JP6955718B2 - 物品取出装置 - Google Patents

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Description

本発明は、テープの長さ方向に配列された複数の物品を取り出す物品取出装置に関する。
従来、電子部品の保管及び在庫管理等のために、電子部品がラミネートされたキャリアテープ及びカバーテープに包装されている。キャリアテープには複数のポケットが長さ方向に配列されており、各ポケットに電子部品が収容され、カバーテープがポケットを覆うようにしてキャリアテープに貼り付けられている。
特許文献1には、カバーテープをキャリアテープから剥離しつつ、電子部品である物品をキャリアテープから取り出す装置が開示されている。以下、特許文献1に用いられた符号を括弧書きで表記し、特許文献1に記載の装置について説明する。
リール(1)に巻回されたテープ(2)は、キャリアテープ(3)にカバーテープ(4)が貼り付けられたものである。リール(1)から引き出されたテープ(2)は、ローラー(32)、ローラー(33)、ローラー(34)の順に、こられローラー(32〜34)によって案内される。テープ(2)のうちカバーテープ(4)が、ローラー(34)の上に設けられた剥離板によって折り返される。これにより、カバーテープ(4)がキャリアテープ(3)から剥離される。
剥離されたカバーテープ(4)は巻取リール(49)に巻き取られる。剥離されたキャリアテープ(3)は、ローラー(34)からローラー(35)に掛け渡されて、巻取リール(39)に巻き取られる。
ローラー(34)とローラー(35)の間の上方には、回転盤(71)が設けられている。この回転盤(71)の中心軸は、ローラー(34)からローラー(35)に掛け渡されたキャリアテープ(3)の側方に配置されている。この回転盤(71)は、回転駆動機(80)によって中心軸周りに回転駆動される。吸着ノズルである複数のピックアップ部(72)は、回転盤(71)から下方に向けて設けられている。これらピックアップ部(72)は、周方向に沿って等間隔で配列されている。ピックアップ部(72)がキャリアテープ(3)によって搬送される物品(6)の上に重なった時、その物品(6)がピップアップ部(72)に吸着されて、取り出される。
特開2016−204105号公報
特許文献1の記載の技術では、キャリアテープ(2)及び回転盤(71)を上から見ると、キャリアテープ(3)によって搬送される物品(6)の直線状軌道は、旋回するピックアップ部(72)の円弧状軌道の接線となる。回転盤(71)の回転中、ピックアップ部(72)は、前記直線状軌道を基準とした深い角度で、前記直線状軌道と前記円状軌道との接点を周方向に通過する。つまり、ピックアップ部(72)が物品(6)の上に重なるのは一瞬である。それゆえ、物品(6)がピックアップ部(72)に吸着されず、物品(6)が取り出されない確率が高くなる。
そこで、以上のような課題を解決することを目的とする。つまり、テープから物品が取り出されない確率を低くすることを目的とする。
以上の課題を解決するために、テープの長さ方向に配列された複数の物品を取り出す物品取出装置は、前記テープを前記テープの長さ方向に送るテープ送り機と、外周面を有し、その外周面の周方向に配列される複数の吸着口を有する吸引ホイールと、前記吸引ホイールを回転駆動する駆動部と、を備え、前記吸引ホイールの回転軸が前記テープに対して垂直な方向から前記テープの幅方向に対して傾斜し、前記吸引ホイールの前記外周面が前記テープに近接する。
以上によれば、吸引ホイールをテープの幅方向に見た場合、吸引ホイールの周は、テープに対して垂直な方向を短径とし、テープの長さ方向を長径とした楕円状となる。つまり、吸引ホイールをテープの幅方向に見た場合、吸着口の軌道が楕円状となる。
それゆえ、吸着口は、テープの長さ方向を基準として浅い角度でテープ近傍を周方向に通過する。よって、物品に吸着口に吸着されやすくなり、物品が取り出されない確率が低くなる。
本発明の実施態様によれば、物品に吸着口に吸着されやすくなり、物品が取り出されない確率が低くなる。
