JPH11149316A - 車両制御装置およびそのプログラムを記憶したコンピュータ読取り可能な記録媒体 - Google Patents

車両制御装置およびそのプログラムを記憶したコンピュータ読取り可能な記録媒体

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JPH11149316A
JPH11149316A JP10134486A JP13448698A JPH11149316A JP H11149316 A JPH11149316 A JP H11149316A JP 10134486 A JP10134486 A JP 10134486A JP 13448698 A JP13448698 A JP 13448698A JP H11149316 A JPH11149316 A JP H11149316A
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Masao Kawai
正夫 川合
Hideki Ariga
秀喜 有賀
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Abstract

(57)【要約】 【課題】ナビゲーションシステムに記憶されている道路
情報に基づいて車両制御を行う場合、車両制御に適した
道路情報のみを抽出し、制御動作の精度向上を図る。 【解決手段】ナビゲーションシステム装置に格納されて
いる道路情報から道路形状に関する曲率情報を抽出し、
抽出された曲率情報から、先方の道路がワインディング
道路か否かを判断する際、曲率情報の他に道路種別や交
差点の有無、道幅、直線道路か否か等を考慮して、その
ような属性を有する道路については、曲率情報の修正を
行い、ワインディング道路における精密な車両制御に寄
与させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、車両制御装置にか
かり、詳しくは予め搭載されている道路情報に基づいて
車両の各部を制御する制御装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、運転者に車両の現在地周りの道路
情報を知らせて、車両の目的地までの走行経路を誘導案
内するナビゲーションシステム装置が車両に搭載されて
いる。この装置は、道路等の地図情報を電子化して格納
しており、さらに、GPSセンサ、ジャイロセンサ、車
速センサ、方位センサ等の出力信号に基づき、車両の現
在位置を検出して目的地へ経路案内を行う。従来、特開
平6−324138号公報に記載されているように、上
記ナビゲーションシステム装置に格納されている道路情
報と、ナビゲーションシステム装置で特定された自車位
置に関する情報に基づき、走行環境を特定し、この走行
環境に応じて各種車両制御を行うものがある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、ナビゲーショ
ンシステム装置に格納されている道路情報は、本来、運
転者に走行経路を案内するために構成された情報であ
り、車両の走行制御用に作成された道路情報ではない。
即ち、車両制御のためにナビゲーションシステム装置に
格納されている道路形状のデータを用いることは有用で
あるが、そのまま用いては実際上不便な場合もある。
【0004】また、道路形状に対応した車両制御を行う
場合において、道路のいかなる部分の道路形状を対象に
行うかが問題となる。例えば、減速と加速が頻繁に繰り
返されるワインディング道路(屈曲路)であることを判
定するには、この先、進入が予想される走行予定経路に
おいて、該予定経路の曲率が判断要素となる。しかし、
同じ曲率の場所であっても、道路形状が曲がっているカ
ーブを通過する場合と、交差点を右折又は左折する場合
とでは、車速の変化や、通過速度が異なる。このため、
道路形状に応じたより精密な車両制御を行うためには、
道路形状のみならず、道路種別等を考慮する必要があ
る。
【0005】さらに、カーブの形状を判断する場合で
も、カーブの曲率のみを考慮したのでは、十分な車両制
御ができない可能性もある。つまり、カーブの曲率に関
しては、カーブのどの部分の曲率を問題にするかが重要
であり、同じ半径R(曲率)を有するカーブでも、その
カーブの旋回角度(カーブの入口と出口のなす角、換言
すると、カーブの入り口における接線と出口における接
線のなす角)がどのように構成されているかによってカ
ーブの形状は大きく異なる。例えば、カーブの旋回角度
が鋭角方向へきつくなればヘアピンカーブとなるし、ま
た旋回角度が浅ければ鈍角なカーブとなる。
【0006】道路形状に対応した車両制御を行う場合に
は、このヘアピンカーブに対する制御と鈍角状のカーブ
に対する制御は異る(ヘアピンカーブの方が減速する度
合いが高い)し、また運転者に与える影響も異る。この
ように、道路形状に応じた、より精密な車両制御を行う
ためには、単にカーブの半径R(曲率)だけで判断する
のではなく、カーブの旋回角度をも考慮する必要があ
る。
【0007】そこで、本発明は、本来車両制御用に構成
されていない道路情報に基づいて車両制御を行う場合
に、道路形状に加えて、道路種別、道幅、カーブの旋回
角度など、他の道路情報を考慮することによって、より
精密な車両制御を行うことのできる車両制御装置とその
プログラムを記録した記録媒体とを提供することを目的
としている。
【0008】
【課題を解決するための手段】このような目的は、以下
の本発明により達成される。 (1) 道路情報を記憶した道路情報記憶手段と、前記
道路情報記憶手段から道路の曲率情報を抽出する曲率情
報抽出手段と、予め定められた道路属性を修正情報とし
て前記道路情報記憶手段から抽出する修正情報抽出手段
と、前記修正情報が抽出された時は、抽出された曲率情
報を修正する曲率情報修正手段と、前記曲率情報に応じ
て車両を制御する制御手段を有することを特徴とする車
両制御装置。
【0009】(2) 前記曲率情報抽出手段は、前記道
路情報記憶手段により記憶される特定点に関する緯度情
報、経度情報から、特定点における変位角度を算出し、
変位角度の累積に基づき曲率情報を判定する曲率情報判
定手段を有する上記(1)に記載の車両制御装置。
【0010】(3) さらに、自車位置を検出する自車
位置検出手段と、自車位置に基づき所定区間を設定する
所定区間設定手段とを有し、前記曲率情報抽出手段は、
前記所定区間の曲率情報を抽出する上記(1)または
(2)に記載の車両制御装置。
【0011】(4) 前記所定区間設定手段は、カーブ
の旋回角度に対応して所定区間の距離を設定することを
特徴とする上記(3)に記載の車両制御装置。
【0012】(5) 前記修正情報は、特定の位置に関
する情報として、前記道路情報記憶手段に記憶されてい
ることを特徴とする上記(1)ないし(4)のいずれか
に記載の車両制御装置。
【0013】(6) 前記修正情報は、交差点、道路
幅、直線路の長さ、道路の種類、カーブの旋回角度のい
ずれかである上記(5)に記載の車両制御装置。
【0014】(7) 前記制御手段は、自動変速機の変
速比を制御する変速制御手段である上記(1)ないし
(6)のいずれかに記載の車両制御装置。
【0015】(8) 前記変速制御手段は、抽出された
曲率情報又は修正された曲率情報に応じて変速比の上限
または下限を規制する変速比規制手段を含む上記(7)
に記載の車両制御装置。
【0016】(9) 特定点に関する情報に基づいて曲
率情報を算出する算出手段と、特定点に対応して道路属
性を記憶する記憶手段と、前記道路属性が、予め定めら
れた事由である場合には、その特定点に関する情報を除
外して曲率情報を算出する修正手段を備えた上記(2)
ないし(8)のいずれかに記載の車両制御装置。
【0017】(10) 記憶された道路情報と検出され
た現在地に応じて車両前方の区間の曲率情報を抽出し、
抽出された曲率情報が、車両制御に適正か否かを判断し
て、適正な曲率情報に基づいて、車両の走行状態におけ
る制御量を設定する上記(1)ないし(9)のいずれか
に記載の車両制御装置のプログラムを記憶したコンピュ
ータ読取り可能な記録媒体。
【0018】
【発明の実施の形態】以下、本発明の好適実施形態の1
つについて、添付図面に基づいて詳説する。図1は、自
動変速装置の変速段を制御する本発明の好適実施形態の
構成を示すブロック図である。
