WO2014192150A1 - ラベル貼付装置 - Google Patents

Abstract

　ラベル帯から、単体ラベル毎に確実かつ効率的に引き剥がして、貼付対象物に貼付することのできるラベル貼付装置を提供する。ラベル貼付装置は、送給されたラベル帯を保持するラベル帯保持部と、ラベル帯保持部に一旦保持されたラベル帯の先頭に位置する先頭ラベルを、隣接するラベルと分離して保持するラベル分離部とを備える。ラベル分離部は、自軸周りに自転するとともに、他軸周りに公転して、ラベル帯保持部に保持された先頭ラベルと対峙した際に、先頭ラベルを吸着して隣接するラベルから引き剥がすラベル吸着カップを備える。

Description

ラベル貼付装置

　開示の実施形態は、ラベル貼付装置に関する。

　従来、送給されてくるラベル貼付対象物に、順次、ラベルを貼付していくラベル貼付装置は広く知られている（例えば、特許文献１を参照）。

　かかるラベル貼付装置では、通常、一主面に粘着層が形成されたラベルを、剥離紙からなる台紙上に所定間隔をあけて仮着したラベル帯が用いられる。そして、かかるラベル帯を、先端が鋭角に折り返されたコンベアベルトにより搬送しながら、先端の鋭角部分でラベルをめくるように分離し、分離したラベルを貼付対象物に貼り付ける。

　他方、通常用いられる従来のラベルは、実際のラベル貼付作業時においても、環境的にも、剥離紙の処理が面倒である。そこで、剥離紙を不要とした、いわゆるノーセパレータラベルと称されるラベルが開発された。

　ノーセパレータラベルの一形態として、例えば、帯状のラベル基材の一主面に剥離層が、他主面に粘着層が形成され、ラベル単体同士の境界にはミシン目が設けられたものがある。

　また、他の形態として、単体のラベルが、端部同士を一部重合させた状態で列方向に複数枚連結された、いわゆる、ずらし重ねタイプのラベルが提案された。ずらし重ねタイプのラベルであれば、ラベル単体の形状が矩形に限定されることもなく、しかも、ラベル単体の端縁にはミシン目跡などは残らないため、美麗である。

特開２００４－１９６４０２号公報

　しかしながら、上述のずらし重ねタイプのラベルを用いる場合、通常のラベル貼付装置では、ラベル貼付作業を効率的に行なうことが難しいという問題がある。すなわち、ラベル帯の先頭に位置する先頭ラベルを隣のラベルから引き離そうとすると、先頭ラベルに二番目のラベルまでが付着した状態で分離されてしまう場合が多く発生する。

　これでは、ラベル貼付作業が中断したり、二重にラベルが貼付された不良品が発生したりすることになるため、折角、美麗に形成されたミシン目の無い、ずらし重ねタイプのラベルを生かすことができない。

　実施形態の一態様は、上記に鑑みてなされたものであって、複数の単体ラベルが列状に連結されたラベル帯から、単体ラベル毎に確実かつ効率的に引き剥がして、貼付対象物に貼付することのできるラベル貼付装置を提供することを目的とする。

　実施形態の一態様に係るラベル貼付装置は、ラベル帯保持部と、ラベル剥離部とを備える。ラベル帯保持部は、送給されたラベル帯を保持して一旦停止し、ラベル剥離部は、一旦保持された前記ラベル帯の先頭に位置する先頭ラベルを、ずらし重ねされて連結された隣接するラベルから引き剥がして保持する。また、前記ラベル帯保持部は、ドラム体とドラム回転部とを備える。ドラム体は、自軸周りに回転可能で、送られてきた前記ラベル帯を外周面で吸着可能であり、ドラム回転部は、ドラム体に吸着された前記ラベル帯の前記先頭ラベルが所定位置に達するまで前記ドラム体を回転させる。また、ラベル剥離部は、自軸周りに自転するとともに、他軸周りに公転して、前記ラベル帯保持部に保持された前記先頭ラベルと対峙した際に、当該先頭ラベルを吸着して前記隣接するラベルから引き剥がすラベル吸着カップを備える。

　実施形態の一態様によれば、単体のラベルが、列方向に複数枚連結されたラベル帯から、単体のラベル毎に確実かつ効率的に引き剥がして、貼付対象物に貼付することができる。しかも、ラベル帯が、単体のラベルがそれぞれ列方向にずらし重ねされたものであっても効率的なラベル貼付作業が行える。

