JP4364338B2 - 車両制御装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、車両制御装置にかかり、車両制御の基礎となるデータを実際に走行した道路から取得する車両制御装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、運転者に車両の現在地周りの道路情報を知らせて、車両の目的地までの走行経路を誘導するナビゲーションシステム装置が車両に搭載され、この装置に備えられた車両の現在位置の周囲に関する道路情報に応じて、車両制御を行う車両制御装置が提案されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、ナビゲーションシステム装置に格納されている道路情報は、経路案内を行うことを目的として作成されたもので、道路形状などの道路状況を特定する特定方法において精度が粗く、道路状況に沿った車両制御を精密に行うためには適さない場合がある。
本発明は、より精密な制御用のデータベースを構築し、より良好な車両制御が可能な車両制御装置を提供することを目的としている。
【0004】
【課題を解決するための手段】
このような目的は、以下の本発明により達成される。
(1)請求項1記載の発明では、道路データを記憶する道路情報記憶手段と、記憶された道路データに基づいて車両制御を行う第1制御手段と、道路上の2つの基点間における走行軌跡データから、車両制御用データを取得する取得手段と、前記車両制御用データを道路上の2つの基点間に関連づけて記憶する車両制御用データ記憶手段と、前記車両制御用データに基づいて車両制御を行う第2制御手段と、前記道路上の2つの基点間において、前記第1制御手段による車両制御を行うことなく、前記第2制御手段による車両制御を実行する実行手段と、前記道路上の2つの基点間の道路データの属性に応じて走行軌跡データを収集するかを判定する判定手段とを有し、前記取得手段は、前記判定手段が走行軌跡データを収集しないと判定した場合には、前記車両制御用データの取得を行わないことを特徴とする車両制御装置を提供する。
(2)請求項2記載の発明では、道路データを記憶する道路情報記憶手段と、記憶された道路データに基づいて車両制御を行う第1制御手段と、道路上の2つの基点間における走行軌跡データから、車両制御用データを取得する取得手段と、前記車両制御用データを道路上の2つの基点間に関連づけて記憶する車両制御用データ記憶手段と、前記車両制御用データに基づいて車両制御を行う第2制御手段と、前記道路上の2つの基点間において、前記第1制御手段による車両制御を行うことなく、前記第2制御手段による車両制御を実行する実行手段と、前記道路上の2つの基点間の道路データから、基点間の道路形状を推定する道路形状推定手段と、推定された道路形状に応じて走行軌跡データを収集するかを判定する判定手段とを有し、前記取得手段は、前記判定手段が走行軌跡データを収集しないと判定した場合には、前記車両制御用データの取得を行わないことを特徴とする車両制御装置を提供する。
(3)請求項3記載の発明では、前記車両制御用データ記憶手段は、前記基点の位置情報と基点間の車両制御用データとを記憶することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の車両制御装置を提供する。
(4)請求項4記載の発明では、前記実行手段は、自動的に変速比を選択する自動変速装置と、運転者の減速操作を検出する減速操作検出手段と、前記第1制御手段または第2制御手段で決定される変速比の範囲及び運転者の減速操作に基づいて、前記自動変速装置が選択する変速比を規制する変速比設定手段とを有することを特徴とする請求項1、請求項2、又は請求項3に記載の車両制御装置を提供する。
(5)請求項5記載の発明では、前記取得手段は、前記走行軌跡データから曲率半径又は曲率を算出する算出手段を備え、この算出手段で算出した曲率半径又は曲率から前記車両制御用データを取得することを特徴とする請求項1から請求項4のうちのいずれか1の請求項に記載の車両制御装置を提供する。
(6)請求項6記載の発明では、前記算出手段は、車速と角速度、車速と遠心力、車速と車体の傾斜角、又は操舵角を使用して曲率半径又は曲率を算出することを特徴とする請求項5に記載の車両制御装置を提供する。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の好適実施形態の1つについて、添付図面に基づいて詳説する。図1は、本実施形態における車両制御装置の構成を示すブロック図である。
本実施形態の車両制御装置1は、ナビゲーションシステム装置10と、自動変速装置(40、41)と、ATモード選択部20と、車両状態検出部30とを備えている。
ナビゲーションシステム装置10は、ナビゲーション処理部11と、道路情報記憶手段であるデータ記憶部12と、現在位置検出部13と、車両制御用データで構築される制御用データベースを保存し車両制御用データ記憶手段として機能する制御専用メモリ14と、通信部15と、入力部16と、表示部17と、音声出力部19とを有している。
【0016】
ナビゲーション処理部11は、入力された情報に基づいて、ナビゲーション処理等の各種演算処理を行い、その結果を出力する中央制御装置(以下「CPU」という)111を備えている。このCPU111は、データバス等のバスラインを介してROM112とRAM113が接続されている。
ROM112は、目的地までの予定走行経路の検索、経路中の走行案内、特定区間の決定等を行うための各種プログラムが格納されているリード・オンリー・メモリである。RAM113は、CPU111が各種演算処理を行う場合のワーキング・メモリとしてのランダム・アクセス・メモリである。
ROM112には、更に、各ノード位置やカーブ中心を通過する際に推奨される車速(推奨走行速度)を旋回横Gから得るための推奨走行速度テーブルや、後述するノード半径rn及びカーブの最小半径rxから旋回横Gを得るための旋回横Gテーブルが格納されている。
なお、各ノード位置やカーブ中心に対する推奨走行速度テーブルは、共通のテーブルとしてROM112に格納してもよく、別々のテーブルとしてもよい。同様にノード半径やカーブの最小半径に対する旋回横Gテーブルも、共通のテーブルとしてもよく、別々のテーブルとしてもよい。
更に、ノード半径やカーブの最小半径から旋回横Gを求めることなく直接そのノード位置やカーブ中心での推奨速度を求める半径−推奨速度テーブルをROM112に格納するようにしてもよい。この場合にも、ノードに対するテーブルとカーブに対するテーブルとを共通にしても、別々にしてもよい。
また、旋回横Gを得るために旋回横Gテーブルを使用し、推奨走行速度を得るために推奨走行テーブルや半径−推奨速度テーブルを使用するだけでなく、旋回横Gや推奨速度を所定の計算式に従った計算によって得るためのプログラムをROM112に格納するようにしてもよい。
また、これら各種テーブルやプログラムをROM112ではなく、データ記憶部12に格納し、適宜更新できるようにしてもよい。
またROM112には、現在位置における推奨変速段を決定するための推奨変速段マップ(データテーブル)がROM112に格納されている。推奨変速段マップは、ノードに対する推奨変速段マップ(図4)と、車両制御用データのカーブに対する推奨変速段マップ(図8)とが別々に格納されている。これらの推奨変速段マップもROM112ではなく、データ記憶部12に格納し、適宜更新できるようにしてもよい。
さらに、図4、図8に示される推奨変速段マップは、マップ(データテーブル)の形態ではなく、推奨変速段を算出する計算式の形態でROM112に格納するようにしてもよい。
【0017】
データ記憶部12は、地図データファイル、ネットワークデータファイル、目的地データファイルが格納されている。地図データファイルには、地形データ(描画データ)、市街地図データ(詳細描画データ)等が含まれ、ネットワークデータは、マップマッチングや経路案内用のデータとして道路データ、交差点データが含まれている.目的地データには、施設データとして名称、位置、住所、写真、施設紹介データ等が含まれている。
【0018】
道路データは、交差点間を結ぶ道路特性を特定する情報として次のようなデータが格納されている。つまり、道路データには、交差点番号、ノード数、ノードの絶対位置(緯度、経度により絶対座標)、リンク長さ、リンクの交差角、道路幅、道路名称等が格納され、さらに、各ノードには、ノード情報として踏み切りの有無、カーブ曲率、勾配などがノード点毎に格納されている。また、各リンクには、リンク情報として道路の車線数、トンネルの有無などが格納されている。
また、交差点データとしては、交差点に交差する道路の道路番号、案内対象となる道路かを示す案内対象許可フラグ、ランドマーク位置種別データ、交差点写真データ、高速道路等の出口ランプウェイ案内データ、交差点番号などが格納されている。
