JP4306863B2 - ラベル装着装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、瓶、ボトル等の被装着体にストレッチラベルを装着するためのラベル装着装置に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】
瓶やボトル等の被装着体の外周面に筒状のストレッチラベルを装着するラベル装着システムとしては、図11に示すようなものがある。このラベル装着システム50は、ストレッチラベルをボトルBの外径より大きくなるように拡開する拡開手段や、拡開手段によって拡開されたストレッチラベルにボトルBを挿入するために、ボトルBを載置した状態で昇降させる昇降台等が搭載された複数の装着ヘッド61を備えたロータリ型のラベル装着装置60と、ラベル供給位置Xを通過する各装着ヘッド61にストレッチラベルを供給するラベル供給装置(図示せず)と、ボトル供給位置Yを通過する各装着ヘッド61にボトルBを供給する、ベルトコンベア51、スクリューコンベア71及びスターホイール72からなるボトル供給装置70と、ボトル送出位置Zを通過する各装着ヘッド61からストレッチラベルが装着されたボトルBを送出する、スターホイール81、スクリューコンベア82及びベルトコンベア51からなるボトル搬送装置80とを備えており、ラベル装着装置60は、ラベル供給位置X及びボトル供給位置Yにおいて、ストレッチラベル及びボトルBを順次受け取って、ボトルBをボトル送出位置Zまで搬送する間にボトルBにストレッチラベルを装着するように構成されている。
【0003】
上述したようなラベル装着システム50において、単位時間当たりのボトルBの処理本数を増やすべく、ラベル装着システムを高速で運転する場合、ラベル装着装置60のローターの回転速度を速くすることが考えられるが、ボトル1本当りに要する作業時間は概ね決まっているので、極端にローターの回転速度を速くすることはできず、通常は、図12に示すように、回転速度を維持したまま装着ヘッド61の設置数を増やすことで対処している。
【0004】
しかしながら、上述したように装着ヘッド61の設置数を増やすと、図12に示すように、装着ヘッド61の回転軌道が必然的に大きくなるので、ラベル装着装置60が大型化すると共に、装着ヘッド61の移動速度が速くなって装着ヘッド61は受け取ったボトルBを安定した状態で搬送することが難しくなるといった問題がある。
【0005】
また、ラベル装着システムを高速運転すると、必然的にラベル装着装置60に対する単位時間当たりのボトルBの供給本数が多くなるため、ベルトコンベア51の搬送速度も速くしなければならず、上述したボトル供給装置70やボトル搬送装置80におけるボトルBの搬送を安定した状態で行うことが難しくなるといった問題もある。
【0006】
そこで、この発明の課題は、高速でストレッチラベルを被装着体に装着する場合に発生する、装置の大型化と被装着体の不安定な搬送状態とを極力抑えることができるラベル装着装置を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段及びその効果】
上記の課題を解決するため、この発明は、ストレッチラベルと被装着体とを順次受け取って、1回転する間に前記被装着体に前記ストレッチラベルを装着する複数の装着ヘッドを備えたロータリ型のラベル装着装置において、前記装着ヘッドは、シート状に折り畳まれたストレッチラベルを受け取って筒状に開口するラベル開口手段と、このラベル開口手段によって開口されたストレッチラベルを前記被装着体の外径より大きく拡開する、開閉爪及びこの開閉爪の駆動機構を有するラベル拡開手段とを備え、前記駆動機構は、前記装着ヘッド毎に設けられており、カム溝が形成された環状円盤と、前記開閉爪にそれぞれ取り付けられた、前記カム溝に嵌り込むカムフォロアとを有し、隣接する前記装着ヘッドにおける前記ラベル拡開手段の開成状態の前記開閉爪の外側に張り出した前記駆動機構部分を、それぞれの占有領域が相互に重なり合うように、上下にずらしながら配置することで、前記装着ヘッド間のピッチを小さくしたのである。
【0008】
