JP4011535B2 - コンデンサ放電式内燃機関用点火装置 - Google Patents

コンデンサ放電式内燃機関用点火装置 Download PDF

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Description

本発明は、コンデンサ放電式の内燃機関用点火装置に関するものである。
コンデンサ放電式の内燃機関用点火装置は、内燃機関により駆動される磁石発電機内に設けられて機関の回転に同期して交流電圧を誘起するエキサイタコイルと、点火コイルの一次側に設けられてエキサイタコイルの正の半波の出力電圧により一方の極性に充電される点火用コンデンサと、トリガ信号が与えられたときにオン状態になって点火用コンデンサの電荷を点火コイルの一次コイルを通して放電させるサイリスタと、内燃機関の点火位置でサイリスタにトリガ信号を与えるサイリスタトリガ回路とにより構成される。
上記エキサイタコイルを設ける磁石発電機としては、フライホイールの外周側に磁石界磁を構成したものがよく用いられる。この種の磁石発電機は、フライホイールの外周に永久磁石を取り付けることにより3極の磁石界磁を構成した磁石回転子と、この磁石回転子の磁石界磁の磁極に対向する磁極部を有する鉄心にエキサイタコイルを巻回して構成した固定子とを備えていて、正の半波の出力電圧と該正の半波の出力電圧の前後にそれぞれ発生する第1及び第2の負の半波の出力電圧とからなる1サイクル半の交流電圧をクランク軸が1回転する間に少なくとも1回エキサイタコイルから発生する。
上記のような磁石発電機を用いたコンデンサ放電式の内燃機関用点火装置は、例えば特許文献1に示されている。
この種の磁石発電機を用いたコンデンサ放電式の内燃機関用点火装置では、特許文献1にも示されているように、エキサイタコイルが発生する正の半波の出力電圧により点火用コンデンサを充電し、エキサイタコイルが発生する負の半波の出力電圧を用いてサイリスタにトリガ信号を供給することがよく行われる。
上記のような磁石発電機を用いたコンデンサ放電式の内燃機関用点火装置において、エキサイタコイルが発生する負の半波の出力電圧によりサイリスタにトリガ信号を与える構成をとる場合には、エキサイタが正の半波の出力電圧を発生した後、第2の負の半波の出力電圧の出力でサイリスタにトリガ信号が与えられたときに、点火用コンデンサの電荷をサイリスタを通して放電させることにより点火動作を行わせる。エキサイタコイルが正の半波の出力電圧を発生するのに先立って第1の負の半波の出力電圧を発生したときにもサイリスタにトリガ信号が与えられるが、このときは未だ点火用コンデンサに電荷が蓄積されていないため、サイリスタは導通せず、点火動作は行われない。
特公昭62−53714号公報
回転子の外周側に3極の磁石界磁を構成した磁石発電機を用いたコンデンサ放電式内燃機関用点火装置において、エキサイタコイルの負の半波の出力電圧を用いてサイリスタにトリガ信号を供給する場合には、エキサイタコイルが正の半波の出力電圧を発生する前に第1の負の半波の出力電圧を発生したときにもサイリスタにトリガ信号が与えられるが、このトリガ信号は、エキサイタコイルの正の半波の出力電圧が立ち上がるまでの間に消滅させておく必要がある。万一、エキサイタコイルの正の半波の出力電圧が立ち上がったときにサイリスタにトリガ信号が与えられていると、該サイリスタが導通してエキサイタコイルを短絡してしまうため、点火用コンデンサの充電を行うことができなくなり、機関が失火することになる。
磁石回転子の磁極間隔を十分に大きくとることができ、エキサイタコイルが第1の負の半波の出力電圧を発生するクランク角位置と、正の半波の出力電圧を発生するクランク角位置とを十分に離すことができる場合には、エキサイタコイルの正の半波の出力電圧の立上がり時にサイリスタにトリガ信号が与えられることはない。
ところが、磁石発電機の回転子の外径を小さくすることが必要とされる場合のように、磁石回転子の磁極間隔を狭くせざるを得なくなり、エキサイタコイルが第1の負の半波の出力電圧を発生するクランク角位置と、正の半波の出力電圧を発生するクランク角位置とが接近する状態になった場合には、機関の高速回転時にエキサイタコイルが第1の負の半波の出力電圧を発生してから正の半波の出力電圧を発生するまでの時間が短くなるため、正の半波の出力電圧に先立って発生した負の半波の出力電圧によりサイリスタに与えられたトリガ信号電流が、正の半波の出力電圧の立上がり時に残留している状態が生じることがある。
このような状態が生じると、エキサイタコイルが正の半波の出力電圧を発生したときにサイリスタが導通してエキサイタコイルを短絡するため、点火用コンデンサの充電を行うことができなくなり、機関が失火することになる。
このように、正の半波の出力電圧と該正の半波の出力電圧の前後にそれぞれ発生する第1及び第2の負の半波の出力電圧とからなる1サイクル半の交流電圧を内燃機関のクランク軸が1回転する間に少なくとも1回発生するエキサイタコイルを有する磁石発電機を用いて、エキサイタコイルの負の半波の出力電圧でサイリスタにトリガ信号を与えるようにしたコンデンサ放電式の内燃機関用点火装置においては、磁石回転子の磁極間隔を狭くして、エキサイタコイルが第1の負の半波の出力電圧を発生するクランク角位置と正の半波の出力電圧を発生するクランク角位置とを接近させた場合に、機関の高速回転時に点火用コンデンサの充電を行うことができなくなるため、機関の回転速度が制限されるという問題があった。
本発明の目的は、正の半波の出力電圧と該正の半波の出力電圧の前後にそれぞれ発生する第1及び第2の負の半波の出力電圧とからなる1サイクル半の交流電圧を内燃機関のクランク軸が1回転する間に少なくとも1回発生するエキサイタコイルを有する磁石発電機を用いて、エキサイタコイルの負の半波の出力電圧でサイリスタにトリガ信号を与えるようにしたコンデンサ放電式の内燃機関用点火装置において、機関の高速回転時にエキサイタコイルの正の半波の出力電圧の立上がり時にサイリスタが導通して、点火用コンデンサの充電を行うことができなくなるのを防ぐことができるようにすることにある。
本発明によるコンデンサ放電式の内燃機関用点火装置は、正の半波の出力電圧と該正の半波の出力電圧の前後にそれぞれ発生する第1及び第2の負の半波の出力電圧とからなる1サイクル半の交流電圧を内燃機関のクランク軸が1回転する間に少なくとも1回発生するエキサイタコイルを有する磁石発電機と、点火コイルと、エキサイタコイルの正の半波の出力電圧により一方の極性に充電される点火用コンデンサと、トリガ信号が与えられたときにオン状態になって前記点火用コンデンサに蓄積された電荷を前記点火コイルの一次コイルを通して放電させるように設けられたサイリスタと、エキサイタコイルの負の半波の出力電圧を電源電圧として内燃機関の点火位置で前記サイリスタにトリガ信号を与えるサイリスタトリガ回路と、エキサイタコイル側からサイリスタを通して流れた電流を検出したとき及び点火用コンデンサの充電電流を検出したときにサイリスタのゲートカソード間に逆バイアス電圧を印加する逆バイアス回路とを備えている。
上記のように構成すると、エキサイタコイルの負の半波の出力電圧によりサイリスタに与えられたトリガ信号電流が残留している状態で、該エキサイタコイルの正の半波の出力電圧が立ち上がったとしても、サイリスタが導通状態に移行しようとした瞬間に逆バイアス回路がサイリスタのアノード電流を検出して、サイリスタのゲートカソード間に逆バイアス電圧を印加するため、サイリスタは導通状態に移行することができず、遮断状態に戻ることになる。
サイリスタが遮断状態に戻ると、点火用コンデンサに充電電流が流れるが、この充電電流が流れたときにも逆バイアス回路がサイリスタのゲートカソード間に逆バイアス電圧を印加するため、サイリスタは確実に遮断状態を保持し、点火用コンデンサの充電は支障なく行われる。
このように、本発明によれば、エキサイタコイルが負の半波の出力電圧を発生するクランク角位置と正の半波の出力電圧を発生するクランク角位置とが接近していて、機関の高速回転時にサイリスタのトリガ信号電流が残留している状態で正の半波の出力電圧が立上がる状態が生じる場合にも、点火用コンデンサの充電を支障なく行わせることができるため、磁石発電機の回転子の外径を小さくした場合に機関の回転速度が制限されるといった不都合が生じるのを防ぐことができる。
一般に、上記のような磁石発電機を用いて、エキサイタコイルの正の半波の出力電圧で点火用コンデンサを充電し、エキサイタコイルの負の半波の出力電圧を電源電圧として内燃機関の点火位置でサイリスタにトリガ信号を与えるコンデンサ放電式の内燃機関用点火装置においては、エキサイタコイルが正の半波の出力電圧を発生したときに該エキサイタコイルから流出する電流の帰路を構成するために該エキサイタコイルの一端と接地間に正電流帰還回路が設けられ、エキサイタコイルが負の半波の出力電圧を発生したときに該エキサイタコイルから流出する電流の帰路を構成するためにエキサイタコイルの他端と接地間に負電流帰還回路が設けられる。またエキサイタコイルの他端にアノードが接続された充電用ダイオードが設けられて、エキサイタコイルの正の半波の出力電圧で該充電用ダイオードを通して点火用コンデンサが一方の極性に充電される。
上記のような構成がとられるコンデンサ放電式の内燃機関用点火装置に本発明を適用する場合には、カソードをサイリスタのゲート側に向けてサイリスタのゲートカソード間に接続した第1の帰還ダイオードと、サイリスタのゲートとエキサイタコイルの一端との間にアノードをサイリスタのゲート側に向けて接続した第2の帰還ダイオードとにより上記正電流帰還回路を構成して、上記第1の帰還ダイオードにより、逆バイアス回路を構成するのが好ましい。
上記負電流帰還回路は、エキサイタコイルの他端と接地間にアノードを接地側に向けて接続された第3の帰還ダイオードにより構成することができる。
上記の構成では、エキサイタコイル側からサイリスタのアノードカソード間を通して流れた電流を検出したとき及びコンデンサの充電電流を検出したときにサイリスタのゲートカソード間に逆バイアス電圧を印加する逆バイアス回路を設けることにより、点火用コンデンサの充電開始時にサイリスタが導通状態になるのを防ぐようにしたが、エキサイタコイル側からサイリスタのアノードカソード間を通して流れた電流を検出したとき及び点火用コンデンサの充電電流を検出したときにサイリスタのゲートカソード間を短絡する短絡回路を設けることによっても、上記と同じ目的を達成することができる。
前述のように、エキサイタコイルの一端と接地間、及び他端と接地間にそれぞれ正電流帰還回路及び負電流帰還回路が設けられる場合には、導通した際にサイリスタのゲートカソード間を短絡するように設けられた短絡用スイッチと、エキサイタコイル側からサイリスタのアノードカソード間を通して流れた電流を検出したとき及び前記点火用コンデンサの充電電流を検出したときに短絡用スイッチを導通させる短絡用スイッチ駆動回路とにより、上記短絡回路を構成することができる。
この場合、正電流帰還回路は、アノードを接地した第1の帰還ダイオードと、この第1の帰還ダイオードのカソードとエキサイタコイルの一端との間にアノードを第1の帰還ダイオードのカソード側に向けて接続された第2の帰還ダイオードとにより構成し、負電流帰還回路は、エキサイタコイルの他端と接地間にアノードを接地側に向けて接続された第3の帰還ダイオードにより構成する。また上記短絡用スイッチ駆動回路は、第1の帰還ダイオードの両端に生じる順方向電圧降下を検出したときに短絡用スイッチ回路を導通させるように構成する。
