JP4121610B2 - 油揚げ払出し装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、いわゆる薄揚げと称される油揚げを1枚づつ払い出すために使用される油揚げ払出し装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、例えば、稲荷ずし用に使用される油揚げは、半分に切断したのち、これを所定枚数に重ねた状態で包装されている。これらの作業は、作業者による手作業で行われていたため、衛生面や作業能率の面で必ずしも好ましいものではなかった。従って、この作業を機械化することによって省力化を図れば、衛生面や作業能率の面での問題を解決することができる。
【0003】
この機械化に際しては、油揚げを1枚づつ搬送していくラインが要求されるが、従来、油揚げを1枚づつ搬送していくための装置は見受けられない。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上述のような要求に鑑みなされたもので、油揚げを1枚づつ確実に搬送することができるようにした油揚げ払出し装置を提供することを課題としている。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、本発明(請求項1)の油揚げ払出し装置(払出し装置と略称する)は、
多数枚の油揚げを平面同士が面合する状態に並列させた油揚げ束を、その並列方向に搬送する油揚げ供給装置(供給装置と略称する)と、
この油揚げ供給装置から油揚げを1枚づつ吸着して搬送するための油揚げ吸着搬送装置(吸着搬送装置と略称する)と、
この油揚げ吸着搬送装置からの油揚げを受け継いで搬送する油揚げ送出装置(送出装置と略称する)とを備えた油揚げ払出し装置であって、
前記油揚げ吸着搬送装置には、裏面から表面に貫通して多数の小穴が形成されている搬送部材が設けられ、
この搬送部材は、前記油揚げ供給装置の先端部に対向する吸着位置から油揚げ送出装置の始端部に対向する送出位置に向けて回動可能に設けられ、
前記吸着位置と送出位置との間において搬送部材の裏面に対向して吸引装置が設けられ、
前記油揚げ供給装置には油揚げ束を搬送するための搬送コンベアが設けられ、この搬送コンベアとの間で油揚げ束を挟持させる状態で搬送させる押えベルトが搬送コンベアの上方に油揚げ束Mの保持空間を介して設けられている構成とした。
【0006】
この払出し装置において、搬送部材が回動ベルトに多数の小穴が形成された搬送ベルトである態様(請求項2)と、搬送部材が回転ドラムに多数の小穴が形成された搬送ドラムである態様(請求項3)とがある。
【0007】
この払出し装置では、吸着搬送装置を介して供給装置から送出装置に油揚げを1枚づつ払い出すことになる。この場合、吸着搬送装置の搬送部材は、吸着位置と送出位置との間において吸引装置による吸引力を多数の小穴を通して外部に作用させている。そして、供給装置によって搬送される油揚げ束の先端が吸着位置に対向しているため、この油揚げ束の先端の油揚げが吸着位置において搬送部材に吸着される。
【0008】
このようにして吸着された油揚げは、搬送部材に吸着された状態のまま送出位置に搬送され、この送出位置では吸引装置による吸引力が断たれて吸着が解除されているため、搬送部材から油揚げが離れ、送出位置に始端を対向した送出装置に受け渡されることになる。以後は同様にして、供給装置の油揚げ束から油揚げが1枚づつ順次に吸着搬送装置を介して送出装置に払い出されるものである。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面により説明する。図1は本発明の実施の第1形態である払出し装置の断面図、図2はこの払出し装置に設けられた吸着搬送装置の平面図である。
【0010】
この払出し装置Aは、供給装置1と、吸着搬送装置2と、送出装置3とを備えている。前記供給装置1は多数枚の油揚げmを平面同士が面合する状態に並列させた油揚げ束Mを、その並列方向に搬送する。前記吸着搬送装置2は供給装置1から油揚げmを1枚づつ吸着して搬送する。前記送出装置3は吸着搬送装置2からの油揚げmを受け継いで搬送する。
【0011】
前記供給装置1には、油揚げ束Mを搬送するための搬送コンベア10が設けられ、この搬送コンベア10の上方に油揚げ束Mの保持空間11を介して押えベルト12が設けられている。この押えベルト12は先端側のガイド13と基端側のローラ14との間に、下側移行部12aが搬送コンベア10と平行になるように掛け回され、その下側移行部12aの裏面に当て板15が設けられている。尚、前記ガイド13は当て板15の先端に取り付けられ、この当て板15の基端はフレーム4に軸着され、そして、この当て板15の先端部が連接棒16を介してクランク17に連結されている。従って、このクランク17の回転に伴って当て板15の先端部が上下に揺動し、油揚げ束Mの各油揚げmが分離しやすいように振動を与える構造となっている。