物品取出装置の前面図である。 物品取出装置の上面図である。 切断面III−IIIの断面図である。 切断面IV−IVの断面図である。 ラミネートテープ及びリールの斜視図である。
以下、図面を参照して、本発明の実施形態について説明する。以下に述べる実施形態には、本発明を実施するために技術的に好ましい種々の限定が付されているが、本発明の範囲を以下の実施形態及び図示例に限定するものではない。
1. テープ及び供給源のリール
図5は、ラミネートテープ1及びリール20の斜視図である。図5に示すようにラミネートテープ1がリール20に巻回され、そのリール20が図1に示す物品取出装置10に装着される。
図5に示すように、このラミネートテープ1は細長い帯状の包装体であり、内容物としての複数の物品6がラミネートテープ1の長さ方向に配列された状態でラミネートテープ1に包装されている。ラミネートテープ1はキャリアテープとも称し、物品6を搬送するためのテープである。そのため、以下、ラミネートテープ1をキャリアテープ1と称する。また、物品6がICチップであるので、以下、物品6をICチップという。
キャリアテープ1は、ベーステープ2、カバーテープ3及び複数のICチップ6を有する。ベーステープ2及びカバーテープ3は、一定幅で細長く帯状に形成された樹脂製又は紙製のものである。ベーステープ2には、複数の送り穴(perforations)5がベーステープ2の長さ方向に等間隔で配列されるように形成されている。ベーステープ2には、凹状の複数のポケット4がベーステープ2の長さ方向に等間隔で配列されるように形成されている。ポケット4はエンボス加工によって形成されるので、ベーステープ2はエンボステープとも称する。ポケット4には、ICチップ6が収容されている。カバーテープ3がこれらポケット4を覆うようにしてベーステープ2に貼り付けられることによって、これらICチップ6がキャリアテープ1に包装される。
2. 物品取出装置の概要
図1は、物品取出装置10の正面図である。図2は、物品取出装置10の平面図である。図3は、図1において切断箇所をIII−IIIによって表した切断面の断面図である。図4は、図3において切断箇所をIV−IVによって表した切断面の断面図である。
この物品取出装置10は、ベーステープ2からカバーテープ3を剥離しつつ、そのベーステープ2からICチップ6を順次取り出して、それらICチップ6を受取機器90に供給する。受取機器90は例えば搬送機、マウンタ、包装機、埋込機、打錠機又は吸引機である。搬送機は、ICチップ6を搬送する装置である。マウンタは、ICチップ6を回路基板に実装する装置である。包装機は、ICチップ6を包装する装置である。埋込機は、ICチップ6を対象物に埋め込む装置である。打錠機は、ICチップ6とともに粉を圧縮して、錠剤を成型する装置である。吸引機は、負圧によりICチップ6を吸引するとともに保持する装置である。
この物品取出装置10は、機枠11、ガイド12、剥離部材13、押さえ部材16、テープ送り機19、第1のシャフト31、傘歯車34、第1の吸引ホイール40、第1のベース体50、第2のシャフト61、傘歯車64、モーター65、第2の吸引ホイール70及び第2のベース体80等を備える。
3. キャリアテープの搬送及び剥離
テープ送り機19は、キャリアテープ1を長さ方向に送ることによって取出口15の直前においてベーステープ2からカバーテープ3を剥離するとともに、剥離されたベーステープ2に取出口15の下を左から右へ通過させる。ベーステープ2が取出口15の下を通過するので、ICチップ6が取出口15に順次供給される。
テープ送り機19は、供給源リール20、繰出モーター21、ガイドプーリー22、スプロケット23、ドライブモーター24、第1の巻取リール25、第1の巻取モーター26、ガイドプーリー27、第2の巻取リール28及び第2の巻取モーター29を有する。供給源リール20、繰出モーター21、ガイドプーリー22、スプロケット23、ドライブモーター24、第1の巻取リール25、第1の巻取モーター26、ガイドプーリー27及び第2の巻取リール28の回転軸は何れも水平に設けられている。
