合、すなわち、フェール判定フラグが設定されている場合、前記CPU31は、自信度ランクをデフォルト設定し、各部の自信度ランクを最低の自信度ランクである初期値に戻す。その際、すべてのセンサ類の自信度ランクをデフォルト設定することができ、通信異常が発生したセンサ類を特定し、該センサ類だけをデフォルト設定することもできる。例えば、フェール判定が行われると、すべての(自信度判定を行っている)項目の自信度ランクをRcにし、GPS21であれば未受信状態と同じにする。そして、フェール判定フラグがクリアされると、自信度ランクRa〜Rcを判定して制御を禁止するかどうかを判断する。
【0037】
続いて、CPU31は制御判定処理を行う。そのために、CPU31の制御禁止手段111は、現在位置検出部15によって検出された現在位置を読み込むとともに、データ記憶部16の道路データファイルにアクセスし、前記現在位置より前方の位置の道路データを前記道路データファイルから読み出して、制御実施条件が成立しているかどうかを判断する。この場合、前記制御実施条件として、前記道路データが前記道路データファイル内に存在していること、前記自信度判定処理においてフェール判定フラグがクリアされていること、前記自信度ランク判定処理において選択された最低の自信度ランクがRb以上であること等が設定される。したがって、フェール判定処理においてフェール判定フラグが設定されていたり、自信度ランク判定処理において選択された最低の自信度ランクがRcであったりすると、制御実施条件は成立せず、図6に示されるように、コーナ制御及び交差点制御(走行制御)は禁止される。その結果、運転者に違和感を与えることがなくなる。
【0038】
そして、前記制御実施条件が成立すると、前記CPU31は、コーナ制御判定処理を開始する。該コーナ制御判定処理が開始されると、前記CPU31は、道路形状判断処理を行い、道路形状を判断する。すなわち、CPU31の図示されない道路状況検出部は、前記現在位置及び前記現在位置より前方の位置の道路データに基づいて、制御リストを作成し、現在位置を含む道路上の所定の範囲(例えば、現在位置から1〜2〔km〕)内の各ノードごとに道路状況としての道路のノード半径を算出する。
【0039】
なお、必要に応じて現在位置から目的地までの経路を検索し、検索した経路上のノードについてノード半径を算出することもできる。この場合、道路データに従って、各ノードの絶対座標、及び前記各ノードに隣接する二つのノードの各絶対座標に基づいて演算を行い、前記ノード半径を算出する。また、道路データとしてあらかじめデータ記憶部16にノード半径を、例えば、各ノードに対応させて格納しておき、必要に応じて前記ノード半径を読み出すこともできる。
【0040】
次に、CPU31は、前記所定の範囲内において前記ノード半径が閾(しきい)値より小さいノードが検出されると、コーナ制御を必要とするコーナが有ると判定し、図4の推奨車速マップを参照して、前記ノード半径に対応する推奨車速VR を読み込む。なお、前記推奨車速マップにおいては、ノード半径が小さくなると推奨車速VR が低くされ、ノード半径が大きくなると推奨車速VR が高くされる。次に、ナビゲーション処理部17は現在位置から各ノードまでの道路の勾配を算出する。
【0041】
本実施の形態においては、車両がコーナに差し掛かると、現在位置からコーナに到達するまでに車速Vが前記推奨車速VR になるような減速が必要であると判断される。そこで、前記所定の範囲内の各ノードのうちノード半径が閾値より小さい特定のノードNdi (i=1、2、…)が選択され、該各ノードNdi について推奨車速VRi(i=1、2、…)が算出され、該推奨車速VRiに基づいて推奨変速段が決定されるようになっている。
【0042】
そのために、CPU31は、各ノードNdi について、現在の変速段を維持することが望ましいと考えられる閾値を表す減速加速度基準値α、及びこれ以上減速加速度(減速の度合い)が大きくなる場合は、変速段を3速以下にすることが望ましいと考えられる閾値を表す減速加速度基準値βを設定する。
前記各減速加速度基準値α、βは、道路の勾配も考慮して設定される。これは、平坦(たん)な道路において減速を行う場合と、登坂路又は降坂路において減速を行う場合とでは、同じ距離を走行させても減速加速度が異なるからである。例えば、登坂路において、運転者が車両を減速させようとした場合、積極的にシフトダウンの変速を行わなくても十分な減速を行うことができる。
【0043】
また、前記各減速加速度基準値α、βを、道路の勾配に対応させて複数設定することもできる。そして、平坦な道路用として1組の減速加速度基準値α、βをあらかじめ設定しておき、道路の勾配に対応させて前記各減速加速度基準値α、βを補正することもできる。さらに、車両の総重量を算出し、例えば、乗員が1名である場合と4名である場合とで減速加速度基準値α、βを異ならせることもできる。この場合、車両の総重量は、例えば、特定の出力軸トルクを発生させたときの加速度に基づいて算出することができる。
