JP3738657B2 - 内燃機関制御装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、2サイクル内燃機関の回転方向を切換える機能を持った内燃機関制御装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
スクータ、スノーモビル、バギーカー等のように、簡便であることを重視する乗り物においては、駆動源として、小形の2サイクル内燃機関が用いられており、内燃機関の出力を駆動輪に伝達する動力伝達装置としては、遠心クラッチ式の無段変速機が多く用いられている。この種の乗り物は、小形、軽量、安価で、かつ操作が簡便であることを重視するため、無断変速機としては、バックギアが組み込まれていないものを用いることが多い。
【0003】
上記のように、バックギアを備えていない変速機を用いた乗り物は、バック(後進)をすることができないため、狭い場所で走行方向を反転させることが必要になったときに、車体全体を持ち上げてその向きを変える必要があり、操作性が悪かった。
【0004】
そこで、米国特許第5,036,802号において、正逆いずれの方向にも回転させることができるという2サイクル内燃機関の特徴に着目して、必要なときに内燃機関の回転方向を切り替えることにより走行方向を切換えるようにした内燃機関制御装置が提案された。
【0005】
米国特許第5,036,802号に示された装置では、2サイクル内燃機関の回転方向を反転させる指令が与えられた時に、先ず機関を失火状態にしてその回転速度を低下させる。次いで機関の回転数が十分に低下してピストンの慣性が小さくなったたところで、機関の点火位置(機関を点火する時の機関の回転軸の回転角度位置)を過進角位置(定常運転時の点火位置の適正な最大進角位置よりも更に進角した位置)まで進角させる。このように機関の慣性が小さくなった状態で機関を過進角位置で点火すると、上死点に向けて移動しているピストンが押し戻されるため、機関の回転方向が反転する。したがって、機関の回転方向が反転したことが確認された後、その回転方向での適正な点火位置で機関を点火することにより、回転方向が反転した状態で機関を運転することができる。
【0006】
米国特許第5,036,802号に示された内燃機関制御装置においては、内燃機関に取り付ける磁石発電機として4極の磁石発電機を用いて、該発電機が1回転当りに発生する2サイクルの交流電圧の正負の半波の波形の位相により機関の回転方向の判定を行い、機関の回転方向が反転したと判定された時に、回転方向が反転した状態での適正な点火位置で機関を点火するようにしている。
【0007】
しかしながら、このような構成では、4極の磁石発電機を用いないと機関の回転方向の判定を行うことができないため、磁石発電機の出力を向上させるために、発電機の多極化を図ることができない。
【0008】
そこで、米国特許第5,794,574号に示されたように、機関の回転に同期して信号を発生する2つの信号発生器を機関の回転方向に位置をずらして設けて、これらの信号発生器が発生する信号の位相関係から機関の回転方向を検出することが提案された。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
上記のように、磁石発電機と別個に設けた信号発生器が発生する信号から機関の回転方向を検出するようにすれば、4極の磁石発電機を用いる必要はなく、更に多極の磁石発電機を用いることができるため、該発電機から多くの電力を取り出すことができる。
【0010】
しかしながら、上記のように、信号発生器の出力のみを用いて機関の回転方向を判定するようにした場合には、信号発生器を2個必要とするため、機関の構成が複雑になるのを避けられない。
【0011】
本発明の目的は、1つの信号発生器を用いるだけで、機関の回転方向を判定することができるようにして、機関の構成を複雑にすることなく、内燃機関の回転方向を反転させるための制御を行うことができるようにした内燃機関制御装置を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本発明は、2サイクル内燃機関の回転方向を反転させる際に操作される回転方向切換スイッチ8と、前記回転方向切換スイッチが操作されたときに前記内燃機関の回転速度を低下させる減速過程と前記回転速度が設定値未満に低下した時に前記内燃機関の点火位置を過進角位置まで進角させる過進角制御過程と前記点火位置の過進角により前記内燃機関の回転方向が反転したか否かを確認するために前記内燃機関の回転方向を判定する回転方向判定過程と前記回転方向が反転したことが確認されたときに回転方向が反転した状態での低速時の点火位置で前記内燃機関を点火する反転時初期点火過程とを行うマイクロコンピュータ5とを備えた内燃機関制御装置を対象とする。
【0013】
本発明においては、内燃機関の1回転当り2nサイクル(nは1以上の整数)の交流出力電圧を発生するように構成されていて、交流出力電圧のいずれかの零クロス点が内燃機関の逆回転時の低速時点火位置に一致するように交流出力電圧の位相が設定された交流磁石発電機1と、内燃機関の回転に同期して一方の極性のパルス信号と他方の極性のパルス信号とを発生するように構成されていて、内燃機関の正回転時に一方の極性のパルス信号及び他方の極性のパルス信号がそれぞれ内燃機関の正回転時の低速時点火位置及び該低速時点火位置よりも進角した位置で発生し、かつ一方の極性のパルス信号が発生した時の磁石発電機の交流出力電圧の半波の極性と他方の極性のパルス信号が発生した時の磁石発電機の交流出力電圧の半波の極性とが同一となるように各パルス信号の発生位置が設定された信号発生器2とが設けられる。
【0014】
上記のように磁石発電機1と信号発生器2とを設けると、機関が正回転している時と、逆回転している時とで、信号発生器が各パルス信号を発生した時の磁石発電機の出力電圧の半波の極性が相違する。本発明では、このことを利用して機関の回転方向を判定する。即ち、マイクロコンピュータは、信号発生器がいずれかの極性のパルス信号を発生した時の磁石発電機の交流出力電圧の半波の極性から内燃機関の回転方向を判定するようにプログラムされる。
【0015】
本発明の好ましい実施態様では、上記マイクロコンピュータが、内燃機関の回転方向を判定する回転方向判定手段と、内燃機関の点火位置を演算する点火位置演算手段と、内燃機関の定常運転時の点火を制御する定常運転時点火制御手段と、機関の回転方向を反転させる際の機関の制御を行う回転方向切換制御手段とを実現する。
【0016】
回転方向判定手段は、信号発生器がいずれかのパルス信号を発生した時の磁石発電機の交流出力電圧の半波の極性から内燃機関の回転方向を判定するように構成される。
【0017】
点火位置演算手段は、内燃機関が設定回転速度以上で正回転しているとき及び逆回転しているときの内燃機関の点火位置を演算する。点火位置は、機関の回転軸が、特定の回転角度位置(計測開始位置)から点火位置まで回転する間にマイクロコンピュータ内に設けたタイマが計測する時間(タイマが計数するクロックパルスの数)の形で演算される。点火位置の計測開始位置は、機関の正回転時と逆回転時とで相違する。
【0018】
