JP3745064B2 - 基板搬送装置およびそれを用いた基板搬送方法ならびに基板姿勢変換装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は第1ポジションに配置された半導体ウエハ、フォトマスク用ガラス基板、液晶表示用ガラス基板、光ディスク用基板等の基板(以下「基板」という。)を搬送して、その基板を第2ポジションに配置する基板搬送装置およびそれを用いた基板搬送方法ならびに基板姿勢変換装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、各種基板処理を行う場合に、カセットに水平姿勢で収納された基板をカセットから搬出し、水平姿勢のまま基板処理を行ったり、カセット鉛直姿勢で収納された基板をカセットから搬出し、鉛直姿勢のまま基板処理を行ったりする方法がある。
【0003】
また、諸般の事情から収納された基板が鉛直姿勢であるようにカセットを基板処理装置に投入した場合や、水平に基板を収納したカセットを基板処理装置に投入した場合に、カセットごと90゜の横転をさせて基板の姿勢を変換して処理する必要がある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、前者の技術の場合、実際には水平姿勢で行った方が有利な処理と鉛直姿勢で行った方が有利な処理とを含む複数の処理を行う場合でも、いずれかの姿勢のままで処理を行わなければならなかった。
【0005】
また、後者の技術の場合、基板を搬送するロボット以外にカセット内に基板が収納された状態でカセットを横転させる装置が余分に必要となり、装置の製造コストが高くなっていた。
【0006】
また、カセットの姿勢変換の際にカセットの基板支持部分と基板との間に摩擦が生じてパーティクル等が発生するといった問題が生じていた。
【0007】
この発明は、従来技術における上述の問題の克服を意図しており、基板の姿勢を変更することが可能で、かつ製造コストが少なくて済み、パーティクルの発生を抑えることができる基板搬送装置およびそれを用いた基板搬送方法ならびに基板姿勢変換装置を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するため、この発明の請求項1の装置は、第1ポジションに配置された基板を搬送して第2ポジションに配置する基板搬送装置であって、支持板と、前記支持板に設けられ、基板を支持する複数のピンと、基板を収容可能な収容溝を有するチャックとを備える基板保持手段と、前記基板保持手段を、ほぼ前記支持板の基部と先端部とを結ぶ軸線を中心に回動させることにより、前記基板保持手段によって保持された基板を、少なくとも、水平姿勢、第1の鉛直姿勢、および前記第1の鉛直姿勢に対して上下反転の関係にある第2の鉛直姿勢、のうちのいずれかの姿勢とすることを許容する第1駆動手段と、前記第1ポジションおよび前記第2ポジションの間で前記基板保持手段を移動させる第2駆動手段とを備え、前記チャックが、前記先端部に固定された固定チャックと、前記基部に近い側において、前記軸線に関してほぼ対称に配置され、独立して開閉可能な複数の開閉チャックとを備える。
【0010】
また、この発明の請求項2の装置は、請求項1の基板搬送装置であって、複数の前記基板保持手段を多段に積層したことを特徴とする。
【0011】
また、この発明の請求項3の装置は、請求項1または請求項2の基板搬送装置において、前記収容溝の奥側が狭まっているとともに、その底部が少なくとも基板の厚さより大きな幅のフラット部分を備える。
【0012】
また、この発明の請求項4の方法は、請求項1ないし請求項3のうちのいずれかの基板搬送装置を用いて、前記第1ポジションに配置された基板を搬送して前記第2ポジションに配置する基板搬送方法であって、前記第1ポジションにおいて水平姿勢で配置された基板を前記基板保持手段によって保持しつつ、基板を水平姿勢で前記第1ポジションから搬出する工程と、基板を保持した前記基板保持手段を前記第2駆動手段によって前記第2ポジションへと移動させるとともに、前記第1ポジションから搬出された後、前記第2ポジションに前記基板を搬入する前までの期間に前記第1駆動手段によって前記基板保持手段を回動させることにより、第1と第2の鉛直姿勢のうちあらかじめ決定された鉛直姿勢へと基板の姿勢を変換する工程と、基板の姿勢の変換後に基板を前記第2ポジションへ搬入して前記基板保持手段による基板の保持を解放する工程と、を備える。
