JP2003267546A - スパウト又はスパウト付き袋の搬送装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 ガイドレールに沿ってスパウト又はスパウト
付き袋を一列で搬送し、その搬送の途中で方向転換をす
る場合において、規則的に整列させたり位置決めをする
必要をなくする。 【解決手段】 回転駆動される円形の回転体５と、その
周囲に所定間隔を置いて配置されたガイドレール６と、
回転体５の上に設置されて共に回転する複数個のグリッ
パー７を備える。回転体５はスパウトＳのフランジＦ間
の溝部に入ってフランジを支持する外周部５ａを有す
る。ガイドレール６は内側にスパウトＳのフランジＦ間
の溝部に入ってフランジを支持する円弧状のガイド部６
ａを有する。グリッパー７は、回転体５の回転に伴い、
の位置で閉じてスパウトＳのフランジＦを挟み、の
手前位置で開いてスパウトＳを開放する。グリッパー７
がスパウトＳのフランジＦを挟んでいる間、スパウトＳ
は回転力を与えられる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、ガイドレールに沿
って一列で搬送されるスパウト又はスパウト付き袋を受
け取り、方向転換して次のガイドレールに引き渡す搬送
装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】ガイドレールに沿ってスパウト又はスパ
ウト付き袋を一列で搬送し、例えばスパウト付き袋製造
装置や充填装置等に供給する場合、各装置の配置やスペ
ース的な制限等により、搬送の途中で方向転換を行う必
要がある場合がある。このような方向転換を可能とする
ものとして、、特開２００１−３１５７１５には、スパ
ウト付き袋をガイドレールに沿って搬送する際、途中で
直角に方向転換するための搬送供給装置が記載されてい
る。この搬送供給装置は、直交部の上流側に配置されて
１回転ずつ間欠回転し、１個ずつ送り出したスパウト付
き袋を直交部（＝待機位置）に停止、位置決めするスク
リューと、直交部に配置されそこに停止したスパウトの
フランジを支持して落下を防止する揺動可能なレバー
と、直交部の下流側に配置されてガイドレールと平行に
移動自在とされ、突出自在な押出体により直交部に停止
したスパウトを引っかけ、ガイドレールに沿って下流側
に搬送する送り出し装置からなる。また、スパウト又は
スパウト付き袋に関するものではないが、特開平６−１
６２２９号公報には、容器の搬送方向を９０度方向転換
する容器搬送装置が記載されている。この容器搬送装置
は、湾曲した軌道に沿って設置されたスクリューとガイ
ドを有し、両者の間で容器のネック部を支持し、スクリ
ューを回転させて容器を前記湾曲した軌道に沿って搬送
する。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】しかし、上記特開２０
０１−３１５７１５に記載された搬送供給装置は、ガイ
ドレール上を互いに密集状態又は不規則状態で搬送され
てきたスパウト付き袋を、直交部の手前に配置したスク
リューにより規則的に整列させると同時に直交部におい
ていったん停止、位置決めし、続いてこの位置決めされ
たスパウト付き袋を往復動する押出体により下流側のガ
イドレールに沿って搬送するようになっているため、ス
クリューの回転及び押出体の移動のタイミング制御が複
雑というだけでなく、前記直交部により全体の搬送能力
が制限されるという問題がある。また、スパウト付き袋
が直交部から送り出されるとき、レバー２０がスパウト
のヘッド部（キャップが取り付けられる箇所）をこする
ため、そこに傷が入ってキャップの密封が不完全となる
おそれもある。

【０００４】一方、上記特開平６−１６２２９号公報に
記載された容器搬送装置は９０度湾曲したスクリューを
用いることが必須であり、単なるアイデアの開示にとど
まっている。本発明は、このような従来装置の問題点に
鑑み、ガイドレールに沿ってスパウト又はスパウト付き
袋を一列で搬送し、その搬送の途中で方向転換をする場
合において、規則的に整列させたり位置決めをする必要
がなく、複雑なタイミング制御も必要でなく、搬送能力
が特に制限されることもなく、さらにスパウトのヘッド
部に傷を付けないスパウト又はスパウト付き袋の搬送装
置を得ることを目的とする。

【０００５】

【課題を解決するための手段】本発明は、ガイドレール
に沿って一列で搬送されるスパウト又はスパウト付き袋
を受け取り、方向転換して次のガイドレールに引き渡す
搬送装置に関し、回転駆動される円形の回転体と、その
周囲に所定間隔を置いて配置されたガイドレールと、前
記回転体の上に設置されて前記回転体と共に回転する複
数個のグリッパーを備え、前記回転体はスパウトのフラ
ンジ間の溝部に入ってフランジを支持する外周部を有
し、前記ガイドレールは内側にスパウトのフランジ間の
溝部に入ってフランジを支持する円弧状のガイド部を有
し、前記グリッパーは前記回転体の回転に伴い所定のタ
イミングで上下に開閉する挟持部を有し、該挟持部は閉
じるとき前記外周部上に下降することを特徴とする。