【0044】
続いて、CPU31は、現在位置から各ノードNdi までの区間距離Lを算出し、該区間距離L、前記推奨車速VRi及び前記減速加速度基準値αに基づいて、シフトアップの変速が行われるのを禁止するためのホールド制御用減速線Mhを、区間距離L、前記推奨車速VRi及び減速加速度基準値βに基づいて、シフトダウンの変速を許可するための減速線、すなわち、変速許可制御用減速線Msをそれぞれ設定する。この場合、変速許可制御用減速線Msは、区間距離Lにおいて減速加速度基準値βで減速が行われた場合に、各ノードNdi を推奨車速VRiで走行することができる車速Vの値を示す。
【0045】
ところで、前記現在位置を現在位置検出部15によって検出するようになっているので、検出された現在位置に検出誤差が生じると、検出された現在位置と実際の現在位置とが異なってしまう。その場合、減速加速度基準値βに基づいて前記変速許可制御用減速線Msを一律に設定すると、実際の道路状況に対応させてコーナ制御を行うことができなくなってしまう。
【0046】
そこで、前記変速許可制御用減速線Msとは別に現在位置検出部15の検出誤差を考慮に入れた変速許可制御用減速線M1を設定するようにしている。
この場合、該変速許可制御用減速線M1は、現在位置から前記ノードNdi に到達するまでの車速パターンを示す減速線部分ma、及び該減速線部分maに連続させて形成され、各ノードNdi から現在位置に近づく側に延びてノード幅を形成する調整部分mcから成る。本実施の形態において、減速線部分maは、変速許可制御用減速線M1より所定距離分、すなわち、調整部分mc分だけずらすことによって形成される。また、減速線部分maを、変速許可制御用減速線Msより所定速度だけ低い値にすることによって形成することもできる。
【0047】
そして、前記調整部分mcの車速は、ノードNdi に対応する推奨車速VRiと等しくされる。なお、前記調整部分mcを、所定のノード幅を持たせて所定の車速パターンで設定することもできる。
また、前記調整部分mcを、現在位置検出部15による現在位置の検出精度に対応させて変更することもできる。例えば、検出精度が低い場合は、調整部分mcが長くされる。この場合、前記検出精度は、各種センサの検出状態、マッチング状態等の現在位置検出状態を評価し、評価結果に基づいて設定されるので、後述される第2の判定領域AR2が不必要に広くならない。したがって、実際の道路状況に対応させてコーナ制御を行うことができる。
【0048】
そして、ホールド制御用減速線Mhは、前記変速許可制御用減速線M1に対応させて、例えば、変速許可制御用減速線M1より10〔km/h〕だけ低い値にされる。また、ホールド制御用減速線Mhを変速許可制御用減速線M1より所定距離分だけずらすこともできる。そして、前記ホールド制御用減速線Mh及び変速許可制御用減速線Ms、M1はコーナ制御が終了するまで固定される。
【0049】
なお、前記ホールド制御用減速線Mh及び変速許可制御用減速線Ms(M1)は、いずれも演算することによって設定することができるだけでなく、演算結果をROM33にマップとして記録しておき、該マップを参照することによって設定することもできる。また、前記減速加速度基準値βのほかに、これ以上減速加速度が大きくなる場合は、変速段を2速以下にすることが望ましいと考えられる閾値を表す減速加速度基準値γを設定することもできる。その場合、変速許可制御用減速線Ms、M1のほかに、シフトダウンの変速を許可するための他の減速線が設定される。
【0050】
そして、図5に示されるように、変速許可制御用減速線Msより高速側に、シフトダウンの変速を許可する第1の判定領域AR1が、変速許可制御用減速線Ms、M1間に、現在位置検出部15における現在位置の検出誤差を前提にしてシフトダウンの変速を許可する第2の判定領域AR2が、ホールド制御用減速線Mhと変速許可制御用減速線M1との間にシフトアップの変速を禁止する第3の判定領域AR3がそれぞれ設定される。
【0051】
本実施の形態においては、現在位置検出部15における現在位置の検出誤差が生じても、車両がノードNdi より調整部分mcの距離分だけ手前に到達したときに、現在の車速Vnow が前記第1〜第3の判定領域AR1〜AR3のいずれに属するかを判定することができるので、コーナ制御が開始されるのが遅れることはない。
【0052】
続いて、CPU31は、現在位置に対応する第1の設定値としてのホールド制御用減速線Mhの値Vh、現在位置に対応する第2の設定値としての変速許可制御用減速線M1の値V1、及び現在位置に対応する第3の設定値としての変速許可制御用減速線Msの値Vsを算出するとともに、現在の車速Vnow を読み込み、該車速Vnow と前記値Vh、V1、Vsとを比較する。
