JP3598926B2 - 車両制御装置、車両制御方法及びそのプログラムを記録した記録媒体 - Google Patents
車両制御装置、車両制御方法及びそのプログラムを記録した記録媒体 Download PDFInfo
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、車両制御装置、車両制御方法及びそのプログラムを記録した記録媒体に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、ナビゲーション装置を搭載した車両においては、現在位置検出手段によって検出された車両の現在の位置、すなわち、現在位置、運転者が設定した目的地等に基づいて案内ルートが算出され、算出された案内ルートに従って車両を走行させることができるようになっている。また、ナビゲーション情報及び現在位置に基づいて、車両制御としての走行制御を行うようにした車両制御装置が提供されている。該車両制御装置においては、例えば、車両がコーナに差し掛かかったときに、コーナ制御が行われ、低速側の変速段でコーナを通過したり、車両が交差点に差し掛かかったときに、交差点制御が行われ、低速側の変速段で交差点を通過したりすることができるようになっている。
【0003】
そのために、前記ナビゲーション装置に車両制御システムが設定され、例えば、コーナ制御において、車両がコーナに差し掛かると、ナビゲーション装置のCPUは、コーナを通過するのに推奨される変速段を推奨値として算出し、該推奨値に対応させて制御信号としての制御推奨フラグを自動変速機制御装置に送る。該自動変速機制御装置は、運転者の動作に基づく所定の制御開始条件が満たされるときに、前記推奨値に基づいて上限の変速段を決定する。したがって、該上限の変速段より上の変速段(高速側の変速段、変速比の小さい変速段等)が選択されないようになっている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前記従来の車両制御装置においては、現在位置検出手段の検出誤差、ロジック判定の誤差等があるので、走行制御を正確に行うことができず、運転者に違和感を与えてしまう恐れがある。
【0005】
そこで、現在位置検出手段等の各検出手段の信頼性、及びロジック判定を行う各判定手段の信頼性を表すために、あらかじめ選択された評価項目ごとに自信度を設定し、各自信度の高低、例えば、「1」及び「0」に基づいて、前記制御推奨フラグを自動変速機制御装置に送るための制御信号送信条件が成立するかどうかを判断し、制御信号送信条件が成立する場合に制御推奨フラグを自動変速機制御装置に送り、走行制御を許可し、制御信号送信条件が成立しない場合に制御推奨フラグを自動変速機制御装置に送らず、走行制御を禁止するようにしている。
【0006】
なお、制御信号送信条件は、前記各評価項目のうちのすべての評価項目について自信度が「1」である場合に成立するように設定されるが、あらかじめ設定された任意の数の評価項目について自信度が「1」である場合に成立するように設定することもできる。
【0007】
ところで、前記車両制御システムにおいては、ナビゲーション装置が起動され、車両制御システムが起動されるのに伴って、各評価項目について自信度の初期値は「0」にされる。ところが、自信度が「1」になったかどうかの判断を行うために、例えば、車両の走行実績によって取得されたデータ等に基づいてロジック判定を行う必要がある場合、前記データを取得するまでに長い時間がかかることがある。その場合、車両制御システムを起動してから、各自信度が「0」から「1」になったと判断されるまでの時間、すなわち、制御信号送信条件が成立したかどうかを判断することができるようになるまでに長い時間がかかるので、車両制御システムを起動した直後に車両を発進させた場合、前記時間が経過するまでの間は走行制御が禁止されてしまう。したがって、十分な走行制御を行うことができない。
【0008】
そこで、すべての評価項目について自信度の初期値を「1」にすることが考えられる。ところが、すべての評価項目について自信度の初期値を「1」にすると、現在位置検出手段の検出誤差、ロジック判定の誤差等があるにもかかわらず、走行制御が許可されてしまうので、運転者に違和感を与えることがある。
【0009】
本発明は、前記従来の車両制御装置の問題点を解決して、車両制御システムを起動した直後に車両を発進させても、車両を円滑に走行させることができ、運転者に違和感を与えることがない車両制御装置、車両制御方法及びそのプログラムを記録した記録媒体を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
そのために、本発明の車両制御装置においては、車両制御部と、車両制御を行うための推奨値を算出する推奨値算出処理手段と、評価項目ごとに設定され、各検出手段の信頼性、及びロジック判定を行う各判定手段の信頼性を表す自信度に基づいて、制御信号送信条件が成立するかどうかを判断する制御信号送信条件成立判断処理手段と、制御信号送信条件が成立したときに制御信号を前記車両制御部に送り、車両制御を許可し、制御信号送信条件が成立しない場合に前記制御信号を車両制御部に送らず、車両制御を禁止する車両制御判定処理手段と、前記各自信度の初期値を設定する初期値設定処理手段とを有する。
【0011】
そして、前記各初期値は、自信度を低い値と高い値との間で変更するのに必要な時間が長い評価項目について、自信度を変更した先の値に、自信度を低い値と高い値との間で変更するのに必要な時間が短い評価項目について、自信度を変更する前の値に設定される。
【0012】
本発明の他の車両制御装置においては、さらに、前記各初期値は、自信度を低い値から高い値にするのに必要な時間が長い評価項目について高い値に、自信度を低い値から高い値にするのに必要な時間が短い評価項目について低い値に設定される。
【0013】
本発明の更に他の車両制御装置においては、さらに、前記各初期値は、自信度を高い値から低い値にするのに必要な時間が短い評価項目について高い値に、自信度を高い値から低い値にするのに必要な時間が長い評価項目について低い値に設定される。
【0014】
本発明の更に他の車両制御装置においては、さらに、前記各初期値は、センサ系の評価項目について低い値に、ロジック系の評価項目について高い値に設定される。
【0015】
本発明の車両制御方法においては、車両制御を行うための推奨値を算出し、評価項目ごとに設定され、各検出手段の信頼性、及びロジック判定を行う各判定手段の信頼性を表す自信度に基づいて、制御信号送信条件が成立するかどうかを判断し、制御信号送信条件が成立したときに制御信号を車両制御部に送り、車両制御を許可し、制御信号送信条件が成立しない場合に前記制御信号を車両制御部に送らず、車両制御を禁止する。
【0016】
そして、前記各自信度の初期値が、自信度を低い値と高い値との間で変更するのに必要な時間が長い評価項目について、自信度を変更した先の値に、自信度を低い値と高い値との間で変更するのに必要な時間が短い評価項目について、自信度を変更する前の値に設定される。
【0017】
本発明の記録媒体に記録された車両制御方法のプログラムにおいては、車両制御を行うための推奨値を算出し、評価項目ごとに設定され、各検出手段の信頼性、及びロジック判定を行う各判定手段の信頼性を表す自信度に基づいて、制御信号送信条件が成立するかどうかを判断し、制御信号送信条件が成立したときに制御信号を車両制御部に送り、車両制御を許可し、制御信号送信条件が成立しない場合に前記制御信号を車両制御部に送らず、車両制御を禁止する。