【0019】
以上の他、ガソリンスタンド、観光地案内などの各種地域毎との情報が格納された他のデータファイルを備えている.これら各ファイルには、経路探索を行うとともに、探索した経路に沿って案内図を表示したり、交差点や経路中における特徴的な写真やコマ図を出したり、交差点までの残り距離、次の交差点での進行方向を表示したり、その他の案内情報を表示部17や音声出力部19から出力するための各種データが格納されている。
これらのファイルに記憶されている情報の内、通常のナビゲーションにおける経路探索に使用されるのが交差点データ、道路データである。これらデータによって、道路の幅員、勾配、路面の状態、コーナの曲率半径、交差点、T字路、道路の車線数、車線数の減少する地点、コーナの入口、踏切、高速道路出口ランプウェイ、高速道路の料金所、道路の幅員の狭くなる地点、降坂路、登坂路、その他高速道路からランプウェイヘ進入する分岐路、Y字路などのような分岐道路などを示す道路情報が構成されている。
【0020】
各ファイルは、例えば、DVD、MO、CD−ROM、光ディスク、磁気テープ、ICカード、光カード等の各種記憶装置が使用される.なお、各ファイルは記憶容量が大きい、例えばCD−ROMの使用が好ましいが、その他のデータファイルのような個別のデータ、地域毎のデータは、ICカードを使用するようにしてもよい。また、通信部16を用いて、渋滞情報や目的地までの経路情報等のデータを、図示しない外部情報提供手段により、通信で獲得する構成としてもよい。さらに、同様に通信部16を用いて、前記地図データファイルやネットワークデータファイルを通信で獲得する構成とすることもできる.或いは、ネットワークデータフアイルの更新は、前述した様に、通信にておこなうこともできるし、さらに、この更新は、自車の走行軌跡と対応するネットワークデータとを比較することにより、新規道路の認識を行って、新規道路のネットワークデータを作成することにより行われる。
【0021】
道路情報記憶手投であるデータ記憶部12に格納されている道路データの一部は、道路の形状を示す道路データとして、道路上の位置を示す点であるノードと、ノードを結ぶ線分で構成されている。図2は、データ記憶部12に格納されている道路データの構造を示した模式図である。図中で、実線Rは道路の形状を示している。ここで、道路は、ノード(N1、N2、....)と、ノードを結ぶ線分(リンク)によって表現される。そして、ノードは、少なくとも座標(ここでは、絶対座標である緯度、経度)によって定義されている。
【0022】
道路形状はノードやリンクのみならず、標高によって定義することもできる。標高データは、左右上下250m間隔のマトリクス状の各点において保持されており、例えば図中に10−10で指した地点の標高20mであり、図中10−11で指した地点の標高点は標高22mというようにデータを持っている。また、ノードにおける道路の曲率半径(ノード半径)は、リンクの交叉角で求めることができる。
上記のように、道路に関する情報は、ノードに付与されて、ノード毎にデータ記憶部12に格納されている。
本実施態様では、ノードの位置と、該ノードを取り囲む各標高データとの位置関係によって、平均曲率、道路勾配、標高変化率、カーブの曲率半径等を求める。なお、データ量を小さくするため、マトリクス状に標高点を保持しているが、ノード毎に標高のデータを持つことも可能である。また、道路の区間ごとに、例えば、リンクごとに勾配値を予め持つようにしておいて、これを用いることもできる。
【0023】
また、本実施形態では、所定の基点(始点)から次の基点(終点)までの車両制御用データが制御専用メモリ14に格納されるが、この基点(始点、終点)とを関連付けするデータが対応するノードに追加保持される。すなわち、基点(始点)に対応するノードには、始点フラグと、車両制御用データが収集された道路の道路番号と、車両制御用データの格納位置を示す格納位置データとが追加保持され、基点(終点)に対応するノードには終点フラグが追加保持される。ある基点が、車両制御用データが格納される終点であり、かつ、始点である場合には、その基点に対応する始点フラグ、道路番号、格納位置データ、及び終点フラグが格納される。
基点と関連付けられるノードは、基点と同一道路に対するノードのうち最も基点に近いノードが対応付けられる。
【0024】
車両制御用データ記憶手段である制御専用メモリ14は、車両走行時に得られた走行軌跡に基づく道路形状に関する情報(車両制御用データ)を、蓄積するメモリで、随時書き換え可能なメモリが使用される。この制御専用メモリ14に蓄積される道路形状に関する情報は、本実施形態では特定の区間内のカーブに関する情報で、そのカーブのクロソイド係数A、カーブ間の距離Lc、カーブの最小半径rminおよび特定区間を規定するための2つの基点(始点、終点)の位置情報が車両制御用データとして格納される。これらの車両制御用データのうち、例えば、本実施形態における変速段の規制制御を行う場合には、カーブ間の距離Lc、カーブの最小半径rminおよび特定区間を規定するための2つの基点(始点、終点)の位置情報が使用される。
なお、カーブ間の距離Lcとしては、実際の各カーブ中心間の距離だけでなく、基点(始点)から最初のカーブの中心までの距離と最後のカーブ中心から基点(終点)までの距離もカーブ間の距離Lcとして格納される。
【0025】
この基点は、ナビゲーションシステムに予め格納されている道路データから特定できる地点、例えば、交差点、道路の分岐点、通過時に停車する地点などが挙げられる。通過時に停車する地点としては、高速道路の料金所、踏み切りなどが挙げられる。この他、ディファレンシャルGPS(D−GPS)が有効である範囲では、D−GPS信号を受信した地点を基点としてもよい。また、GPSにより判定される範囲内で位置が特定できる場所として、交差点、道路の分岐点、カーブ、踏み切りなどが挙げられる。ここで、カーブは、コーナを含む概念である。
【0026】
車両制御用データは、多数の座標情報で構成される精密な道路データや、測定データで構成される走行軌跡データと異なり、道路に沿った連続するデータではない。また、ナビゲーションシステムに格納されている経路案内用の情報に比較しても、車両制御用データは情報量が少なく、かつより道路形状に沿つた道路情報が構築される。そして、上記基点に関連付けた情報として制御専用メモリ14に記憶される。
【0027】
また現在位置検出部13は、GPSレシーバ131、地磁気センサ132、距離センサ133、ステアリングセンサ134、ビーコンセンサ135、ジヤイロセンサ136とを備えている。GPSレシーバ131は、人口衛星から発せられる電波を受信して、自車の位置を測定する装置である。地磁気センサ132は、地磁気を検出して自車の向いている方位を求める.距離センサ133は、例えば車輪の回転数を検出して計数するものや、加速度を検出して2回積分するものや、その他計測装置等が使用される。ステアリングセンサ134は、例えば、ハンドルの回転部に取り付けた光学的な回転センサや回転抵抗ボリューム等が使用されるが、車輪部に取り付ける角度センサを用いてもよい。ビーコンセンサ135は、路上に配置したビーコンからの位置情報を受信する。ジヤイロセンサ136は、車両の回転角速度を検出しその角速度を積分して車両の方位を求めるガスレートジヤイロや振動ジヤイロ等で構成される。また、このジヤイロセンサ136によって、車両に加わる横加速度(横G)を検出することもできる。
【0028】
現在位置検出部13のGPSレシーバ131とビーコンセンサ135は、それぞれ単独で位置測定が可能であるが、その他の場合には、距離センサ133で検出される距離と、地磁気センサ132、ジヤイロセンサ136から検出される方位との組み合わせ、または、距離センサ133で検出される距離と、ステアリングセンサ134で検出される舵角との組み合わせによって自車の絶対位置(自車の現在地)を検出するようになっている。
本実施形態に基づいて経路毎に検出される精密な走行軌跡データの構築には、現在位置検出部13で検出された各種情報が使用される。
【0029】
通信部15は、FM送信装置や電話回線等との間で各種データの送受信を行うようになっており、例えば情報センタ等から受信した渋滞などの道路情報や交通事故情報等の各種データを受信するようになっている。
入力部16は、走行開始時の現在位置の修正や、目的地を入力するように構成されている.入力部16の構成例としては、表示部17を構成するディスプレイの画面上に配置され、その画面に表示されたキーやメニューにタッチすることにより情報を入力するタッチパネル、その他、キーボード、マウス、バーコードリーダ、ライトペン、遠隔操作用のリモートコントロール装置などが挙げられる。
【0030】