図１は、実施形態に係るラベル貼付装置を示す模式図である。 図２Ａは、同上のラベル貼付装置で用いるラベル帯の一例を平面視により示す模式図である。 図２Ｂは、同上のラベル帯の断面視による模式図である。 図３Ａは、実施形態に係るラベル貼付装置で用いるラベル帯の一例を平面視により示す模式図である。 図３Ｂは、同上のラベル帯の断面視による模式図である。 図４は、実施形態に係るラベル貼付装置で用いるラベル帯の使用形態を示す模式図である。 図５は、実施形態に係るラベル貼付装置の設置状態を示す斜視図である。 図６は、同上のラベル貼付装置の設置状態を示す正面図である。 図７は、同上のラベル貼付装置の設置状態を示す平面図である。 図８は、ラベル帯保持部の機能説明図である。 図９は、ラベル吸着カップのラベル吸引機構を示す模式図である。 図１０は、ラベル吸着カップの動作説明図である。 図１１は、ラベル吸着カップの径と、ラベル吸着カップの公転軌道の径との関係を示す説明図である。 図１２は、変形例に係るラベル分離部を示す模式図である。

　以下、添付図面を参照して、本願の開示するラベル貼付装置の実施形態を詳細に説明する。なお、以下に示す実施形態によりこの発明が限定されるものではない。

　先ず、本実施形態に係るラベル貼付装置１０の概要について、図１を用いて説明する。図１は、実施形態に係るラベル貼付装置１０を示す模式図である。

　図１に示すように、本実施形態に係るラベル貼付装置１０は、ラベル送給部１と、ラベル帯保持部２と、ラベル分離部３と、ラベル貼付部４とを備える。

　それぞれについて、詳しくは後述するが、ラベル送給部１は、ラベル帯５を、列方向に間歇的に送給可能に構成される。また、ラベル帯保持部２は、ラベル送給部１から送給されたラベル帯５を保持する。ラベル分離部３は、ラベル帯保持部２に一旦保持されたラベル帯５の先頭に位置する先頭ラベル５１ａ（図２Ａ～図４を参照）を、隣接するラベル５１と分離して保持することができる。そして、ラベル貼付部４は、ラベル剥離部３から受け渡された単体のラベル５１を、例えば、何らかの商品容器などの貼付対象物６に貼付する。

　上記構成において、ラベル分離部３は、自軸周りに自転するとともに、他軸周りに公転して、ラベル帯保持部２に保持された先頭ラベル５１ａと対峙した際に、先頭ラベル５１ａを吸着して隣接するラベル５１から引き剥がすラベル吸着カップ３１を備える。すなわち、ラベル分離部３に、自転および公転するラベル吸着カップ３１を採用することによって、ラベル帯５から、単体のラベル５１を円滑かつ確実に分離可能な構成としている。なお、ラベル吸着カップ３１の構成については後に詳述する。

　ところで、本実施形態におけるラベル帯５は、面倒な剥離紙の処理が不要で、環境的にも好ましいとされる、いわゆるノーセパレータラベルと呼ばれるものである。しかも、本実施形態に係るラベル貼付装置１０で用いるラベル帯５は、ノーセパレータラベルの中でも、単体のラベル５１が、その端部５１１（図２Ａ～図４を参照）同士を一部重合させた状態で複数枚連結された、ずらし重ねタイプのラベル帯５としている。すなわち、一部重合させた部分を接合部とした多連のラベル帯５となっている。

　このように重合させた部分を直接接合部としているずらし重ねタイプのラベル帯５は、単体のラベル５１を個別に分離していくことが難しいとされていた。しかし、本実施形態に係るラベル貼付装置１０によれば、このようなずらし重ねタイプのラベル帯５を用いながら、自転および公転するラベル吸着カップ３１を採用することによって、所定の貼付対象物６に、ラベル５１を次々と連続的に貼付することができる。

　ここで、ラベル貼付装置１０で用いるずらし重ねタイプのラベル帯５について、図面を参照しながら、さらに詳しく説明する。図２Ａは、ラベル貼付装置１０で用いるラベル帯５の一例を平面視により示す模式図、図２Ｂは、ラベル帯５の断面視による模式図である。また、図３Ａは、実施形態に係るラベル貼付装置１０で用いるラベル帯５の一例を平面視により示す模式図、図３Ｂは、ラベル帯５の断面視による模式図である。そして、図４は、ラベル帯５の使用形態を示す模式図である。

