以下、添付図面を参照して、本願の開示するラベル貼付装置の実施形態を詳細に説明する。なお、以下に示す実施形態によりこの発明が限定されるものではない。
(第1の実施形態)
先ず、第1の実施形態に係るラベル貼付装置10の概要について、図1を用いて説明する。図1は、第1の実施形態に係るラベル貼付装置10を平面視で示す説明図である。
図1に示すように、本実施形態に係るラベル貼付装置10は、ラベル送給部1と、ラベル帯搬送部2と、ラベル分離部3と、ラベル貼付部4とを備える。
それぞれについて詳しくは後述するが、ラベル送給部1は、ロール状に巻回されたラベル帯5を、列方向に間欠的に送給可能に構成される。本実施形態に係るラベル送給部1は、ラベル帯5を送り出すためのモータMを備える。なお、ラベル帯5は、これも詳しくは後述するが、複数の単体のラベル51が列状に連なって構成された、いわゆるノーセパレータラベルと呼ばれるものである。
ラベル帯搬送部2は、ラベル送給部1から送られてきたラベル帯5を保持した状態で列方向に搬送する無端状の搬送ベルト12を有する。搬送ベルト12は、シリコンを素材とするベルトを好適に用いることができる。
ラベル分離部3は、ラベル帯5の先頭に位置する先頭ラベル51a(図2A〜図3を参照)を、連結された状態で後続する単体のラベル51と分離する。なお、複数のラベル51が列状に連結されたラベル帯5の中で、先頭に位置するラベル51については、先頭ラベル51aと表記する。
より具体的に説明すると、ラベル分離部3は、噴気ノズル31と整流板32とを備える。噴気ノズル31は、ラベル帯搬送部2の搬送ベルト12の先端部に臨設され、搬送ベルト12の先端から突出した先頭ラベル51aが分離方向に反り返るように、この先頭ラベル51aにエアを吹き付ける。整流板32は、噴気ノズル31からのエアを所定の方向に導くことができる。
ラベル貼付部4は、ラベル分離部3から、当該ラベル分離部3においてラベル帯5から分離された単体のラベル51を受け継ぐ無端状の単体ラベル搬送ベルト41を備える。単体ラベル搬送ベルト41は、受け渡された単体のラベル51を搬送し、例えば、何らかの商品容器(ボトルなど)のラベル貼付対象物6に貼付する。なお、ラベル貼付対象物6は、コンベヤ装置8により、順次搬送されている。
すなわち、ラベル貼付部4は、ラベル帯搬送部2の搬送ベルト12と対向して設けられた無端状の単体ラベル搬送ベルト41を備える。そして、かかる単体ラベル搬送ベルト41は、ラベル分離部3の噴気ノズル31からのエアにより反り返った状態で浮き上がった先頭ラベル51aを引き継いで保持することができる。このように、単体ラベル搬送ベルト41は、引き継いだ単体のラベル51をラベル貼付対象物6に向けて一葉ずつ搬送することが可能となる。
ここで、ラベル貼付装置10の構成について詳述する前に、先ず、本実施形態で用いるラベル帯5について、図2A〜図3を用いて説明する。図2Aは、ラベル貼付装置10で用いるラベル帯5の一例を平面視で示す説明図、図2Bは、ラベル帯5を縦断面視で示す説明図、図3は、巻回されたラベル帯5の一例を示す説明図である。
本実施形態で用いられるラベル帯5は、ノーセパレータラベルと呼ばれ、面倒であった剥離紙の処理が不要で、環境的にも好ましいとされる。本実施形態に係るラベル帯5は、かかるノーセパレータラベルの中においても、図示するように、単体のラベル51がその端部511同士を列方向に一部重合させた状態で複数枚連結した、いわゆるずらし重ねタイプである。すなわち、ラベル帯5は、各ラベル51の一部重合させた部分が接合部となる多連構造を有する。
かかる多連構造を有するラベル帯5は、図2Bに示すように、一主面に粘着層510が形成され、他主面に剥離層520が形成された単体のラベル51が、それぞれ列方向にずらし重ねされて複数枚連結されている。
各ラベル51のずらし重ね部分となる端部511同士の重合幅512は、粘着層510の粘着力などに応じて適宜設定することができる。なお、ラベル帯5は、ロール状に巻回した状態で流通されると考えられるため(図3参照)、少なくとも、ロール状にしたときの弾力によって、ラベル51同士の連結が外れない程度に設定するとよい。
