JP4306862B2 - ラベル装着装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、瓶、ボトル等の被装着体にストレッチラベルを装着するためのラベル装着装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
瓶やボトル等の被装着体の外周面に筒状のストレッチラベルを装着するラベル装着装置としては、図11に示すようなものがある。このラベル装着装置50は、ボトルBを載置した状態で昇降させる昇降台51と、ストレッチラベルLをボトルBの外径より大きくなるように拡開する開閉爪52aを備えた拡開手段52と、ストレッチラベルLを開閉爪52aやボトルBとの間に挟み付けて保持するクランプ部材53とを有する装着ヘッドを備えており、この装着ヘッドが所定の軌道を移動しながら、以下のようにして、ボトルBに対するストレッチラベルLの装着が行われる。
【0003】
同図(a)に示すように、まず、筒状のストレッチラベルLが拡開手段52の閉成状態にある開閉爪52aに被せられると、同図(b)に示すように、開閉爪52aが開いてストレッチラベルLの下端部が拡開され、その下端部をクランプ部材53が把持することによってストレッチラベルLが開閉爪52aに保持される。次に、昇降台51が上昇することによって昇降台51上に載置されているボトルBが持ち上げられ、同図(c)に示すように、拡開された下端部からストレッチラベルLにボトルBが挿入される。
【0004】
このようにしてストレッチラベルLにボトルBが挿入された状態では、拡開されていないストレッチラベルLの上部がボトルBの外周面に密着した状態となっているので、同図(c)に一点鎖線で示すように、その密着したストレッチラベルLの上端部をクランプ部材53が把持することで、ストレッチラベルLがボトルBに保持される。
【0005】
その後、同図(d)に示すように、昇降台51がさらに上昇することで、拡開されているストレッチラベルLの下端部が開閉爪52aから外れ、ストレッチラベルLがボトルBの外周面に完全に装着される。このようにしてストレッチラベルLが装着されたボトルBは、クランプ部材53が把持を解除した後、昇降台51が降下することで、ラベル装着レベルから退避して元の位置に戻る(同図(e)参照)。
【0006】
ところで、こういったラベル装着装置50には、筒状のストレッチラベルが連続的につながった状態でシート状に折り畳まれた長尺帯状のラベル形成基材を順次切断することで個別のストレッチラベルを形成しながら供給するのが一般的であるので、折り畳まれた状態で供給されるストレッチラベルを、図11(a)に示すように、閉成状態の開閉爪52aに嵌挿するために、筒状に開口するラベル開口手段が並設されている。
【0007】
ラベル開口手段は、図12に示すように、ストレッチラベルLの引渡位置Xの上部に固定設置されており、固定刃71及び回転刃72によってラベル形成基材Mから切り離されることで形成されたストレッチラベルLが、駆動ローラ61及びガイドローラ73にそれぞれ掛け渡された無端状の搬送ベルト74に挟み込まれた状態でラベル開口手段60に供給されるようになっている。
【0008】
前記ラベル開口手段60は、前記駆動ローラ61及び複数のガイドローラ62aに掛け渡された無端状の搬送ベルト63と、この搬送ベルト63にストレッチラベルLを吸引保持させる吸引機構64とから構成されており、前記搬送ベルト63には、その幅方向の中央部に長手方向に沿って所定間隔毎に多数の吸引孔(図示せず)が形成されていると共に、テンションローラ62bによって、所定の張力が常時付与されている。
【0009】
前記吸引機構64は、各搬送ベルト63に沿ってそれぞれ配置された左右一対の吸引ボックス65、66と、この左右一対の吸引ボックス65、66にそれぞれ接続される真空ポンプ等の図示しない吸引装置とから構成されており、各吸引ボックス65、66の搬送ベルト63との接触面には吸引口(図示せず)が開放されている。
