JP3742593B2 - ファルネシルトランスフェラーゼ阻害剤 - Google Patents

ファルネシルトランスフェラーゼ阻害剤 Download PDF

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Description

【0001】
本発明は、酵素ファルネシルプロテイントランスフェラーゼ(FPTase)の阻害によって遺伝子産物のファルネシル化を阻害する化合物に関する。本発明は、更に、それら化合物を製造する方法、医薬組成物、およびファルネシル化によって媒介される疾患、特に、癌を処置する方法に関する。
【0002】
癌は、細胞成長および分化を制御する遺伝子の発現または機能の変化を伴うと考えられる。理論的考察によって拘束されたくはないが、次の文は、癌におけるrasへの科学的背景を述べている。ras遺伝子は、しばしば、腫瘍中で突然変異する。ras遺伝子は、シグナル伝達、増殖および悪性形質転換に関与すると考えられるグアノシン三リン酸(GTP)結合タンパク質をコードする。H−、K−およびN−ras遺伝子が、rasの突然変異型として識別されている(Barbacid M, Ann.Rev.Biochem. 1987,56:779-827)。rasタンパク質の翻訳後修飾は、生物学的活性に必要とされる。FPTaseによって触媒されるrasのファルネシル化は、rasプロセシングにおける必須工程であると考えられる。それは、ファルネシルピロリン酸(FPP)のファルネシル基が、CAAXボックスと称される構造モチーフ内のrasのC末端テトラペプチドにあるシステインに転移することによって起こる。CAAXボックスのシステイン残基におけるタンパク質分解開裂およびシステインカルボキシルのメチル化を含めた追加の翻訳後修飾の後、rasは、細胞内部への成長シグナルの中継のために細胞膜に結合することができる。正常細胞の場合、活性化したrasは、成長因子と連結して作用して細胞成長を刺激すると考えられる。腫瘍細胞の場合、rasの突然変異は、おそらくは、GDP不活性型に循環し戻るよりもむしろ永久的にGTP活性型であることによって、成長因子の不存在下においても、rasに細胞分裂を刺激させるということが考えられる(Travis J, Science 1993,260:1877-1878)。突然変異ras遺伝子産物のファルネシル化の阻害は、活性化を停止するまたは減少させるであろう。
【0003】
ファルネシルトランスフェラーゼの既知の阻害剤の一つの種類は、ファルネシルピロリン酸類似体に基づく。例えば、Merck による欧州特許出願EP534546号を参照されたい。CAAXボックスの模擬に基づくファルネシルトランスフェラーゼの阻害剤は報告されている。Reiss(1990)は、Cell 62,81-8 において、CVIM(Cys−Val−Ile−Met)のようなテトラペプチドを開示している。James(1993)は、Science 260,1937-1942 において、ベンゾジアゼピンに基づくペプチド模擬化合物を開示している。Lerner(1995)は、J.Biol.Chem. 270,26802 において、そして Eisai は国際特許出願WO95/25086号において、第一残基としてのCysに基づく更に別のペプチド模擬化合物を開示している。EP696593号およびPCT/GB96/01810号は、ピロリジン誘導体を含めた更に別のファルネシルトランスフェラーゼ阻害剤を開示している。更に、rasファルネシル化の一定範囲の阻害剤は、PCT/GB99/00369号に記載され且つ請求の範囲に記載されている。
【0004】
これら出願は、ピロリジンの特定の置換が、ファルネシルトランスフェラーゼの阻害に関して特定の利点を与えるということを発見している。
本発明の一つの側面により、式(I)
【0005】
【化3】
Figure 0003742593
【0006】
(式中、R1およびR2は、Hまたはプロドラッグ部分より独立して選択され;
3は、水素またはハロゲンであり;
4は、水素またはハロゲンであり;
Lは、−CH=CH−または−CH2−Z−であり、但し、ZはNHまたはOであり;
Yは、S、S(O)またはS(O)2である)
を有する化合物;またはその塩を提供する。
【0007】
本明細書中で用いられる“アルキル”という用語は、特に断らない限り、1〜20個、好ましくは、1〜6個の炭素原子を有していてよい直鎖または分岐状鎖基を意味する。“アリール”という用語は、フェニルを含む。“ハロ”という用語は、フルオロ、クロロ、ブロモおよびヨードを含む。“ヘテロシクリル”または“複素環式”という用語は、4〜10個環原子を有し、そのうち5個までは酸素、硫黄および窒素より選択されるような基を含む。これら環は、単環式であってよいしまたは二環式であってよく、それぞれの環は、芳香族性であってよいしまたは非芳香族性であってよい。窒素原子は、その環の原子価によって可能ならば、水素かまたは、アルキル置換基のような置換基で置換されていてよい。複素環式環中の硫黄原子は、S(O)基またはS(O)2基に酸化されてよい。
【0008】
芳香族5員または6員複素環式環系の例には、イミダゾール、トリアゾール、ピラジン、ピリミジン、ピリダジン、ピリジン、イソオキサゾール、オキサゾール、イソチアゾール、チアゾールおよびチオフェンが含まれる。9員または10員二環式ヘテロアリール環系は、5員環かまたは別の6員環に縮合した6員環を含む芳香族二環式環系である。5/6および6/6二環式環系の例には、ベンゾフラン、ベンゾイミダゾール、ベンゾチオフェン、ベンゾチアゾール、ベンゾイソチアゾール、ベンゾオキサゾール、ベンゾイソオキサゾール、ピリドイミダゾール、ピリミドイミダゾール,キノリン、イソキノリン、キノキサリン、キナゾリン、フタラジン、シンノリンおよびナフチリジンが含まれる。
【0009】
好ましくは、単環式ヘテロアリール環は、3個までのヘテロ原子を含有し、二環式ヘテロアリール環は、5個までのヘテロ原子を含有する。好ましいヘテロ原子は、NおよびS、特に、Nである。概して、複素環式環の他の基への結合は、炭素原子による。ヘテロ原子としてNだけを含有する適当な複素環式基は、ピロール、ピリジン、インドール、キノリン、イソキノリン、イミダゾール、ピラジン、ピリミジン、プリンおよびプテリジンである。
【0010】
ピロリジン、ピペリジンまたはモルホリンのような、上の芳香環の(芳香族ではない)水素化された形または他の置換された形は、非芳香族複素環式基の例である。
【0011】
いろいろな形のプロドラッグが、当該技術分野において知られている。このようなプロドラッグ誘導体の例については、次を参照されたい。
(a)Design of Prodrugs, edited by H.Bundgaard, (Elsevier, 1985) and Methods in Enzymology, Vol.42.p.309-396, edited by K.Widder,et al.(Academic Press, 1985);
(b)A Textbook of Drug Design and Development, edited by Krogsgaard-Larsen;
(c)H.Bundgaard, Chapter 5“Design and Application of Prodrugs”,by H.Bundgaard p.113-191(1991);
(d)H.Bundgaard, Advanced Drug Delivery Reviews, 8,1-38(1992) ;
(e)H.Bundgaard, et al., Journal of Pharmaceutical Sciences, 77,285(1988);および
(f)N.Kakeya, et al., Chem Pharm Bull, 32,692(1984)。
【0012】
基R1の適当な例は、水素または式R5C(O)−のプロドラッグ基であり、ここにおいて、R5は、置換されていてよいアリールもしくはヘテロシクリル基である。特に、R5は、置換されていてよいフェニル、置換されていてよいピリジル、置換されていてよいフリル、置換されていてよいイソオキサゾール、置換されていてよいテトラヒドロピリジルまたは置換されていてよいテトラヒドロフリルである。
【0013】
5に適当な置換基には、メチルのようなアルキル基、トリフルオロメチルのようなハロアルキル基、ヒドロキシ、メトキシのようなアルコキシ、またはシアノが含まれる。
