JP3688463B2 - 車両制御装置及びそのプログラムを記録した記録媒体 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、車両制御装置及びそのプログラムを記録した記録媒体に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、道路状況に対応させて走行制御を行うことができるようにした車両制御装置が提供されていて、該車両制御装置においては、例えば、車両がコーナ又は交差点に差し掛かると想定されると、前記走行制御としてのコーナ制御又は交差点制御が行われるようになっている。
【0003】
そのために、車両にデータ記憶部及びナビゲーション処理部を備えるナビゲーション装置が搭載され、前記データ記憶部に道路状況を表すデータ等が格納される。そして、前記ナビゲーション処理部は、前記データ等に基づいて演算処理を行い、制御用データを作成し、該制御用データに従って前記コーナ制御又は交差点制御を行う。
【0004】
例えば、該交差点制御においては、交差点の中心点が特定され、該中心点より手前側及び先側の所定の範囲に制御区間が設定され、該制御区間において運転者が所定の動作をすると、上限の変速段が決定され、該上限の変速段より上の変速段(高速側の変速段、変速比の小さい変速段等)が選択されないように自動変速機の制御が行われる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前記従来の車両制御装置においては、交差点から車両が進出する道路が特定されない場合、交差点制御を円滑に行うことができない。
そこで、ウィンカの操作等によって交差点における車両の右左折を判定したり、交差する道路の道路種別に基づいて、車両が進出する可能性の高い道路を特定したりすることが考えられる。
【0006】
ところが、交差点で交差する道路が多い場合、同じような方向に複数の道路が分岐している場合、同じ道路種別の道路が交差する場合等においては、車両が進出する可能性の高い道路を特定するのは困難である。
本発明は、前記従来の車両制御装置の問題点を解決して、交差点から車両が進出する道路に対応させて交差点制御を円滑に行うことができる車両制御装置及びそのプログラムを記録した記録媒体を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
そのために、本発明の車両制御装置においては、道路データ上の所定の交差点の位置、及び前記道路データ上で推測される現在位置に基づいて、前記所定の交差点について交差点制御を行うようになっている。
そして、前記現在位置を検出する現在位置検出部と、前記道路データに基づいて目的地までの経路を設定する経路設定手段と、該経路設定手段によって設定された経路に基づいて車両を案内する案内手段と、前記現在位置から所定の交差点までの距離が、交差点が連続して現れてもハンチングが発生しないように設定された基準距離以下であり、かつ、前記所定の交差点が経路上の案内交差点である場合に、交差点制御用の変速マップに基づいて変速段を決定し、交差点制御を行う制御手段とを有する。
【0008】
本発明の他の車両制御装置においては、さらに、前記案内交差点が右左折案内交差点である場合に制御パラメータを設定するパラメータ設定手段と、該制御パラメータが設定されたときに、交差点制御を開始する制御開始手段と、前記制御パラメータがクリアされたときに、前記交差点制御を解除する制御解除手段とを有する。
【0009】
本発明の更に他の車両制御装置においては、さらに、前記パラメータ設定手段は、現在位置から次のノードまでの距離が基準距離以下である場合に制御パラメータを設定する。
本発明の更に他の車両制御装置においては、さらに、前記パラメータ設定手段は、道路属性に基づいて制御パラメータを設定する。
【0010】
本発明の更に他の車両制御装置においては、さらに、前記制御開始手段は、変速マップを変更する変速パターン変更処理手段を備える。
本発明の更に他の車両制御装置においては、さらに、前記制御開始手段は、ロックアップ装置のスリップ制御を禁止するロックアップ処理手段を備える。
本発明の記録媒体においては、道路データ上の所定の交差点の位置、及び前記道路データ上で推測される現在位置に基づいて、前記所定の交差点について交差点制御を行うとともに、前記道路データに基づいて目的地までの経路を設定し、設定された経路に基づいて車両を案内し、前記現在位置から所定の交差点までの距離が、交差点が連続して現れてもハンチングが発生しないように設定された基準距離以下であり、かつ、前記所定の交差点が経路上の案内交差点である場合に、交差点制御用の変速マップに基づいて変速段を決定し、交差点制御を行う車両制御装置のプログラムを記録する。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら詳細に説明する。
図1は本発明の実施の形態における車両制御装置の機能ブロック図である。
図において、15は図示されない車両の現在位置を検出する現在位置検出部、31は、道路データに基づいて目的地までの経路を設定する経路設定手段120、及び該経路設定手段120によって設定された経路に基づいて車両を案内する案内手段121を備えるCPU、123は所定の交差点が経路上の案内交差点である場合に交差点制御を行う制御手段である。
【0012】
図2は本発明の実施の形態における車両制御装置の概略図、図3は本発明の実施の形態における推奨車速マップを示す図、図4は本発明の実施の形態における減速線マップを示す図である。なお、図3において、横軸にノード半径を、縦軸に推奨車速VR を、図4において、横軸に車両の位置を、縦軸に車速Vを採ってある。
【0013】
図2において、10は自動変速機(A/T)、11はエンジン(E/G)、12は前記自動変速機10の全体の制御を行う自動変速機制御装置(ECU)、13は前記エンジン11の全体の制御を行うエンジン制御装置(EFI)、14はナビゲーション装置である。
