JPH0366212B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 ＜産業上の利用分野＞ この発明は、例えば食肉スライサーが切断した
食肉片を一定の供給位置で受け取り、包装、計量
等の次の処理位置へ搬出する間に、食肉片の縁を
自動的に折り畳んで、包装し易く所定の大きさに
整えられるようにしたスライス食肉片の搬送装置
に関する。

＜従来の技術＞ 従来、食肉スライサーに食肉片の受取り装置を
付設し、受け取り装置の叩き棒によつて食肉片が
落下する位置にコンベアを配置して、スライス直
後の食肉片を包装、計量等の次の処理位置へ搬送
するようにした搬送装置がある。またこの種の搬
送装置において、コンベアの搬送面上に載せた食
肉片を折り畳むようにした装置には、例えば昭和
57年実用新案公告第48382号がある。

＜発明が解決しようとする課題＞ 上記従来の装置は、食肉片の折り畳みバーが、
複数のベルトから成るコンベアの裏側に横架した
回転軸に取り付けられ、この折り畳みバーがコン
ベア（各ベルト）の間隙から表側に反転して飛び
出すことにより食肉片を折り畳むように構成され
ている。

ところで食肉材料には、幅、高さが一定ではな
いことが多く、供給位置に落下する食肉片がコン
ベア上の一方に偏つたり、長さに長短が生ずる場
合がある。この食肉片の形状の変化に対応して折
り曲げるために、コンベアを横に移動させると、
折り畳みバーがコンベアの間隙から飛び出すこと
ができなくなる。また、上記バーおよび回転軸は
コンベアの裏側に位置するため清掃に不自由であ
つた。

そこで本発明は、食肉片の形状に対応して搬送
体（コンベア）が移動しても、折返し片（折り畳
みバー）は搬送体の移動とは無関係にスライス食
肉片を折り畳み得るスライス食肉片の搬送装置の
提供を目的とする。

＜課題を解決するための手段＞ 本発明における課題解決手段は、第１図に示す
如く、スライス食肉片ｍを供給位置イから所望位
置ハまで搬送するための搬送体Ｃが設けられ、該
搬送体Ｃの供給位置イに、前記スライス食肉片ｍ
の折返し装置Ａが設けられ、前記スライス食肉片
ｍを供給位置イに供給するための受取り装置Ｓが
設けられ、前記折返し装置Ａは、前記搬送体Ｃの
前記搬送面C′に沿つてその上側に配置されるとと
もに搬送方向に直角に配置された回転軸１と、該
回転軸１の回転手段Ｂと、前記回転軸１の周面一
側に設けられた折返し片３とから構成されてい
る。

＜作用＞ 上記課題解決手段において、スライス食肉片ｍ
が受取り装置Ｓで供給位置イに供給されると、回
転手段Ｂが駆動して搬送体Ｃの搬送面C′の上側に
配置された回転軸１が反時計回りにほぼ180゜回転
し、回転軸１の回転と一体に折返し片３が回転
し、スライス食肉片ｍを後方から前方（搬送方
向）に折返し、搬送体Ｃの移動によりスライス食
肉片ｍが所望位置ハまで搬送される。

＜実施例＞ 以下に本発明を図面に示す実施例について説明
する。

図において、Ｆは両側の固定フレームF₁，F₂
と、間に介在する可動フレームF₃，F₄とを互い
に平行に立設した台形をなす板状コンベアフレー
ム、Ｃは、固定フレームF₁，F₂の各内側に沿つ
て無端に張り渡した両側のチエンC₁，C₂と、可
動フレームF₃，F₄の各外側に沿つてそれぞれ２
条ずつ同じく無端に張り渡した中間のチエンC₃，
C₄とからなる搬送体であつて、該搬送体Ｃは、
後述の受取り装置Ｓと搬出コンベア１９との間に
配置されている。

第１図に示すように、食肉片の受取り装置Ｓに
接近して配置されるこの搬送装置の受け取り位置
すなわち受取り装置Ｓ中の叩き棒S′が倒伏する真
下の食肉片の供給位置イに折返し装置Ａが設けら
れ、該折返し装置Ａは、上記搬送体Ｃが形成する
搬送面C′の一側上面にわずかに離間して配置され
るとともに搬送方向に直角に配置され、両端を固
定フレームF₁，F₂の外側に取り付けたブラケツ
ト２に軸受けさせて横架した回転軸１と、回転軸
１の回転手段Ｂと、前記回転軸１の一側面に軸方
向に沿つて多段に固定した多数の折返し片３とか
ら構成されている。前記回転手段Ｂは、前記固定
フレームF₁にブラケツト２を介して回動自在に
支持されたシリンダ１１と、該シリンダ１１に回
動自在に取付けられたクランク１２と、前記回転
軸１と前記クランク１２の回動軸のそれぞれに外
嵌固定された歯車１３とから構成されている。