【0053】
そして、車速Vnow が、値Vh以上であり、かつ、値V1より低く、第3の判定領域AR3に属する場合、CPU31の推奨値算出手段102は、変速段の推奨値として、現在の変速段(以下「実変速段」という。)と同じ変速段を算出し、コーナ制御用の制御推奨フラグAを設定(オンに)する。そして、該制御推奨フラグAが設定されることによって、自動変速機制御装置12に対してホールド制御が行われることが推奨される。なお、ホールド制御が行われると、シフトアップの変速が禁止されるので、ハンチングが発生するのを防止することができる。例えば、一旦(いったん)シフトダウンの変速が行われて3速になった後に4速になるのが防止される。
【0054】
また、前記車速Vnow が、値V1以上であり、かつ、値Vsより低く、判定領域AR2に属する場合、前記推奨値算出手段102は、変速段の推奨値として、例えば、3速を算出し、コーナ制御用の制御推奨フラグBを設定する。そして、該制御推奨フラグBが設定されることによって、自動変速機制御装置12に対して、第1の制御開始条件が成立したときに、実変速段より低い変速段へのシフトダウンの変速が行われることが推奨される。
【0055】
さらに、前記車速Vnow が、値Vs以上であって判定領域AR1に属する場合、前記推奨値算出手段102は、変速段の推奨値として、例えば、3速を算出し、コーナ制御用の制御推奨フラグCを設定する。そして、該制御推奨フラグCが設定されることによって、自動変速機制御装置12に対して、第2の制御開始条件が成立したときに、実変速段より低い変速段へのシフトダウンの変速が行われることが推奨される。
【0056】
続いて、すべてのノードNdi についての推奨値の算出、及び制御推奨フラグA〜Cの設定が終了して制御終了条件が成立すると、前記制御推奨フラグA〜Cに基づいて制御内容が設定され、制御推奨フラグA〜Cは自動変速機制御装置12に送信される。
次に、交差点制御判定処理において、推奨される動作、すなわち、推奨動作が推奨値として判定され、判定結果に基づいて交差点制御用の制御推奨フラグDが設定される。そして、該制御推奨フラグDは自動変速機制御装置12に送信される。
【0057】
続いて、コーナ制御判定処理及び交差点制御判定処理の各制御プログラムが正常に終了すると、CPU31は、あらかじめ設定されていた動作フラグをクリアし、前記コーナ制御判定処理において設定された制御内容、及び交差点制御判定処理において設定された制御内容をRAM32に記録する。
このようにして、制御判定処理が終了すると、CPU31は通信処理を開始する。該通信処理において、CPU31は、前記動作フラグがクリアされているかどうか、すなわち、前記コーナ制御判定処理及び交差点制御判定処理の各制御プログラムが正常に終了したかどうかを判断し、前記各制御プログラムが正常に終了したと判断した場合に、前記制御内容を読み出し、外部通信データとして自動変速機制御装置12に送信する。したがって、各制御プログラムが正常に終了しないでデータが残った場合、制御内容が外部通信データとして自動変速機制御装置12に繰り返し送信されるのを防止することができる。なお、CPU31は、前記動作フラグがクリアされていない場合、制御内容をデフォルト設定し、前記制御内容が自動変速機制御装置12に送信されるのを禁止する。
【0058】
続いて、該自動変速機制御装置12の制御手段203としての図示されない上限変速段決定手段は、前記外部通信データを受信すると、制御推奨フラグA〜Cの判定処理を行い、各制御推奨フラグA〜Cがどのように設定されているかどうかを判定し、各制御推奨フラグA〜Cの設定の組合せに対応させてあらかじめ設定された制御開始条件をROM46から読み出し、コーナ制御の制御開始条件が成立しているかどうかを判断する。
【0059】
そして、前記上限変速段決定手段は、前記制御開始条件が成立している場合、上限の変速段を決定するための値SS に3をセットし、前記制御開始条件が成立していない場合、前記値SS に4をセットする。
このようにして、値SS がセットされると、前記上限変速段決定手段は、前記値SS を上限の変速段として決定する。そして、該上限の変速段と、ナビゲーション装置14を備えない通常の車両制御装置において行われる基本自動変速機制御判断によって決定された上限の変速段とが比較され、両上限の変速段のうち、いずれか低い方の上限の変速段が出力される。
【0060】
その結果、自動変速機制御装置12は、出力された上限の変速段で変速処理を行い、車両を走行させる。そして、道路のノード半径が閾値より大きくなると、コーナ制御が解除され、通常の制御が行われる。