上記短絡用スイッチとしては、サイリスタのゲート及びカソードにそれぞれコレクタ及びエミッタが接続された第1のトランジスタを用いることができ、短絡用スイッチ駆動回路は、第1のトランジスタのベース及びエミッタにそれぞれコレクタ及びエミッタが接続されるとともに、第1の帰還ダイオードのカソードにベースが接続された第2のトランジスタと、第1のトランジスタ及び第2のトランジスタにベース電流を供給する回路とにより構成することができる。
サイリスタトリガ回路は、エキサイタコイルの負の半波の出力電圧の特定の位相に対応するクランク角位置を内燃機関の点火位置として、該点火位置を検出した時にサイリスタにトリガ信号を与えるように構成するのが好ましい。
このようなサイリスタトリガ回路は、例えば、一端が接地されるとともに他端がエキサイタコイルの一端に逆流阻止用ダイオードと充電時定数調整用抵抗とを通して接続されてエキサイタコイルが発生する負の半波の出力電圧で充電されるトリガ電源用コンデンサと、トリガ電源用コンデンサの非接地側端子に放電用抵抗を通してコレクタが接続されるとともにエミッタが接地され、かつベースがベース抵抗を通してエキサイタコイルの一端に接続されてエキサイタコイルがしきい値以上の負の半波の出力電圧を発生したときにオン状態になるトリガ制御用トランジスタと、トリガ電源用コンデンサの非接地側端子に放電用抵抗を通して一端が接続された微分コンデンサと、微分コンデンサの他端にアノードが接続され、カソードがサイリスタのゲートに接続されたトリガ信号供給用ダイオードとを備えて、エキサイタコイルが発生する負の半波の出力電圧がピークを過ぎた後しきい値レベル未満になってトリガ制御用トランジスタがオフ状態になったときにトリガ電源用コンデンサに残留している電荷により微分コンデンサを通してサイリスタにトリガ信号を与えるように構成することができる。この場合、トリガ電源用コンデンサの充電用時定数及び放電時定数を、サイリスタにトリガ信号を与える際に必要な電荷をトリガ電源用コンデンサに残留させておくのに適した値に設定しておく。
上記のようにサイリスタトリガ回路を構成した場合、点火位置がほぼ一定の位置に固定されるため、機関の回転速度に対して点火位置を自由に制御することができない。
そこで本発明の好ましい態様では、逆バイアス回路によりゲートカソード間が逆バイアスされる第1のサイリスタと、ゲートカソード間が逆バイアスされることがない第2のサイリスタとの2つのサイリスタにより放電用スイッチ回路を構成して、第1のサイリスタをエキサイタコイルが負の半波の出力電圧を発生している間にトリガし、第2のサイリスタを回転速度に対して演算された点火位置でトリガすることにより、点火位置を自由に制御することができるようにする。
即ち本発明の好ましい態様では、正の半波の出力電圧と該正の半波の出力電圧の前後にそれぞれ発生する第1及び第2の負の半波の出力電圧とからなる1サイクル半の交流電圧を内燃機関のクランク軸が1回転する間に少なくとも1回発生するエキサイタコイルを有する磁石発電機と、点火コイルと、エキサイタコイルの正の半波の出力電圧により一方の極性に充電される点火用コンデンサと、第1のサイリスタ及び第2のサイリスタを有して該第1及び第2のサイリスタのいずれかがオン状態になったときに点火用コンデンサに蓄積された電荷を点火コイルの一次コイルを通して放電させるように構成された放電用スイッチ回路と、エキサイタコイルの負の半波の出力電圧を電源電圧として内燃機関の点火位置で第1のサイリスタ及び第2のサイリスタのいずれかにトリガ信号を与えるサイリスタトリガ回路と、エキサイタコイル側から第1のサイリスタを通して流れた電流を検出したとき及び点火用コンデンサの充電電流を検出したときに第1のサイリスタのゲートカソード間に逆バイアス電圧を印加する逆バイアス回路とを備えることによりコンデンサ放電式の内燃機関用点火装置が構成される。
この場合、サイリスタトリガ回路は、エキサイタコイルの負の半波の出力電圧の波形により決まる点火位置で第1のサイリスタにトリガ信号を与える第1のトリガ回路と、エキサイタコイルの出力から内燃機関の回転速度を検出して、検出した回転速度に対して演算した点火位置で第2のサイリスタにトリガ信号を与える第2のトリガ回路とにより構成される。
上記のように、エキサイタコイル側から第1のサイリスタを通して電流が流れたことが検出されたとき及び点火用コンデンサの充電電流が検出されているときに逆バイアス回路によりゲートカソード間が逆バイアスされる第1のサイリスタと、ゲートカソード間が逆バイアスされることがない第2のサイリスタとにより放電用スイッチ回路を構成して、エキサイタコイルの負の半波の出力電圧の波形により決まる点火位置で第1のサイリスタをトリガし、回転速度に対して演算された点火位置で第2のサイリスタをトリガするように構成すると、機関の高速回転時にエキサイタコイルの正の半波の出力電圧の立上がり時にサイリスタが導通して、点火用コンデンサの充電を行うことができなくなる状態が生じるのを防止しつつ、点火位置をエキサイタコイルの出力電圧の正の半波の区間まで進角させることができるため、内燃機関の点火位置を回転速度に対して十分な進角幅をもって制御して、機関が要求する種々の点火特性を得ることができる。
なおゲートカソード間が逆バイアスされる第1のサイリスタを設けずに、第2のトリガ回路によりトリガされる第2のサイリスタのみを設けることも考えられるが、このように構成した場合には、機関の回転速度がある程度上昇して、エキサイタコイルが回転速度の演算、点火位置の演算、あるいは演算した点火位置の検出等を行う手段(マイクロコンピュータ)を駆動するために必要な電圧を発生してからでないと、点火動作を行わせることができないため、機関の始動回転速度が高くなり、機関の始動性が悪くなるのを避けられない。
これに対し、本発明のように、エキサイタコイルの負の半波の出力電圧でトリガされる第1のサイリスタと、演算された点火位置で発生するトリガ信号によりトリガされる第2のサイリスタとを設けておくと、エキサイタコイルが、点火位置の演算や、演算した点火位置の検出を行う手段を駆動するために必要な電圧を発生することができない機関の低速時及び極低速時にも点火動作を行わせることができるため、機関の始動回転速度を低くし、機関の始動性を向上させることができる。
上記第1のトリガ回路は、エキサイタコイルの負の半波の出力電圧の特定の位相に対応するクランク角位置を内燃機関の点火位置として、該点火位置を検出した時に第1のサイリスタにトリガ信号を与えるように構成することができる。
また第2のトリガ回路は、エキサイタコイルの負の半波の出力電圧が一定値に達したときにクランク角検出信号を発生するクランク角検出信号発生回路と、エキサイタコイルの負の半波の出力電圧を入力として一定の直流電圧を出力する電源回路と、クランク角検出信号を入力とし、電源回路の出力電圧を電源電圧として動作するように設けられて、第1の負の半波の出力電圧が一定値に達したときに発生するクランク角検出信号を基準信号として該基準信号の発生間隔から内燃機関の回転速度を検出する回転速度検出手段とこの回転速度検出手段により検出された回転速度に対して内燃機関の点火位置を演算する点火位置演算手段とこの点火位置演算手段により演算された点火位置を検出した時にトリガ指令を発生するトリガ指令発生手段とを構成するマイクロコンピュータと、トリガ指令発生手段がトリガ指令を発生したときに第2のサイリスタに与えるトリガ信号を出力するトリガ信号出力回路とを備えた構成とすることができる。
上記のように、第1及び第2のサイリスタにより放電用スイッチ回路を構成して、第1のトリガ回路により第1のサイリスタをトリガし、第2のトリガ回路により第2のサイリスタをトリガする構成をとる場合には、オン状態にあるときに第1のトリガ回路から第1のサイリスタに与えられるトリガ信号を該第1のサイリスタから側路するトリガ信号側路用スイッチと、内燃機関の回転速度が設定値以下のときにトリガ信号側路用スイッチをオフ状態に保ち、回転速度が設定値を超えているときにトリガ信号側路用スイッチをオン状態に保持する側路用スイッチ制御手段とを設けるのが好ましい。
このようにトリガ信号側路用スイッチ及び側路用スイッチ制御手段を設けておくと、機関の回転速度が設定値を超えたときに第1のトリガ回路から第1のサイリスタにトリガ信号が与えられるのを禁止して、機関の回転速度が設定値を超える領域で、第1のトリガ回路により決まる点火位置よりも遅れた点火位置で点火動作を行わせることができるため、機関の回転速度の上昇に伴って点火位置を進角させる特性だけでなく、機関の特定の回転速度領域で点火位置を遅角させる特性をも得ることができ、点火位置の制御の自由度を高くすることができる。例えば、機関の回転速度が制限値を超えるのを防ぐために、機関の回転速度が制限値を超えたときに点火位置を遅角させる制御を容易に行わせることができる。
なお第1のトリガ回路がトリガ信号を発生するクランク角位置よりも遅れたクランク角位置で第2のトリガ回路がトリガ信号を発生することがない場合には、上記トリガ信号側路用スイッチ及び側路用スイッチ制御手段を省略することができる。
上記のように、第1及び第2のサイリスタにより放電用スイッチ回路を構成して、第1のサイリスタを第1のトリガ回路によりトリガし、第2のサイリスタを第2のトリガ回路によりトリガする構成をとる場合にも、逆バイアス回路に代えて、エキサイタコイル側から第1のサイリスタを通して流れた電流を検出したとき及び点火用コンデンサの充電電流を検出したときに第1のサイリスタのゲートカソード間を短絡する短絡回路を設けることができる。
上記のように、第1のサイリスタ及び第2のサイリスタにより放電用スイッチ回路を構成して、エキサイタコイルの負の半波の出力電圧の波形により決まる点火位置で第1のサイリスタをトリガし、演算された点火位置で第2のサイリスタをトリガするようにすると、逆バイアス回路または短絡回路が働いていて、第1のサイリスタをトリガできない状態でも、第2のサイリスタをトリガすることにより点火動作を行わせることができるため、点火位置の進角幅を広くとることができる。
しかしながら本発明において、放電用スイッチ回路は必ずしも上記のように第1のサイリスタと第2のサイリスタとにより構成する必要はなく、放電用スイツチ回路を単一のサイリスタにより構成して、第1のトリガ回路及び第2のトリガ回路から該単一のサイリスタにトリガ信号を与えるように構成することもできる。
即ち、エキサイタコイルの負の半波の出力電圧の波形により決まる点火位置でトリガ信号を発生する第1のトリガ回路と、エキサイタコイルの出力から内燃機関の回転速度を検出して、検出した回転速度に対して演算した点火位置でトリガ信号を発生する第2のトリガ回路とを設けて、該第1のトリガ回路及び第2のトリガ回路から放電用スイッチ回路を構成する単一のサイリスタにトリガ信号を与える構成としてもよい。
この場合も、エキサイタコイルが先に発生する負の半波の出力電圧によりサイリスタに与えられるトリガ信号がエキサイタコイルの正の半波の立上り時まで残留してサイリスタがトリガされるのを防ぐために、前記と同様の逆バイアス回路または短絡回路を設けておく。
以上のように、本発明によれば、エキサイタコイル側からサイリスタのアノードカソード間を通して流れた電流を検出したとき及びコンデンサの充電電流を検出したときにサイリスタのゲートカソード間に逆バイアス電圧を印加する逆バイアス回路を設けるか、またはサイリスタのゲートカソード間を短絡する短絡回路を設けたので、エキサイタコイルの負の半波の出力電圧によりサイリスタに与えられたトリガ信号電流が残留している状態で、該エキサイタコイルの正の半波の出力電圧が立ち上がったときに、サイリスタが導通状態に移行するのを阻止して、遮断状態に戻すことができ、点火用コンデンサの充電を支障なく行わせることができる。