　本実施形態に係るラベル帯５は、図２Ｂに示すように、一主面に粘着層５１０が、他主面に剥離層５２０が形成された単体のラベル５１が、それぞれ列方向にずらし重ねされて複数枚連結されて構成される。なお、複数のラベル５１が連結されて構成されたラベル帯５の中で、先頭に位置するラベル５１については、先頭ラベル５１ａと表記している。

　各ラベル５１の端部５１１同士の重合幅５１２は、粘着層５１０の粘着力などに応じて適宜設定して構わない。ラベル帯５は、ロール状に巻回した状態で流通させることが考えられるため（図４を参照）、ロール状にしたときの弾力によって、連結された単体のラベル５１同士が分離しないようにするとよい。

　ところで、図２Ａおよび図２Ｂに示したように、ここでは、ラベル帯５を構成する単体のラベル５１の平面形状を真円形状としたが、真円形状に限定されるものではなく、どのような形状でも構わない。

　すなわち、ラベル５１の平面形状としては、楕円形状であってもよいし、図３Ａおよび図３Ｂに示すような三角形形状、または、図４に示すような四角形形状であってもよい。あるいは、適宜の異形形状であってもよく、適宜の形状の単体のラベル５１を、ずらし重ねにより複数連結して構成することができる。

　なお、図２Ａおよび図２Ｂに示したラベル帯５は、先頭ラベル５１ａの端部５１１における粘着層５１０を、二番目のラベル５１の剥離層５２０の上に付着させている。しかし、ラベル帯５の構成としては、図３Ａおよび図３Ｂで示したラベル帯５、図４で示したラベル帯５のように、先頭ラベル５１ａの端部５１１における剥離層５２０の上に、二番目のラベル５１の粘着層５１０を付着させた構成としてもよい。

　以下、図１および図５～図１２を参照しながら、ラベル貼付装置１０の構成について、より具体的に説明する。図５は、ラベル貼付装置１０の設置状態を示す斜視図である。また、図６は、ラベル貼付装置１０の設置状態を示す正面図、図７は、同平面図である。なお、図１はラベル貼付装置１０を平面的に展開して示した模式図であり、大きさや形状などは、設置状態を示した図５～図７とは必ずしも一致するものではない。

　図５～図７に示すように、本実施形態に係るラベル貼付装置１０は、箱状の架台７の内部に所定の動力部１００や制御盤８１などを収納するとともに、上面に、前述したラベル送給部１、ラベル帯保持部２、ラベル分離部３、およびラベル貼付部４を配設している。

　また、図示するように、架台７には、制御盤８１と接続された操作盤８が設けられている。操作盤８を操作することにより、例えば、ラベル貼付装置１０の電源のオン・オフや、ラベル貼付スピードなどをはじめとする各種設定が行える。なお、動力部１００を構成する要素の一例として、例えば、図６に示すサーボモータ３２や真空ポンプ２９、さらにはブロワ装置やその他モータなどがある。

　ラベル貼付装置１０を構成するラベル送給部１は、上述したずらし重ねタイプのラベル帯５を、列方向に間歇的に送給可能に構成されている。図１では省略したが、ラベル送給部１は、ロール状に巻回したラベル帯５を装着して、回転しながら、ラベル帯５を先端側から繰出可能なロール支持部１１を備える。

　そして、ロール支持部１１の下手側に、ラベル帯５をラベル帯保持部２に向けて搬送するベルトコンベヤ部１２を備える。

　ベルトコンベヤ部１２は、図１に示すように、コンベヤモータ１３を駆動源として間歇的に動作するように構成される。そして、搬送ベルト１４の表面に、各ラベル５１の粘着層５１０（図２Ａ，２Ｂを参照）が連続する面を仮着させた状態で、ラベル帯５をラベル帯保持部２に向けて間歇的に送給する。したがって、ベルトコンベヤ部１２により搬送されるラベル帯５は、各ラベル５１の剥離層５２０（図２Ａ，２Ｂを参照）が連続する面が外側面となる。

　ベルトコンベヤ部１２は、テンションローラ１５などを含む所定のローラ群を介して搬送ベルト１４が張設されて構成され、ラベル帯５をラベル帯保持部２に引き渡せるように架台７上にレイアウトされる。図１に示すように、ベルトコンベヤ部１２の一端側が、湾曲させたベルトガイド１６を介してＵターンしており、ラベル帯５は、ロール支持部１１からの繰り出し方向とは逆方向に進行してラベル帯保持部２に至る。なお、ベルトコンベヤ部１２には、湾曲したベルトガイド１６と対向するように、ラベル帯５の各ラベル５１がめくれたりすることを防止するラベルガイド１７を備えることもできる。