図2Aに示したように、ラベル帯5を構成する単体のラベル51の平面形状は、本実施形態においては真円形状としたが、必ずしも真円形状に限定されるものではない。
すなわち、ラベル51の平面形状としては、図3に示すような四角形形状であってもよいし、例えば、楕円形状や三角形形状、あるいは、適宜の異形形状であってもよい。このように、ラベル帯5は、適宜形状の単体のラベル51を、ずらし重ねにより複数連結して構成される。
ラベル帯5は、相対的に前側に位置する第1のラベル51(例えば、先頭ラベル51a)の後端部511における粘着層510を、後に続く第2のラベル51(例えば、2番目のラベル51)の剥離層520の先端部上に付着させている(図2Bを参照)。しかし、ラベル帯5の構成としては、第1のラベル51(例えば、先頭ラベル51a)の後端部511における剥離層520の上に、後に続く第2のラベル51(例えば、2番目のラベル51)の粘着層510を付着させた構成としてもよい。
上述したずらし重ねタイプのラベル帯5は、ラベル51が二枚同時にラベル帯5から分離されるなど、単体のラベル51を個別に分離していくことが難しいとされる。しかし、本実施形態に係るラベル貼付装置10によれば、このようなずらし重ねタイプのラベル帯5を用いながら、単体のラベル51に分離するとともに、分離した単体のラベル51を、所定の貼付対象物6に次々と連続的に貼付することができる。
以下、図1および図4〜図7を参照しながら、ラベル貼付装置10の構成について、より具体的に説明する。図4は、ラベル貼付装置10の設置状態を示す説明図、図5は、ラベル貼付装置10のラベル分離部3を平面視で示す説明図、図6は、ラベル貼付装置10のラベル分離部3を底面視で示す説明図である。また、図7は、ラベル分離部3におけるラベル分離動作を示す説明図である。
図4に示すように、ラベル貼付装置10は、設置面G上に設置される箱状の架台7を備えており、その上面に、ラベル送給部1、ラベル帯搬送部2、ラベル分離部3、およびラベル貼付部4が配設されて構成される(図1を参照)。架台7の内部には、所定の動力部100や制御部200などが収納される。制御部200は、CPUなどの演算処理装置や所定の制御プログラムなどを記憶した記憶装置などを備えた周知の構成であり、制御プログラムを読みだすことによって、動力部100の各装置の駆動制御を行う。なお、図4中、71は架台7の前面に設けられた開閉扉、72は架台7を支持する脚部である。
動力部100は、これを構成する要素として、例えば、サーボモータ110やエア源接続装置120、さらには、図示しないその他の装置を備える。なお、エア源接続装置120を介して外部のエア源に接続するのではなく、たとえばコンプレッサなどを備える構成としてもよい。また、制御部200は、架台7上に設けられる図示しない操作盤と接続している。かかる操作盤を操作することにより、例えば、ラベル貼付装置10の電源のオン・オフや、ラベル貼付スピードなどをはじめとする各種設定が行える。
図1および図4に示すように、ラベル貼付装置10を構成するラベル送給部1は、ロール状に巻回したラベル帯5を装着するロール支持部11と、このロール支持部11を間欠的に回転可能としたモータMを備える。すなわち、ずらし重ねタイプのラベル帯5を、ロール支持部11に装着し、モータMを駆動してロール支持部11を間欠的に回転させることにより、ラベル帯5を先端側から所定のタイミングで繰り出すことができる。
そして、ロール支持部11の下手側に、搬送ベルト12を有するラベル帯搬送部2が設けられる。ラベル帯搬送部2は、例えば、図1に示す引込ローラ21aをはじめとする複数のローラからなるローラ群21を備えており、かかるローラ群21に搬送ベルト12を無端状に巻回して構成される。