定常運転時点火制御手段は、内燃機関が設定回転速度以上の回転速度で正回転している状態及び逆回転している状態では、上記点火位置演算手段により演算された点火位置が検出されたときに内燃機関を点火し、内燃機関が設定回転速度未満の回転速度で正回転している状態では信号発生器が発生する一方の極性のパルス信号が検出されたときに内燃機関を点火し、内燃機関が設定回転速度未満の回転速度で逆回転している状態では逆回転時の低速時点火位置に一致する交流出力電圧の零クロス点が検出された時に内燃機関を点火するように構成される。
【0019】
回転方向切換制御手段は、回転方向切換スイッチが操作されたときに内燃機関の回転速度を低下させるように内燃機関を制御する減速制御手段と、内燃機関の回転速度が設定回転速度以下になったときに内燃機関の回転方向を反転させるために必要な過進角位置で内燃機関を点火する点火位置過進角手段と、回転方向判定手段により内燃機関の回転方向が反転したと判定されたときに回転方向が反転した後の最初の点火位置として適した反転時初期点火位置で内燃機関の点火動作を行わせる反転時初期点火制御手段とを備えた構成とする。
【0020】
上記回転方向切換制御手段は、内燃機関の回転方向を正方向から逆方向に切換えた際の反転時初期点火位置を磁石発電機の交流出力電圧の零クロス点から得た回転角度位置情報に基づいて決定し、内燃機関の回転方向を逆方向から正方向に切換えた際の反転時初期点火位置を信号コイルが一方の極性のパルス信号を発生する位置とするように構成される。
【0021】
当然のことながら、上記点火位置の過進角を可能にするため、正回転時及び逆回転時に演算された点火位置の計測を開始する位置はそれぞれ、正回転時及び逆回転時の過進角位置よりも更に進角した位置に設定する。
【0022】
上記のように、本発明では、信号発生器が出力パルスを発生した時の交流磁石発電機の出力電圧の半波の極性から機関の回転方向を判定する。このように構成すると、信号発生器を1つ設けるだけで回転方向の判定を行わせることができるため、機関の構成が複雑になるのを防ぐことができる。
【0023】
本発明において、点火位置の計測を開始する位置の情報は、信号発生器の出力から得てもよく、交流磁石発電機の出力から得てもよい。
【0024】
即ち、上記定常運転時点火制御手段は、内燃機関の正回転時には信号発生器が他方の極性のパルス信号を検出した時に点火位置演算手段により演算された点火位置の計測を開始して該点火位置の計測を完了した時に前記内燃機関を点火し、内燃機関の逆回転時には信号発生器が一方の極性のパルス信号を発生した時に演算された点火位置の計測を開始して該点火位置の計測を完了した時に内燃機関を点火するように構成してもよく、交流出力電圧の特定の零クロス点を検出した時に点火位置演算手段により演算された点火位置の計測を開始して該点火位置の計測を完了した時に内燃機関を点火するように構成してもよい。
【0025】
また上記定常運転時点火制御手段は、内燃機関の正回転時には信号発生器が発生する他方の極性のパルス信号を検出した時に点火位置演算手段により演算された点火位置の計測を開始して該点火位置の計測を完了した時に内燃機関を点火し、内燃機関の逆回転時には交流出力電圧の特定の零クロス点を検出した時に点火位置演算手段により演算された点火位置の計測を開始して該点火位置の計測を完了した時に内燃機関を点火するように構成することもできる。
【0026】
上記減速制御手段は、例えば、内燃機関を点火する点火装置の動作を停止させて内燃機関を失火状態にする手段により構成することができる。
【0027】
点火装置の動作を停止させるには、例えば、点火装置に点火エネルギを与える電源を無効にしたり、点火装置を構成する回路要素の一部を短絡したり、点火装置に点火指令信号が与えられるのを停止させたりすればよい。
【0028】
【発明の実施の形態】
図1は本発明に係わる内燃機関制御装置の構成例を示したもので、同図において1は、スノーモビル等の乗り物を駆動する図示しない2サイクル内燃機関に取りつけられた交流磁石発電機、2は内燃機関の特定の回転角度位置でパルス信号を発生する信号発生器、3は内燃機関を点火する点火装置、5は点火装置3を制御するマイクロコンピュータである。この例では、2サイクル内燃機関が2つの気筒を有しているものとする。
【0029】
磁石発電機1は、機関の回転軸(通常はクランク軸)に取りつけられた多極のフライホイール磁石回転子と、該回転子の磁極に対向する多極の磁極部を有する電機子鉄心に発電コイルを巻装して構成した固定子とを備えた周知のもので、固定子は機関のケース等に設けられた取り付け部に固定されている。磁石発電機1内には、点火装置3に点火エネルギを与える発電コイルであるエキサイタコイルEXの外に、ランプ負荷等を駆動する発電コイルやバッテリを充電する発電コイル(いずれも図示せず。)が設けられている。この磁石発電機は、その固定子側に設けられた発電コイルが、機関の回転軸が1回転する間に2n(nは1以上の整数)サイクルの交流電圧を発生するように構成される。図示の磁石発電機は、その回転子及び固定子が12極に構成されていて、エキサイタコイルEXは、図2(A),(C)に示すように、機関の回転軸が1回転する間に6サイクルの交流出力電圧Veを発生する。図2の横軸のθは、機関の回転軸の回転角度を示している。また図2(A)は機関が正回転している時のエキサイタコイルの出力電圧波形を示し、図2(C)は機関が逆回転している時のエキサイタコイルの出力電圧波形を示している。これらの図から明らかなように、機関の回転方向が反転すると、エキサイタコイルの出力電圧の位相が反転する。磁石発電機が12極に構成されているため、エキサイタコイルの出力電圧の各半波の期間に相当する回転角度(機械角)は30度となる。
【0030】
本明細書では、乗り物を前進させるときの機関の回転方向を正回転とし、乗り物を後進させるときの機関の回転方向を逆回転としている。
【0031】
信号発生器2は、機関と同期回転するように設けられたロータに設けられたリラクタを検出してパルス信号を発生する周知のもので、機関のケース等に取りつけられてロータに対向させられる。
【0032】
この種の信号発生器は、リラクタに対向する磁極部を先端に有する鉄心と該鉄心に巻回された信号コイルSGと該鉄心に磁気結合された永久磁石とを備えたもので、鉄心の磁極部がロータに設けられたリラクタの前端縁に対向し始める際及び該対向を終了する際にそれぞれ生じる磁束の変化により、信号コイルSGに極性が異なるパルス信号が誘起する。リラクタを設けるロータは、磁石発電機の回転子のヨークを構成するフライホイールを利用して構成することが多い。
【0033】
信号発生器2は、機関の低速時の点火位置を定めるためのパルス信号と、機関の点火位置の計測を開始するタイミングを定めるためのパルス信号とを得るために設けられている。図示の例では、内燃機関が2つの気筒を有していて、それぞれの気筒に対して機関の低速時の点火位置を定めるためのパルス信号と、点火位置の計測を開始するタイミングを定めるためのパルス信号とを必要とするため、信号発生器2とともに用いる回転体に180度間隔で2個のリラクタが設けられている。
【0034】
図2(B)は機関が正回転しているときに信号発生器2が発生するパルス信号を示しており、図2(D)は機関が逆回転しているときに信号発生器2が発生するパルス信号を示している。図2(A)乃至(D)において、θ10及びθ20はそれぞれ機関の第1気筒及び第2気筒のピストンの上死点位置(ピストンが上死点に達したときのクランク軸の回転角度位置)である。