【0010】
左右の吸引ボックス65は、搬送ベルト63を介して、ストレッチラベルLを挟み込むように相互に近接した状態で設置されているが、左右の吸引ボックス66は、その下方側が相互に離反した状態になっており、それに伴って、搬送ベルト63も、吸引ボックス66の下方部分において相互に離反した状態となっている。
【0011】
従って、このラベル開口手段60に供給されるシート状に折り畳まれた状態のストレッチラベルLは、まず、吸引ボックス65部分において、搬送ベルト63に挟み込まれることで、その左右両面が左右の搬送ベルト63にそれぞれ吸引保持された状態で下方側に搬送される。そして、吸引ボックス66部分において、搬送ベルト63が徐々に離反することによって、搬送ベルト63に吸引保持されたストレッチラベルLが徐々に開口しながら、その直下のラベル引渡位置Xを通過する装着ヘッドに設けられた拡開手段52の開閉爪52aに所定のタイミングで嵌挿される。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述したようなラベル開口手段60は、所定の軌道を移動している装着ヘッドとは別ユニットとしてラベル引渡位置Xに固定設置されていると共に、徐々に離反する搬送ベルト63によってストレッチラベルLを開口する機構を採用しているため、ラベル開口手段60が大型で複雑なものになると共に、ストレッチラベルLを開口するために十分な時間を確保することができず、ストレッチラベルLの開口作業の確実性に欠けるといった問題があった。
【0013】
また、このラベル開口手段60では、徐々に離反する搬送ベルト63によって開口したストレッチラベルLを自然落下させることによって開閉爪52aに嵌挿するようにしているため、開口されたストレッチラベルLを開閉爪52aに嵌挿する瞬間は、ストレッチラベルLが完全にフリーな状態となり、移動している開閉爪52aに対して確実にストレッチラベルLを嵌挿することができないといった問題もある。
【0014】
特に、ラベル装着装置50を高速運転しようとすると、必然的に開閉爪52aの移動速度(装着ヘッドの移動速度)も速くなるため、さらに微妙なタイミングでストレッチラベルを開閉爪52aに嵌挿していかなければならず、こういったラベル開口手段60ではストレッチラベルLを安定した状態で確実に開閉爪52aに嵌挿することが困難になるといった問題がある。
【0015】
そこで、この発明の課題は、上述したような問題点に鑑み、高速でストレッチラベルを被装着体に装着する場合でも、ストレッチラベルを安定した状態で確実に開閉爪に嵌挿することができるラベル装着装置を提供することにある。
【0016】
【課題を解決するための手段及びその効果】
上記の課題を解決するため、この発明は、各装着ヘッド毎に、筒状のストレッチラベルを予備的に開口するクランプ部材を有するラベル開口手段と、前記ラベル開口手段によって予備的に開口した前記ストレッチラベルを所定状態に拡開する開閉爪を有するラベル拡開手段とを設け、供給されるシート状に折り畳まれた状態の筒状のストレッチラベルを前記ラベル開口手段の前記クランプ部材で把持すると共にそのストレッチラベルの把持面をそれぞれ吸引した後、前記クランプ部材を相互に離間させることで予備的に開口し、筒状の前記ストレッチラベルを予備的に開口した状態で、前記ラベル拡開手段の閉成状態にある前記開閉爪に嵌挿し、前記開閉爪を開成させることによって拡開した前記ストレッチラベルに被装着体を挿入した後、前記開閉爪を前記ストレッチラベルから抜き取ることによって、前記被装着体に前記ストレッチラベルを装着するようにした、複数の前記装着ヘッドを備えたロータリ型のラベル装着装置であって、前記ラベル開口手段の前記クランプ部材は、前記ラベル拡開手段の前記開閉爪と協働して前記ストレッチラベルを保持する機能を有しており、前記開閉爪によって拡開された前記ストレッチラベルに前記被装着体を挿入する際に、前記ラベル開口手段の前記クランプ部材が、拡開された前記ストレッチラベルを前記開閉爪と共に把持することで、拡開された前記ストレッチラベルを開閉爪に保持し、前記開閉爪を前記ストレッチラベルから抜き取る際に、前記ラベル開口手段の前記クランプ部材が、挿入された前記被装着体と共に前記ストレッチラベルを把持することで、前記ストレッチラベルを被装着体に保持するようにしたのである。