そして、ラベル帯搬送部2の上手に配置された引込ローラ21a側に、ラベル帯5の先端を導出させて、先頭ラベル51aの粘着層510(図2Bを参照)を搬送ベルト12に接着する。搬送ベルト12は、例えば、引込ローラ21aに連動連結する駆動モータ(不図示)を駆動源としており、制御部200により、ラベル送給部1と同調しながら間欠的に動作するように制御される。
こうして、搬送ベルト12を回動させれば、各ラベル51の粘着層510が連続する面を搬送ベルト12の表面に仮着させた状態で、ラベル帯5を列方向に下手側に向けて搬送することができる。
このように、ラベル帯5は、搬送ベルト12に仮着状態で保持されながら、ラベル分離部3に向けて間欠的に送給されることになる。このとき、搬送ベルト12により搬送されるラベル帯5は、各ラベル51の剥離層520(図2Bを参照)が連続する面が外側面となる。また、ロール支持部11を間欠的に回転させてラベル帯5の繰り出しをアシストするモータMを備えているため、ラベル帯5が中途で切り離されたりするおそれは可及的に低減される。
なお、ラベル帯搬送部2のレイアウトは、上手側の引込ローラ21aや下手側の端部ローラ21b、あるいは中途に設けられるテンションローラ21cなどを含むローラ群21の配置により適宜決定される。
端部ローラ21bは、少なくともラベル51の長さ寸法よりも小径に形成されており、ラベル帯搬送部2の先端部がヘアピンカーブ状になるようにしている。したがって、搬送されるラベル帯5の先頭ラベル51aがUターンすることなく後続のラベル51から剥がれて前方に突出するように構成される。このように、小径とした端部ローラ21bは、ラベル分離部3の一部を構成することになる。
ところで、本実施形態に係るラベル帯搬送部2は、ラベル帯5の搬送経路の中途に、押圧ローラ21dを設けている。この押圧ローラ21dによって、各ラベル51の粘着層510を搬送ベルト12に押し付けることができ、ラベル帯5を搬送ベルト12にしっかりと保持させることができる。
ラベル分離部3は、図1に示すように、ラベル帯搬送部2の搬送ベルト12の先端部に設けられ、ラベル帯搬送部2により搬送されたラベル帯5の先頭ラベル51aを、後続するラベル51と分離して、ラベル貼付部4に容易に受け渡せるように構成される。
すなわち、ラベル分離部3は、前述したラベル帯搬送部2の端部ローラ21bに加え、搬送ベルト12の先端部に臨設された噴気ノズル31と、噴気ノズル31からのエアを案内する整流板32とを備える。さらに、ラベル分離部3は、搬送ベルト12の先端から所定距離だけ突出したときの先頭ラベル51aを検出するラベルセンサ33を備える。そして、制御部200により、ラベルセンサ33が先頭ラベル51aを検出したことを条件に、噴気ノズル31がエアを噴出するように制御される。
ここで、噴気ノズル31からのエアの噴出時間は、ラベル51を単体ラベル搬送ベルト41側に効果的に反り返らせることができる時間であればよい。そのため、エアの噴出時間は、長い時間ではなく、適宜の短い時間(例えば、0.05〜0.15秒)に設定される。エアの噴出時間が長すぎると、ラベル51と単体ラベル搬送ベルト41との間にエアが入り込み、ラベル51の単体ラベル搬送ベルト41への接着を阻害するおそれがあるからである。
図5および図6に示すように、噴気ノズル31は、エア源接続装置120に基端が接続されたエア配管310に一端が接続されたノズル本体311が、ラベル帯5の幅方向に延在する。ノズル本体311には、ラベル51の先端部分に向けてエアを噴出する複数の噴気孔312が設けられる。ここでは、3つの噴気孔312が所定間隔で設けられる。
他方、ラベルセンサ33は、例えば光学的センサであり、ラベル帯5の中心線に凡そ位置するとともに、搬送ベルト12の先端から所定距離だけ突出したラベル51を検出可能に配置される。
こうして、ラベル分離部3では、ラベルセンサ33がラベル51を検出すると、図5に示すように、噴気ノズル31からエアを噴出して、搬送ベルト12の先端から突出した先頭ラベル51aを分離方向(ラベル貼付部4側)に反り返らせることができる。