ガイドプーリー22が機枠11の前部に回転可能に取り付けられている。ガイドプーリー22の右方において、ドライブモーター24が機枠11に固定されている。ドライブモーター24にはスプロケット23が連結されて、ドライブモーター24によってスプロケット23が回転駆動される。
ガイドプーリー22とスプロケット23との間において、ガイド12が機枠11の前部に取り付けられている。ガイド12の上には剥離部材13及び押さえ部材16が設けられている。剥離部材13と押さえ部材16は左右に離間しており、これらの間に取出口15が形成されている。剥離部材13の左上において、ガイドプーリー27が機枠11の前部に回転可能に取り付けられている。
リール20は、ガイドプーリー22の下方において繰出モーター21に連結されている。キャリアテープ1は、リール20から繰り出されて、ガイドプーリー22に案内される。このキャリアテープ1は、ガイドプーリー22からガイド12と剥離部材13の間の隙間を通って、取出口15の下にまで水平に案内される。カバーテープ3が取出口15の縁となる剥離部材13の端部14によって折り返されており、これによりカバーテープ3がベーステープ2から剥離される。
剥離されたカバーテープ3は、ガイドプーリー27を経由して第2の巻取リール28にまで案内される。
剥離されたベーステープ2は、剥離部材13の端部14の下からガイド12と押さえ部材16の間の隙間を通って、スプロケット23に水平に案内される。更に、ベーステープ2は、スプロケット23から第1の巻取リール25にまで案内される。
スプロケット23の歯がベーステープ2の送り穴5に噛み合う。スプロケット23がドライブモーター24によって回転駆動されることによって、キャリアテープ1、ベーステープ2及びカバーテープ3が搬送される。供給源リール20が繰出モーター21によって回転駆動されることによって、キャリアテープ1が供給源リール20から引き出される。第1の巻取リール25が第1の巻取モーター26によって回転駆動されることによって、ベーステープ2が第1の巻取リール25に巻き取られる。第2の巻取リール28が第2の巻取モーター29によって回転駆動されることによって、カバーテープ3が第2の巻取リール28に巻き取られる。
キャリアテープ1、ベーステープ2及びカバーテープ3が搬送されることによって、ICチップ6が取出口15の下に順次供給される。ドライブモーター24が制御部によって定速制御され、ドライブモーター24の回転速度が一定である。そのため、キャリアテープ1、ベーステープ2及びカバーテープ3の搬送速度が一定であるとともに、ICチップ6が一定周期で取出口15に順次供給される。
4. 第1のシャフト、吸引ホイール及びベース体
第1のシャフト31は、2体のベアリング32によって取出口15の後ろ側において機枠11に回転可能に支持されている。第1のシャフト31は、鉛直方向から取出口15側へ45°に傾斜している。つまり、第1のシャフト31は、ベーステープ2に対して垂直な方向からベーステープ2の上面側へ45°に傾斜しているとともに、ベーステープ2の幅方向に対して45°に傾斜している。
第1のシャフト31の上端が円盤状の第1の吸引ホイール40の中央部に差し込まれている。保持具33が第1のシャフト31の上端に螺合する。これによって、第1の吸引ホイール40が保持具33により第1のシャフト31に固定されている。第1の吸引ホイール40は第1のシャフト31に対して垂直に設けられている。つまり、第1の吸引ホイール40の周を通る平面は第1のシャフト31に対して垂直になっている。第1のシャフト31の中心軸と第1の吸引ホイール40の中心軸が同軸状に配置されている。第1のシャフト31がベアリング32によって回転可能に支持されているので、第1のシャフト31の中心軸が第1のシャフト31の回転軸となり、第1の吸引ホイール40の中心軸が第1の吸引ホイール40の回転軸となっている。