【0019】この実施形態の車両制御装置1は、ナビゲ
ーションシステム装置10と、自動変速装置と、ATモ
ード選択部20と、車両状態検出部30とを備えてい
る。ナビゲーションシステム装置10は、ナビゲーショ
ン処理部11と、道路情報記憶手段であるデータ記憶部
12と、現在位置検出部13と、通信部15と、入力部
16と、表示部17と、音声出力部19とを有してい
る。
【0020】ナビゲーション処理部11は、入力された
情報に基づいて、ナビゲーション処理等の各種演算処理
を行い、その結果を出力する中央制御装置(以下「CP
U」という)111を備えている。このCPU111
は、データバス等のバスラインを介してROM112と
RAM113が接続されている。ROM112は、目的
地までの経路の検索、経路中の走行案内、特定区間の決
定等を行うための各種プログラムが格納されているリー
ド・オンリー・メモリである。RAM113は、CPU
111が各種演算処理を行う場合のワーキング・メモリ
としてのランダム・アクセス・メモリである。上記RO
M112は、本発明の車両制御装置の動作プログラムを
記録した記録媒体であり、リード・オンリー・メモリに
限らず、リード・ライト・メモリ等の他の記録媒体を用
いてもよい。具体的には、CD−ROMの他、DVD、
MO、光ディスク、磁気テープ、ICカード、光カード
等の磁気記録媒体、光磁気記録媒体や光記録媒体が挙げ
られる。
【0021】このような、記録媒体を適宜交換すること
によって、ナビゲーションシステム装置10に搭載され
ているデータや現在地検出部等を利用して、データや装
備を変更することなく、車両制御を所望の内容に変更す
ることができる。本発明の車両制御装置の記録媒体で
は、後述する図3ないし図5に示されているフローチャ
ートに示されている制御を行うプログラムが記録されて
いる。
【0022】データ記憶部12は、地図データファイ
ル、交差点データファイル、ノードデータファイル、道
路データファイル、写真データファイル、および各地域
のホテル、ガソリンスタンド、観光地案内などの各種地
域毎との情報が格納された他のデータファイルを備えて
いる。これら各ファイルには、経路探索を行うととも
に、探索した経路に沿って案内図を表示したり、交差点
や経路中における特徴的な写真やコマ図を出したり、交
差点までの残り距離、次の交差点での進行方向を表示し
たり、その他の案内情報を表示部17や音声出力部19
から出力するための各種データが格納されている。
【0023】これらのファイルに記憶されている情報の
内、通常のナビゲーションにおける経路探索や経路案内
に使用されるのが交差点データ、道路形状を示す地点の
集合であるノードデータ(図2に示されているような、
ノードの位置を緯度と経度を用いて表示した絶対位置情
報で示すデータ群)、道路データのそれぞれが格納され
た各ファイルである。道路データとしては、道路の幅、
勾配、路面の状態、カーブの曲率半径、交差点、T字
路、道路の車線数、車線数の減少する地点、カーブの入
口、踏切、高速道路出入口ランプウェイ、高速道路の料
金所、道路の道幅の狭くなる地点、降坂路、登坂路、道
路種別(高速道路、首都高速道路、自動車専用道路、一
般道路)などの道路情報が格納されている。上記道路デ
ータは、ノード及び隣接するノードを結ぶリンクに付随
してそれぞれ格納されている。
【0024】各ファイルは、例えば、DVD、MO、C
D−ROM、光ディスク、磁気テープ、ICカード、光
カード等の各種記憶装置(記憶媒体)が使用される。な
お、各ファイルは記憶容量が大きい、例えばCD−RO
Mの使用が好ましいが、その他のデータファイルのよう
な個別のデータ、地域毎のデータは、ICカードを使用
するようにしてもよい。
【0025】また現在位置検出部13は、GPSレシー
バ131、地磁気センサ132、距離センサ133、ス
テアリングセンサ134、ビーコンセンサ135、ジャ
イロセンサ136とを備えている。GPSレシーバ13
1は、人口衛星から発せられる電波を受信して、自車の
位置を測定する装置である。地磁気センサ132は、地
磁気を検出して自車の向いている方位を求める。距離セ
ンサ133は、例えば車輪の回転数を検出して計数する
ものや、加速度を検出して2回積分するものや、その他
計測装置等が使用される。ステアリングセンサ134
は、例えば、ハンドルの回転部に取り付けた光学的な回
転センサや回転抵抗ボリューム等が使用されるが、車輪
部に取り付ける角度センサを用いてもよい。ビーコンセ
ンサ135は、路上に配置したビーコンからの位置情報
を受信する。ジャイロセンサ136は、車両の回転角速
度を検出しその角速度を積分して車両の方位を求めるガ
スレートジャイロや振動ジャイロ等で構成される。
【0026】現在位置検出部13のGPSレシーバ13
1とビーコンセンサ135は、それぞれ単独で位置測定
が可能であるが、その他の場合には、距離センサ133
で検出される距離と、地磁気センサ132、ジャイロセ
ンサ136から検出される方位との組み合わせ、また
は、距離センサ133で検出される距離と、ステアリン
グセンサ134で検出される舵角との組み合わせによっ
て自車の絶対位置(自車の現在地)を検出するようにな
っている。
【0027】通信部15は、FM送信装置や電話回線等
との間で各種データの送受信を行うようになっており、
例えば情報センタ等から受信した渋滞などの道路情報や
交通事故情報等の各種データを受信するようになってい
る。入力部16は、走行開始時の現在位置の修正や、目
的地を入力するように構成されている。入力部16の構
成例としては、表示部17を構成するディスプレイの画
面上に配置され、その画面に表示されたキーやメニュー
にタッチすることにより情報を入力するタッチパネル、
その他、キーボード、マウス、バーコードリーダ、ライ
トぺン、遠隔操作用のリモートコントロール装置などが
挙げられる。
【0028】表示部17には、操作案内、操作メニュ
ー、操作キーの表示や、ユーザの要求に応じて設定され
た案内地点までの経路の表示や、走行する経路に沿った
案内図等の各種表示が行われる。表示部17としては、
CRTディスプレイ、液晶ディスプレイ、プラズマディ
スプレイ、フロントガラスにホログラムを投影するホロ
グラム装置等を用いることができる。
【0029】音声入力部18はマイクロホン等によって
構成され、音声によって必要な情報が入力される。音声
出力部19は、音声合成装置と、スピーカとを備え、音
声合成装置で合成される音声の案内情報を出力する。な
お、音声合成装置で合成された音声の他に、各種案内情
報をテープに録音しておき、これをスピーカから出力す
るようにしてもよく、また音声合成装置の合成音とテー
プの音声とを組み合わせてもよい。
【0030】以上のように構成されたナビゲーションシ
ステム装置は、運転者に車両の現在地周りの道路情報を
知らせて、車両の目的地までの走行経路を誘導する。つ
まり、入力部16から目的地を入力すると、ナビゲーシ
ョン処理部11は、現在位置検出部13で検出された自
車位置に基づき、データ記憶部12から読み出した道路
情報から目的地までの走行経路を選択し、該経路を表示
部17に出力するとともに、該表示部17に表示された
走行経路と、音声出力部19から出力される音声によっ
て、運転者を目的地まで誘導する。また、目的地が入力
されていない場合には、自車位置の周辺の道路情報を表
示部17に出力する。
【0031】以上のようなナビゲーションシステム装置
10において、本発明に係る現在位置検出手段は、現在
位置検出部13によって構成され、本発明に係る道路情
報記憶手段は、データ記憶部12で構成され、本発明に
係る曲率情報抽出手段は、データ記憶部12とナビゲー
ション処理部11によって構成される。
【0032】予定走行経路とは、ナビゲーションシステ
ム装置10において、既に車両の走行経路が設定されて
いる場合には、その設定されている経路であり、設定さ
れていない場合には、例えば直進した場合に通過するこ
とが予想される経路とすることができる。
【0033】本実施形態では、車両制御の一例として車
両の変速比(有段変速機の変速段と、無段変速機の変速
比を含む)を制御対象としている。そして、道路の走行
中に減速と加速が頻繁に繰り返される可能性が高いワイ
ンディング道路を検出し、連続するカーブの曲率や長さ
に応じた変速比制御が行われる。
【0034】本実施形態における特定点はノードであ