表示部17には、操作案内、操作メニュー、操作キーの表示や、ユーザの要求に応じて設定された案内地点までの経路の表示や、走行する経路に沿った案内図等の各種表示が行われる。表示部17としては、CRTディスプレイ、液晶ディスプレイ、プラズマディスプレイ、フロントガラスにホログラムを投影するホログラム装置等を用いることができる。
音声入力部18はマイクロホン等によって構成され、音声によって必要な情報が入力される。音声出力部19は、音声合成装置と、スピーカとを備え、音声合成装置で合成される音声の案内情報を出力する。なお、音声合成装置で合成された音声の他に、各種案内情報をテープ等の音声記憶装置に録音しておき、これをスピーカから出力するようにしてもよく、また音声合成装置の合成音と音声記憶装置の音声とを組み合わせてもよい。
【0031】
以上のように構成されたナビゲーションシステム装置は、運転者に車両の現在地周りの道路情報を知らせて、車両の目的地までの走行経路を誘導する。つまり、入力部16から目的地を入力すると、ナビゲーション処理部11は、現在位置検出部13で検出された自車位置に基づき、データ記憶部12から読み出した道路情報から目的地までの走行経路を選択し、該経路を表示部17に出力するとともに、該表示部17に表示された走行経路と、音声出力部19から出力される音声によって、運転者を目的地まで誘導する。また、目的地が入力されていない場合には、自車位置の周辺の道路情報を表示部17に出力する。なお、本発明においては、運転者を目的地まで誘導する機能が備わっていなくてもよく、誘導のための表示部17や音声出力部19が設けられていなくてもよい。
【0032】
以上のようなナビゲーションシステム装置10において、現在地検出手段は、現在位置検出部13によって構成され、道路情報記憶手段は、データ記憶部12によって構成される。自車位置の進行方向にある特定点は、現在位置検出部13で検出された自車位置と自車の走行方向および道路情報記憶手段に記憶されている道路データに基づき、ナビゲーション処理部11が決定する。また、距離算出手段は、現在位置検出部13と、データ記憶部12と、ナビゲーション処理部11とによって構成され、図3に示されているように、現在位置から各ノードまでの距離L1〜Lnを算出する。
【0033】
ノード半径算出手段は、データ記憶部12とナビゲーション処理部11とによつて構成され、図3に示されているように、各ノードN1〜Nn毎のノード半径r1〜rnをリンクの交叉角から計算する。
推奨走行速度算出手段は、ROM112(又はデータ記憶部12)と現在位置検出部13とナビゲーション処理部11とによって構成される。そして、各ノード半径r1〜rnの値から、各ノード位置を通過する際に推奨される車速(ノードスピード)V1〜Vn(推奨走行速度)を、予め設定されている旋回横Gテーブル、及び予め定められた推奨走行速度テーブルに従って、各ノード毎に計算する。また、推奨走行速度算出手段は、車両制御用データに含まれるカーブの最小半径から、そのカーブセンタでの推奨走行速度Vxも算出する。
【0034】
次に、予定走行経路とは、既に車両の走行経路が設定されている場合には、その設定されている経路であり、設定されていない場合には、例えば直進した場合に通過することが予想される経路とすることができる。このような、予定走行経路を探索する走行経路検出手段を設けることによって、予定走行経路がより明確となり、制御性が向上する。
【0035】
ATモード選択部20は、シフトポジションと変速モード(後述するパワーモード、ノーマルモード)を運転者が選択する操作部である。このATモード選択部20からは、運転者が選択した変速モードの選択信号が、後述する電気制御回路部(以下「A/T ECU」という)40へ供給される。
【0036】
車両状態検出部30は、車速センサ31(車速検出手段)、とスロットル開度センサ35を有している。
車速センサ31は車速Vを検出し、検出された車速Vはナビゲーション処理部11と後述するA/T ECU40にそれぞれ供給される。
スロットル開度センサ35はスロットル開度θを検出し、検出されたスロットル開度θは、A/T ECU40と、E/G ECU50に供給される。
【0037】
車両状態検出部30は、更に、減速操作検出手段として機能するブレーキセンサ32、アクセル開度センサ33、ウインカーセンサ34とを備えている。ブレーキセンサ32はブレーキが踏まれたか否か(ON/OFF)を検出し、アクセルセンサ33はアクセル開度αを検出し、ウインカーセンサ34はウインカースイッチのON/OFFを検出し、これらうちの少なくとも1つ以上の検出信号が減速操作としてそれぞれA/T ECU40へ供給される。
減速操作検出手段で検出される減速操作は、本実施形態による車両制御において、カーブに対する変速段制御を行う場合に、シフトダウンを行うきっかけとなるものである。
【0038】
減速操作検出手段は、ブレーキのON信号に基づき、またはアクセル開度αの変化に基づき、運転者の減速操作を検出することができる。つまり、アクセル開度が零に近い場合で、アクセル開度が所定の変化率(アクセルペダルを踏み込んでいる量に対して、踏み込み量が減少した割合)以上で減少した場合など、運転者の減速操作として検出することができる。つまり、アクセルペダルを踏み込んでいる状態から戻すという操作は、明らかに減速を意図しているものとすることができるので、減速操作として検出することができる。この検出は、アクセル開度αの変化量(減少量)、変化速度(減少速度、変化加速度(減少加速度)等によって行ってもよい。これらのパラメータとアクセル開度αの変化後の状態とを組み合わせて減速操作と判断してもよい。例えば、α≒0の場合であっても、車両を惰性で走行させている場合もあるので、アクセル開度の減少があり、かつ、α≒0となった場合に減速操作として検出するようにすることもできる。
【0039】
また、アクセル開度αの減少があっても、加速をやめるために行う操作もあるので、アクセル開度αの変化量(減少量)、変化速度(減少速度)、変化加速度(減少加速度)等が、所定値以上である場合に、運転者が車速の減少を意図しているものとして、これを減速操作として検出する構成とすることもできる。
さらに、ウインカのON信号によって、運転者の減速の意志を予測し、減速操作として検出することもできる。このウインカON操作に基づく減速操作の検出は、さらにウインカON時の車速と組み合わせて判断してもよい。例えば、ウインカON時に、交差点への進入等が可能な速度まで減速されていなければ、交差点への進入等のために減速操作が行なわれるものと予測できるので、減速操作として検出し、既に充分減速されている場合には、減速操作として検出しないこととすることもできる。
【0040】
また、アクセル開度の減少と、ブレーキの踏み込みとウインカーのON操作のいずれか一つの操作を検出したときに、減速操作として検出する構成とすることもできる。この場合には、確実に減速操作を検出することができる。また、アクセル開度の減少と、ブレーキの踏み込みと、ウインカーのON操作の内、2つ以上が検出された時に、減速操作として検出する構成としてしもよい。この場合には、運転者の意図した減速程度をより明確に確認することができる。例えば、アクセル開度の減少のみによって減速する場合よりも、アクセルをオフし(アクセル開度の急激な減少があり)、かつその直後にブレーキが踏み込まれた場合が、運転者の意図する減速の程度がより大きいものと判断することができる。
【0041】
以上説明した減速操作検出手段は、上記各動作に基づき減速操作の開始を検出するものとしてもよい。例えば、アクセルペダルのオンからオフへの切り換え、アクセルペダルが所定以上の速度で戻されること、ブレーキペダルのオンなどを減速操作の開始として検出することができる。例えば、アクセル開度αが所定値以上の場合であって、α=0となった場合、或いは、所定値以上の速度でアクセルが戻された場合にのみ、減速操作の開始として検出する構成とすることができる。このような構成とすれば、例えば、加速を抑制したり、増速をやめる目的でアクセルペダルを戻す操作を減速操作として検出しない構成とすることができる
【0042】
本実施形態の自動変速装置は有段変速機であって、プラネタリギアを主体としたギアトレーン及びギアトレーンの各構成要素を係合、解放して変速段を形成する油圧回路からなる機構部(図中、A/Tという)41と、この機構部41を制御する電気制御回路部(A/T ECU)40とを備えている。
ナビゲーションシステム装置10とA/T ECU40とは、相互に通信線で接続され適宜通信が行われる。
【0043】
A/T ECU40は、車速センサ31及びスロットル開度センサ35、ウインカーセンサ34、アクセルセンサ33、ブレーキセンサ32が接続されており、車速センサ31からは車速信号が、スロットル開度センサ35からはスロットル開度信号が入力される。さらに、機構部41に取り付けられた図示しないシフトポジションセンサからはATモード選択部20で選択されたシフトポジションに対応したシフトポジション信号が入力される。