また、41はウインカセンサ、42は運転者の動作を検出するアクセルセンサ、43は前記運転者の動作を検出するブレーキセンサ、44は車速センサ、45はスロットル開度センサ、46は記録媒体としてのROM、47は通常モードとナビモードとを選択するためのモード選択部である。
【0014】
前記ナビゲーション装置14は、現在位置検出部15、道路状況を表すデータ等が格納されたデータ記憶部16、前記データ等に基づいて、ナビゲーション処理等の各種の演算処理を行うナビゲーション処理部17、入力部34、表示部35、音声入力部36、音声出力部37及び通信部38を有する。
そして、現在位置検出部15は、GPS(グローバルポジショニングセンサ)21、地磁気センサ22、距離センサ23、ステアリングセンサ24、ビーコンセンサ25、ジャイロセンサ26、図示されない高度計等から成る。
【0015】
前記GPS21は、人工衛星によって発生させられた電波を受信して、現在位置を検出し、前記地磁気センサ22は、地磁気を測定することによって車両が向いている方位を検出し、前記距離センサ23は、道路上の所定の地点間の距離等を検出する。前記距離センサ23としては、例えば、車輪の回転数を測定し、該回転数に基づいて距離を検出するもの、加速度を測定し、該加速度を2回積分して距離を検出するもの等を使用することができる。
【0016】
また、前記ステアリングセンサ24は、舵(だ)角を検出するためのものであり、例えば、図示されないステアリングホイールの回転部に取り付けられた光学的な回転センサ、回転抵抗センサ、車輪に取り付けられた角度センサ等が使用される。
そして、前記ビーコンセンサ25は、道路に沿って配設されたビーコンからの位置情報を受信して現在位置を検出する。前記ジャイロセンサ26は、車両の回転角速度を検出するものであり、ガスレートジャイロ、振動ジャイロ等が使用される。そして、前記ジャイロセンサ26によって検出された回転角速度を積分することにより、車両が向いている方位を検出することができる。
【0017】
なお、前記GPS21及びビーコンセンサ25においては、それぞれ単独で現在位置を検出することができるが、距離センサ23の場合は、該距離センサ23によって検出された距離と、地磁気センサ22及びジャイロセンサ26によって検出された方位とを組み合わせることにより現在位置が検出される。また、距離センサ23によって検出された距離と、ステアリングセンサ24によって検出された舵角とを組み合わせることによって現在位置を検出することもできる。
【0018】
前記データ記憶部16は、地図データファイル、交差点データファイル、ノードデータファイル、道路データファイル、目的地データファイル、行先データファイル、写真データファイル、及び各地域のホテル、ガソリンスタンド、観光地案内等の各主地域ごとの情報が格納されたデータファイルを備える。これら各データファイルには、経路を検索するための経路データのほか、前記表示部35の画面に、検索した経路に沿って案内図を表示したり、交差点又は経路における特徴的な写真、コマ図等を表示したり、次の交差点までの距離、次の交差点における進行方向等を表示したり、他の案内情報を表示したりするための各種のデータが格納される。なお、前記データ記憶部16には、所定の情報を音声出力部37によって出力するための各種のデータも格納される。
【0019】
ところで、前記交差点データファイルには各交差点に関する交差点データが、ノードデータファイルにはノードに関するノードデータが、道路データファイルには道路に関する道路データがそれぞれ格納され、前記交差点データ、ノードデータ及び道路データによって道路状況が表される。なお、前記ノードデータは、前記地図データファイルに格納された地図データにおける道路の位置及び形状を表す要素であり、道路上の各ノード及び各ノード間を連結するリンクを示すデータから成る。そして、前記道路データによって、道路自体については、幅員、勾配(こうばい)、カント、バンク、路面の状態、道路の車線数、車線数の減少する地点、幅員の狭くなる地点等が、コーナについては、曲率半径、交差点、T字路、コーナの入口等が、道路属性については、踏切、高速道路出口ランプウェイ、高速道路の料金所、降坂路、登坂路、道路種別(国道、一般道路、高速道路等)等がそれぞれ表される。
【0020】
なお、現在位置から目的地までの経路は、前記道路データ、交差点データ、ノードデータ等を使用して検索によって設定したり、入力部34をマニュアル操作することによって設定したりすることができる。そして、前記経路が設定されると、案内道路列、案内交差点、分岐点での進行方法、位置(交差点番号)等の経路に関する経路案内情報が設定されるとともに、該経路案内情報がテーブルとして記録される。
【0021】
したがって、現在位置を追跡することによって、前記テーブルを参照して経路を案内したり、経路上で現在位置の前方における所定距離内の検索を行ったり、案内交差点、分岐点等を読み出したり、案内交差点に関する案内情報(音声データ、交差点拡大図データ等)を作成したりすることができる。
また、前記ナビゲーション処理部17は、ナビゲーション装置14の全体の制御を行うCPU31、該CPU31が制御を行うに当たってワーキングメモリとして使用されるRAM32、及び制御プログラムのほか、目的地までの経路の検索、経路中の走行案内、特定区間の決定等を行うための各種のプログラムが記録された記録媒体としてのROM33から成るとともに、前記ナビゲーション処理部17に、前記入力部34、表示部35、音声入力部36、音声出力部37及び通信部38が接続される。
【0022】
なお、前記データ記憶部16及びROM33は、図示されない磁気コア、半導体メモリ等によって構成される。また、前記データ記憶部16及びROM33に代えて、磁気テープ、磁気ディスク、フロッピーディスク、磁気ドラム、CD、MD、DVD、光ディスク、ICカード、光カード等の各種の記録媒体を使用することもできる。
【0023】