【0014】
好ましくは、R5は、フェニル、ピリジルまたはN−メチルピペリジンである。
2のプロドラッグ基の例は、ヒトまたは動物体内で開裂して親酸を生じる薬学的に許容しうるエステルの in vivo 開裂可能エステル基である。好適には、R2は、それが結合しているカルボキシ基と一緒になって、C1-6アルキルエステルまたはC1-6シクロアルキルエステル、例えば、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、n−ブチルまたはシクロペンチルのエステル;C1-6アルコキシメチルエステル、例えば、メトキシメチルエステル;C1-6アルカノイルオキシメチルエステル、例えば、ピバロイルオキシメチルエステル;フタリジルエステル;C3-8シクロアルコキシカルボニルオキシC1-6アルキルエステル、例えば、1−シクロヘキシルカルボニルオキシエチルエステル;1,3−ジオキソラン−2−イルメチルエステル、例えば、5−メチル−1,3−ジオキソラン−2−イルメチルエステル;C1-6アルコキシカルボニルオキシエチルエステル、例えば、1−メトキシカルボニルオキシエチルエステル;アミノカルボニルメチルエステルおよびそのモノ−またはジ−N−(C1-6アルキル)変型、例えば、N,N−ジメチルアミノカルボニルメチルエステルおよびN−エチルアミノカルボニルメチルエステルのような薬学的に許容しうるエステル、および置換されていてよい複素環式基の薬学的に許容しうるエステルを形成する。
【0016】
したがって、具体的には、R2は、水素、イソプロピルまたはシクロペンチルのようなC1-4アルキル基、またはN−メチルテトラヒドロピリジルのような置換されていてよい複素環式基より選択される。
【0017】
3は、好適には、ハロ原子、特に、フッ素である。
4は、好ましくは、水素またはフッ素、特に、水素である。
結合基Lは、好ましくは、式CH2−Z−を有する基であり、ここにおいて、ZはNHまたはOである。
【0018】
基Yは、好ましくは、基S、S(O)またはS(O)2である。
上に定義の式Iの化合物のいくつかが、1個またはそれ以上の不斉炭素原子によって光学活性体またはラセミ体で存在しうる限りにおいて、本発明は、その定義中に、FTPaseを阻害する性質を有するこのような光学活性体またはラセミ体を全て包含するということは理解されるはずである。光学活性体の合成は、当該技術分野において周知の標準的な有機化学技法によって、例えば、光学活性出発物質からの合成によってまたはラセミ体の分割によって行うことができる。同様に、FTPaseに対する阻害性は、以下に論及される標準的な実験技術を用いて評価することができる。
【0019】
式I中のピロリジン環の2位および4位のキラル炭素原子は、(S)立体配置であることが好ましい。
式I中のカルボニルとアミンとの間の2位のキラル炭素原子は、(S)立体配置であることが好ましい。
【0020】
式Iの化合物は、本発明の範囲内である塩を形成してよい。薬学的に許容しうる塩は好適であるが、他の塩は、例えば、化合物を単離するまたは精製する場合に有用でありうる。
【0021】
この化合物が塩基性部分を含有する場合、それは、種々の無機酸または有機酸、例えば、塩酸、臭化水素酸、硫酸、リン酸、トリフルオロ酢酸、クエン酸またはマレイン酸と薬学的に許容しうる塩を形成しうる。本発明の適当な薬学的に許容しうる塩は、この化合物が酸性部分を含有する場合、アルカリ金属塩、例えば、ナトリウムまたはカリウム塩、アルカリ土類金属塩、例えば、カルシウムまたはマグネシウム塩、アンモニウム塩、または薬学的に許容しうる陽イオンを与える有機塩基との塩、例えば、メチルアミン、ジメチルアミン、トリメチルアミン、ピペリジン、モルホリンまたはトリス−(2−ヒドロキシエチル)アミンとの塩である。本発明の化合物の具体的な塩は、酢酸塩、スルホン酸メチルまたはエチルのようなアルキルスルホン酸塩、フマル酸塩、ギ酸塩、コハク酸塩およびグルコン酸塩である。
【0022】
溶媒和化合物、例えば、水和物も、本発明の範囲内であり、一般的に知られている方法によって製造することができる。
式(I)の化合物の具体的な例を表1に示す。
【0023】
【化4】
Figure 0003742593
【0024】
【表1】
Figure 0003742593
【0025】
本発明のもう一つの側面により、薬剤として用いるための式Iの化合物を提供する。
更に、本発明により、rasのファルネシル化によって媒介される疾患、特に、癌の処置用薬剤の製造において使用するための式Iの化合物を提供する。
【0026】
化合物は、この方法で使用するための医薬組成物として適当に製剤化される。
したがって、本発明のなおもう一つの側面により、上に挙げた式Iの化合物を薬学的に許容しうる希釈剤または担体と一緒に含む医薬組成物を提供する。
【0027】
本発明のもう一つの側面により、rasに媒介される疾患、特に、癌を処置する方法であって、このような処置を必要としている哺乳動物に有効量の式Iの化合物を投与することによる方法を提供する。
【0028】
本発明のもう一つの特徴により、ヒトまたは動物体の療法による処置方法で使用するための式Iの化合物またはその薬学的に許容しうる塩を提供する。
本発明は、更に、癌などのファルネシル化に媒介される疾患または医学的状態を処置する場合に使用するための薬剤の製造における式(I)の化合物の使用を提供する。
【0029】
本発明の化合物または組成物によって処置することができる具体的な癌には、 - 膀胱癌、乳癌、結腸癌、腎臓癌、肝癌、肺癌、卵巣癌、膵臓癌、胃癌、子宮頸癌、甲状腺癌および皮膚癌を含めた癌;
- 急性リンパ性白血病、B細胞リンパ腫およびバーキット(Burketts)リンパ腫を含めたリンパ様系統の造血性腫瘍;
- 急性および慢性の骨髄性白血病および前骨髄球性白血病を含めた骨髄球様系統の造血性腫瘍;
- 線維肉腫および横紋筋肉腫を含めた間葉起源の腫瘍;および
- 黒色腫、精上皮腫、テトラトカルシノーマ(tetratocarcinoma)、神経芽細胞腫および神経膠腫を含めた他の腫瘍
が含まれる。
【0030】
式Iの化合物は、結腸、肺および膵臓の腫瘍のような、高いras突然変異発生率を有する腫瘍の処置において特に有用である。本発明の化合物の一つ(または組合せ)を有する組成物の投与により、哺乳動物宿主における腫瘍の発生は減少する。
【0031】
式Iの化合物は、Rasによって機能するシグナル伝達経路に関連することがありうる癌以外の疾患、例えば、神経線維腫症の処置においても有用でありうる。
【0032】
式Iの化合物は、酵素ファルネシルプロテイントランスフェラーゼによっても翻訳後修飾されるRas以外のCAAX含有タンパク質(例えば、核ラミンおよびトランスデューシン)に関連する疾患の処置においても有用でありうる。
【0033】
本発明の組成物は、経口使用(例えば、錠剤、口中錠、硬および軟カプセル剤、水性または油状懸濁剤、乳剤、分散性散剤または顆粒剤、シロップ剤またはエリキシル剤として)、局所使用(例えば、クリーム剤、軟膏剤、ゲル剤、または水性または油状の液剤または懸濁剤として)、吸入による投与(例えば、微粉散剤または液状エアゾル剤として)、吹入による投与(例えば、微粉散剤として)または非経口投与(例えば、静脈内、皮下または筋肉内投与用の滅菌水性または油状液剤として、または直腸投与用の坐剤として)に適した形であってよい。
【0034】
本発明の組成物は、当該技術分野において周知の慣用的な医薬賦形剤を用いて慣用法によって得ることができる。したがって、経口使用に予定される組成物は、例えば、1種類またはそれ以上の着色剤、甘味剤、着香剤および/または保存剤を含有してよい。
【0035】
錠剤製剤に適した薬学的に許容しうる賦形剤には、例えば、ラクトース、炭酸ナトリウム、リン酸カルシウムまたは炭酸カルシウムのような不活性希釈剤;トウモロコシデンプンまたはアルギン酸のような造粒剤および崩壊剤;デンプンのような結合剤;ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸またはタルクのような滑沢剤;p−ヒドロキシ安息香酸エチルまたはプロピルのような保存剤;およびアスコルビン酸のような酸化防止剤が含まれる。錠剤製剤は、胃腸管内でのそれらの崩壊および引き続きの活性成分吸収を変更するためにかまたはそれらの安定性および/または外観を改善するために、どちらの場合にも、当該技術分野において周知の慣用的なコーティング剤および手順を用いてコーティングされてよいしまたはされなくてよい。
