JP4349383B2 - 車両制御装置 - Google Patents
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Description
例えば、カーブを走行する場合の運転操作においては、カーブに進入する際に、好ましい車速まで減速が行なわれ、カーブを脱出する時には加速がなされる。
ここで、従来の変速段制御では、上記のようなカーブへの進入と脱出に応じた一連の制御が行なわれているわけではなく、加速しつつカーブを脱出した時点でアクセルを戻すと、その時点でシフトアップが行なわれてしまう。
ところが、カーブが連続している道路を走行する場合には、カーブを脱出すると、直ちに次のカーブへの進入が開始されるため、カーブを抜け出た時点でシフトアップが行なわれてしまう変速段制御では、カーブに進入するために減速を意図する運転者の操作感覚と異なる変速段が設定されてしまうこととなる。
(2)請求項2に記載した発明では、請求項1に記載の車両制御装置において、前記特定点は、道路形状を表現するノードであることを特徴とする。
つまり、前方の走行環境による変速比の規制と、後方の走行環境による変速比の規制を同時に判断し、車両の前後の走行環境を全体として考慮した制御を行うので、例えばカーブの連続する道路など、走行環境が連続して変化する場合でも滑らかな変速比の変更が行なわれる。
図1は、本発明の車両制御装置の構成を示すブロック図である。本発明の車両制御装置1は、ナビゲーションシステム装置10と、自動変速装置と、ATモード選択部20と、車両状態検出部30とを備えている。ナビゲーションシステム装置10は、ナビゲーション処理部11と、道路情報記憶手段であるデータ記憶部12と、現在位置検出部13と、通信部15と、入力部16と、表示部17と、音声出力部19とを有している。
このCPU111は、データバス等のバスラインを介してROM112とRAM113が接続されている。
ROM112は、目的地までの経路の検索、経路中の走行案内、特定区間の決定等を行うための各種プログラムが格納されているリード・オンリー・メモリである。RAM113は、CPU111が各種演算処理を行う場合のワーキング・メモリとしてのランダム・アクセス・メモリである。
これら各ファイルには、経路探索を行うとともに、探索した経路に沿って案内図を表示したり、交差点や経路中における特徴的な写真やコマ図を出したり、交差点までの残り距離、次の交差点での進行方向を表示したり、その他の案内情報を表示部17や音声出力部19から出力するための各種データが格納されている。
これらのファイルには、道路の幅員、勾配、路面の状態、コーナの曲率半径、交差点、T字路、道路の車線数、車線数の減少する地点、コーナの入口、踏切、高速道路出口ランプウェイ、高速道路の料金所、道路の幅員の狭くなる地点、降坂路、登坂路などの道路情報が格納されている。
ここで、走行環境とは、上記交差点データ、ノードデータ、道路データ等の道路情報に基づき特定することができ、また、天候に基づく路面の変化(雨路、雪路等)なども含めた概念である。これらの路面の変化は、ワイパーの使用の有無、路面センサなどによって検出することができる。
なお、各ファイルは記憶容量が大きい、例えばCD−ROMの使用が好ましいが、その他のデータファイルのような個別のデータ、地域毎のデータは、ICカードを使用するようにしてもよい。
GPSレシーバ131は、人工衛星から発せられる電波を受信して、自車の位置を測定する装置である。
地磁気センサ132は、地磁気を検出して自車の向いている方位を求める。
距離センサ133は、例えば車輪の回転数を検出して計数するものや、加速度を検出して2回積分するものや、その他計測装置等が使用される。
ステアリングセンサ134は、例えば、ハンドルの回転部に取り付けた光学的な回転センサや回転抵抗ボリューム等が使用されるが、車輪部に取り付ける角度センサを用いてもよい。
ビーコンセンサ135は、路上に配置したビーコンからの位置情報を受信する。
ジャイロセンサ136は、車両の回転角速度を検出しその角速度を積分して車両の方位を求めるガスレートジャイロや振動ジャイロ等で構成される。
表示部17としては、CRTディスプレイ、液晶ディスプレイ、プラズマディスプレイ、フロントガラスにホログラムを投影するホログラム装置等を用いることができる。
音声出力部19は、音声合成装置と、スピーカとを備え、音声合成装置で合成される音声の案内情報を出力する。