本実施の形態においては、前記ROM33に各種のプログラムが記録され、前記データ記憶部16に各種のデータが格納されるようになっているが、各種のプログラム及び各種のデータを同じ外部の記録媒体に記録することもできる。この場合、例えば、前記ナビゲーション処理部17に図示されないフラッシュメモリを配設し、前記外部の記録媒体から前記プログラム及びデータを読み出してフラッシュメモリに書き込むこともできる。したがって、外部の記録媒体を交換することによって前記プログラム及びデータを更新することができる。また、自動変速機制御装置12の制御プログラム等を併せて前記外部の記録媒体に記録することもできる。このように、各種の記録媒体に記録された各種のプログラムを起動し、各種のデータに基づいて各種の処理を行うことができる。
【0024】
さらに、前記通信部38は、FM送信装置、電話回線等との間で各種のデータの送受信を行うためのものであり、例えば、図示されない情報センサ等によって受信した渋滞等の道路情報、交通事故情報、GPS21の検出誤差を検出するD−GPS情報等の各種のデータを受信する。なお、本発明の機能を実現するためのプログラム及びデータの少なくとも一部を前記通信部38によって受信し、フラッシュメモリ等に格納することもできる。
【0025】
そして、前記入力部34は、走行開始時の位置を修正したり、目的地を入力したりするためのものであり、表示部35と別に配設されたキーボード、マウス、バーコードリーダ、ライトペン、遠隔操作用のリモートコントロール装置等を使用することができる。また、前記入力部34は、表示部35に画像で表示されたキー又はメニューにタッチすることにより、入力を行うタッチパネルによって構成することもできる。
【0026】
そして、前記表示部35には、操作案内、操作メニュー、操作キーの案内、目的地までの経路、走行する経路に沿った案内等が表示される。前記表示部35としては、CRTディスプレイ、液晶ディスプレイ、プラズマディスプレイ、フロントガラスにホログラムを投影するホログラム装置等を使用することができる。そして、音声入力部36は、図示されないマイクロホン等によって構成され、音声によって必要な情報を入力することができるようになっている。さらに、音声出力部37は、それぞれ図示されない音声合成装置及びスピーカを備え、音声合成装置によって合成された音声による案内情報をスピーカから出力する。なお、音声合成装置によって合成された音声のほかに、各種の案内情報をテープに録音しておき、該案内情報をスピーカから出力することもできる。
【0027】
ところで、前記構成の車両制御装置において、自動変速機制御装置12は、ROM46に記録された制御プログラムに従ってシフトアップ又はシフトダウンの変速を行う。
そして、運転者がモード選択部47を操作することによって通常モードが選択されると、前記自動変速機制御装置12は、前記車速センサ44によって検出された車速V、及びスロットル開度センサ45によって検出されたスロットル開度に基づいて、ROM46内の図示されない変速マップを参照し、前記車速V及びスロットル開度に対応する変速段を選択する。
【0028】
また、運転者がモード選択部47を操作することによってナビモードが選択されると、前記ナビゲーション処理部17は、データ記憶部16から所定の道路データを読み出し、変速段の上限値又は下限値を規定するための制御内容を設定するとともに、該制御内容に対応させて制御推奨フラグを自動変速機制御装置12に送信する。そして、自動変速機制御装置12は、前記制御推奨フラグを受信し、図示されないアクセルペダルが緩められたこと等の所定の条件が満たされると、上限の変速段を決定し、該上限の変速段以上で変速を行わないようにする。なお、常時、前記ナビゲーション処理部17によって、ナビモードが選択されたときと同様の処理を行うことができる。
【0029】
次に、ナビモードが選択された場合の前記ナビゲーション処理部17の動作について更に説明する。なお、本実施の形態においては、走行制御としてコーナ制御を行う場合について説明する。
まず、前記CPU31は、現在位置検出部15によって検出された現在位置を読み込むとともに、データ記憶部16の道路データファイルにアクセスし、前記現在位置より前方の位置の道路データを前記道路データファイルから読み出し、制御実施条件が成立しているかどうかを判断する。この場合、前記制御実施条件として、前記道路データが前記道路データファイル内に存在していること、フェール動作が発生していないこと等が設定される。
【0030】
そして、前記制御実施条件が成立すると、前記CPU31は、道路形状判断処理を行い、道路形状を判断する。すなわち、CPU31は、前記現在位置及び前記現在位置より前方の位置の道路データに基づいて、制御リストを作成し、制御用データとして現在位置を含む道路上の所定の範囲(例えば、現在位置から1〜2〔km〕)内の各ノードごとに道路のノード半径を算出する。
【0031】
なお、必要に応じて現在位置から目的地までの経路を検索し、検索した経路上のノードについてノード半径を算出することもできる。この場合、道路データに従って、各ノードの絶対座標、及び前記各ノードに隣接する二つのノードの各絶対座標に基づいて演算処理を行い、前記ノード半径を算出する。また、道路データとしてあらかじめデータ記憶部16にノード半径を、例えば、各ノードに対応させて格納しておき、必要に応じて前記ノード半径を読み出すこともできる。
【0032】
次に、CPU31は、前記所定の範囲内において前記ノード半径が閾(しきい)値より小さいノードが検出されると、コーナ制御を必要とするコーナが有ると判定してコーナ制御を行うための推奨変速段決定処理を開始し、図3の推奨車速マップを参照して、前記ノード半径に対応する推奨車速VR を読み込む。なお、前記推奨車速マップにおいては、ノード半径が小さくなると推奨車速VR が低くされ、ノード半径が大きくなると推奨車速VR が高くされる。次に、ナビゲーション処理部17は現在位置から各ノードまでの道路の勾配を算出する。
【0033】
ところで、本実施の形態においては、車両がコーナに差し掛かると、現在位置からコーナに到達するまでに車速Vが前記推奨車速VR になるような減速が必要であると判断される。そこで、現在位置から所定の範囲内の各ノードのうちノード半径が閾値より小さい特定のノードNdi (i=1、2、…)が選択され、該各ノードNdi について推奨車速VRi(i=1、2、…)が算出され、該推奨車速VRiに基づいて推奨値算出処理が行われ、推奨変速段が推奨値として決定されるようになっている。