【0017】
以上のように構成されたラベル装着装置では、各装着ヘッド毎にラベル開口手段を設ける構成を採用したため、装着ヘッドの移動途中で十分な作業時間を確保しながらストレッチラベルを開口することができ、しかも、装着ヘッドが移動していても、その移動方向に対してラベル開口手段と開閉爪とが相対的に停止した状態となっているので、ストレッチラベルの開口作業を余裕のある状態で確実に行うことができると共に開口されたストレッチラベルを安定した状態で確実に開閉爪に嵌挿することができる。これによって、ラベル装着装置を高速で円滑かつ確実に運転することが可能となる。
【0018】
また、このラベル装着装置は、ラベル開口手段が、シート状に折り畳まれた筒状のストレッチラベルを把持すると共にそのストレッチラベルの把持面をそれぞれ吸引した後、相互に離間することでストレッチラベルを開口させるクランプ部材を有していると共に、そのクランプ部材が、ラベル拡開手段の開閉爪と協働してストレッチラベルを保持する機能を有しており、開閉爪によって拡開されたストレッチラベルに被装着体を挿入する際に、ラベル開口手段のクランプ部材が、拡開されたストレッチラベルを開閉爪と共に把持することで、拡開されたストレッチラベルを開閉爪に保持し、開閉爪をストレッチラベルから抜き取る際に、ラベル開口手段のクランプ部材が、挿入された被装着体と共にストレッチラベルを把持することで、ストレッチラベルを被装着体に保持するようになっているので、ストレッチラベルをクランプ部材によって保持した状態で確実に開閉爪に嵌挿することができると共に、ストレッチラベルの装着作業に必ず必要なクランプ部材にストレッチラベルの開口機能が付与されることになるので、ストレッチラベルの開口機能と把持機能とを1つの部材によって実現することができ、装着ヘッド、ひいては装置全体をコンパクトにすることが可能になる。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下、実施の形態について図面を参照して説明する。図1は、PETボトル(以下、ボトルという。)Bにポリエチレン系樹脂製の弾性伸縮性フィルムによって形成された筒状のストレッチラベル(以下、ラベルという。)Lを装着するためのラベル装着システム1を示しており、このラベル装着システム1は、ベルトコンベア7、スターホイール2a、スクリューコンベア2b及びスターホイール2cからなるボトル供給装置2と、基材繰出部3aによって基材ロールから繰り出された長尺のラベル形成基材Mを順次切断しながらラベルLを形成し、そのラベルLを第1のラベル受渡位置αに順次供給するラベル供給装置3と、このラベル供給装置3によって第1のラベル受渡位置αに供給されたラベルLを受け取って第2のラベル受渡位置βに搬送するラベル受渡装置4と、ボトル供給位置γにおいて前記ボトル供給装置2から供給されたボトルBを受け取り、ボトル送出位置δまで搬送すると共に、前記ラベル受渡装置4によって搬送されてきたラベルLを第2のラベル受渡位置βにおいて受け取り、ボトルBをボトル供給位置γからボトル送出位置δまで搬送する間に、ラベルLをボトルBに装着するロータリ型のラベル装着装置5と、このラベル装着装置5によってラベルLが装着されたボトルBを搬出する、スターホイール6a、スクリューコンベア6b及びベルトコンベア7からなるボトル搬送装置6とから構成されている。
【0020】