【0035】
信号発生器2は、機関が正回転しているときに、図2(B)に示すように、機関の第1気筒の上死点位置θ10よりも僅かに(この例では機械角で5°)進角した位置に設定された正回転時の第1気筒の低速時点火位置θ11で正の極性(一方の極性)のパルス信号Vsa1 を発生し、該正回転時の低速時点火位置θ11よりも十分に進角した回転角度位置θ12で負の極性(他方の極性)のパルス信号Vsb2 を発生する。この例では、信号発生器2が検出するリラクタの角度幅(円弧角)が60°に設定されている。したがって上記低速時点火位置θ11と回転角度位置θ12との間の角度が60°に等しくなっている。
【0036】
信号発生器2はまた、機関が正回転しているときに、図2(B)に示したように、機関の第2気筒の上死点位置θ20よりも僅かに(この例では機械角で5°)進角した位置に設定された正回転時の第2気筒の低速時点火位置θ21で正の極性(一方の極性)のパルス信号Vsa2 を発生し、該正回転時の低速時点火位置θ21よりも十分に進角した位置θ22で負の極性(他方の極性)のパルス信号Vsb2 を発生する。
【0037】
信号発生器2はまた、機関が逆回転しているときに、図2(D)に示すように、機関の第1気筒の上死点位置θ10よりも僅かに(この例では機械角で5°)遅角した回転角度位置θ11で負の極性(他方の極性)のパルス信号Vsb1 ´を発生し、該回転角度位置θ11よりも更に遅角した回転角度位置θ12で正の極性(一方の極性)のパルス信号Vsa1 ´を発生する。
【0038】
信号発生器2は更に、機関が逆回転しているときに、図2(D)に示すように、機関の第2気筒の上死点位置θ20よりも僅かに(この例では機械角で5°)遅角した回転角度位置θ21で負の極性(他方の極性)のパルス信号Vsb2 ´を発生し、該回転角度位置θ21よりも更に遅角した回転角度位置θ22で正の極性(一方の極性)のパルス信号Vsa2 ´を発生する。
【0039】
本発明においては、機関が正回転しているときにも、逆回転しているときにも、一方の極性のパルス信号Vsa,Vsa´が発生した時の磁石発電機1の交流出力電圧Veの半波の極性と、他方の極性のパルス信号Vsb,Vsb´が発生した時の磁石発電機の交流出力電圧の半波の極性とが同一となるように、パルス信号の発生位置が設定されている。図示の例では、信号発生器2が正回転時に正極性のパルス信号Vsa及び負極性のパルス信号Vsbをそれぞれ発生したときに磁石発電機1が負極性の半波の電圧を発生し、信号発生器2が逆回転時に正極性のパルス信号Vsa´及び負極性のパルス信号Vsb´が発生した時に磁石発電機1が正極性の半波の電圧を発生しているように、信号発生器2の出力と磁石発電機1の出力との位相関係が設定されている。
【0040】
したがって、信号発生器が正極性のパルス信号VsaまたはVsa´を発生した時の磁石発電機1の出力電圧の半波の極性、または信号発生器が負極性のパルス信号VsbまたはVsb´を発生した時の磁石発電機の出力電圧の半波の極性を見ることにより、機関の回転方向を判定することができる。本発明では、このような、信号発生器の出力パルスと磁石発電機の出力電圧との関係を利用して、機関の回転方向を判定する。
【0041】
本発明においてはまた、磁石発電機1の交流出力電圧Veのいずれかの零クロス点が、内燃機関の逆回転時の低速時点火位置に一致するように、交流出力電圧の位相が設定される。図示の例では、図2(D)に示したように、機関の逆回転時に信号発生器2が正極性のパルス信号Vsa´を発生した後、4回目に生じる磁石発電機の零クロス点θ13が機関の逆回転時の低速時点火位置となるように、磁石発電機1の出力電圧の位相と機関の回転角度位置との間の関係が設定されている。
【0042】
図2(D)に示した逆回転時の低速時点火位置θ13を検出するには、例えば、交流出力電圧Veの零クロス点の内、該交流出力電圧が負の半波から正の半波に移行する際に生じる零クロス点を特定の零クロス点として検出し得るようにしておいて、機関の逆回転時に信号発生器が正極性のパルス信号Vsa´が発生した後、2回目に生じる特定の零クロス点を低速時点火位置として検出するようにすればよい。
【0043】
点火装置3は、機関の第1気筒及び第2気筒をそれぞれ点火することを指令する点火指令信号が与えられた時に、機関の第1気筒及び第2気筒にそれぞれ取りつけられた点火プラグP1 及びP2 に点火用の高電圧を与えるもので、この点火装置は、点火コイルIGと、内燃機関の点火位置で該点火コイルの一次電流に急激な変化を生じさせる一次電流制御回路とにより構成される。
【0044】
図示の例では、点火装置3として、2つの気筒の点火プラグに同時に点火用の高電圧を与えて、両気筒の点火プラグに同時に点火火花を発生させる周知の同時発火型のコンデンサ放電式点火装置が用いられている。
【0045】
図示の点火装置は、一次コイルの一端が接地された点火コイルIGと、該点火コイルの一次側に設けられて、エキサイタコイルEXの出力でダイオードD1 を通して図示の極性に充電される点火用コンデンサC1 と、導通した際にコンデンサC1 の電荷を点火コイルIGの一次コイルを通して放電させるように設けられたサイリスタTh1と、コンデンサC1 の充電電流が順方向に流れる向きにして点火コイルIGの一次コイルに対して並列に接続されたダイオードD2 とを備えている。点火コイルIGの二次コイルの一端と接地間及び他端と接地間にそれぞれ機関の第1気筒及び第2気筒に取りつけられた点火プラグP1 及びP2 が接続されている。
【0046】
図示の例では、エキサイタコイルEXの一端がダイオードD1 を通して点火用コンデンサC1 に接続され、該エキサイタコイルEXの一端及び他端と接地間にダイオードD3 及びD4 がそれぞれのアノードを接地側に向けて接続されている。
【0047】
上記の点火装置は以下のような動作をする。エキサイタコイルEXが図示の実線矢印方向の正の半サイクルの電圧を誘起すると、該エキサイタコイルEX−ダイオードD1 −コンデンサC1 −ダイオードD2 及び点火コイルIGの一次コイル−ダイオードD4 −エキサイタコイルの経路で(コンデンサ充電回路を通して)電流が流れて、点火用コンデンサC1 が図示の極性に充電される。この状態でサイリスタTh1のゲートに点火指令信号Vi が与えられると、該サイリスタが導通してコンデンサC1 の電荷を点火コイルIGの一次コイルを通して放電させる。これにより点火コイルの二次コイルに点火用高電圧が誘起し、該高電圧が点火プラグP1 及びP2 に同時に印加される。これにより点火プラグP1 及びP2 に同時に火花放電が生じ、第1気筒及び第2気筒の内、点火時期が到来している気筒で混合気に点火が行なわれる。点火時期が到来していない他の気筒は、排気工程の終期にあるため、該他の気筒で同時に火花放電が生じてもなんら支障を来さない。
【0048】
図1において、4はエキサイタコイルEXの負の半波の出力を一定の直流電圧に変換する電源回路で、この電源回路は、エキサイタコイルEXの図示の破線矢印方向の負の半波の出力電圧でダイオードD5 を通して充電されるコンデンサC2 と、導通した際にダイオードD5 を通して流れるコンデンサC2 の充電電流を該コンデンサC2 から側路するように設けられたサイリスタTh2と、コンデンサC2 の両端に接続された抵抗R1 及びR2 の直列回路からなる電圧検出回路と、抵抗R1 及びR2 の接続点とサイリスタTh2のゲートとの間にアノードをサイリスタTh2側に向けて接続されたツェナーダイオードZD1 と、サイリスタTh2のゲートカソード間に接続された抵抗R3 とにより構成されている。