る。このノードは、緯度情報と経度情報に基づいて絶対
位置が特定されている。本実施形態の道路情報抽出手段
であるナビゲーション処理部11は、図2に示されいる
ように、検出された現在位置から予め定められた所定区
間(区間前方:例えば、1000m前方)に位置するノ
ードNnの座標(xn,yn)を検出し、これに隣接す
るノードNn+1(xn+1,yn+1)、Nn−1
(xn−1,yn−1)を結ぶリンクの交差角度θn
(特定点における変化角度)をノード毎に算出する。道
路の曲率に関する情報である曲率情報として、この交差
角度θnの累積値を求める。この曲率情報としては、交
差角度θnの累積値の他、各ノード位置の曲率や曲率半
径、及びこれらの累積並びにこれらの平均値などが挙げ
られる。本発明に係る所定区間設定手段と、同じく曲率
情報判定手段は、ナビゲーション処理部11で構成され
る。
【0035】また、所定区間設定手段は、車速や車種や
車両制御等の内容に応じて、その所定区間の距離を変え
ることができる。例えば、ワインディング路と判断する
ために、比較的長距離の一定区間全体の道路形状を判断
する場合には、1000mを設定する。この設定される
距離(1000m)は、変更することができる。また、
カーブ全体の形状を判断するために、そのカーブの旋回
速度を判断する場合には、100mと短く設定する。こ
の設定される距離(100m)も、変更することができ
る。
【0036】修正情報抽出手段は、データ記憶部12と
ナビゲーション処理部11とから構成されており、以下
の特定の情報を曲率情報を修正するための修正情報とし
て抽出する。
【0037】高速道路の種別 カーブが連続する道路形状であっても、高速道路などの
ように高中速走行が可能な道路は、加速や減速を繰り返
す必要がないので、特に変速比制御を行う必要がない。
このため、このような道路は修正情報として抽出され
る。
【0038】高速道路のランプウエイ 高速道路のランプウエイは、序々に車速を増減速するよ
うに道路が設計されているため、車速の激しい変化は生
じず、制御対象に含める必要はないので、修正情報とし
て抽出される。
【0039】交差点情報 交差点を通過する場合には、車速の変化のしかたや、車
両状態がワインディング道路を通過する場合とは異な
り、さらに信号で停止する場合もあるため、制御対象と
しなくてもよいので、修正情報として抽出される。
【0040】道幅の狭い道路 このような道路では、高速で走行することは少なく、低
速で走行するのが一般的であり、車速の変化も多くな
い。従って、急な加速や減速を繰り返すことも少ないた
め制御対象から除外してもよいので修正情報として扱わ
れる。
【0041】直線道路 予め定められた区間から曲率情報を取得すると、その区
間内の局部的な道路形状を把握することが困難となるた
め、一部に直線道路を含んでいても、全体としてはワイ
ンディング道路として判断されてしまう場合も有る。し
かし、直線道路では、道路形状の変化に基づく加速や減
速を繰り返し行うことは少ないため、このような場合
も、制御対象から除外してもよく、修正情報として扱わ
れる。
【0042】この様に、道路の種類が高中速走行が可能
な道路か否か(より具体的には、高速道路か否か、ラン
プウエイか否か)、交差点か否か、道幅が予め定められ
た値より狭いか否か、直線道路が加速と減速を繰り返す
必要がない程度の距離を有しているか、がデータ記憶部
12またはナビゲーション処理部11に記憶されてお
り、曲率情報を抽出すべき区間内にこれらのデータがあ
るときは、修正情報として、修正情報抽出手段が抽出す
る。また、特定の位置である上記〜に関する情報
(修正情報)は、予め定められた事由である非数値情報
を含む道路属性として、非数値記憶手段としてのデータ
記憶部12に記憶されている。ナビゲーション処理部1
1は、前記非数値記憶手段に記憶された事由に応じて道
路の形状に対応する数値を修正する。
【0043】このような修正手段としてのナビゲーショ
ン処理部11は、上記のような修正情報が抽出された場
合には、交差角度θnを累積する前に、修正情報が、交
差点か否か、ランプウェイか否か、高速中速走行が可能
な道路種別か否かを判断し、これらに該当する場合に
は、リンクの交差角度θnを、交差角度の累積に含めな
い。これにより、修正手段によって修正された曲率情報
が得られる。
【0044】制御手段は、求められた曲率情報としての
交差角度θnの累積に基づいて、変速比の制御パターン
を変更する。制御手段が後述する自動変速装置の変速制
御手段である場合には、例えば、累積値が大きい場合に
は、車速の加速と減速が頻繁に行なわれることが予測さ
れるので、変速マップをパワーモードに変更する制御を
行うことができる。また、変速マップの変更に限らず、
制御量を変速段の上限値(変更可能な変速比の範囲)と
して、変速段の変更を規制する制御をおこなってもよ
い。例えば、累積値が大きい場合には、変速段の上限値
を2速に設定し、累積値が小さい場合には、上限を規制
しない旨である4速に設定し、その間の値である場合に
は、3速に設定する。上記のような制御は、道路の勾配
をも考慮して行うこともできる。
【0045】ATモード選択部20は、シフトポジショ
ンと変速モードを選択する操作部である。車両状態検出
部30は、車速検出手段である車速センサ31、減速操
作検出手段としてブレーキセンサ32、アクセル開度セ
ンサ33、ウィンカーセンサ34とを備え、さらにスロ
ットル開度センサ35を有している。車速センサ31は
車速Vを、ブレーキセンサ32はブレーキが踏まれたか
否か(ON/OFF)を、アクセルセンサ33はアクセ
ル開度αを、ウインカーセンサ34はウインカースイッ
チのON/OFFを、スロットルセンサはスロットル開
度θをそれぞれ検出する。
【0046】そして、検出された減速操作は、ブレーキ
のON/OFF信号、アクセル開度信号、ウインカのO
N/OFF信号として、それぞれA/T ECU40に
供給される。また、車速センサ31で検出された車速V
は、ナビゲーション処理部11とA/T ECU40に
それぞれ供給され、スロットルセンサで検出されたスロ
ットル開度θは、A/T ECU40に供給される。
【0047】ブレーキのON信号によって、運転者の減
速操作を検出することができる。また、アクセル開度α
の変化によって、運転者の減速操作を検出することがで
きる。つまり、アクセル開度が零に近い場合で、アクセ
ル開度が所定の変化率(アクセルペダルを踏み込んでい
る量に対して、踏み込み量が減少した割合)以上で減少
した場合など、運転者の減速操作として検出することが
できる。つまり、アクセルペダルを踏み込んでいる状態
から戻すという操作は、明らかに減速を意図しているも
のとすることができるので、減速操作として検出するこ
とができる。
【0048】この検出は、アクセル開度αの変化量(減
少量)、変化速度(減少速度)、変化加速度(減少加速
度)等によって行ってもよい。これらのパラメータとア
クセル開度αの変化後の状態とを組み合わせて減速操作
を検出することもできる。例えば、α≒0の場合であっ
ても、車両を惰性で走行させている場合もあるので、ア
クセル開度の減少があり、かつ、α≒0となった場合に
減速操作として検出するようにすることもできる。
【0049】また、アクセル開度αの減少があっても、
加速をやめるために行う操作もあるので、アクセル開度
αの変化量(減少量)、変化速度(減少速度)、変化加
速度(減少加速度)等が、所定値以上である場合に、運
転者が車速の減少を意図しているものとして、これを減
速操作又は減速操作の開始として検出する構成とするこ
ともできる。
【0050】さらに、ウインカのON信号によって、運
転者の減速の意志を予測し、減速操作として検出するこ
ともできる。このウインカON操作に基づく減速操作の
検出は、さらにウインカON時の車速と組み合わせて判
断してもよい。例えば、ウインカON時に、交差点への
進入等が可能な速度まで減速されていなければ、交差点
への進入等のために減速操作が行なわれるものと予測で
きるので、減速操作として検出し、既に充分減速されて
いる場合には、減速操作として検出しないこととするこ
ともできる。
【0051】また、アクセル開度の減少と、ブレーキの
踏み込みとウインカーのON操作のいずれか一つの操作
を検出したときに、減速操作として検出する構成とする
こともできる。この場合には、減速操作を確実に検出す