なお、音声合成装置で合成された音声の他に、各種案内情報をテープに録音しておき、これをスピーカから出力するようにしてもよく、また音声合成装置の合成音とテープの音声とを組み合わせてもよい。
つまり、入力部16から目的地を入力すると、ナビゲーション処理部11は、現在位置検出部13で検出された自車位置に基づき、データ記憶部12から読み出した道路情報から目的地までの走行経路を選択し、該経路を表示部17に出力するとともに、該表示部17に表示された走行経路と、音声出力部19から出力される音声によって、運転者を目的地まで誘導する。
また、目的地が入力されていない場合には、自車位置の周辺の道路情報を表示部17に出力する。
自車位置の進行方向にある特定点は、現在位置検出部13で検出された自車位置と自車の走行方向および道路情報記憶手段に記憶されている道路情報に基づき、ナビゲーション処理部11が決定する。
また、距離算出手段は、現在位置検出部13と、データ記憶部12と、ナビゲーション処理部11とによって構成され、図2及び図3に示されているように、現在位置から各ノードまでの距離L1〜Lnを算出する。
ここで、ノードとは、デジタル地図において、道路の位置形状を示す要素で、デジタル化された道路情報は、道路上の位置を示す点(ノード)とノード間を結ぶ線(リンク)により構成される。
本実施形態においては、ノードが特定点である。特定点におけるノード半径の算出方法は、例えば特定点で交叉するリンクの交叉角度から算出することができる。
このような、予定走行経路を探索する走行経路検出手段を設けることによって、予定走行経路がより明確となり、制御性が向上する。
車速センサ31は車速Vを、ブレーキセンサ32はブレーキが踏まれたか否か(ON/OFF)を、アクセルセンサ33はアクセル開度αを、ウインカーセンサ34はウインカースイッチのON/OFFを、スロット開度ルセンサ35はスロットル開度θをそれぞれ検出する。
また、車速センサ31で検出された車速Vは、ナビゲーション処理部11と後述する電気制御回路部40にそれぞれ供給され、スロットル開度センサ35で検出されたスロットル開度θは、電気制御回路部40に供給される。
また、アクセル開度αの変化によって、運転者の減速操作を検出することができる。つまり、アクセル開度が零に近い場合や、アクセル開度が所定の変化率以上で減少した場合など、運転者の減速操作として検出することができる。
さらに、ウインカのON信号によって、運転者の減速の意志を予測し、減速操作して検出することもできる。
ナビゲーションシステム装置10とA/T ECU40とは、相互に通信線で接続され適宜通信が行われる。
さらに、機構部41に取り付けられた図示しないシフトポジションセンサからはATモード選択部20で選択されたシフトポジションに対応したシフトポジション信号が入力される。
A/T ECU40は、また、EEPROM42に記憶された制御プログラムにより制御されており、例えば、変速段の選択は、スロットル開度センサ35より検出されるスロットル開度と、車速センサ31からの車速とに基づき、メモリテーブル(変速マップ)に基づき行われるように構成されている。この変速マップが自動変速装置固有の変速段を決定する。
また、変速モードは、運転者の意志によりATモード選択部20を介して変更することもできる。
パワーモードとは、動力性能を重視したパターンで、山間地等での運転に使用するものであり、変速段マップでは、低速側の変速段の領域が大きく取られている。
したがって、固有の変速マップとして、どのような変速マップを用いることもできる。
ドライブレンジのシフトポジションでは、1〜4速の間で変速段が選択され、セカンドレンジでは、1〜2速の間で変速段が選択され、ロウレンジでは、1速の変速段のみが設定される。
本実施態様では、シフトレバーがドライブレンジのシフトポジションに保持されている場合にのみ、ナビゲーションシステム装置10による変速段の規制が実行可能な構成となっている。例えば、A/T ECU40によって、4速が決定されていてもナビゲーション処理部11により上限が3速とされているときは、駆動信号は1速から3速までの範囲内でしか出力されない。そして、変速比を設定するアクチュエータに対して、その範囲内で駆動信号が出力される。
また、前方規制手段は、第1変速比規制手段で、後方規制手段は、第2変速比規制手段でそれぞれ構成される。
本実施形態では、変更可能な変速段の範囲として、上限値が制限された規制範囲とされる。
ここで図4は、ナビゲーション処理部11で実行される処理の一部としてのカーブ制御ルーチンを示している。図5は、A/T ECU40で実行される処理の一部としての変速段出力ルーチンを示している。