ラベル貼付部4は、複数のローラに単体ラベル搬送ベルト41を張設して構成される。そして、かかるラベル貼付部4の単体ラベル搬送ベルト41とラベル帯搬送部2の搬送ベルト12との間に隙間D(図5)を設けている。かかる隙間Dは、ラベル51の大きさなどを勘案し、搬送ベルト12から一葉ずつ容易かつ確実に受け渡せる寸法に設定される。
本実施形態では、単体ラベル搬送ベルト41が張設される複数のローラのうち、ラベル帯搬送部2(搬送ベルト12)の先端側に設けられた第1のローラ42aの側から、搬送ベルト12の後端側にかけて、隙間Dが漸次幅広となるようにしている。かかる構成により、ラベル51の弾力性を利用して、ラベル51自体を単体ラベル搬送ベルト41にしっかりと貼りつけて保持させることができる。なおかつ、広がった隙間Dには作業者が手や指、あるいは工具などを挿入させやすくしてメンテナンス性の良好さを確保することができる。
また、単体ラベル搬送ベルト41は、搬送ベルト12に対して所定の進入角度αを有するように配設される。進入角度αは、搬送ベルト12の先端に臨設するラベル分離部3によって単体のラベル51が単体ラベル搬送ベルト41側に反り返ったときに、ラベル51の先端が単体ラベル搬送ベルト41に接して引き込まれやすい角度(例えば、10〜30度)に設定される。
すなわち、単体ラベル搬送ベルト41は、複数のローラを介して屈曲して構成されており、図5に示すように、第1のローラ42aを介して屈曲する第1搬送経路411と第2搬送経路412とを有する。そして、第2搬送経路412は、ラベル帯搬送部2の搬送ベルト12に沿って延在するように形成される。一方、第1搬送経路411は、搬送ベルト12に対して一定の進入角度αを有し、第2搬送経路412の始端部分に連なる終端部分が、ラベル分離部3と対向して位置するように形成される。
なお、図5に示すように、本実施形態に係る単体ラベル搬送ベルト41は、さらに第2のローラ42bを介して屈曲して第3搬送経路413が形成され、貼付対象物6を搬送するコンベヤ装置8(図1参照)側に延伸している。そして、図1に示すように、第3搬送経路413の中途に押圧用ローラ42dを設け、単体のラベル51を単体ラベル搬送ベルト41に確実に貼り付けた状態で保持させて搬送できるようにしている。
さらに、本実施形態におけるラベル分離部3には整流板32が設けられているため、単体ラベル搬送ベルト41に対してラベル51が引き込まれやすく、かつ保持されやすくなっている。
すなわち、図5に示すように、整流板32は、噴気ノズル31から噴出されたエアを、ラベル51が単体ラベル搬送ベルト41に引き込まれる方向に案内することができる(矢印Fを参照)。したがって、ラベル51は、所定の進入角度αで進行してくる単体ラベル搬送ベルト41に、先端側から引き込まれるように貼りついていく。こうして、ラベル帯5の先頭に位置する先頭ラベル51aを、後続のラベル51から容易かつ確実に引き離すことができ、単体のラベル51を一葉ずつ単体ラベル搬送ベルト41により搬送していくことができる。
ここで、図7を参照しながら、ラベル分離部3におけるラベル分離動作について、具体的に説明する。なお、構成要素を示す符号は図7(a)に集中的に示すこととし、図7(b)以降については適宜必要なもののみを示す。
図7(a)に示すように、ラベル帯搬送部2の搬送ベルト12に、ラベル帯5(図2A,図2Bを参照)が貼りついた状態で上手側(図の右側)から下手側(図の左側)へ搬送される。そして、搬送ベルト12が小径の端部ローラ21bを介してUターンするとき、先頭ラベル51aは、搬送ベルト12から剥がれて前方へ突出する。そして、先頭ラベル51aが搬送ベルト12の先端から所定量だけ突出すると、その先頭ラベル51aをラベルセンサ33が検出する。
ラベルセンサ33が先頭ラベル51aを検出すると、図7(b)に示すように、噴気ノズル31からエアを噴出する(矢印Fを参照)。噴出されたエアにより、先頭ラベル51aは、単体ラベル搬送ベルト41側、すなわち、ラベル51が分離される方向へ反り返るとともに、ラベル51の先端が単体ラベル搬送ベルト41に接触する。このとき、ラベル51は反り返っているため、粘着層510が単体ラベル搬送ベルト41に当接する。