ることができる。また、アクセル開度の減少と、ブレー
キの踏み込みと、ウインカーのON操作の内、2つ以上
が検出された時に、減速操作として検出する構成として
しもよい。この場合には、運転者の意図する減速の程度
をより明確に確認することができる。例えば、アクセル
開度の減少のみによって減速する場合よりも、アクセル
をオフし(アクセル開度の急激な減少がなされ)、かつ
ブレーキが踏み込まれた場合が、運転者の意図する減速
の程度がより大きいものと判断することができる。
【0052】以上説明した減速操作検出手段は、減速操
作の開始を検出する構成としてもよい。例えば、アクセ
ルペダルのオンからオフへの切り換え、アクセルペダル
が所定以上の速度で戻されること、ブレーキペダルのオ
ンなどを減速操作の開始として検出することができる。
例えば、アクセル開度αが所定値以上の場合であって、
α=0となった場合、或いは、所定値以上の速度でアク
セルが戻れた場合にのみ、減速操作の開始として検出す
る構成とすることができる。このような構成とすれば、
例えば、加速を抑制したり、増速をやめる目的でアクセ
ルペダルを戻す操作を減速操作として検出しない構成と
することができる。
【0053】本実施形態の自動変速装置は有段変速機で
あって、プラネタリギアを主体としたギアトレーン及び
ギアトレーンの各構成要素を係合、解放して変速段を形
成する油圧回路からなる機構部(図中、A/Tという)
41と、この機構部41を制御する変速制御手段である
A/T ECU(電気制御回路部)40とを備えてい
る。ナビゲーションシステム装置10とA/T ECU
40とは、相互に通信線で接続され適宜通信が行われ
る。
【0054】A/T ECU40は、車速センサ31及
びスロットル開度センサ35が接続されており、車速セ
ンサ31からは車速信号が、スロットル開度センサ35
からはスロットル開度信号が入力される。さらに、機構
部41に取り付けられた図示しないシフトポジションセ
ンサからはATモード選択部20で選択されたシフトポ
ジションに対応したシフトポジション信号が入力され
る。
【0055】一方、A/T ECU40から機構部41
の油圧回路内のアクチュエータ(油圧ソレノイド)に対
して駆動信号が出力され、この駆動信号に基づき上記ア
クチュエータが作動して変速段の形成等を行う。A/T
ECU40は、また、EEPROM42にき記憶され
た制御プログラムにより制御されており、例えば、変速
段の選択は、スロットル開度センサ35より検出される
スロットル開度と、車速センサ31からの車速とに基づ
き、メモリテーブル(変速マップ)に基づき行われるよ
うに構成されている。この変速マップが自動変速装置固
有の変速段を決定する。
【0056】変速マップは、ノーマルモード、パワーモ
ードの各モードに応じて用意されており、ナビゲーショ
ン処理部11から供給される変速モード変更指令信号に
基づいて自動的に変更される。また、変速モードは、運
転者の意志によりATモード選択部20を介して変更す
ることもできる。ここで、ノーマルモードは、燃費と動
力性能のバランスのとれた経済走行パターンで、通常走
行に用いるものである。パワーモードとは、動力性能を
重視したパターンで、山間地等での運転に使用するもの
であり、変速マップでは、低速側の変速段の領域が大き
く取られている。
【0057】A/T ECU40は、変速モードに関す
る指令がATモード選択部20またはナビゲーション処
理部11から供給されると、指令された変速モードの変
速マップを選択し、実変速段、車速、アクセルの状態等
に基づいて、A/T41へ変速段を指令する。
【0058】ATモード選択部20が備えるシフトレバ
ー21は、パーキングレンジ、リバースレンジ、ニュー
トラルレンジ、ドライブレンジ、セカンドレンジ、ロー
レンジ、の6つのシフトポジションが選択可能な6ポジ
ションタイプで、機構部41に取り付けられた図示しな
いシフトポジションセンサと機械的に接続されている。
【0059】ドライブレンジのシフトポジションでは、
1〜4速の間で変速段が選択され、セカンドレンジで
は、1〜2速の間で変速段が選択され、ロウレンジで
は、1速の変速段のみが設定される。本実施態様では、
シフトレバー21がドライブレンジのシフトポジション
に保持されている場合にのみ、ナビゲーションシステム
装置10によって決定されたレベルA〜Cに応じた変速
段の規制が実行可能な構成となっている。
【0060】エンジンコントロールユニット(図中、E
/G ECUという)50は、スロットル開度の信号
と、エンジン(図中、E/Gという)51からのエンジ
ン回転数その他(冷却水温、センサ信号等)とに基づ
き、燃料噴射指令等を変化させて、エンジン51を制御
する。
【0061】以下、ナビゲーション処理部11の制御動
作を示すフローチャートである。この制御動作は、図3
に示されているように、ワインディング道路の判定ルー
チンS10と、この判定に基づいておこなわれる車両制
御をおこなう制御ルーチンS20とから構成されてい
る。
【0062】最初に、判定ルーチンS10の内容につい
て、図4、図5に示されているフローチャートに基づ
き、その第1の実施形態を説明する。最初に車両の現在
位置を現在位置検出部13から取得する(ステップS1
01)。そして、ステップS101で得られた現在位置
から前方の道路データを、手前から順に検出する(ステ
ップS103)。この道路データには、ノードNnの位
置データ、リンクに付随されている道路種別、属性、ノ
ードNnと次のノードNn+1との距離(リンク長
さ)、ノードNnにおけるリンクの交差角度θnが含ま
れる。これらの道路データは、データ記憶部12から取
得する。
【0063】次に、車両制御を行うために、適正な情報
(修正すべき情報)であるかの判断をする。即ち、取得
したノードが交差点かどうかを判断する(ステップS1
05)。交差点と判断された場合は(S105 Ye
s)、適正な情報でない(曲率情報を修正すべきであ
る)と判断する。このステップS105が本発明にかか
る判別手段として機能する。また、このノードにおける
交差角度θnを累積に加えないように、後述するステッ
プS111をスキップし、ステップS113へ進んで、
距離の加算のみを行う。交差点でないと判断された場合
は(S105 No)、ステップS107へ進み、適正
な情報であるかについての次の判断を行う。
【0064】ステップS107では、取得したリンク
が、高速道路かどうかを判断する。高速道路と判断され
た場合は(S107 Yes)、適正な情報でないと判
断し、このノードにおける交差角度θnを累積に加えな
いように、後述するステップS111をスキップし、ス
テップS113へ進んで、距離の加算のみを行う。高速
道路でないと判断された場合は(S107 No)、ス
テップS109へ進み、適正な情報であるかについての
次の判断を行う。
【0065】ステップS109では、取得したノード
が、ランプウエイかどうかを判断する。ランプウェイと
判断された場合は(S109 Yes)、適正な情報で
ないと判断し、このノードにおける交差角度θnを累積
に加えないように、後述するステップS111をスキッ
プし、ステップS113へ進んで、距離の加算のみを行
う。ランプウェイでないと判断された場合は(S109
No)、ステップS111へ進む。上記ステップS1
03〜S109において修正情報抽出手段としての機能
が発揮され、ステップS111をスキップする動作によ
って、累積値Θに交差角度θnを加えないとする修正手
段としての機能が発揮される。また、ステップS103
によって曲率情報抽出手段としての機能が発揮される。
【0066】交差角度θnの絶対値を累積値Θに加算す
る(Θ=Θ+|θn|)(ステップS111)。次に、
ノード間の距離(リンクの長さ)Lnを距離の累積値L
に加算する(L=L+Ln)(ステップS113)。次
に、取得したノードを予め定められた所定区間内のもの
に限定するため、距離の累積値が設定値1000mを越
えたかを判断する(ステップS115)。この所定区間
を規定する距離は、適宜変更することができ、例えば車
速、車種又は車両制御の内容等に応じて変えることがで
きる。1000mを越えた場合(ステップS115 Y
es)、所定区間内のノードデータはすべて取得された
ものと判断し、曲率情報と区間距離に応じた制御内容を
特定する判断をするため、次のステップS117へ進
む。
【0067】このステップS115によって、複数の連