【0018】
そして、前記各自信度の初期値が、自信度を低い値と高い値との間で変更するのに必要な時間が長い評価項目について、自信度を変更した先の値に、自信度を低い値と高い値との間で変更するのに必要な時間が短い評価項目について、自信度を変更する前の値に設定される。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら詳細に説明する。
【0020】
図1は本発明の実施の形態における車両制御装置の機能ブロック図である。
【0021】
図において、12は車両制御部としての自動変速機制御装置、91は車両制御を行うための推奨値を算出する推奨値算出処理手段、92は評価項目ごとに設定され、各検出手段の信頼性、及びロジック判定を行う各判定手段の信頼性を表す自信度に基づいて、制御信号送信条件が成立するかどうかを判断する制御信号送信条件成立判断処理手段、93は制御信号送信条件が成立したときに制御信号を前記自動変速機制御装置12に送り、車両制御を許可し、制御信号送信条件が成立しない場合に前記制御信号を自動変速機制御装置12に送らず、車両制御を禁止する車両制御判定処理手段、94は前記各自信度の初期値を設定する初期値設定処理手段である。前記各初期値は、所定の評価項目について高い値に、残りの評価項目について低い値に設定される。
【0022】
図2は本発明の実施の形態における車両制御装置の概略図である。
【0023】
図において、10は自動変速機(A/T)、11はエンジン(E/G)、12は前記自動変速機10の全体の制御を行う車両制御部としての自動変速機制御装置(CPU)、13は前記エンジン11の全体の制御を行うエンジン制御装置(CPU)、14はナビゲーション装置、31は該ナビゲーション装置14の全体の制御を行うCPUである。なお、エンジン制御装置13によって車両制御部を構成し、スロットル開度、エンジン回転速度等を制御するようにすることもできる。
【0024】
また、41はウインカセンサ、42は運転者によって図示されないアクセルペダルが操作されたことを検出するアクセルセンサ、43は運転者によって図示されないブレーキペダルが操作されたことを検出するブレーキセンサ、44は車速Vを検出する車速センサ、45はスロットル開度を検出するスロットル開度センサ、46は記録媒体としてのROM、47は通常モードとナビモードとを選択するためのモード選択部である。
【0025】
前記ナビゲーション装置14は、現在位置を検出する現在位置検出部15、道路状況データが記録されたデータ記録部16、入力された情報に基づいて、ナビゲーション処理等の各種の演算処理を行うナビゲーション処理部17、入力部34、表示部35、音声入力部36、音声出力部37及び通信部38を有する。
【0026】
そして、前記現在位置検出部15は、GPS21、地磁気センサ22、距離センサ23、ステアリングセンサ24、ビーコンセンサ25、ジャイロセンサ26、図示されない高度計等から成る。なお、ウインカセンサ41、アクセルセンサ42、ブレーキセンサ43、車速センサ44、スロットル開度センサ45、現在位置検出部15等のセンサによって検出手段が構成される。
【0027】
前記GPS21は、人工衛星によって発生させられた電波を受信して、地球上における現在位置を検出し、前記地磁気センサ22は、地磁気を測定することによって車両が向いている方位を検出し、前記距離センサ23は、道路上の所定の地点間の距離等を検出する。前記距離センサ23としては、例えば、図示されない車輪の回転数を測定し、該回転数に基づいて距離を検出するもの、加速度を測定し、該加速度を2回積分して距離を検出するもの等を使用することができる。
【0028】
また、前記ステアリングセンサ24は、舵(だ)角を検出するためのものであり、例えば、図示されないハンドルの回転部に取り付けられた光学的な回転センサ、回転抵抗センサ、車輪に取り付けられた角度センサ等が使用される。
【0029】
そして、前記ビーコンセンサ25は、道路に沿って配設されたビーコンからの位置情報を受信して現在位置を検出する。前記ジャイロセンサ26は、車両の回転角速度を検出するものであり、ガスレートジャイロ、振動ジャイロ等が使用される。そして、前記ジャイロセンサ26によって検出された回転角速度を積分することにより、車両が向いている方位を算出することができる。
【0030】
なお、前記GPS21及びビーコンセンサ25においては、それぞれ単独で現在位置を検出することができるが、距離センサ23の場合は、距離センサ23によって検出された距離と、地磁気センサ22及び前記方位とを組み合わせることにより現在位置が検出される。また、距離センサ23によって検出された距離と、ステアリングセンサ24によって検出された舵角とを組み合わせることによって現在位置を検出することもできる。
【0031】
前記データ記録部16は、地図データファイル、交差点データファイル、ノードデータファイル、道路データファイル、写真データファイル、及び各地域のホテル、ガソリンスタンド、観光地案内等の各主地域ごとの情報が格納されたデータファイルを備える。前記各データファイルには、経路を探索するためのデータのほか、前記表示部35の画面に、探索した経路に沿って案内図を表示したり、交差点又は経路における特徴的な写真、コマ図等を表示したり、次の交差点までの距離、次の交差点における進行方向等を表示したり、他の案内情報を表示したりするための各種のデータが格納される。なお、前記データ記録部16には、所定の情報を音声出力部37によって出力するための各種のデータも格納される。
【0032】
ところで、前記交差点データファイルには各交差点に関する交差点データが、ノードデータファイルにはノードに関するノードデータが、道路データファイルには道路に関する道路データがそれぞれ格納され、前記交差点データ、ノードデータ及び道路データによって道路状況データが表される。なお、前記ノードデータは、前記地図データファイルに格納された地図データにおける道路の位置及び形状を表す要素であり、道路上の各ノード、及び該各ノード間を連結するリンクを示すデータから成る。そして、前記道路データによって、道路自体については、幅員、勾(こう)配、カント、バンク、路面の状態、道路の車線数、車線数の減少する地点、幅員の狭くなる地点等が、コーナについては、曲率半径、交差点、T字路、コーナの入口等が、道路属性については、踏切、高速道路出口ランプウェイ、高速道路の料金所、降坂路、登坂路、道路種別(国道、一般道、高速道等)等がそれぞれ表される。
【0033】
また、前記ナビゲーション処理部17は、前記CPU31、該CPU31が各種の演算処理を行うに当たってワーキングメモリとして使用されるRAM32、及び制御プログラムのほか、目的地までの経路の探索、経路中の走行案内、特定区間の決定等を行うための各種のプログラムが記録された記録媒体としてのROM33から成るとともに、前記ナビゲーション処理部17に、前記入力部34、表示部35、音声入力部36、音声出力部37及び通信部38が接続される。
【0034】
なお、前記データ記録部16及びROM33、46は、図示されない磁気コア、半導体メモリ等によって構成される。また、前記データ記録部16及びROM33、46に代えて、磁気テープ、磁気ディスク、フロッピーディスク、磁気ドラム、CD、MD、DVD、光ディスク、ICカード、光カード等の各種の記録媒体を使用することもできる。
