JP3732421B2 - 電子部品の供給装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、搬送路に連続して送り込まれた電子部品を分離して加工用ロータリーテーブルに供給する電子部品の供給装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
電子部品の実装化、プリント基板への自動実装技術の向上に対応して、プラスチックエンボスキャリアテ−プ(キャリアテ−プ)を利用したパッケ−ジングの応用範囲が拡大している。
【0003】
パ−ツフィ−ダ、ロ−タリ−テ−ブル(加工テ−ブル)、テ−ピングユニットを組合せた自動加工機が知られており、この自動加工機においては、パ−ツフィ−ダから電子部品をロ−タリ−テ−ブルに供給して、ロ−タリ−テ−ブルで所定の機械加工を電子部品に施し、テ−ピングユニットで電子部品をキャリアテ−プの凹部に収納しカバ−テ−プでキャリアテ−プをシ−ルして、電子部品の供給、加工、パッケ−ジという一連の処理を自動的に行なっている。
【0004】
電子部品のパ−ツフィ−ダとして、振動式ボウル供給機が広く利用されている。この振動式ボウル供給機では、ボウルの内周壁に螺旋軌道が形成され、多数の電子部品がボウルの底部に供給される。ボウルの振動軸は偏心され、ボウルの底部中央は一段高く形成されている。そのため、ボウルが振動すると、電子部品は底部中央から底部周辺に落ちて螺旋軌道に入り込み、螺旋軌道を上りながら整列される。そして、螺旋軌道の上端が搬送路に開放・接続されているため、螺旋軌道を上り詰めた電子部品は、後から押されて搬送路に沿って搬送される。搬送路は、通常、直線状に設けられている。
【0005】
ロ−タリ−テ−ブルの割出し角度をたとえば22.5°とすれば、16個の割出し位置(ステ−ション)が得られ、16個の割出し位置のいくつかを利用して、加工・印字・検査・テ−ピングのステ−ションが設定されている。そして、ロ−タリ−テ−ブルが22.5°ずつ間欠送りされて一回転する間に、加工ステ−ションで所定の機械加工が電子部品に施されるとともに、印字ステ−ションで電子部品に品番、ロッド番号などが印字され、検査ステ−ションの性能検査で不良品が排除され、テ−ピングステ−ションで電子部品をキャリアテ−プに収納しカバ−テ−プをキャリアテ−プにシ−ルしてロ−タリ−テ−ブルでの一連の処理が終わり、電子部品はロ−タリ−テ−ブルから次工程に送られる。
【0006】
なお、印字ステ−ション、検査ステ−ション、テ−ピングステ−ションをロ−タリ−テ−ブルに設定せず、印字ユニット、検査ユニット、テ−ピングユニットをロ−タリ−テ−ブルから分離して設けることもある。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
たとえば16個の割出し位置に対応した16個のサポ−ト手段(通常、吸着手段)がロ−タリ−テ−ブルに設けられ、サポ−ト手段で電子部品を支持したままロ−タリ−テ−ブルでの加工、検査、印字、テ−ピングが電子部品に施され、ロ−タリ−テ−ブルのサポ−ト手段に電子部品を1つずつ供給すればよい。しかし、パ−ツフィ−ダである振動式ボウル供給機によれば、電子部品は振動を利用して後から押されて搬送路に送り込まれ、搬送路に数珠つなぎに連続して搬送されている。
【0008】
ここで、ロ−タリ−テ−ブルに電子部品を1つずつ供給する必要があるから、
(1)搬送路に数珠つなぎに連続して搬送される電子部品のうち、先頭のものを後続のものから分離し、
(2)分離した(1つの)電子部品をロ−タリ−テ−ブルの間欠運動に合せてロ−タリ−テ−ブルに供給することが要求される。
【0009】
しかし、(a)数珠つなぎに連続して搬送される電子部品のうち、先頭のものを後続のものから傷つけることなく分離することは容易でない、
(b)電子部品を分離する間隔とロ−タリ−テ−ブルの間欠運動とのタイミング合せが容易でなく、搬送路からロ−タリ−テ−ブルへの電子部品の受け渡しが円滑に行なえない。
【0010】