第1の吸引ホイール40の回転軸及び第1のシャフト31の回転軸が、鉛直方向からベーステープ2の上面側へ45°に傾斜しているとともに、ベーステープ2の幅方向に対して45°に傾斜している。従って、図3のように第1の吸引ホイール40をベーステープ2の長さ方向に見た場合、第1の吸引ホイール40は、ベーステープ2の長さ方向に対して平行且つベーステープ2に対して垂直な基準面に対して傾斜している。つまり、第1の吸引ホイール40の周を通る平面が前記基準面に対して傾斜している。その基準面は鉛直面であり、その基準面に対する第1の吸引ホイール40の傾斜角は45°に設定されている。なお、この傾斜角をキャンバー角と称することもある。
第1の吸引ホイール40の外周面41は、頂点41aの頂角が90°の裁頭円錐面状に形成されている。つまり、第1の吸引ホイール40の外周面41は、第1の吸引ホイール40の回転軸から径方向外側に離れるとともにその回転軸に対して45°に傾斜する線分を、第1の吸引ホイール40の回転軸回りに回転することによって形作られた回転面形状に形成されている。前記線分は母線ともいい、前記線分の延長線と第1の吸引ホイール40の回転軸は取出口15の後ろ側において交差する。また、ベーステープ2を幅方向に延長させた延長面2aは、裁頭円錐面の頂点41aを通る。
第1の吸引ホイール40の外周面41は取出口15においてベーステープ2の上面に近接する。第1の吸引ホイール40の回転軸を通る鉛直面と外周面41との下側交線はベーステープ2の幅方向に対して平行であり、上側交線はベーステープ2に対して垂直である(図3参照)。
第1の吸引ホイール40の外周面41には、複数の吸着口42が形成されている。これら吸着口42は、第1の吸引ホイール40の回転軸周りの周方向に等間隔で配列されている。第1の吸引ホイール40の回転による吸着口42の軌道は円形となり、図3に示す断面は吸着口42の軌道の最下点と最上点を通る。
第1の吸引ホイール40の外周面41の周速度は、ベーステープ2の搬送速度に等しい。また、吸着口42のピッチは、ベーステープ2に配列されたポケット4のピッチに等しい。従って、第1の吸引ホイール40の回転中及びベーステープ2の搬送中、吸着口42が軌道の最下点を通過するタイミングと、ポケット4が第1の吸引ホイール40及び第1のシャフト31の回転軸を通る鉛直面に交差するタイミングとは、同期する。そのため、その同期タイミングにおいて吸着口42が取出口15内のポケット4に対向する。
第1の吸引ホイール40の下面には、吸着口42と同数の通気口43が形成されている。これら通気口43は、第1の吸引ホイール40の回転軸周りの周方向に等間隔で配列されている。
第1の吸引ホイール40の内部には、吸着口42及び通気口43と同数の流路44が形成されている。流路44が通気口43から吸着口42にかけて径方向に延在して、流路44の一端が通気口43として開口し、流路44の他端が吸着口42として開口する。
第1の吸引ホイール40はリング状の第1のベース体50上に配置されている。第1のベース体50が第1のシャフト31の周囲に配置されているとともに、機枠11に固定されている。そのため、第1の吸引ホイール40が回転しても、第1のベース体50が回転しない。
第1のベース体50の上面には円弧状の負圧溝51が形成されている。第1の吸引ホイール40が負圧溝51に被さっており、第1の吸引ホイール40の下面が第1のベース体50の上面に気密に接触している。負圧溝51は配管53を介して真空ポンプ等の空圧機器に接続され、この空圧機器によって負圧溝51には負圧が付与される。
負圧溝51は、第1のシャフト31の回転軸を中心にして、取出口15側から第1の吸引ホイール40の回転の向きに取出口15の反対側まで円弧状に形成されている。第1のシャフト31の回転軸から負圧溝51までの径は第1のシャフト31の回転軸から通気口43までの径に等しい。そのため、第1の吸引ホイール40の回転によって通気口43が負圧溝51に沿って周方向に移動する。通気口43が負圧溝51に重なると、流路44及び吸着口42に負圧が付与される。吸着口42が取出口15の上に位置している場合、その吸着口42に通じる通気口43は負圧溝51に重なっているので、取出口15内にあるICチップ6がその吸着口42に吸着される。