【0035】
本実施の形態においては、前記ROM33、46に各種のプログラムが記録され、前記データ記録部16に各種のデータが記録されるようになっているが、各種のプログラム及び各種のデータを同じ外部の記録媒体に記録することもできる。この場合、例えば、前記ナビゲーション処理部17に図示されないフラッシュメモリを配設し、前記外部の記録媒体から前記プログラム及びデータを読み出してフラッシュメモリに書き込むこともできる。したがって、外部の記録媒体を交換することによって前記プログラム及びデータを更新することができる。また、自動変速機制御装置12の制御プログラム等を併せて前記外部の記録媒体に記録することもできる。このように、各種の記録媒体に記録されたプログラムを起動し、所定のデータに基づいて各種の処理を行うことができる。
【0036】
さらに、前記通信部38は、FM送信装置、電話回線等との間で各種のデータの送受信を行うためのものであり、例えば、図示されない情報センサ等によって受信した渋滞等の道路情報、交通事故情報、GPS21の検出誤差を検出するD−GPS情報等の各種のデータを受信する。なお、本発明の機能を実現するためのプログラム及びデータの少なくとも一部を前記通信部38によって受信し、フラッシュメモリ等に記録することもできる。
【0037】
そして、前記入力部34は、車両の走行を開始した時の現在位置を修正したり、目的地を入力したりするためのものであり、表示部35と別に配設されたキーボード、マウス、バーコードリーダ、ライトペン、遠隔操作用のリモートコントロール装置等を使用することができる。また、前記入力部34を、表示部35に画像で表示されたキー又はメニューにタッチすることによって入力を行うタッチパネルにより構成することもできる。
【0038】
そして、前記表示部35には、操作案内、操作メニュー、操作キーの案内、目的地までの経路、走行する経路に沿った案内等が表示される。前記表示部35としては、CRTディスプレイ、液晶ディスプレイ、プラズマディスプレイ、フロントガラスにホログラムを投影するホログラム装置等を使用することができる。
【0039】
そして、音声入力部36は、図示されないマイクロホン等によって構成され、音声によって必要な情報を入力することができるようになっている。さらに、音声出力部37は、それぞれ図示されない音声合成装置及びスピーカを備え、音声合成装置によって合成された音声による案内情報をスピーカから出力する。なお、音声合成装置によって合成された音声のほかに、各種の案内情報をテープに録音しておき、該案内情報をスピーカから出力することもできる。
【0040】
ところで、前記構成の車両制御装置において、自動変速機制御装置12は、ROM46に記録された制御プログラムに従ってシフトアップ又はシフトダウンの変速を行う。
【0041】
そして、運転者がモード選択部47を操作することによって通常モードが選択されると、前記自動変速機制御装置12の図示されない変速処理手段は、前記車速センサ44によって検出された車速V、及びスロットル開度センサ45によって検出されたスロットル開度に基づいて、ROM46内の図示されない変速マップを参照し、前記車速V及びスロットル開度に対応する変速段を選択する。
【0042】
また、運転者がモード選択部47を操作することによってナビモードが選択されると、車両制御装置は、所定の情報、例えば、ナビゲーション情報としての道路状況データに対応させて車両制御としての走行制御を行う。そして、前記ナビゲーション処理部17は、データ記録部16から所定の道路状況データを読み出し、該道路状況データに従って変速段を制限するための制御内容を設定するとともに、該制御内容に対応させて制御信号としての制御推奨フラグを自動変速機制御装置12に送る。自動変速機制御装置12は、前記制御推奨フラグを受信し、アクセルペダルが緩められたこと等の所定の条件が満たされると、上限の変速段を決定し、該上限の変速段以上で変速を行わないようにする。本実施の形態においては、ナビモードが選択されたときに走行制御が行われるようになっているが、走行制御を常時行うことができる。
【0043】
また、前記走行制御として、コーナが連続する場合に、走行フィーリングが低下するのを防止するためのワインディング制御を行ったり、車両が交差点に差し掛かると想定され、かつ、運転者の動作に基づく所定の条件が満たされる場合に、交差点制御を行ったりすることもできる。
【0044】
次に、走行制御として主としてコーナ制御を行う場合の前記車両制御装置の動作について説明する。
【0045】
図3は本発明の実施の形態における走行制御のメインフローチャートを示す図、図4は本発明の実施の形態における自信度の初期値マップを示す図である。
【0046】
まず、ナビゲーション装置14(図2)が起動され、車両制御システムが起動されるのに伴って、CPU31の初期値設定処理手段94(図1)は、初期値設定処理を行い、初期値を設定する。この場合、各検出手段の信頼性、及び前記CPU31内においてロジック判定を行う図示されない各判定手段の信頼性を表すために、あらかじめ選択された評価項目ごとに自信度が設定され、各自信度の高低、例えば、高い値としての「1」及び低い値としての「0」が初期値としてあらかじめ設定され、図4に示される初期値マップとしてROM33にあらかじめ記録される。そして、前記初期値設定処理手段94は、前記初期値マップを参照して、各自信度の初期値を読み出し、RAM32に記録する。
【0047】
続いて、前記CPU31は、現在位置検出部15によって検出された現在位置を読み込むとともに、データ記録部16の道路データファイルにアクセスし、前記現在位置より前方の位置の道路データを前記道路データファイルから読み出して、RAM32に制御用データとして記録する。そして、前記CPU31は、走行制御を行うための制御実施条件が成立したかどうかを判断する。この場合、前記制御実施条件として、前記道路データが前記道路データファイル内に存在していること、フェール動作が発生していないこと等が設定される。
【0048】
そして、前記制御実施条件が成立すると、前記CPU31の図示されないコーナ制御判断処理手段は、コーナ制御判断処理を行い、コーナ制御を行うかどうかを判断するとともに、CPU31の図示されない交差点制御判断処理手段は、交差点制御判断処理を行い、交差点制御を行うかどうかを判断する。
【0049】
そして、コーナ制御及び交差点制御のうちの少なくとも一方を行うと判断されると、CPU31は、コーナ制御の制御内容及び交差点制御において設定された制御内容に従って制御信号としての制御推奨フラグA〜Dを自動変速機制御装置12に送る。
【0050】
ところで、前記初期値設定処理において、第1の評価項目としての現在位置を検出するGPS21の信頼性を表すために第1の自信度c1が設定され、第2の評価項目としての車両の回転角速度を検出するジャイロセンサ26の信頼性を表すために第2の自信度c2が設定され、第3の評価項目としての、車両が走行した軌跡と前記制御用データとが一致(マップマッチング)するかどうかのロジック判定を行う判定手段の信頼性を表すために第3の自信度c3が設定される。
【0051】
また、第4の評価項目としての、分岐点等に到達したり、車両が経路から外れたりした場合に新規の制御用データを形成したときの、車両が走行した軌跡と前記新規の制御用データとが一致するかどうかのロジック判定を行う判定手段の信頼性を表すために第4の自信度c4が設定され、第5の評価項目としての、制御用データの道路に隣接する道路が存在するかどうかのロジック判定を行う判定手段の信頼性を表すために第5の自信度c5が設定される。