【0049】
この電源回路においては、エキサイタコイルEXの負の半波の出力電圧によりコンデンサC2 が図示の極性に充電される。コンデンサC2 の両端の電圧が設定値に達すると、ツェナーダイオードZD1 が導通してサイリスタTh2にトリガ信号が与えられるため、該サイリスタTh2が導通してコンデンサC2 の充電を阻止する。したがって、機関がある程度の回転速度以上の速度で回転していて、エキサイタコイルEXの出力電圧の波高値が設定値以上になる機関の定常運転状態では、コンデンサC2 の両端の電圧Eが一定値に保たれる。コンデンサC2 の両端の電圧はレギュレータ(電圧調整器)Regに入力され、該レギュレータから出力される5[V]の電圧が制御装置の各部に電源電圧として印加されるようになっている。
【0050】
図1において、5は点火装置3を制御するマイクロコンピュータで、このマイクロコンピュータは、電源回路4からレギュレータRegを通して5[V]の電源電圧が与えられて動作する。マイクロコンピュータ5には、信号発生器2の出力パルスが波形整形回路6を通して入力されるととともに、エキサイタコイルEXの出力電圧の位相を検出する位相検出回路7の出力と、機関の回転方向を反転させる際に操作される回転方向切換スイッチ8から与えられる信号とが入力されている。マイクロコンピュータ5にはまた点火指令信号出力回路9と、機関が逆回転していることを報知する逆転報知回路10とが接続されている。
【0051】
波形整形回路6は、信号発生器2が発生するパルス信号をマイクロコンピュータが認識し得る波形の信号に変換する回路で、トランジスタTR1 ないしTR3 と、抵抗R4 ないしR9 と、コンデンサC3 及びC4 と、ダイオードD6 ないしD8 とからなっている。この波形整形回路のトランジスタTR3 のコレクタに得られる信号及びトランジスタTR1 のコレクタに得られる信号がそれぞれマイクロコンピュータ5のポートA1 及びA2 に割込み信号INT1及びINT2として入力されている。
【0052】
図示の波形整形回路6においては、信号発生器2が発生する負極性のパルス信号Vsb1 ,Vsb2 ,Vsb1 ´,Vsb2 ´がコンデンサC4 の両端の電圧(しきい値)を超えた時に、信号コイルSG−ダイオードD8 −抵抗R5 −ダイオードD7 −信号コイルSGの経路で電流が流れる。この電流によりダイオードD8 の両端に生じる電圧降下によってトランジスタTR2 のベースエミッタ間が逆バイアスされるため、トランジスタTR2 がオフ状態になり、トランジスタTR3 がオン状態になる。このように、負極性のパルス信号Vsb1 ,Vsb2 ,Vsb1 ´,Vsb2 ´がしきい値を超えると、波形整形回路6のトランジスタTR3 がオン状態になるため、該トランジスタTR3 のコレクタの電位が低下する。マイクロコンピュータ5は、このトランジスタTR3 のコレクタの電位の低下を認識することにより、信号発生器2が負極正のパルス信号を発生したことを検出する。
【0053】
また信号発生器2が正極性のパルス信号Vsa1 ,Vsa2 ,Vsa1 ´,Vsa2 ´を発生して、これらのパルス信号がコンデンサC3 の両端の電圧(しきい値)を超えると、信号コイルSGから抵抗R4 を通してトランジスタTR1 にベース電流が与えられるため、トランジスタTR1 がオン状態になり、該トランジスタTR1 のコレクタの電位が低下する。マイクロコンピュータ5はこのトランジスタTR1 のコレクタの電位の低下を認識したときに、信号発生器2が正極性のパルス信号を発生したことを検出する。
【0054】
位相検出回路7は、コレクタがマイクロコンピュータ5のポートA3 及びA4 に接続され、エミッタが接地されたNPNトランジスタTR4 と、トランジスタTR4 のベースと電源回路4の出力端子間及びトランジスタTR4 のベースエミッタ間にそれぞれ接続された抵抗R10及びR11と、トランジスタTR4 のベースとエキサイタコイルEXの他端との間にカソードをエキサイタコイルEX側に向けて接続されたダイオードD9 とからなっている。
【0055】
この位相検出回路においては、エキサイタコイルEXが負の半波の出力電圧を発生しているときに、レギュレータRegから抵抗R10を通してトランジスタTR4 にベース電流が与えられて該トランジスタTR4 がオン状態になる。エキサイタコイルEXが正の半波の出力電圧を発生すると、コンデンサC1 の充電電流によりダイオードD4 の両端に生じる電圧降下により、エキサイタコイルEXの他端が接地電位に対して負電位(−0.7 [V]程度)になるため、それまでトランジスタTR4 に流れていたベース電流がほとんどエキサイタコイルEX側に流れ、トランジスタTR4 がオフ状態になる。
【0056】
このように、トランジスタTR4 はエキサイタコイルEXが負の半波の出力電圧を発生しているときにオン状態になり、正の半波の出力電圧を発生しているときにオフ状態になるため、トランジスタTR4 のコレクタには、エキサイタコイルEXの出力電圧が負の半波から正の半波に移行する際の零クロス点で立ち上がり、該出力電圧が正の半波から負の半波に移行する際の零クロス点で立ち下がる矩形波信号Vq が得られる。この矩形波信号の立ち上がり及び立下がりを認識することにより、エキサイタコイルの出力電圧の各零クロス点を検出することができる。
【0057】
この例では、図2(C)に示すように、エキサイタコイルEXの出力電圧が負の半波から正の半波に移行する際の零クロス点を特定の零クロス点zとして、マイクロコンピュータ5がトランジスタTR4 のコレクタに得られる矩形波信号の立ち上がりを認識することにより該特定の零クロス点zを検出し、機関の逆回転時に、信号発生器2が正極性のパルス信号Vsa2 ´を発生した後、2回目に検出された特定の零クロス点zを、機関の逆回転時の第1気筒の低速時点火位置θ13としている。また、信号発生器2が正極性のパルス信号Vsa1 ´を発生した後、2回目に検出された特定の零クロス点zを、機関の逆回転時の第2気筒の低速時点火位置θ23としている。
【0058】
点火指令信号出力回路9は、エミッタが電源回路4の出力端子に接続され、ベースが抵抗R12を通してマイクロコンピュータのポートA5 に接続されたPNPトランジスタTR5 と、該トランジスタのコレクタに抵抗R13を通してアノードが接続されたダイオードD10とからなっていて、ダイオードD10のカソードが点火指令信号出力回路9の出力端子として点火装置3のサイリスタTh1のゲート(点火指令信号入力端子)に接続されている。
【0059】
後記するように、マイクロコンピュータ5は内燃機関の点火位置が検出されたときに、ポートA5 の電位をほぼ接地電位まで低下させる。これにより、トランジスタTR5 がオン状態になるため、電源回路4からトランジスタTR5 のエミッタコレクタ間と抵抗R13とダイオードD10とを通して点火装置3に点火指令信号Vi が与えられる。
【0060】