【0012】
前記吸着搬送装置2には、対向配置された2枚の略三角形状の側板20,20の上部に吸気空間21が区画形成されると共に、この吸気空間21の上端部に切欠開口部22が形成されたボックスフレーム23が設けられている。前記切欠開口部22の前縁22aは、前記した供給装置1の保持空間11に対向する位置に形成され、又、後縁22bは側板20の上端からやや下側に位置して形成され、この後縁22bから側板20の下側後端部に向けた下り傾斜面24がボックスフレーム23に形成されている。尚、前記吸気空間21には、吸気穴21aが側板20を貫通して形成され、この吸気穴21aに連通して吸気ブロア25が設けられている。
【0013】
そして、前記吸気空間21内には切欠開口部22に外周面が露出する状態で吸引装置としての中空ドラム26が軸支されている。この中空ドラム26の外周面には数条(3条)の環状溝26aが形成され、この環状溝26aの溝底に多数の空気穴27が形成されている。又、前記側板20の下側前端部及び下側後端部にそれぞれローラ28a,28bが軸着され、このローラ28a,28bと前記中空ドラム26との間に搬送部材としての搬送ベルト29が掛け回されている。この搬送ベルト29には中空ドラム26の環状溝26aと符合する位置に裏面から表面に貫通して多数の小穴29aが形成されている。
【0014】
前記送出装置3には送出コンベア30が設けられ、この送出コンベア30は、その始端が前記ボックスフレーム23の下り傾斜面24の下端部に対向するように掛け回されている。
【0015】
以上のように構成することにより、吸着搬送装置2の搬送ベルト29は、供給装置1の先端部に対向する吸着位置Pから送出装置3の始端部に対向する送出位置Qに向けて回動可能に設けられ、前記吸着位置Pと送出位置Qとの間(切欠開口部22の範囲)において搬送ベルト29の裏面に対向して中空ドラム26が設けられた構造となる。
【0016】
従って、この払出し装置Aでは、吸着搬送装置2を介して供給装置1から送出装置3に油揚げmを1枚づつ払い出すことができる。即ち、吸着搬送装置2の搬送ベルト29は、切欠開口部22の範囲において、中空ドラム26の空気穴27及び搬送ベルト29の小穴29aを通して吸引力を外部に作用させている。そして、供給装置1の搬送コンベア10と押えベルト12によって挟持された状態で搬送される油揚げ束Mの先端が吸着位置Pに対向しているため、この供給装置1による搬送に伴って、油揚げ束Mの先端の油揚げmが吸着位置Pにおいて搬送ベルト29に吸着される。
【0017】
このようにして吸着された油揚げmは、搬送ベルト29に吸着された状態のまま搬送され、これが切欠開口部22の後縁22bに移行した時点で搬送ベルト29が中空ドラム26から離反していくため、油揚げmに吸引力が作用せず、吸着が解除される。そして、この後は搬送ベルト29上に載置されたまま下り傾斜面24を移行し、送出位置Qで送出装置3の送出コンベア30上に受け渡されることになる。以後は同様にして、供給装置1の油揚げ束Mから油揚げmが1枚づつ順次に吸着搬送装置2を介して送出装置3に払い出されるものである。
【0018】
従って、この払出し装置Aを使用すると、油揚げmを1枚づつ確実に搬送することができるもので、特に、吸引力を用いているため、油揚げmが重なることなく、払出しピッチを一定にして払い出すことができるし、又、油揚げmの製品寸法が不揃いであっても対応することができる。
【0019】
次に、図3は本発明の実施の第2形態である払出し装置の断面図である。この払出し装置Bでは、吸着搬送装置5の搬送部材が搬送ドラム50によって形成されている点で実施の第1形態とは異なっている。即ち、この吸着搬送装置5には裏面から表面に貫通して多数の小穴51が形成された搬送ドラム50が設けられている。そして、この搬送ドラム50の内部に吸引装置としての中空吸引部材52が設けられ、この中空吸引部材52には吸着位置Pと送出位置Qとの間において搬送ドラム50の裏面に対向した円弧面53が形成され、この円弧面53に多数の空気穴54が形成された構造となっている。尚、供給装置1及び送出装置3の構成は前記実施の第1形態と同様であるため、その説明を省略する。
【0020】
この払出し装置Bでは、吸着搬送装置5の搬送ドラム50は、中空吸引部材52の円弧面53の範囲において、円弧面53の空気穴54及び搬送ドラム50の小穴51を通して吸引力を外部に作用させている。従って、吸着位置Pにおいて油揚げ束Mの先端の油揚げmが搬送ドラム50に吸着され、この吸着された油揚げmが円弧面53の後縁に移行した時点で搬送ドラム50が中空吸引部材52から離反していくため、油揚げもに吸引力が作用せず、吸着が解除される。そして、この後は搬送ドラム50上に載置されたまま移行し、送出位置Qで送出装置3の送出コンベア30上に受け渡されることになる。