従って、本発明によれば、磁石発電機の磁極間隔が狭く、エキサイタコイルが負の半波の出力電圧を発生するクランク角位置と正の半波の出力電圧を発生するクランク角位置とが接近していて、機関の高速回転時にサイリスタに与えられたトリガ信号電流が残留している状態で正の半波の出力電圧が立上がる状態が生じる場合にも、点火用コンデンサの充電を支障なく行わせることができるため、磁石発電機の回転子の外径を小さくした場合に機関の回転速度が制限されるといった不都合が生じるのを防ぐことができる。
また本発明において、エキサイタコイルが正の半波の出力電圧を発生しているときに逆バイアス回路によりゲートカソード間が逆バイアスされるか、または短絡回路によりゲートカソード間が絡される第1のサイリスタと、ゲートカソード間が逆バイアスされたり、短絡されたりすることがない第2のサイリスタとにより放電用スイッチ回路を構成して、エキサイタコイルの負の半波の出力電圧の特定の位相が検出されたときに第1のサイリスタをトリガし、回転速度に対して演算された点火位置で第2のサイリスタをトリガするように構成した場合には、機関の高速回転時にエキサイタコイルの正の半波の出力電圧の立上がり時にサイリスタが導通して、点火用コンデンサの充電を行うことができなくなる状態が生じるのを防止しつつ、点火位置をエキサイタコイルの出力電圧の正の半波の区間まで進角させることができるため、点火位置の進角幅を拡大して、機関が要求する種々の点火特性を容易に得ることができる。
以下図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。
第1の実施形態
図1は本発明の第1の実施形態の構成例を示したものであり、この実施形態では、単気筒内燃機関を点火する場合を例にとっている。図1において、1は一次コイル1aと二次コイル1bとを有して両コイルの一端が接地された点火コイル、2は2サイクル内燃機関により駆動される外ウィザ型の磁石発電機内に設けられたエキサイタコイル、3はコンデンサ放電式の点火ユニットである。
エキサイタコイル2を設ける磁石発電機は、例えば図2に示すように構成される。図2において、4は内燃機関のクランク軸5に取り付けられた鉄製のフライホイール、5はフライホイール4の外周に設けられた凹部4a内に取り付けられた弧状の永久磁石で、フライホイール4と永久磁石5とにより磁石回転子6が構成されている。永久磁石5はフライホイールの径方向に着磁され、永久磁石5の径方向の外側の磁極(図示の例ではN極)m1 と、磁石5の内側の磁極(図示の例ではS極)から凹部4aの両側のフライホイール外周面に導出された対の磁極m2 及びm3 との合計3つの磁極を有する磁石界磁が、フライホイール4の外周に形成されている。
また7は機関のケース等に固定された固定子で、この固定子は、磁石回転子6の磁極に対向する磁極部8a及び8bを両端に有する鉄心8と、鉄心8に巻回されたエキサイタコイル2とからなっており、この固定子と磁石回転子6とにより磁石発電機が構成されている。
エキサイタコイル2は、図3(A)に示すように、正の半波の出力電圧Vpと、この正の半波の出力電圧の前後に発生する第1及び第2の負の半波の出力電圧Vn1及びVn2とからなる1サイクル半の交流電圧を内燃機関のクランク軸5の1回転当たり1回だけ発生する。
図1において、点火ユニット3を構成する回路は、エキサイタコイル2の正の半波の出力電圧Vpにより一方の極性に充電される点火用コンデンサCiと、トリガ信号が与えられたときに導通して点火用コンデンサCiに蓄積された電荷を点火コイル1の一次コイル1aを通して放電させるように設けられたサイリスタThと、エキサイタコイル2の負の半波の出力電圧Vn1及びVn2を電源電圧として内燃機関の点火位置でサイリスタThにトリガ信号を与えるサイリスタトリガ回路10とを備えたコンデンサ放電式の回路からなっている。
図1に示された点火装置においては、点火用コンデンサCiの一端が点火コイルの一次コイル1aの非接地側端子に接続され、該点火用コンデンサCiの他端と接地間に、サイリスタThがそのカソードを接地側に向けた状態で設けられている。
本実施形態においては、サイリスタThのゲートカソード間にアノードを接地側に向けて接続された第1の帰還ダイオードD1と、サイリスタThのゲートとエキサイタコイル2の一端2aとの間にアノードをサイリスタThのゲート側に向けて接続された第2の帰還ダイオードD2とにより、エキサイタコイル2が正の半波の出力電圧Vpを出力したときに該エキサイタコイルから流出する電流の帰路を構成する正電流帰還回路が構成されている。
またエキサイタコイル2の他端2bと接地間に、アノードを接地側に向けた第3の帰還ダイオードD3が設けられ、この第3の帰還ダイオードD3により、エキサイタコイル2が負の半波の出力電圧Vn1,Vn2を出力したときに該エキサイタコイルから流出する電流の帰路を構成する負電流帰還回路が構成されている。図示の例では、第3の帰還ダイオードD3のアノードと接地間に抵抗R1が挿入されている。
エキサイタコイル2の他端にはまた、カソードを点火用コンデンサCiの他端に接続した充電用ダイオードD4のアノードが接続され、エキサイタコイル2が正の半波の出力電圧Vpを出力したときに、エキサイタコイル2−充電用ダイオードD4−点火用コンデンサCI−一次コイル1a−第1の帰還ダイオードD1−第2の帰還ダイオードD2−エキサイタコイル2の閉回路により、エキサイタコイルの正の半波の出力電圧で点火用コンデンサCiを一方の極性に充電するコンデンサ充電回路が構成されている。
また図示の例では、サイリスタThを導通させて点火用コンデンサCiの電荷をサイリスタThと点火コイルの一次コイルとを通して放電させた際に一次コイル1aに誘起する電圧でコンデンサCiを再充電する電流を流して放電電流の持続時間を長くするために、サイリスタThの両端にアノードを接地側に向けたダイオードD5が接続されている。
サイリスタThにトリガ信号を与えるクランク角位置(点火位置)を制御するため、一端が接地されたトリガ電源用コンデンサCtが設けられ、このコンデンサの他端(非接地側端子)は、アノードをエキサイタコイル2側に向けた逆流阻止用ダイオードD6と充電時定数調整用抵抗R2とを通してエキサイタコイル2の一端2aに接続されている。
トリガ電源用コンデンサCtの非接地側端子はまた、放電用抵抗R3を通して微分コンデンサCdの一端に接続され、微分コンデンサCdの他端はアノードを該微分コンデンサ側に向けたトリガ信号供給用ダイオードD7を通してサイリスタThのゲートに接続されている。トリガ電源用コンデンサCtの両端にはアノードを接地側に向けたツェナーダイオードZD1が接続され、ダイオードD7のアノードと接地間にアノードを接地側に向けたダイオードD8が接続されている。また微分コンデンサCdと抵抗R3との接続点にエミッタが接地されたNPNトランジスタTR1のコレクタが接続され、トランジスタTR1のベースとエキサイタコイル2の一端2aとの間に抵抗R4が接続されている。
図示の例では、コンデンサCt,Cd、抵抗R2ないしR4、ダイオードD6ないしD8、ツェナーダイオードZD1及びトランジスタTR1により、サイリスタトリガ回路10が構成されている。このサイリスタトリガ回路においては、充電時定数調整用抵抗R2の抵抗値と第3の帰還ダイオードD3に対して直列に接続された抵抗R1の抵抗値との和と、トリガ電源用コンデンサCtの静電容量とにより決まる充電用時定数及びトリガ電源用コンデンサCtの静電容量と放電用抵抗R3の抵抗値とにより決まる放電時定数が、サイリスタThにトリガ信号を与える際に必要な電荷をトリガ電源用コンデンサCtに残留させておくのに適した値に設定されている。
上記サイリスタトリガ回路10と、点火用コンデンサCiと、ダイオードD1ないしD5と、抵抗R1とにより、点火ユニット3が構成されている。また点火コイル1と、エキサイタコイル2と、点火ユニット3とによりコンデンサ放電式の内燃機関用点火装置が構成され、点火コイルの二次コイル1bの非接地側端子が、機関の気筒に取り付けられた点火プラグ11の非接地側端子に高圧コードを通して接続されている。
図1に示した点火装置においては、第1の帰還ダイオードD1により、エキサイタコイル2側からサイリスタThのアノードカソード間を通して流れた電流を検出したとき及び点火コンデンサCiの充電電流を検出したときにサイリスタThのゲートカソード間に逆バイアス電圧を印加する逆バイアス回路が構成されている。
内燃機関を停止させるため、エキサイタコイル2の他端2bと接地間にストップスイッチ12が接続され、このストップスイッチ12を閉じた際に、該ストップスイッチとダイオードD1及びD2とを通してエキサイタコイル2の正の半波の出力電圧が短絡されて、点火装置の点火動作が停止させられるようになっている。
図示の例ではまた、検知スイッチ13と、警告表示手段としての発光ダイオードLDと、発光ダイオードLDと同方向の逆流阻止ダイオードD9との直列回路が、エキサイタコイル2の他端2bと接地間に、発光ダイオードLDのアノードを接地側に向けた状態で接続されている。発光ダイオードLDは、エキサイタコイル2が負の半波の出力電圧を発生したときに抵抗R1の両端に生じる電圧降下が検知スイッチ13を通して順方向に印加されるように設けられている。
検知スイッチ13は、機関の潤滑オイルの残量が許容下限値未満になった状態や、潤滑オイルの圧力が許容下限値未満になった状態、或いは機関の燃料の残量が許容下限値未満になった状態など、警告表示を行う必要がある状態が生じたときにオン状態になるスイッチである。
図1の点火装置においては、エキサイタコイル2が負の半波の出力電圧を発生している期間に抵抗R1と第3の帰還ダイオードD3との直列回路の両端に、発光ダイオードLDを発光させるために必要な値以上の電圧を生じさせるように、抵抗R1の抵抗値が設定される。
図1に示した点火装置の動作は下記の通りである。
内燃機関のクランク軸が回転し、図3(A)に示すようにクランク角位置θ2 においてエキサイタコイル2が正の半波の出力電圧Vpを発生すると、エキサイタコイル2−点火用コンデンサCi−点火コイルの一次コイル1a−第1の帰還ダイオードD1−第2の帰還ダイオードD2−エキサイタコイル2の経路で電流が流れ、点火用コンデンサCiが図示の極性に充電される。従って点火用コンデンサCiの両端の電圧Vcは図3(B)に示すように上昇していく。
次いでクランク角位置θ4 の位置でエキサイタコイル2が負の半波の出力電圧Vn2を発生すると、トランジスタTR1にベース電流が流れるため該トランジスタTR1がオン状態になる。またこのときエキサイタコイル2から逆流阻止用ダイオードD6と充電時定数調整用抵抗R2と抵抗R1と第3の帰還ダイオードD3とを通してトリガ電源用コンデンサCtに充電電流が流れ、トリガ電源用コンデンサCtが一定の充電時定数で充電される。コンデンサCtに蓄積された電荷は、抵抗R3とトランジスタTR1のコレクタエミッタ間とを通して一定の放電時定数で放電する。
クランク角θiの位置でエキサイタコイル2の負の半波の出力電圧Vn2の瞬時値が所定のしきい値レベルVt未満になるとトランジスタTR1がオフ状態になるため、トリガ電源用コンデンサCtに残留している電荷が抵抗R3と微分コンデンサCdとダイオードD6とサイリスタThのゲートカソード間とを通して放電し、微分コンデンサCdの充電が完了するまでの間、サイリスタThに図3(C)に示すような波形のトリガ信号電流Igが流れ、サイリスタThのゲートカソード間に図3(D)に示す波形のトリガ信号電圧Vgkが印加される。これによりサイリスタThが導通し、点火用コンデンサCiの電荷がサイリスタThと点火コイルの一次コイル1aとを通して放電する。この点火用コンデンサの放電により点火コイルの一次コイル1aに立上がりが急峻な電流が流れ、点火コイルの鉄心中で大きな磁束変化が生じるため、二次コイル1bに点火用高電圧が誘起する。この点火用高電圧は点火プラグ11に印加されるため、該点火プラグで火花放電が生じて機関が点火される。即ち、この点火ユニットにおいては、エキサイタコイル2の負の半波の出力電圧Vn2の瞬時値が所定のしきい値レベルVt未満になってトランジスタTR1がオフ状態になる位置が機関の点火位置(点火動作が行われるときのクランク角位置)となる。