【0034】
そのために、CPU31は、各ノードNdi について、現在の変速段を維持することが望ましいと考えられる閾値を表す減速加速度基準値α、及びこれ以上減速加速度(減速の度合い)が大きくなる場合は、変速段を3速以下にすることが望ましいと考えられる閾値を表す減速加速度基準値βを設定する。
前記各減速加速度基準値α、βは、道路の勾配も考慮して設定される。これは、平坦(たん)な道路において減速を行う場合と、登坂路又は降坂路において減速を行う場合とでは、同じ距離を走行させても減速加速度が異なるからである。例えば、登坂路においては、運転者が車両を減速させようとした場合、積極的にシフトダウンの変速を行わなくても十分な減速が行われる。
【0035】
また、前記各減速加速度基準値α、βを、道路の勾配に対応させて複数設定したり、平坦な道路用として1組の減速加速度基準値α、βをあらかじめ設定しておき、道路の勾配に対応させて前記各減速加速度基準値α、βを補正したりすることができる。さらに、車両の総重量を算出し、例えば、乗員が1名である場合と4名である場合とで減速加速度基準値α、βを異ならせることもできる。この場合、車両の総重量は、例えば、特定の出力軸トルクを発生させたときの加速度に基づいて算出される。
【0036】
続いて、CPU31は、現在位置から各ノードNdi までの区間距離Lを算出し、該区間距離L、前記推奨車速VRi及び前記減速加速度基準値αに基づいて、シフトアップの変速が行われるのを禁止するためのホールド制御用減速線Mhを、区間距離L、前記推奨車速VRi及び減速加速度基準値βに基づいて、シフトダウンの変速を許可するための減速線、すなわち、変速許可制御用減速線Msをそれぞれ設定する。この場合、該変速許可制御用減速線Msは、区間距離Lにおいてそれぞれ減速加速度基準値βで減速が行われた場合に、各ノードNdi を推奨車速VRiで走行することができる車速Vの値を示す。
【0037】
ところで、前記現在位置を現在位置検出部15によって検出するようになっているので、検出された現在位置に検出誤差が生じると、検出された現在位置と実際の現在位置とが異なってしまう。その場合、減速加速度基準値βに基づいて前記変速許可制御用減速線Msを一律に設定すると、実際の道路状況に対応したコーナ制御を行うことができなくなってしまう。
【0038】
そこで、前記変速許可制御用減速線Msとは別に現在位置検出部15の検出誤差を考慮に入れた変速許可制御用減速線M1を設定するようにしている。
この場合、該変速許可制御用減速線M1は、現在位置から前記ノードNdi に到達するまでの車速パターンを示す減速線部分ma、及び該減速線部分maに連続させて形成され、各ノードNdi から現在位置に近づく側に延びてノード幅を形成する調整部分mcから成る。本実施の形態において、減速線部分maは、変速許可制御用減速線M1より所定距離分、すなわち、調整部分mc分だけずらすことによって形成される。また、減速線部分maを、変速許可制御用減速線Msより所定速度だけ低い値にすることによって形成することもできる。
【0039】
そして、前記調整部分mcの車速Vは、ノードNdi に対応する推奨車速VRiと等しくされる。なお、前記調整部分mcを、所定のノード幅を持たせて所定の車速パターンで設定することができる。
また、前記調整部分mcを、現在位置検出部15による現在位置の検出精度に応じて変更することもできる。例えば、検出精度が低い場合は、調整部分mcが長くされる。この場合、前記検出精度は、各種センサの検出状態、マッチング状態等の現在位置の検出状態を評価し、評価結果に基づいて設定されるので、後述する第2の判定領域AR2が不必要に広くならない。したがって、実際の道路状況に一層対応した走行制御を行うことができる。
【0040】
そして、ホールド制御用減速線Mhは、前記変速許可制御用減速線M1に対応させて、例えば、変速許可制御用減速線M1より10〔km/h〕だけ低い値にされる。また、ホールド制御用減速線Mhを変速許可制御用減速線M1より所定距離分だけずらすことができる。そして、前記ホールド制御用減速線Mh及び変速許可制御用減速線Ms、M1はコーナ制御が終了するまで固定される。
【0041】
なお、前記ホールド制御用減速線Mh及び変速許可制御用減速線Msは、いずれも演算処理を行うことによって設定することができるだけでなく、演算結果をROM33にマップとして記録しておき、該マップを参照することによって設定することもできる。この場合、ROM33によって図示されない減速線設定手段が構成される。また、前記減速加速度基準値βのほかに、これ以上減速加速度が大きくなる場合は、変速段を2速以下にすることが望ましいと考えられる閾値を表す減速加速度基準値γを設定することもできる。その場合、変速許可制御用減速線Ms、M1のほかに、シフトダウンの変速を許可するための他の減速線が設定される。
【0042】
そして、図4に示されるように、変速許可制御用減速線Msより高速側に、シフトダウンの変速を許容する第1の判定領域AR1が、変速許可制御用減速線Ms、M1間に、現在位置検出部15における現在位置の検出誤差を前提にしてシフトダウンの変速を許容する第2の判定領域AR2が、ホールド制御用減速線Mhと変速許可制御用減速線M1との間にシフトアップの変速を禁止する第3の判定領域AR3が設定される。
【0043】
本実施の形態においては、現在位置検出部15によって検出された現在位置に検出誤差が生じても、車両がノードNdi より調整部分mcの距離分だけ手前に到達したときに、現在の車速Vnow が第1〜第3の判定領域AR1〜AR3のいずれに属するかを判定することが可能になるので、コーナ制御が開始されるのが遅れることはない。
【0044】
続いて、前記減速線設定手段は、現在位置に対応する第1の設定値としてのホールド制御用減速線Mhの値Vh、現在位置に対応する第2の設定値としての変速許可制御用減速線M1の値V1、及び現在位置に対応する第3の設定値としての変速許可制御用減速線Msの値Vsを算出するとともに、現在の車速Vnow を読み込み、該車速Vnow と前記値Vh、V1、Vsとを比較する。