続するカーブ形状を判断するか若しくは1つのカーブ全
体の形状(後述する旋回角度)を判断するのかを決定す
る所定区間を設定する所定区間設定手段としての機能が
発揮される。ここでは、カーブが連続するワインディン
グ路(屈曲路)のうち、1つのカーブとその前後に存在
する複数の小さなカーブ等も含めた、一定区間全体を通
した道路形状を判断するため所定区間の距離として、1
000mを設定している。
【0068】1000mを超えない場合(S115 N
o)、所定区間内のノードデータが十分取得されていな
いもとの判断し、さらに前方の道路についてノードデー
タの取得(ステップS103)と適正な情報かどうかの
判断(ステップS105〜S109)を繰り返す。
【0069】ステップS117では、入力された距離L
を1000で割った値(これは1000m中の角度の累
積を割り出したいために行う)に、交差角度の累積Θを
掛けた値が、270°を超えたかどうか判断する。27
0°を超えない場合(S117 No)、角度の累積Θ
が第1の所定値以下なのでワインディング道路ではない
と判断して、ステップS125へ進み、制御のレベルを
レベルCと決定する。270°を超えた場合(S117
Yes)、さらに詳細に判断するため、ステップS1
19の判断へ進む。
【0070】ステップS119では、入力された距離L
を1000で割った値に、交差角度の累積Θを掛けた値
が、360°を超えたかどうかを判断する。360°を
超えない場合(S119 No)には、角度の累積Θが
第2の所定値以下なので、ステップS123へ進み、制
御のレベルをレベルBと決定する。360°を超える場
合(S119 YES)には、ワインディング道路と判
断して、ステップS121へ進み、制御のレベルをレベ
ルAと判断し、最後にメインルーチンにリターンし、次
の制御ルーチンS20を開始する。
【0071】制御ルーチンS20における制御内容は、
例えば、判定ルーチンS10の結果得られた3つレベル
に応じて変速モードを変更する制御を行うことができ
る。例えば、レベルAの場合には、変速モードをパワー
モードとし、その他のレベルの場合には、ノーマルモー
ドとするよう、A/T ECU40へモード切り換え信号
を供給する。以上のように、ステップS117〜S12
5及びステップS20によて調整手段としての機能が発
揮される。
【0072】或いは、予め定められた所定区間内におけ
るリンクの勾配を求め、図6のマップに示されているよ
うに、この勾配の平均と、上記3つのレベルに応じた変
速モードの設定をすることもできる。また、平均勾配に
変えて、ノード間の標高差の平均を用いることもでき
る。さらには、エンジン出力とアクセル開度(又は、ス
ロットル開度)との関係から、走行中の道路の勾配を判
断し、この勾配値を用いてもよい。一方、3つのレベル
に分割することなく、図7のマップに示されているよう
に、交差角度の累積Θと勾配に基づいて、変速モードを
決定してもよい。
【0073】さらに、上記のような変速段の制御は、変
速モードの設定に限らず、変更可能な変速段の範囲の上
限を制御量とする制御としてもよい。例えば、本実施形
態の場合には、レベルAの場合には、上限を2速とし、
レベルBの場合には、上限3速とし、レベルCの場合に
は、上限規制をしない旨である4速とする。そして、こ
の上限値をA/T ECU40へ供給することによって、
例えば、上限3速が供給された場合には、変速段は、1
速〜3速の間で変速段が変更され、4速へのシフトアッ
プが防止される。つまり、変速マップをパワーモードと
した場合と同様に、変速段が低位置に維持され、ワイン
ディング道路を走行する場合の、加速のための十分な駆
動力が常に得られ、またエンジンブレーキによる減速の
補助が可能となる。この場合には、変速比規制手段はナ
ビゲーション処理部11によって構成され、実行手段
は、A/T ECU40で構成される。
【0074】更に、上記の様な、変速段制御は、減速操
作の開始をきっかけとして実行される構成にすることも
できる。減速操作の開始の検出は、既述の減速操作検出
手段によって行なわれ、A/T ECU40は検出信号が
供給されると、その信号の供給をきっかけとして、変速
段の変速可能な範囲の上限値をレベルA〜Cに応じて決
定し、変速段の範囲の規制を実行する。例えば、実際の
変速段が4速の場合に、減速操作が開始されると、変速
段の上限値が3速に規制され、この規制制御が実行され
る。これにより、減速操作の開始と同時に、4速から3
速へシフトダウンが行なわれることとなり、走行中に予
期しないシフトダウンが行なわれて運転者に不快感を起
こさせることなく、運転者の意図に沿った減速の補助が
可能となる。このような減速操作の開始をきっかけとす
る制御動作の実行は、制御内容を、変速モードの切り換
えを行う構成とした場合にも適用する事ができる。この
減速操作の開始をきっかけとして制御動作の実行を行う
実行手段は、例えば上記のようにA/T ECU40で構
成される。
【0075】この他、制御手段としては、サスペンショ
ン特性を制御量とするサスペンション制御装置としても
よい。つまり、サスペンション特性をレベルA〜Cに応
じて変更する制御をすることもできる。例えば、レベル
C、B、Aの順でサスペンション特性が固くなるように
設定することができる。
【0076】他の制御手段としては、ステアリングの操
作抵抗を制御量とするパワーステアリング制御装置とし
てもよい。例えば、パワーステアリングの制御特性を、
レベルC、B、Aの順で軽くなるように設定することが
できる。上記の実施形態では、制御量の調整のために、
レベルをA、B、Cの3つに分けているが、制御量の性
質に応じて2つや、4つ以上に分けることもでき、さら
には曲率情報に応じて連続した値に制御量を決定する構
成としてもよい。分割されるレベルを多数設ける事によ
って、より精密な制御が可能となり、またレベルの区分
を少なくすることによって、制御装置の処理負担が減少
し、処理速度が向上する。
【0077】次に、判定ルーチンS10の内容につい
て、図8、図9に示されているフローチャートに基づ
き、その第2の実施形態を説明する。この実施形態で
は、第1の実施形態の制御内容に加えて、修正情報とし
て道路幅を入力して制御内容を決定している。道路幅が
狭い道路の場合、速度は出し難く、カーブにおける車速
は、必要以上に低下することが考えられる。つまり、道
幅の狭い道路では、車速の急激な加速や減速はおこなわ
れることは少ないが、カーブにおいては、必要以上に車
速が低下すると予想される。従って、幅が狭い場合を考
慮して制御内容を設定するレベルを変更する。
【0078】以下、制御内容をフローチャートに基づい
て説明する。ここで、現在位置の検出と(ステップS2
01)、データの取得(ステップS203)、車両制御
を行うために、適正な情報であるかの判断(ステップS
205〜209)、交差角度θnの累積Θの計算(ステ
ップS211)、リンク長さLnの累積Lの計算、所定
区間1000mの判断の各内容は、第1の実施形態のス
テップS101〜S115と同様であるので、第1の実
施形態の説明を援用し、ここでの説明を省略する。但
し、ステップS203では、リンクに付随する道幅に関
するデータも取得しておく。
【0079】第2実施形態では、道幅に基づく道路形状
修正の内容について、即ちステップS217以降を説明
する。ステップS215において、所定区間内のノード
データはすべて取得されたものと判断された場合には、
道幅が狭いかを判断する(ステップS217)。具体的
には、ステップS203で取得した、道路の道幅に関す
るデータにより、道路の道幅が所定値よりも大きいかど
うか判断する。この所定値は、車速の加速と減速の繰り
返し操作が必要となる程度の車速が出せる幅か否かとい
う観点から決定される。
【0080】道幅が所定値よりも小さい場合(S217
Yes)、道幅が狭い道路と判断し、速度が出し難
く、カーブでは必要以上に速度が低下する状態であると
して、ステップS219へ進み、所定の設定値T1、T
2(T1=180°、T2=270°)を設定する。道
幅が所定値よりも大きい場合(S217 No)、道幅
が広い道路と判断し、速度が出し易く、速度が必要以上
に低下しない状態であるとしてステップS221へ進
み、所定の設定値T1、T2(T1=270°、T2=
360°)を設定する。道幅が広い道路では、速度が必
要以上に低下しないため、設定値は、ステップS217