以上のように構成されたラベル装着装置では、隣接する前記装着ヘッドにおける前記ラベル拡開手段の環状円盤を有する開成状態の開閉爪の外側に張り出した駆動機構部分を、それぞれの占有領域が相互に重なり合うように、上下にずらしながら配置することで、前記装着ヘッド間のピッチを小さくしたため、装着ヘッドの回転軌道を小さくすることができる。これによって、装置全体の小型化を図ることができると共に、装着ヘッドの移動速度を小さくすることができるので、従来のラベル装着装置に比べて、より安定した状態で被装着体を搬送することが可能になる。
【0009】
また、装着ヘッド間のピッチを小さくしたことによって、装着ヘッドに供給する被装着体の供給ピッチや、装着ヘッドから送出される被装着体の送出ピッチも小さくなり、被装着体を搬送するためのベルトコンベア等の搬送速度を小さくすることができるので、より安定した状態で被装着体の搬送を行うことが可能となる。
【0010】
特に、高速運転を行うために装着ヘッドの設置数を増やすような場合には、必ず、装置の大型化や装着ヘッドによる被装着体の搬送状態の不安定化といった問題が発生するが、上述したような構成を採用することにより、こういった問題を最小限に抑えることができる。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、実施の形態について図面を参照して説明する。図1は、PETボトル(以下、ボトルという。)Bにポリエチレン系樹脂製の弾性伸縮性フィルムによって形成された筒状のストレッチラベル(以下、ラベルという。)Lを装着するためのラベル装着システム1を示しており、このラベル装着システム1は、ベルトコンベア7、スターホイール2a、スクリューコンベア2b及びスターホイール2cからなるボトル供給装置2と、基材繰出部3aによって基材ロールから繰り出された長尺のラベル形成基材Mを順次切断しながらラベルLを形成し、そのラベルLを第1のラベル受渡位置αに順次供給するラベル供給装置3と、このラベル供給装置3によって第1のラベル受渡位置αに供給されたラベルLを受け取って第2のラベル受渡位置βに搬送するラベル受渡装置4と、ボトル供給位置γにおいて前記ボトル供給装置2から供給されたボトルBを受け取り、ボトル送出位置δまで搬送すると共に、前記ラベル受渡装置4によって搬送されてきたラベルLを第2のラベル受渡位置βにおいて受け取り、ボトルBをボトル供給位置γからボトル送出位置δまで搬送する間に、ラベルLをボトルBに装着するロータリ型のラベル装着装置5と、このラベル装着装置5によってラベルLが装着されたボトルBを搬出する、スターホイール6a、スクリューコンベア6b及びベルトコンベア7からなるボトル搬送装置6とから構成されている。
【0012】
なお、前記ラベル形成基材Mは、ボトルBに装着する筒状のラベルLが連続的に繋がったものであり、前記基材繰出部3aにおいてはシート状に折り畳んだ状態でドラムに巻回されている。また、基材繰出部3aから繰り出されたシート状のラベル形成基材Mは、ボトルBにラベルLを装着する際に再び筒状に開きやすくするために、その供給途中において折り返すことで折り畳み位置を変化させるようにしている(図1参照)。
【0013】
前記ラベル装着装置5は、図1及び図2に示すように、回転軸(図示せず)から放射状に張り出した複数の支持アーム11、12を介して、回転軸を中心とした同心円上に一定間隔で取り付けられた多数のラベル装着ヘッド10を備えており、各ラベル装着ヘッド10によって、第2のラベル受渡位置βにおいて受け取ったシート状に折り畳まれた筒状のラベルLがボトルBの外径より大きく拡開され、この拡開されたラベルLが、ボトル供給位置γにおいて受け取ったボトルBがボトル送出位置δまで搬送される途中で、ボトルBの胴部に装着されるようになっている。
【0014】
前記ラベル装着ヘッド10は、第2のラベル受渡位置βにおいて受け取ったシート状に折り畳まれた筒状のラベルLを、ラベル装着レベルでボトルBの外径より大きく拡開するラベル拡開機構20と、ボトル供給位置γにおいて前記ラベル装着レベルの下方位置にある昇降台43に載置されたボトルBを、昇降台43を上昇させることによって、ラベル装着レベルにおいて拡開されたラベルLに挿入するボトル昇降機構40とから構成されている。
【0015】