【０００６】前記挟持部が下降したとき、ちょうどそこ
にスパウトのフランジがあれば、当該フランジを前記外
周部との間で挟み、その状態で回転体の回転に伴って前
記スパウトを搬送する。前記外周部と挟持部に挟まれな
かったスパウトは、その後方側で下降した挟持部又は該
挟持部に挟まれたスパウトに押されて回転方向に搬送さ
れる。上記搬送装置のガイドレールのガイド部は、例え
ば上面にスパウトのフランジを下から支持するガイド突
起が長さ方向に沿って形成されている。ガイドレール側
においてこのガイド突起のみがスパウトのフランジに接
触することで、ガイド部が平面である場合より接触面積
が小さくなり、スパウトの摺動が円滑となる。また、上
記搬送装置のグリッパーの挟持部の幅（回転体の周方向
にみた幅）は、例えばスパウトのフランジの幅より広く
形成されている。その場合、挟持部でいずれかのスパウ
トのフランジを挟む確率が高くなる。

【０００７】前記搬送装置のグリッパーは、例えば、前
記回転体上で放射状に等間隔に配置され、それぞれその
中間部において前記回転体上に水平に設置された支点軸
に回動自在に支持され、前記支点軸より中心（回転体の
中心）側において回転体との間に設置された圧縮バネに
より常時付勢され、さらに、回転体の上方の所定位置に
設置されたカムの作用で前記挟持部が上下動するように
構成されている。前記グリッパーの開閉のタイミング
は、下記実施の形態に示すように、適宜設定すればよ
い。いずれにしても、ガイドレール上のスパウトのフラ
ンジの一方側（回転の内側になる側）がガイドレールか
ら回転体の外周部に完全に乗り移る位置又はその後方の
位置で閉じ、当該フランジが次のガイドレールに乗り移
り始める位置又はその手前の位置で開くようにする。

【０００８】

【発明の実施の形態】以下、図１〜図４を参照して、本
発明に係る搬送装置について具体的に説明する。図１〜
図２に示す搬送装置は、左右のガイドレール１、２に沿
って搬送されるスパウト付き袋Ｗを、搬送方向が１８０
度異なる左右のガイドレール３、４に受け渡すもので、
連続的に回転駆動される円形の回転体５と、その周囲に
所定間隔を置いて配置されたガイドレール６と、回転体
５の上に設置されて共に回転する複数個のグリッパー７
を備える。図１ではスパウト付き袋Ｗを密集状態で搬送
する場合が示されている。ガイドレール１、２及びガイ
ドレール３、４は、それぞれ所定幅の隙間ａを置いて設
置され、その内側に沿ったガイド部１ａ〜４ａがスパウ
トＳのフランジ部Ｆの間の隙間に係合し、当該フランジ
部を左右から支持しかつ搬送のガイドを行うもので、そ
れ自体、周知の装置である。

【０００９】回転体５は図示しない駆動源に連結されて
連続回転する駆動軸８に固定され、薄く上面が平らな外
周部５ａを有し、この外周部５ａがスパウトＳのフラン
ジＦの間の溝部に入ってフランジＦの一方側（回転の内
側になる方；Ｆａ）を支持する。回転体５に対して、ガ
イドレール１、２及びガイドレール３、４はほぼ接線方
向に配置されている。ガイドレール１、２のうち回転体
５に近い側（ガイドレール１）の前端及びガイドレール
３、４のうち回転体５に近い側（ガイドレール３）の後
端は円弧状に切り欠かれ、回転体５の外周との間にごく
わずかな隙間を設けて対置され、かつガイドレール１、
３のガイド部１ａ、３ａが、回転体５の外周部５ａに対
し接線方向に連なるように配置されている。

【００１０】ガイドレール６はスタンド９の上端に設置
された取付プレート１０に固定され、回転体５の周囲に
約１８０度にわたり、隙間ａを置いて配置されている。
ガイドレール６は、内側（回転体５側）に沿ってスパウ
トＳのフランジＦの間の溝部に入ってフランジＦを支持
する円弧状のガイド部６ａを有し、ガイド部６ａには、
上面にスパウトＳのフランジＦを下から支持するガイド
突起６ｂ（図３参照）が長さ方向に沿って形成されてい
る。ガイドレール６の後端はガイドレール１、２のうち
回転体５から遠い側（ガイドレール２）の前端に、その
前端はガイドレール３、４のうち回転体５から遠い側
（ガイドレール４）の後端に連なり、同時に、ガイド部
６ａはガイドレール２、４のガイド部２ａ、４ａに連な
っている。