【0036】
経口使用組成物は、その活性成分、が不活性固体希釈剤、例えば、炭酸カルシウム、リン酸カルシウムまたはカオリンと混合されているゼラチン硬カプセル剤の形であってよいし、または活性成分が、ラッカセイ油、流動パラフィンまたはオリーブ油のような油または水と混合されているゼラチン軟カプセル剤としてあってよい。
【0037】
水性懸濁剤は、概して、微粉の形の活性成分を、1種類またはそれ以上の、カルボキシメチルセルロースナトリウム、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、アルギン酸ナトリウム、ポリビニルピロリドン、トラガカントゴムおよびアラビアゴムのような懸濁化剤;レシチン、または脂肪酸とアルキレンオキシドの縮合生成物(例えば、ステアリン酸ポリオキシエチレン)、または長鎖脂肪アルコール、例えば、ヘプタデカエチレンオキシセタノールとエチレンオキシドの縮合生成物、またはポリオキシエチレンソルビトールモノオレアートのようなへキシトールおよび脂肪酸から誘導される部分エステルとエチレンオキシドの縮合生成物、または無水へキシトール、例えば、ポリエチレンソルビタンモノオレアートおよび脂肪酸から誘導される部分エステルとエチレンオキシドの縮合生成物のような分散助剤または湿潤剤のと一緒に含有する。これら水性懸濁剤は、1種類またはそれ以上の保存剤(p−ヒドロキシ安息香酸エチルまたはプロピル)、酸化防止剤(アスコルビン酸など)、着色剤、着香剤および/または甘味剤(スクロース、サッカリンまたはアスパルテームなど)を含有してもよい。
【0038】
油状懸濁剤は、活性成分を植物油(ラッカセイ油、オリーブ油、ゴマ油またはヤシ油など)中または鉱油(流動パラフィンなど)中に懸濁させることによって製剤化することができる。これら油状懸濁剤は、蜜ロウ、硬質パラフィンまたはセチルアルコールのような粘稠化剤を含有してもよい。上記のような甘味剤および着香剤を加えて、風味のよい経口製剤を提供することができる。これら組成物は、アスコルビン酸のような酸化防止剤の添加によって保存することができる。
【0039】
水の添加による水性懸濁液の製造に適した分散性散剤および顆粒剤は、概して、活性成分を、分散助剤または湿潤剤、懸濁化剤および1種類またはそれ以上の保存剤と一緒に含有する。適当な分散助剤または湿潤剤および懸濁化剤は、上に既述されたものによって代表される。甘味剤、着香剤および着色剤のような追加の賦形剤も存在してよい。
【0040】
本発明の医薬組成物は、水中油エマルジョンの形であってもよい。その油状相は、オリーブ油またはラッカセイ油のような植物油または例えば、流動パラフィンのような鉱油、またはこれらのいずれかの混合物であってよい。適当な乳化剤、例えば、アラビアゴムまたはトラガカントゴムのような天然に存在するガム、ダイズ、レシチンのような天然に存在するホスファチド、脂肪酸および無水へキシトールから誘導されるエステルまたは部分エステル(例えば、ソルビタンモノオレアート)およびそれら部分エステルとポリオキシエチレンソルビタンモノオレアートのようなエチレンオキシドとの縮合生成物であってよい。それらエマルジョンは、甘味剤、着香剤および保存剤も含有してよい。
【0041】
シロップ剤およびエリキシル剤は、グリセロール、プロピレングリコール、ソルビトール、アスパルテームまたはスクロースのような甘味剤を用いて製剤化することができるし、粘滑剤、保存剤、着香剤および/または着色剤も含有してよい。
【0042】
これら医薬組成物は、滅菌注射可能水性または油状懸濁剤の形であってもよく、これは、既知の手順にしたがって、上に述べられた適当な分散助剤または湿潤剤および懸濁化剤の1種類またはそれ以上を用いて製剤化することができる。滅菌注射可能製剤は、無毒性の非経口的に許容しうる希釈剤または溶媒中の滅菌注射可能液剤または懸濁剤、例えば、1,3−ブタンジオール中の液剤であってもよい。
【0043】
坐剤製剤は、常温で固体であるが、直腸温度では液体であり、したがって、直腸内で融解して薬物を放出するであろう適当な非刺激性賦形剤と活性成分を混合することによって製造することができる。適当な賦形剤には、例えば、カカオ脂およびポリエチレングリコールが含まれる。
【0044】
クリーム剤、軟膏剤、ゲル剤および水性または油状の液剤または懸濁剤のような局所用製剤は、概して、当該技術分野において周知の慣用法を用いて、慣用的な局所的に許容しうるビヒクルまたは希釈剤と一緒に活性成分を製剤化することによって得ることができる。
【0045】
吹入による投与用の組成物は、例えば、30μまたはそれよりはるかに小さい平均直径の粒子を含有する微粉散剤の形であってよく、その散剤自体、活性成分を単独で含むかまたは、ラクトースのような1種類またはそれ以上の生理学的に許容しうる担体を用いて希釈されている。次に、吹入用散剤は、既知の薬剤クロモグリク酸ナトリウムの吹入に用いられるようなターボ吸入装置を用いた使用のために、例えば、1〜50mgの活性成分を含有するカプセル中に好都合に保持される。
【0046】
吸入による投与用組成物は、微粉固体を含有するエアゾル剤かまたは液滴として活性成分を分散させるように配置される慣用的な加圧エアゾル剤の形であってよい。揮発性フッ素化炭化水素または炭化水素のような慣用的なエアゾル噴射剤を用いることができ、エアゾル装置は、一定の計測量の活性成分を分散させるように好都合に配置される。
【0047】
製剤に関する追加の情報について、読者は、Comprehensive Medicinal Chemistry(Corwin hansch; Chairman of Editorial Board), Pergamon Press 1990 の5巻25.2章を参照する。
【0048】
1種類またはそれ以上の賦形剤と混合されて単一剤型を生じる活性成分の量は、処置される宿主および具体的な投与経路に依って必然的に異なるであろう。例えば、ヒトへの経口投与に予定される製剤は、概して、全組成物の約5〜約98重量%であってよい適当且つ好都合な量の賦形剤と一緒に配合される、例えば、0.5mg〜2gの活性成分を含有するであろう。単位剤型は、概して、約1mg〜約500mgの活性成分を含有するであろう。投与経路および投薬計画に関する追加の情報について、読者は、Comprehensive Medicinal Chemistry(Corwin hansch; Chairman of Editorial Board), Pergamon Press 1990 の5巻25.3章を参照する。
【0049】
式Iの化合物の治療または予防の目的の用量サイズは、周知の医学原則にしたがって、状態の性状および重症度、動物または患者の年齢および性別、および投与経路によって当然異なるであろう。上述のように、式Iの化合物は、rasのファルネシル化の作用に単独にまたは部分的による疾患または医学的状態を処置する場合に有用である。
【0050】
治療または予防の目的に式Iの化合物を用いる場合、それは、概して、必要ならば分割用量で与えられる、例えば、0.5mg〜75mg/kg(体重)の範囲内の1日用量が与えられるように投与されるであろう。非経口経路を用いる場合、概して、より少ない用量が投与されるであろう。したがって、例えば、静脈内投与には、概して、例えば、0.5mg〜30mg/kg(体重)の範囲内の用量を用いるであろう。同様に、吸入による投与には、例えば、0.5mg〜25mg/kg(体重)の範囲内の用量を用いるであろう。しかしながら、経口投与が好適である。
【0051】
上に定義の式(I)の化合物は、単独の療法として用いられてよいし、または本発明の化合物に加えて、1種類またはそれ以上の他の物質および/または処置を伴ってよい。このような共同処置は、その処置の個々の成分の同時、逐次的または個別の投与によって達せられうる。医学腫瘍学の分野において、癌を有するそれぞれの患者を処置するのに異なった形の処置組合せを用いることは、通常の慣例である。医学腫瘍学において、本明細書中の前に定義の細胞周期阻害処置に加えて、このような共同処置の他の1種類または複数の成分は、外科手術、放射線療法または化学療法であってよい。このような化学療法は、次の主な3種類の治療薬を包含しうる。
【0052】