第1のベース体50には、正圧ポート52が形成されている。この正圧ポート52は配管54を介してコンプレッサ等の空圧機器に接続され、この空圧機器によって正圧ポート52には正圧が付与される。
正圧ポート52は、負圧溝51の一端部(その一端部は、取出口15側とは反対側の端部である。)に周方向に隣接した位置に配置されている。第1のシャフト31の回転軸から正圧ポート52までの径は第1のシャフト31の回転軸から通気口43までの径に等しい。そのため、第1の吸引ホイール40の回転によって通気口43が正圧ポート52の上を周方向に通過する。通気口43が正圧ポート52に重なると、流路44及び吸着口42に正圧が付与される。そのため、ICチップ6が正圧によって吸着口42から離脱する。
5. 第2のシャフト、吸引ホイール及びベース体
第2のシャフト61は、ベアリング62によって取出口15の後ろ側において機枠11に回転可能に支持されている。第2のシャフト61の中心軸は第2のシャフト61の回転となっている。第2のシャフト61の中心軸は、鉛直に設けられているとともに、第1のシャフト31の回転軸に対して45°に傾斜する。第1のシャフト31の回転軸と第2のシャフト61の回転軸と正圧ポート52は、同一の鉛直面、つまり図3に示す断面を通る。第2のシャフト61の下部に傘歯車64が設けられ、第1のシャフト31の下部に傘歯車34が設けられている。傘歯車64と傘歯車34が噛み合う。第2のシャフト61、第1のシャフト31、第1の吸引ホイール40及び第2の吸引ホイール70はモーター65によって回転駆動される。モーター65は制御部によって定速制御される。
第2のシャフト61の上端には、第2の吸引ホイール70が保持具63によって固定されている。第2の吸引ホイール70は第2のシャフト61に対して垂直に設けられている。つまり第2の吸引ホイール70の周を通る平面が第2のシャフト61に対して垂直になっている。従って、第2の吸引ホイール70の周を通る平面は、第1の吸引ホイール40の周を通る平面に対して傾斜する。また、第2の吸引ホイール70は、ベーステープ2の長さ方向及び幅方向に対して平行である。
第2のシャフト61の中心軸と第2の吸引ホイール70の中心軸が同軸状に配置されている。第2のシャフト61の中心軸が第2のシャフト61の回転軸となり、第2の吸引ホイール70の中心軸が第2の吸引ホイール70の回転軸となっている。
第2の吸引ホイール70の外周面71は円柱面状に形成されている。
この第2の吸引ホイール70は、取出口15内のベーステープ2よりも高い位置に配置されている(図3参照)。第2の吸引ホイール70は、第1の吸引ホイール40の後ろ側において第1の吸引ホイール40に対して隣接する。また、第2の吸引ホイール70の回転軸は、第1の吸引ホイール40の回転軸を通る鉛直面と外周面41との上側交線に対して平行である。第2の吸引ホイール70の外周面71は、前記上側交線に近接する。
第1の吸引ホイール40に吸着口42、通気口43及び流路44が形成されているのと同様にして、第2の吸引ホイール70にも吸着口72、通気口73及び流路74が形成されている。なお、吸引ホイール40,70の回転中、吸着口42が第1のシャフト31の回転軸と第2のシャフト61の回転軸とを通る鉛直面に交差するタイミングと、吸着口72が第1のシャフト31の回転軸と第2のシャフト61の回転軸とを通る鉛直面に交差するタイミングとは、同期する。そのため、その同期タイミングにおいて吸着口42と吸着口72が対向する。
第2の吸引ホイール70はリング状の第2のベース体80上に配置されている。第2のベース体80が第2のシャフト61の周囲に配置されているとともに、機枠11に固定されている。
第2のベース体80の上面には円弧状の負圧溝81が形成されている。第2の吸引ホイール70が負圧溝81に被さっており、第2の吸引ホイール70の下面が第2のベース体80の上面に気密に接触している。負圧溝81は配管83を介して真空ポンプ等の空圧機器に接続され、この空圧機器によって負圧溝81には負圧が付与される。