なお、前記ラベル形成基材Mは、ボトルBに装着する筒状のラベルLが連続的に繋がったものであり、前記基材繰出部3aにおいてはシート状に折り畳んだ状態でドラムに巻回されている。また、基材繰出部3aから繰り出されたシート状のラベル形成基材Mは、ボトルBにラベルLを装着する際に再び筒状に開きやすくするために、その供給途中において折り返すことで折り畳み位置を変化させるようにしている(図1参照)。
【0021】
前記ラベル装着装置5は、図1及び図2に示すように、回転軸(図示せず)から放射状に張り出した複数の支持アーム11、12を介して、回転軸を中心とした同心円上に一定間隔で取り付けられた多数のラベル装着ヘッド10を備えており、各ラベル装着ヘッド10によって、第2のラベル受渡位置βにおいて受け取ったシート状に折り畳まれた筒状のラベルLがボトルBの外径より大きく拡開され、この拡開されたラベルLが、ボトル供給位置γにおいて受け取ったボトルBがボトル送出位置δまで搬送される途中で、ボトルBの胴部に装着されるようになっている。
【0022】
前記ラベル装着ヘッド10は、第2のラベル受渡位置βにおいて受け取ったシート状に折り畳まれた筒状のラベルLを、ラベル装着レベルでボトルBの外径より大きく拡開するラベル拡開機構20と、ボトル供給位置γにおいて前記ラベル装着レベルの下方位置にある昇降台43に載置されたボトルBを、昇降台43を上昇させることによって、ラベル装着レベルにおいて拡開されたラベルLに挿入するボトル昇降機構40とから構成されている。
【0023】
前記ラベル拡開機構20は、図2に示すように、ラベル受渡装置4によって受け渡されるシート状に折り畳まれたラベルLを、昇降台43に載置されたボトルBの直上位置で受け取って筒状に開口するラベル開口手段21と、このラベル開口手段21によって開口されたラベルLを、開閉爪28によってボトルBの外径より大きく拡開するラベル拡開手段25とから構成されており、このラベル拡開手段25は、支持アーム11によってラベル装着レベルに固定設置され、このラベル拡開手段25の直上位置に前記ラベル開口手段21が昇降自在に配置されている。
【0024】
前記ラベル開口手段21は、図2ないし図5に示すように、開閉可能な一対のクランプ部材22と、このクランプ部材22の挟持部22aに形成された吸引口から吸引することでクランプ部材22に挟持されたラベルLの両面をそれぞれクランプ部材22に吸引保持させる図示しない吸引手段と、クランプ部材22を開閉させる開閉駆動手段23と、クランプ部材22を昇降させる昇降手段24とから構成されており、このラベル開口手段21は、ラベル受渡装置4によって搬送されてきたシート状に折り畳まれたラベルLを、第2のラベル受渡位置βにおいて、クランプ部材22が挟持することによって受け取り、吸引手段が作動することでラベルLの両面を挟持部22aにそれぞれ吸引保持させた状態で、そのクランプ部材22を開成してラベルLの両面を相互に離間させることにより、ラベルLを筒状に開口するようになっている。また、クランプ部材22は、このようなラベルLの開口作業を行うだけではなく、後に詳述するように、ラベルLをボトルBに装着する際に、ラベルLを開閉爪28と共に把持することでラベルLを開閉爪28に保持したり、ラベルLをボトルBと共に把持することでラベルLをボトルBに保持したりする機能を備えている。
【0025】
なお、ラベル受渡装置4は、図1及び図3に示すように、第1のラベル受渡位置αと第2のラベル受渡位置βとを通るように回転するアームの先端にシート状のラベルLの片面を吸着する「コ」字状のラベル吸着部4aを有しており、このラベル吸着部4aに吸着されているラベルLをクランプ部材22の挟持部22aが挟み込んでラベル吸着部4aから離間させることによって、ラベルLの受け渡しが行われる。
【0026】
前記開閉駆動手段23は、図2ないし図5に示すように、クランプ部材22を常時閉成方向に付勢するバネ23aと、クランプ部材22の基端部側にそれぞれ取り付けられた一対のローラ23bと、下端部に、両ローラ23b間に挿入されることで両ローラ23bに当接するカム面を備えたカム部材23dが取り付けられた操作杆23cとから構成されており、操作杆23cは、図2に示すように、支持アーム12によって上下動自在に支持され、上端部には取付アーム23fを介して、図示しないカム溝に嵌り込むカムフォロア23eが取り付けられている。