ところで、前記第2の判定領域AR2は、現在位置検出部15による現在位置の検出誤差を考慮して設定されたものであるので、車速Vnow が第2の判定領域AR2に属していると判定されても、必ずしもシフトダウンの変速が必要であるとは限らない。そこで、車速Vnow が第2の判定領域AR2に属していると判定された場合、第1の判定領域AR1に属していると判定された場合より前記制御開始条件が厳しくされる。
【0061】
また、前記自信度判定処理において選択された最低の自信度ランクがRbである場合も、最低の自信度ランクがRaである場合より前記制御開始条件が厳しくされる。したがって、図6に示されるように、コーナ制御及び交差点制御が行われるのを抑制することができる。その結果、道路状況に対応させて走行制御を行うことができ、運転者に違和感を与えることがなくなる。
【0062】
例えば、車速Vnow が第1の判定領域AR1に属していると判定された場合は、踏み込まれていない図示されないブレーキペダルが踏み込まれてブレーキオフ→オンになると、制御開始条件が成立したと判断されるのに対して、車速Vnow が第2の判定領域AR2に属していると判定された場合は、ブレーキオフ→オンになり、かつ、車両の減速度が設定値より大きいときに制御開始条件が成立したと判断される。
【0063】
また、例えば、最低の自信度ランクがRaである場合は、踏み込まれていないブレーキペダルが踏み込まれてブレーキオフ→オンになると、制御開始条件が成立したと判断されるのに対して、最低の自信度ランクがRbである場合は、ブレーキオフ→オンになり、かつ、車両の減速度が設定値より大きいときに制御開始条件が成立したと判断される。
【0064】
したがって、制御開始条件を厳しくすることによって、運転者が確実に車両を減速させようとしているときにシフトダウンの変速を許可することができる。
なお、前記減速度は、負の加速度であり、前記車速Vnow を微分することによって算出される。また、前記ブレーキオフ→オンは、ブレーキペダルが踏み込まれ、ブレーキセンサ43がオンになっている状態をいう。
【0065】
また、自動変速機制御装置12は、前記外部通信データを受信すると、制御推奨フラグDに対応させてあらかじめ設定された交差点制御を行う。この場合、例えば、通常の判定領域に案内右左折交差点が存在する場合、判定領域が案内右左折交差点までに変更される。
このように、現在位置検出部15によって検出された現在位置に検出誤差が生じ、検出された現在位置と実際の現在位置とが異なっても、第1の判定領域AR1を拡張して第2の判定領域AR2が設定されるので、現在の車速Vnow が第1、第2の判定領域AR1、AR2のいずれに属するかを判定することができる。
【0066】
したがって、実際の道路状況に対応させて走行制御を行うことができる。
なお、前記フェール判定処理及び自信度判定処理によって、コーナ制御及び交差点制御が禁止されたり、抑制されたりした場合、次のような復帰条件が成立したときに禁止又は抑制が解除される。
すなわち、通信データの内容を変更する場合にあらかじめ規定された通信方法で通信が行われたことが確認されると、禁止又は抑制が解除される。
【0067】
また、所定回数エラー無しで定期通信が行われた場合、各センサ類が正常に作動したことが確認された場合等に禁止又は抑制が解除される。
次に、前記ナビゲーション装置14の動作を示すフローチャートについて説明する。
図7は本発明の実施の形態におけるナビゲーション装置の動作を示すメインフローチャートである。
ステップS1 ナビゲーション基本処理を行う。
ステップS2 フェール判定処理を行う。
ステップS3 自信度判定処理を行う。
ステップS4 制御判定処理を行う。
ステップS5 通信処理を行う。
【0068】
次に、図7のステップS3における自信度判定処理のサブルーチンについて説明する。
図8は本発明の実施の形態における自信度判定処理のサブルーチンを示すフローチャートである。
ステップS3−1 フェール判定フラグがクリアされているかどうかを判断する。フェール判定フラグがクリアされている場合はステップS3−3に、クリアされていない場合はステップS3−2に進む。
ステップS3−2 自信度ランクをデフォルト設定する。
ステップS3−3 自信度ランク判定処理を行う。
ステップS3−4 最低の自信度ランクを選択する。
【0069】
次に、図7のステップS4における制御判定処理のサブルーチンについて説明する。
図9は本発明の実施の形態における制御判定処理のサブルーチンを示すフローチャートである。
ステップS4−1 現在位置を読み込み、現在位置より前方の位置の道路データを入力する。
ステップS4−2 制御実施条件が成立したかどうかを判断する。制御実施条件が成立した場合はステップS4−3に進み、成立していない場合はリターンする。
ステップS4−3 コーナ制御判定処理を行う。
ステップS4−4 交差点制御判定処理を行う。
ステップS4−5 動作フラグをクリアする。
ステップS4−6 制御内容を記録する。