　次に、上述したラベル送給部１からラベル帯５を引き継ぐラベル帯保持部２について説明する。

　ラベル帯保持部２は、図１に示すように、送給されてきたラベル帯５を外周面で吸着可能な自軸周りに回転自在（矢印ｆ６を参照）としたドラム体２１と、ドラム体２１を回転させるドラム回転部２２とを備える。また、ラベル帯保持部２は、ドラム体２１の外周面に吸着されたラベル帯５の先頭ラベル５１ａが所定位置に達したことを検出するラベル位置検出部２３を備える。

　ドラム回転部２２は、図示するように、ドラムモータ２４と、このドラムモータ２４に連結されたドラム回転ギヤ２５とを備える。そして、このドラム回転ギヤ２５を、ドラム体２１に連接された受動ギヤ２６に噛合させている。このように、ドラム体２１は、ドラムモータ２４を駆動源としてギヤ機構を介して回転する。

　また、ドラムモータ２４やコンベヤモータ１３をはじめとする他のモータと、例えば光学センサなどからなるラベル位置検出部２３とは、制御盤８１を介して接続される。そして、ラベル位置検出部２３の検出結果に基いて、ドラム回転部２２は、ドラム体２１の回動を停止する。すなわち、ドラム体２１は、先頭ラベル５１ａが所定位置に達するまで回転し、先頭ラベル５１ａが所定位置に達すると一旦停止する。そして、先頭ラベル５１ａが、ラベル分離部３によりドラム体２１から引き剥がされると、再び、次の先頭ラベル５１ａが所定位置に達するまで回転する。ラベル帯保持部２では、かかる動作が連続して行われる。

　図８はラベル帯保持部２の機能説明図であり、図示するように、ドラム体２１の周面には、多数の吸引孔２７と単一のエア噴出孔２８とが設けられる。

　多数の吸引孔２７は、ラベル帯５の先頭ラベル５１ａを除く他のラベル５１を吸着するためのもので、ラベル帯５と重なるように所定の間隔をあけて周方向に設けられる。一方、エア噴出孔２８は、先頭ラベル５１ａをドラム体２１の周面から浮き上がらせるためのもので、ラベル帯５の先端に位置する先頭ラベル５１ａと重なるように設けられる。

　図８に示すように、本実施形態に係るドラム体２１は、内部に真空ポンプ２９（図６を参照）に連通する吸気通路２１０と、図示しないブロワ装置に連通する送気通路２２０とが設けられる。そして、ドラム体２１の周面に設けられた複数の吸引孔２７が、吸気通路２１０と放射状に接続される一方、送気通路２２０には単一のエア噴出孔２８が接続される。

　かかる構成により、ラベル帯保持部２のドラム体２１は、図８に示すように、ラベル送給部１から送給されたラベル帯５を、矢印Ｆ１で示す吸引力で吸着して保持することができる。一方、ラベル帯５の先頭ラベル５１ａについては、エア噴出孔２８から噴出されるエアによる力（矢印Ｆ２）によってドラム体２１の外周面から浮き上がった状態となり、ラベル分離部３によるラベル引き剥がし動作をアシストすることができる。

　なお、隣接する２番目のラベル５１に向かってエアが噴出されないことを条件にすれば、エア噴出孔２８は単一ではなく、２つ以上設けても構わない。なお、吸引孔２７やエア噴出孔２８の孔径、吸引力やエアの噴出力などは、ラベル５１同士の接着力などに応じて適宜設定するものとする。

　次に、ラベル分離部３について、図１及び図９～図１１を参照しながら説明する。図９は、ラベル吸着カップ３１のラベル吸引機構を示す模式図、図１０は、ラベル吸着カップ３１の動作説明図、図１１は、ラベル吸着カップ３１の径と、ラベル吸着カップ３１の公転軌道の径との関係を示す説明図である。

　ラベル分離部３は、上述したラベル帯保持部２のドラム体２１に吸着されて一旦停止しているラベル帯５から、先頭ラベル５１ａのみを確実に引き剥がすように構成される。

　すなわち、ラベル分離部３は、前述したように、自軸となる中心軸周りに自転するとともに、他軸周りに公転するラベル吸着カップ３１を備えている。ラベル吸着カップ３１は、後述する吸引機構を備える。かかるラベル吸着カップ３１が、ラベル帯保持部２のドラム体２１から浮き上がった状態の先頭ラベル５１ａを吸着し、カップ周りに巻き付けながら公転することにより、隣接するラベル５１から確実に引き剥がしてラベル貼付部４へと引き渡すことができる。