【0044】
一方、A/T ECU40から機構部41の油圧回路内のアクチュエータ(油圧ソレノイド)に対して駆動信号が出力され、この駆動信号に基づき上記アクチュエータが作動して機構部41における変速段の形成等が行われる。
A/T ECU40は、また、EEPROM42に記憶された制御プログラムにより各種制御が実行される。例えば、変速段の選択は、スロットル開度センサ35より検出されるスロットル開度θと、車速センサ31からの車速Vとに基づき、予めEEPROM42に記憶されているメモリテーブル(変速マップ)に基づき行われるように構成されている。この変速マップに従って自動変速装置固有の変速段が決定される。
【0045】
変速マップは、ノーマルモード、パワーモードの各モードに応じて用意されており、ナビゲーション処理部11から供給される変速モード変更指令信号に基づいて自動的に変更される。また、変速モードは、運転者の意志によりATモード選択部20を介して変更することもできる。
【0046】
ここで、ノーマルモードは、燃費と動力性能のバランスのとれた経済走行パターンで、通常走行に用いるものである。パワーモードとは、動力性能を重視したパターンで、山間地等での運転に使用するものであり、変速段マップでは、低速側の変速段の領域が大きく取られている。
【0047】
本実施形態では、この自動変速装置固有の変速段を決定するための変速マップを変化させることなく、変速段の高速側(上限)を制限(規制)することにより、結果的に変速段が低速側にシフトされたような制御を実行している。したがって、固有の変速マップとして、どのような変速マップを用いることもできる。
【0048】
ATモード選択部20が備えるシフトレバーは、パーキングレンジ、リバースレンジ、ニュートラルレンジ、ドライブレンジ、セカンドレンジ、ローレンジ、の6つのシフトポジションが選択可能な6ポジションタイプで、機構部41に取り付けられた図示しないシフトポジションセンサと機械的に接続されている。
【0049】
ドライブレンジのシフトポジションでは、1〜4速の間で変速段が選択され、セカンドレンジでは、1〜2速の間で変速段が選択され、ロウレンジでは、1速の変速段のみが設定される。本実施態様では、シフトレバーがドライブレンジのシフトポジションに保持されている場合にのみ、ナビゲーションシステム装置10による変速段の規制制御が実行可能な構成となっている。
例えば、A/T ECU40によって自動変速装置固有の変速段として4速が決定されていても、ナビゲーション処理部11により上限が3速とされているときは、駆動信号は1速から3速までの範囲内でしか出力されない。そして、変速比を設定する変速機41のアクチュエータに対して、その範囲内で駆動信号がA/T ECU40から出力される。
【0050】
エンジンコントロールユニット(図中、E/G ECUという)50は、スロットル開度の信号と、エンジン(図中、E/Gという)51からのエンジン回転数その他(冷却水温、センサ信号等)とに基づき、燃料噴射指令等を変化させて、エンジン51を制御する。
【0051】
以上のように、規制手段は、ナビゲーション処理部11で構成され、変速比設定手段は、ナビゲーション処理部11とA/T ECU40とによって構成される。本実施形態では、変更可能な変速段の範囲として、上限値が制限された規制範囲とされる。
【0052】
以下、本発明の車両制御装置の制御動作についてフローチャートに従って説明する。図5に示されているように、この制御動作は、通常の経路案内を行うナビゲーションシステム基本制御サブルーチン(ステップS101)と、変速段の上限規制を行うナビAT協調制御判定サブルーチン(ステップS103)と、走行軌跡から制御用データベースを構築するデータ測定サブルーチン(ステップS105)とを備えている。
【0053】
ナビゲーションシステム基本制御サブルーチン(ステップS101)では、設定された目的地に応じた経路が選択され、自車の現在地に応じた道路データが選択され、運転者への各種経路案内が行われる。
そして、次のナビAT協調制御判定サブルーチン(ステップS103)では、次の制御動作が行われる。以下図6に示されているフローチャートに基づいて説明する。
【0054】
まずナビゲーション処理部11は、現在位置検出部13を介して、自車の現在位置データを取得し、自車の現在位置を把握する(ステップS201)。
次にナビゲーション処理部11は、協調制御を実施する条件が成立したかを判断する(ステップS203)。つまり、道路データがあるか、制御対象道路が存在するかにより判断する。
すなわち、ナビゲーション処理部11は、把握した自車位置の走行先に存在する基点(始点)から次の基点(終点)までの道路データを道路データ記憶部12から収集し、基点(始点)より先の道路が制御対象道路か否かを判断する。その判断基準は、車両制御の内容によって異なるが、例えば変速比を制御する場合には、カーブが連続する道路か否か、高速道路か否か、など道路属性に応じて制御対象道路か否かが判断される。
なお、本実施形態では、車両制御用データの収集とは切り離して現在位置から所定距離先までの道路に対して制御対象道路か否かを判断するが、後述する車両制御用データの収集処理(データ測定サブルーチン)における判断区間と一致させるために、基点間(始点から終点)で制御対象道路か否かの判断を行うようにしてもよい。
【0055】
カーブが連続する道路である場合には、減速と加速を繰り替えすために変速段の制御が必要であるので、制御対象道路であると判断する。カーブが多いかどうかの判断(道路形状の推定)は、例えば、基点(始点)から基点(終点)までの各リンクとリンクの交差角度の絶対値の累積値Yによって判断することもできる。この累積値Yが所定のしきい値Zより大きい場合には、カーブが多いものと推定し、制御対象道路と判断する。前記カーブの推定によって、道路形状推定手段としての機能が発揮される。高速道路である場合には、減速と加速が頻繁に行われることは少ないので、制御対象道路でないと判断する。
【0056】
このような道路形状の推定や、高速道路の判定等は、道路属性を推定する道路属性推定手段として機能し、この道路属性に応じて制御対象道路か否かを判断する(制御対象道路判断手段)。
道路属性推定手段によって推定される道路属性は、上記の他、道路幅、勾配、カーブの旋回角度、2つの基点間に位置する直線路の長さなどが含まれる。道路幅が広い場合には、減速と加速を頻繁に行う必要が高くないので、制御対象道路でないと判定できる(なお、道路幅が広い場合には、累積値Yと比較するしきい値Zの値を大きくするようにしてもよい)。
また、勾配の変化が激しい場合には、変速段を切り替える頻度が高いと推定され、制御対象道路と判定できる。カーブの旋回角度が大きい場合には、急激な加速と減速が行われる可能性が高いため、制御対象道路と判定できる。直線路の長さが長ければ、減速と加速はあまり頻繁に行われない可能性が高いので、制御対象道路ではないと判定できる。
【0057】
なお、強調制御を実施する条件が成立したか否かの判断は次のようにしてもよい。すなわち、ナビゲーション処理部11は、まず、ステップ201で把握した自車位置の進行方向で最も近い位置のノードに対するノードデータを確認する。そのノードデータに始点フラグがオンされており、基点以降走行する予定の道路がノードデータ中の道路番号との道路である場合には、制御対象道路であるとして、協調制御条件が成立したと判断する。
そして、進行方向で最も近い位置のノードのノードデータに始点フラグが保存されていない場合に、上記した道路属性の判断に従って制御対象道路か否か、協調制御条件が成立したか否かが判断される。
【0058】
ナビゲーション処理部11は、協調制御を実施する条件が成立したと判断した場合には(ステップS203→Yes)、後述するカーブ制御判定サブルーチンを実行して制御内容を設定する(ステップ205)。
そして、ナビゲーション処理部11は、カーブ制御判定サブルーチン(ステップS205)において設定した制御内容を、制御対象へ送信する(ステップS207)。本実施形態の場合には、制御内容として推奨される変速段としての上限値が設定され、ナビゲーション処理部11から制御対象であるA/T ECU40へ送信される。
【0059】
以下、図7に示されているカーブ制御判定サブルーチンについて、その内容を説明する。
ナビゲーション処理部11は、最初に使用データベースを判定する(ステップS301)。つまり、制御専用メモリ14の制御用データベースに、既に車両制御用データが蓄積されている道路を走行する場合には、制御用データベースを用いて制御を行い、そのような制御用データベースが構築されていない道路を走行している場合には、データ記憶部12に格納されている道路データに基づいて制御を行う。このようなステップS301によって実行手段としての機能が発揮される。