エキサイタコイルが最初に発生する第1の負の半波の出力電圧Vn1がクランク角θ1の位置でしきい値Vt未満になったときにもサイリスタThにトリガ信号電流Igが与えられるが、このとき点火用コンデンサCiは未だ充電されていないため、点火動作は行われない。
磁石回転子の磁極m1とm2との間の間隔が十分にあり、第1の負の半波の出力電圧Vn1がしきい値Vt未満になるクランク角位置θ1と、エキサイタコイルが正の半波の出力電圧Vpを発生するクランク角位置θ2との間の角度を十分に大きくすることができる場合には、機関の高速回転時においても、エキサイタコイルの正の半波の出力電圧Vpが立ち上がる位置θ2よりも前の位置でトリガ信号電流Igが消滅するため、サイリスタThにトリガ信号が与えられた状態でエキサイタコイルの正の半波の出力電圧Vpが立ち上がることはなく、エキサイタコイルの正の半波の出力電圧Vpが立ち上がった時にサイリスタThが導通することはない。
これに対し、回転子の径が小さい等の理由により、磁石回転子の磁極m1とm2との間の間隔が狭くなり、第1の負の半波の出力電圧Vn1がしきい値Vt未満になるクランク角位置θ1とエキサイタコイルが正の半波の出力電圧Vpを発生するクランク角位置θ2との間の角度が狭くなっている場合には、機関の高速回転時に、クランク軸がθ1の位置からθ2の位置まで回転するのに要する時間が、サイリスタにトリガ信号電流Igが与えられている時間ΔTよりも短くなることがある。
このような状態が生じると、クランク角位置θ2の位置でサイリスタThにトリガ信号が与えられている状態で、エキサイタコイル2の正の半波の出力電圧Vpが立ち上がって、サイリスタThのアノードカソード間に順方向に印加されるため、サイリスタThが導通してエキサイタコイルを短絡する。このように、エキサイタコイルが正の半波の出力電圧を発生したときにサイリスタThが導通してエキサイタコイルを短絡すると、点火用コンデンサCiの充電が行われなくなるため、クランク角位置(正規の点火位置)θiで点火動作が行われなくなり、内燃機関が失火してしまう。
本発明では、このような状態が生じるのを防ぐため、エキサイタコイル2側からサイリスタThのアノードカソード間を通して流れた電流を検出したとき及び点火コンデンサCiの充電電流を検出したときにサイリスタThのゲートカソード間に逆バイアス電圧を印加する逆バイアス回路を設けている。
前述のように、本実施形態では、この逆バイアス回路が、第1の帰還ダイオードD1により構成されている。図1に示したように、サイリスタThのゲートカソード間に第1の帰還ダイオードD1を接続しておくと、クランク角位置θ2の位置で、トリガ信号電流Igが流れている状態でエキサイタコイルの正の半波の出力電圧Vpが立ち上がって、サイリスタThにアノード電流が流れ始め、該サイリスタが導通状態に移行しようとした時に、エキサイタコイル2−ダイオードD4−サイリスタThのアノードカソード間−ダイオードD1−ダイオードD2−エキサイタコイル2の経路で第1の帰還ダイオードD1に電流が流れて該ダイオードD1の両端に順方向電圧降下が生じ、この電圧降下により、図3(D)に示すように、サイリスタThのゲートカソードに逆バイアス電圧−Vgkが印加される。このように、導通状態に移行する過程にあるサイリスタThのゲートカソード間が逆バイアスされると、サイリスタThは導通状態に移行することができずに遮断状態に戻されるため、エキサイタコイル2から前記充電回路を通して点火用コンデンサCiが支障なく充電される。このコンデンサの充電電流は第1の帰還ダイオードD1を流れるため、点火用コンデンサの充電電流が流れている間、サイリスタThのゲートカソード間への逆バイアス電圧の印加が継続する。このように、点火用コンデンサCiの充電が行われている間、サイリスタThのゲートカソード間が逆バイアスされた状態に保持されるため、サイリスタThはノイズなどにより誤トリガされることもなく、点火用コンデンサの充電は安定に行われる。
正規の点火位置θ2でサイリスタThにトリガ信号が与えられた際には、点火用コンデンサCiの放電電流がサイリスタThと点火コイルの一次コイル1aとを通して流れ、帰還ダイオードD1を通し電流が流れることはないため、サイリスタThのトリガは支障なく行われる。
また図1に示した点火装置において、機関が回転している状態で、警告表示を行う必要がある状態が生じて検知スイッチ13がオン状態になると、エキサイタコイル2が負の半波の出力電圧を発生したときに、エキサイタコイル2−ダイオードD6−抵抗R2−コンデンサCt−抵抗R1−ダイオードD3−エキサイタコイル2の経路と、エキサイタコイル2−ダイオードD6−抵抗R2−抵抗R3−トランジスタTR1のコレクタエミッタ間−抵抗R1−ダイオードD3−エキサイタコイル2の経路で電流が流れるため、抵抗R1の両端に電圧降下が生じ、この電圧降下が検知スイッチ13を通して発光ダイオードLDに順方向に印加される。そのため、発光ダイオードLDが発光し、潤滑オイルの不足、潤滑オイルの圧力の不足などの警告表示を行う。
なお、図1に示した例では、発光ダイオードLDにより警告表示を行わせるようにしているが、このような警告表示手段を設けない場合にも本発明を適用することができるのはもちろんである。
図1に示した例において、発光ダイオードLDを設けない場合には、第3の帰還ダイオードD3に直列に接続された抵抗R1を省略して、ダイオードD3のアノードを直接接地するようにすることができる。
図1に示した例のように、サイリスタThのゲートカソード間に逆バイアス電圧を印加する逆バイアス回路を設けて、サイリスタThの誤トリガを防止する構成をとる場合、逆バイアス回路の構成は、上記の例に限られるものではなく、例えば、第1の帰還ダイオードD1を小抵抗で置き換えて、帰還電流が流れた際に該小抵抗の両端に生じる電圧降下によりサイリスタThのゲートカソード間を逆バイアスするようにしてもよい。
第2の実施形態
図4を参照すると、本発明の第2の実施形態の構成が示されている。この実施形態においては、図1の実施形態で設けた逆バイアス回路に代えて、エキサイタコイル2側からサイリスタThのアノードカソード間を通して流れた電流を検出したとき及び点火用コンデンサCiの充電電流を検出したときにサイリスタThのゲートカソード間を短絡する短絡回路20が設けられている。
図4に示した例では、エキサイタコイル2が正の半波の出力電圧Vpを発生したときに該エキサイタコイルから流れ出した電流の帰路を構成する正電流帰還回路が、アノードを接地した第1の帰還ダイオードD1と、第1の帰還ダイオードD1のカソードとエキサイタコイル2の一端との間にアノードを第1の帰還ダイオードD1のカソード側に向けて接続された第2の帰還ダイオードD2とからなっている。またエキサイタコイル2が負の半波の出力電圧Vn1,Vn2を発生したときに該エキサイタコイルから流れ出した電流の帰路を構成する負電流帰還回路は、エキサイタコイル2の他端と接地間にアノードを接地側に向けて接続された第3の帰還ダイオードD3からなっている。
また図4に示した例では、導通した際にサイリスタThのゲートカソード間を短絡するように設けられた短絡用スイッチ21と、エキサイタコイル2側からサイリスタThのアノードカソード間を通して流れた電流を検出したとき及び点火用コンデンサCiの充電電流を検出したときに短絡用スイッチを導通させる短絡用スイッチ駆動回路22とにより、短絡回路20が構成されている。この場合、短絡用スイッチ駆動回路22は、第1の帰還ダイオードD1の両端に生じる順方向電圧降下を検出したときに短絡用スイッチ回路21を導通させるように構成するのが好ましい。
図示の短絡用スイッチ21は、サイリスタThのゲート及びカソードにそれぞれコレクタ及びエミッタが接続されたNPNトランジスタTR2からなっている。また短絡用スイッチ駆動回路22は、トランジスタTR2のベース及びエミッタにそれぞれコレクタ及びエミッタを接続したNPNトランジスタTR3と、コンデンサCtの非接地側端子とトランジスタTR2のベース間及びコンデンサCtの非接地側端子とトランジスタTR3のベース間にそれぞれ接続されてトランジスタTR2及びTR3にベース電流を供給する回路を構成する抵抗R5及びR6とからなっており、トランジスタTR3のベースエミッタ間に、第1の帰還ダイオードD1の両端の電圧が印加されている。
その他の構成は図1に示した例と同様である。なお図4にはストップスイッチが示されていないが、機関を停止させるために、ストップスイッチを用いる場合には、図1に示した例と同様に、該ストップスイッチをエキサイタコイル2の他端と接地間に接続する。
図4に示した例において、帰還ダイオードD1を通して電流が流れていない状態では、トリガ電源用コンデンサCtの両端の電圧VccでトランジスタTR3にベース電流が与えられるため該トランジスタTR3がオン状態にあり、トランジスタTR2がオフ状態にある。
ここで、クランク角位置θ2でサイリスタThにトリガ信号電流が与えられている状態でエキサイタコイル2が正の半波の出力電圧Vpを発生したとすると、サイリスタThにアノード電流が流れ始め、サイリスタThが導通状態に移行しようとするが、サイリスタThにアノード電流が流れ始めると同時に第1の帰還ダイオードD1を通して電流が流れて、該ダイオードD1の両端に生じる順方向電圧降下がトランジスタTR3のベースエミッタ間に逆方向に印加されるため、トランジスタTR3がオフ状態になり、トランジスタTR2がオン状態になる。これにより、サイリスタThのゲートカソード間が短絡されるため、サイリスタThが導通状態に移行するのが阻止され、該サイリスタが遮断状態に戻される。そのため点火用コンデンサCiの充電が行われ、点火動作が支障なく行われる。
なお上記の各実施形態で用いるサイリスタトリガ回路は、エキサイタコイルの負の半波の出力電圧によりサイリスタにトリガ信号を与える回路であればよく、その構成は上記の各実施形態で示したものに限定されない。
上記の各実施形態のように、エキサイタコイル2が発生する負の半波の出力電圧がピークを過ぎた後しきい値レベル未満になってトリガ制御用トランジスタTR1がオフ状態になったときにトリガ電源用コンデンサCtに残留している電荷により微分コンデンサCdを通してサイリスタThにトリガ信号を与えるようにサイリスタトリガ回路10を構成した場合には、機関の点火位置がほぼ一定の位置に固定される。エキサイタコイルの負の半波の出力電圧が設定レベルに達したときにサイリスタThにトリガ信号を与えるようにサイリスタトリガ回路を構成すれば、機関の回転速度の上昇に伴うエキサイタコイルの負の半波の出力電圧の波高値の上昇に伴って点火位置を進角させることができるが、その進角幅は最大でも該負の半波の出力電圧の立上がり位置からピーク位置までの角度であり、進角幅を広くとることができない。点火位置の進角幅を広くとって、機関の回転速度に対して点火位置を制御するためには、以下に示す第3の実施形態のように、点火位置を演算により決定して、演算した点火位置でサイリスタにトリガ信号を与えるようにする必要がある。
第3の実施形態