　図１に示すように、ラベル分離部３は、２つのラベル吸着カップ３１が１８０度の間隔をあけて取り付けられたターンテーブル３３を備える。また、ラベル分離部３は、ターンテーブル３３と同心円状に設けられた固定ギヤ３４と、固定ギヤ３４に噛合する一対のアイドルギヤ３５，３５とを備える。

　ターンテーブル３３は、ラベル帯保持部２のドラム体２１と所定間隔をあけて並設されている。そして、架台７の内部に配設されたサーボモータ３２（図６を参照）に連結した回転軸３６の先端部が分岐して、ターンテーブル３３の下面と連結している。なお、図１に示すように、サーボモータ３２からの回転力は、モータ軸に駆動ギヤ３８を設け、この駆動ギヤ３８と、回転軸３６の基端に設けた伝達ギヤ３９とを噛合させてターンテーブル３３へ伝達している。

　サーボモータ３２の駆動により、ターンテーブル３３は、半周を１ピッチとして、ラベル送給部１のベルトコンベヤ部１２、ラベル帯保持部２のドラム体２１などと同期して間歇的に回転する。

　また、固定ギヤ３４は、ターンテーブル３３の中心部を貫通し、上端を支持板３０（図５～図７を参照）に支持された固定軸３４０に回転不可の状態で連接されており、ターンテーブル３３と同心円状に配設される。そして、かかる固定ギヤ３４に、一対のアイドルギヤ３５，３５が噛合する。

　ラベル吸着カップ３１には、カップ回転ギヤ３７が連接されており、かかるカップ回転ギヤ３７とアイドルギヤ３５とが噛合する。なお、本実施形態では、固定ギヤ３４、アイドルギヤ３５、およびカップ回転ギヤ３７は、ターンテーブル３３の下側に設けられる。なお、ラベル吸着カップ３１は、ターンテーブル３３を貫通して上方へ突出している。

　ラベル吸着カップ３１の吸引機構は、図９に示すように、カップ周面に形成された複数の吸引孔３３０と、これら吸引孔３３０に連通する吸気路とを備える。本実施形態に係るラベル分離部３は、２つのラベル吸着カップ３１，３１を備えているため、各ラベル吸着カップ３１毎に独立した吸気路を備える。すなわち、一方のラベル吸着カップ３１には、第１真空ポンプ３１１と連通する第１の吸気路３１０が、他方のラベル吸着カップ３１には、第２真空ポンプ３２１と連通する第２の吸気路３２０が接続される。

　ここで、ラベル吸着カップ３１が、ラベル帯保持部２に保持されたラベル帯５から、ラベル５１を引き剥がす態様について、図１０を参照して説明する。図１０では、ラベル帯５の先頭ラベル５１ａが所定位置に達し、ラベル帯保持部２のドラム体２１は停止している。

　図１０の（ａ）に示すように、ラベル帯５の先端部分において、先頭ラベル５１ａは所定のエア噴出力（矢印Ｆ２を参照）で吹き付けられ、ドラム体２１の外周面から浮き上がり、めくられた状態となっている。このとき、少なくとも２枚目のラベル５１は、所定の吸引力（矢印Ｆ１を参照）でラベル帯保持部２のドラム体２１の周面に吸着されている。なお、ラベル帯５は、各ラベル５１の粘着層５１０がドラム体２１側を向いている。

　かかる状態で、ラベル分離部３では、ターンテーブル３３が回転してラベル吸着カップ３１が先頭ラベル５１ａと対峙する位置に達すると、吸引孔３３０を介して所定の吸引力（矢印Ｆを参照）で先頭ラベル５１ａの剥離層５２０側を引き付ける。

　そして、図１０の（ｂ）に示すように、ラベル吸着カップ３１は、自転（矢印ｆ３を参照）しながら、ターンテーブル３３の回転によって公転（矢印ｆ４を参照）することにより、先頭ラベル５１ａを吸着しながらカップ周りに巻き付ける。

　このとき、ラベル吸着カップ３１の自転方向（矢印ｆ３）は、ラベル帯５のラベル帯保持部２への送給方向（図１における矢印ｆ０）と同じ向きとしている。そのため、ラベル吸着カップ３１は、先頭ラベル５１ａを、その端部からめくるようにして、円滑にカップ周りに巻き付けることができる。