の場合よりも大きく設定されている。
【0081】ステップS223では、入力された距離L
を1000で割った値に、交差角度の累積Θを掛けた値
が、ステップS219又はS221で設定された値T1
を超えたかどうか判断する。T1を超えない場合(S2
23 No)、角度の累積Θが第1の所定値以下なので
ワインディング道路ではないと判断して、ステップS2
31へ進み、制御のレベルをレベルCと決定する。T1
を超えた場合(S223 Yes)、さらに詳細に判断
するため、ステップS225の判断へ進む。
【0082】ステップS225では、入力された距離L
を1000で割った値に、交差角度の累積Θを掛けた値
が、ステップS219又はS221で設定された値T2
を超えたかどうかを判断する。T2を超えない場合(S
225 No)には、角度の累積Θが第2の所定値以下
なのでワインディング道路ではないと判断して、ステッ
プS229へ進み、制御のレベルをレベルBと決定す
る。T2を超える場合(S225 Yes)には、ワイ
ンディング道路と判断して、ステップS227へ進み、
制御のレベルをレベルAと判断し、最後にメインルーチ
ンにリターンし、次の制御ルーチンS20を開始する。
この制御ルーチンの内容については、第1の実施形態の
内容と同様なので、その内容を援用し、説明を省略す
る。上記フローチャートでは、ステップS217、S2
19により、予め定められた事由である道幅の狭さの抽
出に基づき曲率情報修正を行うという修正手段としての
機能が発揮される。また、ステップS217により修正
情報抽出手段としての機能が発揮される。
【0083】また、ステップS217において、道幅が
狭いと判断するための所定値は、現在位置の道幅との比
較において、決定するようにしてもよい。例えば、現在
位置よりも道幅が広くなる場合には、所定値を低く設定
して、レベルAに設定され難いようにし、狭くなる場合
には所定値を高く設定し、レベルAに設定され易いよう
にすることもできる。さらに、現在車速を考慮して設定
してもよい。例えば、車速が速い場合には、所定値を低
く設定し、レベルAに設定され易いようにすることもで
きる。上記内容は、ステップS217における所定値の
設定変えて、又は、加えて、T1、T2の値を設定する
場合にも同様に適用することができる。
【0084】次に、判定ルーチンS10の内容につい
て、図10、図11に示されているフローチャートに基
づき、その第3の実施形態を説明する。この実施形態で
は、第2の実施形態の制御内容に加えて、道幅の狭い道
路の長さを考慮して制御内容を決定している。道路幅が
狭い道路の場合、速度は出し難く、カーブにおいて車速
が必要以上に低下することが考えられる。これを考慮す
るため、幅が狭い道路の長さを演算し、その長さが所定
値以上の場合には、判断基準を低く(リンク交差角度θ
の累積Θを低く)設定している。
【0085】以下、制御内容をフローチャートに基づい
て説明する。ここで、現在位置の検出と(ステップS3
01)、データの取得(ステップS303)、車両制御
を行うために、適正な情報であるかの判断(ステップS
305〜309)、交差角度θnの累積Θの計算(ステ
ップS311)、リンク長さLnの累積Lの計算(ステ
ップS313)、第2の実施形態のステップS201〜
S213と同様であるので、第2の実施形態の説明を援
用し、ここでの説明を省略する。
【0086】ノードにおける交差角度θnの累積Θ(ス
テップS311)と、リンク長さの累積Lの計算(ステ
ップS313)が終了した後、各リンク毎に、ステップ
S303で取得したリンクに付随する道幅情報に基づ
き、道幅が狭いかをリンク毎に判断する(ステップS3
15)。このステップS315により修正情報抽出手段
としての機能が発揮される。
【0087】この判断は、予め定められた所定値と道幅
とを比較して判断される。道幅が所定値よりも小さい場
合(S315 Yes)、道幅が狭い道路と判断し、速
度が出し難く、カーブでは必要以上に速度が低下する状
態であるとして、ステップS317へ進み、道幅が狭い
と判断される個所のリンク長さLnの累積Lsを計算す
る(Ls=Ls+Ln)(ステップS317)。
【0088】道幅が所定値よりも大きい場合(S317
No)、道幅が広い道路と判断し、そのままステップ
S319へ進む。なお、ここで道幅を狭いと判断する基
準となる所定値は、上記第2実施形態におけるステップ
S217で用いられる所定値と同様の方法により設定し
てもよい。
【0089】次に、取得したノードを予め定められた所
定区間内のものに限定するため、距離の累積値が設定値
1000mを越えたかを判断する(ステップS31
9)。前記第1実施形態および第2実施形態と同様に、
ステップS319により所定区間設定手段としての機能
が発揮される。1000mを越えた場合(ステップS3
19 Yes)、所定区間内のノードデータはすべて取
得されたものと判断し、道路形状に応じた制御内容を特
定する判断をするため、次のステップS321へ進む。
【0090】1000mを超えない場合(S319 N
o)、所定区間内のノードデータが十分取得されていな
いもとの判断し、さらに前方の道路についてノードデー
タの取得(ステップS303)と適正な情報かどうかの
判断等(ステップS305〜S317)を繰り返す。
【0091】ステップS321では、狭いと判断された
道路が、500mを超えたかどうか判断する。超えた場
合(S321 Yes)、狭い道が続いていて、速度が
出し難く、カーブでは必要以上に速度が低下する状態で
あるとして、ステップS323へ進み、設定値T1、T
2(T1=180°、T2=270°)を設定する。こ
のステップS321とS323によって、修正手段とし
ての機能が発揮される。超えない場合(S321 N
o)、道幅が広い道路と判断し、速度が出し易く、速度
が必要以上に低下しない状態であるとしてS325へ進
み、設定値T1、T2(T1=270°、T2=360
°)を設定する。
【0092】以下の制御内容であるステップS327〜
S333の内容は、第2実施形態のステップS223〜
S231までの内容と同様なので、第2実施形態の説明
を援用し、ここでの説明は省略する。なお、この実施形
態においては、ステップS317、S321、S323
(又はS325)を省略し、ステップS315の判断を
ステップS309とS311の間で実行し、道幅が狭い
と判断された場合には(ステップS315 Yes)、
ステップS311をスキップして、ステップS313を
実行し、道幅が狭くないと判断された場合には(ステッ
プS315 No)、ステップS311を実行する構成
とすることもできる。
【0093】次に、判定ルーチンS10の内容につい
て、図12〜図14に示されているフローチャートに基
づき、その第4の実施形態を説明する。この実施形態で
は、第1実施形態の内容に加えて、直線道路を修正情報
としている。リンクの交差角度θnだけで判断すると、
きつい交差角度をもつカーブに挟まれた直線道路をも含
む場合でも、車速変化の激しい道路として制御対象にさ
れてしまう。そのため上記直線部分の区間における制御
が、直線路を通過する際の運転者の運転感覚にそぐわ
ず、違和感を与えてしまう。そこで、この第4実施形態
においては、連続した直線部分の区間が所定値以上検出
された場合には、その部分は制御の対象から除外すると
いう修正を行う。
【0094】以下、制御内容をフローチャートに基づい
て説明する。ここで、現在位置の検出(ステップS40
1)と、データの取得(ステップS403)と、車両制
御を行うために、適正な情報であるかの判断(ステップ
S405〜409)と、交差角度θnの累積Θの計算
(ステップS411)と、リンク長さLnの累積Lの計
算(ステップS413)は、第1の実施形態のステップ
S101〜S113と同様であるので、第1の実施形態
の説明を援用し、ここでの説明を省略する。
【0095】ノードにおける交差角度θnの累積Θ(ス
テップS411)と、リンク長さの累積Lの計算(ステ
ップS413)が終了した後、ノード点における半径R
nが、10000mを超えているかどうかを判断する
(ステップS415)。
【0096】この半径Rnは、ステップS403にて入
力された道路データに従って、各ノードの絶対座標、お
よびノードに隣接する2つのノードの各絶対座標に基づ
いて演算を行い、前記ノード半径Rnを算出することが