【0045】
そして、車速Vnow が、値Vh以上であり、かつ、値V1より低く、第3の判定領域AR3に属する場合、CPU31の図示されない推奨値算出手段は、変速段の推奨値として、現在の変速段(以下「実変速段」という。)と同じ変速段を算出し、コーナ制御用の制御推奨フラグAを設定(オン)する。このとき、該制御推奨フラグAが設定されることによって、自動変速機制御装置12にホールド制御が行われることが推奨される。なお、ホールド制御が行われると、シフトアップの変速が行われるのが禁止されるので、ハンチングが発生するのを防止することができる。例えば、一旦(いったん)シフトダウンの変速が行われて3速になった後に4速になるのが防止される。
【0046】
また、前記車速Vnow が、値V1以上であり、かつ、値Vsより低く、第2の判定領域AR2に属する場合、前記推奨値算出手段は、変速段の推奨値として、例えば、3速を算出し、コーナ制御用の制御推奨フラグBを設定する。このとき、該制御推奨フラグBが設定されることによって、自動変速機制御装置12に、第1の制御開始条件が成立したときに、実変速段より低い変速段へのシフトダウンの変速が行われることが推奨される。
【0047】
さらに、前記車速Vnow が、値Vs以上であって第1の判定領域AR1に属する場合、前記推奨値算出手段は、変速段の推奨値として、例えば、3速を算出し、コーナ制御用の制御推奨フラグCを設定する。このとき、該制御推奨フラグCが設定されることによって、自動変速機制御装置12に、第2の制御開始条件が成立したときに、実変速段より低い変速段へのシフトダウンの変速が行われることが推奨される。
【0048】
そして、各ノードNdi について推奨値の算出、及び制御推奨フラグA〜Cの設定が行われ、すべてのノードNdi についての推奨値の算出、及び制御推奨フラグA〜Cの設定が終了して制御終了条件が成立すると、前記制御推奨フラグA〜Cに基づいて制御内容が設定され、制御推奨フラグA〜Cは自動変速機制御装置12に送信される。
【0049】
次に、交差点制御判定処理について説明する。
この場合、該交差点制御判定処理を行うに当たり、ナビゲーション装置14において、入力部34が操作されて目的地が設定され、CPU31の経路設定手段120(図1)は、現在位置を追跡し、現在位置に基づいて目的地までの経路を検索して設定し、CPU31の案内手段121は、前記経路設定手段120によって設定された経路に基づいて表示部35、音声出力部37等によって車両を案内するようになっている。
【0050】
そして、CPU31の図示されないパラメータ設定手段は、車両が走行している道路の道路属性についての判定を行い、例えば、道路が高速道路であるかどうかを判断する。道路が高速道路である場合、交差点が無いので、交差点制御が不要であるとし、制御パラメータとしての交差点制御用の制御推奨フラグDをクリア(オフ)する。
【0051】
一方、道路が高速道路でない場合、例えば、一般道路である場合、交差点が有るので、交差点制御が必要であるとし、前記パラメータ設定手段は、現在位置から次のノードまでの距離Sを算出する。そして、該距離Sが基準距離以下であり、かつ、次のノードが経路上における右左折案内交差点である場合、前記パラメータ設定手段は前記制御推奨フラグDを設定する。
【0052】
このように、現在位置から基準距離の範囲内にある交差点について順に右左折案内交差点であるかどうかを判断し、右左折案内交差点である場合、交差点に進入するに当たって推奨される走行動作を反映させて設定された変速段の上限値又は下限値が推奨値として算出される。なお、ここで、前記右左折案内交差点は、現在位置から目的地までの経路において右折又は左折の経路案内が行われる交差点である。
【0053】
また、前記距離Sが基準距離より長い場合、特別な走行動作は不要であるので、前記パラメータ設定手段は制御推奨フラグDをクリアする。そして、該制御推奨フラグDが設定された後、交差点が連続して現れる場合等においてハンチングが発生し、交差点制御が行われなくなるのを防止するために、前記制御推奨フラグDが設定された後の基準距離は変更されて長くされる。
【0054】
このようにして、交差点制御判定処理において、交差点制御用の制御推奨フラグDが設定され、該制御推奨フラグDは自動変速機制御装置12に送信される。続いて、該自動変速機制御装置12の制御手段123は、図示されない制御開始手段によって車速V、スロットル開度、油温等の車両情報を読み込み、CPU31から送信された制御推奨フラグDが設定されているかどうかを判断し、制御推奨フラグDが設定されている場合、図示されない変速パターン変更処理手段によって変速パターン変更処理を行い、ROM46内の図示されない基本の変速マップを交差点制御用の変速マップに変更する。したがって、自動変速機制御装置12内の図示されない変速段決定手段は、前記交差点制御用の変速マップを参照し、車速V、スロットル開度等の走行条件に基づいて交差点制御用の変速段を決定する。
【0055】
その結果、交差点で交差する道路が多い場合、同じような方向に複数の道路が交差している場合、同じ道路種別の道路が交差する場合等においても、経路設定手段120によって経路が案内されるので、車両が進出する可能性の高い道路を特定するのが容易になる。
そして、交差点に車両が進入して進出する場合に、交差点制御用の変速マップを参照し、車速V、スロットル開度等の走行条件に基づいて交差点制御用の変速段を決定することができるので、交差点から車両が進出する道路に対応させて交差点制御を円滑に行うことができる。
【0056】
また、前記制御開始手段の図示されないロックアップ処理手段は、ロックアップ処理を行い、交差点から車両が進出して加速する際に、自動変速機10の図示されないトルクコンバータにおいて行われるロックアップ装置のスリップ制御を禁止し、ロックアップクラッチを完全な解放状態にする。なお、前記スリップ制御は、ロックアップクラッチを所定の半係合状態にする制御である。そして、ロックアップクラッチは、前記トルクコンバータ内のポンプとタービンとの間に配設され、完全な係合状態に置かれると、トルクコンバータにおけるトルク増幅作用が無くなり、完全な解放状態に置かれると、前記トルク増幅作用が発生し、半係合状態に置かれると、前記トルク増幅作用が低減する。したがって、前記トルクコンバータのトルクの増幅度を利用し、加速性を向上させることができる。なお、前記ロックアップ処理において、交差点に車両が進入して減速する際には、燃費を向上させる必要があるので、前記スリップ制御は禁止されない。