(i)本明細書中の前に定義のものと同じまたは異なった機構によって作用する他の細胞周期阻害剤;
(ii)細胞増殖抑制剤であって、抗エストロゲン(例えば、フルベストラント(fulvestrant)、タモキシフェン、トレミフェン(toremifene)、ラロキシフェン(raloxifene)、ドロロキシフェン(droloxifene)、ヨードキシフェン)、プロゲストゲン(例えば、酢酸メゲストロール)、アロマターゼ阻害剤(例えば、アナストロゾール(anastrozole)、レトラゾール(letrazole)、ボラゾール(vorazole)、エクセメスタン(exemestane))、抗プロゲストゲン、抗アンドロゲン(例えば、フルタミド、ニルタミド(nilutamide)、ビカルタミド(bicalutamide)、酢酸シプロテロン)、LHRHアゴニストおよびアンタゴニスト(例えば、酢酸ゴセレリン、ルプロリド(luprolide))、テストステロン5α−ジヒドロレダクターゼの阻害剤(例えば、フィナステリド)、抗浸潤剤(例えば、マリマスタト(marimastat)のようなメタロプロテイナーゼ阻害剤およびウロキナーゼプラスミノーゲンアクチベーター受容体機能の阻害剤)および増殖因子機能の阻害剤(このような増殖因子には、例えば、血小板由来増殖因子および肝細胞増殖因子が含まれ、このような阻害剤には、増殖因子抗体、増殖因子受容体抗体、チロシンキナーゼ阻害剤およびセリン/トレオニンキナーゼ阻害剤が含まれる)など;および
(iii)医学腫瘍学において用いられるような抗増殖性/抗腫瘍性薬およびそれらの組合せであって、代謝拮抗薬(例えば、メトトレキセートのような葉酸拮抗薬、5−フルオロウラシルのようなフルオロピリミジン、プリンおよびアデノシン類似体、シトシンアラビノシド);抗腫瘍抗生物質(例えば、ドキソルビシン、ダウノマイシン、エピルビシン(epirubicin)およびイダルビシン(idarubicin)のようなアントラサイクリン系、マイトマイシンC、ダクチノマイシン、ミトラマイシン);白金誘導体(例えば、シスプラチン、カルボプラチン);アルキル化剤(例えば、ナイトロジェンマスタード、メルファラン、クロラムブシル、ブスルファン、シクロホスファミド、イホスファミド(ifosfamide)、ニトロソ尿素、チオテパ);抗有糸分裂薬(例えば、ビンクリスチンのようなビンカアルカロイドおよびタキソール、タキソテールのようなタキソイド);トポイソメラーゼ阻害剤(例えば、エトポシドおよびテニポシドのようなエピポドフィロトキシン、アムサクリン(amsacrine)、トポテカン(topotecan))など。本発明のこの側面により、癌の共同処置のための、上に定義の式(I)の化合物および本明細書中の前に定義の追加の抗腫瘍物質を含む医薬製品を提供する。
【0053】
式Iの化合物は、温血動物(ヒトを含めた)において用いるための治療薬として主に価値があるが、それらは、ファルネシル化を阻害する必要がある場合も常に有用である。したがって、それらは、新規な生物学的試験の開発においておよび新規な薬剤の探求において用いるための薬理学的基準として有用である。
【0054】
本発明のもう一つの側面により、下記の実施例における最終生成物として生じる個々の化合物およびそれらの塩を提供する。
本発明の化合物またはその塩は、このような化合物または構造的に関連した化合物の製造に応用できることが知られているいずれの方法によっても製造することができる。このような方法を、次の代表的なスキームによって詳しく説明するが、ここにおいて、可変基は、特に断らない限り、式Iについて定義の意味のいずれかを有する。官能基は、慣用法を用いて保護し且つ脱保護することができる。アミノ保護基およびカルボン酸保護基のような保護基の例(更には、生成および最終の脱保護の手段)については、T.W.Greene and P.G.M.Wuts,“Protective Groups in Organic Synthesis”, Second Edition, John Wiley & Sons, New York, 1991 を参照されたい。用いられる略語が、下の実施例の直前に挙げられていることに留意されたい。
【0055】
保護基は、問題の保護基の除去について、適宜、参考文献に記載のまたは熟練した化学者に知られている任意の慣用法によって除去することができるが、このような方法は、分子中にどこか他の基の妨害を最小限にして保護基の除去を行うように選択される。
【0056】
保護基の具体的な例を、便宜上、下に与えるが、ここにおいて、“低級”とは、それが当てはまる基が、好ましくは、1〜4個の炭素原子を有するということを意味する。これら例が網羅的でないということは理解されるであろう。保護基を除去する方法の具体例が下に与えられている場合、これらも、同様に、完全ではない。具体的に述べられていない保護基の使用および脱保護の方法は、当然ながら、本発明の範囲内である。
【0057】
カルボキシ保護基は、エステル形成性脂肪族または芳香脂肪族アルコールのまたはエステル形成性シラノールの残基であってよい(このアルコールまたはシラノールは、好ましくは、1〜20この炭素原子を含有する)。
【0058】
カルボキシ保護基の例には、直鎖または分岐状鎖(1−12C)アルキル基(例えば、イソプロピル、t−ブチル);低級アルコキシ低級アルキル基(例えば、メトキシメチル、エトキシメチル、イソブトキシメチル);低級脂肪族アシルオキシ低級アルキル基(例えば、アセトキシメチル、プロピオニルオキシメチル、ブチリルオキシメチル、ピバロイルオキシメチル);低級アルコキシカルボニルオキシ低級アルキル基(例えば、1−メトキシカルボニルオキシエチル、1−エトキシカルボニルオキシエチル);アリール低級アルキル基(例えば、p−メトキシベンジル、o−ニトロベンジル、p−ニトロベンジル、ベンズヒドリルおよびフタリジル);トリ(低級アルキル)シリル基(例えば、トリメチルシリルおよびt−ブチルジメチルシリル);トリ(低級アルキル)シリル低級アルキル基(例えば、トリメチルシリルエチル);および(2−6C)アルケニル基(例えば、アリルおよびビニルエチル)が含まれる。
【0059】
カルボキシル保護基の除去に特に適した方法には、例えば、酸、金属または酵素に触媒される加水分解が含まれる。
ヒドロキシ保護基の例には、低級アルケニル基(例えば、アリル);低級アルカノイル基(例えば、アセチル);低級アルコキシカルボニル基(例えば、t−ブトキシカルボニル);低級アルケニルオキシカルボニル基(例えば、アリルオキシカルボニル);アリール低級アルコキシカルボニル基(例えば、ベンゾイルオキシカルボニル、p−メトキシベンジルオキシカルボニル、o−ニトロベンジルオキシカルボニル、p−ニトロベンジルオキシカルボニル);トリ低級アルキル/アリールシリル基(例えば、トリメチルシリル、t−ブチルジメチルシリル、t−ブチルジフェニルシリル);アリール低級アルキル基(例えば、ベンジル)基;およびトリアリール低級アルキル基(例えば、トリフェニルメチル)が含まれる。
【0060】
アミノ保護基の例には、ホルミル、アルアルキル基(例えば、ベンジルおよび置換ベンジル、例えば、p−メトキシベンジル、ニトロベンジルおよび2,4−ジメトキシベンジル、およびトリフェニルメチル);ジ−p−アニシルメチル基およびフリルメチル基;低級アルコキシカルボニル(例えば、t−ブトキシカルボニル);低級アルケニルオキシカルボニル(例えば、アリルオキシカルボニル);アリール低級アルコキシカルボニル基(例えば、ベンジルオキシカルボニル、p−メトキシベンジルオキシカルボニル、o−ニトロベンジルオキシカルボニル、p−ニトロベンジルオキシカルボニル);トリアルキルシリル(例えば、トリメチルシリルおよびt−ブチルジメチルシリル);アルキリデン(例えば、メチリデン);ベンジリデンおよび置換ベンジリデン基が含まれる。
【0061】
ヒドロキシ保護基およびアミノ保護基の除去に適した方法には、例えば、酸、塩基、金属または酵素に触媒される加水分解、またはo−ニトロベンジルオキシカルボニルのような基のための光分解による、またはシリル基のためのフッ化物イオンを用いた方法が含まれる。
【0062】