【００１１】グリッパー７は回転体５の上に放射状に４
５度間隔で８個配置されている。各グリッパー７は前端
（放射方向外側）に回転体５に対し略垂直に向う挟持部
７ａを有し、該挟持部７ａの幅ｂ（回転体５の周方向に
みた幅）はスパウトＳのフランジＦの幅ｃより広く形成
されている。また、前記グリッパー７は、中間部におい
て回転体５上に水平に設置された支点軸１２に回動自在
に支持され、前記支点軸１２の後方側（放射方向内側）
において回転体５との間に設置された圧縮バネ１３によ
り常時付勢されている。従って、後述するカム１８、１
９の作用がなければ、グリッパー７が閉じて前記挟持部
７ａが回転体５の外周部５ａ上に下降し、スパウトＳの
フランジＦを挟むか外周部５ａ上面に当接する。

【００１２】グリッパー７の後端には、カムローラ１４
が放射方向に軸心がある支持軸１５に回転自在に取り付
けられている。また、駆動軸８の上端にカム取付部材１
６が相対回転自在に取り付けられ、連結ロッド１７を介
して図示しない固定スタンドに連結され、回転しないよ
うに位置決めされている。カム取付部材１６にはスパウ
トＳの搬送の上流側と下流側に下向きのカム面を有する
円弧状の２つのカム１８、１９が固定され、回転体５の
回転に伴い、カムローラ１４が前記カム面上を従動回転
し、これによりグリッパー７が開閉する。連結ロッド１
７の長さを調整することでカム１８、１９の円周方向位
置を調整し、グリッパー７の開閉のタイミングを調整で
きる。

【００１３】図１の搬送装置では、グリッパーの開閉タ
イミングは次のように設定されている。 （１）グリッパー７がの位置にあるときグリッパー７
はまだ閉じている。 （２）の位置の手前で、カムローラ１４がカム１８の
カム面に当接して下降を始め（グリッパー７が開き始め
る）、の位置を過ぎたあたりからカム面は水平とな
り、グリッパー７は最も開いた状態に維持される。 （３）の位置にきたとき、カムローラ１４がカム１８
のカム面から外れ、グリッパー７が閉じる。 （４）の位置の手前でカムローラ１４がカム１９のカ
ム面に当接して下降を始め、グリッパー７が開き始める
（グリッパー７がスパウトＳのフランジＦを挟んでいる
場合、これを開放する）。 （５）の位置の手前あたりでカム１９のカム面は水平
となり、続いての位置を過ぎたあたりでカムローラ１
４がカム１９のカム面から外れ、グリッパー７が閉じ
る。

【００１４】次にこの搬送装置によるスパウト付き袋Ｗ
の受渡しについて時系列的に説明する。 （１）ガイドレール１、２上のスパウト付き袋Ｗのスパ
ウトＳは後ろから押されて密集状態で搬送され、密集状
態のままこの搬送装置に導入される。そのとき、フラン
ジＦの一方側Ｆａがの位置で回転体５の外周部５ａに
乗り移り、続いてフランジＦの他方側Ｆｂがガイドレー
ル６のガイド部６ａに乗り移る。 （２）乗り移ったスパウトＳは、フランジＦが連続的に
回転する外周部５ａと接触面積の小さいガイド突起６ｂ
上に乗っているので、後続のスパウトＳに押され、回転
角度θ（ガイドレール１、２の方向と搬送方向の間の角
度）が小さい間は円滑に回転搬送される。

【００１５】（３）この回転角度θが大きくなると円滑
とはいい難くなるが、その前に（この例ではスパウトＳ
がの位置にきたとき）グリッパー７が閉じ、その挟持
部７ａが外周部５ａに乗ったフランジＦを挟む。そのス
パウトＳは回転力を与えられ、それより前方側に密集し
ているスパウトＳを前方に押し出す作用を有する。この
回転力により、回転角度θに関わりなくスパウトＳの回
転搬送は円滑に行われる。 （４）方向転換が終了する前に、具体的にはの位置に
くる前にグリッパー７が開き始め、スパウトＳは挟持部
７ａから開放される。（５）続いて、スパウトＳのフラ
ンジＦの他方側Ｆｂがガイドレール４のガイド部４ａに
乗り移り、さらに一方側Ｆａがガイドレール３のガイド
部３ａに乗り移る。乗り移った後も、後続のスパウトＳ
に押され密集状態で前方に搬送される。