【0027】
以上のように構成された開閉駆動手段23では、図5(b)に示すように、カム溝によってカムフォロア23eを降下させると、これに伴って操作杆23cが降下し、操作杆23cの下端部に取り付けられたカム部材23dがローラ23bを押し広げることで、クランプ部材22が開成する。従って、カム溝及びカムフォロア23eからなるカム機構によって操作杆23cを上下動させることで、クランプ部材22が開閉されるようになっている。
【0028】
前記昇降手段24は、図2に示すように、支持アーム12によって上下動自在に支持された操作杆24aと、この操作杆24aの下端部にクランプ部材22を取り付ける支持部材24bと、操作杆24aの上部に取付アーム24dを介して取り付けられた、図示しないカム溝に嵌り込むカムフォロア24cとから構成されており、カム溝及びカムフォロア24cからなるカム機構によって操作杆24aを上下動させることで、クランプ部材22を昇降させるようになっている。
【0029】
前記ラベル拡開手段25は、図6及び図7に示すように、支持アーム11に回転可能に支持されたカム溝26aを有する環状円盤26と、この環状円盤26に形成された溝に嵌り込んで環状円盤26の径方向にスライドする摺動部材27と、この摺動部材27に固定された、ラベルLを拡開するための開閉爪28とを備えており、開閉爪28には、嵌挿されるラベルLの下端が当接することで、ラベルLを位置決めするための段部28aが形成されている。
【0030】
また、摺動部材27には、環状円盤26に形成されたカム溝26aに嵌り込むカムフォロア29が取り付けられており、カム溝26aは、図7に示すように、環状円盤26が回転することで摺動部材27を環状円盤26の径方向に移動させるような形状になっている。
【0031】
また、前記環状円盤26の外側には、図6及び図7に示すように、前記支持アーム11に軸受30を介して軸31が回転可能に支持されており、この軸31には、環状円盤26の外周面に形成された歯に歯合するギア32と、先端にカムフォロア34が取り付けられたアーム33が固定されている。カムフォロア34は、装着ヘッド10の回転軌道に沿って配設された環状の板材に形成されたカム溝35に嵌り込んでいる。
【0032】
従って、カム溝35及びカムフォロア34からなるカム機構によってアーム33が揺動すると、軸31に固定されたギヤ32が回転し、これに伴って、ギヤ32が歯合している環状円盤26が回転するので、摺動部材27に取り付けられた開閉爪28が、カム溝26a及びカムフォロア29からなるカム機構によって環状円盤26の径方向に移動する。
【0033】
前記ボトル昇降機構40は、図2に示すように、支持アーム12に上下動自在に支持された操作杆41と、この操作杆41の下端部に取付アーム42を介して取り付けられた、ボトルBを載置するための昇降台43と、操作杆41に取付アーム44を介して取り付けられた、図示しないカム溝に嵌り込むカムフォロア45とを備えており、カム溝及びカムフォロア45からなるカム機構によって操作杆41を上下動させることで、昇降台43を昇降させるようになっている。
【0034】
また、ボトル昇降機構40は、ボトルBが載置された状態で昇降台43を降下させる際に、昇降台43の降下動作と連動して降下しながら、ボトルBを昇降台43上に保持する保持手段を備えており、この保持手段は、支持アーム12に上下動自在に支持された操作杆46と、この操作杆46の下端部に取り付けられた、ボトルBの頭部に嵌り込む頭部ホルダ47と、操作杆46の中央部に取付アーム48を介して取り付けられた、図示しないカム溝に嵌り込むカムフォロア49とから構成され、カム溝及びカムフォロア49からなるカム機構によって操作杆46を上下動させることで、頭部ホルダ47を昇降させるようになっている。
【0035】