単体ラベル搬送ベルト41は、図7(c)に示すように、粘着層510の先端部分が当接したラベル51を引き込みながら所定の進入角度α(図5参照)で搬送ベルト12に向かって進行する。そして、図7(d)に示すように、先頭ラベル51aは、後続のラベル51から引き剥がされながら単体ラベル搬送ベルト41に引き継がれる。
そして、図7(e)に示すように、引き継がれて単体ラベル搬送ベルト41に接着した状態の単体のラベル51は、ラベル貼付対象物6が流れてくるコンベヤ装置8に向けて一葉ずつ搬送される。このとき、搬送ベルト12の先端部からは次のラベル51が先頭ラベル51aとして突出している。
単体ラベル搬送ベルト41により搬送されたラベル51は、ラベル貼付部4の先端部分でラベル貼付対象物6に貼り付けられる。
図1に示すように、ラベル貼付部4の先端部分に配設された先端ローラ42cは、第1のローラ42aや第2のローラ42bに比べて極めて小径のローラ体を用いている。これは、先頭ラベル51aが搬送ベルト12と共にUターンすることなく先端部から突出するように、ラベル帯搬送部2の先端部に小径の端部ローラ21bを配設して搬送ベルト12をヘアピンカーブ状に屈曲形成した構成と同様である。
したがって、図1において、単体ラベル搬送ベルト41により搬送されたラベル51は、先端ローラ42cが配置された先端部分から突出することになり、突出した部分の粘着層510にラベル貼付対象物6が当接する。そして、あたかもラベル51がラベル貼付対象物6に巻き取られるようにして貼付されていく。
なお、ラベル貼付部4の先端部分から突出したラベル51の位置にラベル貼付対象物6がタイミング良く到達するように、例えば、コンベヤ装置8により搬送されるラベル貼付対象物6を検出するセンサを備える構成とすることもできる。すなわち、ラベル貼付対象物6とラベル51とを1組とし、コンベヤ装置8により搬送されるラベル貼付対象物6が所定の位置に達したことを検出すると、対応するラベル51を搬送している単体ラベル搬送ベルト41の搬送速度を調整するのである。
上述してきた実施形態によれば、以下に示す構成のラベル貼付装置10が実現される。すなわち、ラベル帯5を搬送するラベル帯搬送部2と、ラベル帯搬送部2により搬送されたラベル帯5の先頭に位置する先頭ラベル51aを、後続するラベル51と分離するラベル分離部3とを備えるラベル貼付装置10である。ラベル帯搬送部2は、複数のラベル51が連なるラベル帯5を保持した状態で列方向に搬送する無端状の搬送ベルト12を有する。かかる構成において、ラベル分離部3は、先頭ラベル51aにエアを吹き付ける噴気ノズル31と、噴気ノズル31からのエアを所定の方向に導く整流板32とを備える。噴気ノズル31は、搬送ベルト12の先端部に臨設されており、搬送ベルト12の先端から突出した先頭ラベル51aが分離方向に反り返るように、この先頭ラベル51aにエアを吹き付けるものである。
かかる構成により、本実施形態に係るラベル貼付装置10によれば、剥離紙の処理が不要な、いわゆるノーセパレータラベルを用いたラベル貼付作業を行う際に、単体のラベル51をラベル帯5から円滑かつ確実に分離することができる。しかも、本実施形態に係るラベル貼付装置10は、ラベル帯5がずらし重ねタイプのものであっても、単純な構成でありながら、単体のラベル51を後続するラベル51から円滑かつ確実に引き剥がすことができ、作業効率を損なうおそれもない。このように、本実施形態に係るラベル貼付装置10によれば、効率的なラベル貼付作業を行うことができる。
(第2の実施形態)
次に、図8および図9を参照しながら第2のラベル貼付装置10Aについて説明する。図8は、第2の実施形態に係るラベル貼付装置10Aを平面視で示す説明図、図9は、同ラベル貼付装置10Aにおけるラベル送給部1Aを側面視で示す説明図である。なお、以下の説明では、先の実施形態と同一の構成要素には同一の符号を付してその説明は省略する。