たとえば、搬送路に隣接して供給路を設け、搬送路から1つずつ電子部品を分離し供給路に移し替えてからロ−タリ−テ−ブルに移す方法が採用されている。この方法では、先頭のものを後続のものから傷つけることなく分離できるが、分離する間隔とロ−タリ−テ−ブルの間欠運動とのタイミング合せが容易でなく、電子部品の受け渡しが円滑に行なえない。
【0011】
また、負圧を利用した吸着手段を搬送路の先端に設け、搬送路の先頭の電子部品を吸着手段で吸着して、ロ−タリ−テ−ブルに供給する方法も採用されている。しかしこの方法では、吸着手段が電子部品を吸着し、吸着したまま回動し、吸着を解除してロ−タリ−テ−ブルに電子部品を供給しており、吸着手段の回動動作をロ−タリ−テ−ブルの間欠動作に合せることが難しい。つまり、タイミング合せが難しい。また、吸着・回動・分離という一連の動作が繰り返し要求され、迅速な供給が難しい。ここで、迅速な供給を可能にするために吸着手段を多数設ければ、構成的に複雑化して小型化できない。
【0012】
この発明は、搬送路から先頭の電子部品を後続のものから傷つけることなく分離して、ロータリーテーブルにタイミングよく供給できる電子部品の供給装置の提供を目的としている。
【0013】
【課題を解決するための手段】
この発明では、搬送路での電子部品の動きが直線的であるのに対してロ−タリ−テ−ブルの動きが回転運動(間欠運動)であり、直線運動と回転運動という異なる2つの運動間では、電子部品の受け渡しのタイミング合せが必然的に困難にならざるを得ないことに注目した。
【0014】
そのため、この発明では、ロータリーテーブルの回転運動に合せて電子部品を回転運動のもとで供給すればよいことに気付き、搬送路と加工用のロータリーテーブルとの間に加工用ロータリーテーブルと同様に回転する分離用のロータリーテーブルを介在させている。つまり、搬送路の電子部品を後続のものから切り離して分離用ロータリーテーブルに移し、加工用、分離用の2つのロータリーテーブルの間でその接線方向で電子部品の受け渡しを行なうように構成されている。
つまり、パーツフィーダからリード線付きの電子部品が連続的に送り込まれる搬送路から加工用ロータリーテーブルに電子部品を供給する電子部品の供給装置において、搬送路の先端付近に配置されて搬送路での電子部品の進路を妨げるストッパと、ストッパにその進路を妨げられて停止した搬送路内の電子部品を後続のものから分離して受け取り、加工用ロータリーテーブルと同期して間欠的に回転し、その接線方向で加工用ロータリーテーブルとの間で電子部品を受け渡す分離用ロータリーテーブルとを備え、分離用ロータリーテーブルは、ストッパに妨げられて停止した搬送路内の電子部品を間欠的な回転に対応して受け取る多数のホルダを所定の間隔でその上面に持ち、ホルダは電子部品を保持可能な凹みを先端に有して、半径方向にスライド可能に形成され、分離用ロータリーテーブル上面のホルダに保持された電子部品のリード線を分離用ロータリーテーブルの側面との間で挟持可能に、エンドレスベルトが分離用ロータリーテーブルの側面に圧接して配置されたことを特徴としている。
【0015】
分離用ロ−タリ−テ−ブルの割出し角度に応じてその一回転中に所定の数の電子部品を後続のものから傷つけることなく分離できる。たとえば、分離用ロ−タリ−テ−ブルの割出し角度をたとえば45°とすれば、その一回転中に1つずつ合計8つの電子部品を取り出せる。また、分離用ロ−タリ−テ−ブルから加工用ロ−タリ−テ−ブルへの電子部品の受け渡しは、分離用、加工用のロ−タリ−テ−ブルが同じ回転運動をしているのでその周速度を一致させることによりタイミング合せが容易になされる。また、同じ回転運動をしているのでその接線方向で電子部品の受け渡しが行なえ、受け渡しが円滑に行なえる。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照しながらこの発明の実施の形態について詳細に説明する。
【0017】