負圧溝81は、第2のシャフト61の回転軸を中心にして、正圧ポート52側から第2の吸引ホイール70の回転の向きに受取機器90側まで円弧状に形成されている。通気口73が負圧溝81に重なると、流路74及び吸着口72に負圧が付与される。吸着口72が吸着口42に対向している場合、その吸着口42に通じる通気口43が正圧ポート52に重なり、その吸着口72に通じる通気口73が負圧溝81に重なっている。そのため、ICチップ6が吸着口42から吸着口72に飛び移って、そのICチップ6がその吸着口72に吸着される。
第2のベース体80には、正圧ポート82が形成されている。この正圧ポート82は配管84を介してコンプレッサ等の空圧機器に接続され、この空圧機器によって正圧ポート82には正圧が付与される。
正圧ポート82は、負圧溝81の一端部(その一端部は、受取機器90側の端部である。)に周方向に隣接した位置に配置されている。第2の吸引ホイール70の回転によって通気口73が正圧ポート82の上を周方向に通過する。通気口73が正圧ポート82に重なると、流路74及び吸着口72に正圧が付与される。そのため、ICチップ6が正圧によって吸着口72から受取機器90に受け渡される。
6. 物品取出装置の動作
スプロケット23がドライブモーター24によって回転駆動されることによって、キャリアテープ1、ベーステープ2及びカバーテープ3が一定速度で搬送される。キャリアテープ1が搬送されることによって、カバーテープ3が剥離部材13の端部14によってベーステープ2から剥離される。剥離されたベーステープ2は第1の巻取モーター26によって第1の巻取リール25に巻き取られる。剥離されたカバーテープ3は第2の巻取モーター29によって第2の巻取リール28に巻き取られる。
キャリアテープ1、ベーステープ2及びカバーテープ3の搬送中、モーター65によって吸引ホイール40,70が回転駆動される。吸引ホイール40,70の回転中は、負圧溝51,81に負圧が付与され、正圧ポート52,82に正圧が付与される。
カバーテープ3の搬送によって、ポケット4が、第1のシャフト31の回転軸を通る鉛直面を、つまり図3の断面を順次通過する。第1の吸引ホイール40の回転によって、吸着口42が軌道の最下点を順次通過する。吸着口42が軌道の最下点を通過するタイミングとポケット4が図3の断面を通過するタイミングとが同期する。従って、吸着口42とポケット4が図3の断面に通過する時には、吸着口42とポケット4が対向する。そうすると、ポケット4内のICチップ6が吸着口42の負圧によって吸着口42に吸着されて、これによりICチップ6がポケット4から取り出される。順次取り出されたICチップ6は第1の吸引ホイール40の回転によって旋回される。
シャフト31の回転軸を中心にして取出口15から180°の位置においては、吸着口42が軌道の最上点を通過するタイミングと、吸着口72が図3の断面を通過するタイミングとが同期する。従って、吸着口42と吸着口72が図3の断面に通過する時には、吸着口42と吸着口72が対向する。そうすると、第1の吸引ホイール40によって180°旋回したICチップ6は、吸着口42の正圧によって吸着口42から離脱するとともに、吸着口72の負圧によって吸着口72に吸着される。これにより、ICチップ6が吸着口42から吸着口72に受け渡される。順次受け渡されたICチップ6は第2の吸引ホイール70の回転によって旋回される。180°旋回したICチップ6は、吸着口72の正圧によって吸着口72から離脱して、受取機器90に受け渡される。
7. 有利な効果
(1) 第1のシャフト31は、ベーステープ2に対して垂直な方向からベーステープ2の上面側に傾斜している。これにより、第1の吸引ホイール40は、図3に示すように、ベーステープ2の長さ方向に対して平行且つベーステープ2に対して垂直な基準面に対して傾斜している。
そのため、図1のように第1の吸引ホイール40をベーステープ2の幅方向に見た場合、第1の吸引ホイール40の周は、上下方向を短径とし、ベーステープ2の長さ方向を長径とした楕円状となる。つまり、図1のように第1の吸引ホイール40をベーステープ2の幅方向に見た場合、吸着口42の軌道が楕円状となる。
