JP3747140B2 - 食品成型方法および装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、春巻、シユーマイ、ギョーザ等の具材を食品皮で包んだ食品を製造する際に、具材を食品皮で包む方法および装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、春巻などのような具材を食品皮によって包む装置は食品皮と具材を円筒体の外周に設けた成型溝に上方から押し込むことで、具材の底辺と両側を食品皮で包み、円筒体を回転して食品皮を部材に接して滑らす中で具材の上辺を食品皮で包み込み、成型溝から具材を包んだ食品皮を抜き出して、具材の両端側を食品皮を滑らす中で折曲げそして折り畳み、食品皮ロール巻き機構によって食品皮を具材に包んで製品としていた。(例えば、特公昭57ー4408号公報参照)
【0003】
しかし、従来の装置では食品皮を装置の部材に接しながら滑らして移動させるなかで食品皮を折畳む為に、食品皮に摩擦による負荷がかかり、食品皮が破れたり、具材が崩れたりして、しばしば成型が不完全となって不良品が出るといった問題点があった。
また、食品皮が装置部材に擦り合う事で食品皮が折り畳まれることから、装置の各部材の組合わせに高い精度が必要となるが、時間の経過に従って精度が落ちて成型良品率が悪化する傾向にある。
そして、従来の装置では立体的な経路を移動して具材が食品皮によって巻かれているので複雑となり、メンテナンスにも手間が掛るといった問題点があった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は上記問題点を解消するために、食品皮の移動を装置の部材に乗せたままで移動して、食品皮によって具材を包むようにして、食品皮に摩擦のような負荷を掛けるのを少なくして不良品を出さなくした。また、平面的な移動によって具材が外皮に包まれていくので装置が簡素となりメンテナンスも容易となるものを提供することを目的としている。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために本発明は、所定角度で回転するターンテーブルの円周面に所定角度で方形状の折畳み部材を複数配置して設ける。折畳み部材上に食品皮を供給する食品皮供給部と、食品皮上に具材を供給する具材供給部とを設ける。
【0006】
方形状の折畳み部材は一方の対角線がターンテーブルの中心線と合うように設け、ターンテーブルの中心の近くの角が内側角、遠くの角が外側角とし、他方の対角線をなす角をそれぞれ左側角、右側角として配置する。折畳み部材は中央部に食品支持板を内側角部に内側角部板を設け、外側角部と左右側角部とが折曲るようにした折曲げ板を設ける。食品皮の折り残された部分(裾)を巻き込む巻込み部を設ける。巻き上がった食品を搬出するコンベァを設けた構成からなる。
【0007】
上記構成から、食品皮供給部によって帯状となった食品皮から所定の巾で切断した食品皮を折畳み部材に敷くようにして乗せる。ターンテーブルを所定角度回転して折畳み部材上の食品皮に具材供給部より具材を所定位置に乗せる。ターンテーブルを所定角度回転して、折畳み部材の外側角部の折曲げ板上に乗せられた食品皮の外側角部を折曲げ板によって折畳んで具材を包む。ターンテーブルを所定角度回転して、折畳み部材の左右側角部の折曲げ板上に乗せられた食品皮の左右側角部の二方を折曲げ板によって順次折畳んで具材を包む。ターンテーブルを所定角度回転して折畳み部材上の食品皮の三方を折り畳んだ食品をターンテーブルから搬出させて巻込み部に送る。巻込み部で折り残された食品皮の内側角部が巻き込まれて、食品となってコンベァによって排出される。
【0008】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。
図1に示すように、60度の回転角で回転するターンテーブル1の円周面を60度の角度で等分した位置に、方形状をして対角線がターンテーブル1の中心を通るように配置した枠を設け、枠内に食品皮15を折畳んで具材14を包む折畳み部材2を設ける。方形状の折畳み部材2は対角線がターンテーブル1の中心を通る方向にある外側角と内側角と中心線に直角の対角線の方向にある左側角と右側角を有するように配置されている。
【0009】
ターンテーブル1にはターンテーブル1の折畳み部材2に食品皮15を敷くようにして乗せる食品皮供給部10、折畳み部材2上の食品皮15の所定位置に具材14を供給する具材供給部11、折畳み部材2で食品皮15を三方から折畳まれた食品と折畳み部材2およびターンテーブル1から搬出させる搬送ハンド19、食品皮15で三方から折畳まれた具材14の両端を爪で掴んで回転して折り残された食品皮を巻き込む巻込み部13、巻き上がった食品を排出する食品排出コンベァ12を設けた構成からなる。