図1に示すように、この発明に係る電子部品の自動加工機10は、電子部品11(図2(A)参照)のパ−ツフィ−ダ12と、加工用ロ−タリ−テ−ブル14と、それらの間に配置された分離用ロ−タリ−テ−ブル16とを備えて構成され、搬送路18がパ−ツフィ−ダ12、分離用ロ−タリ−テ−ブル16の間に伸びている。
【0018】
パ−ツフィ−ダ12は公知のものであり、たとえば振動式ボウル供給機を利用でき、ボウルの振動のもとで電子部品11が振動式ボウル供給機から搬送路18に送り込まれ、後から押されて数珠つなぎに搬送路を搬送される。
【0019】
後述するように、搬送路18の電子部品11のうち、先頭の電子部品が、分離用ロ−タリ−テ−ブル16によって、後続のものから分離され、分離用ロ−タリ−テ−ブルを介して加工用ロ−タリ−テ−ブル14に供給される。
【0020】
加工用ロ−タリ−テ−ブル14は公知のものであり、たとえば、22.5度の割出し角度のもとで16個の割出しステ−ションが形成され、実施例では、その内の7つの割出しステ−ションA〜Gが利用されている。実施例の加工用ロ−タリ−テ−ブル14では、ステ−ションAで電子部品11が供給され、ステ−ションB〜Fで所定の機械加工が電子部品になされ、ステ−ションGでロ−タリ−テ−ブルから電子部品が排出される。実施例では加工工数が多いため、印字ステ−ションH、検査ステ−ションI、テ−ピングステ−ションGは加工用ロ−タリ−テ−ブル14から分離して設けられている。なお、各ステ−ションでの処理は発明と直接関係ないためその説明を省略する。
【0021】
電子部品11としてたとえば図2(A)の(a)(b)(c)に平面図、正面図、底面図を示すような縦形アルミ電解コンデンサを例示できる。図2(A)からわかるように、電子部品(縦形アルミ電解コンデンサ)11は略円柱形とされ、その底面の中央から2本のリ−ド線11aが伸びた形状となっている。図2(B)に示すように、搬送路18は電子部品11のスライド可能な溝18aを持つ略U字形の横断面をしており、電子部品のリ−ド線11aの挿入される切欠き18bが溝の中央に形成されている。図2(B)では図面の複雑化を避けるために電子部品11は3つしか図示されていないが、後から押されて数珠つなぎに連続して搬送路に送られている。
【0022】
搬送路18の先端付近に、軸20aを回動軸とする回動可能なレバ−20が配設されており、ロ−ラ20bがレバ−の左端に回転自在に取付けられ、レバ−の右端に引張ばね20cの一端が連結されている。引張ばね20cによってレバ−20は回動軸20aの回りで反時計方向に回動されるため、ロ−ラ20bは搬送路18に突出されて搬送路での電子部品の進路を塞ぐストッパとして機能する。
【0023】
分離用ロ−タリ−テ−ブル16は、搬送路18がそのほぼ接線方向に位置するように、搬送路に対して配置されている。
【0024】
たとえば、分離用ロ−タリ−テ−ブル16は、割出し角度45°のもとで8つの半径方向にスライド可能なホルダ22をそのテ−ブル本体21の上面に備えており、回動可能なガイドロ−ラ22aがホルダ22の両サイドに2つずつテ−ブル本体21に取付けられて半径方向でのホルダのスライドをガイドしている。半径方向でのホルダ22のスライドは、たとえば、カムなどによって制御される。
【0025】
電子部品11を保持可能な凹み22bをホルダ22の先端中央に形成するように、ホルダ22の先端の両側は山形の斜面となっている。
【0026】
レバ−20の左端のロ−ラ(ストッパ)20bが搬送路18に突出されているため、先頭の電子部品11はロ−ラに妨げられて停止する。ロ−ラ20bに妨げられた電子部品11と対向する位置にホルダ22が待機するように、分離用ロ−タリ−テ−ブル16は間欠的に回転(間欠駆動)している。
【0027】
電子部品11がロ−ラ20bに妨げられて所定の位置に停止すると、図2(B)に示すように、電子部品11と対向する位置のホルダ22(22−1)は、実線で示すその位置から一点鎖線で示す位置まで半径方向外方にスライドして、その先端の凹み22bで電子部品を保持する。ホルダ22(22−1)が電子部品11を保持すると、分離用ロ−タリ−テ−ブル16は反時計方向に45°回転して、次のホルダ−22(22−2)が、ロ−ラ20bに妨げられた電子部品と対向する位置に移動する。