【0021】
以上、本発明の実施の形態を図面により説明したが、具体的な構成はこれに限定されることはない。
【0022】
例えば、前記実施の第1形態では、吸着が解除された後の油揚げmを次の送出コンベア30まで搬送する搬送ベルト29を下り傾斜状に形成しているが、水平状に形成してもよい。この場合、送出コンベア30の始端は前記搬送ベルト29の水平部終端に配置されることになる。
【0023】
【発明の効果】
以上説明してきたように、本発明の払出し装置にあっては、これを使用すると、油揚げを1枚づつ確実に搬送することができるもので、特に、吸引力を用いているため、油揚げが重なることなく、払出しピッチを一定にして払い出すことができるし、又、油揚げの製品寸法が不揃いであっても対応することができる。
【0024】
従って、稲荷ずし用に使用される油揚げやその他の油揚げ等の加工作業や包装作業等に際し、これらの作業を機械化する際の搬送ラインとして本発明の払出し装置を使用することができるという効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の第1形態である払出し装置の断面図である。
【図2】この払出し装置に設けられた吸着搬送装置の平面図である。
【図3】本発明の実施の第2形態である払出し装置断面図である。
【符号の説明】
A 油揚げ払出し装置
m 油揚げ
M 油揚げ束
P 吸着位置
Q 送出位置
1 油揚げ供給装置
2 油揚げ吸着搬送装置
26 中空ドラム(吸引装置)
29 搬送ベルト(搬送部材)
29a 小穴
3 油揚げ送出装置
Claims (3)
- 多数枚の油揚げを平面同士が面合する状態に並列させた油揚げ束を、その並列方向に搬送する油揚げ供給装置と、
この油揚げ供給装置から油揚げを1枚づつ吸着して搬送するための油揚げ吸着搬送装置と、
この油揚げ吸着搬送装置からの油揚げを受け継いで搬送する油揚げ送出装置とを備えた油揚げ払出し装置であって、
前記油揚げ吸着搬送装置には、裏面から表面に貫通して多数の小穴が形成されている搬送部材が設けられ、
この搬送部材は、前記油揚げ供給装置の先端部に対向する吸着位置から油揚げ送出装置の始端部に対向する送出位置に向けて回動可能に設けられ、
前記吸着位置と送出位置との間において搬送部材の裏面に対向して吸引装置が設けられ、
前記油揚げ供給装置には油揚げ束を搬送するための搬送コンベアが設けられ、この搬送コンベアとの間で油揚げ束を挟持させる状態で搬送させる押えベルトが搬送コンベアの上方に油揚げ束Mの保持空間を介して設けられていることを特徴とした油揚げ払出し装置。 - 請求項1記載の油揚げ払出し装置において、前記搬送部材が回動ベルトに多数の小穴が形成された搬送ベルトであることを特徴とした油揚げ払出し装置。
- 請求項1記載の油揚げ払出し装置において、前記搬送部材が回転ドラムに多数の小穴が形成された搬送ドラムであることを特徴とした油揚げ払出し装置。
Priority Applications (1)
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Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP09267698A JP4121610B2 (ja) | 1998-03-19 | 1998-03-19 | 油揚げ払出し装置 |
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Publication Number | Publication Date |
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JPH11266820A JPH11266820A (ja) | 1999-10-05 |
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ID=14061098
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP09267698A Expired - Lifetime JP4121610B2 (ja) | 1998-03-19 | 1998-03-19 | 油揚げ払出し装置 |
Country Status (1)
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-
1998
- 1998-03-19 JP JP09267698A patent/JP4121610B2/ja not_active Expired - Lifetime
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