前方カーブ制御ルーチン(ステップS10)は、カーブを円滑に通過するための減速をするために、どの様に変速段の上限を設定するかという観点で設定されている。この前方カーブ制御ルーチン(ステップS10)によって、変速比規制手段としての機能が発揮される。
この後方カーブ制御ルーチン(ステップS30)によって、変速範囲決定手段としての機能が発揮される。
カーブ制御ルーチンでは、上記2つの制御ルーチンで決定された変速段の指令値を比較して、最小値を指令値として選択し、A/T ECU40に指令信号を出力する(ステップS50)。ステップS50によって、変速比決定手段としての機能が発揮される。この選択によって、常に前方カーブ制御ルーチン(ステップS10)と後方カーブ制御ルーチン(ステップS30)とで決定された変速段の範囲内の変速段が常に設定されることとなる。
このカーブ制御ルーチンによれば、車両よりも前方の道路状況に基づく制御と、車両よりも後方の道路状況に基づく制御が同時に行なわれているので、連続するカーブを通過する際にも、道路状況に合致した変速段制御が行なわれ、運転者の意図に沿った走行感覚が得られる。
ステップS605によって、変速比設定手段としての機能が発揮される。
先ず、現在位置検出部13から入力された自車位置、データ記憶部12から入力された道路データ(道路種別、道路形状、各ノードの座標データ等が含まれる)より、車両の現在位置より前方100mに存在するノードを探索する(ステップS101)。
この推奨車速に基づき、予め設定されている減速加速度Gと区間距離Lとから、基準車速を算出する(ステップS103)。
これは、変速段が低速側にある方が、減速時の車両の安定性と制動に有利であるためである。これらの変速段は、例えば、図3に示されているマップに基づき設定することができる。このような減速加速度Gと距離Lとの関係を示したのが、図3の減速加速度曲線m1、m2である。
また、基準車速とは、区間距離Lを各減速加速度で減速すると仮定した場合、現在の車速はいかなる値であるかを示すものである。
つまり、例えば、図3中において、現在車速V0は、基準車速VB11より小さく、基準車速VB12より大きいこととなる。減速加速度曲線m1は、2速用の減速加速度を現し、同じくm2は3速用の減速加速度を現している。
従って、図3に現されている現在位置では、ノードN1を通過するためには、3速が最適変速段となり、また、ノードN2を通過するためには2速が最適変速段とされる。
例えば、図3に示す例では、現在の変速段が4速の場合には、減速をするための制御が必要であると判断される。
オーバーレブが生ずると判断した場合には、制御しない旨である最適変速段を4速とする。
最適変速段が3速の場合は、ステップS115に進み、前回出力した指令値が3速以下か判断する(ステップS115)。前回指令値が4速の場合は、A/Tの現状の変速段を維持する必要があるかどうかを判断するためステップS116に進む。
前回指令値が3速以下の場合は、すでに上限が規制されているため、運転者の操作(アクセル操作、ブレーキのON/OFF)に関係なく、規制された状態を維持するため、上限を3速に決定する。つまり、ステップS135へ進む。
A/T ECU40が3速以下を出力した場合には、その変速段を維持するためステップS135へ進み、上限を3速に決定する。
アクセルイベントがある場合には、今変速段が4速の状態であり、運転者の減速の意思があったと判断して、ステップS135へ進み、上限を3速に決定する。アクセルイベントがない場合には、アクセルオフで惰性で走行している場合もあり、さらに運転者の意思を検出するためステップS119に進む。
ブレーキイベントがある場合には、さらに運転者の減速の意思があったと判断して、ステップS135へ進み、上限を3速に決定する。イベントがない場合には、すでにブレーキが踏まれたままの状態か、踏まれていないかを判断するためステップS121へ進む。
ここで、解除車速VK2とは、カーブと認定された最終のノード通過時の車速と、3速から4速へシフトアップされる変更車速(例えば、5km/h)と、2速から3速へシフトアップされる変更車速(例えば、5km/h)との総和の速度である。
越えている場合には、2速若しくは3速で充分に加速が行なわれた状態であると判断し、ステップS315に進み、変速段の規制制御を行わない旨である、上限指令値を4速に決定する。越えていない場合には、変速段の上限の2速から3速への規制を解除するか判断するため、ステップS311へ進む。