【0010】
図2に示すように、食品皮供給部10は帯状の食品皮(皮帯)を引き出す把持爪17と皮帯を切断するカッター16を備えている。
方形状の折畳み部材2の一辺の巾と同じ巾で連なる皮帯の端を把持爪17で引出して、折畳み部材2と同じ巾でカッター16によって皮帯を切断する。切断された方形状の皮帯である食品皮15を把持爪17によって移動させて、折畳み部材2の対角線の45度方向から折畳み部材2上に敷くようにして乗せる。
【0011】
図3に示すように、ターンテーブル1の中心線を中心線として両側に等しい長さからなる所定巾を持った矩形の板を設ける。矩形状の板はターンテーブル1の中心に近い位置を内側とし、遠い位置を外側とすると、外側角部と中央部と内側角部からなり、外側角部は食品皮15を折曲げて折畳むようになった外側角部折曲げ板4となっている。
【0012】
方形状の食品皮15の角が中心線を通るように矩形の板に置かれる為に、矩形の板の外側角部と内側角部に食品皮15の角部の形状に合わせた堀込みを設ける。この堀込みによってターンテーブル1の回転中に食品皮15が折曲げ部材2からずれたり、外れたりしないようになっている。
中央部は矩形状で食品皮15と具材14を支持する食品支持板3からなり、食品支持板3には具材供給位置に食品がターンテーブル1の回転による慣性で飛されないようにする為の食品固定ピン9が設けられている。
【0013】
また、食品支持板3は内側角部板7と一体となっていて、ターンテーブル1面に対して上下動するようになっている。矩形の板の左右側に食品皮15の角部の形状に合せた三角形状で食品皮15の角部を折曲げて折畳む左右側角部折曲げ板5,6を設ける。
【0014】
折畳み部材2は外側角部折曲げ板4と食品支持板3、内側角部板7および左右側角部折曲げ板5,6からなり、方形状の食品皮15をターンテーブル1の中心線上に食品皮15の角が来るように合わせて乗せられるようになっている。また、折畳み部材2の食品皮15を乗せる面はターンテーブル1の面よりも一段と低くしてターンテーブル1の折畳み部材枠に嵌め込まれている。ターンテーブル1の面よりも折畳み部材2の食品皮15を乗せる面を一段と低くしたのは、折畳み部材2に乗る食品皮15が運転の振動や慣性によって折畳み部材2からずれたり、外れたりしない為のものである。
【0015】
折畳み部材2上に乗せられた食品は外側角部折曲げ板4および左右側角部折曲げ板5,6が折れ曲がって、食品皮15が折返されて食品支持板3上の食品皮15および具材14を三方から折畳むようになっている。夫々の折曲げ板4,5,6、食品支持板3は食品皮15が板に付着しないように、また移動の際の抵抗を軽減させる為に、板の表面に多数のV溝を設けて板の表面と食品皮15との接触面積を小さくしたり、滑りやすい樹脂材料などで作成した。
【0016】
図4に示すように、折畳み部材2上に乗せられた食品皮15は外側角部折曲げ板4及び左右側角部折曲げ板5,6によって角部が折曲って折畳まれるが、この折曲げ機構は折曲げ板4,5,6を上下に移動させ、かつ折曲げ板4,5,6を回転させて折曲げるようになっている。折曲げ板4,5,6を上下に移動させるのは、上下に平行移動するように支える下支え部材21と下支え部材21を支持する棒22および下支え部材21に上下運動を伝える突上げ棒23になっている。また、折曲げ板4,5,6の折曲げは折曲げ板4,5,6を食品支持板3側に回転できるように軸によって支持されるヒンジ20と、折曲り板4,5,6に取付いたくの字状アーム24とロッド25からなるリンク機構によってなされる。
【0017】
イの状態で食品皮15を折畳み部材2に乗せる。
ロに示すように、折曲り板4,5,6の折畳みにおいては、まず突上げ棒23によって折曲げ板4,5,6が上方に移動して、食品支持板3よりも一段高い位置に置かれる。
ハ、ニで示すように、タイミングをずらしてリンク機構を上げて折曲げ板4,5,6をヒンジ20で回転させて食品支持板3側に折り曲げる。この為に折曲げ板4,5,6に乗っていた食品皮15の角部が折り曲って食品支持板3上の食品皮15に畳まれる。
【0018】
図5に示すように、具材14を食品皮15で三方から折り畳んだ食品をターンテーブル1から搬出させて巻込み部13の爪に送る為の搬送ハンド19はボールネジ18に取付いたアームおよびヘッドからなり、食品の具材部分をヘッドで押すようにして搬送用スベリ台上を移動させる。搬送ハンド19はボールネジ18の回転によって往復運動をする。
【0019】