【0052】
そして、前記CPU31の制御信号送信条件成立判断手段92は、各第1〜第5の自信度c1〜c5が「1」であるか「0」であるかを判断することによって、前記制御推奨フラグA〜Dを自動変速機制御装置12に送るための制御信号送信条件が成立するかどうかを判断し、制御信号送信条件が成立する場合、CPU31の車両制御判定処理手段93は、制御推奨フラグA〜Dをオンにして自動変速機制御装置12に送り、走行制御を許可し、制御信号送信条件が成立しない場合、前記車両制御判定処理手段93は、制御推奨フラグA〜Dをオフにして自動変速機制御装置12に送らず、走行制御を禁止する。
【0053】
本実施の形態において、前記制御信号送信条件は、前記各第1〜第5の評価項目のうちのすべての項目について自信度が「1」である場合に成立するように設定されるが、あらかじめ設定された任意の数の項目について自信度が「1」である場合に成立するように設定することもできる。
【0054】
ところで、第1の評価項目において、前記GPS21の信頼性は、例えば、三次元測位を行っているかどうか、3個以上の人工衛星から受信を行いながら、道路データに基づいて屈曲半径、曲り判定等を行うことによって現在位置を修正したかどうか、又は人工衛星からの受信を行うことなく、設定された距離だけ車両が走行したかどうかによって評価される。そして、三次元測位を行っている場合、又は3個以上の人工衛星から受信を行いながら、道路データに基づいて屈曲半径、曲り判定等を行うことによって現在位置を修正した場合に、第1の自信度c1が「0」から「1」にされ、人工衛星からの受信を行うことなく、設定された距離だけ車両が走行した場合に、第1の自信度c1が「1」から「0」にされる。
【0055】
この場合、GPS21によって現在位置を検出するのに必要な時間は短いので、第1の自信度c1を「0」から「1」にするのに必要な時間を短くすることができる。そこで、第1の自信度c1の初期値を「0」とする。
【0056】
次に、第2の評価項目において、前記ジャイロセンサ26の信頼性は、車両の回転角速度が0であるかどうか、すなわち、0〜5〔V〕のうちのセンター値(2.5〔V〕)が出力されたかどうかによって評価される。そして、センター値が出力されると、第2の自信度c2が「0」から「1」にされる。
【0057】
この場合、ジャイロセンサ26によって車両の回転角速度を検出するのに必要な時間は短いので、第2の自信度c2を「0」から「1」にするのに必要な時間を短くすることができる。そこで、第2の自信度c2の初期値を「0」とする。
【0058】
なお、ジャイロセンサ26によって検出された車両の回転角速度を積分することによって、車両の方位が算出され、該車両の方位と、前記距離センサ23によって検出された距離とを組み合わせることによって現在位置が検出される。したがって、ジャイロセンサ26は、現在位置を検出するに当たり、GPS21に対して補助的に配設されるものであるので、一旦(いったん)「0」から「1」にされた第2の自信度c2を、「1」から「0」にする必要はない。
【0059】
次に、第3の評価項目において、車両が走行した軌跡と前記制御用データとが一致するかどうかのロジック判定を行う判定手段の信頼性は、制御用データ上に現在位置が復帰した状態で、道路データに基づいて屈曲半径、曲り判定等を行うことによって現在位置を修正したかどうか、及び制御用データ上から現在位置が逸脱したかどうかによって評価される。そして、制御用データ上に現在位置が復帰した状態で、道路データに基づいて屈曲半径、曲り判定等を行うことによって現在位置を修正した場合に、第3の自信度c3が「0」から「1」にされ、制御用データ上から現在位置が逸脱した場合に、第3の自信度c3が「1」から「0」にされる。
【0060】
この場合、車両が走行した軌跡と前記制御用データとが一致するかどうかのロジック判定を行うのに必要な時間は長いので、第3の自信度c3を「0」から「1」にするのに必要な時間が長くなる。ところが、第3の自信度c3を「1」から「0」にするには、制御用データ上から現在位置が逸脱したことを検出する必要があるだけであるので、ロジック判定を行うのに必要な時間は短くなる。しかも、初期値を「1」に設定しても判定手段の信頼性は確保される。そこで、第3の自信度c3の初期値を「1」とする。
【0061】
次に、第4の評価項目において、新規の制御用データを形成したときの、車両が走行した軌跡と前記新規の制御用データとが一致するかどうかのロジック判定を行う判定手段の信頼性は、新規の制御用データ上に現在位置が復帰した状態で、道路データに基づいて屈曲半径、曲り判定等を行うことによって現在位置を修正したかどうか、及び制御用データの切替えが行われ、新規の制御用データを形成したかどうかによって評価される。そして、新規の制御用データ上に現在位置が復帰した状態で、道路データに基づいて屈曲半径、曲り判定等を行うことによって現在位置を修正した場合に、第4の自信度c4が「0」から「1」にされ、制御用データの切替えが行われ、新規の制御用データを形成した場合に、第4の自信度c4が「1」から「0」にされる。
【0062】
この場合、新規の制御用データを形成するために、車両の走行実績によって取得されたデータ等が必要になるので、第4の自信度c4を「0」から「1」にするのに必要な時間が長くなってしまう。そこで、第4の自信度c4の初期値を「1」とする。
【0063】
次に、第5の評価項目において、制御用データの道路に隣接する道路が存在するかどうかのロジック判定を行う判定手段の信頼性は、現在位置を中心として設定された半径以内に制御用データ以外の道路が存在していることを第1の評価条件とし、前記道路の方位と現在位置に最も近いノードのリンク角との差が±15〔°〕未満であることを第2の評価条件とし、前記制御用データ以外の道路にマッチング候補が発生していることを第3の評価条件としたとき、第1〜第3の評価条件が成立しないまま車両が設定された距離以上走行したかどうか、及び第1〜第3の評価条件が成立したまま車両が設定された距離以上走行したかどうかによって評価される。そして、第1〜第3の評価条件が成立しないまま車両が設定された距離以上走行した場合に、第5の自信度c5が「0」から「1」にされ、第1〜第3の評価条件が成立したまま車両が設定された距離以上走行した場合に、第5の自信度c5が「1」から「0」にされる。
【0064】
この場合、第1〜第3の評価条件が成立するかどうかを判断する必要があるので、第5の自信度c5を「0」から「1」にしたり、「1」から「0」にしたりするのに必要な時間が長くなってしまう。そこで、第5の自信度c5の初期値を「1」とする。
【0065】
このように、自信度を「0」から「1」にするのに必要な時間が短い評価項目、例えば、センサ系の評価項目については、自信度の初期値を「0」にし、自信度を「0」から「1」にするのに必要な時間が長い評価項目、例えば、ロジック系の評価項目については、自信度の初期値を「1」にするようになっているので、車両制御システムを起動してから、制御信号送信条件が成立したかどうかを判断することができるようになるまでの時間を短くすることができる。したがって、車両制御システムを起動した直後に車両を発進させた場合、前記時間が経過するのを待つことなく、運転者に違和感を与えない範囲で走行制御を行うことができるので、車両を円滑に走行させることができる。