　そして、図１０の（ｃ）に示すように、ラベル吸着カップ３１が、さらに自転（矢印ｆ３を参照）しつつ公転（矢印ｆ４を参照）することにより、先頭ラベル５１ａを二枚目のラベル５１から確実に引き剥がす。そして、ターンテーブル３３の回転によってさらに公転が進むと、図１に示すように、ラベル５１をラベル貼付部４の貼付用ベルトコンベヤ４１に受け渡すことができる。

　ところで、ラベル吸着カップ３１によるラベル５１の引き剥がし動作において、このラベル吸着カップ３１は、図１および図１０に示すように、自転方向（矢印ｆ３）と公転方向（矢印ｆ４）とが逆向きになっている。

　そのため、図１０（ａ）～（ｃ）に示すように、先頭ラベル５１ａを、あたかも端からめくって引き剥がすように２枚目のラベル５１から分離することができる。このように、ラベル吸着カップ３１の自転方向（矢印ｆ３）と公転方向（矢印ｆ４）とが逆向きになるように、アイドルギヤ３５を設けている。すなわち、図１に示すように、ラベル吸着カップ３１に連接されたカップ回転ギヤ３７と固定ギヤ３４との間に、矢印ｆ２の方向へ自転するアイドルギヤ３５を介設している。

　また、ラベル吸着カップ３１は、略円筒状に形成されており、図１１に示すように、ラベル吸着カップ３１の径は、ラベル吸着カップ３１の公転軌道の径よりも小としている。図１１では、ラベル吸着カップ３１の径を半径ｒで示し、公転軌道の径を公転軌道半径Ｒで示している。

　したがって、ラベル５１を吸着してめくる際に、一定以上の角度をつけることができ、一定のめくり効果を発揮することができる。さらに、ラベル分離部３をコンパクトに構成することができ、ひいては、ラベル貼付装置１０の大型化を防ぐことができる。なお、本実施形態に係るラベル吸着カップ３１は、略円筒状に形成されているが、周面が上下方向いずれかにテーパが形成された形状であってもよい。

　このように、本実施形態に係るラベル貼付装置１０では、ラベル吸着カップ３１をターンテーブル３３に設け、ターンテーブル３３が３６０度回転（ラベル吸着カップ３１が公転）する間にラベル５１を吸着してラベル貼付部４に引き渡すようにしている。そのため、例えば、ラベル５１の吸着位置（ラベル保持部２からラベル５１を受け取る位置）と、ラベル５１をラベル貼付部４に引き渡す位置とを往復動するような構成と比較して、ラベル貼付処理速度を大幅に向上させることができる。

　ところで、上述してきた例では、ラベル吸着カップ３１を、ターンテーブル３３に、１８０度の間隔をあけて２個取り付けた構成としたが、ラベル吸着カップ３１は１つであっても構わない。その場合、図１２に示すように、ラベル吸着カップ３１の点対称位置にはアイドルギヤ３５を介してバランサ３５０を設けることが望ましい。すなわち、２つ目のラベル吸着カップ３１に代えて、略重量的に等しいバランサ３５０を設けることで、ターンテーブル３３の回転を円滑に行わせることができる。なお、図１２は、変形例に係るラベル分離部３を示す模式図である。

　また、固定ギヤ３５には１対のアイドルギヤ３５、３５を噛合させているため、サーボモータ３２などに偏倚荷重などが加わるおそれがなく、さらに、単一のアイドルギヤ３５とするよりも、ギヤ磨耗などを抑制することができる。なお、バランサ３５０の直径は、ターンテーブル３３が回転したときに、ラベル帯保持部２のラベル帯５と接触することがないように、ラベル吸着カップ３１よりも小径とすることが好ましい。

　また、ラベル吸着カップ３１を３個以上配設することもできる。したがって、ラベル吸着カップ３１の数に応じて、ラベル５１の貼付効率を向上させることが可能となる。

　次に、ラベル貼付部４について説明する。図１に示すように、ラベル貼付部４は、実質的には、駆動ローラ４３やテンションローラ４４などを含む貼付用ベルトコンベヤ４１により構成される。すなわち、貼付用ベルトコンベヤ４１は、コンベヤ駆動モータ４２に連動連結した駆動ローラ４３により回動する。また、貼付用ベルトコンベヤ４１は、搬送されて来る貼付対象物６に先端部を臨ませており、ラベル分離部３から受け渡されたラベル５１を、矢印ｆ５で示すように貼付対象物６に向けて搬送する。