また、頭部ホルダ47は、ボトルBを降下させる場合に使用されるだけでなく、開閉爪28によって拡開されるラベルLをラベル装着レベルに位置決めする場合にも使用される。即ち、開閉爪28に嵌挿されたラベルLを、頭部ホルダ47によって、上方から強制的に押し下げることで、ラベルLの下端を開閉爪28の段部28aに確実に当接させてラベルLの位置決めを行うようになっている。
【0036】
以上のように構成されたラベル装着装置5は、まず、図1に示すように、ラベル受渡装置4によってラベル受渡位置βに搬送されてきたシート状に折り畳まれた筒状のラベルLを、クランプ部材22が挟持することにより受け取ることになるが、第2のラベル受渡位置βの直前位置では、図8(a)、(b)に示すように、装着ヘッド10は、ラベル装着レベルに固定設置されている開閉爪28の上方に頭部ホルダ47及びクランプ部材22がそれぞれ位置しており、同図(a)〜(b)に示すように、装着ヘッド10がラベル受渡位置βに接近しながら、クランプ部材22が徐々に閉成すると共に開閉爪28も閉成し、同図(c)に示すように、ラベル受渡位置βにおいてクランプ部材22がラベルLを把持することで、ラベル受渡装置4からラベルLを受け取り、その状態のままボトル送出位置δの手前までラベルLが搬送される(同図(d)参照)。なお、このとき、同図(a)〜(d)に示すように、昇降台43には、前工程でラベルLが装着されたボトルBが載置されており、同図(e)に示すように、ボトル送出位置δにおいて、ラベルLが装着されたボトルBがボトル搬送装置6に引き渡される。
【0037】
そして、同図(e)に示すように、ラベルLを把持しているクランプ部材22が開成することで、ラベルLを筒状に開口した後、クランプ部材22及び頭部ホルダ47が徐々に降下しながら、同図(f)(図9(f))に示すように、ボトル供給位置γにおいて、筒状に開口されたラベルLが閉成状態の開閉爪28に嵌挿されると共に、ボトル供給装置2から引き渡された新たなボトルBが昇降台43に載置される。
【0038】
次に、図9(g)に示すように、頭部ホルダ47が降下して開閉爪28に嵌挿されたラベルLを頭部ホルダ47が押し下げることで、ラベルLの下端が開閉爪28の段部28aに当接し、ラベルLがラベル装着レベルに確実に位置決めされ、ボトルBが載置された昇降台43が上昇し始める。なお、頭部ホルダ47によってラベルLの位置決めが行われる際には、クランプ部材22の吸引が解除されると同時にクランプ部材22が僅かに開成し、クランプ部材22によるラベルLの吸引保持が解除された状態となっている。
【0039】
このようにして、ラベルLがラベル装着レベルに位置決めされると、同図(h)に示すように、開閉爪28が開成することで、ラベルLがラベル装着レベルにおいて拡開されると同時に、頭部ホルダ47が僅かに上昇して待機する。そして、ラベルLがラベル装着レベルにおいて拡開されると、クランプ部材22が僅かに閉成することにより、ラベルLを開閉爪28に押し付けて保持し、同図(i)に示すように、昇降台43によって上昇してくるボトルBが、拡開されたラベルLに挿入されると共にボトルBの頭部が頭部ホルダ47に嵌り込む。このとき、クランプ部材22が開閉爪28と共にラベルLを把持することで、ラベルLが開閉爪28に保持されているので、ボトルBをラベルLに挿入する際にラベルLがボトルBと共に持ち上げられることはない。
【0040】
この状態では、開閉爪28より上方のラベルLの上端部がボトルBの胴部外周面に密着した状態となっているので、同図(j)(図10(j))に示すように、クランプ部材22によるラベルLの把持を一旦解除した後、クランプ部材22が上昇し、ボトルBに密着しているラベルLの上端部をボトルBと共に再度把持することで、ラベルLがボトルBに保持される。
【0041】
そして、図10(k)に示すように、昇降台43、頭部ホルダ47及びクランプ部材22が共に上昇することで、クランプ部材22がラベルLをボトルBに保持した状態でボトルBを一旦持ち上げ、ラベルLから開閉爪28を外してラベルLの拡開を解除すると、ラベルLがボトルBに完全に装着される。