前記ラベル拡開機構20は、図2に示すように、ラベル受渡装置4によって受け渡されるシート状に折り畳まれたラベルLを、昇降台43に載置されたボトルBの直上位置で受け取って筒状に開口するラベル開口手段21と、このラベル開口手段21によって開口されたラベルLを、開閉爪28によってボトルBの外径より大きく拡開するラベル拡開手段25とから構成されており、このラベル拡開手段25は、支持アーム11によってラベル装着レベルに固定設置され、このラベル拡開手段25の直上位置に前記ラベル開口手段21が昇降自在に配置されている。
【0016】
前記ラベル開口手段21は、図2ないし図5に示すように、開閉可能な一対のクランプ部材22と、このクランプ部材22の挟持部22aに形成された吸引口から吸引することでクランプ部材22に挟持されたラベルLの両面をそれぞれクランプ部材22に吸引保持させる図示しない吸引手段と、クランプ部材22を開閉させる開閉駆動手段23と、クランプ部材22を昇降させる昇降手段24とから構成されており、このラベル開口手段21は、ラベル受渡装置4によって搬送されてきたシート状に折り畳まれたラベルLを、第2のラベル受渡位置βにおいて、クランプ部材22が挟持することによって受け取り、吸引手段が作動することでラベルLの両面を挟持部22aにそれぞれ吸引保持させた状態で、そのクランプ部材22を開成してラベルLの両面を相互に離間させることにより、ラベルLを筒状に開口するようになっている。また、クランプ部材22は、このようなラベルLの開口作業を行うだけではなく、後に詳述するように、ラベルLをボトルBに装着する際に、ラベルLを開閉爪28と共に把持することでラベルLを開閉爪28に保持したり、ラベルLをボトルBと共に把持することでラベルLをボトルBに保持したりする機能を備えている。
【0017】
なお、ラベル受渡装置4は、図1及び図3に示すように、第1のラベル受渡位置αと第2のラベル受渡位置βとを通るように回転するアームの先端にシート状のラベルLの片面を吸着する「コ」字状のラベル吸着部4aを有しており、このラベル吸着部4aに吸着されているラベルLをクランプ部材22の挟持部22aが挟み込んでラベル吸着部4aから離間させることによって、ラベルLの受け渡しが行われる。
【0018】
前記開閉駆動手段23は、図2ないし図5に示すように、クランプ部材22を常時閉成方向に付勢するバネ23aと、クランプ部材22の基端部側にそれぞれ取り付けられた一対のローラ23bと、下端部に、両ローラ23b間に挿入されることで両ローラ23bに当接するカム面を備えたカム部材23dが取り付けられた操作杆23cとから構成されており、操作杆23cは、図2に示すように、支持アーム12によって上下動自在に支持され、上端部には取付アーム23fを介して、図示しないカム溝に嵌り込むカムフォロア23eが取り付けられている。
【0019】
以上のように構成された開閉駆動手段23では、図5(b)に示すように、カム溝によってカムフォロア23eを降下させると、これに伴って操作杆23cが降下し、操作杆23cの下端部に取り付けられたカム部材23dがローラ23bを押し広げることで、クランプ部材22が開成する。従って、カム溝及びカムフォロア23eからなるカム機構によって操作杆23cを上下動させることで、クランプ部材22が開閉されるようになっている。
【0020】
前記昇降手段24は、図2に示すように、支持アーム12によって上下動自在に支持された操作杆24aと、この操作杆24aの下端部にクランプ部材22を取り付ける支持部材24bと、操作杆24aの上部に取付アーム24dを介して取り付けられた、図示しないカム溝に嵌り込むカムフォロア24cとから構成されており、カム溝及びカムフォロア24cからなるカム機構によって操作杆24aを上下動させることで、クランプ部材22を昇降させるようになっている。
【0021】
図6及び図7は、前記ラベル拡開手段25を示している。なお、図6は、ラベル受渡位置βに位置しているラベル装着ヘッド10の支持アーム11の中心線に沿った断面部分Aと、ラベル受渡位置βに位置しているラベル装着ヘッド10及びそのラベル装着ヘッド10に隣接するラベル装着ヘッド10のそれぞれの開閉爪28の中心を通る中心線に沿った断面部分Bと、ラベル受渡位置βに位置しているラベル装着ヘッド10に隣接するラベル装着ヘッド10の支持アーム11の中心線に沿った断面部分Cとを展開した状態で一図に示したものである。