本実施形態に係るラベル貼付装置10Aが先の実施形態に係るラベル貼付装置10と主に異なるのは、ラベル帯押し付けシリンダ15、ラベル押さえアーム16、ラベル帯5のテンションコントローラ17を設けた点にある。また、本実施形態では、ラベル送給部1AのモータMを、ロール支持部11に直接ではなく、動力伝達ギヤ14を介して設けている。その他の構成としては基本的に第1の実施形態と同様である。
図8および図9に示すように、本実施形態に係るラベル貼付装置10Aは、ラベル送給部1Aにラベル帯押し付けシリンダ15を備えている。ラベル帯押し付けシリンダ15は、シリンダ本体内を進退するロッド先端にラベル押さえ板151が取付けられており、このラベル押さえ板151により、ロール支持部11に装着されたロール状のラベル帯5の外周を適度な一定の押圧力で押圧している。
モータMの駆動力を動力伝達ギヤ14を介してロール支持部11に伝達してラベル帯5を繰り出すと、ラベル帯5のロール径は漸次小さくなっていく。その径の減少に伴って、ラベル押さえ板151の位置は、図示するように、ポジションP1からポジションP2へと移動するが、この間、ラベル帯5には常に一定の押圧力が加わることになる。
また、ラベル帯搬送部2Aには、ラベル押さえアーム16とラベル帯5のテンションコントローラ17が設けられている。ラベル押さえアーム16は、基端を揺動自在に支持されるとともに、ヘラ状に形成された先端部を搬送ベルト12上のラベル帯5に当接させている。すなわち、図2Bに示すラベル帯5を、剥離層520側から押圧することにより、搬送ベルト12とラベル帯5との間の空気を排除して、ラベル帯5と搬送ベルト12との接着力が低下することを防止することができる。
また、ラベル帯5のテンションコントローラ17は、繰り出されるラベル帯5に加わっている張力(テンション)が一定以上になると、その張力を緩めるように作用する。すなわち、本実施形態に係るラベル貼付装置10Aは、基端を揺動自在に支持されるとともに、先端に取り付けたローラ体171を、繰り出されるラベル帯5の剥離層520側に当接させている。そして、ラベル帯5の繰り出し時に張力が高まり、ラベル帯5にローラ体171が連れられて、スイッチ172に接触しているポジションP3から離接方向へ移動すると、スイッチ172がOFFとなる。スイッチ172がOFFになると、例えば、ラベル送給部1AのモータMが駆動してラベル帯5の繰り出し量が増加し、ラベル帯5に加わっている張力が低下してラベル51の離脱を防止することができる。
本実施形態によれば、以下に示す構成のラベル貼付装置10Aが実現される。すなわち、第1の実施形態同様に、ラベル送給部1Aと、ラベル帯搬送部2Aと、ラベル分離部3とを備えるラベル貼付装置10Aである。そして、ラベル送給部1Aは、複数のラベル51が連なるラベル帯5を支持するとともに列方向へ繰り出す。また、ラベル帯搬送部2Aは、ラベル送給部1Aから繰り出されたラベル帯5を保持するとともに、保持した状態で列方向に搬送する無端状の搬送ベルト12を有する。また、ラベル分離部3は、ラベル帯搬送部2Aにより搬送されたラベル帯5の先頭に位置する先頭ラベル51aを、後続するラベル51と分離する。しかも、ラベル送給部1Aは、ロール状に装着されたラベル帯5の外周を所定の押圧力で押圧するラベル帯押圧装置を備える。ラベル帯押圧装置としては、具体的にはラベル帯押し付けシリンダ15を好適に用いることができる。また、ラベル帯搬送部2Aが、ラベル押さえアーム16とテンションコントローラ17を備える。
かかるラベル貼付装置10Aによれば、ラベル帯押し付けシリンダ15、ラベル押さえアーム16、ラベル帯5のテンションコントローラ17を備えることから、多連のラベル帯5から単体のラベル51が切離されることを、より効果的に防止することができる。
(第3の実施形態)