【0013】
また、この発明の請求項5の方法は、請求項4の基板搬送方法であって、前記第2ポジションは基板を載置する第1および第2の基板載置部を有しており、前記第1ポジションに配置されている所定枚数の基板を前記基板保持手段によって搬出し、前記基板保持手段の一方向への回動によって前記第1の鉛直姿勢に変換して前記第1の基板載置部に配置し、前記第1ポジションに配置されている残りの基板を前記基板保持手段によって搬出し、前記基板保持手段の他方向への回動によって前記第2の鉛直姿勢に変換して前記第2の基板載置部に配置することを特徴とする。
【0014】
また、この発明の請求項6の方法は、請求項1ないし請求項3のうちのいずれかの基板搬送装置を用いて、前記第1ポジションに配置された基板を搬送して前記第2ポジションに配置する基板搬送方法であって、前記第1ポジションにおいて鉛直姿勢で配置された基板を前記基板保持手段によって前記基板を保持しつつ、前記基板を鉛直姿勢で前記第1ポジションから搬出する工程と、基板を保持した前記基板保持手段を前記第2駆動手段によって前記第2ポジションへと移動させるとともに、前記第1ポジションから搬出された後、前記第2ポジションに前記基板を搬入する前までの期間に前記第1駆動手段によって前記基板保持手段を回動させることにより、水平姿勢へと基板の姿勢を変換する工程と、基板の姿勢の変換後に基板を前記第2ポジションへ搬入して前記基板保持手段による基板の保持を解放する工程と、を備える。
【0015】
また、この発明の請求項7の方法は、請求項6の基板搬送方法であって、前記第1ポジションが、第1の鉛直姿勢で基板を載置する第1の基板載置部と、第2の鉛直姿勢で基板を載置する第2の基板載置部を有しており、前記第1の基板載置部から前記第1の鉛直姿勢で前記基板保持手段によって搬出された基板を、前記基板保持手段の一方向への回動によって前記水平姿勢に変換して前記第1ポジションに搬送し、前記第2の基板載置部から前記第2の鉛直姿勢で前記基板保持手段によって搬出された基板を、前記基板保持手段の他方向への回動によって水平姿勢に変換して前記第2ポジションに搬送することを特徴とする。
【0016】
また、この発明の請求項8の装置は、基板を水平姿勢から鉛直姿勢へと姿勢変換する基板姿勢変換装置であって、支持板と、前記支持板に設けられ、基板を支持する複数のピンと、基板を収容可能な収容溝を有するチャックとを備える基板保持手段と、前記基板保持手段を、ほぼ前記支持板の基部と先端部とを結ぶ軸線を中心に回動させることにより、前記基板保持手段によって保持された基板を、少なくとも、水平姿勢、第1の鉛直姿勢、および前記第1の鉛直姿勢に対して上下反転の関係にある第2の鉛直姿勢、のうちのいずれかの姿勢とすることを許容する回動駆動手段とを備え、前記チャックが、前記先端部に固定された固定チャックと、前記基部に近い側において、前記軸線に関してほぼ対称に配置され、独立して開閉可能な複数の開閉チャックとを備える。
【0018】
【発明の実施の形態】
【0019】
【1.実施の形態における機構的構成および動作】
図1および図2はこの実施の形態の基板搬送装置を含む基板配列変換装置における側面図および平面図である。これらの図および以下の図において、水平面をX−Y面とし、鉛直方向をZ方向とする3次元座標系X−Y−Zが定義されている。以下、図1および図2を用いてこの実施の形態の基板配列変換装置1の概略構成について説明していく。
【0020】
基板配列変換装置1は、カセット載置台10、搬送部としての基板搬送装置20、収納部30、基板載置台40とを備えている。
【0021】
基板搬送装置20は第1ポジションとしての後述するカセット載置台10に載置されたカセットCS1,CS2から基板Wを取り出し、基板載置台40に基板Wを搬送する。
【0022】
カセット載置台10にはその上面に作業者の手により12インチの基板Wを最大25枚収納することができるカセットCS1,CS2がセットされる。なお、ここでカセットCS1,CS2は内部に収納された基板Wが水平になるようにセットされる。
【0023】
収納部30の内部底面には図示しない駆動機構が設けられており、基板搬送装置20を支持しつつ開口30aの長手方向すなわちY軸の正負方向に並進移動する。
【0024】
第2ポジションとしての基板載置台40の上面には基板載置部410a,410bが設けられており、その上部に刻まれた基板枚数(25枚)と同数の溝に基板Wを嵌入させて支持する。