【0070】
次に、図9のステップS4−3におけるコーナ制御判定処理のサブルーチンについて説明する。
図10は本発明の実施の形態におけるコーナ制御判定処理のサブルーチンを示すフローチャートである。
ステップS4−3−1 道路形状判断処理を行う。
ステップS4−3−2 推奨変速段決定処理を行う。
ステップS4−3−3 制御内容を設定する。
【0071】
次に、図10のステップS4−3−1における道路形状判断処理のサブルーチンについて説明する。
図11は本発明の実施の形態における道路形状判断処理のサブルーチンを示すフローチャートである。
ステップS4−3−1−1 制御リストを作成する。
ステップS4−3−1−2 コーナ制御を必要とするコーナが有ると判定する。
【0072】
次に、図10のステップS4−3−2における推奨変速段決定処理のサブルーチンについて説明する。
図12は本発明の実施の形態における推奨変速段決定処理のサブルーチンを示すフローチャートである。
ステップS4−3−2−1 減速線を変更する。
ステップS4−3−2−2 推奨値算出処理を行う。
ステップS4−3−2−3 制御終了条件が成立したかどうかを判断する。制御終了条件が成立した場合はリターンし、成立していない場合はステップS4−3−2−2に戻る。
【0073】
次に、図9のステップS4−4における交差点制御判定処理のサブルーチンについて説明する。
図13は本発明の実施の形態における交差点制御判定処理のサブルーチンを示すフローチャートである。
ステップS4−4−1 周辺の道路状況を判断し、道路属性、複数の交差点間の位置関係等をチェックする。
ステップS4−4−2 推奨動作を判定する。
ステップS4−4−3 制御内容を設定する。
【0074】
次に、図12のステップS4−3−2−2における推奨値算出処理のサブルーチンについて説明する。
図14は本発明の実施の形態における推奨値算出処理のサブルーチンを示すフローチャートである。
ステップS4−3−2−2−1 現在位置から各ノードまでの区間距離Lを算出する。
ステップS4−3−2−2−2 値Vh(図5)、V1、Vsを算出する。
ステップS4−3−2−2−3 現在の車速Vnow を読み込む。
ステップS4−3−2−2−4 該車速Vnow が前記値Vh以上であるかどうかを判断する。車速Vnow が値Vh以上である場合はステップS4−3−2−2−5に、車速Vnow が値Vhより低い場合はリターンする。
ステップS4−3−2−2−5 前記車速Vnow が前記値V1以上であるかどうかを判断する。車速Vnow が値V1以上である場合はステップS4−3−2−2−7に、車速Vnow が値V1より低い場合はステップS4−3−2−2−6に進む。
ステップS4−3−2−2−6 制御推奨フラグAを設定する。
ステップS4−3−2−2−7 前記車速Vnow が前記値Vs以上であるかどうかを判断する。車速Vnow が値Vs以上である場合はステップS4−3−2−2−9に、車速Vnow が値Vsより低い場合はステップS4−3−2−2−8に進む。
ステップS4−3−2−2−8 制御推奨フラグBを設定する。
ステップS4−3−2−2−9 制御推奨フラグCを設定する。
【0075】
次に、図7のステップS5における通信処理のサブルーチンについて説明する。
図15は本発明の実施の形態における通信処理のサブルーチンを示すフローチャートである。
ステップS5−1 動作フラグがクリアされているどうかを判断する。動作フラグがクリアされている場合はステップS5−3に、クリアされていない場合はステップS5−2に進む。
ステップS5−2 制御内容をデフォルト設定する。
ステップS5−3 制御内容を読み出す。
ステップS5−4 外部通信データを送信する。
ステップS5−5 動作フラグを設定する。
【0076】
次に、自動変速機制御装置12(図2)の動作を示すフローチャートについて説明する。
図16は本発明の実施の形態における自動変速機制御装置の動作を示すメインフローチャートである。
ステップS11 アクセルセンサ42(図2)の検出信号、ブレーキセンサ43の検出信号、車速センサ44によって検出された車速V、スロットル開度センサ45によって検出されたスロットル開度等の車両情報を読み込む。
ステップS12 基本自動変速機制御判断処理を行う。
ステップS13 協調制御条件が成立しているかどうかを判断する。協調制御条件が成立している場合はステップS14に、成立していない場合はステップS16に進む。この場合、協調制御条件が成立しているかどうかは、車両が走行制御を行うのに適した状態にあるかどうかによって判断する。例えば、水温、油温、各種のセンサの検出信号等が正常な範囲内にあること、ナビゲーション装置14との間において通信が正常に行われていること、ナビゲーション装置14から受信したデータが正常であること等が協調制御条件にされる。また、オーバードライブ走行を選択するためのオーバードライブスイッチがオンになっていること、雪道走行用の変速パターンを選択するためのセレクトスイッチがオンになっていること等を協調制御条件にすることもできる。