【0060】
次に、ナビゲーション処理部11は、道路形状判断処理(ステップS303)、推奨変速段判定処理(ステップS305)を実行するが、制御用データベースが構築されていない場合と、されている場合について、それぞれ説明する。
【0061】
(A)制御用データベースが構築されていない道路を走行する場合
制御用データベースが構築されていない道路を走行する場合場合、ナビゲーション処理部11は、図3に示されているように、ノードNn毎にリンクの交叉角からノード半径rnを算出する。そして算出したノード半径rnに基づき道路形状を判定する。例えば、ノード半径rnが所定値以下である場合には、カーブ又はカーブの一部であると判定する。この場合、ノード半径r2が所定値以下で前後するノード半径r1,r3が所定値より大きければノードN2がカーブ中心であると判断できる。また、連続するノード半径r5〜r8が所定値以下であればノードN5〜N8で1つのカーブが構成されていると判断できる。
なお、各ノードに対するノード半径rnが予め各ノードデータの1つとして、データ記憶部12に格納されている場合には、リンクの交叉角から算出することなく、データ記憶部12から読み出したノード半径rnを使用してカーブの判定を行う。
そして、ナビゲーション処理部11は、ステップ201で把握した車両の現在位置からカーブ等と判定した各ノードNnまでの距離Lnを算出し、ノードNnのノード半径rnと共に、RAM113に格納する(ステップS303)。
【0062】
つぎに、ナビゲーション処理部11は、現在位置での推奨変速段をカーブ等と判定した各ノードNn毎に決定する(ステップ305)。
すなわち、ナビゲーション処理部11は、カーブ等と判定した各ノードNnのノード半径rnに応じた旋回横Gを、ROM112に格納されている旋回横Gテーブルから求める。更に、求めた旋回横Gに応じた推奨走行車速Vnを、ROM112に格納されている推奨走行速度テーブルに基づいて、ノードNn毎に設定する。
ナビゲーション処理部11は、さらに、ROM112に予め記憶されている推奨変速段マップ(図4)に基づき、現在車速と、現在位置から各ノードまでの距離Lnとから、各ノードNnの推奨走行車速Vnに応じた推奨変速段を判定する。図4は、安定した減速、車両挙動、変速段の変更による減速度合等を考慮して、推奨される減速度を設定し、その減速度に応じて、現在位置において最も適切と思われる車速を設定したマップである。
【0063】
具体的に推奨変速段の設定方法について、図4に基づいて説明する。図4は、横軸を距離L、縦軸を車速Vとし、各ノード毎に減速加速度曲線が示されている。
この図4に示されるようにノードNnに対する減速加速度曲線は、以下のようにして引かれる。すなわち、車両の現在位置を横軸の原点とした場合に、ノードNnまでの距離Ln、ノードNnでの推奨走行速度V1を成分とする座標点Qn(Ln、V1)をとり、この座標点Qnから3速用の減速加速度曲線m2と、2速用の減速加速度曲線m1が引かれている。この減速加速度曲線m1、m2と、車両現在位置からの垂線(縦軸と並行な線)との交叉点がノードNnに対する車両現在位置での基準車速VBn1、VBn2となる。
【0064】
ここで、減速加速度は、これ以上、減速加速度が大きい場合、変速段が3速以下の方が望ましいとされる3速用の減速加速度(図4中のm2)と、変速段が2速以下の方が望ましいとされる2速用の減速加速度(図4中のm1)がある。これは、変速段が低速側にある方が、減速時の車両の安定性と制動に有利であるためである。このような減速加速度と距離Lとの関係を示したのが、図4の減速加速度曲線、m1、m2である。
また、基準車速VBnとは、区間距離Lnを各減速加速度で減速すると仮定した場合、現在の車速はいかなる値であるかを示すものである。すなわち、基準車速VBは、2速用又は3速用の各減速加速度で減速した場合に、ノードNnの地点で推奨走行速度Vnになるために必要な、ノードNnから距離Ln手前での車速である。
例えば、車両現在位置での車速が基準車速VB11であれば、区間L1を2速用の減速加速度m1で減速することでノードN1を基準車速V1で通過することができる。
【0065】
そして、現在位置における車両の実際の車速V0が、ノードNnに対する2速用の減速加速度曲線m1で規定される基準車速VBn1よりも大きい場合(減速加速度曲線m1よりも上側に存在する場合)、ノードNnを推奨速度Vnで通過するための推奨変速段は2速になる。
同様に、実際の車速V0が、基準車速VBn1以下で、かつ3速用の減速加速度曲線m2で規定される基準車速VBn2よりも大きい場合大きい場合(減速加速度曲線m1とm2の間に存在する場合)、ノードNnを推奨速度Vnで通過するための推奨変速段は3速になる。
また、実際の車速V0が、基準車速VBn2以下である場合(減速加速度曲線m2上又は下側に存在する場合)、ノードNnを推奨速度Vnで通過するための推奨変速段は4速になる。
図4に示した例では、現在車速V0は、2速用の基準車速VB11より小さく、3速用の基準車速VB12より大きいため、ノードN1を推奨走行速度V1で通過するための現在位置での推奨変速段は、3速となる。
また、現在車速V0は、2速用の基準車速VB21よりも大きいため、ノードN2を推奨走行速度V2で通過するための現在位置での推奨変速段は、2速となる。
【0066】
実際の制御では、カーブを構成する各ノードNn毎に推奨変速段を求め、その中から最も低い変速段を制御内容として決定する(ステップS307)。制御用データベースが構築されていない場合における、ステップS303〜S307および以後のステップS207によって第1制御手段としての機能が発揮される。
【0067】
(B)制御用データベースが構築されている道路を走行する場合
制御用データベースが既に構築されている道路を走行する場合、ナビゲーション処理部11は、制御専用メモリ14から、車両制御用データを取得する。この車両制御用データの、クロソイド係数A、カーブの最小半径rx、カーブ間の距離Lcから道路形状が判定される(ステップS303)。
【0068】
さらに、ナビゲーション処理部11は、車両制御用データにより、現在位置から最寄りのカーブ頂点(センター)までの距離LX、カーブ頂点の最小半径rxを取得する。距離LXは、基点(始点)からカーブ頂点Pまでの距離(カーブ間距離Lcの合計)をLkとし、基点から現在位置まで走行した距離をLvとした場合、LX=Lk−Lvにより求めることができる。
そして、ナビゲーション処理部11は、ROM112に格納されている旋回横Gテーブルと推奨走行速度テーブルを使用し、カーブ頂点の最小半径rxからカーブ頂点Pnを通過する際の推奨走行速度VXを設定する。
そして、ナビゲーション処理部11は、図8に示した推奨変速段マップに基づいて、現在位置からカーブ頂点Pnまでの距離LXと推奨走行速度VXで定まる点Pnから2速用の減速加速度曲線mx1と3速用の減速加速度曲線mx2を引いた場合に、現在車速V0がどの位置に存在するかによって、図4で説明したと同様に、そのカーブ頂点Pnを推奨走行速度VXで通過するための現在位置での推奨変速段を判定する。すなわち、推奨変速段は、減速加速度曲線mx1の上に現在の車速V0が位置すれば、2速となり、減速加速度曲線mx1と減速加速度曲線mx2の間に位置すれば、3速となり、減速加速度曲線mx2の下側に位置すれば4速となる。図8に示した例の場合であれば、現在車速V0が2速用の減速加速度曲線mx1よりも上側に位置するため、推奨変速段は2速であると判定される。(ステップS305)。
なお、図8に示したマップは、図4に示したマップと同様のマップであり、各用語の定義等についても同様である。
【0069】
この制御用データベースが構築されている道路を走行する場合のステップS305の処理では、1のカーブに対してカーブ項点の一点についてのみ推奨変速段判定をすればよく、1のカーブを構成する各ノード毎に判定をする必要がない点で有利であり、処理のための負担が少なく、その結果処理速度が向上する。
さらに、最小半径rxや距離LXが直接供給され、ノードの座標情報からこれらの必要値を演算する必要がない点でも、処理の負担が軽減されている。
【0070】
ステップS307ではステップS305で決定された推奨変速段を制御内容として設定する。以上のように制御用データベースが構築されている場合における、ステップS303〜S307および以後のステップS207によって第2制御手段としての機能が発揮される。
【0071】
ナビゲーション処理部11は、以上のように制御内容として設定した推奨変速段をA/T ECU40へ供給する(ステップS207)。