前記可動フレームF₃，F₄は、それぞれの外側
面に一体に固定した雌ねじ部４ａ，４ｂを、コン
ベアフレームＦの中央下部に設けた左右一対のね
じ軸５ａ，５ｂに嵌め、該ねじ軸５ａ，５ｂを回
転することにより、固定フレームF₁，F₂間で平
行にかつ独自に移動させることができる。

前記両側のチエンC₁，C₂は、図示右側上部の
スプロケツト６ａの下方に設けた中間のスプロケ
ツト６ｂを介して図示左側のスプロケツト６ｃに
達し、中間のチエンC₃，C₄はそれぞれ図示右側
上部のスプロケツト６ｄと左側上部のスプロケツ
ト６ｅを介して図示左側のスプロケツト６ｆに達
する。

上記左側の各スプロケツト６ｃ，６ｆは固定フ
レームF₁，F₂に軸受けされたスプライン軸７に
挿通されており、前記受取り装置Ｓの作動に同調
してオン、オフするモータＭが歯車M′，７′を介
してスプライン軸７を駆動することにより、前記
搬送体Ｃを第１図の反時計回りに間欠循環走行す
る。

８ａ，８ｂは可動フレームF₃，F₄にそれぞれ
取り付けられた転子で、中間のチエンC₃，C₄を
駆動する上記スプロケツト６ｆに設けた円周溝９
ａ，９ｂに嵌合し、可動フレームF₃，F₄の移動
に応じてスプライン軸７に対する各スプロケツト
６ｆの嵌合位置を移動させる。

なお中間のチエンC₃，C₄を張る上記６ｆ以外
の各スプロケツト６は、固定フレームF₁，F₂間
に固定され前記回転軸１と平行に配置された二本
のガイド軸１０を挿通して可動フレームF₃，F₄
に設けた支持軸F′に保持されて同フレームF₃，
F₄と一体にガイド軸１０上を摺動し、スプロケ
ツト６ｆと共に中間チエンC₃，C₄の張設位置を
変更することができる。このチエンC₃，C₄の移
動は、食肉スライサーの肉箱に積載した材料の幅
が狭く、肉箱内で一側に偏つて載せられ、受取り
装置Ｓを経てこの搬送装置に供給される食肉片ｍ
の供給位置が一方に偏つて落下するとき、あるい
は材料の幅と厚さが小で食肉片ｍが小片のときな
どに搬送面C′を横にずらせたり、チエンC₃，C₄
の間隔を調整してそれらに対応させる場合に行
う。

前記回転軸１は、折返し片３の先端を搬送方向
と逆にして受取り装置Ｓの叩き棒S′からの食肉片
ｍの供給を待機しており、図中虚線で示すように
同軸１およびコンベアの搬送面C′上にスライスさ
れた食肉片ｍが供給され、叩き棒S′が復帰する
と、一方のブラケツト２の外側面に設けたシリン
ダ１１に、クランク１２、歯車１３を介して駆動
され、第１図の反時計回りにほぼ180゜回転して食
肉片ｍの後縁（図示右手）を前半部の後に重ね合
わせたのち、シリンダ１１の逆動作により復位す
る。

またこの回転軸１は、両側のブラケツト２に設
けた長孔１４をねじ止めする止めねじ１５を操作
することにより、コンベアの搬送方向に沿つて前
後にその取り付け位置を移動させることができ
る。例えば脂肪層の厚さに応じて食肉片ｍの折り
畳み位置を深浅に調節したり、あるいは、スライ
スした食肉片ｍの幅が狭く、後縁側半分が脂肪層
で占められるような場合に、（食肉スライサーの
使用上、赤身部分よりも硬い脂肪層を下面にして
材料を積載するのでコンベアの搬送面C′上では脂
肪層が後縁になり、搬送装置から包装容器内へ反
転して移し替えたときに、表側前面に脂肪層が表
われるのでそれを防ぐために）折返し片３の上に
食肉片ｍのほぼ前面が載る位置に回転軸１を移動
し、叩き棒S′から供給された食肉片ｍを表裏反転
させて搬送面C′上に載せ替えるような使用もでき
る。

なお図中、１６は上記折返し片３によつて後縁
を折り畳み済みの食肉片ｍを、スプロケツト６
ｄ，６ｅ間でさらに長さ方向の両端から折り返す
第２次の折り畳み装置、１７は上記食肉片ｍを包
装容器１８内へ反転して移し替える反転装置、１
９は食肉片ｍを収容し終えた包装容器１８を例え
ば被覆し計量し値札を付けるラベリング装置等の
次の処理工程へ搬送する搬出コンベアである。そ
して、前記搬送体Ｃは、モータＭの駆動により、
一枚毎に食肉片ｍを供給位置イから第２次の折り
畳み装置１６のある位置ロと、同位置ロから反転
装置１７のある位置ハまでそれぞれ１動作で順次
に搬送する場合と、各位置イ，ロ，ハで刻み送り
して積み並べ、一定枚数毎に次の位置ロ，ハへそ
れぞれ一括送りして、所望枚数毎に包装容器１８
へ移し替えるように図示省略の制御機器によりそ
の搬送動作を制御される。