【0042】
ここで、クランプ部材22が開成することによってボトルBに対するラベルLの保持を解除し、同図(l)に示すように、昇降台43及び頭部ホルダ47が共に降下することで、ラベルLが装着されたボトルBをラベル装着レベルから退避させた後、頭部ホルダ47が上昇して図8(a)に示す元の位置に復帰し、上述したように、ボトル送出位置δにおいて、ラベルLが装着されたボトルBがボトル搬送装置6に引き渡される。
【0043】
以上のように、このラベル装着装置5では、各ラベル装着ヘッド10にそれぞれラベル開口手段21を設ける構成を採用したため、図8(c)〜(f)に示すように、各ラベル装着ヘッド10が、第2のラベル受渡位置βからボトル供給位置γに至るまでの間に、シート状に折り畳まれた状態のラベルLを筒状に開口すればよく、ラベル装着ヘッド10の移動途中に十分な作業時間を確保しながらラベルLの開口作業を余裕のある状態で確実に行うことができ、しかも、ラベルLの開口作業時には、ラベルLを開口するクランプ部材22がラベル拡開手段25の開閉爪28の上部に位置しているので、同図(e)〜(f)に示すように、ラベル装着ヘッド10の移動途中に、ラベルLを開口した状態で保持しているクランプ部材22を降下させることで、開口されたラベルLをフリーな状態にすることなく、開閉爪28に確実に嵌挿することができる。
【0044】
従って、ラベルLを高速でボトルBに装着するために、ラベル装着ヘッド10を高速で移動させた場合でも、ラベル開口手段が所定位置に固定設置されている従来のラベル装着装置とは異なり、ある程度の作業時間を確保することができるので、ラベルLの開口作業とラベルLの開閉爪28への嵌挿作業とを常に安定した状態で確実に行うことができ、ラベル装着装置5を高速で円滑かつ確実に運転することが可能となる。
【0045】
また、このラベル装着装置5では、上述したように、ラベルLを受け取って開口した後、開口されたラベルLを開閉爪28に嵌挿するクランプ部材22が、開閉爪28によって拡開されたラベルLを開閉爪28と共に把持することでラベルLを開閉爪28に保持したり、開閉爪28をラベルLから外す際に、ラベルLと共にボトルBを把持することでラベルLをボトルBに保持するといった種々の機能を果たすようにしたため、ラベルLの開口手段と、ラベルLの保持手段とを別々に設ける必要がなく、ラベル装着ヘッド10、ひいては装置全体をコンパクトにすることができる。
【0046】
また、このラベル装着装置5では、昇降台43によって持ち上げられたボトルBの頭部に頭部ホルダ47を嵌め込んだ状態で、昇降台43の降下動作と連動するように、昇降台43と共に頭部ホルダ47を降下させることで、ボトルBを昇降台43上に確実に載置した状態で降下させるようにしたため、高速でラベルLの装着を行うために、昇降台43の昇降速度を速くした場合でも、ボトルBが昇降台43の降下動作に追従できずに昇降台43から浮き上がった状態で自然落下したり、ローター搬送による遠心力によってボトルBの姿勢が崩れて周囲に配設されたクランプ部材22や開閉爪28と接触して昇降台43から脱落するといったこともなく、ボトル昇降機構40についても、ラベル装着装置5の高速運転に対応できるようになっている。
【0047】
また、このラベル装着装置5では、上述したように、頭部ホルダ47をラベルLの位置決め手段として使用するようにしたため、別途、ラベルLの位置決め手段を設ける必要がなくなり、こういった点においても、ラベル装着ヘッド10のコンパクト化が図られている。
【0048】
また、ボトルBの直上で昇降する頭部ホルダ47によって、ラベルLを上方から強制的に押し下げることで、ラベルLの下端を開閉爪28の段部28aに確実に押し当てて位置決めすることができるので、ラベル装着ヘッド10の外側に別途位置決め手段を設ける場合に比べて、ラベルLの位置決めをより確実に行うことができるという効果もある。