【0025】
つぎに、要部についてさらに詳細に説明していく。
【0026】
基板搬送装置20は基台210、水平回動部220、第1鉛直回動部230、第2鉛直回動部240、ハンド回動部245、第3鉛直回動部250、ハンド260を備えている。なお、この基板搬送装置20の各部のうち、ハンド260およびハンド回動部245を併せたものが基板姿勢変換装置に相当する。
【0027】
基台210は図2に示した開口30aに沿って図示しない制御部の制御に基づいて前述の収納部30内の駆動機構によりY軸の正負方向に並進移動される。
【0028】
基台210の上面に設けられた水平回動部220は制御部の制御に基づいて基台210内の図示しない回動機構により鉛直方向(Z軸方向)を中心として任意の角度で回動される。
【0029】
第1鉛直回動部230は水平回動部220の上方に連結され、矢符A1のように回動する。同様に第1鉛直回動部230の上方には第2鉛直回動部240が連結され、矢符A2のように回動する。
【0030】
さらに、第2鉛直回動部240の一端にはハンド回動部245が連結され、第2鉛直回動部240内部の図示しない回動駆動機構により中心軸CAを中心に矢符A3のように任意の角度で回動可能となっている。
【0031】
また、ハンド回動部245の一端には第3鉛直回動部250が連結され、矢符A4のように回動する。なお、このハンド回動部245の回動によるハンド260の回動の詳細は後述する。
【0032】
このような機構によりハンド260はカセット載置台10、収納部30、基板載置台40上方の任意位置に基板Wを移動できると共に、基板搬送装置20から見たハンド260の水平面内の中心を軸として回動することができる。
【0033】
図3はハンド260の斜視図である。以下、この図に基づいてハンド260の構成を説明していく。
【0034】
基部である固定板261にはエアシリンダ262a,262bの一端が固定されており、さらにその他端は回動腕263a,263bに連結されている。そして、回動腕263a,263bの先端には開閉チャック264a,264bが設けられている。開閉チャック264a,264bは固定板261の中心から後述の固定チャック266a〜266eの中心に到る仮想的な軸線ALに関して線対称に設けられている。なお、この軸線ALが前述の第2鉛直回動部240の中心軸CAと平行であり、近接するようにハンド260は第3鉛直回動部250に取り付けられている。
【0035】
そして、開閉チャック264a,264bにはそれぞれ5本の収容溝GA1〜GA5が設けられている。そして、収容溝GA1〜GA5のうちの隣接するもの同士の間隔は支持板265a〜265eの間隔と同じになるように等間隔に形成されている。
【0036】
また、このハンド260ではエアシリンダ262a,262bそれぞれの駆動により、回動腕263a,263bがそれぞれ独立に回動し、それにより開閉チャック264a,264bがそれぞれ独立に開閉する。
【0037】
また、固定板261には5枚の支持板265a〜265eがカセットCS1,CS2内に収納された基板Wの間隔と同じ間隔に設けられているが、図4に示すように収容溝GA1〜GA5のそれぞれは支持板265a〜265eのそれぞれの支持ピン267a〜267e(支持ピン267b〜267eは図示せず)の上端よりわずかに高い位置になるように設けられている。
【0038】
また、これらの収容溝GA1〜GA5はその断面が奥に向けて2段の角度で次第に狭くなったY字形の溝になっており、収容溝GA1〜GA5のフラット部分である底部BAはその幅WAが基板Wの厚さよりわずかに広く構成されている。すなわち、この実施の形態では基板Wの厚さを775±25μmとして、これに対する収容溝GA1〜GA5の底部BAの幅WAを800μmとしている。
【0039】
また、支持板265a〜265eの固定板261に接続されない先端部には固定チャック266a〜266eが設けられている。これら固定チャック266a〜266eにはそれぞれに収容溝GB1〜GB5が設けられており、固定チャック266a〜266eの収容溝GA1〜GA5と同様に、それぞれの底部BBは基板Wの厚さよりわずかにその幅WBが広いフラット部分となっており、その幅WBも収容溝GA1〜GA5の底部BAの幅WAと同様となっている。
【0040】