アミド基の保護基の例には、アルアルコキシメチル(例えば、ベンジルオキシメチルおよび置換ベンジルオキシメチル);アルコキシメチル(例えば、メトキシメチルおよびトリメチルシリルエトキシメチル);トリアルキル/アリールシリル(例えば、トリメチルシリル、t−ブチルジメチルシリル、t−ブチルジフェニルシリル);トリアルキル/アリールシリルオキシメチル(例えば、t−ブチルジメチルシリルオキシメチル、t−ブチルジフェニルシリルオキシメチル);4−アルコキシフェニル(例えば、4−メトキシフェニル);2,4−ジ(アルコキシ)フェニル(例えば、2,4−ジメトキシフェニル);4−アルコキシベンジル(例えば、4−メトキシベンジル);2,4−ジ(アルコキシ)ベンジル(例えば、2,4−ジ(メトキシ)ベンジル);およびアルク−1−エニル(例えば、アリル、ブト−1−エニルおよび置換ビニル、例えば、2−フェニルビニル)が含まれる。
【0063】
アルアルコキシメチル基は、適当なアルアルコキシメチルクロリドとアミド基を反応させることによってアミド基上に導入され、接触水素添加によって除去することができる。アルコキシメチル基、トリアルキル/アリールシリル基およびトリアルキル/シリルオキシメチル基は、適当な塩化物とアミドを反応させることによって導入され、酸を用いて、またはシリル含有基の場合はフッ化物イオンを用いて除去することができる。アルコキシフェニル基およびアルコキシベンジル基は、適当なハライドを用いたアリール化またはアルキル化によって好都合に導入され、硝酸セリウムアンモニウムを用いた酸化によって除去することができる。最後に、アルク−1−エニル基は、適当なアルデヒドとアミドを反応させることによって導入され、酸を用いて除去することができる。
【0064】
本発明は、更に、上に定義の式(I)の化合物を製造する方法であって、式(II)
【0065】
【化5】
Figure 0003742593
【0066】
(式中、L、R3およびR4は、式(I)に関して定義の通りであり、R1'は、式(I)に関して定義の基R1またはその前駆体であり、R5は、BOCのような保護基である)
を有する化合物を、式(III)
【0067】
【化6】
Figure 0003742593
【0068】
(式中、Yは、式(I)に関して定義の通りであり、R2'は、式(I)に関して定義の基R2またはその前駆体である)
を有する化合物と反応させ;
その後、所望ならばまたは必要ならば、次の工程
(a)保護基R5を除去すること;
(a)任意の前駆体基R1'およびR2'を基R1およびR2に変換すること;および
(b)これら基を異なった基R1、R2に変更すること
の一つまたはそれ以上を行うことを含む方法を提供する。
【0069】
式(II)および(III)の化合物間の反応は、ジクロロメタンのような有機溶媒中において、N−メチルモルホリンおよびEDCのような塩基の存在下、場合により、1−ヒドロキシベンゾトリアゾールのような求核触媒の存在下で適当に行われる。例えば、0〜50℃の中温、好都合には、周囲温度を用いる。
【0070】
前駆体基R1'およびR2'には、薬学的に許容し得ないエステルのような保護基が含まれうる。これらは、下に詳しく説明される慣用法を用いて水素または他のプロドラッグ基に変換することができる。
【0071】
保護基R5の除去は、TFAおよび/またはトリエチルシランとの反応のような慣用法を用いて行うことができる。
式(II)の化合物は、式(IV)
【0072】
【化7】
Figure 0003742593
【0073】
(式中、R1'、R3、R4、R5およびLは、式(II)に関して定義の通りであり、R6は保護基、具体的には、メチルのようなアルキル基である)
を有する化合物を脱保護することによって適当に製造される。脱保護は、アルカリ金属水酸化物のような強塩基、具体的には、水酸化ナトリウムを用いて適当に行われる。その反応は、水性アルコールのような溶媒、具体的には、水性メタノール中において高温で、好都合には、溶媒の還流温度で適当に行われる。
【0074】
Lが−CH2NH−である式(IV)の化合物は、式(V)
【0075】
【化8】
Figure 0003742593
【0076】
(式中、R3、R4およびR6は、上に定義の通りである)
を有する化合物を、式(VI)
【0077】
【化9】
Figure 0003742593
【0078】
(式中、R1'およびR5は、上に定義の通りである)
を有するアルデヒドとカップリングさせることによって製造することができる。
適当なカップリング条件には、適当な溶媒、例えば、メタノールまたはエタノールおよび酢酸の存在下における還元剤(例えば、ボラン、酢酸と一緒のピリジン、NaCNBH3、BH3、水素+触媒、LiHBEt3、ジイソブチルヒドリドアルミニウム、水素化アルミニウムリチウム、水素化ホウ素ナトリウム)の使用が含まれる。
【0079】
式(VI)のアルデヒドは、式(VII)
【0080】
【化10】
Figure 0003742593
【0081】
(式中、R1'およびR5は、上に定義の通りであり、R6は、メチルのようなアルキルであり、R7は、メトキシのようなアルコキシである)
を有する化合物の還元によって製造することができる。
【0082】
水素化アルミニウムリチウムまたはDIBALのような適当に強力な還元剤を用いる。その反応は、テトラヒドロフランのような溶媒中において低温で、例えば、−50〜0℃、特に、約−40℃で行われる。
【0083】
式(VII)の化合物は、式(VIII)
【0084】
【化11】
Figure 0003742593
【0085】
(式中、R8は、メタンスルホニルオキシ基のような脱離基である)
を有する化合物を、式(IX)
【0086】
【化12】
Figure 0003742593
【0087】
(式中、R1'は、上に定義の通りであり、具体的には、トリフェニルメチル基またはトリチル基である)
を有する化合物と反応させることによって適当に製造される。反応条件は、当業者に明らかであると考えられるが、概して、その反応は、エタノールのような有機溶媒中において、例えば、0〜60℃の中温で、好ましくは、約40℃で行われる。
【0088】
式(VIII)の化合物は、式(X)
【0089】
【化13】
Figure 0003742593
【0090】
(式中、R5、R6およびR7は、上に定義の通りである)
を有する化合物を、式(XI)
8−Z (XI)
(式中、R8は上に定義の通りであり、Zは、ハロゲンのような脱離基、具体的には、塩素である)
を有する化合物と反応させることによって製造することができる。その反応は、ジクロロメタンのような有機溶媒中においてトリエチルアミンのような弱塩基の存在下において適当に行われる。中〜低温、例えば、0〜30℃を適当に用いる。
【0091】
式(X)の化合物は、式(XII)
【0092】
【化14】
Figure 0003742593
【0093】
(式中、R5は上に定義の通りである)
を有する化合物を、式(XIII)
【0094】
【化15】
Figure 0003742593
【0095】
(式中、R6およびR7は上に定義の通りである)
を有する化合物と反応させることによって適当に製造される。式(XIII)の化合物の具体的な例は、N,O−ジメチルヒドロキシルアミンである。その反応は、塩基(EDCIと一緒のN−メチルモルホリンなど)の存在下およびジクロロメタンのような有機溶媒中において適当に行われる。
【0096】
式(XII)の化合物は、既知の方法を用いて、該当するヒドロキシプロリン誘導体のN保護によって製造することができる。
式(V)の化合物は、式(XIV)
【0097】
【化16】
Figure 0003742593
【0098】
(式中、R3、R4およびR6は、上に定義の通りである)
を有する化合物の水素化によって適当に製造される。水素化は、パラジウム触媒のような触媒の存在下で適当に行われる。
【0099】
式(XIV)の化合物は、式(XV)
【0100】
【化17】
Figure 0003742593
【0101】
(式中、R6は上に定義の通りであり、Z’は、ハロゲンのような脱離基、臭素または塩素など、好ましくは、塩素である)
を有する化合物を、式(XVI)
【0102】
【化18】
Figure 0003742593
【0103】
(式中、R3およびR4は、上に定義の通りである)
を有する化合物と反応させることによって適当に製造される。その反応は、トリブチルアミンのような塩基、好ましくは、炭酸ナトリウムテトラブチルアンモニウムブロミド、およびビス−(トリフェニルホスフィン)−パラジウム(II)クロリドのようなパラジウム触媒などの触媒の存在下において適当な溶媒、好ましくは、ジメチルアセトアミド中で適当に行われる。