A/T ECU40は、推奨変速段が供給されると、その推奨変速段、車速、運転者の所定のアクセル操作およびブレーキ操作に基づいて上限値を決定する。すなわち、ブレーキ操作等による減速操作又は減速操作の開始(以下減速操作等という)が検出されていない場合には、A/T41が取りうる最大の変速段を上限値と決定し、減速操作等が検出がされた場合には推奨変速段を上限値と決定する。
次にA/T ECU40は、特に図示しないが、EEPROM42に予め記憶されている変速マップに基づいてスロットル開度θと車速Vから決定した変速段と、上限値とを比較して、より低速側の変速段(変速比の大きい方の変速段)を実際の変速段として決定する。例えば、減速操作等が検出されていない場合には、上述したように上限値がA/T41の最大変速段なので、常に変速マップから決定される変速段が実際の変速段となる。
そして、減速操作等が検出されると推奨変速段が上限値になり、この上限値が変速マップから決定した現在の変速段よりも低速側の変速段である場合には、減速操作等の検出をきっかけとして、A/T ECU40は、A/T41へ上限値(推奨変速段)の駆動信号を供給し、シフトダウンを行う。このようにして、第1制御手段または第2制御手段による車両制御(変速段制御)が実施される。
【0072】
本実施形態における第1制御手段は道路データに基づいて、変更可能な変速比の範囲(上限値)を決定する制御を行う。また、第2制御手段は、基点間の道路形状に応じて、変更可能な変速比の範囲(上限値)を決定する制御を行う。
【0073】
次に、データ測定サブルーチンステップS105における第1のデータ収集方法について、図9に示されているフローチャートに基づき説明する。
ナビゲーション処理部11は、走行中に、基点を通過したかを判断するとともに、基点より先の道路が制御対象道路であるかを判断し、測定開始判断をする(ステップS401)。基点とは、車両の挙動(例えば、車両が旋回する又は停止する等)によって特定できる地点で、例えば操舵角が大きく取られる交差点や、車両が一旦停止する料金所などがあげられる。その他、外部環境の変化により特定できる地点があり、例えば、D−GPS受信地点などが挙げられる。
【0074】
ナビゲーション処理部11は、この基点(始点)から次の基点(終点)までの道路データを道路データ記憶部12から収集し、基点より先の道路が制御対象道路か否かを判断する。その判断基準は、車両制御を行う内容によって異なるが、例えば変速比を制御する場合には、カーブが連続する道路か否か、高速道路か否か、など道路属性に応じて判断される。
【0075】
カーブが連続する道路である場合には、減速と加速を繰り替えすために変速段の制御が必要であるので、制御対象道路であると判断する。カーブが多いかどうかの判断(道路形状の推定)は、例えば、リンクとリンクの交差角度の絶対値の累積によって判断することもできる。累積値Yが所定のしきい値Zより大きい場合には、カーブが多いものと推定し、制御対象道路と判断する。前記カーブの推定によって、道路形状推定手段としての機能が発揮される。高速道路である場合には、減速と加速が頻繁に行われることは少ないので、制御対象道路でないと判断する。
【0076】
このような道路形状の推定や、高速道路の判定等は、道路属性を推定する道路属性推定手段として機能し、この道路属性に応じて走行軌跡データを収集するか否かについての判定する(判定手段)。
道路属性推定手段によって推定される道路属性は、上記の他、道路幅、勾配、カーブの旋回角度、2つの基点間に位置する直線路の長さなどが含まれる。道路幅が広い場合には、減速と加速を頻繁に行う必要が高くないので、制御対象道路でないと判定できる(なお、道路幅が広い場合には、累積値Yと比較するしきい値Zの値を大きくするようにしてもよい)。
また、勾配の変化が激しい場合には、変速段を切り替える頻度が高いと推定され、制御対象道路と判定できる。カーブの旋回角度が大きい場合には、急激な加速と減速が行われる可能性が高いため、制御対象道路と判定できる。直線路の長さが長ければ、減速と加速はあまり頻繁に行われない可能性が高いので、制御対象道路ではないと判定できる。
【0077】
制御対象道路であると判断した場合には、ナビゲーション処理部11は、この基点(始点)の位置座標を制御専用メモリ14に格納すると共に、この基点と同一道路に対して設定されているノードのうち最も基点に近いノードとの対応付けを行う。すなわち、ナビゲーション処理部11は、データ記憶部12の道路データのうち、基点に最も近いノードに対して、始点フラグと、車両制御用データが収集される道路の道路番号と、車両制御用データの格納位置を示す格納位置データとを追加格納する。
制御対象道路と判定され、測定開始必要と判断すると(ステップS403:Yes)、ナビゲーション処理部11は、次にデータ収集処理(ステップS405)を行う。このステップS401、S403で判定手段としての機能が発揮される。
なお、制御対象道路ではないと判定された場合、及び、既に車両制御用データを測定済みの道路(基点)である場合には、測定開始が必要でないと判断し(ステップS403:No)、ステップS405、S407を実行せず、リターンされる。
【0078】
測定開始する場合(ステップS403:Yes)のデータ収集方法については、図10に基づいて説明する。図10において、(a)は、実際の道路をあらわす模式図、(b)は、測定したデータを示すグラフで、縦軸に旋回角度θ、横軸に走行距離Lを示したものである。(c)は、(b)のグラフを正規分布に仮定して平滑化したグラフである。
最初に測定開始必要と判断されてから、次の基点が検出されるまでの間、ナビゲーション処理部11は、車速センサ31から供給される車速信号と、ジャイロセンサ136から供給されるジャイロ信号(角速度(rad/s))とにより、図10(b)のようにデータ化する。つまり車速信号により走行距離Lが検出され、ジャイロ信号により旋回角度θがそれぞれ検出される。この走行距離Lに対する旋回角度θの対応関係がデータ化され、これの関係をグラフにプロットすることで図10(b)のグラフが作成される。
なお、旋回角度θは、ステアリングセンサ134で検出される舵角により検出してもよい。また、走行距離Lについては、距離センサ133で検出される距離を使用するようにしてもよい。
【0079】
そしてナビゲーション処理部11は、(b)のグラフを正規分布と仮定して、図10(c)のように平滑化する。この平滑化後のグラフから、各カーブに対して、カーブ長さlを決定し、カーブを左右対称と仮定して、カーブのセンターPを決定する。
さらに、カーブの最小半径rminをクロソイド曲線による次の式(1)に従って求める。なお、式(1)におけるΣθは、カーブ長さlの範囲で旋回角θを加算したもので、図10(c)においてカーブセンターPを中心とする幅lの曲線部分の面積に相当する。
rmin=l/(2×Σθ)・・・(1)
この様にして、特定区間内の各カーブについて、カーブ長さl、カーブセンターP、カーブの最小半径rminをそれぞれ求める。カーブ長lさ、カーブセンターPから、基点から各カーブ(センター)までの距離Lkが求められる。
このように、カーブの最小半径rmin、基点からカーブ(センター)までの距離Lkを求めることによって、変換手段としての機能が発揮される。また、このような作用を有するステップS405によって抽出手段としての機能が発揮される。
【0080】
ナビゲーション処理部11は、以上のように、走行しながら各カーブについてデータを収集し、次の基点(終点)に到達したかを判断する(ステップS407)。これら基点は、ナビゲーションシステムに格納されている経路案内用のデータベースとリンクされているが、必ずしも経路案内用のデータベースに格納されている座標情報で表されていなくてもよい。
基点(終点)に到達していなければ測定が終了していないと判断し(ステップS409:No)、ステップ405に戻ってデータ収集を継続する。
【0081】
基点に到達している場合にナビゲーション処理部11は、測定終了と判断し(ステップS409:Yes)、その基点(終点)の位置座標を制御専用メモリ14に格納するとともに、この基点と同一道路に対して設定されているノードのうち最も基点に近いノードとの対応付けを行う。
すなわち、データ記憶部12の道路データのうち、基点に最も近いノードに対して、終点フラグと、車両制御用データが収集される道路の道路番号と、車両制御用データの格納位置を示す格納位置データとを追加格納する。
なお、道路番号と車両制御用データの格納位置も格納することで、収集した基点間(始点−終点間)の車両制御用データを、両基点間の道路を逆方向に走行する場合にも使用することが可能になる。すなわち、図10(a)に示した道路において、基点(始点)O1から基点(終点)O2まで走行することで収集した車両制御用データを、基点O2から基点O1まで走行する場合の車両制御(例えば、上記した変速段規制制御)にも使用することが可能となる。