ステップS14 ナビゲーション装置14から制御推奨フラグA〜Dを受信する。
ステップS15 協調制御判断処理を行う。
ステップS16 基本自動変速機制御判断処理において基本の変速マップを参照することによって決定された変速段と協調制御判断処理において決定された上限の変速段とを比較し、低い方の変速段を選択する。
ステップS17 選択された変速段を変速出力として出力する。
【0077】
次に、図16のステップS15における協調制御判断処理のサブルーチンについて説明する。
図17は本発明の実施の形態における協調制御判断処理のサブルーチンを示すフローチャートである。
ステップS15−1 ナビゲーション装置14から受信した制御推奨フラグA〜Cのうち少なくとも一つが設定されているかどうかを判断する。少なくとも一つの制御推奨フラグA〜Cが設定されている場合はステップS15−2に、設定されていない場合はステップS15−3に進む。
ステップS15−2 上限変速段決定処理を行う。
ステップS15−3 協調制御実施中であるかどうかを判断する。協調制御実施中である場合はステップS15−4に進み、協調制御実施中でない場合はリターンする。なお、協調制御実施中であるかどうかは、コーナ制御において推奨値が算出され、算出された推奨値に従った変速段で車両が走行させられているかどうかによって判断する。
ステップS15−4 解除制御判断処理を行い、コーナ制御を解除する。解除制御判断処理においては、例えば、コーナから離れたことのほか、基本の変速マップを参照することによって3速の変速段が決定されたこと、所定以上の加速が行われたこと、所定の距離(ガード距離)以上走行してもコーナ制御の終了が行われないこと等の各解除条件が満たされたときにコーナ制御を解除する。
【0078】
なお、アクセルペダルを所定量以上戻したこと、アクセルペダルを所定以上の速度で戻したこと、運転者がオーバドライブスイッチをオンにしたこと等を解除条件にすることもできる。
次に、図17のステップS15−2における上限変速段決定処理のサブルーチンについて説明する。
【0079】
図18は本発明の実施の形態における上限変速段決定処理のサブルーチンを示すフローチャートである。
ステップS15−2−1 制御推奨フラグ判定処理を行い、ナビゲーション装置14(図2)から受信した制御推奨フラグA、Bの設定の組合せを判定する。
ステップS15−2−2 制御推奨フラグA、Bの設定の組合せに対応させてあらかじめ設定された制御開始条件が成立しているかどうかを判断する。制御開始条件が成立している場合はステップS15−2−4に、成立していない場合はステップS15−2−3に進む。
ステップS15−2−3 値SS に4をセットする。
ステップS15−2−4 値SS に3をセットする。
ステップS15−2−5 上限の変速段を決定する。
【0080】
本実施の形態においては、車両各部の制御として、自動変速機における走行制御について説明しているが、車両各部の制御として、内燃エンジン11等の原動機の制御、ステアリング制御、ステアリングアシスト制御、ブレーキ制御、ブレーキアシスト制御、サスペンション(ダンパ減衰力等)制御、4WDにおける駆動力分配制御等に適用することもできる。
【0081】
この場合、CPU31は、所定のノードに到達するまでの車両各部の制御を許可するための減速線を設定し、推奨値算出手段102は、車速及び減速線によって与えられる設定値に基づいて車両各部の制御の推奨値を算出する。そして、制御手段203は、推奨値に基づいて車両各部の制御を行う。また、前記推奨値としては、例えば、推奨アクセル開度、推奨ブレーキアシスト力、推奨ダンパ減衰力、推奨駆動力分配値等が算出される。
【0082】
なお、本発明は前記実施の形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨に基づいて種々変形させることが可能であり、それらを本発明の範囲から排除するものではない。
【0083】
【発明の効果】
以上詳細に説明したように、本発明によれば、車両制御装置においては、あらかじめ記録された道路状況及び現在位置に基づいて車両各部の制御を行うようになっている。
そして、各種センサとの間のインタフェースにおいて通信異常が有るかどうかを判断し、前記各種センサの評価結果に基づいて自信度ランクを判定し、通信異常がなく、判定された自信度ランクが高い場合に制御を行い、通信異常がなく、判定された自信度ランクが低い場合に制御を禁止し、通信異常が有る場合に、自信度ランクを最低の自信度ランクである初期値とし、制御を禁止する。
【0084】