できる。また、道路データとして予めデータ記憶部12
にノード半径Rnを例えば各ノードに対応させて格納し
ておき、走行に伴い前記ノード半径Rnを読み出す構成
とすることもできる。
【0097】10000mを超えている場合(S415
Yes)、そのノード位置の道路形状はほぼ直線であ
ると判断してステップS417に進み、直線部分の距離
累積Lwにリンク長さLnを加算する(Lw=Lw+L
n)。このステップS415によって修正情報抽出手段
としての機能が発揮される。10000mを超えていな
い場合(S415 No)、そこの道路は曲線であり、
先の道路の角度に基づき制御内容を判断する必要がある
ため、累積されたLwをクリアする(ステップS41
9)。
【0098】累積されたLwが予め定められた値である
200mを超えたかどうか判断する(ステップS42
1)。直線道路であっても、その距離が短すぎると直ぐ
に次のカーブに進入して加速や減速を繰り返す走行操作
が必要とされることから、制御内容を変更するよりは、
直線道路に進入する前の制御をそのまま続行することが
好ましい。このため、上記予め定められた値(200
m)は、次の加減速操作までの間隔を考慮して決定され
る。
【0099】200mを超えた場合(S421 Ye
s)、直線が続く道路でありワインディング路ではない
と判断して、ステップS423へ進み、何も制御しない
旨であるレベルCとする。このステップS421とS4
23により、抽出された修正情報に基づいて制御量を決
定する制御手段としての機能が発揮される。200mを
超えない場合(S421 No)、直線路は続いてはい
ないと判断して、ステップS425へ進み、通常の区間
距離内の道路の角度変化を判断していく。前記第1〜第
3実施形態と同様に、このステップS425によって所
定区間設定手段としての機能が発揮される。以下のステ
ップS425〜S435の内容は、第1実施形態におけ
るステップS115〜S125の内容と同様なので、第
1実施形態の内容を援用し、ここでの説明は省略する。
【0100】次に、判定ルーチンS10の内容につい
て、図15〜図16に示されているフローチャートに基
づき、その第5の実施形態を説明する。この実施形態で
は、第1の実施形態の内容を一部変更して、新規な課題
である、一つのカーブ全体の形状を考慮して、制御内容
を調整している。この実施形態では、前記所定区間設定
手段による所定区間を規定する距離を、一つのカーブに
対応するために、100mに設定している。
【0101】以下、制御内容をフローチャートに基づい
て説明する。ここで、現在位置の検出(S501)と、
データの取得(S503)と、車両制御を行うために適
性な判断(S505〜S509)と、交差角度θnの累
積Θの計算(ステップS511)と、リンク長さ1nの
累積Lの計算(ステップS513)は、第1の実施態様
のステップS101〜S113と同様であるので、第1
の実施態様の説明を援用し、ここでの説明を省力する。
【0102】次に、取得したノードを予め定められた所
定区間内のものに限定するため、距離の累積値が100
mを越えたかを判断する(ステップS515)。この所
定区間を規定する距離は、一つ又は複数のカーブの連続
性を判断するため、100mにしている。このカーブの
連続性とは、カーブの部分的な曲率だけでなく、カーブ
入口から出口までの連結した形状を示すものである。こ
の入口から出口までの形状を判断するものとして、本発
明では、旋回角度を判断する。前記旋回角度は、カーブ
入口とカーブ出口のなす角として(詳しくは、カーブ入
口における道路との接線と、カーブ出口における道路と
の接線とのなす角(交差角度)として)定義される。例
えば、同じ曲率(若しくは、半径R)を有するカーブで
も旋回角度が鋭角方向へきつくなればヘアピンカーブと
なり、旋回角度が浅ければ(小さければ)、鈍角なカー
ブとなる。そのため、ここでは1つ又は複数のカーブ全
体の形状を考慮して前記旋回角度を判断するため所定区
間の距離として、100mを設定している。
【0103】尚、1つ又は複数のカーブの形状と上記述
べた理由は、S字カーブや複合カーブ等の1つ1つのカ
ーブが連続する場合も考慮するためである。また、上記
第1〜第4実施形態と同様に、このステップS515に
よって、所定区間設定手段としての機能が発揮される。
またこの所定区間を規定する距離は、これに限定される
ものではなく、適宜変更することができ、例えば車速、
車種又は車両制御の内容等に応じて変えることができ
る。
【0104】100mを越えた場合(ステップS515
Yes)、所定区間のノードデータはすべて取得され
たものと判断し、曲率情報と区間距離に応じた制御内容
を特定する判断をするため、次のステップS517に進
む。100mを越えない場合(S515 No)、所定
区間内のノードデータが充分取得されていないものと判
断し、さらに前方の道路についてノードデータの取得
(ステップS503)と訂正な情報かどうかの判断(ス
テップS505〜S509)を繰り返す 。
【0105】ステップS517では、入力された距離L
を100で割った値(これは100m中の角度の累積を
割り出したいために行う)に、交差角度の累積Θを掛け
た値が40度を越えたかどうかを判断する。40度を越
えない場合(S517 No)、交差角度の累績Θ が
第1の所定値以下なのでほぼ直線的な道路であると判断
して、ステップS525へ進み、制御のレベルをレベル
Cと決定する。40度を越えた場合(S517 Ye
s)、さらに詳細に判断するため、ステップS519の
判断に進む。ステップS519では、入力された距離L
を100で割った値に、交差角度の累積Θを掛けた値
が、70度を越えたかどうかを判断する。
【0106】70度を越えない場合(S519 N
o)、角度の累積Θが第2の所定値以下なので旋回角度
の浅いカーブであると判断して、ステップS523へ進
み、制御のレベルをレベルBと決定する。70度を越え
る場合(S519 Yes)、旋回角度のきついカーブ
であると判断して、ステップS521へ進み、制御のレ
ベルをレベルAと判断し、最後にメインルーチンにリタ
ーンし、次の制御ルーチンS20を開始する。
【0107】制御ルーチンS20における制御内容は、
実施形態1〜4の場合と同様に、判定ルーチンS10の
結果得られた3つのレベルに応じて変速モードを変更す
る制御を行うことができる。例えば、レベルAの場合に
は、変速モードをパワーモードとし 、その他のレベル
の場合には、ノーマルモードとするよう、A/TECU
40へモード切替信号を供給する。以上のように、ステ
ップS517〜S525及びS20によって調整手段と
しての機能が発揮される。さらに、上記のような変速段
の制御は、変速モードの設定に限らず、車両前方の道路
形状と自車位置に基づいて、変更可能な変速段の範囲の
上限の決定を制御量とする制御としてもよい。
【0108】例えば、本実施形態の場合には、レベルA
の場合には上限を2速とし、レベルBの場合には、上限
3速とし、レベルCの場合には、上限規制をしない旨で
ある上限4速とする。そして、この上限値をA/TEC
U40へ供給することによって、例えば、上限3速が供
給された場合には、変速段は1速〜3速の間で変速段が
変更され、4速へのシフトアップが防止される。つま
り、変速マップをパワーモードとした場合と同様に、変
速段が低位置に維持され、カーブ路を走行する場合の、
加速のための充分な駆動力が常に得られ、またエンジン
ブレーキのよる減速の補助が可能となる。
【0109】また、旋回角度の大きなカーブの場合(例
えば、ヘアピンカーブ)には、上限を2速(若しくは、
パワーモード)とし、旋回角度の小さなカーブの場合
(鈍角状のカーブ)には、上限3速(若しくは、ノーマ
ルモード)とする事で、旋回角度に応じて、エンジンブ
レーキによる減速の補助の程度を変更する事が可能とな
る。また、旋回角度を考慮することにより、より道路形
状に対応した制御を行うことができ、運転者に違和感を
与えない。またこの場合には、変速比規制手段はナビゲ
ーション処理部によって構成され、実行手段は、A/T
ECU40で構成される。
【0110】さらに、上記の様な、変速段制御は、減速
操作の開始をきっかけとして実行される構成にすること
もできる。減速操作の開始の検出は、記述の減速操作検
出手段によって行なわれ、A/TECU40は検出信号
が供給されると、その信号の供給をきっかけとして、変