それゆえ、吸着口42は、ベーステープ2の長さ方向を基準として浅い角度で最下点を周方向に通過する。つまり、吸着口42とポケット4が対向する際に、吸着口42の上下方向の変位の時間的変化率が小さくなる。よって、ICチップ6に吸着口42に吸着されやすく、ICチップ6がポケット4から取り出されない確率が低くなる。
(2) 第1の吸引ホイール40の外周面41が裁頭円錐面に形成されている。また、ベーステープ2を幅方向に延長させた延長面2aは、その裁頭円錐面の頂点41aを通る。
そのため、吸着口42が軌道の最下点を通過する時、その吸着口42がポケット4に正対する。よって、ICチップ6に吸着口42に吸着されやすく、ICチップ6がポケット4から取り出されない確率が低くなる。
(3) 第1のシャフト31は、ベーステープ2に対して垂直な方向からベーステープ2側に45°に傾斜するとともに、ベーステープ2の幅方向に対して45°に傾斜する。更に、外周面41の形状たる裁頭円錐面の頂点41aの頂角が90°である。
そのため、吸着口42が軌道の最下点を通過する時、その吸着口42が下方に向くと共に、ポケット4に正対する。よって、ICチップ6が吸着口42に吸着されやすく、ICチップ6がポケット4から取り出されない確率が低くなる。
一方、吸着口42が軌道の最上点を通過する時、その吸着口42が後方に向く。よって、吸着口42が軌道の最上点を通過する時、ICチップ6を後方へ受け渡しやすい。特に第2の吸引ホイール70の外周面71が円柱面状であるので、吸着口42が軌道の最上点を通過する時、吸着口42と吸着口72が正対する。よって、ICチップ6が吸着口42から吸着口72に受け渡されない確率が低くなる。
8. 変形例
以上、本発明を実施するための形態について説明したが、上記実施形態は本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定して解釈するためのものではない。本発明はその趣旨を逸脱することなく変更、改良され得るとともに、本発明にはその等価物も含まれる。
(1) 以上の実施の形態では、モーター65が第2のシャフト61に連結されている。それに対して、モーター65が第1のシャフト31に連結されてもよい。また、傘歯車34,64を用いず、第1のシャフト31と第2のシャフト61が別々の動力源によって回転駆動されてもよい。また、モーター65がシャフト31,61に直接連結されておらず、モーター65の動力が歯車機構、ベルト伝動機構又はチェーン伝動機構によってシャフト31,61に伝達されるものとしてもよい。
(2) キャリアテープ1のポケット4に収容されたものはICチップ6に限るものではない。例えば、能動素子、受動素子その他の電子部品がポケット4に収容されてもよいし、電子部品以外の小片がポケット4に収容されてもよい。
2…ベーステープ(テープ)
2a…延長面
10…物品取出装置
19…テープ送り機
31…第1のシャフト(シャフト)
40…第1の吸引ホイール(吸引ホイール)
41…外周面
41a…頂点
42…吸着口
65…モーター(駆動部)

Claims (4)

  1. テープの長さ方向に配列された複数の物品を取り出す物品取出装置であって、
    前記テープを前記テープの長さ方向に送るテープ送り機と、
    外周面を有し、その外周面の周方向に配列される複数の吸着口を有する吸引ホイールと、
    前記吸引ホイールを回転駆動する駆動部と、を備え、
    前記吸引ホイールの回転軸が前記テープに対して垂直な方向から前記テープの幅方向に対して傾斜し、
    前記吸引ホイールの前記外周面が前記テープに近接する
    物品取出装置。
  2. 前記外周面が裁頭円錐面に形成されている
    請求項1に記載の物品取出装置。
  3. 前記テープを幅方向に延長させた延長面が、前記裁頭円錐面の頂点を通る
    請求項2に記載の物品取出装置。
  4. 前記回転軸が前記テープに対して垂直な方向から前記テープ側に45°に傾斜するとともに、前記テープの幅方向に対して45°に傾斜し、
    前記裁頭円錐面の前記頂点の頂角が90°である
    請求項3に記載の物品取出装置。
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