また本発明の実施に際し、上記搬送体Ｃを構成
する前記チエンC₃，C₄の移動調整手段は、実施
例のように可動コンベアフレームF₃，F₄の移動
によつてなされる場合に限らず、例えば該チエン
C₃，C₄を張り渡しているスプロケツト６がそれ
ぞれスプライン軸７上はガイド軸１０上で軸方向
に移動可能に支持されていればよく、例えば上記
ガイド軸１０および前記転子８ａ，８ｂの支持軸
にそれぞれねじ軸を用い、それぞれの軸に別の操
作チエンを張設するスプロケツトを固定してチエ
ンC₃とC₄を同時にまたは個別に移動可能にする
場合もある。なおこの実施例において搬送体Ｃに
はラダチエンを使用した。

＜発明の効果＞ 以上のように本発明は、スライス食肉片を供給
位置から所望位置まで搬送するための搬送体が設
けられ、該搬送体のスライス食肉片供給位置に、
前記スライス食肉片の折返し装置が設けられ、該
折返し装置は、前記搬送体の前記搬送面に沿つて
その上側に配置されるとともに搬送方向に直角に
配置された回転軸と、該回転軸の回転手段と、前
記回転軸の周面一側に設けられた折返し片とから
構成されているので、直接食肉片に接触する折返
し片および回転軸部分の清掃が容易にできるとと
もに、コンベアの搬送面を軸方向に移動可能な複
数条の搬送体で構成した場合に、この搬送体がど
の位置にあつても折返し片に干渉することがなく
その動作を妨げることがなく、回転軸上に折返し
片を比較的に密に設けたり平板を用いたりするこ
とができ、折返し片が受け取る食肉片の扁平状態
を良好に保持させるようにすることができ、上記
折返し片を具えた回転軸をコンベアの搬送方向に
沿つて移動可能に構成した場合には、その移動機
構の付設と操作を容易にする利点があり、使用上
では折り畳み位置の設定が材料の質および形状の
変化に対応できるといつた優れた効果がある。

【図面の簡単な説明】

図面は本発明の実施例を示すもので、第１図は
その使用状態と共に示す立面図、第２図は平面図
である。 Ｆ：コンベアフレーム、F₁，F₂：固定フレー
ム、F₃，F₄：可動フレーム、Ｃ：搬送体、C′：
搬送面、C₁，C₂，C₃，C₄：チエン、１：回転軸、
２：ブラケツト、３：折返し片、Ｓ：受取り装
置、S′：叩き棒、ｍ：食肉片、４ａ，４ｂ：雌ね
じ部、５ａ，５ｂ：ねじ軸、６，６ａ，６ｂ，６
ｃ，６ｄ，６ｅ，６ｆ：スプロケツト、７：スプ
ライン軸、７′：歯車、Ｍ：モータ、M′：歯車、
８ａ，８ｂ：転子、９ａ，９ｂ：円周溝、１０：
ガイド軸、１１：シリンダ、１２：クランク、１
３：歯車、１４：長孔、１５：止めねじ、１６：
第２次の折り畳み装置、１７：反転装置、１８：
包装容器、１９：搬出コンベア、イ：供給装置、
ロ：第２次の折り畳み位置、ハ：反転位置。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ スライス食肉片を供給位置から所望位置まで
   搬送するための搬送体が設けられ、該搬送体のス
   ライス食肉片供給位置に、前記スライス食肉片の
   折返し装置が設けられ、該折返し装置は、前記搬
   送体の前記搬送面に沿つてその上側に配置される
   とともに搬送方向に直角に配置された回転軸と、
   該回転軸の回転手段と、前記回転軸の周面一側に
   設けられた折返し片とから構成されたことを特徴
   とするスライス食肉片の搬送装置。 ２ 前記回転軸と平行な適宜本数のガイド軸が設
   けられ、該ガイド軸に摺動自在にコンベアフレー
   ムが設けられ、前記ガイド軸に複数のスプロケツ
   トが外嵌され、前記搬送面がスプロケツトに掛巻
   されたチエン搬送体から構成されたことを特徴と
   する特許請求の範囲第１項記載のスライス食肉片
   の搬送装置。 ３ 前記ガイド軸に固定された固定フレームが設
   けられ、前記回転軸が、取付体を介して固定フレ
   ームに取付けられ、前記取付体に、前記搬送面と
   平行な長孔が形成され、該長孔に止めねじが嵌合
   されたことを特徴とする特許請求の範囲第１項記
   載のスライス食肉片の搬送装置。