【0028】
ここで、ホルダ22の先端の凹み22bによる保持では、電子部品は半径方向外方にフリ−であり、電子部品を確実に保持できない。そのため、実施例では、エンドレスベルト24がレバ−20、分離用ロ−タリ−テ−ブル16に隣接して配置されている。
【0029】
エンドレスベルト24は駆動ロ−ラ24aと2つのアイドラ−24b1、24b2との間に張設され、2つのアイドラ−24b1、24b2は分離用ロ−タリ−テ−ブルの回りでほぼ90°離反して配置されている。エンドレスベルト24は、ほぼ90°に相当する距離にわたって分離用ロ−タリ−テ−ブル16の側面に圧接されている。ここで、ロ−ラ20bにその進路を塞がれて停止した先頭の電子部品11の直下近くまでエンドレスベルト24が伸びるように、アイドラ−24b1はロ−ラ20bに隣接した位置に配置されている。
【0030】
上記のように、電子部品11は下方にリ−ド線11aを持ち、このリ−ド線は搬送路の切欠き18b内に位置し、切欠き18bは搬送路18とともに分離用ロ−タリ−テ−ブル16の接線方向に延びている。そして、エンドレスベルト24は、電子部品のリ−ド線11aと同じ高さに位置している。そのため、ホルダ22(22−1)が先頭の電子部品11を保持して分離用ロ−タリ−テ−ブルが回転すると、電子部品11のリ−ド線11aはエンドレスベルト24に直ちに接する。
【0031】
そして、分離用ロ−タリ−テ−ブル16の回転に同期してエンドレスベルト24も駆動されるため、エンドレスベルトに巻き込まれてエンドレスベルトと分離用ロ−タリ−テ−ブル16の側面との間にリ−ド線11aを挟持した状態で、電子部品は分離用ロ−タリ−テ−ブルに保持される。
【0032】
ここで、レバ−の先端のロ−ラ20bは回転自在であり、回転軸20aの回りで反時計方向のばね力がレバ−20に付与されている。そのため、ホルダ22(22−1)が先頭の電子部品11を保持して回転しようとして電子部品がロ−ラ20bに押し付けられると、ロ−ラ20bを回転させながらレバ−20が時計方向に逃げて、ロ−ラ20bが電子部品の進路から除かれる。従って、ロ−ラ20bに妨げられることなく、ホルダ22(22−1)は電子部品11を保持して回転でき、電子部品11を傷つけずに搬送路18から円滑に分離できる。レバ−20、ロ−ラ20bが逃げるだけでなく、ロ−ラ自身が回転自在であるため、電子部品11に大きな押力が作用せず、電子部品の損傷が確実に防止される。
【0033】
電子部品11の損傷を防止するためには、過度の押力が作用したらストッパであるロ−ラ20bを進路から除き、過度の押力が作用しなくなればロ−ラが進路を妨げる位置に復帰する構成であればよく、図示の構成に限定されない。たとえば、引張ばね20cの代わりに、圧縮ばねを回動軸20aとロ−ラ20bとの間でレバ−20の背面に配置してもよい。また、レバ−20を使用せず、板ばねの一端を固定し、進路を塞ぐように板ばねの他端を折り曲げた構成としてもよい。
【0034】
ホルダ22が電子部品11を保持して搬送路18から電子部品を持ち去ると、レバ−20は引張ばね20cのばね力により反時計方向に回動し、レバ−20の左端のロ−ラ20bは搬送路18に突出して進路を塞ぎ、次の電子部品がロ−ラ20bに妨げられて停止する。電子部品11がロ−ラ20bに当接して停止すると、分離用ロ−タリ−テ−ブル16の回転により電子部品と対向する位置に既に移動して待機していた次のホルダ22が半径方向外方にスライドしてその先端の凹み22bで電子部品を保持する上述の動作が繰り返される。
【0035】
分離用ロ−タリ−テ−ブル16は回転運動しており、実施例では、8つの割出し角度位置にホルダ22が設けられている。そのため、その割出し角度に応じて電子部品11を分離し保持することができる。つまり、搬送路18を数珠つなぎに連続して送られる電子部品11のうち、先頭のものを後続のものから分離してそれぞれのホルダ22が受取り・保持し、分離用ロ−タリ−テ−ブル16の一回転中に8つの電子部品が搬送路18から1つずつ分離されてホルダ22に移される。ここで、分離用ロ−タリ−テ−ブル16は、負圧を利用して電子部品を吸着して分離する公知の吸着手段に比較すればはるかにその構成が簡単であり、簡潔な構成のもとで電子部品が迅速に移される。