また、収容溝GB1〜GB5の上部スロープUSと下部スロープLSとはその水平面となす角度および水平方向の長さが異なっている。すなわち、下部スロープLSは上部スロープUSと比べてその水平面となす角度が小さく、その長さは長くなっている。また、底部BBはそれぞれの支持板265a〜265eからの高さが支持ピン267a〜267eの高さより高くなっている。
【0041】
なお、以上において、開閉チャック264a,264bの収容溝GA1〜GA5、支持板265a〜265e、固定チャック266a〜266eおよびそれらの嵌入溝GB1〜GB5ならびに支持ピン267a〜267eの互いに対応するものがそれぞれ単独の基板保持手段に相当し、この実施の形態の装置ではそれら基板保持手段を多段に積層した状態で備えているものである。
【0042】
つぎに、このように構成されたハンド260により基板Wを把持する際の動作について説明する。
【0043】
基板搬送装置20の各回動部の動きによってハンド260の支持板265a〜265eのそれぞれがカセットCS1またはCS2内の互いに隣接する基板Wの間に挿入され、支持板265a〜265eがカセットCS1またはCS2内の所定位置に位置したところでハンド260を上昇させて各基板Wを支持板265a〜265eに載置する。
【0044】
図4は開閉チャック264bが開いている状態での支持板265cによる基板Wの支持の様子を示す図である。なお、図4および後述の図5、図6では支持板265cのみを図示したが、その他の支持板等も同様の構成である。
【0045】
載置された状態では基板Wは図4のような位置に載置される。この段階では開閉チャック264a,264bは開いた状態である。
【0046】
このように開閉チャック264bが開いた状態では基板Wは支持ピン267cと固定チャックLSとによって支持されている。なお、このときの基板Wの高さは収容溝GA3の底部BAより低く、収容溝GA3の水平面とのなす角度が大きいスロープ部ASの中程の高さになっている。
【0047】
図5は開閉チャック264bが閉じた状態での基板の様子を示す図である。
【0048】
開閉チャック264bが閉じられると図5のように基板Wは第1スロープ、第2スロープを乗り越えて、基板Wの側面が収容溝GA3の底部BAに当接するようになる。そしてその際には基板Wを支持する支持ピン267cから離れている。
【0049】
図6は固定チャック266cにおける基板の様子を示す図であり、図6(a)および図6(b)はそれぞれ開閉チャック264a,264bが開いた状態および閉じた状態を表わしている。
【0050】
図6(a)のように、開閉チャック264a,264bが開いた状態では基板Wは支持ピン267a〜267eおよび下部スロープLSにより支持されている。すなわち、収容溝GB3の底部BBの高さは支持ピン267a〜267eより高くなっている。また、ハンド260がカセットCS1,CS2内において基板を支持する際に基板Wが下部スロープLSに載置されるように上部スロープUSの張出し長さULは短く設定されている。
【0051】
そして、開閉チャック264a,264bが閉じると図6(b)のように基板Wは開閉チャック264a,264bによって固定チャック266a〜266e方向へ押されて下部スロープLS上を上方に滑り、固定チャック266cの収容溝GA3の底部BBに当接される。またそれにより基板Wは支持ピン267cから離れる。このようにしてハンド260は最大5枚の基板Wを1度に把持することができる。
【0052】
つぎに、このようにして把持した基板Wを基板載置部410a,410bに渡す際のハンド260の動作について説明する。
【0053】
図7は第1の鉛直姿勢での基板の受渡しの状況を示す図である。この場合の受渡しでは、まず、基板Wをその鏡面を上にして水平姿勢で把持したハンド260がハンド回動部245の回動により基板搬送装置20から見て時計回りに90゜の回動(以下「正回動」という。)を行い、基板Wを第1鉛直姿勢にする。このとき、基板Wの鏡面はY軸の正側を向いている。なお、この時には開閉チャック264a,264bは閉じた状態(実線で示した開閉チャック264aと一点鎖線で示した開閉チャック264b)にある。
【0054】
つぎに、上側の開閉チャック264bを開く(実線で示した開閉チャック264b)。
【0055】