【0066】
また、GPS21、ジャイロセンサ26等の検出誤差、ロジック判定を行う判定手段の誤差等があるにもかかわらず、走行制御が許可されてしまうことがないので、運転者に違和感を与えることがない。
【0067】
次に、フローチャートについて説明する。
ステップS1 初期値設定処理を行う。
ステップS2 現在位置を読み込み、該現在位置より前方の位置の道路データを記録する。
ステップS3 制御実施条件が成立したかどうかを判断する。制御実施条件が成立した場合はステップS4に進み、成立していない場合はリターンする。
ステップS4 コーナ制御判断処理を行う。
ステップS5 交差点制御判断処理を行う。
ステップS6 制御推奨フラグA〜Dを自動変速機制御装置12に送る。
【0068】
次に、図3のステップS4におけるコーナ制御判断処理のサブルーチンについて説明する。
【0069】
図5は本発明の実施の形態におけるコーナ制御判断処理のサブルーチンを示す図、図6は本発明の実施の形態における道路形状判断処理のサブルーチンを示す図、図7は本発明の実施の形態における推奨変速段決定処理のサブルーチンを示す図、図8は本発明の実施の形態における推奨値算出処理のサブルーチンを示す図、図9は本発明の実施の形態における推奨車速マップを示す図、図10は本発明の実施の形態における減速線図である。なお、図9において、横軸にノード半径を、縦軸に推奨車速VR を、図10において、横軸に車両の位置を、縦軸に車速Vを採ってある。
【0070】
まず、CPU31(図2)の図示されない道路形状判断処理手段は、道路形状判断処理を行い、道路形状を判断する。すなわち、道路形状判断処理手段は、前記現在位置、及び現在位置より前方の位置の道路データに基づいて、制御リストを作成し、現在位置を含む道路上の所定の範囲(例えば、現在位置から1〜2〔km〕)内の各ノードごとに道路のノード半径を算出する。
【0071】
なお、必要に応じて現在位置から目的地までの経路を探索し、探索した経路上のノードについてノード半径を算出することもできる。この場合、道路データに従って、各ノードの絶対座標、及び前記各ノードに隣接する二つのノードの各絶対座標に基づいて演算を行い、前記ノード半径を算出する。また、道路データとしてあらかじめデータ記録部16にノード半径を、例えば、各ノードに対応させて記録しておき、必要に応じて前記ノード半径を読み出すこともできる。
【0072】
次に、前記道路形状判断処理手段は、前記所定の範囲内において前記ノード半径が閾(しきい)値RTHより小さいノードが検出されると、コーナ制御を必要とするコーナが有ると判断する。そして、CPU31は現在位置から各ノードまでの道路の勾配を算出する。
【0073】
ところで、本実施の形態においては、車両がコーナに差し掛かると、現在位置からコーナに到達するまでに車速Vが推奨車速VR になるような減速が必要であると判断される。そこで、前記CPU31の図示されない推奨変速段決定処理手段は、推奨変速段決定処理を行い、前記所定の範囲内の各ノードのうちノード半径が閾値RTHより小さい特定のノードNdi (i=1、2、…)を選択し、図9の推奨車速マップを参照して、該各ノードNdi について推奨車速VRi(i=1、2、…)を算出し、該推奨車速VRiに基づいて推奨変速段を決定する。なお、前記推奨車速マップにおいては、ノード半径が小さくなると推奨車速VR が低くされ、ノード半径が大きくなると推奨車速VR が高くされる。
【0074】
そのために、各ノードNdi について、現在の変速段を維持することが望ましいと考えられる閾値を表す減速加速度基準値α、及びこれ以上減速加速度(減速の度合い)が大きくなる場合は、変速段を3速以下にすることが望ましいと考えられる閾値を表す減速加速度基準値βが設定される。各減速加速度基準値α、βは、道路の勾配も考慮して設定される。これは、平坦(たん)な道路において減速を行う場合と、登坂路又は降坂路において減速を行う場合とでは、同じ距離を走行させても減速加速度が異なるからである。例えば、登坂路において、運転者が車両を減速させようとした場合、積極的にシフトダウンの変速を行わなくても十分な減速を行うことができる。
【0075】
なお、前記各減速加速度基準値α、βを、道路の勾配に対応させて複数設定することもできる。そして、平坦な道路用として1組の減速加速度基準値α、βをあらかじめ設定しておき、道路の勾配に対応させて前記各減速加速度基準値α、βを補正することもできる。さらに、車両の総重量を算出し、例えば、乗員が1名である場合と4名である場合とで減速加速度基準値α、βを異ならせることもできる。この場合、車両の総重量は、例えば、特定の出力軸トルクを発生させたときの加速度に基づいて算出することができる。
【0076】
そして、CPU31の図示されない減速線設定処理手段は、現在位置から各ノードNdi までの区間距離Lを算出するとともに、該区間距離L、前記推奨車速VR 及び前記減速加速度基準値αに基づいて、シフトアップの変速が行われるのを禁止するための減速線、すなわち、ホールド制御用減速線Mhを、前記区間距離L、前記推奨車速VR 及び減速加速度基準値βに基づいて、シフトダウンの変速を許可するための減速線、すなわち、変速許可制御用減速線Msをそれぞれ設定する。この場合、該変速許可制御用減速線Msは、区間距離Lにおいて減速加速度基準値βで減速が行われた場合に、各ノードNdi を推奨車速VRiで走行することができる車速Vの値を示す。
【0077】
ところで、前記現在位置を現在位置検出部15によって検出するようになっているので、現在位置検出部15の検出誤差が生じると、検出された現在位置と実際の現在位置とが異なってしまう。その場合、減速加速度基準値βに基づいて前記変速許可制御用減速線Msを一律に設定すると、実際の道路状況に対応したコーナ制御を行うことができなくなってしまう。
【0078】
そこで、前記変速許可制御用減速線Msとは別に、現在位置検出部15の検出誤差を考慮に入れた変速許可制御用減速線M1を設定するようにしている。
【0079】
この場合、該変速許可制御用減速線M1は、現在位置から前記ノードNdi に到達するまでの車速パターンを示す減速線部分ma、及び該減速線部分maに連続させて形成され、各ノードNdi から現在位置に近づく側に延びてノード幅を形成する調整部分mcから成る。本実施の形態において、減速線部分maは、変速許可制御用減速線Msより所定距離だけ、すなわち、調整部分mcだけずらすことによって形成される。なお、前記減速線部分maを、変速許可制御用減速線Msより所定速度だけ低い値にすることによって形成することもできる。
【0080】
そして、前記調整部分mcの車速は、ノードNdi に対応する推奨車速VRiと等しく設定される。なお、前記調整部分mcを、所定の幅を持たせて所定の車速パターンで設定することができる。
【0081】
また、前記調整部分mcを、現在位置検出部15による現在位置の検出精度に対応させて変更することもできる。例えば、検出精度が低い場合は、調整部分mcが長く設定される。この場合、前記検出精度は、各種センサの検出状態、マッチング状態等の現在位置検出状態を評価し、評価結果に基づいて設定されるので、後述される第2の判定領域AR2が不必要に広くならない。したがって、実際の道路状況に一層対応したコーナ制御を行うことができる。
【0082】