【００１６】一方、図４にはガイドレール１、２上をス
パウト付き袋Ｗが不規則状態又は間隔を置いて搬送され
ている場合が示されている（搬送装置自体は、カム１８
の代わりにカム２０が設置されている以外は図１に示す
ものと同じ）。なお、密集状態で搬送している場合で
も、ときに不規則状態になることがある。この場合、回
転体５の外周部５ａ及びガイドレール６のガイド部６ａ
に乗り移ったスパウトＳに直ちに回転力を与えるため、
この例ではの位置でカムローラ１４がカム２０から外
れ、グリッパー７が閉じるようになっている。グリッパ
ー７が閉じたとき下にスパウトＳのフランジＦがあれば
当該フランジＦは挟まれ、スパウトＳは回転力を与えら
れる。また、下にスパウトＳのフランジＦがない場合で
も、閉じたグリッパー７の挟持部７ａが前方にあるスパ
ウトＳのフランジＦを押すので、当該スパウトＳは同じ
く回転力を与えられる。挟持部７ａの幅が大きい方がど
れかのスパウトＳのフランジＦを挟む確率が高くなる。

【００１７】なお、上記搬送装置では、ガイドレール２
とガイドレール６、ガイドレール６とガイドレール４は
別体として構成されていたが、これを一体構造としても
よい。また、グリッパーとして他の方式を採用すること
もできる。例えばエアシリンダにより挟持部を上下に開
閉させてもよい。

【００１８】

【発明の効果】上記搬送装置によれば、ガイドレールに
沿って一列で搬送されるスパウト又はスパウト付き袋を
受け取り、該スパウト又はスパウト付き袋を回転軌道に
沿って方向転換し、次のガイドレールに円滑に引き渡す
ことができる。そして、回転体上のグリッパーが搬送さ
れてきたどれかのスパウトのフランジを挟めばよく、ま
たフランジのどこを挟んでもスパウトに回転力を与える
ことができ、さらには挟まなくても回転力を与えること
ができるので、ガイドレール上でスパウトを規則的に整
列させたり位置決めをする必要がない。従って、複雑な
タイミング制御が必要でなく、全体の搬送能力が方向転
換により制限されることもない。さらにスパウトのフラ
ンジ部のみを挟むため、ヘッド部に傷を付けて密封不良
を起こすこともない。

【図面の簡単な説明】

【図１】 本発明に係る搬送装置の一部断面平面図であ
る。

【図２】 その正面断面図である。

【図３】 スパウトの支持部近傍の側面断面図である。

【図４】 同じく本発明に係る搬送装置の一部断面平面
図である。

【符号の説明】

１〜４ ガイドレール １ａ〜４ａ ガイド部 ５ 回転体 ５ａ 外周部 ６ ガイドレール ６ａ ガイド部 ６ｂ ガイド突起 ７ グリッパー ７ａ 挟持部 １４ カムローラ １８〜２０ カム Ｗ スパウト付き袋 Ｓ スパウト Ｆ スパウトのフランジ

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 瀬戸崎 正和 山口県岩国市大字長野1808番地 東洋自動 機株式会社内 Ｆターム(参考） 3F044 AB16 AB37 BB02 CC12 CD00 CF04 3F072 AA30 GF01 KA11 KC02 KC09 KE11

Claims (4)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 ガイドレールに沿って一列で搬送される
   スパウト又はスパウト付き袋を受け取り、方向転換して
   次のガイドレールに引き渡す搬送装置であり、回転駆動
   される円形の回転体と、その周囲に所定間隔を置いて配
   置されたガイドレールと、前記回転体の上に設置されて
   前記回転体と共に回転する複数個のグリッパーを備え、
   前記回転体はスパウトのフランジ間の溝部に入ってフラ
   ンジを支持する外周部を有し、前記ガイドレールは内側
   にスパウトのフランジ間の溝部に入ってフランジを支持
   する円弧状のガイド部を有し、前記グリッパーは前記回
   転体の回転に伴い所定のタイミングで上下に開閉する挟
   持部を有し、該挟持部は閉じるとき前記外周部上に下降
   することを特徴とすることを特徴とするスパウト又はス
   パウト付き袋の搬送装置。
2. 【請求項２】 前記ガイドレールのガイド部には、上面
   にスパウトのフランジを下から支持するガイド突起が長
   さ方向に沿って形成されていることを特徴とするスパウ
   ト又はスパウト付きの袋搬送装置。
3. 【請求項３】 前記グリッパーの挟持部の幅がスパウト
   のフランジの幅より広く形成されていることを特徴とす
   る請求項１又は２に記載されたスパウト又はスパウト付
   き袋の搬送装置。
4. 【請求項４】 前記グリッパーは前記回転体上で放射状
   に等間隔に配置され、それぞれその中間部において前記
   回転体上に水平に設置された支点軸に回動自在に支持さ
   れ、前記支点軸より中心側において前記回転体との間に
   設置された圧縮バネにより常時付勢され、さらに、回転
   体の上方の所定位置に設置されたカムの作用で前記挟持
   部が上下動することを特徴とする請求項１〜３に記載さ
   れたスパウト又はスパウト付き袋の搬送装置。