つぎに、基板搬送装置20がハンド260を移動させて基板載置部410aの図示しない溝の上方に、把持された基板Wを位置させた後に降下させる。その際、基板Wが完全に基板載置部410aの溝に当接した(図7はこのときの状態を示している。)後もハンド260をわずかに下方に移動させることによって、固定チャック266a〜266eおよび開閉チャック264aから基板Wがわずかに離間する。
【0056】
つぎに、下側の開閉チャック264aを開く(一点鎖線で示した開閉チャック264a)。
【0057】
つぎに、ハンド260をわずかにY軸の負方向に移動させた後、基板Wの間から支持板265a〜265eを抜き取るようにハンド260を後退させる。これにより、第1の鉛直姿勢での基板Wの基板載置部410aへの搬送が終了する。
【0058】
図8は第2の鉛直姿勢での基板Wの受渡しの状況を示す図である。この場合の基板Wの受渡しでは、まず、基板Wをその鏡面を上にして水平姿勢で把持したハンド260がハンド回動部245の回動により基板搬送装置20から見て反時計回りに90゜の回動(以下「逆回動」という。)を行って基板Wを第2の鉛直姿勢にする。このとき、基板Wの鏡面はY軸の負方向を向いている。
【0059】
そして、上記の第1の鉛直姿勢での受渡しとほぼ同様にして基板Wを基板載置部410bに載置するが、先に開閉チャック264aを開き、基板Wを基板載置部410bに載置する点が異なる。
【0060】
このように、開閉チャック264a,264bのうち、上側のもののみを先に開いて上記のように基板Wを受け渡すことができるので、開閉チャック264a,264bを両方同時に開く場合と比べて、容易で確実な基板の受渡しを行うことができる。
【0061】
また、この実施の形態の基板搬送装置20のハンド260では固定チャック266a〜266eの収容溝GA1〜GA5の底部BAおよび開閉チャック264a,264bの収容溝GB1〜GB5の底部BBが基板Wの厚さより幅の広いフラット部になっているため、上記のように基板Wを受け渡す際に、基板Wが収容溝GA1〜GA5や収容溝GB1〜GB5に挟まってハンド260から離間せず、その後退とともに基板Wが後退するといった不都合が生じない。
【0062】
【2.実施の形態における処理手順】
図9および図10は基板配列変換処理の手順を示す図である。以下、これらの図に基づいて基板配列変換処理について説明していく。
【0063】
処理に当たり、予め基板搬送装置20は基板搬送位置PS1に位置しているとともに、そのハンド260はその支持板265a〜265eが水平になっている。
【0064】
まず、カセットCS1内の基板W(第1基板列に相当)の間にハンド260の支持板265a〜265eを挿入し、最大5枚の基板Wを水平姿勢で把持して取り出す(ステップS1)。
【0065】
つぎに、基板搬送装置20が180゜の水平回動を行い、振り返る(ステップS2)。
【0066】
つぎにハンド260が90゜の正回動を行い、基板Wを第1鉛直姿勢にする(ステップS3)。
【0067】
つぎに、把持していた基板Wを基板載置部410aに載置する(ステップS4)。
【0068】
つぎに、ハンド260が90゜の逆回動を行った(ステップS5)後、基板搬送装置20が再度180゜の水平回動をおこない、振り返る(ステップS6)。
【0069】
そして、以上の処理をカセットCS1内の全基板Wについて行ったかどうかを判定して(ステップS7)、完了していなければステップS1に戻り、完了していれば基板配列変換処理を終了することで、上記のステップS1〜ステップS6の処理をカセットCS1内の全基板W(この実施の形態では最大25枚となっている。)について行う。
【0070】
つぎに基板搬送装置20はY軸の正方向に水平移動して、基板搬送位置PS2に位置する(図10のステップS8)。
【0071】
つぎに、カセットCS2内の基板W(第2基板列に相当)の間にハンド260の支持板265a〜265eを挿入し、最大5枚の基板Wを水平姿勢で把持して取り出す(ステップS9)。
【0072】
つぎに、基板搬送装置20が180゜の水平回動を行い振り返る(ステップS10)。
【0073】
つぎにハンド260が90゜の逆回動を行い、基板Wを第2鉛直姿勢にする(ステップS11)。
【0074】
つぎに、把持していた基板Wを基板載置部410bに載置する(ステップS12)。
【0075】
つぎに、ハンド260が90゜の正回動を行った(ステップS13)後、基板搬送装置20が再度180゜の水平回動を行い、振り返る(ステップS14)。
【0076】