図5は本発明の第3の実施形態のハードウェアの構成を示したもので、同図において図1に示した実施形態の各部と同等の部分にはそれぞれ同一の符号を付してある。図5に示した実施形態では、第1のサイリスタTh1及び第2のサイリスタTh2を有して該第1及び第2のサイリスタのいずれかがオン状態になったときに点火用コンデンサCiに蓄積された電荷を点火コイルの一次コイル1aを通して放電させるように構成された放電用スイッチ回路30と、エキサイタコイル2の負の半波の出力電圧を電源電圧として内燃機関の点火位置で第1のサイリスタTh1及び第2のサイリスタTh2のいずれかにトリガ信号を与えるサイリスタトリガ回路31とが設けられている。
図示の放電用スイッチ回路30は、点火用コンデンサCiのエキサイタコイル側の端子と接地間にカソードを接地側に向けた状態で接続された第1のサイリスタTh1と、カソードを接地側に向けて第1のサイリスタTh1の両端に並列に接続された第2のサイリスタTh2とからなっている。
サイリスタトリガ回路31は、エキサイタコイル2が負の半波の出力電圧を発生している間に該エキサイタコイルを信号源として第1のサイリスタTh1にトリガ信号を与える第1のトリガ回路31Aと、エキサイタコイル2の出力から内燃機関の回転速度を検出して、検出した回転速度に対して演算した点火位置で第2のサイリスタTh2にトリガ信号を与える第2のトリガ回路31Bとにより構成されている。
ここで、第1のトリガ回路31Aは、トリガ電源用コンデンサCtと、微分コンデンサCdと、ダイオードD6及びD8と、ツェナーダイオードZD1と、抵抗R2ないしR4と、トランジスタTR1とにより、図1に示したサイリスタトリガ回路10と同様に構成されている。
第2のトリガ回路31Bは、エキサイタコイル2の負の半波の出力電圧を入力として一定の直流電圧を出力する電源回路31B1と、エキサイタコイル2の負の半波の出力電圧が一定値に達したときにクランク角検出信号Vcrを発生するクランク角検出信号発生回路31B2と、オン状態にあるときに第1のトリガ回路31Aから第1のサイリスタTh1に与えられるトリガ信号を該第1のサイリスタから側路するように設けられたトリガ信号側路用スイッチ31B3と、クランク角検出信号を入力とし、電源回路31B1の出力電圧を電源電圧として動作するように設けられて、第2のサイリスタTh2をトリガするために必要な各種の手段とトリガ信号側路用スイッチ31B3を駆動するための手段とを構成するようにプログラムされたマイクロコンピュータ31B4と、マイクロコンピュータがトリガ指令を発生したときに第2のサイリスタTh2に与えるトリガ信号を出力するトリガ信号出力回路31B5とからなっている。マイクロコンピュータ31B4には、発振子OSCから一定のクロックパルスが与えられている。
マイクロコンピュータ31B4により構成される各種の手段を含む図5の実施形態の構成を図6に示した。同図において33は、ダイオードD1により構成された逆バイアス回路であり、34はエキサイタコイル2−ダイオードD4−点火用コンデンサCi−一次コイル1a−ダイオードD1−ダイオードD2−エキサイタコイル2の閉回路により構成されるコンデンサ充電回路である。
マイクロコンピュータ31B4は、電源回路31B1から電源端子Bと、接地端子Cとの間に所定の電源電圧が与えられたときに動作状態になって、ROM,EEPROMなどの不揮発性メモリに記憶された所定のプログラムを実行することにより、エキサイタコイルが出力する第1の負の半波の出力電圧Vn1が一定値に達したときに発生するクランク角検出信号Vcrを基準信号として該基準信号の発生間隔(クランク軸が1回転するのに要した時間)から内燃機関の回転速度を検出する回転速度検出手段31aと、この回転速度検出手段により検出された回転速度に対して内燃機関の点火位置を演算する点火位置演算手段31bと、点火位置演算手段により演算された点火位置を検出したときにトリガ指令を発生するトリガ指令発生手段31cと、内燃機関の回転速度が設定値以下のときにトリガ信号側路用スイッチ31B3をオフ状態に保ち、回転速度が設定値を超えているときにトリガ信号側路用スイッチ31B3をオン状態に保持する側路用スイッチ制御手段31dとを構成する。
更に各部を詳細に説明すると、図示の電源回路31B1は、エキサイタコイル2の一端2aにアノードが接続されたダイオードD10と、ダイオードD10のカソードと接地間に抵抗器抵抗器R5を通して接続されたコンデンサC1と、コンデンサC1の両端に並列接続されたツェナーダイオードZD2と、コンデンサC1の両端の電圧を設定値に保つように制御するレギュレータ14と、レギュレータ14の出力端子間に接続されたコンデンサC2とにより構成され、コンデンサC2の両端に一定の(例えば5Vの)直流電圧Vccを出力する。
クランク角検出信号発生回路31B2は、エキサイタコイル2の一端2aに抵抗器R6を通してベースが接続され、エミッタが接地されたNPNトランジスタTR2と、トランジスタTR2のコレクタと電源回路31B1の非接地側出力端子との間に接続された抵抗器R7と、トランジスタTR2のコレクタに一端が接続された抵抗器R8とにより構成され、抵抗器R8の他端はマイクロコンピュータ31B4のポートA1に接続されている。
トリガ信号側路用スイッチ31B3は、エミッタが接地され、ベースが抵抗器R9を通してマイクロコンピュータのポートA2に接続されたNPNトランジスタTR4からなっており、トランジスタTR4のコレクタは、ダイオードD7のアノードに接続されている。トランジスタTR4がオフ状態にあるときには、第1のトリガ回路31Aが出力するトリガ信号の第1のサイリスタTh1への供給が許容され、トランジスタTR4がオン状態にあるときには、第1のトリガ回路31Aから出力されるトリガ信号が第1のサイリスタTh1から側路されて、該トリガ信号のサイリスタTh1への供給が禁止される。
トリガ指令出力回路31B5は、マイクロコンピュータのポートA3に抵抗器R10を通してベースが接続され、エミッタが電源回路31B1の出力端子に接続されたPNPトランジスタTR5と、トランジスタTR5のエミッタベース間に接続された抵抗器R11と、トランジスタTR5のコレクタに一端が接続された抵抗器R12とからなり、抵抗器R12の他端がサイリスタTh2のゲートに接続されている。
図5に示した点火装置の各部の電圧波形を図7に示した。図7(A)はエキサイタコイル2の出力電圧波形を示し、同図(B)はマイクロコンピュータのポートA1の電位Va1の波形を示している。また図7(C)は第1のトリガ回路が出力するトリガ信号Vgkの波形)を示し、図7(D)はトリガ信号出力回路31B5から第2のサイリスタTh2のゲートに与えられるトリガ信号Vgk´の波形を示している。更に図7(E)はマイクロコンピュータのポートA2から出力される側路用スイッチ駆動信号Sdを示し、同図(F)は最終的に放電用スイッチ回路30に与えられる一連のトリガ信号の波形を示している。また図7(G)は点火用コンデンサCiの両端の電圧Vcの波形を示している。
図5に示した点火装置において、クランク角検出信号発生回路のトランジスタTR2は、エキサイタコイル2の負の半波の出力電圧がしきい値以上になったときにオン状態になってそのコレクタの電位をローレベル(Lレベル)にし、エキサイタコイル2の負の半波の出力電圧がしきい値未満になったときにオフ状態になってそのコレクタの電位をハイレベル(Hレベル)にする。
マイクロコンピュータ31B4は、トランジスタTR2のコレクタの電位の低下をクランク角検出信号として認識する。図7(B)に示したように、エキサイタコイルの第1の負の半波の出力電圧Vn1がしきい値Vtに達した時に発生するクランク角検出信号を第1のクランク角検出信号Vcr1とし、エキサイタコイルの第2の負の半波の出力電圧Vn2がしきい値Vtに達した時に発生するクランク角検出信号を第2のクランク角検出信号Vcr2とする。
マイクロコンピュータは、進み側の第1のクランク角検出信号Vcr1が発生してから遅れ側の第2のクランク角検出信号Vcr2が発生するまでの時間と、第2のクランク角検出信号Vcr2が発生してから次の第1のクランク角検出信号Vcr1が発生するまでの時間とが異なることを利用して、第1のクランク角検出信号Vcr1と第2のクランク角検出信号Vcr2とを識別し、進み側の第1のクランク角検出信号Vcr1を基準信号として認識する。
マイクロコンピュータにより構成される回転速度検出手段31aは、第1のクランク角検出信号Vcr1(基準信号)が発生する毎にクロックパルスを計数しているタイマの計測値を読み込むことにより、前回の基準信号が発生してから今回の基準信号が発生するまでの間に計測された時間(クランク軸が1回転するのに要した時間)を1回転の時間データTnとして求め、この時間データTnから回転速度NE=60(1/Tn)[rpm]を演算する。
また点火位置演算手段31bは、内燃機関の回転速度と点火位置との関係を与える点火位置演算用マップ(ROMまたはEEPROMに記憶されている)を回転速度検出手段により検出された回転速度に対して検索して、マップから読み出した値に補間演算を施すことにより各回転速度における点火位置を演算する。この点火位置は例えば、機関のピストンが上死点に達するときのクランク角位置(上死点位置)から進角側に図った角度の形で演算される。
点火位置演算手段はまた、演算された点火位置を、基準信号(第1のクランク角検出信号Vcr1)の発生位置からその点火位置まで機関が回転する間に点火タイマに計測させる時間(点火タイマ計時データ)Tigに変換する演算を行う。基準信号が発生するクランク角位置の角度(上死点位置から図った角度)をθref、点火位置をθigとした場合、点火タイマ計時データTigは下記の式により演算される。
Tig=Tn(θref−θig)/360 (1)
トリガ指令発生手段31cは、基準信号が発生したときに点火タイマに点火タイマ計時データTigをセットしてその計測を開始させ、 点火タイマが点火タイマ計時データTigの計測を完了した時にマイクロコンピュータのポートA3の電位をLレベルに低下させることによりトリガ指令を発生する。
マイクロコンピュータのポートA3の電位がLレベルにされてトリガ指令が発生すると、トリガ信号出力回路31B5のトランジスタTR5がオン状態になるため、電源回路31B1からトランジスタTR5のエミッタコレクタと抵抗器R12とを通して第2のサイリスタTh2のゲートにトリガ信号Vgk´が与えられる。
側路用スイッチ制御手段31dは、回転速度検出手段により検出された内燃機関の回転速度Nが設定値Ns以下のときに、図7(E)に示したようにマイクロコンピュータのポートA2の電位SdをLレベルにして、トランジスタTR4(トリガ信号側路用スイッチ)をオフ状態に保持し、回転速度Nが設定値Nsを超えたときにポートA2の電位をHレベルにしてトランジスタTR4(トリガ信号側路用スイッチ)をオン状態にする。トランジスタTR4は、内燃機関の回転速度Nが設定値Nsを超えている間オン状態に保持される。
図6に示した回転速度検出手段31a、点火位置演算手段31b、トリガ指令発生手段31c及び側路用スイッチ制御手段31dを構成するためにマイクロコンピュータに実行させるプログラムのアルゴリズムを示すフローチャートを図8及び図9に示した。図8はメインルーチンを示しており、図9はクランク角検出信号発生回路31B2がクランク角検出信号Vr1及びVr2を発生する毎に実行される割り込みルーチンを示している。
マイクロコンピュータ31B4に電源電圧が与えられて該マイクロコンピュータが動作状態になると、先ず図8のステップ1が実行されて各部のイニシャライズ(初期化)が行われ、次いでステップ2でメインルーチンの実行を要求するフラグ(メインルーチン要求フラグ)がセットされているか否かを判定する。その結果メインルーチン要求フラグがセットされていないと判定されたときには、該フラグがセットされるのを待つ。図9に示した割り込みルーチンの最後のステップででメインルーチン要求フラグがセットされると、図8のステップ3が実行され、図9の割り込みルーチンで取り込んだクランク軸の1回転の時間データTnを用いて、回転速度NEを演算して、回転速度データを更新する。