この場合、各種センサとの間のインタフェースにおいて通信異常が有るかどうかを判断し、前記各種センサの評価結果に基づいて自信度ランクが判定され、通信異常がなく、判定された自信度ランクが高い場合に制御が行われ、通信異常がなく、判定された自信度ランクが低い場合に制御が禁止され、通信異常が有る場合に、自信度ランクが最低の自信度ランクである初期値とされ、制御が禁止される。
したがって、道路状況に対応させて車両各部の制御を行うことができ、運転者に違和感を与えることがなくなる。
【0085】
本発明の他の車両制御装置においては、道路データにおける所定のノードの位置、及び道路データにおいて推測される現在位置に基づいて、車両各部の制御を行うようになっている。
そして、現在位置を検出する現在位置検出部と、車両の走行状態を検出する走行状態検出部と、前記現在位置及び走行状態に基づいて推奨値を算出する推奨値算出手段と、制御を開始するための制御開始条件が成立したときに、前記推奨値に基づいて制御を開始する制御開始手段と、各種センサとの間のインタフェースにおいて通信異常が有るかどうかを判断するフェール判定手段と、前記各種センサの評価結果に基づいて自信度ランクを判定する自信度ランク判定手段と、通信異常がなく、判定された自信度ランクが高い場合に制御を行い、通信異常がなく、判定された自信度ランクが低い場合に制御を禁止し、通信異常が有る場合に、自信度ランクを最低の自信度ランクである初期値とし、制御を禁止する制御禁止手段とを有する。
【0086】
この場合、現在位置及び走行状態に基づいて推奨値が算出され、制御を開始するための制御開始条件が成立したときに、前記推奨値に基づいて制御が開始される。そして、各種センサとの間のインタフェースにおいて通信異常が有るかどうかを判断し、前記各種センサの評価結果に基づいて自信度ランクが判定され、通信異常がなく、判定された自信度ランクが高い場合に制御が行われ、通信異常がなく、判定された自信度ランクが低い場合に制御が禁止され、通信異常が有る場合に、自信度ランクが最低の自信度ランクである初期値とされ、制御が禁止される。
したがって、道路状況に対応させて車両各部の制御を行うことができ、運転者に違和感を与えることがなくなる。
【0087】
本発明の更に他の車両制御装置においては、道路データにおける所定のノードの位置、及び道路データにおいて推測される現在位置に基づいて、自動変速機の変速段を制御するようになっている。
そして、現在位置を検出する現在位置検出部と、車速を検出する車速センサと、前記現在位置及び車速に基づいて推奨値を算出する推奨値算出手段と、走行制御を開始するための制御開始条件が成立したときに、前記推奨値に基づいて走行制御を開始する制御開始手段と、各種センサとの間のインタフェースにおいて通信異常が有るかどうかを判断するフェール判定手段と、前記各種センサの評価結果に基づいて自信度ランクを判定する自信度ランク判定手段と、通信異常がなく、判定された自信度ランクが高い場合に走行制御を行い、通信異常がなく、判定された自信度ランクが低い場合に走行制御を禁止し、通信異常が有る場合に、自信度ランクを最低の自信度ランクである初期値とし、走行制御を禁止する制御禁止手段とを有する。
【0088】
この場合、現在位置及び車速に基づいて推奨値が算出され、走行制御を開始するための制御開始条件が成立したときに、前記推奨値に基づいて走行制御が開始される。そして、各種センサとの間のインタフェースにおいて通信異常が有るかどうかを判断し、前記各種センサの評価結果に基づいて自信度ランクが判定され、通信異常がなく、判定された自信度ランクが高い場合に走行制御が行われ、通信異常がなく、判定された自信度ランクが低い場合に走行制御が禁止され、通信異常が有る場合に、自信度ランクが最低の自信度ランクである初期値とされ、走行制御が禁止される。
したがって、道路状況に対応させて走行制御を行うことができ、運転者に違和感を与えることがなくなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態における車両制御装置の機能ブロック図である。
【図2】本発明の実施の形態における車両制御装置の概略図である。
【図3】本発明の実施の形態におけるナビゲーション装置の要部ブロック図である。
【図4】本発明の実施の形態における推奨車速マップを示す図である。
【図5】本発明の実施の形態における減速線マップを示す図である。
【図6】本発明の実施の形態における走行制御の実施状態、自信度ランク、フェール判定及びナビゲーション装置の動作状態の関係を示す図である。
【図7】本発明の実施の形態におけるナビゲーション装置の動作を示すメインフローチャートである。
【図8】本発明の実施の形態における自信度判定処理のサブルーチンを示すフローチャートである。
【図9】本発明の実施の形態における制御判定処理のサブルーチンを示すフローチャートである。