【0082】
ナビゲーション処理部11は、測定終了と判断した場合(ステップS409:Yes)、測定によって取得(収集)したデータを圧縮する(ステップS411)。
すなわち、各カーブセンタPからカーブのセンター間の距離Lcを求める。この場合、両基点(始点、終点)もカーブセンタがP0=O1、Pn=O2であるカーブとみなすことで、図10(a)に示すように、最初のカーブまでのセンター間距離Lc1と、最後のカーブと基点(終点)間の距離Lcnを求める。
また、カーブ長さlと最小半径rminからクロソイド係数Aを次の式(2)により求める。
A=√(rmin×l/2)・・・(2)
以上のステップS411によって変換手段としての機能が発揮される。
【0083】
そして、ナビゲーション処理部11は、求めたカーブ間の距離Lc、カーブの最小半径rmin、クロソイド係数Aを、格納済みの両基点(始点、終点)の位置座標と共に制御専用メモリ14に格納して保管する(ステップ413)。
なお、本実施形態では、基点からカーブ(センター)Pまでの距離Lkとして、各カーブ間の距離Lcに分割した値として格納するようにしている。例えば、基点から2番目のカーブセンタP2までの距離Lk2であれば、Lc1とLc2に分割して格納されていることになる。このようにカーブ間距離Lcに分割して格納することで、上述したように、車両制御用データの測定した走行方向(順方向)と逆方向の走行に対して変速段規制制御等の車両制御を行う場合であっても、順方向に走行する場合と同様な処理とすることができる。
ただし、基点からカーブ(センター)までの距離Lkをカーブ間距離Lcに分割せずに、基点から各カーブまでの実際の距離(Leとする)を車両制御用データとして格納するようにしてもよい。この場合、逆方向の走行に対しては、基点(終点)からカーブセンターPまでの距離Lkとして、両基点(始点、終点)間の距離から距離Leを引いた値を算出する。
また、クロソイド係数Aを距離の状態で保存する場合には、クロソイド係数Aに代えてカーブ長さlを車両制御用データとして保存し、上記式(2)からクロソイド係数Aを算出するようにしてもよい。
【0084】
このように、データを圧縮することによって、距離Lと旋回角度θからなる走行軌跡データや、連続する座標情報による精密な道路データよりも、少ない情報量で道路データを蓄積することができる。また、すでに格納された道路データと比較して、より精密に道路形状を表すことができ、道路形状に沿った正確な車両制御を行うことが可能となる。
【0085】
また、車両制御用データとして制御専用メモリ14に保存されるデータは、車両制御目的に合わせカーブのセンター間距離Lc、最小半径rmin、クロソイド係数A(これらのデータは、カーブ毎に設けられる)及び基点を特定する情報として選択する。このように、データ数を圧縮することによって、データの送信時間も短縮することができ、また、格納容量も従来よりも少量となる。また、基点を設けている事で、データ記憶部12に格納されているノードデータに、確実にリンクさせて記憶する事ができる。また、基点を設定し、データ記憶部12に格納されているデータすべてではなく、車両制御に必要な特定区間(基点と基点の間)のデータのみを保有すれば良いので、格納容量は少量となる。
【0086】
次に第2の実施形態について説明する。
この第2の実施形態における車両制御装置では、例えば変速段規制制御であれば、カーブが一番きつくなる点に対する制御を行うようにしたものである。そして、各カーブに対して一定曲率部の長さLn2を車両制御用データとして測定(抽出)しておき、この長さLn2の中心をカーブの頂点(センター)とみなして第1の実施形態における変速段規制制御を行うものである。
【0087】
第2実施形態における車両制御装置としては、図1に示した第1の実施形態の構成と同様であり、ナビAT協調制御の一部、及び車両制御用データ測定処理の一部で異なる点をのぞき制御、処理も同様である。従って、第2実施形態では、第1の実施形態の制御、処理と異なる処理を中心に説明する。
第2実施形態において、制御専用メモリ14には、車両制御用データとして、直線部分距離Ln0、クロソイド部分距離Ln1,Ln3、一定曲率部長さLn2、一定曲率部の曲率半径Rn、及びクロソイド係数Aが格納される。ここでnは、両基点(始点、終点)間に存在する各カーブに対して基点(始点)に近いカーブから順番に付けた数字であり、n=1,2,…である。
【0088】
この車両制御用データによりナビゲーション処理部11は、第1の実施形態と同様にナビAT協調制御を行う。その際、カーブ通過のための推奨変速段の判定において使用する最小半径rxとして、本実施形態では一定曲率部の曲率半径Rnを使用する。また、基点(始点)からn番目のカーブ頂点までの距離Lkとして、Lk=(Σ(Ln0+Ln1+Ln3+Ln2))−Ln2/2を使用する。そして、基点から現在位置まで走行した距離LvをLkから減算した値(=Lk−Lv)を現在位置から最寄りのカーブ頂点までの距離LXとする。
そして、ナビゲーション処理部11は、第1実施形態と同様に、ROM112に格納されている旋回横Gテーブルと推奨走行速度テーブルを使用し、カーブ頂点の最小半径rx(=一定曲率部の曲率半径Rn)からカーブ頂点Pnを通過する際の推奨走行速度VXを設定する。そして、図8に示した推奨変速段マップに基づいて、カーブ頂点Pnまでの距離LXと推奨走行速度VXで定まる点Pnから2速用の減速加速度曲線mx1と3速用の減速加速度曲線mx2を引いた場合に、現在車速V0がどの位置に存在するかによって、そのカーブ頂点Pnを推奨走行速度VXで通過するための現在位置での推奨変速段を判定する(ステップ305)。
他の制御及び処理は第1実施形態と同様である。
【0089】
次に、第2実施形態におけるデータ収集方法について、図11に基づいて説明する。図11において(図10と同様に)、(a)は実際の道路を表す模式図、(b)は、測定したデータを示すグラフで縦軸に旋回角度θ、横軸に走行距離Lを示したものである。(e)は、(b)のグラフにおいて縦軸の旋回角度θをこれに対応した曲率1/R(R=曲率半径(m))に変え、最小二乗法により平滑化したグラフである。
【0090】
第1の実施形態で説明した場合と同様に、最初に測定開始と判断されてから、次の基点が検出されるまでの間、ナビゲーション処理部11は、車速センサ31から供給される車速信号と、ジャイロセンサ136から供給されるジャイロ信号とにより、図11(b)のようにデータ化する。つまり車速信号により走行距離Lが検出され、ジャイロ信号により旋回角度θがそれぞれ検出される。この走行距離Lに対する旋回角度θの対応関係がデータ化され、これの関係をグラフにプロットすることで図11(b)のグラフが作成される。なお、第2実施形態においても、旋回角度θをステアリングセンサ134で検出される舵角により検出してもよく、また、走行距離Lとして距離センサ133で検出される距離を使用するようにしてもよい。
【0091】
そしてナビゲーション処理部11は、図11(b)のグラフを、図11(e)に示されるように最小二乗法により平滑化することにより、カーブの形状を折線的に近似する。そして、折線的に近似した(e)のグラフから、カーブを構成する直線部分距離(カーブ入口までの距離)Ln0、クロソイド部分長さLn1、Ln3、一定曲率部長さLn2、一定曲率部曲率半径Rnをそれぞれ求める(n=1〜n)。
すなわち、ナビゲーション処理部11は、グラブ(e)に基づき、曲率が0の部分からカーブ入口までの距離Ln0を求め、傾きが0以上の部分からクロソイド部分長さLn1、Ln3を求め、曲率がピークとなる部分の直線の部分から一定曲率部長さLn2を求める。
また、クロソイド係数Aについては、前記した式(2)に従って算出するが、この場合式(2)におけるrmin=Rn(一定曲率部曲率半径)、l=Ln1+Ln2+Ln3として算出する。
【0092】
以上により、カーブの形状が、カーブ入口までの距離Ln0、クロソイド部分長さLn1、Ln3、一定曲率部長さLn2、一定曲率部曲率半径Rnのデータで示されることが解る。このため、座標情報による精密な道路データよりも、少ない情報量で道路データを蓄積することができる。
【0093】
次に第3の実施形態に付いて説明する。
この第3の実施形態では、車両制御装置の構成(図1)、制御専用メモリ14に格納される車両制御用データの内容、及び、ナビAT協調制御の内容については、第2の実施形態と同一である。従って、第2の実施形態とは異なっている、データ測定処理の一部を中心に説明する。
【0094】
第2の実施形態では距離Lと旋回角度θから走行軌跡データ(図11(b))を測定し、これを最小二乗法により平滑化することで距離Lと曲率1/Rとの関係(図11(e))にしているのに対し、第3の実施形態では、現在走行している位置の曲率1/Rを算出し(曲率演算手段)、図11(e)に相当するグラフを得るようにしたものである。