【0049】
なお、この実施形態では、上述したように、ラベル開口手段21のクランプ部材22によって、ラベルLの開閉爪28に対する保持やボトルBに対する保持を行っているが、必ずしもクランプ部材22にラベルLの保持機能を持たせる必要はなく、ラベルLの保持機能を果たす別部材を設けることも可能である。但し、クランプ部材22に両機能を持たせることによって、ラベル装着ヘッド10のコンパクト化を図ることができることは上述したとおりである。
【0050】
また、この実施形態では、PETボトルにストレッチラベルを装着する場合について説明したが、被装着体は上述したようなPETボトルに限定されるものではなく、本発明のラベル装着装置は、瓶、缶等の種々の容器や筒状体にストレッチラベルを装着する場合に適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明にかかるラベル装着装置の一実施形態を備えたラベル装着システムを示す概略平面図である。
【図2】同上のラベル装着装置のラベル装着ヘッドを示す概略図である。
【図3】同上のラベル装着ヘッドにおけるラベル開口手段を示す断面図である。
【図4】同上のラベル開口手段におけるクランプ部材を示す平面図である。
【図5】同上のクランプ部材の開閉駆動機構を示す側面図である。
【図6】同上のラベル装着ヘッドにおけるラベル拡開手段を示す断面図である。
【図7】同上のラベル拡開手段の内部構造を示す平面図である。
【図8】同上のラベル装着装置のラベル装着動作を示す動作説明図である。
【図9】同上のラベル装着装置のラベル装着動作を示す動作説明図である。
【図10】同上のラベル装着装置のラベル装着動作を示す動作説明図である。
【図11】従来のラベル装着装置のラベル装着動作を示す動作説明図である。
【図12】従来のラベル開口手段を示す概略構成図である。
【符号の説明】
1 ラベル装着システム
5 ラベル装着装置
10 ラベル装着ヘッド
20 ラベル拡開機構
21 ラベル開口手段
22 クランプ部材
23 開閉駆動手段
24 昇降手段
25 ラベル拡開手段
28 開閉爪
40 ボトル昇降機構
B ボトル
L ストレッチラベル
Claims (1)
- 各装着ヘッド毎に、筒状のストレッチラベルを予備的に開口するクランプ部材を有するラベル開口手段と、前記ラベル開口手段によって予備的に開口した前記ストレッチラベルを所定状態に拡開する開閉爪を有するラベル拡開手段とを設け、
供給されるシート状に折り畳まれた状態の筒状のストレッチラベルを前記ラベル開口手段の前記クランプ部材で把持すると共にそのストレッチラベルの把持面をそれぞれ吸引した後、前記クランプ部材を相互に離間させることで予備的に開口し、筒状の前記ストレッチラベルを予備的に開口した状態で、前記ラベル拡開手段の閉成状態にある前記開閉爪に嵌挿し、前記開閉爪を開成させることによって拡開した前記ストレッチラベルに被装着体を挿入した後、前記開閉爪を前記ストレッチラベルから抜き取ることによって、前記被装着体に前記ストレッチラベルを装着するようにした、複数の前記装着ヘッドを備えたロータリ型のラベル装着装置であって、
前記ラベル開口手段の前記クランプ部材は、前記ラベル拡開手段の前記開閉爪と協働して前記ストレッチラベルを保持する機能を有しており、
前記開閉爪によって拡開された前記ストレッチラベルに前記被装着体を挿入する際に、前記ラベル開口手段の前記クランプ部材が、拡開された前記ストレッチラベルを前記開閉爪と共に把持することで、拡開された前記ストレッチラベルを開閉爪に保持し、
前記開閉爪を前記ストレッチラベルから抜き取る際に、前記ラベル開口手段の前記クランプ部材が、挿入された前記被装着体と共に前記ストレッチラベルを把持することで、前記ストレッチラベルを被装着体に保持するようにしたことを特徴とするラベル装着装置。
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