カーブが連続する場合には、前方規制手段と、後方規制手段が同時に作用するため、カーブ進入時の変速段の上限規制と、カーブ脱出時の変速段の上限規制が同時に行なわれ、そのなかで、両規制値を比較して規制値の低い変速段を選ぶことで、不要な変速段の変更(シフトアップ)を抑制し、運転者の意図に沿った滑らかな走行が可能となる。
このほか、ウインカーセンサに基づき運転操作を検出し、ウインカーオン操作の検出により減速の意志を判断する構成としてもよい。
或いは、アクセルの減速操作、ブレーキの踏み込みによる減速操作、ウインカーのON操作による減速の予測の内、少なくとも2つの操作が検出された場合に、減速の意志があるものと判断するように設定してもよい。この場合には、より確実に減速の意志を確認することができ、運転者の意図により一層沿った制御が可能となる。
自動変速装置には、無段変速機を有するものを用いてもよく、この場合には、変速比規制手段は、変速段ではなく、変速比の範囲を規制し、変速比が決定される。
(1)走行環境に基づき、自動変速装置の変速段を制御する車両制御装置であって、自車の位置を検出する自車位置検出手段と、自車の前方の走行環境に応じて自動変速装置の変速比を規制する範囲を決定する前方規制手段と、自車の後方の走行環境に応じて前方規制手段による規制範囲を変更する後方規制手段と、前記前方規制手段及び後方規制手段によって決定された変速比の規制範囲のうち、上限変速比の小さい方を規制範囲の上限として設定する変速比決定手段とを備えたことを特徴とする車両制御装置。
(2)道路情報を記憶した道路情報記憶手段と、自車位置を検出する自車位置検出手段と、現在車速を検出する車速検出手段と、自動的に変速比を選択する自動変速装置と、自車位置から自車の進行方向にある所定区間内における複数の特定点における推奨速度を算出する推奨走行速度算出手段と、自車位置から該複数の特定点までの距離を算出し、前記推奨走行速度と特定点までの距離に応じた変速比の規制範囲を特定点毎に設定する規制範囲設定手段と、前記規制範囲が最小となる変速比の規制範囲を決定する第1変速比規制手段と、自車位置から後方に位置する所定区間内において、前記規制範囲設定手段により変速比の規制が設定された特定点の中から自車位置に近い特定点を検出し、該特定点通過時の車速と現在車速に応じて加速に必要な変速比の範囲を決定する第2変速比規制手段と、前記第1及び第2変速比規制手段で決定された規制範囲と、現在の変速比とを比較して、最小の変速比を自動変速装置の変速比として設定する変速比設定手段とを備えたことを特徴とする車両制御装置。
(3)前記特定点は、道路形状を表現するノードである上記(2)に記載の車両制御装置。
(4)前記自動変速装置は、多段変速機である上記(1)ないし(3)のいずれかに記載の車両制御装置。
(5)前記自動変速装置は、無段変速機である上記(1)ないし(3)のいずれかに記載の車両制御装置。
2 車両
10 ナビゲーションシステム装置
11 ナビゲーション処理部
12 データ記憶部
13 現在位置検出部
20 ATモード選択部
30 車両状態検出部
40 A/T ECU
Claims (2)
- 道路情報を記憶した道路情報記憶手段と、
自車位置を検出する自車位置検出手段と、
現在車速を検出する車速検出手段と、
変速マップに基づき自動的に変速段を選択する自動変速装置と、
自車位置から自車の進行方向にある所定区間内における複数の特定点における推奨走行速度を算出する推奨走行速度算出手段と、
自車位置から該複数の特定点までの距離を算出し、前記推奨走行速度と特定点までの距離に応じ、変速段の規制が必要かどうかを判定し、必要と判定された場合、自動変速装置が選択可能な変速段の上限を決定し特定点毎に設定する規制範囲設定手段と、
前記特定点毎に設定された変速段の上限が最も低くなる変速段の上限を決定する第1変速段規制手段と、
自車位置から後方に位置する所定区間内において、前記規制範囲設定手段により変速段の規制が設定された特定点の中から自車位置に最も近い特定点を検出し、該特定点通過時の車速と現在車速に応じて加速に必要な変速段の上限を決定する第2変速段規制手段と、 前記第1及び第2変速段規制手段で決定された変速段の上限と、現在の車速と変速マップに基づいて決定される変速段とを比較して、最も低い変速段を自動変速装置の変速段として設定する変速段設定手段とを備えたことを特徴とする車両制御装置。 - 前記特定点は、道路形状を表現するノードである、ことを特徴とする請求項1に記載の車両制御装置。
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