【0022】
前記ラベル拡開手段25は、図6及び図7に示すように、支持アーム11に回転可能に支持されたカム溝26aを有する環状円盤26と、この環状円盤26に形成された溝に嵌り込んで環状円盤26の径方向にスライドする摺動部材27と、この摺動部材27に固定された、ラベルLを拡開するための開閉爪28とを備えており、開閉爪28には、嵌挿されるラベルLの下端が当接することで、ラベルLを位置決めするための段部28aが形成されている。
【0023】
また、摺動部材27には、環状円盤26に形成されたカム溝26aに嵌り込むカムフォロア29が取り付けられており、カム溝26aは、図7に示すように、環状円盤26が回転することで摺動部材27を環状円盤26の径方向に移動させるような形状になっている。
【0024】
また、前記環状円盤26の外側には、図6及び図7に示すように、前記支持アーム11に軸受30を介して軸31が回転可能に支持されており、この軸31には、環状円盤26の外周面に形成された歯に歯合するギア32と、先端にカムフォロア34が取り付けられたアーム33が固定されている。カムフォロア34は、装着ヘッド10の回転軌道に沿って配設された環状の板材に形成されたカム溝35に嵌り込んでいる。
【0025】
従って、カム溝35及びカムフォロア34からなるカム機構によってアーム33が揺動すると、軸31に固定されたギヤ32が回転し、これに伴って、ギヤ32が歯合している環状円盤26が回転するので、摺動部材27に取り付けられた開閉爪28が、カム溝26a及びカムフォロア29からなるカム機構によって環状円盤26の径方向に移動する。
【0026】
また、このラベル拡開手段25は、図7に示すように、開閉爪28の駆動機構を構成している環状円盤26等が、開成状態の開閉爪28の外側に張りだすようにある程度の平面領域を占有しているので、隣接するラベル拡開手段25は、図6及び図7に示すように、一方を支持アーム11の上面に、他方を支持アーム11の下面にそれぞれ取り付けるといった具合に、開閉爪28の駆動機構部分を上下方向にずらすことで、その駆動機構の張出部分が平面的に重なり合うように設置されており、こうすることによって、隣接するラベル装着ヘッド10間のピッチを可能な限り小さくしてある。但し、ボトルBに装着しようとするラベルLが、常時、同一のラベル装着レベルで拡開されるように、下方側にずらしたラベル拡開手段25の開閉爪28は、その長さを長くすることでその上端及び段部28aのレベルを揃えてある。
【0027】
前記ボトル昇降機構40は、図2に示すように、支持アーム12に上下動自在に支持された操作杆41と、この操作杆41の下端部に取付アーム42を介して取り付けられた、ボトルBを載置するための昇降台43と、操作杆41に取付アーム44を介して取り付けられた、図示しないカム溝に嵌り込むカムフォロア45とを備えており、カム溝及びカムフォロア45からなるカム機構によって操作杆41を上下動させることで、昇降台43を昇降させるようになっている。
【0028】
また、ボトル昇降機構40は、ボトルBが載置された状態で昇降台43を降下させる際に、昇降台43の降下動作と連動して降下しながら、ボトルBを昇降台43上に保持する保持手段を備えており、この保持手段は、支持アーム12に上下動自在に支持された操作杆46と、この操作杆46の下端部に取り付けられた、ボトルBの頭部に嵌り込む頭部ホルダ47と、操作杆46の中央部に取付アーム48を介して取り付けられた、図示しないカム溝に嵌り込むカムフォロア49とから構成され、カム溝及びカムフォロア49からなるカム機構によって操作杆46を上下動させることで、頭部ホルダ47を昇降させるようになっている。
【0029】
また、頭部ホルダ47は、ボトルBを降下させる場合に使用されるだけでなく、開閉爪28によって拡開されるラベルLをラベル装着レベルに位置決めする場合にも使用される。即ち、開閉爪28に嵌挿されたラベルLを、頭部ホルダ47によって、上方から強制的に押し下げることで、ラベルLの下端を開閉爪28の段部28aに確実に当接させてラベルLの位置決めを行うようになっている。
【0030】