回転方向切換スイッチ8は、オフ状態とオン状態とに切り換えられる手動スイッチからなっていて、マイクロコンピュータ5のポートA6 と接地間に接続されている。マイクロコンピュータ5のポートA6 は抵抗14を通して電源回路4の出力端子に接続されている。マイクロコンピュータは、スイッチ8の状態により、内燃機関を正回転させる指令が与えられているか、逆回転させる指令が与えられているかを判定する。この例では、スイッチ8がオフ状態にあるときに、内燃機関を正回転させ、スイッチ8がオン状態にあるときに、内燃機関を逆回転させるものとする。
【0061】
逆転報知回路10は、エミッタが接地され、ベースが抵抗R15を通してマイクロコンピュータのポートA7 に接続されたNPNトランジスタTR6 と、トランジスタTR6 のベースエミッタ間に接続された抵抗R16と、電源回路4の非接地側の出力端子とトランジスタTR6 のコレクタとの間に接続された報知手段としてのリバースランプLとからなっている。なおリバースランプLは発光ダイオード等の他の発光素子により置き換えてもよく、ブザー等の発音体からなる報知手段で置き換えてもよい。また発光素子と発音体との双方を報知手段として用いるようにしてもよい。
【0062】
上記の制御装置において、マイクロコンピュータ5は、回転方向切換スイッチが操作されたときに内燃機関の回転速度を低下させる減速過程と回転速度が設定値未満に低下した時に内燃機関の点火位置を過進角位置まで進角させる過進角制御過程と点火位置の過進角により内燃機関の回転方向が反転したか否かを確認するために内燃機関の回転方向を判定する回転方向判定過程と回転方向が反転したことが確認されたときに回転方向が反転した状態での低速時の点火位置で内燃機関を点火する反転時初期点火過程とを行うようにプログラムされる。
【0063】
上記の内燃機関制御装置のマイクロコンピュータ5が実行するプログラムのアルゴリズムの一例を示すフローチャートを図5ないし図8に示した。
【0064】
図5はマイクロコンピュータ5が実行するプログラムのメインルーチンを示したもので、このメインルーチンはマイクロコンピュータの電源が確立したときに開始される。メインルーチンが開始されると、先ずステップ1で各部のイニシャライズ(初期化)が行なわれ、次いでステップ2で各気筒の点火位置が演算される。この点火位置を演算する過程では、別のルーチンで演算された機関のその時々の回転速度に対して、各気筒の点火位置を演算する。この点火位置の演算は、例えば、回転速度と点火位置との関係を与えるマップ(マイクロコンピュータのROMに記憶されている。)を用いて行う。
【0065】
機関の正回転時の点火位置は、信号発生器2が負極性のパルス信号Vsb1 またはVsb2 を発生する位置から点火位置まで機関が回転する間に点火用タイマが計測すべき時間の計測値(計数すべきクロックパルスの数)の形で演算する。また機関の逆転時の点火位置は、信号発生器が正極性のパルス信号Vsa1 ´またはVsa2 ´を発生する位置から点火位置まで機関が回転する間に点火用タイマが計測すべき時間の計測値の形で演算する。
【0066】
各気筒の点火位置を演算した後、次いでステップ3において、回転方向切換スイッチ8がオン状態にあるか否かを判定する。その結果、スイッチ8がオン状態にあるとき(機関を逆回転させる指令が与えられているとき)には、次いでステップ4においてリバース制御を行ってもよいか否かを判定する。ここでリバース制御とは、機関の回転方向を正方向から逆方向に切り換える制御を意味する。
【0067】
ステップ4では、機関の状態または該機関により駆動される乗り物の状態等から、安全上リバース制御を行うことを禁止すべき状態にあるか否かを判定して、リバース制御を禁止すべき状態にないときにリバース制御を行ってもよいと判定する。リバース制御を禁止すべき状態とは、例えば、機関が始動した後未だ回転速度がアイドリング速度(例えば1500rpm)を超えていない状態や、機関の回転方向が逆方向から正方向に切換えられた後、回転速度が設定値(例えば900rpm)を超えていない状態(機関の回転方向が逆方向から正方向に切り換えられた直後の状態)である。
【0068】
ステップ4において、安全上の問題がなく、リバース制御を行ってもよいと判定されたときには、ステップ5に進んでリバース制御を開始し、リバース制御中であることを示すためにリバースフラグを1にセットする。ステップ4においてリバース制御を行ってはいけないと判定された時には、点火位置の演算を行うステップ2に戻る。
【0069】
ステップ3において回転方向切換スイッチがオン状態にないと判定された時(機関の回転方向を正方向とすることが指令されているとき)には、ステップ6に進んでリバース制御中であるか否か(リバースフラグが1にセットされているか否か)を判定する。その結果リバース制御中であると判定されたとき(リバースフラグが1にセットされているとき)には、ステップ7に進んでホワード制御を行ってもよいか否かを判定する。例えば、機関の回転方向が正方向から逆方向に切換えられた直後のとき(例えば機関の回転方向が正方向から逆方向に切り替わった後機関の回転速度が900rpmを超えていないとき)には、ホワード制御を行うことを禁止する。このような安全上の問題がない場合には、ホワード制御を行ってもよいと判定して、ステップ8に進む。ステップ8ではホワード制御を開始し、ホワード制御中であることを示すホワードフラグを1にセットする。ここでホワード制御とは、機関の回転方向を逆方向から正方向に切換える制御を意味する。
【0070】
ステップ6においてリバース制御中でないと判定されたとき、及びステップ7においてホワード制御を行ってはいけないと判定されたときには、ステップ2に戻る。
【0071】
信号発生器2が負極性(他方の極性)のパルス信号Vsb1 ,Vsb2 ,Vsb1 ´またはVsb2 ´を発生すると、マイクロコンピュータ5のポートA1 に割込み信号INT1が入力される。割込み信号INT1が入力されると、メインルーチンが中断されて図6の割込みルーチンが実行される。この割込みルーチンでは、先ず機関の回転速度を演算するステップ1を実行する。このステップ1においては、マイクロコンピュータ内でクロックパルスを計数しているカウンタの計数値を読み込み、今回読み込んだカウンタの計数値と前回この割込みルーチンが実行されたときに読み込んだ同じカウンタの計数値との差から、割込み信号INT1による前回の割込みが行われてから今回の割込みが行われるまでに要した時間(機関の回転軸が180ど回転するのに要した時間)を検出し、この時間から機関の回転速度を演算する。
【0072】
ステップ1で機関の回転速度を演算した後、ステップ2に移行して、機関の回転方向が正方向であるか否かを判定する。機関の回転方向の判定は、信号発生器が正極性のパルス信号を発生した時に行われる図7の割込みルーチンにより行われる。
【0073】
図6の割込みルーチンのステップ2において機関の回転方向が逆方向であると判定されたときには、何もしないでこの割込みを終了する。ステップ2において機関の回転方向が正方向であると判定されたときには、次いでステップ3に移行してリバース制御中であるか否かを判定し、リバース制御中でない場合(リバースフラグが1でない場合)には、通常の点火位置制御モードを行う。この点火位置制御モードでは、先ずステップ4でハード点火を行う状況かソフト点火を行う状況かを判定する。