そして、以上の処理をカセットCS2内の全基板Wについて行ったかどうかを判定して(ステップS15)、完了していなければステップS9に戻り、完了していれば基板配列変換処理を終了することで、上記のステップS9〜ステップS14の処理をカセットCS2内の全基板W(この実施の形態では最大25枚となっている。)について行う。
【0077】
以上説明したように、この実施の形態の基板搬送装置20ではハンド回動部245の回動によりハンド260が基板Wを把持した状態で正逆回動することにより、基板Wを第1の鉛直姿勢および第2の鉛直姿勢のそれぞれと水平姿勢とで姿勢変更させることができるため、基板Wをカセットごと横転させる必要がないので、その際のカセットと基板Wとの摩擦によるパーティクルの発生がなく、また、カセットを横転させるための装置が不要であるので装置の製造コストを抑えることができる。
【0078】
また、この実施の形態の基板搬送装置20では、ハンド260が複数の基板Wを把持できるように構成されているため、一度に複数枚の基板搬送および水平姿勢と第1の鉛直姿勢および第2の鉛直姿勢との間で基板Wの姿勢変換を行うことができる。
【0079】
さらに、この実施の形態の基板搬送装置20ではカセットCS1内の基板Wを第1の鉛直姿勢にして基板載置部410aに載置し、カセットCS2内の基板Wを第2の鉛直姿勢にして基板載置部410bに載置する構成であるため、互いに鏡面の向きの異なる2つの基板列を形成することができる。
【0080】
【3.変形例】
上記実施の形態ではカセットCS1,CS2から取り出した基板Wを基板載置部410a,410bに搬送するのみの構成としたが、逆の手順により基板載置部410a,410bから取り出した基板WをカセットCS1,CS2に戻すことを行う構成としてもよい。
【0081】
また、上記実施の形態では、カセットCS1,CS2に水平に収納された基板Wを第1および第2の鉛直姿勢に変換して基板載置部410a,410bに載置する構成としたが、この発明はこれに限られず逆に鉛直姿勢でカセット内に収納された基板を水平姿勢に変換して基板載置部に載置する等の構成でもよい。
【0082】
また、上記実施の形態では開閉チャック264a,264bを独立に開閉可能な構成としたが、この発明はこれに限られず、両開閉チャック264a,264bを同時に開閉する構成として、把持した基板Wが基板載置部410a,410bに当接した後に両開閉チャック264a,264bが開くようにしてもよい。
【0083】
また、上記実施の形態では支持板、固定チャック、開閉チャック264a,264bの収容溝のそれぞれを5つずつ設けて一度に把持できる基板Wを最大5枚としたが、この発明はこれに限られず、その他の枚数、例えば1枚のみとしたり、10枚等としてもよい。
【0084】
また、上記実施の形態では回動腕263a,263bを回動駆動する機構としてエアシリンダ262a,262bを用いたが、この発明はこれに限られずモータとボールネジを用いた機構等でもよい。
【0085】
また、上記実施の形態では開閉チャック264a,264bの収容溝GA1〜GA5や、固定チャック266a〜266eの収容溝GB1〜GB5を図4〜図6に示す形状としたが、この発明はこれに限られず、V字形等の形状でもよい。
【0086】
さらに、上記実施の形態では支持ピン267a〜267eを支持板265a〜265eのそれぞれに2つずつ設ける構成としたが、この発明はこれに限られず、3つ設ける等の構成でもよい。
【0087】
【発明の効果】
以上説明したように、請求項1〜請求項3および請求項8の発明では第1駆動手段により基板保持手段を、ほぼ支持板の基部と先端部とを結ぶ軸線のまわりに回動させることにより、それによって保持された基板を、少なくとも、水平姿勢、第1の鉛直姿勢、および第1の鉛直姿勢に対して上下反転の関係にある第2の鉛直姿勢、のうちの任意の姿勢とすることを許容することができるため、基板の姿勢を変換する際に基板をカセットごと横転させたりする必要がないので、その際のカセットと基板との摩擦によるパーティクルの発生がなく、また、カセットを横転させるための装置が不要であるので装置の製造コストを抑えることができる。
【0088】