次に、図10を参照しながら、第3の実施形態に係るラベル貼付装置10Bについて説明する。図10は、第3の実施形態に係るラベル貼付装置10Bを平面視で示す説明図である。なお、以下の説明では、これまでの実施形態と同一構成の要素には同一の符号を付してその説明は省略する。
図10に示すように、本実施形態に係るラベル貼付装置10Bは、基本的な構成は第1の実施形態に係るラベル貼付装置10と同様である。しかし、ラベル貼付部4Aが、単体ラベル搬送ベルト41Aにおける、ラベル分離部3に対向するラベル搬送経路410を揺動させる揺動部9を備える点に特徴がある。
すなわち、図10に示すように、ラベル貼付部4Aを、例えば、第1ローラ421〜第4ローラ424に単体ラベル搬送ベルト41Aを張設して構成する。そして、単体ラベル搬送ベルト41Aの内側領域内に揺動部9を設け、この揺動部9により、ラベル分離部3に対向するラベル搬送経路410を揺動可能としている。なお、本実施形態に係るラベル貼付装置10Bは、ラベル搬送経路410の中途で、揺動部9よりも下手側にラベル押圧ローラ425を配設し、ラベル51を単体ラベル搬送ベルト41Aにしっかりと保持させて、より確実に搬送可能としている。
揺動部9は、中心軸901の回りに回転可能な、放射状に延伸する軸体の各先端に設けられたローラ体を備える構成である。より具体的に説明すると、揺動部9は、図示するように、略十字状に形成した十字軸部91と、この十字軸部91の4つの先端部分に回動自在に軸支された搖動ローラ92とを備える。そして、揺動部9は、4つの搖動ローラ92のうち1つが、ラベル搬送経路410を形成する単体ラベル搬送ベルト41Aに当接するように配設される。
かかる構成により、十字軸部91を回転させると、その回転に伴い、各搖動ローラ92がラベル搬送経路410を形成する単体ラベル搬送ベルト41Aを周期的に押圧し、この単体ラベル搬送ベルト41Aを揺動させることができる。
このように、ラベル分離部3に対向するラベル搬送経路410を揺動させることによって、ラベル分離部3において、ラベル帯搬送部2により搬送されるラベル帯5から単体のラベル51を引き剥がし易くすることができる。
すなわち、第1の実施形態に係るラベル貼付装置10では、単体ラベル搬送ベルト41が搬送ベルト12に対して一定の進入角度αで進入してくるように構成し、かかる単体ラベル搬送ベルト41に単体のラベル51を引き継ぐようにしていた。これに対し、本実施形態では、第1の実施形態における進入角度αと同様な角度を、単体ラベル搬送ベルト41Aに、動的かつ周期的に形成するようにしている。
かかる構成によっても、第1の実施形態同様、剥離紙の処理が不要な、いわゆるノーセパレータラベルを用いたラベル貼付作業を行う際に、単体のラベル51をラベル帯5から円滑かつ確実に分離することができる。しかも、ラベル帯5が、やはりずらし重ねタイプのものであっても、単体のラベル51を後続するラベル51から円滑かつ確実に引き剥がすことができ、作業効率を損なうおそれがない。
本実施形態によれば、以下に示す構成のラベル貼付装置10Bが実現される。すなわち、第1の実施形態同様に、ラベル送給部1と、ラベル帯搬送部2と、ラベル分離部3と、ラベル貼付部4Aを備えるラベル貼付装置10Bである。そして、ラベル貼付部4Aは、単体ラベル搬送ベルト41Aにおいて、ラベル分離部3に対向するラベル搬送経路410を揺動させる揺動部9を備える。また、揺動部9は、放射状に延伸し、中心軸まわりに回転可能な複数の十字軸部91の先端にそれぞれ搖動ローラ92が設けられており、十字軸部91の回転に伴い、各搖動ローラ92がラベル搬送経路410を形成する単体ラベル搬送ベルト41Aを周期的に押圧してこの単体ラベル搬送ベルト41Aを揺動させる。
さらなる効果や変形例は、当業者によって容易に導き出すことができる。このため、本発明のより広範な態様は、以上のように表しかつ記述した特定の詳細および代表的な実施形態に限定されるものではない。したがって、添付の特許請求の範囲およびその均等物によって定義される総括的な発明の概念の精神または範囲から逸脱することなく、様々な変更が可能である。