【0074】
ここでハード点火とは、ハードウェア(信号発生器2やエキサイタコイル1)から得られる信号に基づいて決まる一定の点火位置で点火を行うことを意味する。機関が正回転しているときのハード点火は、信号発生器2が第1気筒の上死点位置前5°の回転角度位置θ11で正極性のパルス信号Vsa1 を発生した時及び第2気筒の上死点位置前5°の回転角度位置θ21で正極性のパルス信号Vsa2 を発生した時に(第1気筒及び第2気筒の低速時点火位置で)行われる。
【0075】
またソフト点火は、ソフトウェアにより演算された点火位置で機関を点火することを意味する。
【0076】
ステップ4では、機関の回転速度が例えば1000rpm以下のときにハード点火を行う状況であると判定し、機関の回転速度が1000rpmを超えているときにソフト点火を行う状況であると判定する。
【0077】
ステップ4でハード点火を行う状況であると判定されたときには、ステップ5に進んでハード点火の準備(信号発生器が正極性のパルス信号を発生したときに点火装置に点火指令信号Viを与える準備)を行い、ステップ4においてソフト点火を行う状況にあると判定されたときには、ステップ6に進んでメインルーチンで演算された点火位置の計測値を点火用タイマにセットしてその計測を開始する。
【0078】
ステップ3においてリバース制御中であると判定されたときには、ステップ7に進んで点火位置の過進角を行わせるか、または機関を失火させるかを判定する。例えば、機関の回転速度が500rpm以上である時には機関を失火させると判定し、機関の回転速度が500rpm未満のときには、機関の点火位置を過進角させると判定する。
【0079】
ステップ7において機関を失火させると判定されたときには、ステップ8に進んで失火モードとし、点火装置3への点火指令信号の供給を停止する。またステップ7において点火位置を過進角させると判定されたときには、ステップ9に移行して予め設定した過進角した点火位置(過進角点火位置)の計測値を点火用タイマにセットしてその計測を開始する。
【0080】
マイクロコンピュータ5は、点火用タイマがセットされた点火位置の計測値の計測を完了した時に、ポートA5 の電位を接地電位としてトランジスタTR5 をオン状態にし、点火装置3に点火指令信号Viを与える。
【0081】
信号発生器2が正極性のパルス信号Vsa1 ,Vsa2 ,Vsa1 ´,Vsa2 ´を発生してマイクロコンピュータのポートA2 に割込み信号INT2 が与えられると、図7に示した割込みルーチンが実行される。この割込みルーチンでは、ステップ1においてエキサイタコイルの出力電圧の半波の極性を見て、エキサイタコイルの出力電圧の位相が機関が正回転していることを示す位相であるか否か(正極性のパルス信号が発生したときにエキサイタコイルの出力電圧の半波の極性が負極性であるか否か)を判定する。その結果、機関が正回転していると判定されたときには、ステップ2に移行して前回の割込み信号INT2による割込み時に機関の回転方向が逆方向であったか否かを判定する。その結果前回の割込み時の回転方向が正方向であったと判定された時には、何もしないでメインルーチンに戻る。また前回の割込み時の機関の回転方向が逆方向であったと判定された時には、ステップ3に移行して点火装置3に点火指令信号Viを与え、機関の回転方向を逆方向から正方向に切換えた後の最初の点火位置として適した低速時の点火位置(正極性のパルス信号Vsa1 ,Vsa2 の発生位置)で点火(ハード点火)を行わせる。即ちステップ2及び3により反転時初期点火過程が行われる。
【0082】
次いでステップ4においてポートA7の電位をほぼ接地電位としてトランジスタTR6 をオフ状態にし、リバースランプLを消灯させる。次いでステップ5においてリバースフラグを「0」にしてリバース制御を終了させ、ステップ6においてホワードフラグを「0」にしてホワード制御を終了させた後、メインルーチンに戻る。
【0083】
図7のステップ1において機関の回転方向が逆方向であると判定された時には、ステップ7に進んでリバース制御中であるか否かを判定し、その結果リバース制御中でないと判定された時にはステップ8に進んで機関を失火させた後メインルーチンに戻る。
【0084】
ステップ7においてリバース制御中であると判定された時には、ステップ9に進んで前回の割込み時の機関の回転方向が正方向であったか否かを判定し、正方向であった時にはステップ10でポートA7 の電位を高レベルとしてリバースランプLを点灯させる。次いでステップ11においてエキサイタコイルの出力の特定の零クロス点が正極性パルスVsa2 ´またはVsa1 ´が発生した後何番目の零クロス点であるかを判別する零クロス点判別用カウンタをクリアし、割込み信号INT3による割込みを許可してメインルーチンに戻る。
【0085】
ステップ9において前回の割込み時の回転方向が逆方向であったと判定された時には、ステップ12に進んでホワード制御中であるか否かを判定する。その結果ホワード制御中でないと判定された時にはステップ13に進んでハード点火を行うべきか否かを判定し、ハード点火を行うべきであると判定された時にはステップ11に移行する。
【0086】
またステップ13においてハード点火を行うべきではないと判定された時にはステップ14に進んで演算されている点火位置の計測値を点火用タイマにセットしてその計測値の計測を開始させる。
【0087】
またステップ12においてホワード制御中であると判定された時には、ステップ15に進んで、その時の機関の回転速度に応じて点火位置を過進角させるか、または機関を失火させるかを判定する。例えば機関の回転速度が500rpm以上である時には、機関を失火させると判定してステップ16に進み、機関を失火させる。また回転速度が500rpm未満で、ステップ15において点火位置を過進角させると判定されたときには、ステップ17に進んで過進角位置の計測値を点火用タイマにセットしてその計測を開始させる。
【0088】
位相検出回路7によりエキサイタコイルEXの出力電圧が負の半波から正の半波に移行する際の零クロス点が検出される毎にマイクロコンピュータのポートA3 に割込み信号INT3が与えられる。図7のステップ11において割込み信号INT3による割込みが許可されている時には、割込み信号INT3が与えられた時に図8の割込みルーチンが実行される。この割込みルーチンにおいては、ステップ1において零クロス点判別用のカウンタの計数値が1であるか否かを判定し、その計数値が1でない場合には、ステップ2に進んでそのカウンタの計数値を1つ増加させた後メインルーチンに戻る。
【0089】
またステップ1においてカウンタの計数値が1であると判定された時[今回の割込み信号INT3が発生した特定の零クロス点zが、機関の逆転時に正極性のパルス信号Vsa1 ´またはVsa2 ´が発生した後2回目に発生した特定の零クロス点z(図2のθ13の位置)である場合]には、ステップ3に進んでポートA5 の電位を接地電位とすることによりハード点火(反転時初期点火)を行わせ、次いでステップ4において割込み信号INT3による割込みを禁止してメインルーチンに戻る。
【0090】
上記の例では、図7の割込みルーチンのステップ1により、信号発生器がいずれかの極性のパルス信号(上記の例では正極性のパルス信号)を発生した時の磁石発電機の交流出力電圧の半波の極性から内燃機関の回転方向を判定する回転方向判定手段が実現される。