【0036】
ホルダ22による電子部品11の保持および、分離用ロ−タリ−テ−ブル16、エンドレステ−プ24の同期駆動が2度繰り返されると、図2(B)に示すように、電子部品を保持したホルダ22(22−7)は加工用ロ−タリ−テ−ブル14との接触点に至る。
【0037】
ここで、加工用ロ−タリ−テ−ブル14も分離用ロ−タリ−テ−ブル16に同期して回転しており、ホルダ22(22−7)がこの接触点に至った時点で、加工用ロ−タリ−テ−ブル14は図1に示すステ−ションA(部品供給ステ−ション)の位置にある。そして、加工用ロ−タリ−テ−ブル14に設けられたサポ−ト手段、例えば、吸着ア−ムが作動して、ホルダ22(22−7)の電子部品11を保持する。そして、加工用ロ−タリ−テ−ブル14の吸着ア−ムが、ホルダ22(22−7)の電子部品11を保持したまま、2つのロ−タリ−テ−ブル14、16が回転する。
【0038】
加工用ロ−タリ−テ−ブル14の回転は間欠駆動であるから、分離用ロ−タリ−テ−ブルの回転も間欠駆動とされ、分離用ロ−タリ−テ−ブルと同期して駆動されるエンドレスベルトも間欠駆動されることになる。
【0039】
エンドレスベルト24は、ロ−タリ−テ−ブル14、16の接触点まで張設されているにすぎず、接触点を越えて伸びていない。そのため、分離用ロ−タリ−テ−ブル16が回転すると、エンドレスベルト24による電子部品のリ−ド線11aの挟持が解かれ、電子部品11は分離用ロ−タリ−テ−ブルから加工用ロ−タリ−テ−ブル14に渡される。そして、加工用ロ−タリ−テ−ブル14に供給された電子部品11に加工用ロ−タリ−テ−ブルにおいて所定の加工が施されることはいうまでもない。
【0040】
このように、この発明では、搬送路18の電子部品11を加工用ロ−タリ−テ−ブル14に直接供給せず、分離用ロ−タリ−テ−ブル16を介在させて搬送路18から分離用ロ−タリ−テ−ブル16に一旦移し、分離用ロ−タリ−テ−ブル16から加工用ロ−タリ−テ−ブル14に電子部品を供給している。
【0041】
この方法では、加工用および分離用の2つのロ−タリ−テ−ブル14、16は、同種の運動、つまり同じ回転運動(正確には間欠駆動)をするものであるため、その周速度(=半径x角速度)を同一に設定でき、タイミング合せが簡単に行なえ、電子部品の受け渡し(供給)が正確、迅速に行なえる。また、その接線方向で受け渡しが行なえるため、受け渡しが円滑に行なえる。
【0042】
実施例では、分離用ロ−タリ−テ−ブルのホルダの先端の凹み22bで電子部品11を保持して位置決めするとともに、電子部品のリ−ド線11aをエンドレスベルト24によって分離用ロ−タリ−テ−ブルの側面に挟持して電子部品を確実に保持している。しかしながら、分離用ロ−タリ−テ−ブル16による電子部品11の保持の構成はこれに限定されない。たとえば、ホルダの凹み22bに負圧の作用する吸着孔を設け、吸着孔に負圧を作用させてホルダ22で電子部品を吸着・保持すれば、エンドレスベルトが省略可能となる。このとき、電子部品のリ−ド線11aの嵌合される縦溝を分離用ロ−タリ−テ−ブルの側面に形成しておけば、電子部品のずれが防止できる。
【0043】
上述した実施例は、この発明を説明するためのものであり、この発明を何ら限定するものでなく、この発明の技術範囲内で変形、改造などの施されたものも全てこの発明に包含されることは言うまでもない。
【0044】
たとえば、通常、搬送路18の電子部品11は先頭のものから分離されるが、先頭の電子部品を滞留させて2番目の電子部品を分離するなどの変形を加えても、この発明の技術範囲から逃れられない。また、パ−ツフィ−ダとして振動式ボウル供給機を例示したが、搬送路に電子部品11を連続して送り込むものであればよく、振動式ボウル供給機に限定されない。