【図10】本発明の実施の形態におけるコーナ制御判定処理のサブルーチンを示すフローチャートである。
【図11】本発明の実施の形態における道路形状判断処理のサブルーチンを示すフローチャートである。
【図12】本発明の実施の形態における推奨変速段決定処理のサブルーチンを示すフローチャートである。
【図13】本発明の実施の形態における交差点制御判定処理のサブルーチンを示すフローチャートである。
【図14】本発明の実施の形態における推奨値算出処理のサブルーチンを示すフローチャートである。
【図15】本発明の実施の形態における通信処理のサブルーチンを示すフローチャートである。
【図16】本発明の実施の形態における自動変速機制御装置の動作を示すメインフローチャートである。
【図17】本発明の実施の形態における協調制御判断処理のサブルーチンを示すフローチャートである。
【図18】本発明の実施の形態における上限変速段決定処理のサブルーチンを示すフローチャートである。
【符号の説明】
15 現在位置検出部
33、46 ROM
44 車速センサ
102 推奨値算出手段
110 フェール判定手段
111 制御禁止手段
203 制御手段
Ra〜Rc 自信度ランク
V 車速
Claims (4)
- あらかじめ記録された道路状況及び現在位置に基づいて車両各部の制御を行う車両制御装置において、各種センサとの間のインタフェースにおいて通信異常が有るかどうかを判断し、前記各種センサの評価結果に基づいて自信度ランクを判定し、通信異常がなく、判定された自信度ランクが高い場合に制御を行い、通信異常がなく、判定された自信度ランクが低い場合に制御を禁止し、通信異常が有る場合に、自信度ランクを最低の自信度ランクである初期値とし、制御を禁止することを特徴とする車両制御装置。
- 道路データにおける所定のノードの位置、及び道路データにおいて推測される現在位置に基づいて、車両各部の制御を行う車両制御装置において、現在位置を検出する現在位置検出部と、車両の走行状態を検出する走行状態検出部と、前記現在位置及び走行状態に基づいて推奨値を算出する推奨値算出手段と、制御を開始するための制御開始条件が成立したときに、前記推奨値に基づいて制御を開始する制御開始手段と、各種センサとの間のインタフェースにおいて通信異常が有るかどうかを判断するフェール判定手段と、前記各種センサの評価結果に基づいて自信度ランクを判定する自信度ランク判定手段と、通信異常がなく、判定された自信度ランクが高い場合に制御を行い、通信異常がなく、判定された自信度ランクが低い場合に制御を禁止し、通信異常が有る場合に、自信度ランクを最低の自信度ランクである初期値とし、制御を禁止する制御禁止手段とを有することを特徴とする車両制御装置。
- 道路データにおける所定のノードの位置、及び道路データにおいて推測される現在位置に基づいて、自動変速機の変速段を制御する車両制御装置において、現在位置を検出する現在位置検出部と、車速を検出する車速センサと、前記現在位置及び車速に基づいて推奨値を算出する推奨値算出手段と、走行制御を開始するための制御開始条件が成立したときに、前記推奨値に基づいて走行制御を開始する制御開始手段と、各種センサとの間のインタフェースにおいて通信異常が有るかどうかを判断するフェール判定手段と、前記各種センサの評価結果に基づいて自信度ランクを判定する自信度ランク判定手段と、通信異常がなく、判定された自信度ランクが高い場合に走行制御を行い、通信異常がなく、判定された自信度ランクが低い場合に走行制御を禁止し、通信異常が有る場合に、自信度ランクを最低の自信度ランクである初期値とし、走行制御を禁止する制御禁止手段とを有することを特徴とする車両制御装置。
- 各種センサとの間のインタフェースにおいて通信異常が有るかどうかを判断し、前記各種センサの評価結果に基づいて自信度ランクを判定し、通信異常がなく、判定された自信度ランクが高い場合に制御を行い、通信異常がなく、判定された自信度ランクが低い場合に制御を禁止し、通信異常が有る場合に、自信度ランクを最低の自信度ランクである初期値とし、制御を禁止することを特徴とする車両制御装置のプログラムを記録した記録媒体。
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JP11930798A JP3706244B2 (ja) | 1998-04-28 | 1998-04-28 | 車両制御装置及びそのプログラムを記録した記録媒体 |
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JP11930798A JP3706244B2 (ja) | 1998-04-28 | 1998-04-28 | 車両制御装置及びそのプログラムを記録した記録媒体 |
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