次いでステップ4に進んで演算された回転速度が設定回転速度以上か否かを判定し、その結果回転速度が設定回転速度以上でないと判定されたときには、ステップ5に進んでマイクロコンピュータのポートA2の電位をLレベルにすることによりトランジスタTR4をオフ状態にし、ステップ6に移行する。またステップ4で回転速度が設定回転速度以上であると判定されたときには、ステップ7に進んでマイクロコンピュータのポートA2の電位をHレベルとすることによりトランジスタTR4をオン状態にした後、ステップ6に移行する。
図8のステップ6では、演算された回転速度NEに対してマップを検索して補間演算を行うことにより、点火位置θigを演算した後、前記(1)式により点火位置θigを点火タイマ計時データTigに変換する演算を行う。次いでステップ8に進んでメインルーチン要求フラグをクリアし、ステップ2に戻る。
マイクロコンピュータのポートA1にクランク角検出信号Vcr1,Vcr2が入力される毎に、図9の割り込みルーチンが実行される。この割り込みルーチンでは、先ずステップ1で今回のクランク角検出信号が進み側の信号Vcr1であるか否かを判定する。この判定の結果、今回のクランク角検出信号が進み側の信号でないと判定されたときには、以後何もしないでこのルーチンを終了する。ステップ1で今回のクランク角検出信号が進み側の信号Vcr1であると判定されたときには、この信号を基準信号として認識して、ステップ2に移行し、点火タイマに点火タイマ計時データTigをセットする。次いでステップ3においてクロックパルスを計数しているタイマの計数値を読み込んで1回転の時間データTnを更新し、ステップ4においてメインルーチン要求フラグをセットしてこのルーチンを終了する。点火タイマが点火タイマ計時データTigの計測を完了したときには、メインルーチンに割り込みがかけられて図示しないトリガ指令発生ルーチンが実行され、このトリガ指令発生ルーチンでマイクロコンピュータのポートA3の電位がLレベルにされてトリガ指令が発生させられる。
図8及び図9に示したアルゴリズムによる場合には、図9のステップ3と、図8のステップ3とにより回転速度検出手段31aが構成され、図8のステップ3により点火位置演算手段31bが構成される。また図9のステップ2と、点火タイマが点火タイマ計時データTigの計測を完了したときに実行されるトリガ指令発生ルーチンとによりトリガ指令発生手段31cが構成される。更に、図8のステップ4と、ステップ5及び7とにより、内燃機関の回転速度が設定値以下のときにトリガ信号側路用スイッチ31B3をオフ状態に保ち、回転速度が設定値を超えているときにトリガ信号側路用スイッチ31B3をオン状態に保持する側路用スイッチ制御手段31dが構成される。
図5に示した点火装置の動作は下記の通りである。
内燃機関のクランク軸が回転すると、図7(A)に示すように、エキサイタコイル2が出力電圧Vn1,Vp,Vn2を発生する。クランク角位置θ1でエキサイタコイル2の第1の負の半波の出力電圧Vn1がしきい値Vtに達すると、トランジスタTR2が導通するため、同図(B)に示すようにマイクロコンピュータのポートA1に第1のクランク角検出信号Vcr1が与えられる。このときマイクロコンピュータは図9の割込みルーチンを実行する。図9の割込みルーチンのステップ1でこの第1のクランク角検出信号を基準信号として認識することができたとすると、ステップ2で点火タイマに点火タイマ計時データがセットされた後、ステップ3で1回転の時間データTnが取り込まれ、図8のステップ3で回転速度データNEが更新される。このとき図8のステップ4で回転速度が設定回転速度よりも低いと判定されると、ステップ5が実行されてマイクロコンピュータのポートA2の電位(側路用スイッチ駆動信号)SdがLレベルにされ、トランジスタTR4がオフ状態にされる。この状態でクランク角位置θ2の位置で負の半波の出力電圧Vn1がしきい値Vtまで低下して、トランジスタTR1がオフ状態になると、第1のトリガ回路31Aのトリガ電源用コンデンサCtから抵抗R3と微分コンデンサCdとダイオードD6とを通して第1のサイリスタTh1のゲートにトリガ信号Vgkが与えられるが、このとき未だ点火用コンデンサCiは充電されていないため、サイリスタTh1は導通せず、点火動作は行われない。
クランク角位置θ3 においてエキサイタコイル2が正の半波の出力電圧Vpを発生すると、点火用コンデンサCiが図示の極性に充電され、点火用コンデンサCiの両端の電圧Vcが図7(G)に示すように上昇していく。
次いでエキサイタコイルが負の半波の出力電圧Vn2を発生し、クランク角位置θ4でエキサイタコイル2の負の半波の出力電圧Vn2がしきい値Vtに達すると、トランジスタTR2が導通するため、図7(B)に示すようにマイクロコンピュータのポートA1に第2のクランク角検出信号Vcr2が与えられる。エキサイタコイルの負の半波の出力電圧Vn2がピークを過ぎた後クランク角θ5の位置でしきい値レベルVt未満になるとトランジスタTR1がオフ状態になる。このとき機関の回転速度が設定値よりも低く、トランジスタTR4がオフ状態にあると、第1のトリガ回路31Aから第1のサイリスタTh1のゲートにトリガ信号Vgkが与えられる。これにより第1のサイリスタTh1が導通して、点火用コンデンサCiの電荷を点火コイルの一次コイル1aを通して放電させ、点火コイルの二次コイル1bに点火用高電圧を誘起させて点火動作を行わせる。
なお機関の回転速度が設定値未満のときには、マイクロコンピュータにより演算される点火タイマ計時データTigの値が十分に大きい値になるように点火位置演算用マップが構成されているため、第1のトリガ回路31Aから第1のサイリスタTh1にトリガ信号が与えられるクランク角位置よりも進んだ位置で点火タイマが点火タイマ計時データの計測を完了することがないようになっている。従って、機関の回転速度が設定値未満の時には、第2のトリガ回路31Bから第2のサイリスタTh2にトリガ信号が与えられて点火動作が行われることはなく、もっぱら第1のトリガ回路31Aから第1のサイリスタTh1にトリガ信号が与えられたときに点火動作が行われる。
クランク角位置θ6でエキサイタコイルの第1の負の半波の出力電圧Vn1がしきい値Vtに達すると、マイクロコンピュータのポートA1に第1のクランク角検出信号Vcr1が与えられる。マイクロコンピュータはこの第1のクランク角検出信号Vcr1を基準信号として認識し、図9の割り込みルーチンを実行して、ステップ2で点火タイマ計時データTigを点火タイマにセットしてその計測を開始させた後、ステップ3で1回転の時間データTnを取り込み、図8のステップ3で回転速度データNEを更新する。この回転速度が設定回転速度以上であると、図8のステップ7が実行されてマイクロコンピュータのポートA2の電位(側路用スイッチ駆動信号)SdがHレベルにされ、トランジスタTR4がオン状態にされる。
次いでクランク角位置θ7で負の半波の出力電圧Vn1がしきい値以下になると、第1のトリガ回路31Aがトリガ信号Vgkを発生するが、このトリガ信号はトランジスタTR4のコレクタエミッタ間を通して第1のサイリスタTh1から側路されるため、このトリガ信号VgkによりサイリスタTh1にトリガ信号が与えられることはない。
クランク角位置θ8でエキサイタコイルが発生した正の半波の出力電圧Vpにより点火用コンデンサCiが充電された後、クランク角位置θ9で点火タイマが点火タイマ計時データTigの計測を完了すると、マイクロコンピュータのポートA3の電位がLレベルにされてトリガ指令が発生し、トランジスタTR5がオン状態にされるため、第2のトリガ回路31Bから第2のサイリスタTh2にトリガ信号Vgk´(図7D)が与えられて点火動作が行われる。その後クランク角位置θ11でエキサイタコイルの負の半波の出力電圧Vn2がしきい値未満になると第1のトリガ回路31Aがトリガ信号Vgkを発生するが、このトリガ信号VgkはトランジスタTR4により側路されるため、第1のサイリスタTh1には与えられない。
上記のように、機関の回転速度が設定回転速度以上になっている状態では、トリガ信号側路用スイッチを構成するトランジスタTR4がオン状態に保持されるため、第1のトリガ回路31A側から第1のサイリスタTh1にトリガ信号が与えられることはなく、演算された点火位置で第2のトリガ回路31Bから第2のサイリスタTh2にトリガ信号Vgk´が与えられたときに点火動作が行われる。
上記の実施形態では、トリガ信号側路用スイッチ31B3を設けているが、機関の回転速度が設定速度以上になったときに第2のトリガ回路31Bが第2のサイリスタTh2にトリガ信号Vgk´を与える位置が、第1のトリガ回路31Aがトリガ信号Vgkを発生する位置よりも必ず進んでいる場合には、機関の回転速度が設定速度以上になったときに第1のトリガ回路31Aから第1のサイリスタTh1にトリガ信号が与えられても支障を来さないので、トリガ信号側路用スイッチ31B3及びその制御手段を省略することができる。
第4の実施形態
図5に示した第3の実施形態では、エキサイタコイルが先に発生する第1の負の半波の出力電圧Vn1によりサイリスタTh1がトリガされるのを防止するために、ダイオードD1からなる逆バイアス回路を設けているが、逆バイアス回路に代えて、図4に示した実施形態で用いたものと同様の短絡回路20を用いる場合にも、第1及び第2のサイリスタTh1及びTh2からなる放電用スイッチ回路を設けて、第1のトリガ回路31A及び第2のトリガ回路31Bから第1及び第2のサイリスタTh1及びTh2にそれぞれトリガ信号を与えるように構成することができる。このように、逆バイアス回路に代えて短絡回路20を用いる場合の点火装置の構成を図10に示した。
第5の実施形態
上記のように、第1のサイリスタTh1及び第2のサイリスタTh2により放電用スイッチ回路を構成して、エキサイタコイル2の負の半波の出力電圧Vn2の波形により決まる点火位置で第1のサイリスタTh1をトリガし、演算された点火位置で第2のサイリスタTh2をトリガするようにすると、逆バイアス回路または短絡回路が働いていて、第1のサイリスタをトリガできない状態でも、第2のサイリスタをトリガすることにより点火動作を行わせることができるため、点火位置の進角幅を広くとることができる。しかしながら本発明において、放電用スイッチ回路は必ずしも上記のように第1のサイリスタと第2のサイリスタとにより構成する必要はなく、図11に示したように、放電用スイツチ回路を単一のサイリスタThにより構成して、第1のトリガ回路31A及び第2のトリガ回路31BからサイリスタThにトリガ信号を与えるように構成することもできる。この場合、マイクロコンピュータにより構成される手段を含めた点火装置の全体的な構成は図12に示した通りである。
図11及び図12に示した例では、第1のトリガ回路と第2のトリガ回路とが干渉しないようにするために、第2のトリガ回路31Bの出力端子とサイリスタThのゲートとの間にダイオードD7´を挿入して、ダイオードD7とダイオードD7´とによりオア回路36を構成している。
第6の実施形態
図13は、本発明の第6の実施形態の全体的な構成を示したもので、この例では、エキサイタコイル2が先に発生する負の半波の出力電圧Vn1によりサイリスタThがトリガされるのを防ぐために短絡回路20を設けている。その他の点は、図11及び図12に示した例と同様に構成されている。短絡回路20は、図4に示した実施形態で用いられたものと同様に構成することができる。