そして、ホールド制御用減速線Mhは、前記変速許可制御用減速線M1に対応させて、例えば、変速許可制御用減速線M1より10〔km/h〕だけ低い値にされる。また、ホールド制御用減速線Mhを変速許可制御用減速線M1より所定距離だけずらすこともできる。そして、前記ホールド制御用減速線Mh及び変速許可制御用減速線Ms、M1はコーナ制御が終了するまで固定される。
【0083】
なお、前記ホールド制御用減速線Mh及び変速許可制御用減速線Ms、M1は、いずれも演算によって設定することができるだけでなく、演算結果をROM33にマップとして記録しておき、該マップを参照することによって設定することもできる。この場合、ROM33によって減速線設定手段が構成される。また、前記減速加速度基準値βのほかに、これ以上減速加速度が大きくなる場合は、変速段を2速以下にすることが望ましいと考えられる閾値を表す減速加速度基準値γを設定することもできる。その場合、変速許可制御用減速線Ms、M1のほかに、シフトダウンの変速を許可するための他の減速線を設定することもできる。
【0084】
そして、図10に示されるように、変速許可制御用減速線Msより高速側に、シフトダウンの変速を許可するための第1の判定領域AR1が、変速許可制御用減速線Ms、M1間に、現在位置検出部15の検出誤差を前提にしてシフトダウンの変速を許可するための第2の判定領域AR2が、ホールド制御用減速線Mhと変速許可制御用減速線M1との間にシフトアップの変速を禁止するための第3の判定領域AR3がそれぞれ形成される。
【0085】
本実施の形態においては、現在位置検出部15の検出誤差が生じても、車両がノードNdi より調整部分mcの距離だけ手前に到達したときに、現在の車速Vnow が第1〜第3の判定領域AR1〜AR3のいずれに属するかを判定することができるので、コーナ制御の開始が遅れることはない。
【0086】
続いて、前記推奨値算出処理手段91(図1)は、推奨値算出処理を行い、区間距離Lを算出するとともに、現在位置に対応する第1の設定値としてのホールド制御用減速線Mhの値Vh、現在位置に対応する第2の設定値としての変速許可制御用減速線M1の値V1、及び現在位置に対応する第3の設定値としての変速許可制御用減速線Msの値Vsを算出する。また、前記推奨値算出処理手段91は、現在の車速Vnow を読み込み、該現在の車速Vnow と前記値Vh、V1、Vsとを比較する。
【0087】
そして、現在の車速Vnow が、値Vh以上であり、かつ、値V1より低く、第3の判定領域AR3に属する場合、推奨値算出処理手段91は、推奨値として、現在の変速段(以下「実変速段」という。)と同じ変速段を算出し、該変速段を推奨変速段として決定するとともに、コーナ制御用の制御推奨フラグAを設定(オンに)する。このとき、該制御推奨フラグAが設定されることによって、自動変速機制御装置12に対してホールド制御が行われることが推奨される。なお、ホールド制御が行われると、シフトアップの変速が禁止されるので、ハンチングが発生するのを防止することができる。例えば、一旦シフトダウンの変速が行われて3速になった後に4速になるのが防止される。
【0088】
また、前記現在の車速Vnow が、値V1以上であり、かつ、値Vsより低く、第2の判定領域AR2に属する場合、前記推奨値算出処理手段91は、推奨値として、例えば、3速を算出し、3速を推奨変速段として決定するとともに、コーナ制御用の制御推奨フラグBを設定する。このとき、該制御推奨フラグBが設定されることによって、自動変速機制御装置12に対して実変速段より低い変速段へのシフトダウンの変速が推奨される。
【0089】
さらに、前記現在の車速Vnow が、値Vs以上であって第1の判定領域AR1に属する場合、前記推奨値算出処理手段91は、推奨値として、例えば、2速を算出し、2速を推奨変速段として決定するとともに、コーナ制御用の制御推奨フラグCを設定する。このとき、該制御推奨フラグCが設定されることによって、自動変速機制御装置12に対して実変速段より低い変速段へのシフトダウンの変速が推奨される。
【0090】
そして、すべてのノードNdi についての推奨値の算出、及び制御推奨フラグA〜Cの設定が終了して制御終了条件が成立すると、前記コーナ制御判断処理手段は、前記制御推奨フラグA〜Cを制御内容として設定する。
【0091】
次に、図5のフローチャートについて説明する。
ステップS4−1 道路形状判断処理を行う。
ステップS4−2 推奨変速段決定処理を行う。
ステップS4−3 制御内容を設定し、リターンする。
【0092】
次に、図6のフローチャートについて説明する。
ステップS4−1−1 制御リストを作成する。
ステップS4−1−2 コーナ制御を必要とするコーナが有ると判断し、リターンする。
【0093】
次に、図7のフローチャートについて説明する。
ステップS4−2−1 減速線を設定する。
ステップS4−2−2 推奨値算出処理を行う。
ステップS4−2−3 制御終了条件が成立したかどうかを判断する。制御終了条件が成立した場合はリターンし、成立していない場合はステップS4−2−2に戻る。
【0094】
次に、図8のフローチャートについて説明する。
ステップS4−2−2−1 現在位置から各ノードNdi までの区間距離Lを算出する。
ステップS4−2−2−2 値Vh、V1、Vsを算出する。
ステップS4−2−2−3 現在の車速Vnow を読み込む。
ステップS4−2−2−4 該現在の車速Vnow が前記値Vh以上であるかどうかを判断する。現在の車速Vnow が値Vh以上である場合はステップS4−2−2−5に、現在の車速Vnow が値Vhより低い場合はリターンする。
ステップS4−2−2−5 前記現在の車速Vnow が前記値V1以上であるかどうかを判断する。現在の車速Vnow が値V1以上である場合はステップS4−2−2−7に、現在の車速Vnow が値V1より低い場合はステップS4−2−2−6に進む。
ステップS4−2−2−6 制御推奨フラグAを設定し、リターンする。
ステップS4−2−2−7 前記現在の車速Vnow が前記値Vs以上であるかどうかを判断する。現在の車速Vnow が値Vs以上である場合はステップS4−2−2−9に、現在の車速Vnow が値Vsより低い場合はステップS4−2−2−8に進む。
ステップS4−2−2−8 制御推奨フラグBを設定し、リターンする。
ステップS4−2−2−9 制御推奨フラグCを設定し、リターンする。
【0095】
次に、図3のステップS5における交差点制御判断処理のサブルーチンについて説明する。
【0096】
図11は本発明の実施の形態における交差点制御判断処理のサブルーチンを示すフローチャートである。
【0097】
CPU31(図2)の図示されない交差点制御判断処理手段は、交差点制御判断処理を行い、周辺の道路状況を判断し、道路属性、複数の交差点間の位置関係等をチェックする。そして、交差点を通過する際の推奨値又は推奨される動作が算出され、算出結果に基づいて制御内容が設定され、該制御内容に従って交差点制御用の制御推奨フラグDが設定される。
【0098】
次に、図11のフローチャートについて説明する。
ステップS5−1 周辺の道路状況を判断する。
ステップS5−2 推奨値又は推奨される動作を算出する。
ステップS5−3 制御内容を設定し、リターンする。
【0099】
次に、自動変速機制御装置12の動作について説明する。
【0100】