以上のように構成されたラベル装着装置5は、まず、図1に示すように、ラベル受渡装置4によってラベル受渡位置βに搬送されてきたシート状に折り畳まれた筒状のラベルLを、クランプ部材22が挟持することにより受け取ることになるが、第2のラベル受渡位置βの直前位置では、図8(a)、(b)に示すように、装着ヘッド10は、ラベル装着レベルに固定設置されている開閉爪28の上方に頭部ホルダ47及びクランプ部材22がそれぞれ位置しており、同図(a)〜(b)に示すように、装着ヘッド10がラベル受渡位置βに接近しながら、クランプ部材22が徐々に閉成すると共に開閉爪28も閉成し、同図(c)に示すように、ラベル受渡位置βにおいてクランプ部材22がラベルLを把持することで、ラベル受渡装置4からラベルLを受け取り、その状態のままボトル送出位置δの手前までラベルLが搬送される(同図(d)参照)。なお、このとき、同図(a)〜(d)に示すように、昇降台43には、前工程でラベルLが装着されたボトルBが載置されており、同図(e)に示すように、ボトル送出位置δにおいて、ラベルLが装着されたボトルBがボトル搬送装置6に引き渡される。
【0031】
そして、同図(e)に示すように、ラベルLを把持しているクランプ部材22が開成することで、ラベルLを筒状に開口した後、クランプ部材22及び頭部ホルダ47が徐々に降下しながら、同図(f)(図9(f))に示すように、ボトル供給位置γにおいて、筒状に開口されたラベルLが閉成状態の開閉爪28に嵌挿されると共に、ボトル供給装置2から引き渡された新たなボトルBが昇降台43に載置される。
【0032】
次に、図9(g)に示すように、頭部ホルダ47が降下して開閉爪28に嵌挿されたラベルLを頭部ホルダ47が押し下げることで、ラベルLの下端が開閉爪28の段部28aに当接し、ラベルLがラベル装着レベルに確実に位置決めされ、ボトルBが載置された昇降台43が上昇し始める。なお、頭部ホルダ47によってラベルLの位置決めが行われる際には、クランプ部材22の吸引が解除されると同時にクランプ部材22が僅かに開成し、クランプ部材22によるラベルLの吸引保持が解除された状態となっている。
【0033】
このようにして、ラベルLがラベル装着レベルに位置決めされると、同図(h)に示すように、開閉爪28が開成することで、ラベルLがラベル装着レベルにおいて拡開されると同時に、頭部ホルダ47が僅かに上昇して待機する。そして、ラベルLがラベル装着レベルにおいて拡開されると、クランプ部材22が僅かに閉成することにより、ラベルLを開閉爪28に押し付けて保持し、同図(i)に示すように、昇降台43によって上昇してくるボトルBが、拡開されたラベルLに挿入されると共にボトルBの頭部が頭部ホルダ47に嵌り込む。このとき、クランプ部材22が開閉爪28と共にラベルLを把持することで、ラベルLが開閉爪28に保持されているので、ボトルBをラベルLに挿入する際にラベルLがボトルBと共に持ち上げられることはない。
【0034】
この状態では、開閉爪28より上方のラベルLの上端部がボトルBの胴部外周面に密着した状態となっているので、同図(j)(図10(j))に示すように、クランプ部材22によるラベルLの把持を一旦解除した後、クランプ部材22が上昇し、ボトルBに密着しているラベルLの上端部をボトルBと共に再度把持することで、ラベルLがボトルBに保持される。
【0035】
そして、図10(k)に示すように、昇降台43、頭部ホルダ47及びクランプ部材22が共に上昇することで、クランプ部材22がラベルLをボトルBに保持した状態でボトルBを一旦持ち上げ、ラベルLから開閉爪28を外してラベルLの拡開を解除すると、ラベルLがボトルBに完全に装着される。
【0036】
ここで、クランプ部材22が開成することによってボトルBに対するラベルLの保持を解除し、同図(l)に示すように、昇降台43及び頭部ホルダ47が共に降下することで、ラベルLが装着されたボトルBをラベル装着レベルから退避させた後、頭部ホルダ47が上昇して図8(a)に示す元の位置に復帰し、上述したように、ボトル送出位置δにおいて、ラベルLが装着されたボトルBがボトル搬送装置6に引き渡される。
【0037】