【0104】
Lが−CH2O−である式(IV)の化合物は、式(XVII)
【0105】
【化19】
Figure 0003742593
【0106】
(式中、R3、R4およびR6は、上に定義の通りである)
を有する化合物を、式(XVIII)
【0107】
【化20】
Figure 0003742593
【0108】
(式中、R1'およびR5は、上に定義の通りである)
を有する化合物と反応させることによって製造することができる。その反応は、式(V)および(VI)の化合物間の反応について上に記載されたのと同様の条件下で適当に行われる。
【0109】
式(XVIII)の化合物は、式(VI)の化合物の還元によって、例えば、水素化アルミニウムリチウムのような還元剤を用いて適当に製造される。還元は、慣用的な条件下において、テトラヒドロフランのような溶媒中で行われる。
【0110】
式(XVII)の化合物は、該当するカルボン酸の保護によって、例えば、アルコール、具体的には、メタノールのようなアルキルアルコールを用いて酸をエステル化することによって製造することができる。その反応は、塩化スルフリル等の存在下において高温で、好都合には、溶媒の還流温度で適当に行われる。
【0111】
この酸自体は、式(XIX)
【0112】
【化21】
Figure 0003742593
【0113】
(式中、R3およびR4は、上に定義の通りであり、R10およびR11は、アルキルのような保護基、具体的には、メチル基である)
を有する化合物の脱保護によって製造することができる。適当な脱保護条件には、ピリジン塩酸塩のような適当な試薬と一緒に化合物を、例えば、200〜250℃のような高温まで、好ましくは、約220℃で加熱することが含まれる。
【0114】
式(XIX)の化合物は、式(XX)
【0115】
【化22】
Figure 0003742593
【0116】
(式中、R3、R4、R10およびR11は、上に定義の通りである)
を有する化合物の水素化によって得られる。適当な水素化条件には、式(XIV)の化合物の水素化について上に記載された条件が含まれる。
【0117】
式(XX)の化合物は、式(XXI)
【0118】
【化23】
Figure 0003742593
【0119】
(式中、R10およびR11は、上に定義の通りであり、Z”は、ハロゲンのような脱離基、具体的には、臭素である)
を有する化合物と、上に定義の式(XVI)の化合物とを、式(XV)および(XVI)の化合物間の反応について上に記載されたのと同様の条件を用いて反応させることによって製造することができる。
【0120】
Lが−CH=CH−である式(IV)の化合物は、上に定義の式(VI)の化合物を、式(XXII)
【0121】
【化24】
Figure 0003742593
【0122】
(式中、R3、R4およびR6は、上に定義の通りであり、R12は、リン酸ジエチルのようなリン酸イオンまたはトリフェニルホスフィン基である)
を有する化合物と反応させることによって適当に製造される。その反応は、ウィッティヒ(Wittig)反応であり、慣用的な条件下で適当に行われる。適当な反応条件には、有機溶媒(例えば、THF、トルエン、DMSO)の存在下における、場合により、水性溶媒(2相系)の存在下、および場合により、1,4,7,10,13−ペンタオキサシクロペンタデカン(15−クラウン−5とも称される)または1,4,7,10,13,16−ヘキサオキサシクロオクタデカン(18−クラウン−6とも称される)のような、無極性溶媒中にアルカリ金属イオンを可溶化させる触媒錯体形成性剤の存在下の塩基(例えば、炭酸カリウム、金属水素化物、金属アルコキシド)の使用が含まれる。
【0123】
式(XXII)の化合物は、PCT/GB98/000230号、具体的には、その出願の実施例19に記載されたような経路によって適当に製造される。製造詳細を以下のスキーム3に更に要約する。
【0124】
必要ならばまたは要求されるならば、基R1およびR2を、慣用的な化学を用いて、上の製造法のいずれかの後に別のこのような基に変更してよく、この実施例を以下に与える。
【0125】
生物学的活性は、次のように調べた。ファルネシルプロテイントランスフェラーゼ(FPT)を、ヒト胎盤から、硫酸アンモニウム分画後、本質的には、Ray and Lopez-Belmonte(Ray K P and Lopez-Belmonte J (1992) Biochemical Society Transations 20 494-497)によって記載のような単純Q−Sepharose(登録商標)(Pharmacia,Inc)陰イオン交換クロマトグラフィーによって部分精製した。FPTの基質は、Kras(CVIM C末端配列)であった。ヒトc−Ki−ras−2 4Bの発癌性val12変異体のcDNAは、プラスミドpSW11−1(ATCC)から入手した。次に、これを、適当な発現ベクター(例えば、pIC147)のポリリンカー中にサブクローン化した。Krasは、大腸菌(E.coli)菌株BL21中での発現後に得られた。E.coli 中におけるc−KI−ras−2 4Bおよびval12変異体の発現および精製は、Lowe et al(Lowe P N et al. J.Biol.Chem. (1991) 266 1672-1678)によっても報告されている。
【0126】
酵素を用いたインキュベーションには、300nMトリチウム化ファルネシルピロリン酸(DuPont/New England Nuclear)、120nM ras−CVIM、50mMトリスHCl pH8.0、5mM MgCl2、10μM ZnCl2、5mMジチオトレイトールが含まれ、化合物を、DMSO中の適当な濃度(試験およびビヒクル対照中において3%最終濃度)で加えた。インキュベーションは、37℃で20分間であり、Pompliano et al.(Pompliano D L et al (1992) 31 3800-3807)によって記載のように酸エタノールを用いて停止した。次に、沈澱したタンパク質を、Tomtec(登録商標)細胞ハーベスターを用いてガラス繊維フィルターマット(B)上に集め、トリチウム化標識を、Wallac(登録商標)1204 Betaplate シンチレーションカウンターで測定した。
【0127】
式Iの化合物の薬理学的性質は、予想されるように、構造変化とともに異なるが、概して、式Iの化合物は、上の試験において、例えば、0.01〜200μMの範囲内のIC50を有する。したがって、例として、化合物、5{[(2S,4S),4−アセチルスルファニル−1−(4−ニトロベンジルオキシカルボニル)−ピロリジン−2−カルボニル]−アミノ}−3(N−メチルメトキシカルバモイル)−安息香酸アリルエステル(実施例7を参照されたい)、は約0.5μMのIC50を有する。本発明の試験された化合物についての有効量では、生理学的に許容し得ない毒性は認められなかった。
【0128】
本発明をここで、次の非制限実施例で詳しく説明するが、ここにおいて、特に断らない限り、
(i)蒸発は、ロータリーエバポレーションによって減圧下で行われ、後処理手順は、濾過による残留固体の除去後に行われた;
(ii)操作は、室温で、すなわち、18〜25℃の範囲内でおよびアルゴンのような不活性ガスの雰囲気下で行われた;
(iii)カラムクロマトグラフィー(フラッシュ法による)および中圧液体クロマトグラフィー(MPLC)は、E.Merck, Darmstadt, Germany から入手される Merck Kieselgel シリカ(製品番号9385)または Merck Lichroprep RP−18(製品番号9303)逆相シリカ上で行われた;
(iv)収率は、単に例示のために与えられ、必ずしも達成しうる最大値ではない;
(v)式Iの最終生成物は、納得のいく微量分析を有し、それらの構造は、核磁気共鳴(NMR)および質量スペクトル技術によって確認された;化学シフト値は、δスケールで測定された;次の略語、すなわち、s,一重線;d,二重線;tまたはtr,三重線;m,多重線;br,幅広を用いた;
(vi)中間体は、概して、充分に特性決定されなかったが、純度は、薄層クロマトグラフィー、赤外(IR)またはNMR分析によって評価された;