　また、ラベル貼付部４は、貼付用ベルトコンベヤ４１の先端部近傍にラベル先端検知センサ４５を備える。そして、ラベル先端検知センサ４５が検知する位置まで、ラベル５１を貼付用ベルトコンベヤ４１の先端から突出させるようにしている。このとき、ラベル５１の粘着層５１０が貼付対象物６の方向を向いている。したがって、貼付対象物６は、搬送されながらラベル５１を付着していくことができる。なお、ラベル５１の貼付対象物６への貼付態様としては、貼付用ベルトコンベヤ４１の先端から突出させて待機させるだけに限らない。例えば、貼付対象物６の搬送速度と同期させて貼付用ベルトコンベヤ４１を作動させ、ラベル５１を貼付用ベルトコンベヤ４１の先端から突出させながら貼付対象物６に貼付させることもできる。すなわち、貼付用ベルトコンベヤ４１の先端からラベル５１が突出するタイミングと、突出したラベル５１の位置に貼付対象物６が達するタイミングとを一致させるのである。その場合、対象物搬送コンベヤ９により搬送される貼付対象物６をセンサなどで検知しておき、所定の位置に達したときに貼付用ベルトコンベヤ４１の搬送速度を調整するとよい。

　貼付搬送物６は、図５および図７に示すように、対象物搬送コンベヤ９の搬送ベルト９１上に所定間隔をあけて載置され、順次、搬送される。図示するように、搬送ベルト９１は、ローラ９２，９２間に巻回されている。

　上述してきた実施形態によれば、以下に示す構成のラベル貼付装置１０が実現される。すなわち、送給されたラベル帯５を保持するラベル帯保持部２と、ラベル帯保持部２に一旦保持されたラベル帯５の先頭に位置する先頭ラベル５１ａを、隣接するラベル５１と分離して保持するラベル分離部３とを備えるラベル貼付装置１０である。そして、上記構成において、ラベル分離部３は、自軸周りに自転するとともに、他軸周りに公転して、ラベル帯保持部２に保持された先頭ラベル５１ａと対峙した際に、先頭ラベル５１ａを吸着して隣接するラベル５１から引き剥がすラベル吸着カップ３１を備える。

　かかる構成により、剥離紙の処理が不要な、いわゆるノーセパレータラベルを用いたラベル貼付作業を行う際に、単体のラベル５１をラベル帯５から円滑かつ確実に分離することができ、効率的なラベル貼付作業を行うことができる。しかも、本実施形態に係るラベル貼付装置１０は、ラベル帯５がずらし重ねタイプのものであっても、単体のラベル５１を隣接するラベル５１から円滑かつ確実に引き剥がすことができるため、作業効率が損なわれることがない。

　ところで、上述した実施形態では、ラベル吸着カップ３１は、自転方向と公転方向とは逆向きとしている。そのため、先頭ラベル５１ａと隣接するラベル５１との接着力に抗して、先頭ラベル５１ａをカップ周面にしっかりと巻き付けた状態で隣接するラベル５１から容易かつ確実に引き剥がすことができる。しかし、ラベル吸着カップ３１とラベル５１との相対的なサイズの設定や、ラベル吸着カップ３１のラベル吸引力の設定などにより、ラベル吸着カップ３１の自転と公転の方向を限定せずとも、先頭ラベル５１ａを引き剥がすことは可能である。

　また、本実施形態に係るラベル貼付装置１０は、ラベル吸着カップ３１の自転方向（矢印ｆ３）について、ラベル帯５のラベル帯保持部２への送給方向（図１における矢印ｆ０）と同じ向きとしている。しかし、ラベル吸着カップ３１の自転方向は、ラベル帯５のラベル帯保持部２への送給方向とは必ずしも同じ向きでなくてもよい。

　なお、図１に示した例では、ラベル送給部１のベルトコンベヤ部１２が中途でＵターンしている。よって、図１において、矢印ｆ０ではなく矢印ｆ１で示す方向をラベル帯５の送給方向とした場合、ラベル吸着カップ３１の自転方向は、ラベル帯５の送給方向とは逆向きと捉えられる。ここでは、ラベル吸着カップ３１の自転方向がラベル帯５の送給方向と同じ向きというのは、ラベル吸着カップ３１の公転方向がラベル帯５の送給方向と逆向きである場合としている。