以上のように、このラベル装着装置5では、ラベル装着ヘッド10の構成要素のうち、ある程度の平面領域を占有するラベル拡開手段25の駆動機構部分が、隣接するラベル装着ヘッド10のラベル拡開手段25の駆動機構部分に平面的に重なり合うように上下にずらしながら配設することで、ラベル装着ヘッド10間のピッチを可能な限り小さくするようにしたので、ラベル装着ヘッド10の回転軌道が小さくなり、これによって、装置全体の小型化を図ることができると共に、ラベル装着ヘッド10の移動速度を小さくすることができるので、従来のラベル装着装置に比べて、より安定した状態でボトルBを搬送することができる。
【0038】
また、ラベル装着ヘッド10間のピッチを小さくしたことによって、ラベル装着ヘッド10に供給されるボトルBの供給ピッチや、ラベル装着ヘッド10から送出される、ラベルLが装着されたボトルBの送出ピッチも小さくなり、ボトルBを搬送するためのベルトコンベア7の搬送速度を小さく抑えることができるので、ボトル供給装置2やボトル搬送装置6において、より安定した状態でボトルBの搬送を行うことが可能となる。
【0039】
特に、高速運転を行うためにラベル装着ヘッド10の設置数を増やすような場合には、ラベル装着ヘッド10の回転軌道が必然的に広がるので、装置全体が大型化すると共にラベル装着ヘッド10によるボトルBの搬送を安定した状態で行うことができなくなるといった問題が発生するが、上述したように、ラベル装着ヘッド10間のピッチを小さくすることで、こういった問題を最小限に抑えることができるので、ラベル装着ヘッド10の設置数の多い高速運転用のラベル装着装置として最適な形態であるといえる。
【0040】
なお、この実施形態では、PETボトルにストレッチラベルを装着する場合について説明したが、被装着体は上述したようなPETボトルに限定されるものではなく、本発明のラベル装着装置は、瓶、缶等の種々の容器や筒状体にストレッチラベルを装着する場合に適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明にかかるラベル装着装置の一実施形態を備えたラベル装着システムを示す概略平面図である。
【図2】同上のラベル装着装置のラベル装着ヘッドを示す概略図である。
【図3】同上のラベル装着ヘッドにおけるラベル開口手段を示す断面図である。
【図4】同上のラベル開口手段におけるクランプ部材を示す平面図である。
【図5】同上のクランプ部材の開閉駆動機構を示す側面図である。
【図6】同上のラベル装着ヘッドにおけるラベル拡開手段を示す断面図である。
【図7】同上のラベル拡開手段の内部構造を示す平面図である。
【図8】同上のラベル装着装置のラベル装着動作を示す動作説明図である。
【図9】同上のラベル装着装置のラベル装着動作を示す動作説明図である。
【図10】同上のラベル装着装置のラベル装着動作を示す動作説明図である。
【図11】従来のラベル装着システムを示す概略構成図である。
【図12】従来の高速運転用のラベル装着システムを示す概略構成図である。
【符号の説明】
1 ラベル装着システム
5 ラベル装着装置
10 ラベル装着ヘッド
20 ラベル拡開機構
21 ラベル開口手段
25 ラベル拡開手段
28 開閉爪
40 ボトル昇降機構
B ボトル
L ストレッチラベル

Claims (1)

  1. ストレッチラベルと被装着体とを順次受け取って、1回転する間に前記被装着体に前記ストレッチラベルを装着する複数の装着ヘッドを備えたロータリ型のラベル装着装置において、
    前記装着ヘッドは、シート状に折り畳まれたストレッチラベルを受け取って筒状に開口するラベル開口手段と、このラベル開口手段によって開口されたストレッチラベルを前記被装着体の外径より大きく拡開する、開閉爪及びこの開閉爪の駆動機構を有するラベル拡開手段とを備え、
    前記駆動機構は、前記装着ヘッド毎に設けられており、カム溝が形成された環状円盤と、前記開閉爪にそれぞれ取り付けられた、前記カム溝に嵌り込むカムフォロアとを有し、
    隣接する前記装着ヘッドにおける前記ラベル拡開手段の開成状態の前記開閉爪の外側に張り出した前記駆動機構部分を、それぞれの占有領域が相互に重なり合うように、上下にずらしながら配置することで、前記装着ヘッド間のピッチを小さくしたことを特徴とするラベル装着装置。
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