図6に示すように、ターンテーブル1がAの位置で、食品皮供給部10によって帯状となった食品皮15を把持爪17によって引きだし、方形状の折畳み部材2に合わせた形状に切り取って方形状の食品皮15とした後、折畳み部材2に敷くようにして乗せる工程。
【0020】
ターンテーブル1を60度回転させてBの位置で、折畳み部材2に乗る食品皮15に左右の角の対角線と外側角との間の対角線よりの位置に具材供給部11より具材14を乗せる工程。
【0021】
ターンテーブル1を60度回転させてCの位置で、折畳み部材2の外側角部折曲げ板4を食品支持板3に向けて折畳み、食品皮15の外側の一方の角部を折り畳んで、食品皮によって具材を包む工程。
【0022】
ターンテーブル1を60度回転させてDの位置で、折畳み部材2の左側角部折曲げ板5および右側角部折曲げ板6を順次食品支持板3に向けて折畳み、具材14を覆うように食品皮15の左右側二方の角部を折り畳む工程。
【0023】
ターンテーブル1を60度回転させてEの位置で、食品支持板3に具材14を食品皮15で三方から折り畳んで包んだ食品皮15の内側の角部が折り残された状態で乗る食品を食品支持板3を上げて、搬送ハンド19によって食品支持板3から搬送用スベリ台に送出する工程。
【0024】
食品皮は搬送ハンド19によって押されて搬送用スベリ台上を滑りながら、ターンテーブル1から搬出されてFの位置に来る。Fの位置で、食品皮15で三方を折り畳まれて包まれた具材14を両側から巻込み部13の爪で掴んで爪を回転させて食品皮15の折り残された内側の角部を具材14の外周に巻き込み、コンベァによって食品成型装置から排出する工程。
【0025】
【発明の効果】
本発明は、以上説明したように構成されているので、以下に記載されるような効果を奏する。
食品皮に摩擦力などの破れやすい力を掛けることが少ないので不良品になる頻度が少なくなった。
平面状で食品の成形が行われるので、食品や装置の状態を監視するのが容易である。
また、平面的な構造となっている為にメンテナンスが容易である。
複雑な成型経路を通らないために食品成型能力が高い。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の食品成型装置の全体を示す概略説明図である。
【図2】食品皮供給部の皮帯から食品皮を切り出す場面を示す概略説明図である。
【図3】食品皮を折畳む折畳み部材の概略説明図である。
【図4】折曲げ板の折曲げ機構を示す概略説明図である。
【図5】ターンテーブルから食品を搬出する搬送バンドの概略説明図である。
【図6】折畳み部材によって食品皮を折畳み具材を包む工程を示す概略説明図である。
【符号の説明】
1 ターンテーブル
2 折畳み部材
3 食品支持板
4 外側角部折曲げ板
5 左側角部折曲げ板
6 右側角部折曲げ板
7 内側角部板
8 具材載置部分
9 食品固定ピン
10 食品皮供給部
11 具材供給部
12 食品排出コンベァ
13 巻込み部
14 具材
15 食品皮
16 カッター
17 把持爪
18 ボールネジ
19 搬送ハンド
20 ヒンジ
21 下支え部材
22 棒
23 突上げ棒
24 くの字状アーム
25 ロッド
Claims (3)
- 所定角度で回転するターンテーブル(1)に所定角度で配置した食品皮(15)を折畳む方形状の折畳み部材(2)を設け、方形状の折畳み部材(2)の一方の対角線がターンテーブル(1)の中心線と合うように設け、折畳み部材(2)は中央部の食品支持板(3)と内側角部板(7)および外側角部と左右側角部とが夫々折曲るようになった折曲げ板(4,5,6)を設けて、折畳み部材(2)上に敷かれた食品皮(15)を外側角部と左右側角部との夫々の折曲げ板(4,5,6)によって食品支持板(3)上に折畳むようにして、食品皮(15)によって具材(14)を包むことを特徴とする食品成型装置。
- 折畳み部材(2)上に食品皮(15)を供給する食品皮供給部(10)、食品皮(15)上に具材(14)を供給する具材供給部(11)、食品皮(15)を三方から折畳んで具材(14)を包んだ食品を折畳み部材(2)から移動させる搬送ハンド(19)、食品皮(15)を巻き込む巻込み部(13)を所定角度で配置したことを特徴とする請求項1記載の食品成型装置。
- 折曲げ板(4,5,6)の折曲げを、折曲げ板(4,5,6)を上下に平行移動するように支える下支え部材(21)と下支え部材(21)を支持する棒(22)および下支え部材(21)に上下運動を伝える突上げ棒(23)、折曲げ板(4,5,6)を回転させて折曲げるヒンジ(20)と、折曲げ板(4,5,6)に取付いたくの字状アーム(24)とロッド(25)からなるリンク機構によって行うことを特徴とする請求項1記載の食品成型装置。
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