【0057】
そして、車両が交差点から進出し、CPU31から送信された制御推奨フラグDがクリアされると、自動変速機制御装置12内の制御手段123は、図示されない制御解除手段よって解除制御処理を行い、前記交差点制御用の変速マップを基本の変速マップに変更する。したがって、前記変速段決定手段は、前記基本の変速マップを参照し、車速V、スロットル開度θ等の走行条件に基づいて通常の変速用の変速段を決定する。
【0058】
また、前記制御解除手段は、交差点から車両が進出して加速する際のスリップ制御の禁止を解除する。
なお、前記自動変速機制御装置12には図示されない上限変速段決定手段が配設され、該上限変速段決定手段は、前記制御推奨フラグA〜Cの判定処理を行い、各制御推奨フラグA〜Cがどのように設定されているかを判定し、各制御推奨フラグA〜Cの設定の組合せに対応させてあらかじめ設定された制御開始条件をROM46から読み出し、コーナ制御の制御開始条件が成立しているかどうかを判断する。
【0059】
そして、前記上限変速段決定手段は、前記制御開始条件が成立している場合、上限の変速段を決定するための値SS に3をセットし、前記制御開始条件が成立していない場合、前記値SS に4をセットする。
このようにして、値SS がセットされると、前記上限変速段決定手段は、前記値SS を上限の変速段として決定する。そして、該上限の変速段と、ナビゲーション装置14を備えない通常の車両制御装置において行われる基本自動変速機制御判断によって決定された上限の変速段とが比較され、両上限の変速段のうち、いずれか低い方の上限の変速段が出力される。
【0060】
その結果、自動変速機制御装置12は、出力された上限の変速段で変速処理を行い、車両を走行させる。そして、道路のノード半径が閾値より大きくなると、コーナ制御が解除され、通常の制御が行われる。
ところで、前記第2の判定領域AR2は、現在位置検出部15による現在位置の検出誤差を考慮して設定されたものであるので、車速Vnow が第2の判定領域AR2に属していると判定されても、必ずしもシフトダウンの変速が必要であるとは限らない。そこで、車速Vnow が第2の判定領域AR2に属していると判定された場合、第1の判定領域AR1に属していると判定された場合より前記制御開始条件が厳しくされる。
【0061】
例えば、車速Vnow が第1の判定領域AR1に属していると判定された場合は、踏み込まれていない図示されないブレーキペダルが踏み込まれてブレーキオフ→オンになると、制御開始条件が成立したと判断されるのに対して、車速Vnow が第2の判定領域AR2に属していると判定された場合は、ブレーキオフ→オンになり、かつ、車両の減速度が設定値より大きいときに制御開始条件が成立したと判断される。したがって、運転者が確実に車両を減速させようとしているときにシフトダウンの変速が許可される。
【0062】
なお、前記減速度は、負の加速度であり、前記車速Vnow を微分することによって算出される。また、前記ブレーキオフ→オンは、ブレーキペダルが踏み込まれ、ブレーキセンサ43がオンになっている状態をいう。
そして、自動変速機制御装置12は、制御推奨フラグDを受信すると、該制御推奨フラグDに対応させてあらかじめ設定された交差点制御を行う。例えば、通常の判定領域に右左折案内交差点が存在する場合、判定領域が右左折案内交差点までに変更される。
【0063】
このように、現在位置検出部15によって検出された現在位置に検出誤差が生じ、検出された現在位置と実際の現在位置とが異なっても、第1の判定領域AR1を拡張して設定された第2の判定領域AR2が形成されるので、現在の車速Vnow が第1、第2の判定領域AR1、AR2のいずれに属するかを判定することが可能になる。
【0064】
したがって、実際の道路状況に対応した走行制御を行うことができる。
次に、前記ナビゲーション装置14の動作を示すフローチャートについて説明する。
図5は本発明の実施の形態におけるナビゲーション装置の動作を示すメインフローチャートである。
ステップS1 現在位置を読み込み、該現在位置より前方の位置の道路データを読み出す。
ステップS2 制御実施条件が成立したかどうか判断する。制御実施条件が成立した場合はステップS3に進み、成立していない場合はリターンする。
ステップS3 コーナ制御判定処理を行う。
ステップS4 交差点制御判定処理を行う。
ステップS5 制御推奨フラグを自動変速機制御装置12(図2)に送信する。
【0065】
次に、図5のステップS3におけるコーナ制御判定処理のサブルーチンについて説明する。
図6は本発明の実施の形態におけるコーナ制御判定処理のサブルーチンを示すフローチャートである。
ステップS3−1 道路形状判断処理を行う。
ステップS3−2 推奨変速段決定処理を行う。
ステップS3−3 制御内容を設定する。
【0066】
次に、図6のステップS3−1における道路形状判断処理のサブルーチンについて説明する。
図7は本発明の実施の形態における道路形状判断処理のサブルーチンを示すフローチャートである。
ステップS3−1−1 制御リストを作成する。
ステップS3−1−2 コーナ制御を必要とするコーナが有ると判定する。
【0067】
次に、図6のステップS3−2における推奨変速段決定処理のサブルーチンについて説明する。
図8は本発明の実施の形態における推奨変速段決定処理のサブルーチンを示すフローチャートである。
ステップS3−2−1 減速線を変更する。
ステップS3−2−2 推奨値算出処理を行う。
ステップS3−2−3 制御終了条件が成立したかどうかを判断する。制御終了条件が成立した場合はリターンし、成立していない場合はステップS3−2−2に戻る。
【0068】