【0091】
また図5に示したメインルーチンのステップ2により、内燃機関が設定回転速度以上で正回転しているとき及び逆回転しているときの前記内燃機関の点火位置を演算する点火位置演算手段が実現される。
【0092】
また、図6の割込みルーチンのステップ2ないし6と、図7の割込みルーチンのステップ7,9,12,13,14,及び11とにより、内燃機関が設定回転速度以上の回転速度で正回転している状態及び逆回転している状態では、前記点火位置演算手段により演算された点火位置が検出されたときに前記内燃機関を点火し、前記内燃機関が前記設定回転速度未満の回転速度で正回転している状態では前記信号発生器が発生する一方の極性のパルス信号が検出されたときに前記内燃機関を点火し、前記内燃機関が前記設定回転速度未満の回転速度で逆回転している状態では逆回転時の低速時点火位置に一致する前記交流出力電圧の零クロス点が検出された時に前記内燃機関を点火する定常運転時点火制御手段が実現される。
【0093】
更に、図6のステップ7及び8と、図7のステップ7及び8とステップ15及び16とにより、回転方向切換スイッチが操作されたときに内燃機関の回転速度を低下させるように内燃機関を制御する減速制御手段が実現され、図6のステップ7及び9と、図7のステップ15及び17とにより、内燃機関の回転速度が設定回転速度以下になったときに内燃機関の回転方向を反転させるために必要な過進角位置で内燃機関を点火する点火位置過進角手段が実現される。
【0094】
また図7のステップ1ないし3と、ステップ7,9及び11と、図8の割込みルーチンとにより、回転方向判定手段により内燃機関の回転方向が反転したと判定されたときに回転方向が反転した後の最初の点火位置として適した反転時初期点火位置で内燃機関の点火動作を行わせる反転時初期点火制御手段が実現される。
【0095】
図1に示した内燃機関制御装置の動作を示すタイミングチャートを図3及び図4に示した。図3は、機関の回転方向を正方向から逆方向に切換える際の動作を示したもので、機関が正回転している状態で、回転方向切換スイッチ8が閉じられた直後から回転方向が反転するまでの状態を、横軸に時間t[sec]をとって示している。図3及び図4において、BTDCは、その時の機関の回転角度位置が上死点前の回転角度位置であることを意味している。
【0096】
回転方向切換スイッチが閉じられると、点火装置3への点火指令信号Viの供給が停止されたため、同図(C)の左半分に示すように、点火用コンデンサC1 の両端の電圧Vcが高レベルの状態を保持する状態になる。信号発生器2が正極性のパルス信号(図示の例では正回転時の第1気筒の低速時点火位置を定める正極性パルス信号Vsa1 )を発生したときに、マイクロコンピュータは、エキサイタコイル1の出力電圧の半波の極性から機関の回転方向が正方向であることを認識する。機関が失火させられたことにより、その回転速度が設定値(500rpm)未満になると、マイクロコンピュータは、信号発生器2が負極性のパルス信号Vsb1 を出力したときに点火用タイマに過進角点火位置の計測値をセットし、その計測を開始させる。過進角点火位置は、例えば、機関の上死点前40°(BTDC)の位置に設定される。セットした過進角点火位置が計測されると点火装置に点火指令信号が与えられるため、点火用コンデンサC1 に蓄積された電荷が放電し、点火動作が行われる。このコンデンサC1 の放電により、その両端の電圧Vcが零になる。この過進角位置での点火により機関の回転方向を反転させる。
【0097】
マイクロコンピュータは、機関の回転方向が反転した後正極性のパルス信号Vsa1 ´が発生したときのエキサイタコイルの出力電圧の半波の極性から機関が逆回転していることを確認する。マイクロコンピュータは、エキサイタコイルの出力電圧が負の半波から正の半波に移行する際の零クロス点を特定の零クロス点として検出し、正極性のパルス信号Vsa1 ´が発生した後2回目の特定の零クロス点(逆転時の上死点よりも5°進角した位置)を検出した時にハード点火を行わせる。その後、機関の回転速度が設定値以下の時には低速時の点火位置であるエキサイタコイルの出力電圧の零クロス点で点火(ハード点火)を行わせ、機関の回転速度が設定値(例えば1000rpm)を超えたときには、演算された点火位置で点火(ソフト点火)を行わせて逆回転方向の定常運転を行わせる。
【0098】
図4は、機関の回転方向を逆方向から正方向に切換える際の動作を示したもので、機関が逆回転している状態で、回転方向切換スイッチ8が開かれた直後から回転方向が反転する(正回転に切り替わる)までの状態を、横軸に時間t[sec]をとって示している。
【0099】
機関が逆回転している状態で回転方向切換スイッチが開かれると、点火装置3への点火指令信号Viの供給が停止されたため、図4(C)の左端に示されているように、点火用コンデンサC1 の両端の電圧Vcは高レベルの状態を保持している。信号発生器2が正極性のパルス信号Vsa1 ´を発生したときに、マイクロコンピュータは、エキサイタコイル1の出力電圧の半波の極性から機関の回転方向が逆方向であることを認識する。正極性のパルス信号Vsa1 ´が発生したときに回転速度が設定値(500rpm)未満になっていると、マイクロコンピュータは直ちに点火用タイマに過進角点火位置の計測値をセットして、その計測を開始させる。過進角点火位置は、図3の場合と同様に機関の上死点前40°の位置に設定される。セットした過進角点火位置が計測されると点火装置に点火指令信号が与えられるため、点火用コンデンサC1 に蓄積された電荷が放電し、点火動作が行われる。このコンデンサC1 の放電により、その両端の電圧Vcが零になる。この過進角位置での点火により機関の回転方向を正方向に反転させる。
【0100】
マイクロコンピュータ5は、機関の回転方向が反転した後正極性のパルス信号Vsa1 が発生したときのエキサイタコイルの出力電圧の半波の極性から機関が正回転していることを確認する。マイクロコンピュータは、正極性のパルス信号Vsa1 の発生位置で機関が正回転していることを検出すると、直ちに点火装置に点火指令信号を与えて、機関の回転方向が正方向に反転した後最初の点火(ハード点火)を行わせる。その後、機関の回転速度が設定値以下の時には低速時の点火位置である正極性パルスVsa1 またはVsa2 の発生位置で点火(ハード点火)を行わせ、機関の回転速度が設定値(例えば1000rpm)を超えたときには、演算された点火位置で点火(ソフト点火)を行わせて正回転方向の定常運転を行わせる。
【0101】
上記の例では、内燃機関を逆回転させる際に、信号発生器が正極性(一方の極性)のパルス信号Vsa1 ´またはVsa2 ´を発生したときに過進角点火位置の計測及び演算された点火位置(ソフト点火位置)の計測を開始させるようにしたが、このようにすると、点火位置の計測期間が正回転時に比べて長くなるので、エキサイタコイルの出力の零クロス点の中から選択した特定の零クロス点を点火位置の計測開始位置としてもよい。
【0102】
同様に、機関の正回転時にも、エキサイタコイルの出力の零クロス点の中から選択した特定の零クロス点で点火位置の計測開始するようにしてもよい。
【0103】