　また、本実施形態では、筒状のラベル吸着カップ３１の半径ｒは、ラベル吸着カップ３１の公転軌道半径Ｒよりも小としている（図１１参照）。そのため、ラベル５１に対するめくり効果を発揮させるとともに、ラベル分離部３をコンパクトに構成することができる。しかし、かかる寸法規定に限定せずとも、先頭ラベル５１ａを隣接するラベル５１から引き剥がすことは可能である。

　さらなる効果や変形例は、当業者によって容易に導き出すことができる。このため、本発明のより広範な態様は、以上のように表しかつ記述した特定の詳細および代表的な実施形態に限定されるものではない。したがって、添付の特許請求の範囲およびその均等物によって定義される総括的な発明の概念の精神または範囲から逸脱することなく、様々な変更が可能である。

　１　　ラベル送給部
　２　　ラベル帯保持部
　３　　ラベル分離部
　４　　ラベル貼付部
　５　　ラベル帯
　１０　　ラベル貼付装置
　２１　　ドラム体
　２２　　ドラム回転部
　２３　　ラベル位置検出部
　２７　　吸引孔
　２８　　エア噴出孔
　３１　　ラベル吸着カップ
　３３　　ターンテーブル
　３４　　固定ギヤ
　３５　　アイドルギヤ
　３７　　カップ回転ギヤ

Claims (9)

1. 　送給されたラベル帯を保持するラベル帯保持部と、
   　前記ラベル帯保持部に一旦保持された前記ラベル帯の先頭に位置する先頭ラベルを、隣接するラベルと分離して保持するラベル分離部と、
   を備え、
   　前記ラベル分離部は、
   　自軸周りに自転するとともに、他軸周りに公転して、前記ラベル帯保持部に保持された前記先頭ラベルと対峙した際に、当該先頭ラベルを吸着して前記隣接するラベルから引き剥がすラベル吸着カップを備える
   　ことを特徴とするラベル貼付装置。
2. 　前記ラベル帯は、
   　それぞれ列方向にずらし重ねされ、一主面に粘着層が、他主面に剥離層が形成された単体のラベルが、列方向に複数枚連結されている
   　ことを特徴とする請求項１に記載のラベル貼付装置。
3. 　前記ラベル吸着カップは、
   　前記自転の方向と前記公転の方向とが逆向きである
   　ことを特徴とする請求項１に記載のラベル貼付装置。
4. 　前記ラベル吸着カップの自転方向は、前記ラベル帯の送給方向と同じ向きである
   　ことを特徴とする請求項１に記載のラベル貼付装置。
5. 　前記ラベル吸着カップは略円筒状に形成されており、当該ラベル吸着カップの径は、当該ラベル吸着カップの公転軌道の径よりも小である
   　ことを特徴とする請求項１に記載のラベル貼付装置。
6. 　前記ラベル分離部は、
   　前記ラベル帯保持部と所定間隔をあけて並設されるとともに、前記他軸周りに回転可能であり、外周部に前記ラベル吸着カップが取り付けられたターンテーブルと、
   　当該ターンテーブルと同心円状に設けられた固定ギヤと、
   　前記固定ギヤに噛合する一対のアイドルギヤと、
   　前記ラベル吸着カップに連接され、前記アイドルギヤに噛合するカップ回転ギヤと
   　を備えることを特徴とする請求項１に記載のラベル貼付装置。
7. 　前記ラベル帯保持部は、
   　自軸周りに回転自在であり、送給されてきた前記ラベル帯を外周面で吸着可能なドラム体と、当該ドラム体に吸着された前記ラベル帯の前記先頭ラベルが所定位置に達するまで前記ドラム体を回転させるドラム回転部とを備え、
   　前記ドラム体の周面に、前記ラベル帯の前記先頭ラベルを除く他のラベルを吸着する多数の吸引孔と、前記先頭ラベルを前記ドラム体の周面から浮き上がらせるためのエア噴出孔とが設けられている
   　ことを特徴とする請求項１に記載のラベル貼付装置。
8. 　前記ラベル帯保持部は、
   　前記ドラム体の外周面に吸着された前記ラベル帯の前記先頭ラベルが所定位置に達したことを検出するラベル位置検出部を備える
   　ことを特徴とする請求項７に記載のラベル貼付装置。
9. 　前記ラベル帯を前記ラベル帯保持部に送給するラベル送給部と、
   　前記ラベル分離部から受け渡されたラベルを貼付対象物に貼付するラベル貼付部とを、さらに備える
   　ことを特徴とする請求項１に記載のラベル貼付装置。

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