次に、図5のステップS4における交差点制御判定処理のサブルーチンについて説明する。
図9は本発明の実施の形態における交差点制御判定処理のサブルーチンを示すフローチャートである。
ステップS4−1 周辺の道路状況を判断い、道路属性、複数の交差点間の位置関係等をチェックする。
ステップS4−2 推奨動作判定処理を行う。
ステップS4−3 制御内容を設定する。
【0069】
次に、図8のステップS3−2−2における推奨値算出処理のサブルーチンについて説明する。
図10は本発明の実施の形態における推奨値算出処理のサブルーチンを示すフローチャートである。
ステップS3−2−2−1 現在位置から各ノードNdi までの区間距離Lを算出する。
ステップS3−2−2−2 値Vh(図4)、V1、Vsを算出する。
ステップS3−2−2−3 現在の車速Vnow を読み込む。
ステップS3−2−2−4 該車速Vnow が前記値Vh以上であるかどうかを判断する。車速Vnow が値Vh以上である場合はステップS3−2−2−5に、車速Vnow が値Vhより低い場合はリターンする。
ステップS3−2−2−5 前記車速Vnow が前記値V1以上であるかどうかを判断する。車速Vnow が値V1以上である場合はステップS3−2−2−7に、車速Vnow が値V1より低い場合はステップS3−2−2−6に進む。
ステップS3−2−2−6 制御推奨フラグAを設定する。
ステップS3−2−2−7 前記車速Vnow が前記値Vs以上であるかどうかを判断する。車速Vnow が値Vs以上である場合はステップS3−2−2−9に、車速Vnow が値Vsより低い場合はステップS3−2−2−8に進む。
ステップS3−2−2−8 制御推奨フラグBを設定する。
ステップS3−2−2−9 制御推奨フラグCを設定する。
【0070】
次に、図9のステップS4−2における推奨動作判定処理のサブルーチンについて説明する。
図11は本発明の実施の形態における推奨動作判定処理のサブルーチンを示すフローチャートである。
ステップS4−2−1 道路属性の判定を行い、例えば、道路が高速道路であるかどうかを判断する。高速道路である場合はステップS4−2−2に、高速道路でない場合はステップS4−2−3に進む。
ステップS4−2−2 制御推奨フラグDをクリアする。
ステップS4−2−3 前回、制御推奨フラグDが設定されているかどうかを判断する。制御推奨フラグDが設定されている場合はステップS4−2−4に、設定されていない場合はステップS4−2−6に進む。
ステップS4−2−4 後方の所定の範囲内に右左折案内交差点が有るかどうかを判断する。右左折案内交差点が有る場合はリターンし、無い場合はステップS4−2−5に進む。
ステップS4−2−5 基準距離を変更する。
ステップS4−2−6 次のノードを検索する。
ステップS4−2−7 現在位置からノードまでの距離Sを算出する。
ステップS4−2−8 距離Sが基準距離より長いかどうかを判断する。距離Sが基準距離より長い場合はステップS4−2−11に、距離Sが基準距離以下である場合はステップS4−2−9に進む。
ステップS4−2−9 交差点が右左折案内交差点であるかどうかを判断する。右左折案内交差点である場合はステップS4−2−10に進み、右左折案内交差点でない場合はステップS4−2−6に戻る。
ステップS4−2−10 制御推奨フラグDを設定する。
ステップS4−2−11 制御推奨フラグDをクリアする。
【0071】
次に、自動変速機制御装置12(図2)の動作を示すフローチャートについて説明する。
図12は本発明の実施の形態における自動変速機制御装置の動作を示すフローチャートである。
ステップS11 車両情報を読み込む。
ステップS12 制御推奨フラグDが設定されたかどうかを判断する。制御推奨フラグDが設定された場合はステップS14に、設定されていない場合はステップS13に進む。
ステップS13 解除制御処理を行う。
ステップS14 変速パターン変更処理を行う。
ステップS15 ロックアップ処理を行う。
【0072】
なお、本発明は前記実施の形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨に基づいて種々変形させることが可能であり、それらを本発明の範囲から排除するものではない。
【0073】
【発明の効果】
以上詳細に説明したように、本発明によれば、車両制御装置においては、道路データ上の所定の交差点の位置、及び前記道路データ上で推測される現在位置に基づいて、前記所定の交差点について交差点制御を行うようになっている。
そして、前記現在位置を検出する現在位置検出部と、前記道路データに基づいて目的地までの経路を設定する経路設定手段と、該経路設定手段によって設定された経路に基づいて車両を案内する案内手段と、前記現在位置から所定の交差点までの距離が、交差点が連続して現れてもハンチングが発生しないように設定された基準距離以下であり、かつ、前記所定の交差点が経路上の案内交差点である場合に、交差点制御用の変速マップに基づいて変速段を決定し、交差点制御を行う制御手段とを有する。
【0074】
この場合、前記現在位置から所定の交差点までの距離が、交差点が連続して現れてもハンチングが発生しないように設定された基準距離以下であり、かつ、案内された経路上の交差点が右左折案内交差点である場合に、交差点制御用の変速マップに基づいて変速段が決定され、交差点制御が行われる。
したがって、交差点で交差する道路が多い場合、同じ方向に複数の道路が交差している場合、同じ道路種別の道路が交差する場合等においても、案内手段によって車両が案内されるので、車両が進出する可能性の高い道路を特定するのが容易になる。
【0075】
また、交差点に車両が進入して進出する場合に、交差点制御用の変速マップを参照し、車速、スロットル開度等の走行条件に基づいて交差点制御用の変速段を決定することができるので、交差点から車両が進出する道路に対応させて交差点制御を円滑に行うことができる。
そして、交差点から車両が進出する場合に、スリップ制御を禁止することができるので、加速性を向上させることができる。
【0076】