また、請求項4および請求項5の発明では、基板を水平姿勢で第1ポジションから搬出した後、第1駆動手段によって基板保持手段を回動させることにより、第1と第2の鉛直姿勢のうちあらかじめ決定された鉛直姿勢へと基板の姿勢を変換して第2ポジションへ搬入する構成であるため、また、請求項6および請求項7の発明では基板を鉛直姿勢で第1ポジションから搬出した後、第1駆動手段によって基板保持手段を回動させることにより、水平姿勢へと基板の姿勢を変換し、第2ポジションへ搬入する構成であるため、上記の請求項1〜請求項3および請求項8の発明と同様の効果を有する。
【0089】
また、請求項1および請求項8の発明では基板保持手段が独立して開閉可能な複数の開閉チャックを備えるため、基板が第1の鉛直姿勢および第2の鉛直姿勢にある状態で、それら複数の開閉チャックのうち、相対的に高く位置する開閉チャックのみを開いた状態で基板を第2ポジションに配置させた後に、残りの開閉チャックを開くことにより基板を搬送することができるので、複数の開閉チャックを両方同時に開く場合と比べて、確実な基板の搬送を行うことができる。
【0090】
また、請求項2の発明では複数の基板保持手段を多段に積層した状態で備えるため、一度に複数枚の基板搬送および上記のような基板の姿勢変換を行うことができる。
【0091】
また、請求項3の発明では、基板保持手段の収容溝の奥側が狭まっているとともに、その底部が少なくとも基板の厚さより大きな幅のフラット部分を備えるため、基板の搬送時の基板保持手段が退去する際に基板が収容溝から抜けないで基板保持手段とともに移動してしまい、搬送に失敗するといったことがなく、確実な基板の搬送を行うことができる。
【0092】
また、請求項5の発明では、水平姿勢で第1ポジションに配置された基板を搬送して、第2ポジションにおいて第1の鉛直姿勢とこの鉛直姿勢と上下反転の関係にある第2の鉛直姿勢で第1の基板載置部および第2の基板載置部に基板を配置しているので、第2ポジション配置後の処理工程において、基板の向きを反転させて処理する必要がある場合でも、基板の向きを反転させる回転機構を設ける必要がないという効果がある。
【0093】
また、請求項7の発明では、第1ポジションにおいて第1の鉛直姿勢とこの鉛直姿勢と上下反転の関係にある第2の鉛直姿勢で第1の基板載置部および第2の基板載置部に配置された基板を搬送して、水平姿勢で第2ポジションに基板を配置しているので、第1ポジション配置前の処理工程により第1ポジションで異なる鉛直姿勢に配置されている基板を搬送して、第2ポジションで基板を水平姿勢に整列配置することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施の形態の基板配列変換装置における側面図である。
【図2】実施の形態の基板配列変換装置における平面図である。
【図3】ハンドの斜視図である。
【図4】開閉チャックが開いている状態での基板の様子を示す図である。
【図5】開閉チャックが閉じた状態での基板の様子を示す図である。
【図6】開閉チャックが開閉した状態での固定チャックにおける基板の様子を示す図である。
【図7】第1の鉛直姿勢での基板の受渡しの状況を示す図である。
【図8】第2の鉛直姿勢での基板の受渡しの状況を示す図である。
【図9】基板配列変換処理の手順を示す図である。
【図10】基板配列変換処理の手順を示す図である。
【符号の説明】
1 基板配列変換装置
20 基板搬送装置
10 カセット載置台
40 基板載置台
245 ハンド回動部
260 ハンド
262a,262b エアシリンダ
264a,264b 開閉チャック
265a〜265e 支持板
266a〜266e 固定チャック
267a〜267e 支持ピン
410a,410b 基板載置部
BA,BB 底部
GA1〜GA5,GB1〜GB5 収容溝
W 基板
Claims (8)
- 第1ポジションに配置された基板を搬送して第2ポジションに配置する基板搬送装置であって、
支持板と、前記支持板に設けられ、基板を支持する複数のピンと、基板を収容可能な収容溝を有するチャックとを備える基板保持手段と、
前記基板保持手段を、ほぼ前記支持板の基部と先端部とを結ぶ軸線を中心に回動させることにより、前記基保持手段によって保持された基板を、少なくとも、水平姿勢、第1の鉛直姿勢、および前記第1の鉛直姿勢に対して上下反転の関係にある第2の鉛直姿勢、
のうちのいずれかの姿勢とすることを許容する第1駆動手段と、
前記第1ポジションおよび前記第2ポジションの間で前記基板保持手段を移動させる第2駆動手段と、
を備え、
前記チャックが、
前記先端部に固定された固定チャックと、