上記の各実施形態では、内燃機関の1気筒分の点火装置の構成を示したが、内燃機関が2気筒以上の気筒を有する多気筒内燃機関である場合には、図2に示した磁石回転子6の周囲に気筒数分の固定子7を配置して、各固定子のエキサイタコイルに対して上記と同様の点火ユニット及び点火コイルを設けることにより、多気筒を点火する点火装置を構成することができる。
また上記の各実施形態において、フライホイールの外周に180度の角度間隔で2つの永久磁石を取り付けて、エキサイタコイル2が180度間隔で1サイクル半の交流電圧を1回転当たり2回発生するように磁石発電機を構成するとともに、点火コイル1を周知の同時発火コイルの構成にすることにより、2サイクル内燃機関の2つの気筒を点火する点火装置を得ることができる。
なお同時発火コイルは、点火コイルの二次コイルの一端を接地することなく、該二次コイルの両端を内燃機関の2つの気筒にそれぞれ取り付けられた2つの点火プラグの非接地側端子に接続することにより、二次コイルに点火用高電圧が発生したときに2つの点火プラグに同時に火花を発生させるようにしたものである。
本発明の第1の実施形態の構成を示す回路図である。 本発明に係わる点火装置で用いる磁石発電機の構成例を示した正面図である。 図1に示した点火装置のエキサイタコイルの出力電圧波形と、点火用コンデンサの両端の電圧の波形と、サイリスタに与えられるトリガ信号電流の波形と、サイリスタのゲートカソード間に与えられるトリガ信号電圧の波形とを示した波形図である。 本発明の第2の実施形態の構成を示した回路図である。 本発明の第3の実施形態の構成を示す回路図である。 図5に示した実施形態の全体的な構成を示したブロック図である。 図5に示した実施形態の各部の電圧波形を示した波形図である。 図5及び図6に示した実施形態においてマイクロコンピュータが実行するプログラムのメインルーチンのアルゴリズムを示したフローチャートである。 図5及び図6に示した実施形態において、クランク角検出信号が発生する毎にマイクロコンピュータが実行する割込みルーチンのアルゴリズムを示したフローチャートである。 本発明の第4の実施形態の全体的な構成を示したブロック図である。 本発明の第5の実施形態のハードウェアの構成を示した回路図である。 本発明の第5の実施形態の全体的な構成を示したブロック図である。 本発明の第6の実施形態の全体的な構成を示したブロック図である。
符号の説明
1 点火コイル
2 エキサイタコイル
3 点火ユニット
4 フライホイール
6 磁石回転子
7 固定子
8 電機子鉄心
10 サイリスタトリガ回路
20 短絡回路
21 短絡用スイッチ
22 短絡用スイッチ駆動回路
30 放電用スイッチ回路
31A 第1のトリガ回路
31B 第2のトリガ回路
31B1 回転速度検出手段
31B2 クランク角検出信号発生回路
31B3 トリガ信号側路用スイッチ
31B4 マイクロコンピュータ
31B5 トリガ信号出力回路
D1 第1の帰還ダイオード
D2 第2の帰還ダイオード
D3 第3の帰還ダイオード
Ci 点火用コンデンサ
Th サイリスタ
Th1 第1のサイリスタ
Th2 第2のサイリスタ
D4 充電用ダイオード
Ct トリガ電源用コンデンサ
R2 充電時定数調整用抵抗
R3 放電用抵抗
Cd 微分コンデンサ
TR1〜TR5 トランジスタ

Claims (16)

  1. 正の半波の出力電圧と該正の半波の出力電圧の前後にそれぞれ発生する第1及び第2の負の半波の出力電圧とからなる1サイクル半の交流電圧を内燃機関のクランク軸が1回転する間に少なくとも1回発生するエキサイタコイルを有する磁石発電機と、
    点火コイルと、
    前記エキサイタコイルの正の半波の出力電圧により一方の極性に充電される点火用コンデンサと、
    トリガ信号が与えられたときにオン状態になって前記点火用コンデンサに蓄積された電荷を前記点火コイルの一次コイルを通して放電させるように設けられたサイリスタと、
    前記エキサイタコイルの負の半波の出力電圧を電源電圧として前記内燃機関の点火位置で前記サイリスタにトリガ信号を与えるサイリスタトリガ回路と、
    前記エキサイタコイル側から前記サイリスタを通して流れた電流を検出したとき及び前記点火用コンデンサの充電電流を検出したときに前記サイリスタのゲートカソード間に逆バイアス電圧を印加する逆バイアス回路と、
    前記エキサイタコイルが正の半波の出力電圧を発生したときに該エキサイタコイルから流出する電流の帰路を構成するために該エキサイタコイルの一端と接地間に設けられた正電流帰還回路と、
    前記エキサイタコイルが負の半波の出力電圧を発生したときに該エキサイタコイルから流出する電流の帰路を構成するために前記エキサイタコイルの他端と接地間に設けられた負電流帰還回路と、
    を備え、
    前記正電流帰還回路は、カソードを前記サイリスタのゲート側に向けて前記サイリスタのゲートカソード間に接続された第1の帰還ダイオードと、前記サイリスタのゲートと前記エキサイタコイルの一端との間にアノードを前記サイリスタのゲート側に向けて接続された第2の帰還ダイオードとからなり、
    前記負電流帰還回路は、前記エキサイタコイルの他端と接地間にアノードを接地側に向けて接続された第3の帰還ダイオードを備え、
    前記第1の帰還ダイオードにより前記逆バイアス回路が構成されているコンデンサ放電式内燃機関用点火装置。
  2. 正の半波の出力電圧と該正の半波の出力電圧の前後にそれぞれ発生する第1及び第2の負の半波の出力電圧とからなる1サイクル半の交流電圧を内燃機関のクランク軸が1回転する間に少なくとも1回発生するエキサイタコイルを有する磁石発電機と、
    点火コイルと
    前記エキサイタコイルの正の半波の出力電圧により一方の極性に充電される点火用コンデンサと、
    トリガ信号が与えられたときにオン状態になって前記点火用コンデンサに蓄積された電荷を前記点火コイルの一次コイルを通して放電させるように設けられたサイリスタと、
    前記エキサイタコイルの負の半波の出力電圧を電源電圧として前記内燃機関の点火位置で前記サイリスタにトリガ信号を与えるサイリスタトリガ回路と、
    前記エキサイタコイル側から前記サイリスタを通して流れる電流を検出したとき及び前記点火用コンデンサの充電電流を検出したときに前記サイリスタのゲートカソード間を短絡する短絡回路と、
    を備えてなるコンデンサ放電式内燃機関用点火装置。
  3. 前記エキサイタコイルが正の半波の出力電圧を発生したときに該エキサイタコイルから流出する電流の帰路を構成するために該エキサイタコイルの一端と接地間に設けられた正電流帰還回路と、前記エキサイタコイルが負の半波の出力電圧を発生したときに該エキサイタコイルから流出する電流の帰路を構成するために前記エキサイタコイルの他端と接地間に設けられた負電流帰還回路とが設けられ、
    前記正電流帰還回路は、カソードを前記サイリスタのゲート側に向けて前記サイリスタのゲートカソード間に接続された第1の帰還ダイオードと、前記サイリスタのゲートと前記エキサイタコイルの一端との間にアノードを前記サイリスタのゲート側に向けて接続された第2の帰還ダイオードとからなり、
    前記負電流帰還回路は、前記エキサイタコイルの他端と接地間にアノードを接地側に向けて接続された第3の帰還ダイオードを備え、
    前記短絡回路は、導通した際に前記サイリスタのゲートカソード間を短絡するように設けられた短絡用スイッチと、前記第1の帰還ダイオードの両端に生じる順方向電圧降下を検出したときに前記短絡用スイッチ回路を導通させる短絡用スイッチ駆動回路とにより構成されている請求項2に記載のコンデンサ放電式内燃機関用点火装置。
  4. 前記短絡用スイッチは、前記サイリスタのゲート及びカソードにそれぞれコレクタ及びエミッタが接続された第1のトランジスタからなり、
    前記短絡用スイッチ駆動回路は、前記第1のトランジスタのベース及びエミッタにそれぞれコレクタ及びエミッタが接続されるとともに、前記第1の帰還ダイオードのカソードにベースが接続された第2のトランジスタと、前記第1のトランジスタ及び第2のトランジスタにベース電流を供給する回路とからなっている請求項3に記載のコンデンサ放電式内燃機関用点火装置。
  5. 前記サイリスタトリガ回路は、前記エキサイタコイルの負の半波の出力電圧の特定の位相に対応するクランク角位置を前記内燃機関の点火位置として、該点火位置を検出した時に前記サイリスタにトリガ信号を与えるように構成されている請求項1ないし4のいずれか1つに記載のコンデンサ放電式内燃機関用点火装置。
  6. 前記サイリスタトリガ回路は、一端が接地されるとともに他端が前記エキサイタコイルの一端に逆流阻止用ダイオードと充電時定数調整用抵抗とを通して接続されて前記エキサイタコイルが発生する負の半波の出力電圧で充電されるトリガ電源用コンデンサと、前記トリガ電源用コンデンサの非接地側端子に放電用抵抗を通してコレクタが接続されるとともにエミッタが接地され、かつベースがベース抵抗を通して前記エキサイタコイルの一端に接続されて前記エキサイタコイルがしきい値以上の負の半波の出力電圧を発生したときにオン状態になるトリガ制御用トランジスタと、前記トリガ電源用コンデンサの非接地側端子に前記放電用抵抗を通して一端が接続された微分コンデンサと、前記微分コンデンサの他端にアノードが接続され、カソードが前記サイリスタのゲートに接続されたトリガ信号供給用ダイオードとを備え、
    前記エキサイタコイルが発生する負の半波の出力電圧がピークを過ぎた後しきい値レベル未満になって前記トリガ制御用トランジスタがオフ状態になったときに前記トリガ電源用コンデンサに残留している電荷により前記微分コンデンサを通して前記サイリスタにトリガ信号を与えるように構成され、
    前記トリガ電源用コンデンサの充電用時定数及び放電時定数が、前記サイリスタにトリガ信号を与える際に必要な電荷を前記トリガ電源用コンデンサに残留させておくのに適した値に設定されている請求項1ないし4のいずれか1つに記載のコンデンサ放電式内燃機関用点火装置。
  7. 正の半波の出力電圧と該正の半波の出力電圧の前後にそれぞれ発生する第1及び第2の負の半波の出力電圧とからなる1サイクル半の交流電圧を内燃機関のクランク軸が1回転する間に少なくとも1回発生するエキサイタコイルを有する磁石発電機と、
    点火コイルと
    前記エキサイタコイルの正の半波の出力電圧により一方の極性に充電される点火用コンデンサと
    第1のサイリスタ及び第2のサイリスタを有して該第1及び第2のサイリスタのいずれかがオン状態になったときに前記点火用コンデンサに蓄積された電荷を前記点火コイルの一次コイルを通して放電させるように構成された放電用スイッチ回路と、
    前記エキサイタコイルの負の半波の出力電圧を電源電圧として動作するように設けられて、前記内燃機関の点火位置で前記第1のサイリスタ及び第2のサイリスタのいずれかにトリガ信号を与えるサイリスタトリガ回路と
    前記エキサイタコイル側から前記第1のサイリスタを通して流れた電流を検出したとき及び前記点火用コンデンサの充電電流を検出したときに前記第1のサイリスタのゲートカソード間に逆バイアス電圧を印加する逆バイアス回路と、
    を具備し
    前記サイリスタトリガ回路は、前記エキサイタコイルが負の半波の出力電圧を発生している間に該エキサイタコイルを信号源として前記第1のサイリスタにトリガ信号を与える第1のトリガ回路と、前記エキサイタコイルの出力から前記内燃機関の回転速度を検出して、検出した回転速度に対して演算した点火位置で前記第2のサイリスタにトリガ信号を与える第2のトリガ回路とを備えてなるコンデンサ放電式内燃機関用点火装置