【0045】
【発明の効果】
上記のように、この発明では、加工用ロータリーテーブルと同じ運動をする分離用ロータリーテーブルを電子部品の搬送路と加工用ロータリーテーブルとの間に介在させて搬送路から分離用ロータリーテーブルに一旦移し、分離用ロータリーテーブル上面の、半径方向にスライド可能なホルダの先端の凹みで電子部品を保持しながら、エンドレスベルトで電子部品のリード線を分離用ロータリーテーブルの側面との間で挟持し、分離用、加工用のロータリーテーブルの接線方向で、分離用ロータリーテーブル、加工用ロータリーテーブルの間で電子部品の受け渡しを行なっている。そのため、タイミング合せが簡単に行なえ、加工用ロータリーテーブルへの電子部品の供給が正確、迅速に行なえる。また、同じ回転運動をしているのでその接線方向で電子部品の受け渡しが行なえ、受け渡しが円滑に行なえる。
【0046】
分離用ロ−タリ−テ−ブルは回転運動するものであるから、その割出し角度位置で電子部品を受取ることにより、数珠つなぎに連続して送られる電子部品を1つずつ分離して受取ることができ、たとえば、その割出し角度を45°とすれば、その一回転中に合計8つの電子部品を1つずつ分離できる。また、分離用ロ−タリ−テ−ブルは構成的に簡単であり、簡潔な構成のもとで電子部品の迅速な供給が可能となる。
【0047】
ばね力のもとで回動可能なレバ−に設けられて搬送路に突出したストッパで電子部品の進路を妨げる構成とすれば、電子部品が傷つくことなく円滑に分離できる。ここで、ストッパを回転自在なロ−ラとすれば、電子部品の損傷が確実に防止される。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の電子部品の供給装置の組込まれた自動加工機の概略平面図である。
【図2】(A)は電子部品の一例を示し、(a)(b)(c)は平面図、正面図、背面図をそれぞれ示す。(B)はこの発明による電子部品の供給装置の平面図である。
【符号の説明】
10 自動加工機
12 パ−ツフィ−ダ(部品供給手段)
14 加工用ロ−タリ−テ−ブル
16 分離用ロ−タリ−テ−ブル
18 搬送路
18a 溝
18b 切欠き
20 回動可能なレバ−成形体
20a 回動軸
20b ロ−ラ(ストッパ)
20c 引張ばね
21 分離用ロ−タリ−テ−ブルのテ−ブル本体
22 ホルダ
22a ホルダのガイドロ−ラ
22b ホルダ先端の凹み
24 エンドレスベルト成形体
24a 駆動ロ−ラ
24b1、24b2 アイドラ−
Claims (2)
- パーツフィーダからリード線付きの電子部品が連続的に送り込まれる搬送路から加工用ロータリーテーブルに電子部品を供給する電子部品の供給装置において、
搬送路の先端付近に配置されて搬送路での電子部品の進路を妨げるストッパと、
ストッパでその進路を妨げられて停止した搬送路内の電子部品を後続のものから分離して受け取り、加工用ロータリーテーブルと同期して間欠的に回転し、その接線方向で加工用ロータリーテーブルとの間で電子部品を受け渡す分離用ロータリーテーブルとを備え、
分離用ロータリーテーブルは、ストッパに妨げられて停止した搬送路内の電子部品を間欠的な回転に対応して受け取る多数のホルダを所定の間隔でその上面に持ち、ホルダは電子部品を保持可能な凹みを先端に有して、半径方向にスライド可能に形成され、
分離用ロータリーテーブル上面のホルダに保持された電子部品のリード線を分離用ロータリーテーブルの側面との間で挟持可能に、エンドレスベルトが分離用ロータリーテーブルの側面に圧接して配置されたことを特徴とする電子部品の供給装置。 - ストッパは回転自在なローラであり、ばね力のもとで回動可能なレバーに取付けられて搬送路に突出して電子部品の進路を妨げ、過度の押力がローラに加えられると、ローラを回転させながらレバーがばね力に抗して回動して逃げることにより、ローラが電子部品の進路を妨げる位置から除かれることを特徴とする請求項1記載の電子部品の供給装置。
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