前記基部に近い側において、前記軸線に関してほぼ対称に配置され、独立して開閉可能な複数の開閉チャックと、
を備えることを特徴とする基板搬送装置。 - 請求項1の基板搬送装置であって、
複数の前記基板保持手段を多段に積層したことを特徴とする基板搬送装置。 - 請求項1または請求項2の基板搬送装置において、
前記収容溝の奥側が狭まっているとともに、その底部が少なくとも基板の厚さより大きな幅のフラット部分を備えることを特徴とする基板搬送装置。 - 請求項1ないし請求項3のうちのいずれかの基板搬送装置を用いて、前記第1ポジションに配置された基板を搬送して前記第2ポジションに配置する基板搬送方法であって、
前記第1ポジションにおいて水平姿勢で配置された基板を前記基板保持手段によって保持しつつ、基板を水平姿勢で前記第1ポジションから搬出する工程と、
基板を保持した前記基板保持手段を前記第2駆動手段によって前記第2ポジションへと移動させるとともに、前記第1ポジションから搬出された後、前記第2ポジションに前記基板を搬入する前までの期間に前記第1駆動手段によって前記基板保持手段を回動させることにより、第1と第2の鉛直姿勢のうちあらかじめ決定された鉛直姿勢へと基板の姿勢を変換する工程と、
基板の姿勢の変換後に基板を前記第2ポジションへ搬入して前記基板保持手段による基板の保持を解放する工程と、
を備えることを特徴とする基板搬送方法。 - 請求項4の基板搬送方法であって、
前記第2ポジションは基板を載置する第1および第2の基板載置部を有しており、
前記第1ポジションに配置されている所定枚数の基板を前記基板保持手段によって搬出し、前記基板保持手段の一方向への回動によって前記第1の鉛直姿勢に変換して前記第1の基板載置部に配置し、
前記第1ポジションに配置されている残りの基板を前記基板保持手段によって搬出し、前記基板保持手段の他方向への回動によって前記第2の鉛直姿勢に変換して前記第2の基板載置部に配置することを特徴とする基板搬送方法。 - 請求項1ないし請求項3のうちのいずれかの基板搬送装置を用いて、前記第1ポジションに配置された基板を搬送して前記第2ポジションに配置する基板搬送方法であって、
前記第1ポジションにおいて鉛直姿勢で配置された基板を前記基板保持手段によって前記基板を保持しつつ、前記基板を鉛直姿勢で前記第1ポジションから搬出する工程と、
基板を保持した前記基板保持手段を前記第2駆動手段によって前記第2ポジションへと移動させるとともに、前記第1ポジションから搬出された後、前記第2ポジションに前記 基板を搬入する前までの期間に前記第1駆動手段によって前記基板保持手段を回動させることにより、水平姿勢へと基板の姿勢を変換する工程と、
基板の姿勢の変換後に基板を前記第2ポジションへ搬入して前記基板保持手段による基板の保持を解放する工程と、
を備えることを特徴とする基板搬送方法。 - 請求項6の基板搬送方法であって、
前記第1ポジションが、第1の鉛直姿勢で基板を載置する第1の基板載置部と、第2の鉛直姿勢で基板を載置する第2の基板載置部を有しており、
前記第1の基板載置部から前記第1の鉛直姿勢で前記基板保持手段によって搬出された基板を、前記基板保持手段の一方向への回動によって前記水平姿勢に変換して前記第1ポジションに搬送し、
前記第2の基板載置部から前記第2の鉛直姿勢で前記基板保持手段によって搬出された基板を、前記基板保持手段の他方向への回動によって水平姿勢に変換して前記第2ポジションに搬送することを特徴とする基板搬送方法。 - 基板を水平姿勢から鉛直姿勢へと姿勢変換する基板姿勢変換装置であって、
支持板と、前記支持板に設けられ、基板を支持する複数のピンと、基板を収容可能な収容溝を有するチャックとを備える基板保持手段と、
前記基板保持手段を、ほぼ前記支持板の基部と先端部とを結ぶ軸線を中心に回動させることにより、前記基板保持手段によって保持された基板を、少なくとも、水平姿勢、第1の鉛直姿勢、および前記第1の鉛直姿勢に対して上下反転の関係にある第2の鉛直姿勢、
のうちのいずれかの姿勢とすることを許容する回動駆動手段と、
を備え、
前記チャックが、
前記先端部に固定された固定チャックと、
前記基部に近い側において、前記軸線に関してほぼ対称に配置され、独立して開閉可能な複数の開閉チャックと、
を備えることを特徴とする基板姿勢変換装置。
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