  8. 正の半波の出力電圧と該正の半波の出力電圧の前後にそれぞれ発生する第1及び第2の負の半波の出力電圧とからなる1サイクル半の交流電圧を内燃機関のクランク軸が1回転する間に少なくとも1回発生するエキサイタコイルを有する磁石発電機と
    点火コイルと、
    前記点火コイルの一次側に設けられて前記エキサイタコイルの正の半波の出力電圧により充電される点火用コンデンサと、
    第1のサイリスタ及び第2のサイリスタを有して該第1及び第2のサイリスタのいずれかがオン状態になったときに前記点火用コンデンサに蓄積された電荷を前記点火コイルの一次コイルを通して放電させるように構成された放電用スイッチ回路と
    前記エキサイタコイルの負の半波の出力電圧を電源電圧として前記内燃機関の点火位置で前記第1のサイリスタ及び第2のサイリスタのいずれかにトリガ信号を与えるサイリスタトリガ回路と、
    前記エキサイタコイル側から前記第1のサイリスタを通して流れた電流を検出したとき及び前記点火用コンデンサの充電電流を検出したときに前記第1のサイリスタのゲートカソード間を短絡する短絡回路と、
    を具備し
    前記サイリスタトリガ回路は、前記エキサイタコイルが負の半波の出力電圧が発生している間に該負の半波の出力電圧を電源電圧として前記第1のサイリスタにトリガ信号を与える第1のトリガ回路と、前記エキサイタコイルの出力から前記内燃機関の回転速度を検出して、検出した回転速度に対して演算した点火位置で前記第2のサイリスタにトリガ信号を与える第2のトリガ回路とを備えてなるコンデンサ放電式内燃機関用点火装置
  9. 前記エキサイタコイルが正の半波の出力電圧を発生したときに該エキサイタコイルから流出する電流の帰路を構成するために該エキサイタコイルの一端と接地間に設けられた正電流帰還回路と、前記エキサイタコイルが負の半波の出力電圧を発生したときに該エキサイタコイルから流出する電流の帰路を構成するために前記エキサイタコイルの他端と接地間に設けられた負電流帰還回路とが設けられ、
    前記正電流帰還回路は、カソードを前記第1のサイリスタのゲート側に向けて前記第1のサイリスタのゲートカソード間に接続された第1の帰還ダイオードと、前記第1のサイリスタのゲートと前記エキサイタコイルの一端との間にアノードを前記第1のサイリスタのゲート側に向けて接続された第2の帰還ダイオードとからなり、
    前記負電流帰還回路は、前記エキサイタコイルの他端と接地間にアノードを接地側に向けて接続された第3の帰還ダイオードを備え、
    前記第1の帰還ダイオードにより、前記逆バイアス回路が構成されている請求項7または8に記載のコンデンサ放電式内燃機関用点火装置。
  10. 前記第1のトリガ回路は、前記エキサイタコイルの負の半波の出力電圧の特定の位相に対応するクランク角位置を前記内燃機関の点火位置として、該点火位置を検出したときに前記サイリスタにトリガ信号を与えるように構成され、
    前記第2のトリガ回路は、
    前記エキサイタコイルの負の半波の出力電圧が一定値に達したときにクランク角検出信号を発生するクランク角検出信号発生回路と
    前記エキサイタコイルの負の半波の出力電圧を入力として一定の直流電圧を出力する電源回路と
    前記クランク角検出信号を入力とし、前記電源回路の出力電圧を電源電圧として動作するように設けられて、前記第1の負の半波の出力電圧が一定値に達したときに発生する前記クランク角検出信号を基準信号として該基準信号の発生間隔から前記内燃機関の回転速度を検出する回転速度検出手段と、前記回転速度検出手段により検出された回転速度に対して前記内燃機関の点火位置を演算する点火位置演算手段と、前記点火位置演算手段により演算された点火位置を検出した時にトリガ指令を発生するトリガ指令発生手段とを構成するマイクロコンピュータと
    前記トリガ指令発生手段がトリガ指令を発生したときに前記第2のサイリスタに与えるトリガ信号を出力するトリガ信号出力回路と、
    を具備してなる請求項7,8または9に記載のコンデンサ放電式内燃機関用点火装置。
  11. オン状態にあるときに前記第1のトリガ回路から前記第1のサイリスタに与えられるトリガ信号を該第1のサイリスタから側路するように設けられたトリガ信号側路用スイッチと
    前記内燃機関の回転速度が設定値以下のときに前記トリガ信号側路用スイッチをオフ状態に保ち、前記回転速度が設定値を超えているときに前記トリガ信号側路用スイッチをオン状態に保持する側路用スイッチ制御手段と、
    を更に備えている請求項7,8,9または10に記載のコンデンサ放電式内燃機関用点火装置
  12. 正の半波の出力電圧と該正の半波の出力電圧の前後にそれぞれ発生する第1及び第2の負の半波の出力電圧とからなる1サイクル半の交流電圧を内燃機関のクランク軸が1回転する間に少なくとも1回発生するエキサイタコイルを有する磁石発電機と
    点火コイルと、
    前記点火コイルの一次側に設けられて前記エキサイタコイルの正の半波の出力電圧により充電される点火用コンデンサと、
    オン状態になったときに前記点火用コンデンサに蓄積された電荷を前記点火コイルの一次コイルを通して放電させるように設けられたサイリスタと
    前記エキサイタコイルの負の半波の出力電圧を電源電圧として前記内燃機関の点火位置で前記サイリスタにトリガ信号を与えるサイリスタトリガ回路と
    前記エキサイタコイル側から前記サイリスタを通して流れた電流を検出したとき及び前記点火用コンデンサの充電電流を検出したときに前記サイリスタのゲートカソード間を短絡する短絡回路と、
    を具備し
    前記サイリスタトリガ回路は、前記エキサイタコイルが負の半波の出力電圧を発生している間に該負の半波の出力電圧を電源電圧として前記サイリスタにトリガ信号を与える第1のトリガ回路と、前記エキサイタコイルの出力から前記内燃機関の回転速度を検出して、検出した回転速度に対して演算した点火位置で前記サイリスタにトリガ信号を与える第2のトリガ回路とを備えてなるコンデンサ放電式内燃機関用点火装置。
  13. 前記エキサイタコイルが正の半波の出力電圧を発生したときに該エキサイタコイルから流出する電流の帰路を構成するために該エキサイタコイルの一端と接地間に設けられた正電流帰還回路と、前記エキサイタコイルが負の半波の出力電圧を発生したときに該エキサイタコイルから流出する電流の帰路を構成するために前記エキサイタコイルの他端と接地間に設けられた負電流帰還回路とが設けられ、
    前記正電流帰還回路は、カソードを前記サイリスタのゲート側に向けて前記サイリスタのゲートカソード間に接続された第1の帰還ダイオードと、前記サイリスタのゲートと前記エキサイタコイルの一端との間にアノードを前記サイリスタのゲート側に向けて接続された第2の帰還ダイオードとからなり
    前記負電流帰還回路は、前記エキサイタコイルの他端と接地間にアノードを接地側に向けて接続された第3の帰還ダイオードを備え
    前記第1の帰還ダイオードにより、前記逆バイアス回路が構成されている請求項12に記載のコンデンサ放電式内燃機関用点火装置
  14. 正の半波の出力電圧と該正の半波の出力電圧の前後にそれぞれ発生する第1及び第2の負の半波の出力電圧とからなる1サイクル半の交流電圧を内燃機関のクランク軸が1回転する間に少なくとも1回発生するエキサイタコイルを有する磁石発電機と
    点火コイルと
    前記エキサイタコイルの正の半波の出力電圧により一方の極性に充電される点火用コンデンサと、
    オン状態になったときに前記点火用コンデンサに蓄積された電荷を前記点火コイルの一次コイルを通して放電させるように設けられたサイリスタと
    前記エキサイタコイルの負の半波の出力電圧を電源電圧として前記内燃機関の点火位置で前記サイリスタにトリガ信号を与えるサイリスタトリガ回路と、
    前記エキサイタコイル側から前記サイリスタを通して流れた電流を検出したとき及び前記点火用コンデンサの充電電流を検出したときに前記サイリスタのゲートカソード間に逆バイアス電圧を印加する逆バイアス回路と、
    を具備し
    前記サイリスタトリガ回路は、前記エキサイタコイルが負の半波の出力電圧を発生している間に該負の半波の出力電圧を電源電圧として前記サイリスタにトリガ信号を与える第1のトリガ回路と、前記エキサイタコイルの出力から前記内燃機関の回転速度を検出して、検出した回転速度に対して演算した点火位置で前記サイリスタにトリガ信号を与える第2のトリガ回路とを備え
    前記エキサイタコイルが正の半波の出力電圧を発生したときに該エキサイタコイルから流出する電流の帰路を構成するために該エキサイタコイルの一端と接地間に設けられた正電流帰還回路と、前記エキサイタコイルが負の半波の出力電圧を発生したときに該エキサイタコイルから流出する電流の帰路を構成するために前記エキサイタコイルの他端と接地間に設けられた負電流帰還回路とが設けられ
    前記正電流帰還回路は、カソードを前記サイリスタのゲート側に向けて前記サイリスタのゲートカソード間に接続された第1の帰還ダイオードと、前記サイリスタのゲートと前記エキサイタコイルの一端との間にアノードを前記サイリスタのゲート側に向けて接続された第2の帰還ダイオードとからなり
    前記負電流帰還回路は、前記エキサイタコイルの他端と接地間にアノードを接地側に向けて接続された第3の帰還ダイオードを備え
    前記第1の帰還ダイオードにより、前記逆バイアス回路が構成されているコンデンサ放電式内燃機関用点火装置。
  15. 前記第1のトリガ回路は、前記エキサイタコイルの負の半波の出力電圧の特定の位相に対応するクランク角位置を前記内燃機関の点火位置として、該点火位置を検出したときに前記サイリスタにトリガ信号を与えるように構成され、
    前記第2のトリガ回路は
    前記エキサイタコイルの負の半波の出力電圧が一定値に達したときにクランク角検出信号を発生するクランク角検出信号発生回路と、
    前記エキサイタコイルの負の半波の出力電圧を入力として一定の直流電圧を出力する電源回路と
    前記クランク角検出信号を入力とし、前記電源回路の出力電圧を電源電圧として動作するように設けられて、前記第1の負の半波の出力電圧が一定値に達したときに発生する前記クランク角検出信号を基準信号として該基準信号の発生間隔から前記内燃機関の回転速度を検出する回転速度検出手段と、前記回転速度検出手段により検出された回転速度に対して前記内燃機関の点火位置を演算する点火位置演算手段と、前記点火位置演算手段により演算された点火位置を検出した時にトリガ指令を発生するトリガ指令発生手段とを構成するマイクロコンピュータと
    前記トリガ指令発生手段がトリガ指令を発生したときに前記第2のサイリスタに与えるトリガ信号を出力するトリガ信号出力回路と、
    を具備してなる請求項12,13または14に記載のコンデンサ放電式内燃機関用点火装置。
  16. オン状態にあるときに前記第1のトリガ回路から前記サイリスタに与えられるトリガ信号を該サイリスタから側路するように設けられたトリガ信号側路用スイッチと
    前記内燃機関の回転速度が設定値以下のときに前記トリガ信号側路用スイッチをオフ状態に保ち、前記回転速度が設定値を超えているときに前記トリガ信号側路用スイッチをオン状態に保持する側路用スイッチ制御手段と、
    を更に備えている請求項12,13,14または15に記載のコンデンサ放電式内燃機関用点火装置。
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