上記の例では、2気筒の2サイクル内燃機関に本発明を適用したが、単気筒の2サイクル内燃機関にも本発明を適用することができる。単気筒の内燃機関に本発明を適用する場合には、信号発生器が正または負の極性のパルス信号を発生してから再び正または負極性のパルス信号を発生するまでの回転角度が360°であるため、機関の逆回転時の点火位置の計測開始位置として信号発生器がパルス信号を発生する位置を用いることができない。したがってこの場合には、エキサイタコイルの出力の特定の零クロス点を点火位置の計測開始位置とする。
【0104】
上記の例では、磁石発電機内に設けられたエキサイタコイル(点火装置を駆動するコイル)の出力電圧の特定の零クロス点を、逆回転時の低速時の点火位置としたり、点火位置の計測開始位置としたりするようにしたが、エキサイタコイル以外の発電コイルの出力電圧の零クロス点を逆回転時の低速時点火位置としたり、点火位置の計測開始位置としたりすることもできる。磁石発電機の出力に余裕があり、固定子の1つの極に巻かれた発電コイルを制御装置専用の発電コイル(負荷に電力を供給しない発電コイル)として用いることができる場合には、該発電コイルの出力電圧の零クロス点を低速時の点火位置や、点火位置の計測開始位置として用いるのが好ましい。このように負荷を駆動しない発電コイルの出力電圧の零クロス点を低速時の点火位置や、点火位置の計測開始位置とするようにすれば、電機子反作用の影響を受けることなく、低速時の点火位置や、点火位置の計測開始位置を正確に定めることができる。
【0105】
【発明の効果】
以上のように、本発明によれば、機関の回転方向を反転させた後、機関の回転方向を確認する際に、信号発生器が出力パルスを発生した時の交流磁石発電機の出力電圧の半波の極性から機関の回転方向を判定するようにしたので、信号発生器を1つ設けるだけで回転方向の判定を行わせることができ、機関の構成が複雑になるのを防ぐことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係わる内燃機関制御装置のハードウェアの構成例を示した回路図である。
【図2】 図1に示された磁石発電機の出力電圧の波形と、信号発生器が発生するパルス信号の波形とを機関の正回転時と逆回転時とについて示した波形図である。
【図3】 正回転している内燃機関を逆回転させる際の動作を示すタイミングチャートである。
【図4】 逆回転している内燃機関を正回転させる際の動作を示すタイミングチャートである。
【図5】 図1の制御装置においてマイクロコンピュータが実行するプログラムのメインルーチンのアルゴリズムを示したフローチャートである。
【図6】 図1の制御装置においてマイクロコンピュータが実行するプログラムの割込みルーチンのアルゴリズムを示したフローチャートである。
【図7】 図1の制御装置においてマイクロコンピュータが実行するプログラムの他の割込みルーチンのアルゴリズムを示したフローチャートである。
【図8】 図1の制御装置においてマイクロコンピュータが実行するプログラムの更に他の割込みルーチンのアルゴリズムを示したフローチャートである。
【符号の説明】
1…磁石発電機、2…信号発生器、3…点火装置、5…マイクロコンピュータ、6…波形整形回路、7…位相検出回路、8…回転方向切換スイッチ、9…点火指令信号出力回路、10…逆回転報知回路。
Claims (4)
- 2サイクル内燃機関の回転方向を反転させる際に操作される回転方向切換スイッチと、
前記内燃機関の1回転当り2nサイクル(nは1以上の整数)の交流出力電圧を発生するように構成されていて、前記交流出力電圧のいずれかの零クロス点が前記内燃機関の逆回転時の低速時点火位置に一致するように前記交流出力電圧の位相が設定された交流磁石発電機と、
前記内燃機関の回転に同期して一方の極性のパルス信号と他方の極性のパルス信号とを発生するように構成されていて、前記内燃機関の正回転時に前記一方の極性のパルス信号及び他方の極性のパルス信号がそれぞれ前記内燃機関の正回転時の低速時点火位置及び該低速時点火位置よりも進角した位置で発生し、かつ前記一方の極性のパルス信号が発生した時の前記磁石発電機の交流出力電圧の半波の極性と前記他方の極性のパルス信号が発生した時の前記磁石発電機の交流出力電圧の半波の極性とが同一となるように各パルス信号の発生位置が設定された信号発生器と、
前記信号発生器がいずれかの極性のパルス信号を発生した時の前記磁石発電機の交流出力電圧の半波の極性から前記内燃機関の回転方向を判定する回転方向判定手段と、
前記内燃機関が設定回転速度以上で正回転しているとき及び逆回転しているときの前記内燃機関の点火位置を演算する点火位置演算手段と、
前記内燃機関が設定回転速度以上の回転速度で正回転している状態及び逆回転している状態では、前記点火位置演算手段により演算された点火位置が検出されたときに前記内燃機関を点火し、前記内燃機関が前記設定回転速度未満の回転速度で正回転している状態では前記信号発生器が発生する一方の極性のパルス信号が検出されたときに前記内燃機関を点火し、前記内燃機関が前記設定回転速度未満の回転速度で逆回転している状態では逆回転時の低速時点火位置に一致する前記交流出力電圧の零クロス点が検出された時に前記内燃機関を点火する定常運転時点火制御手段と、
前記回転方向切換スイッチが操作されたときに前記内燃機関の回転速度を低下させるように前記内燃機関を制御する減速制御手段と、前記内燃機関の回転速度が設定回転速度以下になったときに前記内燃機関の回転方向を反転させるために必要な過進角位置で前記内燃機関を点火する点火位置過進角手段と、前記回転方向判定手段により前記内燃機関の回転方向が反転したと判定されたときに回転方向が反転した後の最初の点火位置として適した反転時初期点火位置で前記内燃機関の点火動作を行わせる反転時初期点火制御手段とを備えた回転方向切換制御手段とを具備してなり、
前記回転方向切換制御手段は、前記内燃機関の回転方向を正方向から逆方向に切換えた際の前記反転時初期点火位置を前記磁石発電機の交流出力電圧の零クロス点から得た回転角度位置情報に基づいて決定し、前記内燃機関の回転方向を逆方向から正方向に切換えた際の前記反転時初期点火位置を前記信号コイルが一方の極性のパルス信号を発生する位置とするように構成されている内燃機関制御装置。 - 前記定常運転時点火制御手段は、前記交流出力電圧の特定の零クロス点を検出した時に前記点火位置演算手段により演算された点火位置の計測を開始して該点火位置の計測を完了した時に前記内燃機関を点火するように構成されている請求項1に記載の内燃機関制御装置。
- 前記定常運転時点火制御手段は、前記内燃機関の正回転時には前記信号発生器が他方の極性のパルス信号を検出した時に前記点火位置演算手段により演算された点火位置の計測を開始して該点火位置の計測を完了した時に前記内燃機関を点火し、前記内燃機関の逆回転時には前記交流出力電圧の特定の零クロス点を検出した時に前記点火位置演算手段により演算された点火位置の計測を開始して該点火位置の計測を完了した時に前記内燃機関を点火するように構成されている請求項1に記載の内燃機関制御装置。
- 前記減速制御手段は、前記内燃機関を点火する点火装置の動作を停止さ せて前記内燃機関を失火状態にする手段からなっている請求項1ないし3のいずれか1つに記載の内燃機関制御装置。
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