すなわち、ナビゲーション処理部11は、車速センサ31から供給される車速V(m/s)信号と、ジャイロセンサ136から供給される角速度φ(rad/s)(ジャイロ信号)とから次の式(3)に従って、現在位置における曲率1/R(R;曲率半径(m))を演算する。
1/R=φ/V・・・(3)
【0095】
このように第3の実施形態によれば、ナビゲーション処理部11は、車速Vと角速度φとから直接曲率1/Rを演算し、図11(e)に相当するグラフをプロットすることが可能になる。
距離Lにおける曲率1/Rのプロットタイミングについては、基点(始点)からの距離Lと車速V、角速度φとの対応データを走行中にRAM113に格納しておき、後で(基点(終点)通過後、車両走行終了後等)曲率1/Rを演算してプロットすることも可能であり、また、距離Lの地点での曲率1/Rを走行中に演算しながらプロットすることも可能である。
この距離Lと曲率1/Rとの関係から、カーブ入口までの距離Ln0、クロソイド部分長さLn1、Ln3、一定曲率部長さLn2を求める処理、その他の処理については第2の実施形態と同様に行われる。
【0096】
なお、第3の実施形態では、車速Vと角速度φとから曲率1/Rを演算する場合について説明したが、他のセンサ出力から直接曲率1/Rを演算するようにしてもよい。例えば、遠心力(横G)、ロール角、操舵角を使用して算出する。
すなわち、遠心力から曲率1/Rを演算する場合には、横G(m/s・s)を測定し、次の式(4)から計算する。式(4)において、Gは横Gの値で、Vは車速である。この場合の横Gは加速度センサにより検出可能であり、車両状態構成部30のセンサとして加速度センサを追加する。
1/R=G/(V×V)・・・(4)
【0097】
また、ロール角から曲率1/Rを演算するに場合には、車両状態構成部30のセンサとして傾斜計を追加し、車体の傾斜角(ロール角)を測定し、測定したロール角を遠心力に換算して計算する。この場合には、車体の重量の影響を受ける。
さらに、操舵角θは近似的には曲率半径Rに反比例していることから、Cを定数として次式(5)により曲率1/Rを計算することができる。操舵角θはステアリングセンサ134で検出することができる。
1/R=θ/C・・・(5)
【0098】
以上、本発明の車両制御装置における各実施形態について説明したが、本発明はこれらの実施形態に限定されるものではなく、各請求項に記載した範囲で任意の変形をすることが可能である。
例えば、説明した実施形態では、自動変速装置として有段変速機を例に説明したが、本発明では、これに限らず無段変速機(CVT)を有するものを用いてもよい。この場合には、変速比規制手段は、変速段ではなく、変速比の範囲を規制し、変速比が決定される。
【0099】
また、説明した実施形態では、既に車両制御用データを測定済みの道路を走行する場合には、データ測定を行わない(ステップS403:No)こととしたが、本発明では、再度データ測定を行うようにしてもよい。この場合、測定済みの両基点(始点、終点)間について、再度測定(抽出)した各車両制御用データに制御専用メモリ14の内容を更新するようにしてもよく、また、前回測定した車両制御用データと今回再測定した車両制御用データとの平均値を求めて更新するようにしてもよい。
【0100】
また説明した第3の実施形態では、車速と角速度、車速と遠心力、車速と車体の傾斜角、又は操舵角を使用して曲率1/Rを演算した(曲率演算手段)が、ナビゲーション処理部11は、これら車速と角速度等を使用して曲率半径Rを演算し(曲率半径演算手段)、曲率半径Rから曲率1/Rを演算するようにしてもよい。これら曲率演算手段における曲率の演算、曲率半径演算手段における曲率半径の演算により算出手段が実現される。
【0101】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の車両制御装置によれば、制御用データに基づいて車両制御ができるので、制御精度が向上する。
また、データ量も少なく、メモリの容量を食わず設計上有利である。
特定区間(基点と基点の間)のデータ収集を行うかの判定を行う構成とすれば、利用可能なデータのみの収集が可能で、より効率の高いデータ収集をすることができる。
【0102】
また、制御用データは、基点に関する位置情報を有するので、従来の案内用データベースの座標に一致させることができる。
さらに、変速比制御のデータとして用いれば、道路形状に合致したデータを用いて制御できるので、さらに精密な変速比制御が可能となる。例えば、アクセルOFFのみをきっかけとして変速比規制を実行したり、より低速の変速比(変速比の大きいもの)へ変速比を変更させる制御も可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の車両制御装置の構成を示すブロック図である。
【図2】データ記憶部に格納されている道路データの構造を示した模式図である。
【図3】道路上のノードの配置を示す模式図である。
【図4】推奨変速段を設定するためのマップである。
【図5】ナビゲーション処理部の制御動作を示すフローチャートである。
【図6】協調制御判定処理を示すフローチャートである。
【図7】カーブ制御判定処理を示すフローチャートである。
【図8】制御用データに基づいて推奨変速段を設定するためのマップである。
【図9】データ測定処理を示すフローチャートである。
【図10】データ圧縮の内容を示す模式図である。
【図11】データ圧縮の他の内容を示す模式図である。
【符号の説明】
1 車両制御装置
2 車両
10 ナビゲーションシステム装置
11 ナビゲーション処理部
12 データ記憶部
13 現在位置検出部
14 制御専用メモリ
20 ATモード選択部
30 車両状態検出部
40 A/T ECU
Claims (6)
- 道路データを記憶する道路情報記憶手段と、
記憶された道路データに基づいて車両制御を行う第1制御手段と、
道路上の2つの基点間における走行軌跡データから、車両制御用データを取得する取得手段と、
前記車両制御用データを道路上の2つの基点間に関連づけて記憶する車両制御用データ記憶手段と、
前記車両制御用データに基づいて車両制御を行う第2制御手段と、
前記道路上の2つの基点間において、前記第1制御手段による車両制御を行うことなく、前記第2制御手段による車両制御を実行する実行手段と、
前記道路上の2つの基点間の道路データの属性に応じて走行軌跡データを収集するかを判定する判定手段とを有し、
前記取得手段は、前記判定手段が走行軌跡データを収集しないと判定した場合には、前記車両制御用データの取得を行わない
ことを特徴とする車両制御装置。 - 道路データを記憶する道路情報記憶手段と、
記憶された道路データに基づいて車両制御を行う第1制御手段と、
道路上の2つの基点間における走行軌跡データから、車両制御用データを取得する取得手段と、
前記車両制御用データを道路上の2つの基点間に関連づけて記憶する車両制御用データ記憶手段と、
前記車両制御用データに基づいて車両制御を行う第2制御手段と、
前記道路上の2つの基点間において、前記第1制御手段による車両制御を行うことなく、前記第2制御手段による車両制御を実行する実行手段と、
前記道路上の2つの基点間の道路データから、基点間の道路形状を推定する道路形状推定手段と、
推定された道路形状に応じて走行軌跡データを収集するかを判定する判定手段とを有し、
前記取得手段は、前記判定手段が走行軌跡データを収集しないと判定した場合には、前記車両制御用データの取得を行わない
ことを特徴とする車両制御装置。 - 前記車両制御用データ記憶手段は、前記基点の位置情報と基点間の車両制御用データとを記憶することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の車両制御装置。
- 前記実行手段は、自動的に変速比を選択する自動変速装置と、
運転者の減速操作を検出する減速操作検出手段と、
前記第1制御手段または第2制御手段で決定される変速比の範囲及び運転者の減速操作に基づいて、前記自動変速装置が選択する変速比を規制する変速比設定手段とを有することを特徴とする請求項1、請求項2、又は請求項3に記載の車両制御装置。 - 前記取得手段は、前記走行軌跡データから曲率半径又は曲率を算出する算出手段を備え、この算出手段で算出した曲率半径又は曲率から前記車両制御用データを取得することを特徴とする請求項1から請求項4のうちのいずれか1の請求項に記載の車両制御装置。
- 前記算出手段は、車速と角速度、車速と遠心力、車速と車体の傾斜角、又は操舵角を使用して曲率半径又は曲率を算出することを特徴とする請求項5に記載の車両制御装置。
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