速段の変速可能な範囲の上限値をレベルA〜Cに応じて
決定し、変速段の範囲の規制を実行する。例えば、実際
の変速段が4速の場合に、減速操作が開始されると、変
速段の上限値が3速に規制され、この規制制御が実行さ
れる。これにより、減速操作の開始と同時に、4速から
3速へシフトダウンが行われることとなり、走行中に予
期しないシフトダウンが行われて運転者に不快感を起こ
させることなく、運転者の意図に沿った減速の補助が可
能となる。
【0111】また、変速段制御におけるさらなる態様と
して、レベルA〜Cに応じて上記減速操作を選択するこ
とができる。例えば、レベルAの場合、実際の変速段が
4速の場合に、減速操作としてアクセルオフの開始、も
しくはブレーキオンの開始のどちらかが検出された場合
に、上限値を3速もしくは2速まで規制する。レベルB
の場合、減速操作としてブレーキオンの開始が検出さ
れ、かつ車両の減速が検出された場合に、上限値を3速
に規制する。レベルCの場合、減速操作としてなにも検
出しない。他の例としては、レベルAの場合、実変速段
が4速の時に、ブレーキオンよりも運転者の減速要求意
識の低いアクセルオフの検出のみで、上限値を3速に規
制し、さらにブレーキオンの検出により上限値を2速に
規制する。レベルBの場合には、ブレーキオンの検出に
より上限値を3速に規制する。レベルCの場合には、減
速操作としてなにも検出しない。
【0112】このように、各種ある減速操作の中で、レ
ベルに応じて減速操作を選択することが可能となる。こ
のため、あるカーブの形状に応じて、検出すべき減速操
作を選択できることになり、より運転者への違和感をな
くすことができる。また、このような減速操作の開始を
きっかけとする制御及びその減速操作を選択する制御動
作の実行は、制御内容を変速モードの切替えを行う構成
とした場合にも適用することができる。この様な、減速
操作の開始をきっかけとして制御動作の実行を行う実行
手段は、例えば前記A/TECU40で構成される。
【0113】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の車両制御
装置によれば、曲率情報を修正する修正手段を設けたた
め、その修正された道路の曲率情報に基づいて道路状況
にそくした精密な車両制御ができる。即ち、一般的な曲
率情報に対して個別的な修正情報により修正を実行する
ことにより、具体的に確実な制御を行うことができる。
具体的には、交差点や道路の道幅、直線路の長さ、道路
種別など、予め定められた修正情報により曲率情報を修
正するため車両の走行制御に現実に適した車両制御が可
能となる。
【0114】また、上記車両制御を変速比制御に用いた
場合には、形式的な道路の形状のみでなく、実際の道路
状況に応じた変速比制御が可能となる。特に、変更可能
な変速比の範囲を設定する制御動作に用いることによっ
て、不要なシフトアップが抑制され、急激な加速や減速
の繰り返し操作を必要とするような道路の走行に、一層
適した車両制御が可能となる。さらに、運転者の減速操
作の開始の検出をきっかけとして制御動作を実行する構
成とすることによって、運転者の意図により則した制御
が可能となる。
【0115】また、カーブの旋回角度を考慮すること
で、カーブ入口から出口までの全体的な形状を判断する
ことにより、形式的な道路の形状のみでなく、実際の道
路状況に応じた車両制御が可能となる。このように、実
際の道路状況に対応しているので、運転者の違和感を一
層低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の車両制御装置の構成を示すブロック図
である。
【図2】道路上のノード位置とリンクの交差角度を示す
模式図である。
【図3】本発明の制御系のフローチャートである。
【図4】第1実施形態のフローチャートである。
【図5】第1実施形態のフローチャートである。
【図6】変速モードを制御する場合に用いるマップであ
る。
【図7】変速モードを制御する場合に用いる、他の実施
形態を示すマップである。
【図8】第2実施形態のフローチャートである。
【図9】第2実施形態のフローチャートである。
【図10】第3実施形態のフローチャートである。
【図11】第3実施形態のフローチャートである。
【図12】第4実施形態のフローチャートである。
【図13】第4実施形態のフローチャートである。
【図14】第4実施形態のフローチャートである。
【図15】第5実施形態のフローチャートである。
【図16】第5実施形態のフローチャートである。
【符号の説明】
1 車両制御装置 2 車両 10 ナビゲーションシステム装置 11 ナビゲーション処理部 12 データ記憶部 13 現在位置検出部 20 ATモード選択部 30 車両状態検出部 40 A/T ECU
フロントページの続き (72)発明者 太田 隆史 愛知県豊田市トヨタ町1 トヨタ自動車株 式会社内 (72)発明者 白井 久則 東京都千代田区外神田2丁目19番12号 株 式会社エクォス・リサーチ内 (72)発明者 川合 正夫 愛知県安城市藤井町高根10番地 アイシ ン・エイ・ダブリュ株式会社内 (72)発明者 有賀 秀喜 愛知県安城市藤井町高根10番地 アイシ ン・エイ・ダブリュ株式会社内

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 道路情報を記憶した道路情報記憶手段
    と、 前記道路情報記憶手段から道路の曲率情報を抽出する曲
    率情報抽出手段と、 予め定められた道路属性を修正情報として前記道路情報
    記憶手段から抽出する修正情報抽出手段と、 前記修正情報が抽出された時は、抽出された曲率情報を
    修正する曲率情報修正手段と、前記曲率情報に応じて車
    両を制御する制御手段を有することを特徴とする車両制
    御装置。
  2. 【請求項2】 前記曲率情報抽出手段は、前記道路情報
    記憶手段により記憶される特定点に関する緯度情報、経
    度情報から、特定点における変位角度を算出し、変位角
    度の累積に基づき曲率情報を判定する曲率情報判定手段
    を有する請求項1に記載の車両制御装置。
  3. 【請求項3】 さらに、自車位置を検出する自車位置検
    出手段と、 自車位置に基づき所定区間を設定する所定区間設定手段
    とを有し、 前記曲率情報抽出手段は、前記所定区間の曲率情報を抽
    出する請求項1または2に記載の車両制御装置。
  4. 【請求項4】 前記所定区間設定手段は、カーブの旋回
    角度に対応して所定区間の距離を設定することを特徴と
    する請求項3に記載の車両制御装置。
  5. 【請求項5】 前記修正情報は、特定の位置に関する情
    報として、前記道路情報記憶手段に記憶されていること
    を特徴とする請求項1ないし4のいずれかに記載の車両
    制御装置。
  6. 【請求項6】 前記修正情報は、交差点、道路幅、直線
    路の長さ、道路の種類、カーブの旋回角度のいずれかで
    ある請求項5に記載の車両制御装置。
  7. 【請求項7】 前記制御手段は、自動変速機の変速比を
    制御する変速制御手段である請求項1ないし6のいずれ
    かに記載の車両制御装置。
  8. 【請求項8】 前記変速制御手段は、抽出された曲率情
    報又は修正された曲率情報に応じて変速比の上限または
    下限を規制する変速比規制手段を含む請求項7に記載の
    車両制御装置。
  9. 【請求項9】 特定点に関する情報に基づいて曲率情報
    を算出する算出手段と、 特定点に対応して道路属性を記憶する記憶手段と、 前記道路属性が、予め定められた事由である場合には、
    その特定点に関する情報を除外して曲率情報を算出する
    修正手段を備えた請求項2ないし8のいずれかに記載の
    車両制御装置。
  10. 【請求項10】 記憶された道路情報と検出された現在
    地に応じて車両前方の区間の曲率情報を抽出し、抽出さ
    れた曲率情報が、車両制御に適正か否かを判断して、適
    正な曲率情報に基づいて、車両の走行状態における制御
    量を設定する請求項1ないし9のいずれかに記載の車両
    制御装置のプログラムを記憶したコンピュータ読取り可
    能な記録媒体。
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