(vii)融点は補正されていないが、Mettler SP62自動融点装置または油浴装置を用いて決定された;式Iの最終生成物の融点は、エタノール、メタノール、アセトン、エーテルまたはヘキサンの単独のまたは混合物でのような慣用的な有機溶媒からの結晶化後に決定された;
(viii)次の略語を、本出願を通して用いた。
【0129】
BOC tert−ブトキシカルボニル
DCCI 1,3−ジシクロヘキシルカルボジイミド
DMA N,N−ジメチルアセトアミド
DMAP 4−ジメチルアミノピリジン
DMF N,N−ジメチルホルムアミド
DMSO ジメチルスルホキシド
EDC 1−(3−ジメチルアミノプロピル)−3−エチルカルボジイミド
EEDQ 2−エトキシ−1−エトキシカルボニル−1,2−ジヒドロキノリン
HOBT 1−ヒドロキシベンゾトリアゾール
NMM N−メチルモルホリン
NMM−O 4−メチルモルホリン−N−オキシド
TFA トリフルオロ酢酸
THF テトラヒドロフラン
TMSI トリメチルシリルヨージド
TRAP 過ルテニウム酸テトラプロピルアンモニウム
実施例1
表1の化合物番号6の製造
行われた手順を、以下のスキーム1に要約する。具体的には、RがN−メチルピペリジンである化合物(xv)(4.8g)、トリエチルシラン(10ml)およびTFA(200ml)の混合物を、窒素雰囲気下において周囲温度で1時間撹拌した。TFAを蒸発除去し、残留物を酢酸エチル(50ml)中に溶解させた。エーテル中のHCl(1M,100ml)を加えた後、追加のエーテル(100ml)を加えた。得られた白色固体を遠心分離することによって単離し、エーテルを用いて更に洗浄し、再遠心分離した(全部で4回)。その固体を高減圧下で乾燥させて、表1の化合物6を塩酸塩(4.5g)として生じた。
【0130】
化合物6
【0131】
【化25】
Figure 0003742593
【0132】
RがN−メチルピペリジンであるスキーム1の化合物(xv)である出発物質は、次のように製造した。
化合物(xii)は既知の化合物であるが、これを、PCT/GB99/00369号の実施例6に記載のように製造した。化合物(xii)(50g)、L−メチオニンイソプロピルエステル塩酸塩(19.0g)、DMAP(42.6g)およびEDC(20.0g)のジクロロメタン(500ml)中混合物を、周囲温度で18時間撹拌した。その溶液を、水性クエン酸(1M)、ブラインを用いて洗浄し、乾燥させた。次に、それを、同量のイソヘキサンを用いて希釈し、そしてシリカフラッシュカラムに直接的に加え、酢酸エチル/イソヘキサン(20:80,30:70)を用いて溶離して、スキーム1の化合物(xiii)(58.6g)を固体白色泡状物として生じた。
【0133】
化合物( xiii
【0134】
【化26】
Figure 0003742593
【0135】
TFA(80ml)を、化合物(xiii)(58.6g)およびトリエチルシラン(80ml)のジクロロメタン(4l)中の急速撹拌溶液に窒素雰囲気下で加えた。次に、その溶液を周囲温度で4.5時間撹拌し、飽和重炭酸ナトリウム溶液を用いて塩基性にし、ジクロロメタン層を分離した。より少ない量(500ml)まで乾燥および蒸発後、それをシリカフラッシュカラムに直接的に加え、酢酸エチル/イソヘキサン(30:70,50:50)を用いて溶離して、スキーム1の化合物(xiv)(35.5g)を白色固体として生じた。
【0136】
化合物( xiv
【0137】
【化27】
Figure 0003742593
【0138】
化合物(xiv)(4.5g)、N−メチルピペリジン−4−カルボン酸(1.5g)、N−メチルピペリジン(3.5g)、EDC(1.6g)およびHOBT(0.94g)のジクロロメタン(100ml)中混合物を、窒素雰囲気下で18時間撹拌した。次に、それをシリカフラッシュカラムに直接的に加え、酢酸エチル/イソヘキサン(1:1)、酢酸エチル、メタノール/酢酸エチル(10:90,20:80)を用いて溶離して、RがN−メチルピペリジンであるスキーム1の化合物xv(4.8g)を白色泡状物として生じた。
【0139】
【化28】
Figure 0003742593
【0140】
実施例2
実施例1に記載されたのと同様の方法を用いて、表1の化合物4および8を、スキーム1の化合物(xiv)から、適当な中間体を用いて製造した。
【0141】
Rがフェニルであるスキーム1の化合物( xv
【0142】
【化29】
Figure 0003742593
【0143】
表1の化合物4
【0144】
【化30】
Figure 0003742593
【0145】
Rが3−ピリジルであるスキーム1の化合物( xv
【0146】
【化31】
Figure 0003742593
【0147】
表1の化合物8
【0148】
【化32】
Figure 0003742593
【0149】
実施例3
表1の化合物7の製造
表1の化合物7を、スキーム2の化合物(xxviii)から、スキーム1の化合物(xv)の化合物6への変換について実施例1に記載されたのと同様の方法を用いて合成した。
【0150】
表1の化合物7
【0151】
【化33】
Figure 0003742593
【0152】
出発物質である化合物(xxviii)を、スキーム2の化合物(xxv)から、適当な中間体を用いたスキーム1の化合物(xv)の製造について実施例1に記載されたのと同様の方法で合成した。化合物(xxv)は、PCT/GB99/00369号の実施例12に記載され且つスキーム2に要約された方法を用いて得た。
【0153】
スキーム2の化合物( xxvi
【0154】
【化34】
Figure 0003742593
【0155】
スキーム2の化合物( xxvii
【0156】
【化35】
Figure 0003742593
【0157】
スキーム2の化合物( xxviii
【0158】
【化36】
Figure 0003742593
【0159】
実施例4
表1の化合物9の製造
表1の化合物7を、スキーム3の化合物(xxxxi)から、スキーム1の化合物(xv)の表1の化合物6への変換について実施例1に記載されたのと同様の方法を用いて合成した。
【0160】
表1の化合物9
【0161】
【化37】
Figure 0003742593
【0162】
出発物質(スキーム3の化合物(xxxxi))を、スキーム3に示される化合物(xxxv)から、次の方法を用いて合成した。化合物xxxv自体は、PCT/GB98/00230号の実施例21に記載され且つスキーム3に要約されたように得た。
【0163】
スキーム3の化合物(xxxv)(20g)を、トリエチルホスフィン(100ml)中に溶解させ、窒素雰囲気下において160℃まで18時間加熱した。その溶液を蒸発乾固させ、残留物をジクロロメタン中に溶解させ、シリカフラッシュカラムに直接的に加え、酢酸エチル/イソヘキサン(50:50,100:0)を用いて溶離して、化合物(xxxvi)を無色結晶性固体(19.4g)として生じた。
【0164】
スキーム3の化合物( xxxvi
【0165】
【化38】
Figure 0003742593
【0166】
スキーム3の化合物(xxxvi)(17.5g)を、テトラヒドロフラン(50ml)中に溶解させ、窒素雰囲気下において−50℃まで冷却した。n−ブチルリチウム(1.6M)(26.9ml)を、−40℃で徐々に加えた後、化合物(x)(18.5g)をテトラヒドロフラン(100ml)中の溶液として加えた。次に、その混合物を0℃まで暖めた。次に、飽和塩化アンモニウム水溶液(300ml)を加え、有機層を分離し、硫酸マグネシウム上で乾燥させた。その溶液を蒸発乾固させ、残留物をジクロロメタン中に溶解させ、そしてフラッシュカラムクロマトグラフィーにより、酢酸エチル/イソヘキサン(20:80,30:70)を用いて溶離して精製して、スキーム3の化合物(xxxvii)を無色固体泡状物(10.4g)として生じた。
【0167】
スキーム3の化合物( xxxvii
【0168】
【化39】
Figure 0003742593
【0169】
スキーム3の化合物(xxxvii)を、適当な中間体を用いたスキーム1の化合物(xv)の製造について実施例に記載されたのと同様の方法を用いて、スキーム3の化合物(xxxxi)に変換した。
【0170】
スキーム3の化合物( xxxviii
【0171】
【化40】
Figure 0003742593
【0172】
スキーム3の化合物( xxxx
MS(ES+)m/z 645.6(M+H)+