図12は本発明の実施の形態における自動変速機制御装置の動作を示すメインフローチャート、図13は本発明の実施の形態における協調制御判断処理のサブルーチンを示す図、図14は本発明の実施の形態における上限変速段決定処理のサブルーチンを示す図である。
【0101】
自動変速機制御装置12(図2)は、アクセルセンサ42の検出信号、ブレーキセンサ43の検出信号、車速センサ44によって検出された車速V、スロットル開度センサ45によって検出されたスロットル開度等の車両情報を読み込む。続いて、自動変速機制御装置12の図示されない基本自動変速機制御判断処理手段は、基本自動変速機制御判断処理を行い、ROM46に記録された図示されない基本の変速マップを参照し、前記車速V及びスロットル開度に対応する変速段を決定する。
【0102】
続いて、自動変速機制御装置12は、協調制御条件が成立したかどうかを判断する。この場合、協調制御条件が成立したかどうかは、車両が走行制御を行うのに適した状態にあるかどうかによって判断する。例えば、水温、油温、各種のセンサの検出信号等が正常な範囲内にあること、ナビゲーション装置14との間において通信が正常に行われていること、ナビゲーション装置14から受信したデータが正常であること等が協調制御条件として採用される。また、オーバードライブ走行を選択するためのオーバードライブスイッチがオンになっていること、雪道走行用の変速パターンを選択するためのセレクトスイッチがオンになっていること等を協調制御条件として採用することもできる。そして、前記協調制御条件が成立すると、前記自動変速機制御装置12は、ナビゲーション装置14から制御推奨フラグA〜Dを受ける。
【0103】
続いて、前記自動変速機制御装置12の図示されない協調制御判断処理手段は、協調制御判断処理を行い、前記制御推奨フラグA〜Dのうちの少なくとも一つの制御推奨フラグが設定されているかどうかを判断し、少なくとも一つの制御推奨フラグが設定されている場合、協調制御判断処理手段の上限変速段決定処理手段は、上限変速段決定処理を行い、上限の変速段を決定する。
【0104】
そのために、前記上限変速段決定処理手段の制御推奨フラグ判定処理手段は、制御推奨フラグ判定処理を行い、各制御推奨フラグA〜Dがどのように設定されているかを判定する。次に、前記上限変速段決定処理手段は、各制御推奨フラグA〜Dの設定の組合せに対応させてあらかじめ設定された制御開始条件をROM46から読み出し、コーナ制御の制御開始条件が成立したかどうかを判断し、制御開始条件が成立した場合、上限の変速段を決定するための値、すなわち、上限変速段決定値SS に3をセットし、前記制御開始条件が成立していない場合、前記上限変速段決定値SS に4をセットする。なお、前記制御開始条件は、例えば、踏み込まれていない図示されないブレーキペダルが踏み込まれ、ブレーキ操作が検出されてブレーキオフ→オンになると成立したと判断される。また、踏み込まれていた図示されないアクセルペダルが緩められてアクセルオン→オフになり、かつ、ブレーキオフ→オンになると成立したと判断することもできる。
【0105】
このようにして、上限変速段決定値SS がセットされると、前記上限変速段決定処理手段は、前記上限変速段決定値SS を上限の変速段として決定する。
【0106】
また、制御推奨フラグが一つも設定されていない場合、協調制御判断処理手段は、協調制御が実施されているかどうかを判断し、実施されている場合は、解除制御判断処理を行い、コーナ制御を終了する。なお、協調制御が実施されているかどうかは、コーナ制御において推奨値が算出され、算出された推奨値に従った変速段で車両が走行させられているかどうかによって判断する。また、解除制御判断処理においては、例えば、車両がコーナから離れたことのほか、基本の変速マップを参照することによって3速の変速段が決定されたこと、所定以上の加速が行われたこと、所定の距離(ガード距離)以上走行してもコーナ制御の終了が行われないこと等の各解除条件が満たされたときにコーナ制御を終了する。なお、アクセルペダルを所定量以上戻したこと、アクセルペダルを所定以上の速度で戻したこと、運転者がオーバドライブスイッチをオンにしたこと等を解除条件にすることもできる。
【0107】
続いて、自動変速機制御装置12は、前記上限の変速段と、前記基本自動変速機制御判断処理において決定された変速段とを比較し、両変速段のうちのいずれか低い方の変速段を選択して、コーナ制御変速段として出力する。
【0108】
その結果、自動変速機制御装置12は、出力された変速段で変速処理を行い、車両を走行させる。そして、道路のノード半径が閾値より大きくなると、コーナ制御が解除され、通常の制御が行われる。
【0109】
なお、制御推奨フラグDに基づいて、交差点制御における上限の変速段を決定し、該上限の変速段と、前記基本自動変速機制御判断処理において決定された変速段とを比較し、両変速段のうちのいずれか低い方の変速段をコーナ制御変速段として出力することもできる。
【0110】
本実施の形態においては、自動変速機制御装置12に上限変速段決定処理手段が配設されるようになっているが、CPU31に上限変速段決定処理手段を配設することもできる。その場合、アクセルセンサ42の検出信号、及びブレーキセンサ43の検出信号は、CPU31に送られ、CPU31の上限変速段決定処理手段は、制御推奨フラグA〜Dに基づいて上限変速段を決定し、上限変速段を表す制御推奨フラグを自動変速機制御装置12に送る。
【0111】
また、本実施の形態においては、走行制御として主としてコーナ制御について説明したが、コーナが連続する場合に、ワインディング制御を行うこともできる。その場合、減速加速度基準値α、βが設定値Δα、Δβだけ小さくされる。この場合、変速許可制御が行われる領域が広くなるので、推奨変速段の決定回数が少なくなり、変速段の変更が頻繁に行われるのを防止することができる。したがって、走行フィーリングが低下するのを防止することができる。
【0112】
次に、図12のフローチャートについて説明する。
ステップS21 アクセルセンサ42の検出信号、ブレーキセンサ43の検出信号、車速センサ44によって検出された車速V、スロットル開度センサ45によって検出されたスロットル開度等の車両情報を読み込む。
ステップS22 基本自動変速機制御判断処理を行う。
ステップS23 協調制御条件が成立したかどうかを判断する。協調制御条件が成立した場合はステップS24に、成立していない場合はステップS26に進む。
ステップS24 ナビゲーション装置14から制御推奨フラグA〜Dを受ける。
ステップS25 協調制御判断処理を行う。
ステップS26 基本自動変速機制御判断処理において決定された変速段と、協調制御判断処理において決定された上限の変速段とを比較し、低い方の変速段を選択する。
ステップS27 選択された変速段をコーナ制御変速段として出力し、リターンする。
【0113】
次に、図13のフローチャートについて説明する。
ステップS25−1 制御推奨フラグA〜Dのうちの少なくとも一つが設定されているかどうかを判断する。少なくとも一つの制御推奨フラグが設定されている場合はステップS25−2に、設定されていない場合はステップS25−3に進む。
ステップS25−2 上限変速段決定処理を行い、リターンする。
ステップS25−3 協調制御が実施されているかどうかを判断する。協調制御が実施されている場合はステップS25−4に進み、実施されていない場合はリターンする。
ステップS25−4 解除制御判断処理を行い、リターンする。
【0114】