本発明の他の車両制御装置においては、さらに、前記案内交差点が右左折案内交差点である場合に制御パラメータを設定するパラメータ設定手段と、該制御パラメータが設定されたときに、交差点制御を開始する制御開始手段と、前記制御パラメータがクリアされたときに、前記交差点制御を解除する制御解除手段とを有する。
【0077】
この場合、案内された経路上の交差点が右左折案内交差点である場合に、制御パラメータが設定され、交差点制御が開始される。
したがって、交差点で交差する道路が多い場合、同じ方向に複数の道路が交差している場合、同じ道路種別の道路が交差する場合等においても、案内手段によって車両が案内されるので、車両が進出する可能性の高い道路を特定するのが容易になる。
【0078】
また、交差点に車両が進入して進出する場合に、交差点制御用の変速マップを参照し、車速、スロットル開度等の走行条件に基づいて交差点制御用の変速段を決定することができるので、交差点から車両が進出する道路に対応させて交差点制御を円滑に行うことができる。
そして、交差点から車両が進出する場合に、スリップ制御を禁止することができるので、加速性を向上させることができる。
【0079】
本発明の更に他の車両制御装置においては、さらに、前記パラメータ設定手段は、現在位置から次のノードまでの距離が基準距離以下である場合に制御パラメータを設定する。
この場合、現在位置から次のノードまでの距離が基準距離より長い場合に、交差点制御が行われないようにすることができる。
【0080】
本発明の更に他の車両制御装置においては、さらに、前記パラメータ設定手段は、道路属性に基づいて制御パラメータを設定する。
この場合、道路が高速道路等である場合、交差点が無いので、交差点制御を不要にすることができる。
本発明の更に他の車両制御装置においては、さらに、前記制御開始手段は、変速マップを変更する変速パターン変更処理手段を備える。
【0081】
この場合、交差点に車両が進入して進出する場合に、交差点制御用の変速マップを参照し、車速、スロットル開度等の走行条件に基づいて交差点制御用の変速段を決定することができる。
本発明の更に他の車両制御装置においては、さらに、前記制御開始手段は、ロックアップ装置のスリップ制御を禁止するロックアップ処理手段を備える。
【0082】
この場合、交差点から車両が進入して進出する場合に、スリップ制御を禁止することができるので、加速性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態における車両制御装置の機能ブロック図である。
【図2】本発明の実施の形態における車両制御装置の概略図である。
【図3】本発明の実施の形態における推奨車速マップを示す図である。
【図4】本発明の実施の形態における減速線マップを示す図である。
【図5】本発明の実施の形態におけるナビゲーション装置の動作を示すメインフローチャートである。
【図6】本発明の実施の形態におけるコーナ制御判定処理のサブルーチンを示すフローチャートである。
【図7】本発明の実施の形態における道路形状判断処理のサブルーチンを示すフローチャートである。
【図8】本発明の実施の形態における推奨変速段決定処理のサブルーチンを示すフローチャートである。
【図9】本発明の実施の形態における交差点制御判定処理のサブルーチンを示すフローチャートである。
【図10】本発明の実施の形態における推奨値算出処理のサブルーチンを示すフローチャートである。
【図11】本発明の実施の形態における推奨動作判定処理のサブルーチンを示すフローチャートである。
【図12】本発明の実施の形態における自動変速機制御装置の動作を示すフローチャートである。
【符号の説明】
15 現在位置検出部
31 CPU
33、46 ROM
120 経路設定手段
121 案内手段
123 制御手段
Claims (7)
- 道路データ上の所定の交差点の位置、及び前記道路データ上で推測される現在位置に基づいて、前記所定の交差点について交差点制御を行う車両制御装置において、前記現在位置を検出する現在位置検出部と、前記道路データに基づいて目的地までの経路を設定する経路設定手段と、該経路設定手段によって設定された経路に基づいて車両を案内する案内手段と、前記現在位置から所定の交差点までの距離が、交差点が連続して現れてもハンチングが発生しないように設定された基準距離以下であり、かつ、前記所定の交差点が経路上の案内交差点である場合に、交差点制御用の変速マップに基づいて変速段を決定し、交差点制御を行う制御手段とを有することを特徴とする車両制御装置。
- 前記案内交差点が右左折案内交差点である場合に制御パラメータを設定するパラメータ設定手段と、該制御パラメータが設定されたときに、交差点制御を開始する制御開始手段と、前記制御パラメータがクリアされたときに、前記交差点制御を解除する制御解除手段とを有する請求項1に記載の車両制御装置。
- 前記パラメータ設定手段は、現在位置から次のノードまでの距離が基準距離以下である場合に制御パラメータを設定する請求項2に記載の車両制御装置。
- 前記パラメータ設定手段は、道路属性に基づいて制御パラメータを設定する請求項2に記載の車両制御装置。
- 前記制御開始手段は、変速マップを変更する変速パターン変更処理手段を備える請求項2に記載の車両制御装置。
- 前記制御開始手段は、ロックアップ装置のスリップ制御を禁止するロックアップ処理手段を備える請求項2に記載の車両制御装置。
- 道路データ上の所定の交差点の位置、及び前記道路データ上で推測される現在位置に基づいて、前記所定の交差点について交差点制御を行うとともに、前記道路データに基づいて目的地までの経路を設定し、設定された経路に基づいて車両を案内し、前記現在位置から所定の交差点までの距離が、交差点が連続して現れてもハンチングが発生しないように設定された基準距離以下であり、かつ、前記所定の交差点が経路上の案内交差点である場合に、交差点制御用の変速マップに基づいて変速段を決定し、交差点制御を行うことを特徴とする車両制御装置のプログラムを記録した記録媒体。
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