化合物( xxxxi
MS(ES+)m/z 750.6(M+H)+
実施例5
医薬組成物
次は、ヒトにおける治療的または予防的使用のための、本明細書中に定義の本発明の代表的な医薬剤型(“化合物X”と称される活性成分)を詳しく説明する。
【0173】
(a)錠剤I mg/錠剤
化合物X 100
ラクトース,欧州薬局方 182.75
クロスカルメロースナトリウム 12.0
トウモロコシデンプンペースト(5%w/vペースト) 2.25
ステアリン酸マグネシウム 3.0
(b)錠剤 II mg/錠剤
化合物X 50
ラクトース,欧州薬局方 223.75
クロスカルメロースナトリウム 6.0
トウモロコシデンプン 15.0
ポリビニルピロリドン(5%w/vペースト) 2.25
ステアリン酸マグネシウム 3.0
(c)錠剤 III mg/錠剤
化合物X 1.0
ラクトース,欧州薬局方 93.25
クロスカルメロースナトリウム 4.0
トウモロコシデンプンペースト(5%w/vペースト) 0.75
ステアリン酸マグネシウム 1.0
(d)カプセル剤 mg/カプセル剤
化合物X 10
ラクトース,欧州薬局方 488.5
マグネシウム 1.5
(e)注射剤I (50mg/ml)
化合物X 5.0%w/v
1M水酸化ナトリウム溶液 15.0%w/v
0.1M塩酸(pHを7.6に調整する)
ポリエチレングリコール400 4.5%w/v
100%までの注射用水
(f)注射剤 II (10mg/ml)
化合物X 1.0%w/v
リン酸ナトリウムBP 3.6%w/v
0.1M水酸化ナトリウム溶液 15.0%w/v
100%までの注射用水
(g)注射剤 III (1mg/ml,pH6まで緩衝化)
化合物X 0.1%w/v
リン酸ナトリウムBP 2.26%w/v
クエン酸 0.38%w/v
ポリエチレングリコール400 3.5%w/v
100%までの注射用水
(h)エアゾル剤I mg/ml
化合物X 10.0
ソルビタントリオレアート 13.5
トリクロロフルオロメタン 910.0
ジクロロジフルオロメタン 490.0
(i)エアゾル剤 II mg/ml
化合物X 0.2
ソルビタントリオレアート 0.27
トリクロロフルオロメタン 70.0
ジクロロジフルオロメタン 280.0
ジクロロテトラフルオロエタン 1094.0
(j)エアゾル剤 III mg/ml
化合物X 2.5
ソルビタントリオレアート 3.38
トリクロロフルオロメタン 67.5
ジクロロジフルオロメタン 1086.0
ジクロロテトラフルオロエタン 191.6
(k)エアゾル剤 IV mg/ml
化合物X 2.5
ダイズレシチン 2.7
トリクロロフルオロメタン 67.5
ジクロロジフルオロメタン 1086.0
ジクロロテトラフルオロエタン 191.6
(l)軟膏剤 ml
化合物X 40mg
エタノール 300μl
水 300μl
1−ドデシルアザシクロヘプタン−2−オン 50μl
プロピレングリコール 1mlまで
注記
上記製剤は、当薬学技術分野において周知の慣用法によって得ることができる。錠剤(a)〜(c)は、慣用的な手段によって腸溶コーティングされて、例えば、酢酸フタル酸セルロースのコーティングを与えることができる。エアゾル製剤(h)〜(k)は、標準的な計量投与エアゾルディスペンサーと一緒に用いることができ、懸濁化剤ソルビタントリオレアートおよびダイズレシチンは、ソルビタンモノオレアート、ソルビタンセスキオレアート、ポリソルベート80、ポリグリセロールオレアートまたはオレイン酸などの別の懸濁化剤によって置き換えることができる。
【0174】
【化41】
Figure 0003742593
【0175】
【化42】
Figure 0003742593
【0176】
【化43】
Figure 0003742593

Claims (18)

  1. 式(I)
    Figure 0003742593
    [式中、R1は、水素または式R5C(O)−(式中、R5は、フェニル、ピリジルもしくはN−メチルピペリジンである)のプロドラッグ基であり;
    2は、水素、イソプロピル、シクロペンチルまたはN−メチルテトラヒドロピリジルであり;
    3は、水素またはハロゲンであり;
    4は、水素またはハロゲンであり;
    Lは、−CH2−Z−(式中、ZはNHである)であり;
    Yは、S、S(O)またはS(O)2である]
    の化合物;またはその塩。
  2. 3がハロゲンである請求項1に記載の式(I)の化合物。
  3. 3がフッ素である請求項2に記載の式(I)の化合物。
  4. 4が水素またはフッ素である、請求項1〜3のいずれか1項に記載の式(I)の化合物。
  5. YがSまたはS(O)2である請求項1〜3のいずれか1項に記載の式(I)の化合物。
  6. 式(I)のカルボニルとアミンとの間の2位のキラル炭素原子が(S)立体配置である、請求項1〜5のいずれか1項に記載の式(I)の化合物。
  7. 式(I)のピロリジン環の2および4位のキラル炭素原子が(S)立体配置である、請求項1〜6のいずれか1項に記載の式(I)の化合物。
  8. (2S)−2−({2−(4−フルオロフェネチル)−5−[({(2S,4S)−4−[(3−ピリジニルカルボニル)スルファニル]テトラヒドロ−1H−ピロール−2−イル}メチル)アミノ]ベンゾイル}アミノ)−4−(メチルスルファニル)ブタン酸イソプロピルまたはその塩。
  9. (2S)−2−({2−(4−フルオロフェネチル)−5−[({(2S,4S)−4−(メルカプト)テトラヒドロ−1H−ピロール−2−イル}メチル)アミノ]ベンゾイル}アミノ)−4−(メチルスルファニル)ブタン酸またはその塩。
  10. (2S)−2−({2−(4−フルオロフェネチル)−5−[({(2S,4S)−4−(メルカプト)テトラヒドロ−1H−ピロール−2−イル}メチル)アミノ]ベンゾイル}アミノ)−4−(メチルスルファニル)ブタン酸イソプロピルまたはその塩。
  11. 式(I)
    Figure 0003742593
    (式中、R1はベンゾイルであり;R2はN−メチル−ピペリジン−4−イルであり;R3はフッ素であり;Lは−CH2O−であり;YはSである)の化合物。
  12. 式(I)
    Figure 0003742593
    (式中、R1はピリジン−3−イルカルボニルであり;R2はイソプロピルであり;R3はフッ素であり;Lは−CH2O−であり;YはSO2である)の化合物。
  13. 式(I)
    Figure 0003742593
    (式中、R1はベンゾイルであり;R2はN−メチルピペリジン−4−イルであり;R3はフッ素であり;Lは−CH2NH−であり;YはSである)の化合物。
  14. (2S)−2−({2−(4−フルオロフェネチル)−5−[({(2S,4S)−4−(3−ピリジニルカルボニル)スルファニル]テトラヒドロ−1H−ピロール−2−イル}メチル)アミノ]ベンゾイル}アミノ)−4−(メチルスルファニル)ブタン酸イソプロピルの塩酸塩。
  15. 請求項1〜14のいずれかに記載の化合物を薬学的に許容しうる希釈剤または担体と一緒に含む医薬組成物。
  16. 癌の治療において用いるための医薬の製造における、請求項1〜14のいずれか1項に記載の化合物の使用。
  17. 癌の治療のための、請求項15に記載の医薬組成物。
  18. 請求項1に記載の式(I)の化合物を製造する方法であって、
    式(II)
    Figure 0003742593
    (式中、L、R3およびR4は、請求項1に定義した通りであり;
    1'は、請求項1に定義した基R1またはその前駆体であり;
    5は、保護基である)
    の化合物を、式(III)
    Figure 0003742593
    (式中、Yは、請求項1に定義した通りであり;
    2'は、請求項1に定義した基R2またはその前駆体である)
    の化合物と反応させ;
    その後、所望ならばまたは必要ならば、次の工程
    a)保護基R5を除去すること;
    b)任意の前駆体基R1'およびR2'を基R1およびR2に変換すること;および
    c)これら基を異なった基R1、R2に変更すること
    の一つまたはそれ以上を行うことを含む、前記方法。
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