次に、図14のフローチャートについて説明する。
ステップS25−2−1 制御推奨フラグ判定処理を行う。
ステップS25−2−2 制御開始条件が成立したかどうかを判断する。制御開始条件が成立した場合はステップS25−2−4に、成立していない場合はステップS25−2−3に進む。
ステップS25−2−3 上限変速段決定値SS に4をセットする。
ステップS25−2−4 上限変速段決定値SS に3をセットする。
ステップS25−2−5 上限の変速段を決定し、リターンする。
【0115】
なお、本発明は前記実施の形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨に基づいて種々変形させることが可能であり、それらを本発明の範囲から排除するものではない。
【0116】
【発明の効果】
以上詳細に説明したように、本発明によれば、車両制御装置においては、車両制御部と、車両制御を行うための推奨値を算出する推奨値算出処理手段と、評価項目ごとに設定され、各検出手段の信頼性、及びロジック判定を行う各判定手段の信頼性を表す自信度に基づいて、制御信号送信条件が成立するかどうかを判断する制御信号送信条件成立判断処理手段と、制御信号送信条件が成立したときに制御信号を前記車両制御部に送り、車両制御を許可し、制御信号送信条件が成立しない場合に前記制御信号を車両制御部に送らず、車両制御を禁止する車両制御判定処理手段と、前記各自信度の初期値を設定する初期値設定処理手段とを有する。
【0117】
そして、前記各初期値は、自信度を低い値と高い値との間で変更するのに必要な時間が長い評価項目について、自信度を変更した先の値に、自信度を低い値と高い値との間で変更するのに必要な時間が短い評価項目について、自信度を変更する前の値に設定される。
【0118】
この場合、各初期値は、自信度を低い値と高い値との間で変更するのに必要な時間が長い評価項目について、自信度を変更した先の値に、自信度を低い値と高い値との間で変更するのに必要な時間が短い評価項目について、自信度を変更する前の値に設定されるので、車両制御システムを起動してから、制御信号送信条件が成立したかどうかを判断することができるようになるまでの時間を短くすることができる。したがって、車両制御システムを起動した直後に車両を発進させても、運転者に違和感を与えない範囲で走行制御を行うことができるので、車両を円滑に走行させることができる。
【0119】
また、検出手段の検出誤差、判定手段の誤差等があるにもかかわらず、走行制御が許可されてしまうことがないので、運転者に違和感を与えることがない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態における車両制御装置の機能ブロック図である。
【図2】本発明の実施の形態における車両制御装置の概略図である。
【図3】本発明の実施の形態における走行制御のメインフローチャートを示す図である。
【図4】本発明の実施の形態における自信度の初期値マップを示す図である。
【図5】本発明の実施の形態におけるコーナ制御判断処理のサブルーチンを示す図である。
【図6】本発明の実施の形態における道路形状判断処理のサブルーチンを示す図である。
【図7】本発明の実施の形態における推奨変速段決定処理のサブルーチンを示す図である。
【図8】本発明の実施の形態における推奨値算出処理のサブルーチンを示す図である。
【図9】本発明の実施の形態における推奨車速マップを示す図である。
【図10】本発明の実施の形態における減速線図である。
【図11】本発明の実施の形態における交差点制御判断処理のサブルーチンを示すフローチャートである。
【図12】本発明の実施の形態における自動変速機制御装置の動作を示すメインフローチャートである。
【図13】本発明の実施の形態における協調制御判断処理のサブルーチンを示す図である。
【図14】本発明の実施の形態における上限変速段決定処理のサブルーチンを示す図である。
【符号の説明】
12 自動変速機制御装置
15 現在位置検出部
33、46 ROM
41 ウインカセンサ
42 アクセルセンサ
43 ブレーキセンサ
44 車速センサ
45 スロットル開度センサ
91 推奨値算出処理手段
92 制御信号送信条件成立判断処理手段
93 車両制御判定処理手段
94 初期値設定処理手段
Claims (6)
- 車両制御部と、車両制御を行うための推奨値を算出する推奨値算出処理手段と、評価項目ごとに設定され、各検出手段の信頼性、及びロジック判定を行う各判定手段の信頼性を表す自信度に基づいて、制御信号送信条件が成立するかどうかを判断する制御信号送信条件成立判断処理手段と、制御信号送信条件が成立したときに制御信号を前記車両制御部に送り、車両制御を許可し、制御信号送信条件が成立しない場合に前記制御信号を車両制御部に送らず、車両制御を禁止する車両制御判定処理手段と、前記各自信度の初期値を設定する初期値設定処理手段とを有するとともに、前記各初期値は、自信度を低い値と高い値との間で変更するのに必要な時間が長い評価項目について、自信度を変更した先の値に、自信度を低い値と高い値との間で変更するのに必要な時間が短い評価項目について、自信度を変更する前の値に設定されることを特徴とする車両制御装置。
- 前記各初期値は、自信度を低い値から高い値にするのに必要な時間が長い評価項目について高い値に、自信度を低い値から高い値にするのに必要な時間が短い評価項目について低い値に設定される請求項1に記載の車両制御装置。
- 前記各初期値は、自信度を高い値から低い値にするのに必要な時間が短い評価項目について高い値に、自信度を高い値から低い値にするのに必要な時間が長い評価項目について低い値に設定される請求項1に記載の車両制御装置。
- 前記各初期値は、センサ系の評価項目について低い値に、ロジック系の評価項目について高い値に設定される請求項1に記載の車両制御装置。
- 車両制御を行うための推奨値を算出し、評価項目ごとに設定され、各検出手段の信頼性、及びロジック判定を行う各判定手段の信頼性を表す自信度に基づいて、制御信号送信条件が成立するかどうかを判断し、制御信号送信条件が成立したときに制御信号を車両制御部に送り、車両制御を許可し、制御信号送信条件が成立しない場合に前記制御信号を車両制御部に送らず、車両制御を禁止するとともに、前記各自信度の初期値が、自信度を低い値と高い値との間で変更するのに必要な時間が長い評価項目について、自信度を変更した先の値に、自信度を低い値と高い値との間で変更するのに必要な時間が短い評価項目について、自信度を変更する前の値に設定されることを特徴とする車両制御方法。
- 車両制御を行うための推奨値を算出し、評価項目ごとに設定され、各検出手段の信頼性、及びロジック判定を行う各判定手段の信頼性を表す自信度に基づいて、制御信号送信条件が成立するかどうかを判断し、制御信号送信条件が成立したときに制御信号を車両制御部に送り、車両制御を許可し、制御信号送信条件が成立しない場合に前記制御信号を車両制御部に送らず、車両制御を禁止するとともに、前記各自信度の初期値が、自信度を低い値と高い値との間で変更するのに必要な時間が長い評価項目について、自信度を変更した先の値に、自信度を低い値と高い値との間で変更するのに必要な時間が短い評価項目について、自信度を変更する前の値に設定されることを特徴とする車両制御方法のプログラムを記録した記録媒体。
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